『I”s』『ゆうべはお楽しみでしたね』岡山天音、情けない若者を演じる独自の存在感

 今クールの連続ドラマを見ていると、岡山天音が出演する作品が3本もある。1本はすでに終了している『ゆうべはお楽しみでしたね』(MBS系)。オンラインRPG「ドラゴンクエストX」を楽しんでいた男女が、同棲することになるラブコメディだ。

 岡山が演じたのはアニメショップで働く、さつきたくみ。ゲーム内では「パウダー」というかわいいキャラクターを使っている。そんなたくみにルームシェアを持ちかけたのは、ゲーム内ではマッチョで男らしいキャラのゴロー。実は、ゴローを操作しているのはネイルサロンで働くおかもとみやこ(本田翼)というおしゃれな女性だ。学生時代に好きな人から振られたトラウマを抱えるたくみは女性が苦手だったが、サバサバしたみやこと暮らすことで、少しずつ変化していく。ドラマは淡々と2人の日常を描いているが、結果的にたくみの成長物語となっているのが見どころだろう。

 たくみのような繊細な内面を抱えた情けない青年を演じさせると、岡山は抜群にうまい。昨年12月末にBSスカパー!でスタートして、3月8日より後半話が放送され『I”s』で演じている主人公の少年・瀬戸一貴もそういう存在だ。本作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1997から2000年に連載されていた桂正和の同名漫画をドラマ化したもの。『電影少女』(同)などで知られる桂の漫画は、思春期の男の子がドキドキする少女を色っぽく描くことに定評がある作家で、ドラマ版でも白石聖が演じるヒロイン・葦月伊織を筆頭に、かわいい女の子が次々と登場し、ウブな一貴は翻弄される。

 岡山が演じる一貴は、“逆走くん”と劇中では言われており、自分の気持ちを素直に出せず好きな女の子にキツくあたってしまう。でも、根っこは優しい少年で、そういう思春期の男の子が持つ、ちぐはぐな感情を、岡山は丁寧に演じている。また、一貴の中には繊細な優しさと、キレると何をやらかすかわからない暴力性が同居しているが、特徴的なタレ目と離れ目が、そのときは不気味に見え、迫力と転じることがある。今は優しい青年役が多いが、変質者や殺人犯の役を演じたら、さぞかしハマることだろう。

 この2作では、やや自意識をこじらせためんどくさい内面を抱えた男を演じているが、『デザイナー 渋井直人の休日』(テレビ東京系)で演じる杉浦ヒロシは人当たりのいい好青年だ。

 本作は、光石研が演じるデザイナー・渋井直人を主人公としたドラマで、ヒロシは渋井のアシスタント。今時の若者らしく、失礼なことをズケズケと言うこともあるが、渋井のことを尊敬しており、渋井も大事な仲間だと思っている。つまりおっさんから見た、愛すべき若者とでも言うような存在で、第6話では渋井と杉浦の仲が深まるシーンも描かれており、3作の中では一番ハートウォーミングで見やすい作品だ。

 これら作品での描かれ方を見ると、どこか頼りないが繊細で優しい10代後半〜20代前半の若者といえば岡山天音というイメージが定着しつつあるのがわかる。

 岡山は現在24歳。安藤サクラや門脇麦といった若手実力派俳優を有する芸能事務所・ユマニテに所属している。09年に『中学生日記』(Eテレ)で俳優デビューし、数々のドラマや映画に出演しているが、大きく注目されたのは、17年の連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『ひよっこ』(NHK総合)だろう。

 本作は1960年代を舞台にした朝ドラで、岡山が演じたのはコンビの漫画家・つぼ田ちぼ助として、相棒の坪内祐ニ(浅香航大)と共に漫画家を目指す新田啓輔。なかなかデビューできずにいる情けない青年だが、素朴な姿に可愛げがあり、作中ではムードメーカー的な存在だった。

 主演の有村架純を筆頭に、『ひよっこ』は女性陣の活躍が目立つドラマで、登場する男性は、竹内涼真が演じた慶応ボーイの島谷を除くと、どこか頼りない人ばかり。そのため、本編では縁の下の力持ちに甘んじていたのだが、『ひよっこ』終了後には他作品に立て続けに出演し、独自の存在感を見せつつある。

 すでにブレークしている竹内は別格として、『ひよっこ』男性陣の泉澤祐希、浅香航大、古舘佑太郎、磯村勇斗、そして岡山の5人は今年もっとも期待できる若手だと言えよう。中でも岡山の強みは、かっこ悪くて情けない青年役を愛嬌のある形で演じられることにある。

 5月からはメ~テレ(名古屋テレビ)制作の深夜ドラマ『ヴィレヴァン!』で、ヴィレッジヴァンガードで働く大学生役で主演を務めることが決まっている。まだ深夜枠の小さい作品が多いが、プライムタイムのドラマで主演を務める日も、そう遠くはないだろう。

 その時はぜひ、『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)のような泥臭い青春群像劇に出演してほしい。今の岡山ならば若者の心を掴むような情けない青年を演じられるはずだ。
(成馬零一)

小倉優香の“身体能力”がスゴすぎる!? アクション演技を生かして海外進出へ

「昨年12月に公開された初主演映画『レッドブレイド』は興収的には大コケでしたが、彼女の身体能力の高さは伝わったんじゃないでしょうか。事務所は、今後もアクション系の仕事を増やしていくつもりのようですよ」(映画関係者)

