フェイクニュースはこうして既成事実化された!! 大手メディアの脆弱さを暴き出した『記者たち』

 フェイクニュースによって戦争が始まり、その結果50万人以上もの人命が犠牲となった。残念なことに、これはフェイクではなく事実である。ロブ・ライナー監督の最新作『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(原題『SHOCK AND AWE』)は、イラク戦争開戦時の米国内のメディア事情を追った実録サスペンスだ。「イラクは大量破壊兵器を保有している」というブッシュ政権の根拠のない主張に、米国の大手メディアはことごとく同調し、イラク戦争が勃発した経緯を描いている。

 物語は2001年の9.11同時多発テロから始まる。NYのワールドトレードセンターが崩壊し、ペンタゴンも襲撃されたことから、全米中がパニック状態に陥った。ブッシュ政権は、テロを指示したオサマ・ビン・ラディンを討つべく、アフガニスタンへの攻撃を開始。さらにはイラクのフセイン大統領はビン・ラディンと繋がり、大量破壊兵器を隠し持っているとイラク侵攻への準備を進める。米国民は愛国心一色で染まり、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといった大手新聞やニュース番組はこぞってブッシュ政権を後押しした。

 本当にイラクは大量破壊兵器を持っているのか? 全米中がブッシュ政権を支持する中、異議を唱えたのは中堅新聞社のナイト・リッダー社だけだった。ワシントン支局長ジョン・ウォルコット(ロブ・ライナー)のもと、記者のジョナサン(ウディ・ハレルソン)とウォーレン(ジェームズ・マースデン)は真相を知る政府関係者や専門家たちを聞き込み取材。イラクが大量破壊兵器を持っていることを裏づける明確な証拠はないと突き止める。だが、ナイト・リッダー社が提携している地方の新聞社たちは、その記事を掲載することを拒否。ブッシュ政権による虚偽の主張は、あらゆるメディアが報道することで既成事実へと変わっていく。

 なぜ、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといった大手メディアは、権力側の主張に簡単に迎合してしまったのだろうか。米国以外の海外ではフセイン大統領とアルカイダを率いるオサマ・ビン・ラディンが繋がっていることはありえないし、イラクが大量破壊兵器を保有しているという主張に疑問を感じていた。だが、米国民にとっては9.11同時多発テロのショックはあまりにも大きかった。愛国心という言葉で一致団結し、パニック状態から脱しようとした。真実を伝えることが役割であるはずの新聞やニュース番組は、愛国心一色となった民衆に対して無力化してしまう。ブッシュ政権に反論し、読者や視聴者からバッシングされることを恐れたのだ。その結果、権力者と民衆の機嫌におもねった記事しか流さなくなってしまう。現代の“裸の王様”はこうして誕生した。

 ロブ・ライナー監督は、『スタンド・バイ・ミー』(86)や『最高の人生の見つけ方』(07)などユーモラスかつウェルメイドな作風で知られるハリウッドの名匠だが、リンドン・B・ジョンソン大統領を主人公にした『LBJ ケネディの意思を継いだ男』(16)に続いて、社会派ノンフィクションに挑んだ。ケネディ暗殺後、公民権法の制定に尽力したジョンソン大統領と同じように、体を張って真実を伝えようとしたナイト・リッダー社の記者たちを歴史の闇に埋もれさせることがロブ・ライナー監督はできなかった。

 米国には『大統領の陰謀』(76)や『スポットライト 世紀のスクープ』『ニュースの真相』(15)などジャーナリズムの世界を舞台にした実録映画は少なくないが、決してドラマ的に盛り上がりやすい題材ではない。物語前半で特ダネをつかんだ記者たちのテンションはピークを迎えるものの、後半はその特ダネが事実かどうかを地道に裏どりするシーンが延々と続くことになるからだ。それでもロブ・ライナー監督は、記者役のウディ・ハレルソンたちが泥くさく裏どりを続ける姿を追っていく。真実をつかみ、記事化することは、ひどく地味な作業であることを本作は伝えている。

 真実を伝えることはとても骨が折れる。この問題は、今のメディア界を根底から揺るがせている。SNSなどのネット情報は、投稿者が見たことや感じたことをそのまま伝えるため、速報性、共感性、伝播力がとても高い。それに比べ、ナイト・リッダー社の記者たちが行なう「調査報道」は事件や事故の事実関係をさまざまな角度から検証しなくてはいけないため、速報性で大きな遅れが生じる。新聞や週刊誌といった従来のメディアは、大変な岐路に立たされているといっていいだろう。実際のところ、イラク戦争開戦時に唯一正しい報道を続けたナイト・リッダー社は、2006年に大手新聞チェーンに買収され、消滅してしまった。

 アレック・ボールドウィンが演じる予定だったワシントン支局長役だが、ボールドウィンが撮影直前に降板し、子役出身のロブ・ライナー監督自身が“理想のボス”として熱演することになった。フェイクドキュメンタリー『スナイプル・タップ』(84)で監督デビューを果たしたロブ・ライナー監督が、フェイクニュースを暴く役を演じているのも面白い。今年2月に初来日したロブ・ライナー監督は記者会見で、本作の製作意図をこう語った。

ロブ・ライナー「ベトナム戦争のとき、私は徴兵の年齢に達していました。ベトナム戦争もイラク戦争と同じように偽りのニュースから始まった戦争でした。イラク戦争でもまったく同じことが起きているのに、それを止めることができないことに胸が痛みました。どうしてこんなことが起きるのかを検証してみようと考え、この映画を撮ることにしたのです。『LBJ』でジョンソン大統領について調べている中でナイト・リッダー社の記者たちのことを知り、彼らの視点から映画にすることを思いついたのです」

 新聞やテレビのニュース番組は公共性が高く、報道されているニュースはどれも正しいものと思い込みがちだが、新聞は販売部数、テレビは視聴率やスポンサーの意向に大きな影響を受けやすい。マスメディアのそんな脆弱さにも、ロブ・ライナー監督は触れている。