 昨年20歳を迎えたグラビアアイドルの小倉優香。昨年はドラマ『チア☆ダン』(TBS系)で主人公のライバルチームのセンターを演じるなど、女優業にも本格的に進出した。

「顔はいわゆる美人系ではないのですが、愛嬌のある顔なので、主演は難しいとしても2、3番手は十分に狙えるんじゃないでしょうか。『チア☆ダン』も、経験者ということもあってオーディションでかなりの身体能力を披露してスタッフを驚かせたそうですからね。グラドル出身の女優といえば小池栄子さんや佐藤江梨子さんらの名前が挙がりますが、彼女らと違うのはアクションもいけるという点でしょうね」(芸能事務所関係者)

 また、本人は中国語の語学学校に通うなどさらなる特技の習得にも励んでいるという。

「自身も今のままでは女優業は難しいと感じているようで、アクション以外にも中国語や英語を学んでアジアやハリウッドからもオファーが来るようにしたいそうです。彼女が競う枠は、最近だと吉岡里帆さんが抜けている感じですし、枠が狭いのも事務所も理解しています。それで幅広く特技を持つことで声が掛かる可能性を広げているそうですよ」(ドラマスタッフ)

 海外でブレークし、逆輸入女優として活躍する可能性もあるかもしれない!?

小倉優香の“身体能力”がスゴすぎる!? アクション演技を生かして海外進出へ

「昨年12月に公開された初主演映画『レッドブレイド』は興収的には大コケでしたが、彼女の身体能力の高さは伝わったんじゃないでしょうか。事務所は、今後もアクション系の仕事を増やしていくつもりのようですよ」(映画関係者)

 昨年20歳を迎えたグラビアアイドルの小倉優香。昨年はドラマ『チア☆ダン』(TBS系)で主人公のライバルチームのセンターを演じるなど、女優業にも本格的に進出した。

「顔はいわゆる美人系ではないのですが、愛嬌のある顔なので、主演は難しいとしても2、3番手は十分に狙えるんじゃないでしょうか。『チア☆ダン』も、経験者ということもあってオーディションでかなりの身体能力を披露してスタッフを驚かせたそうですからね。グラドル出身の女優といえば小池栄子さんや佐藤江梨子さんらの名前が挙がりますが、彼女らと違うのはアクションもいけるという点でしょうね」(芸能事務所関係者)

 また、本人は中国語の語学学校に通うなどさらなる特技の習得にも励んでいるという。

「自身も今のままでは女優業は難しいと感じているようで、アクション以外にも中国語や英語を学んでアジアやハリウッドからもオファーが来るようにしたいそうです。彼女が競う枠は、最近だと吉岡里帆さんが抜けている感じですし、枠が狭いのも事務所も理解しています。それで幅広く特技を持つことで声が掛かる可能性を広げているそうですよ」(ドラマスタッフ)

 海外でブレークし、逆輸入女優として活躍する可能性もあるかもしれない!?

錦戸亮主演『トレース~科捜研の男~』視聴者に負担を与えつつも……“禁じ手”に挑戦した第8話!

(これまでのレビューはこちらから)

 2月25日放送の『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)第8話。まずはそのあらすじから。

 同居する友人・根岸秀司(落合モトキ)を刺殺したと自首する御手洗治(渋谷謙人)。取り調べを担当する虎丸(船越英一郎)は、御手洗が根っからの悪人とは思えずにいた。

 根岸・御手洗と共に児童養護施設で育った人気女優・橋本梨央(石井杏奈)もまた、同じ理由で、事件の調べ直しをノンナ(新木優子)に願い出る。

 皆が御手洗を心配する中、彼自身は嘘の証言を続け、真相を隠そうとした。

 礼二(関ジャニ∞・錦戸亮)は、現場の血痕の乾き具合を見て刺殺から通報(自首)までの“空白の1時間”を発見。さらに現場から猫の毛を検出。珍しい猫種であったことから、飼い主がフリーライター・益山英彰(弓削智久)と特定される。虎丸は益山の自宅を訪ねるも、益山は遺体となって発見された。

 以上が物語前半の内容だ。新たに死体として発見された益山は、根岸と御手洗とどのような関わりがあるのか? そして御手洗はなぜ、下手な嘘をついてまで真相を隠そうとするのか?

 その2つの問いに焦点が当たり、根岸と御手洗との友情、そして彼ら2人の女優・梨央への献身が明らかになっていく。

 前半は事件関係者が多いためか複雑でわかりづらい部分もあったが、後半の解決パートは映画『砂の器』(1974年・監督:野村芳太郎)のラストを彷彿とさせる感動があった。

 そして第8話は、とある禁じ手を使った意欲作。その事に関して次章から触れていきたい。

■禁じ手に挑む演出家と脚本家の勇気!!

 冒頭で述べた禁じ手とは、以下の2つである。

・重要なキャラ(本作だと御手洗)を嘘つきにさせる

・セオリーを度外視した構成

 なぜ嘘をつくのが禁じ手かと言えば、テレビドラマ的な観点からすると、視聴者に与える負荷が多くなるから。人物がひとつ嘘をつくごとに、“覚える”と“忘れる”の二つの脳内作業を強いることになる。その取捨選択に加えて、正しい情報も覚える必要があるのだから、真実と嘘で頭がこんがらがってしまう。視聴者の混乱を防ぐ方法は、瞬時に嘘だと気づかせることだ。

 嘘つきの動揺や焦りを見せればいいのだが、これがなかなか難しい。動揺が露骨になれば重要キャラが安っぽくなってしまうし、抑え過ぎれば間違った情報だと気づいてもらえない。高度な役者の演技力と演出家の腕が要求される。

 だが、本作の第8話を担当した松山博昭氏は、絶妙な塩梅で視聴者に嘘だと見抜かせた。

 御手洗は梨央を守るために必死に嘘をつき、虎丸は彼が嘘をつくたび心配そうにする。二段構えで嘘とわかる場面を置くだけでなく、両者が献身的な気持ちを持つゆえに、キャラの高尚さを損なわずに済んだ。