ロブ・ライナー「1960年代にCBSテレビで『60ミニッツ』というニュースショーが始まり、ニュースが商品化していきました。ニュース番組がショー化しても、それで事実が伝わるのなら良いのですが、今のニュースメディアは大企業の傘下にどんどん入っているというのが現状です。ニュースメディアは健全な形で独自性を保っているのか。そのことに気をつけなくてはけません」

 ブッシュ大統領を裏で操り、イラク開戦へと向かわせた黒幕は副大統領のディック・チェイニーだったことは『記者たち』でも言及されているが、この謎の多いチェイニー副大統領の人間像に真正面から斬り込んだのがアダム・マッケイ監督の『バイス』だ。イラク開戦によってチェイニー副大統領(クリスチャン・ベール)が大株主だった石油会社の株が沸騰し、暴利を得た事実を暴いている。また、米国による中東への軍事介入は9.11同時多発テロ以前から既成路線として予定されていたという真相には、憤りを覚えずにはいられない。

 公開時期の近い『記者たち』と『バイス』を併せて観ることで、イラク戦争の内情がよりくっきりと見えてくる。新聞やテレビの報道番組ではなく、劇場公開までにかなりの歳月を要する映画という古いメディアが、イラク戦争のダークサイドを白日のもとに晒してみせたことも実に興味深い。

(文=長野辰次)

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『記者たち 衝撃と畏怖の真実』
監督・製作/ロブ・ライナー 
出演/ウディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、ロブ・ライナー、ジェシカ・ビール、ミラ・ジョヴォヴィッチ、トミー・リー・ジョーンズ
日本語字幕/齊藤敦子 字幕監修/池上彰
配給/ツイン 3月29日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
(c)2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS,ALL RIGHTS RESERVED
http://reporters-movie.jp

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『バイス』
監督・脚本/アダム・マッケイ
出演/クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、スティーヴ・カレル、サム・ロックウェル
日本語字幕/石田泰子 字幕監修/渡辺将人
配給/ロングライド 4月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved
https://longride.jp/vice

 

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萩原健一さん死去──“もうひとつの体の秘密”って?

 俳優の萩原健一さんが26日に亡くなったことが報じられた。萩原さんは、2011年からGIST(消化管間質腫瘍)を患っていたが、本人の強い希望で伏せられていた。自身の死に関しても、葬儀が終わった後に公表され、こちらも萩原さんの遺志といえそうだ。

 萩原さんといえば、“ショーケン”の愛称で知られ『太陽にほえろ!』『傷だらけの天使』(ともに日本テレビ系)などで活躍した。役者業に対してストイックな性格で知られ、『太陽にほえろ!』のマカロニ刑事役は人気者ではあったが、アイドル的な扱いをされることに嫌気が差し、自ら脚本家に談判して、自身の殉職シーンを描かせたエピソードもある。

 私生活では大麻所持、飲酒運転による人身事故、映画出演をめぐるトラブルによるスタッフへの恐喝未遂などで逮捕歴があり、お騒がせの人物といった印象がある。だが、同時に萩原さんは病気を最後まで隠し通すなど繊細さを併せ持った人物であり、知られざるもうひとつの体の秘密があった。

「萩原さんは幼少期から、片方の耳がほとんど聴こえなかったようですね。それでも、ミュージシャンをしていたわけですから、かなりの苦労があったといえるでしょう。ただ、それを表立って主張することはありませんでした。萩原さんとはいえば、何かと大声を上げるといったイメージもありますが、そちらも耳が聞こえないことが原因だったといわれています」(業界関係者)

 萩原さんは、先日亡くなった内田裕也さんの訃報に関してもコメントを発している。再び一緒の企画をやりたい思いもあったようだ。やはり68歳というのは今の時代としては早すぎるといわざるを得ないだろう。平成の終わりに、レジェンドと呼ばれる人たちが次々と亡くなっていくのは切なさを感じざるを得ない。萩原健一さんのご冥福をお祈りしたい。

(文=平田宏利)

平成が終わっても浜崎あゆみは引退しない?「浜崎あゆみというブランド」を維持する困難さ

 「平成」を代表する歌姫のひとりに、浜崎あゆみがいる。かつて全盛期の浜崎あゆみ人気はすさまじいものがあったが、ひとつの時代が終わろうとしている現在、“浜崎あゆみ”というポップアイコンもまた変化の時を迎えている。

 象徴的だったのが、3月27日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)で持ち上がった話題だった。この日、同番組では「埼玉女子」特集が放送され、埼玉出身の女性ゲストらが歌手の浜崎あゆみを崇め奉った。

 番組では、若槻千夏がコギャル時代の写真を披露したが、若槻のスクールバックには黄色い花のハワイアン・レイがあしらわれていた。これを突っ込まれた若槻は、かつて憧れていた浜崎あゆみがハワイアン・レイをよく着用しており、真似していたと説明する。

 若槻が「やっぱ埼玉県民はあゆを信じているところがあるので。女性はあゆを信じてて、男性はキムタク信じてる。2人は神なわけですよ」と熱弁すると、同じく埼玉県出身の夏菜や岡井千聖も同調し、「埼玉県民はあゆを神と崇めている」説が浮上。ネットでも、「めっちゃ分かる」「春日部の私もあゆちゃんの大ファンです!」と話題になっていた。

 若槻千夏がコギャル姿でハワイアン・レイを身に着けていた2000年代前半、歌姫・浜崎あゆみは人気の絶頂期にあった。1998年にエイベックスからデビューした浜崎あゆみは瞬く間に若い世代の女性を中心にファンを獲得し、 “カリスマ歌姫”の名を恣にしていたのだ。当時の“あゆ”の曲はもちろん、ファッションや言動は、埼玉県民どころか日本中の女子を夢中にさせていたのだから、「平成」という時代を語るならば、浜崎あゆみとその周辺で沸き起こった大ブームは、必ず避けては通れないトピックだろう。