 一方、小悪党が保身のために嘘をつく時には水をゴクゴク飲ませ、あえて安っぽく仕上げていた。登場人物の重要度に応じて、演出の技量を上げ下げするのは見事だった。 

 とはいえ、嘘をつかせ続ければ情報は増える一方。冒頭で“前半は分かりづらい”と述べたが、たぶん制作サイドは織り込み済み。だから構成のセオリーをぶっ壊して、難解な捜査の時間を極力短くし、後半30分全てを解決パートに当てたのだろう(通常なら解決パートは10分前後)。解決パートなら、人情劇で視聴者を引き込む事ができる。

 けれど、そこには大きなリスクが潜む。第8話のゲストたちの過去回想となり、メインのキャラはほとんど画面に映らない。主人公・礼二たちの目線で物語を追う事ができなくなり、感情移入しづらくなる。

 しかし、僅かな登場時間で礼二たちに存在感を出させることで、その問題は解消されていたようにも思う。礼二は「離れていても思い合うのが家族」と梨央を慰める。虎丸は「一人でよく頑張ったな」と嘘で梨央を守ろうとした御手洗を慰める。

 慰めるに至った経緯は見逃し配信などでチェックしてほしいが、その台詞があるから礼二たちの物語という体は保てた。そして家族と死別した礼二と、離れて暮らす息子と御手洗を重ねる虎丸に、相応しいセリフだったとも言える。

 メインキャラを出せないハンデを背負いながら、構成のセオリーに逃げず、セリフでの真向勝負に出た岡田道尚氏には、脚本家としての高尚なプライドを感じる。また、嘘がテーマとなる難しい回を引き受けた松山氏の自信と周囲からの信頼には頭が下がる。

 ただ面白いものを作るだけで終わらない、プロの仕事を見せつけられた気がした。

■視聴率は1ケタ続き。それでも……

 前回の第7話の視聴率は9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)。そして今回の第8話は9.8%。

 視聴率は下がる一方だし、1ケタを二回連続で出してしまった。

 けれど、全話平均視聴率は2ケタをキープしているし、本作の性質から見れば大健闘なのではないだろうか。

 科捜研という過去起きた事件を解決する組織であるため、現在進行形での第2第3の事件の連鎖を起こしづらい。また、見応えのあるアクションシーンなどに逃げることもできない。

 それら刑事ドラマのメリットが出しづらいだけでなく、チャンネルを変えたくなるような陰惨な事件も多い。今回も幼少期の性的虐待が絡むなど、家族そろって観づらい内容。なおかつ前述のとおり難しい題材に挑戦し、メインの役者を長時間映せないハンデまであった。それでも、0.1%ダウンだけで踏ん張れたのは、多くの視聴者が、「最後は絶対に感動させてくれる」とこの作品を信頼しているからではないだろうか。

『トレース』を毎週追ってるひいき目かもしれないが、また2ケタ視聴率に復調してくれることを願っている。

■視聴者と登場人物の感情をつなぐ音楽

 このドラマの売りと言えば、事件のスリリングさと解決パートでの感動だろう。

 そのふたつを際立たせるのは音楽。タイトルバック前に必ず流れるテクノ調の曲『TRACE』が事件の緊迫感と物語への期待を高め、バラード調の『Never Again』が解決パートで明らかになる事件関係者の悲しみに対する共感を誘う。そして、『Your Broken Heart(Reprise)』で捜査員や事件関係者が前に進む希望を感じさせる。(タイトル名はサウンドトラックより引用)

 本作の音楽を手掛けるのはKen Arai氏。『鍵のかかった部屋』(2012年・フジ)や『失恋ショコラティエ』(14年・フジ)など、先ほども紹介した松山博昭氏の過去の作品でも音楽を提供しているようだ。作り手同士の関係性や、作品に込める想いを想像するのもまた、ドラマの楽しみのひとつである。

 第8話ではサウンドトラックCDのプレゼントの告知があったが、連ドラのプレゼント告知は作品が大詰めになっている時期なのだと実感させる。次回より最終章突入。3月4日放送の第9話も見逃せない。

(海女デウス)

「やって!TRY」の女性差別脱却は「ポリコレがテレビをつまらなくする」批判を一蹴する

 日曜お昼の老舗番組『噂の!東京マガジン』(TBS系)内で放送されている「平成の常識 やって!TRY」に変化が起きているとツイッターを中心に話題となっている。

 「やって!TRY」といえば、道行く10代〜20代の若い女性に料理をつくらせ、失敗する姿を舅・姑世代の視聴者が見て溜飲を下げるコンテンツとして長く放送されてきた。

 近年では、「女性」のみを対象に企画を行い、また、失敗する姿をバカにすることで「女性は料理できなければダメ」という価値観を流布する企画趣旨に批判が集まりがちだった。「やって!TRY」が時代の空気感にそぐわないコンテンツになっていたことは紛れもない事実だろう。

 そんな空気を察知したのか、3月3日放送回の「やって!TRY」は、これまでと明らかに違っていた。

生まれ変わった「やって!TRY」
 この回では、東京タワーに観光に来た人たちを対象に「チャーハン」のお題が出された。

 一番目の挑戦者は、東京で一人暮らしをする22歳の女子大学生。上京してきた母、妹とともに東京タワーを訪れており、母が不安そうな目で見つめるなか調理はスタートする。

 母の心配をよそに彼女は難なく調理を終え、チャーハンが無事でき上がった。

 見た目も完璧で、母は嬉しさを隠せない。さらに、味見をすると、<お母さんのよりおいしい。感動しちゃった。感動! チャーハンごときで。一人でお料理できるようになって感動しちゃった。なんにもできない子だったのに>と、東京で成長した娘に感動の涙を流すのであった。

 二人目はホテルブライダルの専門学校に通う19歳の男性。男女混合グループのなかで仲間から指名された彼は<お客様のニーズの先読みじゃないですけど、欲しがるものを一歩先を考えてサービスする方が理想かなと思います>と理想のホテルマン像を語りながら調理。

 しかし、<ばあちゃんがつくるチャーハンが味付けもおいしかったです>と、祖母の味付けを模してつくると宣言したチャーハンは、見た目は問題なくとも味付けがこしょうのみで仲間からは大不評。

 <味があんまりない><病院食ぐらいでもいい>という評価に不満そうな彼は自分でもチャーハンを口に運んでみるが、そこですべてを察したらしく、<穴があるなら入りたい気分です>と、反省するのであった。

 三人目は再び女性。祖母、母、弟と共に東京タワーに観光に来た22歳の大学生である。

 彼女は春から新社会人になるが、母は<あんまり物事深く考えないで行動してるんじゃないかな>と、娘に対して手厳しい評価。彼女自身も<このままで通用するのはいまだけだよ>と怒られっぱなしであると語りながら料理を続ける。

 結果的には、油を入れ過ぎたことにより、見た目も味も最悪なチャーハンが出来上がってしまった。

 味見をした母は<ベーコンが多過ぎ。あと、ベチャッとなり過ぎ>と叱るが、そこで祖母が助け舟を出す。

 一口食べた祖母は<私はね、おいしい>と好評価。そして、怒る母に対しても<ママだって若い頃はね……>と、昔から料理が出来ていたわけではないとフォローを入れるのだった。

 そこまで言われて立つ瀬がなくなったのか、母はスタッフに対し、ご飯を追加して自分がつくり直していいか志願。娘の前でチャーハンのつくり方を実演するという珍しい展開になったのだった。

定型を脱したことで人間ドラマが浮き上がった「やって!TRY」
 3人とも、これまでの「やって!TRY」の定型からは大きく外れている。

 そもそも、これまで料理に成功した人がオンエアーされることはほぼなかったし、男性の参加者も珍しい。

 3人目はいつも通りの失敗パターンだが、「これだから若い娘は……」というお小言を言いたがる中高年のニーズにそのまま乗っかるつくりにはなっていない。

 新しい試みをしたことで、むしろ、3者3様のキャラクターやドラマがよく見えるようになった。どの参加者も「若い娘は料理もできないで何をやっているんだ」という結論に落とし込まれていたときよりも、格段に面白くなっているといえる。

 こういった変化は先週2月24日放送分でも起きていた。

 揚げ出し豆腐がテーマのこの回では、最初の2人こそいつも通りの「若い女の子が失敗する」「その姿に同行する友人や彼氏が呆れる」パターンだったが、3人目は普段から番組を見ているという21歳の男子大学生が自ら志願して挑戦。

 結果的には失敗に終わり、一緒に来ていた彼女にも<思ってるのと違う>とつれなく言われてしまうが、本人は明るい表情で番組ナレーションの乱一世のモノマネをしながら<あ〜あ〜、やっちゃったよ〜>と、良いキャラを披露するのだった。

 「やって!TRY」に対して疑問を呈する声は近年日増しに高まっていて、2019年1月6日付のニュースサイト「東洋経済ONLINE」では、作家・生活史研究家の阿古真理氏による寄稿「「女性の料理が笑われる」TBS番組への違和感  TBS「平成の常識・やって!TRY」は常識的か」を掲載し話題になった。

 「やって!TRY」の変化は、「女性が料理をするのは当たり前だから、料理ができない女性は嘲笑の対象になる」という旧時代の価値観を強化する企画への批判を、制作サイドが真っ正面から受け止めた結果だろう。

「ポリコレのせいでバラエティ番組がつまらなくなった」は大ウソ!
 今回の「やって!TRY」が意義深いのは、「バラエティ番組はポリティカル・コレクトネスやらコンプライアンスやらがうるさくなってから面白くなくなった」という、番組製作者からも視聴者からもしばしば出される意見が、まったくの的外れであることを教えてくれるということだ。

 こういった意見が出るのは、番組をつくる方も観る方も、「使い尽くされて錆び付いた定型パターン以外を受け付けない、もしくは、受け付けようともしない」という思考停止状態に陥っているだけだからだ。

 むしろ、ポリティカル・コレクトネスやコンプライアンスと向き合って、新しい時代に向けてアップデートすることで、表現の幅はより広がるし、深まりもする。

 今回の「やって!TRY」はそれを証明した。

 今回の出演者は、「料理もできないバカ娘」という代替可能な役割とは違い、その人本来の個性が浮き上がってきていた。また、家族や友人との関係も含め、「料理」を媒介にした「人間ドラマ」が描かれていた。

 今回のような「やって!TRY」をつくるのは、定型でつくっていたときよりも格段に難しい作業になるかもしれない。素人出演者を鋳型にはめてきたこれまでとは180度違い、出演者や同行する人たちのキャラクターを活かすつくりになるからだ。