浜崎あゆみのパフォーマンスやルックスは“劣化”?
 しかし現在でも浜崎あゆみは全国をめぐるホールツアーを行い、精力的な活動を続けているが、かつてのような人気や勢いはすっかり鳴りを潜めている。

 昨年7月、浜崎あゆみは約5年ぶりに『2018 FNSうたの夏まつり』(フジテレビ系)に登場した。このときは、往年のヒット曲『BLUE BIRD』と『Grateful days』を披露した。この時、浜崎あゆみの体は少しふっくらとしたように見え、声も細く、ハスキーになっており、多くの視聴者がイメージする全盛期の“あゆ”から、遠く離れた姿だった。

 また、生放送にもかかわらず、なぜかVTR出演だったこと、アップショットが皆無だったことについては、「音程ズレで放送事故を防ぐため」「加工なしのカメラ映りを気にしている」などと、ネガティブな憶測が飛び交った。アンチが声を大きくしており、今では浜崎がInstagramに自身の写真を投稿するたび「加工されすぎ」と批判を呼び、ネットでひと騒動を起こすというのがお決まりの流れだ。

 浜崎のパフォーマンスやルックスが「“劣化”した」などと袋叩きにされるのは、見ていて気持ちの良いものではない。浜崎あゆみのデビューからすでに20年もの時間が流れている。誰だって、いつまでも全盛期のまま留まることは不可能だ。時代や流行が変わり、本人も年を重ねる以上、人間が“変化”をするのも自然なことだろう。

 では、現在の浜崎あゆみ本人が、自身の“変化”をどのように捉えているのか。

全盛期は「辞めたかった」
 3月28日発売の「Numero TOKYO」(扶桑社)は、今年キャリア21年目を迎える浜崎あゆみのインタビュー記事を掲載。浜崎あゆみは、デビュー当時から現在にかけての“変化”について語った。

 大ブレイクしていた時期は、<何かしたことが社会現象になったり、ちょっとしたことが良くも悪くもメディアに取り上げられたり>し、追い詰められたこともあったという。<私はきちんとこの世に存在しているんだとは思えなかった><もう誰も見ないでって――。あの頃が一番、“浜崎あゆみ”を辞めたいと思った時期だったと思う><むしろ逃げ出したかった>というほどに。

 しかし常々彼女が公言してきたように、“浜崎あゆみ”は彼女の本名であると同時に、チームプロジェクトでもある。スタッフの入れ替わりは非常に少なく、長い年月をかけて同じチームで仕事し、家族のような関係を作り上げてきたと彼女は自負している。その家族みんなと人生をかけてエンターテインメントの世界に生きるという決意が伝わってくる内容だった。彼女は何が何でも“浜崎あゆみ”を“浜崎あゆみ”のまま、続けていく覚悟なのだろう。それが、埼玉女子をはじめファンたちに支持されている。

 音楽業界、芸能界におけるポジションや流行、彼女自身のルックスや声は変化していくけれども、“浜崎あゆみ”の世界観は良くも悪くもずっと変わらない。ライブでも新旧の楽曲を混ぜ、<ライブを見に来てくれたアーティスト仲間や後輩、先輩>に「よく、そんな昔の歌を違和感なく歌えるね」「自分だったら照れくさくて『今から懐メロやります』みたいな感じにしちゃう」「それよりも新しい曲をやりたい」等と言われるのだという。

 彼女自身は違和感を覚えることなく昔の歌をたくさん歌う。それは浜崎あゆみのヒット曲が普遍性を持っているということなのかもしれないが、彼女は<いつかそうありたいというか、そんな大人になりたい――みたいな気持ちで書いた歌が多いからじゃないですかね>と分析している。彼女にしてみれば、背伸びしていた楽曲にようやく年齢が追いついた、というところなのだろうか。

 ちなみに“キラキラ輝いて見える人”という問いに、浜崎あゆみは<本気で怒る人。本気で酔ってバカやっちゃう人。本気で集中しすぎて、気づいたらずっと寝てなかったってくらい仕事をしちゃう人。そういう側面がある人って輝いてるなって思う>と答えている。平成というより昭和感がすごい。盟友であるエイベックス代表取締役松浦勝人氏はまさにそういう人らしい。その松浦氏は自社社員にも「そういう人」であることを要求し、炎上したことがあるが。

「浜崎あゆみというブランドに対するプライド」
 「20年間で、自分が一番大事にしてきたものは何か」という質問に、浜崎あゆみはこう答えている。

<独りよがりではなくて、浜崎あゆみというブランドに対するプライド。それはみんな(ダンサーズやスタッフ)で守っているものだから。結果、間違ってしまうことが今でもありますし、失敗することもありますけど、それでもやっぱり、そこを傷つけちゃいけないというのは常にある>

どんなものであっても価値は変動する。平成を駆け抜けた浜崎あゆみというブランドも同じで、その価値をもっとも高いところで維持することは難しく、常に変化し続けている。昨年5月には、松浦勝人氏のTwitterに、浜崎ファンから「どうにかしてください」「コンサートがマンネリ」「ダンサーが多すぎ」等の苦情が寄せられ、レスバトルに発展したこともある。浜崎あゆみというブランドに傷がついていないとは言えない。

 一方で「あゆはあゆのままでいい」「変化しないでいい」との声も同時に寄せられていた。今の浜崎あゆみを好きだというファンももちろんいる。そんなファンたちの笑顔や涙につながるよう、浜崎あゆみは一座でエンタメをつくる覚悟をとっくに決めているようだ。

 安室奈美恵が昨年引退し、浜崎にも「潔く引退を」と投げかける声があったが、浜崎あゆみは浜崎あゆみだ。彼女にやりたいという気力がある以上は、たとえマンネリでもこのプロジェクトは続いていくのだろう。

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平成が終わっても浜崎あゆみは引退しない?「浜崎あゆみというブランド」を維持する困難さ