 それを承知で「やって!TRY」をアップデートさせた『噂の!東京マガジン』のスタッフには拍手を送りたい。

「やって!TRY」の女性差別脱却は「ポリコレがテレビをつまらなくする」批判を一蹴する

 日曜お昼の老舗番組『噂の!東京マガジン』(TBS系)内で放送されている「平成の常識 やって!TRY」に変化が起きているとツイッターを中心に話題となっている。

 「やって!TRY」といえば、道行く10代〜20代の若い女性に料理をつくらせ、失敗する姿を舅・姑世代の視聴者が見て溜飲を下げるコンテンツとして長く放送されてきた。

 近年では、「女性」のみを対象に企画を行い、また、失敗する姿をバカにすることで「女性は料理できなければダメ」という価値観を流布する企画趣旨に批判が集まりがちだった。「やって!TRY」が時代の空気感にそぐわないコンテンツになっていたことは紛れもない事実だろう。

 そんな空気を察知したのか、3月3日放送回の「やって!TRY」は、これまでと明らかに違っていた。

生まれ変わった「やって!TRY」
 この回では、東京タワーに観光に来た人たちを対象に「チャーハン」のお題が出された。

 一番目の挑戦者は、東京で一人暮らしをする22歳の女子大学生。上京してきた母、妹とともに東京タワーを訪れており、母が不安そうな目で見つめるなか調理はスタートする。

 母の心配をよそに彼女は難なく調理を終え、チャーハンが無事でき上がった。

 見た目も完璧で、母は嬉しさを隠せない。さらに、味見をすると、<お母さんのよりおいしい。感動しちゃった。感動! チャーハンごときで。一人でお料理できるようになって感動しちゃった。なんにもできない子だったのに>と、東京で成長した娘に感動の涙を流すのであった。

 二人目はホテルブライダルの専門学校に通う19歳の男性。男女混合グループのなかで仲間から指名された彼は<お客様のニーズの先読みじゃないですけど、欲しがるものを一歩先を考えてサービスする方が理想かなと思います>と理想のホテルマン像を語りながら調理。

 しかし、<ばあちゃんがつくるチャーハンが味付けもおいしかったです>と、祖母の味付けを模してつくると宣言したチャーハンは、見た目は問題なくとも味付けがこしょうのみで仲間からは大不評。

 <味があんまりない><病院食ぐらいでもいい>という評価に不満そうな彼は自分でもチャーハンを口に運んでみるが、そこですべてを察したらしく、<穴があるなら入りたい気分です>と、反省するのであった。

 三人目は再び女性。祖母、母、弟と共に東京タワーに観光に来た22歳の大学生である。

 彼女は春から新社会人になるが、母は<あんまり物事深く考えないで行動してるんじゃないかな>と、娘に対して手厳しい評価。彼女自身も<このままで通用するのはいまだけだよ>と怒られっぱなしであると語りながら料理を続ける。

 結果的には、油を入れ過ぎたことにより、見た目も味も最悪なチャーハンが出来上がってしまった。

 味見をした母は<ベーコンが多過ぎ。あと、ベチャッとなり過ぎ>と叱るが、そこで祖母が助け舟を出す。

 一口食べた祖母は<私はね、おいしい>と好評価。そして、怒る母に対しても<ママだって若い頃はね……>と、昔から料理が出来ていたわけではないとフォローを入れるのだった。

 そこまで言われて立つ瀬がなくなったのか、母はスタッフに対し、ご飯を追加して自分がつくり直していいか志願。娘の前でチャーハンのつくり方を実演するという珍しい展開になったのだった。

定型を脱したことで人間ドラマが浮き上がった「やって!TRY」
 3人とも、これまでの「やって!TRY」の定型からは大きく外れている。

 そもそも、これまで料理に成功した人がオンエアーされることはほぼなかったし、男性の参加者も珍しい。

 3人目はいつも通りの失敗パターンだが、「これだから若い娘は……」というお小言を言いたがる中高年のニーズにそのまま乗っかるつくりにはなっていない。

 新しい試みをしたことで、むしろ、3者3様のキャラクターやドラマがよく見えるようになった。どの参加者も「若い娘は料理もできないで何をやっているんだ」という結論に落とし込まれていたときよりも、格段に面白くなっているといえる。

 こういった変化は先週2月24日放送分でも起きていた。

 揚げ出し豆腐がテーマのこの回では、最初の2人こそいつも通りの「若い女の子が失敗する」「その姿に同行する友人や彼氏が呆れる」パターンだったが、3人目は普段から番組を見ているという21歳の男子大学生が自ら志願して挑戦。

 結果的には失敗に終わり、一緒に来ていた彼女にも<思ってるのと違う>とつれなく言われてしまうが、本人は明るい表情で番組ナレーションの乱一世のモノマネをしながら<あ〜あ〜、やっちゃったよ〜>と、良いキャラを披露するのだった。

 「やって!TRY」に対して疑問を呈する声は近年日増しに高まっていて、2019年1月6日付のニュースサイト「東洋経済ONLINE」では、作家・生活史研究家の阿古真理氏による寄稿「「女性の料理が笑われる」TBS番組への違和感  TBS「平成の常識・やって!TRY」は常識的か」を掲載し話題になった。

 「やって!TRY」の変化は、「女性が料理をするのは当たり前だから、料理ができない女性は嘲笑の対象になる」という旧時代の価値観を強化する企画への批判を、制作サイドが真っ正面から受け止めた結果だろう。

「ポリコレのせいでバラエティ番組がつまらなくなった」は大ウソ!
 今回の「やって!TRY」が意義深いのは、「バラエティ番組はポリティカル・コレクトネスやらコンプライアンスやらがうるさくなってから面白くなくなった」という、番組製作者からも視聴者からもしばしば出される意見が、まったくの的外れであることを教えてくれるということだ。

 こういった意見が出るのは、番組をつくる方も観る方も、「使い尽くされて錆び付いた定型パターン以外を受け付けない、もしくは、受け付けようともしない」という思考停止状態に陥っているだけだからだ。