 「平成」を代表する歌姫のひとりに、浜崎あゆみがいる。かつて全盛期の浜崎あゆみ人気はすさまじいものがあったが、ひとつの時代が終わろうとしている現在、“浜崎あゆみ”というポップアイコンもまた変化の時を迎えている。

 象徴的だったのが、3月27日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)で持ち上がった話題だった。この日、同番組では「埼玉女子」特集が放送され、埼玉出身の女性ゲストらが歌手の浜崎あゆみを崇め奉った。

 番組では、若槻千夏がコギャル時代の写真を披露したが、若槻のスクールバックには黄色い花のハワイアン・レイがあしらわれていた。これを突っ込まれた若槻は、かつて憧れていた浜崎あゆみがハワイアン・レイをよく着用しており、真似していたと説明する。

 若槻が「やっぱ埼玉県民はあゆを信じているところがあるので。女性はあゆを信じてて、男性はキムタク信じてる。2人は神なわけですよ」と熱弁すると、同じく埼玉県出身の夏菜や岡井千聖も同調し、「埼玉県民はあゆを神と崇めている」説が浮上。ネットでも、「めっちゃ分かる」「春日部の私もあゆちゃんの大ファンです!」と話題になっていた。

 若槻千夏がコギャル姿でハワイアン・レイを身に着けていた2000年代前半、歌姫・浜崎あゆみは人気の絶頂期にあった。1998年にエイベックスからデビューした浜崎あゆみは瞬く間に若い世代の女性を中心にファンを獲得し、 “カリスマ歌姫”の名を恣にしていたのだ。当時の“あゆ”の曲はもちろん、ファッションや言動は、埼玉県民どころか日本中の女子を夢中にさせていたのだから、「平成」という時代を語るならば、浜崎あゆみとその周辺で沸き起こった大ブームは、必ず避けては通れないトピックだろう。

浜崎あゆみのパフォーマンスやルックスは“劣化”?
 しかし現在でも浜崎あゆみは全国をめぐるホールツアーを行い、精力的な活動を続けているが、かつてのような人気や勢いはすっかり鳴りを潜めている。

 昨年7月、浜崎あゆみは約5年ぶりに『2018 FNSうたの夏まつり』(フジテレビ系)に登場した。このときは、往年のヒット曲『BLUE BIRD』と『Grateful days』を披露した。この時、浜崎あゆみの体は少しふっくらとしたように見え、声も細く、ハスキーになっており、多くの視聴者がイメージする全盛期の“あゆ”から、遠く離れた姿だった。

 また、生放送にもかかわらず、なぜかVTR出演だったこと、アップショットが皆無だったことについては、「音程ズレで放送事故を防ぐため」「加工なしのカメラ映りを気にしている」などと、ネガティブな憶測が飛び交った。アンチが声を大きくしており、今では浜崎がInstagramに自身の写真を投稿するたび「加工されすぎ」と批判を呼び、ネットでひと騒動を起こすというのがお決まりの流れだ。

 浜崎のパフォーマンスやルックスが「“劣化”した」などと袋叩きにされるのは、見ていて気持ちの良いものではない。浜崎あゆみのデビューからすでに20年もの時間が流れている。誰だって、いつまでも全盛期のまま留まることは不可能だ。時代や流行が変わり、本人も年を重ねる以上、人間が“変化”をするのも自然なことだろう。

 では、現在の浜崎あゆみ本人が、自身の“変化”をどのように捉えているのか。

全盛期は「辞めたかった」
 3月28日発売の「Numero TOKYO」(扶桑社)は、今年キャリア21年目を迎える浜崎あゆみのインタビュー記事を掲載。浜崎あゆみは、デビュー当時から現在にかけての“変化”について語った。

 大ブレイクしていた時期は、<何かしたことが社会現象になったり、ちょっとしたことが良くも悪くもメディアに取り上げられたり>し、追い詰められたこともあったという。<私はきちんとこの世に存在しているんだとは思えなかった><もう誰も見ないでって――。あの頃が一番、“浜崎あゆみ”を辞めたいと思った時期だったと思う><むしろ逃げ出したかった>というほどに。

 しかし常々彼女が公言してきたように、“浜崎あゆみ”は彼女の本名であると同時に、チームプロジェクトでもある。スタッフの入れ替わりは非常に少なく、長い年月をかけて同じチームで仕事し、家族のような関係を作り上げてきたと彼女は自負している。その家族みんなと人生をかけてエンターテインメントの世界に生きるという決意が伝わってくる内容だった。彼女は何が何でも“浜崎あゆみ”を“浜崎あゆみ”のまま、続けていく覚悟なのだろう。それが、埼玉女子をはじめファンたちに支持されている。

 音楽業界、芸能界におけるポジションや流行、彼女自身のルックスや声は変化していくけれども、“浜崎あゆみ”の世界観は良くも悪くもずっと変わらない。ライブでも新旧の楽曲を混ぜ、<ライブを見に来てくれたアーティスト仲間や後輩、先輩>に「よく、そんな昔の歌を違和感なく歌えるね」「自分だったら照れくさくて『今から懐メロやります』みたいな感じにしちゃう」「それよりも新しい曲をやりたい」等と言われるのだという。

 彼女自身は違和感を覚えることなく昔の歌をたくさん歌う。それは浜崎あゆみのヒット曲が普遍性を持っているということなのかもしれないが、彼女は<いつかそうありたいというか、そんな大人になりたい――みたいな気持ちで書いた歌が多いからじゃないですかね>と分析している。彼女にしてみれば、背伸びしていた楽曲にようやく年齢が追いついた、というところなのだろうか。

 ちなみに“キラキラ輝いて見える人”という問いに、浜崎あゆみは<本気で怒る人。本気で酔ってバカやっちゃう人。本気で集中しすぎて、気づいたらずっと寝てなかったってくらい仕事をしちゃう人。そういう側面がある人って輝いてるなって思う>と答えている。平成というより昭和感がすごい。盟友であるエイベックス代表取締役松浦勝人氏はまさにそういう人らしい。その松浦氏は自社社員にも「そういう人」であることを要求し、炎上したことがあるが。