 むしろ、ポリティカル・コレクトネスやコンプライアンスと向き合って、新しい時代に向けてアップデートすることで、表現の幅はより広がるし、深まりもする。

 今回の「やって!TRY」はそれを証明した。

 今回の出演者は、「料理もできないバカ娘」という代替可能な役割とは違い、その人本来の個性が浮き上がってきていた。また、家族や友人との関係も含め、「料理」を媒介にした「人間ドラマ」が描かれていた。

 今回のような「やって!TRY」をつくるのは、定型でつくっていたときよりも格段に難しい作業になるかもしれない。素人出演者を鋳型にはめてきたこれまでとは180度違い、出演者や同行する人たちのキャラクターを活かすつくりになるからだ。

 それを承知で「やって!TRY」をアップデートさせた『噂の!東京マガジン』のスタッフには拍手を送りたい。

『トレース~科捜研の男~』幼馴染み3人の末路に「誰も救われない……」と視聴者沈痛

 3月4日夜9時から第9話が放送される、錦戸亮主演ドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)。視聴率は第7話9.9%から第8話9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の微減となった。

 同作は元・科捜研の古賀慶による漫画を原作に、実際の事件や経験をベースに描く本格科捜研サスペンス。錦戸演じる科捜研の真野礼二が、現場に残された痕跡から“真実の欠片”を見つけ出していく。

 第8話で礼二とノンナ(新木優子)は女優の梨央(石井杏奈)から、殺害された根岸(落合モトキ)の事件について、調べ直してほしいと依頼される。事件で自首したのは根岸の同居人・御手洗(渋谷謙人)で、御手洗・根岸・梨央の3人は同じ養護施設出身の幼馴染みでもあった。

 根岸と家族同様に暮らしていた御手洗に殺す理由はないという梨央の訴えを受け、礼二とノンナは再鑑定を開始。現場に残された血液の乾き方により、事件発生から通報までに空白の時間があったことを突き止める。一方、捜査一課の虎丸(船越英一郎)は事件の参考人・益山(弓削智久)の自宅を訪ねたが、何者かによって刺殺されており金品も盗まれていた。その後、御手洗は取り調べで、根岸が益山を殺した犯人だと明かし、盗んだ全ての金を自分のものにしたため口論になったと供述する。

 捜査に行きづまる虎丸だったが、ある捜査資料によって梨央の悲しい過去が明らかに。真実にたどり着いた礼二とノンナは、御手洗たちにいったい何が起きたのか梨央に語り始める。梨央は幼少期に性的虐待を加えてきた父親を、殺害した過去を持っていた。それを知った益山が、御手洗と根岸に公表しない代わりとして金銭を要求。だんだんとエスカレートしてくる要求に、追いつめられた根岸が益山を殺害し、部屋に戻ったところを益山の弟に刺されてしまう。

 瀕死の根岸は帰宅した御手洗に、益山の死を強盗に見せかけ、捜査から梨央の過去にたどり着かれないよう、自分を殺して罪を被ってくれと依頼する。こうして御手洗は、梨央を思う根岸の願いを受け止め、彼の胸にナイフを突き立てたのだった。取り調べを行っていた虎丸は、根岸と御手洗の思いを汲み、梨央に捜査が及ばないよう配慮して供述調書を作成するのだった。

「今回のエピソードでは、幼馴染み3人の友情が視聴者の涙を誘いました。しかし結果的には親友が親友を殺害し、動機の根源にいる梨央がその事実を背負うことに。梨央はラストで前を向き始めましたが、ネット上には『誰も救われない物語だな……』『感動風に仕立てるのは違和感しかない』『家族同然の3人なのにこの事件はつらすぎ』といった反応が続出しています」(芸能ライター)

 第9話で礼二たちは、アパートで殺害された胡桃沢綾乃(美山加恋)の事件を鑑定することに。綾乃の死因は脳挫傷で、頬には細かなひっかき傷が残っていた。被害者の携帯電話などに残された指紋や目撃証言から、綾乃の元恋人・富樫康太(和田正人)が被疑者として浮上する。

「次回は元子役の美山加恋がゲスト出演しますが、彼女の月9出演は『危険なアネキ』(フジテレビ系)以来およそ13年ぶりのこと。ネット上には、『予告見たら大人っぽくなっててビックリ』『加恋ちゃん懐かしい! けど殺されちゃうって……』という声が相次いでいます」(同)

 なぜ綾乃は死ななければならなかったのか。事件の結末に注目しよう。

『トレース~科捜研の男~』幼馴染み3人の末路に「誰も救われない……」と視聴者沈痛

 3月4日夜9時から第9話が放送される、錦戸亮主演ドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)。視聴率は第7話9.9%から第8話9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の微減となった。

 同作は元・科捜研の古賀慶による漫画を原作に、実際の事件や経験をベースに描く本格科捜研サスペンス。錦戸演じる科捜研の真野礼二が、現場に残された痕跡から“真実の欠片”を見つけ出していく。

 第8話で礼二とノンナ(新木優子)は女優の梨央(石井杏奈)から、殺害された根岸(落合モトキ)の事件について、調べ直してほしいと依頼される。事件で自首したのは根岸の同居人・御手洗(渋谷謙人)で、御手洗・根岸・梨央の3人は同じ養護施設出身の幼馴染みでもあった。

 根岸と家族同様に暮らしていた御手洗に殺す理由はないという梨央の訴えを受け、礼二とノンナは再鑑定を開始。現場に残された血液の乾き方により、事件発生から通報までに空白の時間があったことを突き止める。一方、捜査一課の虎丸(船越英一郎)は事件の参考人・益山(弓削智久)の自宅を訪ねたが、何者かによって刺殺されており金品も盗まれていた。その後、御手洗は取り調べで、根岸が益山を殺した犯人だと明かし、盗んだ全ての金を自分のものにしたため口論になったと供述する。