「浜崎あゆみというブランドに対するプライド」
 「20年間で、自分が一番大事にしてきたものは何か」という質問に、浜崎あゆみはこう答えている。

<独りよがりではなくて、浜崎あゆみというブランドに対するプライド。それはみんな(ダンサーズやスタッフ)で守っているものだから。結果、間違ってしまうことが今でもありますし、失敗することもありますけど、それでもやっぱり、そこを傷つけちゃいけないというのは常にある>

どんなものであっても価値は変動する。平成を駆け抜けた浜崎あゆみというブランドも同じで、その価値をもっとも高いところで維持することは難しく、常に変化し続けている。昨年5月には、松浦勝人氏のTwitterに、浜崎ファンから「どうにかしてください」「コンサートがマンネリ」「ダンサーが多すぎ」等の苦情が寄せられ、レスバトルに発展したこともある。浜崎あゆみというブランドに傷がついていないとは言えない。

 一方で「あゆはあゆのままでいい」「変化しないでいい」との声も同時に寄せられていた。今の浜崎あゆみを好きだというファンももちろんいる。そんなファンたちの笑顔や涙につながるよう、浜崎あゆみは一座でエンタメをつくる覚悟をとっくに決めているようだ。

 安室奈美恵が昨年引退し、浜崎にも「潔く引退を」と投げかける声があったが、浜崎あゆみは浜崎あゆみだ。彼女にやりたいという気力がある以上は、たとえマンネリでもこのプロジェクトは続いていくのだろう。

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AV女優がロッキー山脈で宝探し!? SODの新たな珍作に激賞の嵐

 AVメーカー「ソフト・オン・デマンド」の創業者は高橋がなり。元はテレビ制作会社IVSに所属していた、テリー伊藤の弟子だ。

 社風だろうか。SODの作品を見ていると、「この監督は、本当はテレビ業界に進みたかったのでは?」と思わずにはいられない珍作、迷作に出会うことが少なくない。作り手である監督の冒険心や制作欲を許容する度量が、このメーカーにはあるのかもしれない。

 今、ネット上で、あるAV作品が激賞されている。タイトルは『【史上初】こんなAV無かった!!蓮実クレアがアメリカ合衆国コ○ラド州○ッキー山脈で3億円の財宝を探しに行く企画 【衝撃の最後…】』。2018年11月発売の1本で、監督はタイガー小堺、主演女優は蓮実クレアだ。SODホームページには、以下のような解説文が載っている。

「3億円の財宝が○ッキー山脈に埋められている情報を得た女優蓮実クレアと監督タイガー小堺が探しに行くAV史上初の企画!」

 アメリカの富豪であるフォレスト・フェンが、ロッキー山脈のどこかに3億円相当の財宝を埋めた。その情報をつかんだタイガー監督がクレアを隊長に据え、財宝を掘り起こしに行く……というロードムービーである。

 これ、コント仕立てではなくマジなのだ。出発前日に一行はSODの会議室で打ち合わせをし、出発の数時間前に装備品を購入。エコノミー席に座り、10時間かけてアメリカへ旅立ったクレアは、到着していきなり空港で人種差別を受け、すねてしまった。紛れもなくドキュメントだ。

アメリカまで行き、売れっ子女優が延々とスコップで穴を掘るAV

 この作品は人選がベストだった。とにかく、クレアがいい子なのだ。といっても、笑顔を絶やさず優しい……というようなステレオタイプじゃない。よく笑うし、よく怒るし、毒も吐く、裏表のない子。友達付き合いしたくなる、容姿抜群の女子といった感じである。

 例えば。アメリカに着いて早々、タイガー監督は飲食店のトイレにカメラを置き忘れて盗まれるというヘマをやらかしてしまう。道中で撮った映像の多多くが、失われてしまったのだ。視聴者にトラブルの事情説明を担当するのはクレアだった。

「もしかしたら、私が撮った写真とかをスライドショーで流すかもしれません。ハハハ! だから、それだけご了承いただいて。初日、お疲れ様でした~。タイガーさん、デコピン!」

 スタッフのヘマは、これだけではない。ホテルへ戻る際のタクシー代をタイガーらは持ち合わせておらず、しかも到着してからそれに気づく始末。クレアが部屋に財布を取りに行って立て替え、なんとか難を逃れた。頭を下げるタイガーらに「いいってことよ(笑)」と言葉を掛け、さらに「海外とか地方とか含めたロケで、いま一番楽しいかもしれない」と口にするクレア。いちいちポップな彼女の言動に、タイガー監督らは救われたはずだ。

 要するに、スタッフが頼りないのが逆によかった。けがの功名で、主演女優の魅力(裏表のなさや行動力)がグングン引き出されていくのだ。ちなみに、ここまでの道中でエロ要素はほとんどない。せいぜい、穴だらけのジーンズをはきながら「パンツはいてくるの忘れちゃった!」とクレアがノーパンである事実を明かしたり、アイスを男性器に見立て疑似フェラするくらいである。

「エロシーン、少なすぎだからね」(クレア)

 ネットの情報から、フォレスト・フェンが埋めた財宝は温泉の近くにあるのでは? との結論に達した一行は、目星をつけた温泉に向けて出発した。その後、4日目にしてようやくスコップを手にし、探検し始めたのだ。

 ここでもチームを牽引するのはクレアだ。「いいかげん、ちゃんとした山登りっぽい画を撮ろう!」とやる気を見せておきながら、舌の根も乾かぬうちに「山の中は夜になったら危ない」「掘りやすいところを掘りたい。女の力を考慮して!」と速攻で切り上げようともする。ついにはタイガー監督と口論のような形にもなるが、なんだかんだでスコップを振り上げ、発掘作業に励むクレアであった。

「絶対早回しするなよ、チキショー!」(クレア)

 シュールな画だ。AV女優がアメリカまで行き、よくわからない場所をスコップでずっと掘っているだけである。果たして、これはAVなのか?

 フォレスト・フェンはサンタフェ出身だ。しかし、サンタフェはニューメキシコ州にある。クレアらが今いる場所からは遠すぎる。なので、近場のコロラド州にある「サンタフェ山」に一行は出発した。そして、財宝があると予想されるスポットを延々と掘るクレア。しかし、結果的に財宝は発見できなかった。

クレア「探し求めていた3億円は見つかりはしなかったけれども、今回の旅で重要な仲間との絆を、そしてあきらめずに努力するっていう素敵な気持ちを思い出させてくれたロッキー山脈に感謝」

タイガー「本当に思ってます? 一番思ってないですよね、それ(笑)」

 冗談のようなセリフで財宝探しを締めようとするクレア。いや、実はこれは壮大なフリだった。ロケ最終日に用意されていたのは、クレアとタイガー監督の絡みだ。実は、今回の旅で培った“仲間との絆”が、彼女の心理に大きく影響する。百戦錬磨であるはずのクレアに、なぜか冷静さが微塵もない。脇汗をかき、素っ頓狂な声を上げ、とにかく照れまくっている彼女。

「めっちゃ恥ずかしいね。もう、ハメ撮りする監督とは仲良くしない!」(クレア)

 大金をかけてアメリカへ宝探しに行き、数々のトラブルに巻き込まれ、ケンカをし、失敗をし、すったもんだの末に女優との絆を深めた。そんな壮大な回り道が、この絡みのためだとすれば恐れ入る。すべて計算だとしたら、タイガー監督はまぎれもなく鬼才だ。

 また、今までさんざん“いい奴ぶり”を見せておきながら、唐突にこんなグッとくる痴態を晒すクレアには、見ている側もドギマギしてしまう。一種のギャップ萌えと言えなくもない。“宝探し”という不毛にしか見えなかった行いが、女優のいいところを引き出す助走として作用していた。

 旅先でクレアは、こんなツイートを発信している。

「水曜どうでしょうのような、ゆるい旅番組のような、私が普通に喋って笑って怒って拗ねて、掘ってる所をみるのが好きもしくは興味ある方にオススメ」

「エンディング撮りました…恐らくAV史上始まって以来の衝撃的なエンディングだったんじゃないかな きっと今回の作品でしか見れないかなり衝撃的な映像です」

 オープニングにて「非常にオナニーしづらい作品になってるかもしれません」という注意喚起のテロップが出されるこの作品。でも、筆者に言わせれば、そんなことない。やはり、これはAVである。水どう的な「Adventure Video」であり、「Adult Video」という意味でもちゃんとAVだった。女優の良さを引き出すための企画と人選、すべてがうまくスイングした快作。

 アダルトサイト「FANZA」では14人のユーザーがこの作品を評価しており、現在、平均4.71点(5点満点)という高評価を獲得中。ほとんどのレビュアーが「感動した」「幸せを感じた」「早送りしないで見てほしい」と激賞している。

(文=寺西ジャジューカ)

 

 

 

ヘイトクライムを自作自演した『Empire』俳優、オバマ前大統領の側近という“コネ”を使って不起訴に!

 ヒップホップ/R&B界に渦巻く欲望、陰謀、愛憎を描いた人気ドラマ『Empire/エンパイア 成功の代償』(以下、Empire)のジャマル・ライオン役を演じている黒人俳優のジャシー・スモレット。彼がシカゴの自宅近くで黒いフェイスマスクをかぶった、2人組の“白人らしき男”に襲撃されたのは、今年1月29日のこと。

 犯人は、トランプ大統領支持者の合言葉である「MAGA(メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン)」と叫びながらジャシーを殴り、漂白剤をかけ、首に縄をかけ逃走。“首に縄”は、白人による黒人リンチの象徴である「縛り首」を連想させることから、黒人コミュニティは「また黒人差別か!」と大激怒。ジャシーは同性愛者であることを公言しているため、黒人だけでなく同性愛者に対するヘイトでもあるとして大騒動になった。

 実は『Empire』の撮影現場にはジャシー宛に「白い粉」の入った脅迫状が届いていたようで、「ジャシーはヘイトクライムのターゲットになっていたのか!」と同情を集め、共演者のグレース・ギアリーやナオミ・キャンベル、番組クリエーターのリー・ダニエルズ、ほかにも複数のセレブがジャシーを支援するコメントを出した。

 しかし、「事件当時使用していた携帯電話の記録を確認したい」という警察の捜査に協力せず、10日後にやっと警察に提出された携帯電話の履歴は編集されていたため、「言動が怪しい」「もしかして襲撃は自作自演?」とメディアも疑いの目を向け始める。

 そんな中、ジャシーは、2月14日に国民的ニュース・バラエティ番組『Good Morning America』に出演し、襲撃事件のことを事細かく説明。「イスラム、メキシカン、もしくは黒人に襲撃されたと言ったら、僕を疑っている人たちも信じて、同情してくれただろうね」と、犯人は白人で間違いないかのような口調で語った。

 が、このインタビューが放送された日に警察が逮捕した容疑者は、ナイジェリア人の黒人兄弟だった。家宅捜索の結果、黒のフェイスマスクや漂白剤が発見され、犯人であることはほぼ間違いない。おまけに、2人は『Empire』にエキストラ出演し、ジャシーとはジムに通う仲だったことも判明。思わぬ事実に誰もが混乱する中、17日、兄弟は起訴されずに釈放。そして20日、兄弟に3,500ドル(約38万円)を支払って襲撃させ、警察にウソの通報をした罪で、ジャシーが逮捕・起訴された。警察は『Empire』の出演料に不満を抱えていたジャシーが、人種差別の被害者として知名度を上げ、ギャラアップを狙ったと推測した。