 捜査に行きづまる虎丸だったが、ある捜査資料によって梨央の悲しい過去が明らかに。真実にたどり着いた礼二とノンナは、御手洗たちにいったい何が起きたのか梨央に語り始める。梨央は幼少期に性的虐待を加えてきた父親を、殺害した過去を持っていた。それを知った益山が、御手洗と根岸に公表しない代わりとして金銭を要求。だんだんとエスカレートしてくる要求に、追いつめられた根岸が益山を殺害し、部屋に戻ったところを益山の弟に刺されてしまう。

 瀕死の根岸は帰宅した御手洗に、益山の死を強盗に見せかけ、捜査から梨央の過去にたどり着かれないよう、自分を殺して罪を被ってくれと依頼する。こうして御手洗は、梨央を思う根岸の願いを受け止め、彼の胸にナイフを突き立てたのだった。取り調べを行っていた虎丸は、根岸と御手洗の思いを汲み、梨央に捜査が及ばないよう配慮して供述調書を作成するのだった。

「今回のエピソードでは、幼馴染み3人の友情が視聴者の涙を誘いました。しかし結果的には親友が親友を殺害し、動機の根源にいる梨央がその事実を背負うことに。梨央はラストで前を向き始めましたが、ネット上には『誰も救われない物語だな……』『感動風に仕立てるのは違和感しかない』『家族同然の3人なのにこの事件はつらすぎ』といった反応が続出しています」(芸能ライター)

 第9話で礼二たちは、アパートで殺害された胡桃沢綾乃(美山加恋)の事件を鑑定することに。綾乃の死因は脳挫傷で、頬には細かなひっかき傷が残っていた。被害者の携帯電話などに残された指紋や目撃証言から、綾乃の元恋人・富樫康太(和田正人)が被疑者として浮上する。

「次回は元子役の美山加恋がゲスト出演しますが、彼女の月9出演は『危険なアネキ』(フジテレビ系)以来およそ13年ぶりのこと。ネット上には、『予告見たら大人っぽくなっててビックリ』『加恋ちゃん懐かしい! けど殺されちゃうって……』という声が相次いでいます」(同)

 なぜ綾乃は死ななければならなかったのか。事件の結末に注目しよう。

1,280円でイライラ解消! 扉式キッチンの使いづらい“シンク下収納”を制するコツ

「戸棚の中がグチャグチャ」「クローゼットがすぐ散らかる」「デッドスペースを活用したい」「トイレに収納がない」など、 “片付かない”ちょっとした悩みはありませんか? 収納ライターの伊藤まきが、イライラする“収納の悩み”を“簡単で安く”解決するコツを提案します!

■今週の相談者>>>M・Eさん(30歳)東京都在住

「シンク下に何を収納したらよいのか、わからない」

 23区外の賃貸マンション(1LDK)に、夫婦で暮らしています。この夏、子どもが産まれるので、キッチン周りを使いやすく変えたいと思っています。でも、キッチンの下に何を入れたら良いのかわからず、写真のように……。

 今は、簡単な料理しか作っていないので、調味料や調理器具も少なめです。これからは、子どもの栄養面に気を配りたいので、自炊力を身につけていきたいと考えています。とはいえ、収納スペースが難しくどこから手を付けるべきかわかりません。

 調理道具は、大きい鍋、小さい鍋、片手鍋、フライパン(大と小)を持っています。ボウルやザルは、水切りラックに置きっぱなし。今はあまり料理をしていないので、調味料も冷蔵庫に入っています。キッチン下の収納に、何を置けばよいのか教えて下さい。

【伊藤まきの回答】
「キッチン下の収納は“使用頻度が高いモノだけ”を、ワンアクションで取り出せるように配置することです」

 「キッチン下の収納を快適にしたい」というお悩みを、東京都在住のM・Eさん(30歳)から受け取りました。Mさん宅のキッチンは、収納力が少なめのシステムキッチン(160cm・壁付けI型タイプ)です。一般的にも多いタイプなので、「何をどう入れたら快適になるか」を返答します!

※ キッチンの収納に関しては、全体像を見ないと解答が難しいため、Mさんには個別で解答しております。

 まず、Mさん宅のキッチン(160cmI型)を簡単な図面にしてみました。システムキッチンの向かいには、小さな食器棚と冷蔵庫があるそうです。

 キッチンは、観音開きの扉か引き出しかで収納方法はガラリと変わります。今回のお悩みは、一般的に多い「観音開きの扉」です。

 キッチンの下収納は、手が届きやすい範囲なので「使用頻度の高いモノだけ」を置くことが最大のポイントになります。上の図面より、3つのゾーンに分けて説明します。

◎シンク下には、「水回りで使う重たいモノ」を置きます。

 例えば、パスタを作るとき、鍋を出して水を入れるという動作になるので無駄な動きをカットできます。野菜を洗うボウルやザル※も、水回りで使うモノなのでシンク下が便利です。ちなみに、排水口の周りは湿気があるため、食品類は避けたほうがよいモノとなります。また、土鍋などの季節のモノは、使用頻度から考えると別の場所で保管するモノ(入る場合除く)になります。筆者宅では、コンロ下に鍋類を置いてボウルを使って水を入れます。動作的に楽な方を選んでください。

※ 軽い素材のボウルやザルなら、上戸棚でも可。

シンク下の収納ラックは、買うべきか否か!?