 ちなみに、米ニュースサイト「The Hollywood Reporter」によると、ジャシーは最近、1話につき12万5,000ドル(約1,400万円)のギャラをもらっていたよう。十分に高額だが、これは主演のテレンス・ハワードやタラジ・P・ヘンソンが放送開始当初もらっていた額であり、2人のギャラは16年には25万ドル(約2800万円)までアップ。現在はさらに上がっている可能性があり、ジャシーが「自分も主要キャラクターなのに!」と不満を持っていたとしても不思議ではない。

 逮捕されたジャシーは一貫して無実を主張。21日に保釈金の一部を支払って釈放されると、すぐに『Empire』撮影現場へ行き、迷惑をかけていることを謝罪した上で、自分は無実だと訴えた。3月13日、ジャシーが登場するシーンをカットしないまま、『Empire』最新エピソードがオンエアされた。20日には、番組クリエーターのリーがインスタグラムに「(撮影現場では)みんなどうしたらよいのかわからず、戸惑っている」と、ため息をつく動画を投稿した。

 ところが事態は26日、急展開を見せた。ジャシーに対する16の重罪すべてを取り下げたと、米イリノイ州クック郡の検事が発表したのだ。検事は「自作自演の疑いが晴れたわけではない」としながらも、ジャシーが社会奉仕活動を行い、1万ドル(約110万円)の保釈金全額没収に応じたと、不起訴理由を説明。ジャシーの弁護士チームと長い間交渉を続けた結果だとも明かした。

 つまり「取るに足らないケースをいちいち裁判にかけていたらきりがないから、司法取引した上で起訴を取り下げた」ということらしいのだが、大々的に報じられてきた事件だったのに、あっさりと起訴を取り下げたことに多くのアメリカ人が違和感を抱いた。シカゴのラーム・エマニュエル市長は、売名行為目的で当局を振り回したジャシーの不起訴について、「公正ではない」と激怒。シカゴ警察も思わぬ結末になったことを市民に謝罪した。ちなみに、判事は今回の案件に関する資料を封印しているため、一般市民が真実を知ることは不可能だという。一方のジャシーは、自分を信じ応援してくれた家族、友人、ファンに感謝し、自作自演はないと改めて主張。「すぐ仕事に戻り、前に進みたい」と、ポジティブな姿勢を見せた。

 今回の不起訴について、なぜ警察、検事、市長までもがジャシーを「クロ」と見なしているのに、不起訴となったのか。その理由は、オバマ前大統領の夫人の首席補佐官だった弁護士ティナ・チェンにある。米ニュースサイト「Chicago Tribune」によると、ティナはジャシーの家族の友人であり、どうにかしてくれと頼まれた。そこで、顔見知りであるイリノイ州クック郡の検事にジャシーの起訴を取り下げるよう頼むため、接触。やりとりしているメールもスクリーンショット付きで報じられた。ネットは、「コネがあったから起訴されず、詳細も公開されないよう封印できたのか」「結局はコネなんだね。アメリカは本当にフェアな国じゃないな」と大炎上している。

 ほかにも、ジャシーが行ったという社会奉仕活動が、黒人人権センターでのボランティアのことだと「TMZ」が報じると、「社会奉仕活動は通常裁判官から命じられるものだよね。ジャシーのは社会奉仕活動じゃなくて、ただのボランティア。ボランティアを社会奉仕活動としてカウントしてもらえることがあるのか!」と不満が噴出している。

 「TMZ」によると、『Empire』の脚本家たちは「不起訴=ジャシーの無実が証明された」と受け止めているようだが、キャストやクルーの中にはジャシーが自作自演したと信じ、不起訴にショックを受けている者が多いそう。「ギャラアップ目的で、番組のイメージを下げたことは許せない」「もうジャシーと一緒に働きたくない、クビにしてほしい」という意見も上がっているという。

 ただでさえ富裕層子女の大学不正入学に格差を感じているアメリカ社会だが、今回のジャシーの起訴取り下げに「結局はコネか! 最悪だな!」などと批判が噴出。ジャシーがこのまま役者、歌手活動を続けられるのか、非常に微妙なところだろう。ちなみに、襲撃の8日前にジャシーに送られたという脅迫状に関する捜査は、現在連邦捜査局が行っているため、今後、大ごとに発展する可能性は残っている。

 最新情報では、28日、シカゴ当局がジャシーに対して「あなたの自作自演のために20人以上の警察官や刑事たちが、何週間も捜査を行うことになった」として、超過勤務手当など13万ドル(約1,400万円)を支払うよう請求。「無実」を主張しているジャシーがどう反応するのかに注目が集まっている。

『ZIP!』で放送される新コーナー、“Sexy Zoneマリウス葉のパクリ説”が浮上!?

 3月29日放送の『ZIP!』(日本テレビ系)で、人気コーナー「MOCO’Sキッチン」が終了。視聴者からは悲しみの声が相次いでいるのだが、後継コーナー「いただきます! 日本全国朝ごはんジャーニー」に、なぜかジャニーズアイドル・Sexy Zoneのファンが反応しているという。

「MOCO’Sキッチン」の最終回では、速水もこみちが「10種のワンスプーン」のレシピを紹介。「イタリア風」「メキシコ風」「インド風」「フランス風」といったテーマのワンスプーン料理を次々と作っていった。彼のラストレシピに、SNSなどでは「ついにこの日がきてしまったか」「朝の楽しみがなくなる」と惜しむ声が。一方で代名詞ともいえる“オリーブオイル”を少量しか使っていなかったため、「最後は浴びるほどオリーブオイル使ってほしかったなぁ」といった声も寄せられている。

 そんな「MOCO’Sキッチン」が終わり、新コーナーとして「いただきます! 日本全国朝ごはんジャーニー」が始動。イケメンハーフタレントのマーティンが全国の朝ごはんを紹介する企画で、初回は福岡県に訪れる。マーティンも自身のTwitterで、「日本テレビZIPの新企画、“いただきます! 日本全国朝ごはんジャーニー”というコーナーで出させて頂くことになりました!」と告知。意気込みは十分のようだが、思わぬところから“ケチ”がついてしまったという。