◎毎日使うモノだからこそ、「伸縮ラック購入」は◎です!

 収納代にお金をかけるなんて……。と思う方が割と多いのですが、キッチンほど使用頻度の高い場所には、シンク下用の収納ラック・伸縮タイプ(1,280〜1,480円/筆者調べ)の購入をオススメしています。100均のワイヤーネットと突っ張り棒を使う方法もありますが、伸縮型のほうが手放すときに売ることができますし、3段に区切ることでより快適な出し入れになります。毎日使う場所なので、ワンアクションの動作が増えるごとにあらゆる無駄をカットできます。

シンク下伸縮棚

◎調理台下には、「調理ツールやストック類」を置きます。

 シンク横の調理台の下には、包丁(扉の裏)や重たい調理ツール(ブレンダー、スライサーセットなど)と2軍の調理ツールがあると便利です。1軍の調理ツールは、毎日使うモノ(お玉やキッチンバサミなど)なので、コンロやシンク脇に置くのがベスト! 2軍は、泡立て器やフライ返しなど使用頻度が少なめのツールです。ほか、シンクやコンロ下に使う消耗品のストックやラップ類、タッパー類※などもこちらへ。ポイントは、ファイルボックスや小物用引き出しケースを使ってグループ別に収納することと、高さをフルに活用することです。Mさん宅の場合は、お酒グループでも良いですね。上戸棚に入らない、重たいモノ(果実酒)などもコチラです。

※ 軽い素材のストックやタッパーなら、上戸棚でも可。

[3:コンロ下]に収納すると良いモノとは?

◎調理台下には、「調味料」を置きます。

 コンロ下には、グループ別にタテ並びした調味料をファイルボックスへ入れて配置します。オススメは、ダイソーのColorist・すきま収納ボックスロング・ホワイト(W12.7×D35.6×H20cm)。ファイルボックスの中でも、一番奥行きがある商品です。もしくは、ニトリのA4ファイルケース オールクリア(W10×D31.5×H24cm)が、調味料ボトルのサイズ(W10cm以内)に収まりやすいサイズです。

 キッチン下の収納に置くモノは、使用頻度の高いモノと重たいモノを置くようにしましょう。もちろん、上戸棚のほうが使いやすいなら優先順位は家ごとに変わります。右手で開けて左手で取るといった動作を考えながら、出し入れしやすい位置を探します。

 使いにくいと不評ばかりの観音開きの扉式ですが、「扉裏」まで使えるメリットがあります。両面テープ式のフックや、ドアフックなら賃貸でも使えるので簡単です。消耗品のレジ袋や水切りネットは、布バッグに入れて。ゴミ袋はタオルハンガーにかけて。調味料や小物は、ワイヤーネットにかけてなど100均グッズで対応できます。

【まとめ】
Mさん、キッチン下の収納はいかがでしたか? キッチン周りは、使用頻度が高いモノ(1〜2軍まで)だけと心得て“モノの住所”を作りましょう。扉を開けたときに、入っているモノが見渡せれば、あらゆる無駄がカットできます。キッチンにあるモノすべてを詰め込まず、本当に使うモノだけ選びぬくことがポイントです。

――「お片付けSOS相談」は次回、3月11日(月)に更新!

<プロフィール>
伊藤まき(ito maki)
収納ライター・兼・整理収納アドバイザー1級。おがくず工場に生まれ、ホテル清掃員、国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出など“家事の土台”を極めた生活を経て、出版社入社ののち独立、現在に至る。モノを手放すほど「幸運」が舞い込むジンクスを何度も体感! 貧乏神と決別した実体験をもって、整理収納の威力をお伝えします。
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『いだてん』総集編が好調!「クドカン脚本」と「たけしナレーション」が不要だった!?

 視聴率で苦戦中のNHKの大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の総集編が2月23日に放送された。第1話から7話までを30分にまとめたものである。放送初期において総集編の放送は異例ともいえるが、8話から山場を迎えるため、視聴率回復対策ではなく、もともと放送予定にあったもののようだ。

「古今亭志ん生役のビートたけしの滑舌が悪い」「場面転換や登場人物が多くてわかりづらい」と不評の『いだてん』であるが、総集編は思いのほか好調なようだ。ただネットの感想を見ると「時系列で整理されているのですごくわかりやすかった」「ビートたけしのナレーションがないのですっきりしている」と身もフタもないものだった。番組の根幹をなす、2大要素ともいえるクドカン脚本とたけしナレーションの双方が視聴者から「全否定」されているのだ。

「大河ドラマはもともと近現代が弱いといわれていますし、物語の主人公である金栗四三は、日本マラソン界の父といわれる人物ですが、世間的には無名の人物です。そのため『もともと地味なテーマを、無理やりこねくりまわして面白くしているのでは?』といった指摘もありましたね。総集編の放送予定はもともとあったとしても、今回の好反応を無視するわけにはいかないでしょう」(業界関係者)

 だが、コアなファンの中には、下手な「テコ入れ」を望まない声が多いのも確かだ。

「『いだてん』脚本の宮藤官九郎作品の代表作と言える『池袋ウエストゲートパーク』や『木更津キャッツアイ』(ともにTBS系)は、もともと高視聴率を記録した人気番組ではありませんでした。しかし再放送などでじょじょに人気に火がつき、スペシャルドラマ化や映画化がなされています。クドカン脚本は物語が進むにつれて伏線の回収などが進むので、制作陣の本音としてはもう少し視聴者に耐えて欲しいというものがあるのではないでしょうか」(同)

 そうなると『いだてん』本編の内容は維持しつつ、要所ごとに総集編を連発といった展開もありそうだ。
(文=平田宏利)