「同企画では『行ってきマーティン』や『よろしくお願いしマーティン』という合言葉が使用される模様。彼の名前にかけたキャッチーな合言葉だと思いますが、実はSexy Zoneのマリウス葉も『行ってきマリウス』や『よろしくお願いしマリウス』といった挨拶を使っていました。そのためファンの間では、“マリウス葉のパクリ説”が浮上。『“行ってきマーティン”はダメでしょ』『セクゾファンとしてこれは見過ごせない』『マリウス葉に許可とったの?』といった声が上がっています」(芸能ライター)

“持ちネタ”のパクリに敏感なジャニーズファン。時にはジャニーズアイドル同士の「パクリ・パクられ」に厳しい目が向けられることもあり、以前はKing & Princeの平野紫耀がパクリを指摘されていた。

「平野は以前『しゃべくり007』(日本テレビ系)で、ジャニーズアイドルのダンスモノマネを披露。松本潤や亀梨和也など先輩のダンスをモノマネして、共演者の笑いを誘っています。しかし、先輩であるA.B.C-Z・河合郁人もジャニーズダンスモノマネを得意としており、松本や亀梨もレパートリーの1つ。そのためA.B.C-Zファンからは『河合くんのパクリ』などと指摘されていました」(同)

 そんなジャニーズファンたちの“監視”に引っ掛かってしまったマーティン。さすがに不運としか言いようがないが、持ち前の明るさで伸び伸びとロケに挑んでいただきたい。

石原さとみの結婚が窪田正孝“朝ドラ主演”のせいで遅れることに!?

 果たして、視聴率も私生活もハッピーエンドとなるのだろうか。

 女優の石原さとみが7月スタートのドラマ『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)に主演することがわかった。

 原作は1999年から2003年まで「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載された佐々木倫子の漫画。石原は店を繁盛させる気など毛頭なく、「自分が心ゆくままにお酒と食事を楽しみたい」という欲求を叶えるためだけにフレンチレストランを開いた“超変わり者”のオーナー・黒須仮名子を演じる。

「石原のハチャメチャコメディーとあって、ネット上では『見なくても想像がつく』『手を大袈裟にバタバタさせたり、ヒステリー起こしたりするんでしょ』『石原のお転婆系は鬱陶しくて嫌い』といった拒否反応が続出。原作ファンからも『黒須のイメージとは違う』との声が聞こえます。そもそも原作は福士蒼汰演じる伊賀観が主役ですから、石原のために脚本もだいぶ変更されているのではないでしょうか」(テレビ誌ライター)

 そんな石原といえば、昨年10月発売の「サンデー毎日」(毎日新聞出版)では、過去に主演して2ケタ視聴率を記録したドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の続編が決定していると報じられていたのだが……。

「TBSサイドは石原のスケジュールは押さえていたものの、他のキャストにまでは根回しできていなかった。その間に『アンナチュラル』で主要キャストだった窪田正孝が2020年前期のNHK朝ドラ主演が決定したことは大誤算だったはず。結果、続編を断念して時間がない中で新たな原作を探したのでしょう。石原はSHOWROOM社長・前田裕二氏と結婚秒読みと言われていましたが、昨年主演したドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)の視聴率が振るわなかったことで、タイミングではないと事務所が許可しなかったと言われています。今作も原作ファンにそっぽを向かれ低視聴率となれば、また結婚が延びてしまうかもしれません」(芸能記者)

 もし石原の婚期が遅れたら、それは窪田のせいになるかも?

有村架純主演『ひよっこ2』、視聴率半減も……再続編放送が濃厚!?

 2017年前期のNHK連続ドラマ小説『ひよっこ』(有村架純主演)の続編『ひよっこ2』が25日から28日まで、午後7時半から4日連続で放送されたが、視聴率は朝ドラ時代から半減してしまった。

 各日の視聴率は初回から11.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、10.7%、10.6%、9.8%で平均は10.7%。朝ドラ時代は全話平均20.4%であったため、大きく数字を落としたものの、2ケタを維持できたことで、自信を深めた同局ではさらなる続編放送に意欲を見せているという。

「そもそも、朝と午後7時台での視聴率を比較すること自体がナンセンス。午後7時半開始では、まだ帰宅していない人も多く、在宅率は高くありませんので、録画で見た視聴者も多かったようです。この時間帯のドラマで、2ケタ取れれば御の字。エンディングも第3シリーズを期待させるような終わり方で、脚本家の岡田惠和氏も、『ちゅらさん』に続くシリーズ化に意欲をもっているようですし、忘れられない頃に再続編の放送も十分ありでしょうね。ただ、放送時間はもっと見やすい時間帯にした方が数字は取れるでしょう」(テレビ誌関係者)

 続編では、赤坂の洋食店「すずふり亭」で働く、主人公・谷田部みね子(有村)が、同店のコック・前田秀俊(磯村勇斗)と結婚して2年後の1970年(昭和45年)の秋を舞台に描かれた。「すずふり亭」の面々をはじめ、みね子の故郷・奥茨城村、みね子たちが住む「あかね荘」、最初の勤務先の「乙女寮」の人々、同級生の助川時子(佐久間由衣)、安部(角谷)三男(泉澤祐希)ら、フルキャストが出演し、ファンを狂喜させた。

 有村は同作のヒロインにオーディションではなく、岡田氏の強い希望で起用された。朝ドラ後、初の主演ドラマとなった『中学聖日記』(TBS系、昨年10月期)は、教師と教え子の中学生(後に高校生)との禁断の恋を描いた作品とあって、批判的な意見も多く、視聴率は6.9%と振るわなかった。『ひよっこ』の第3シリーズがあるとしても、役のイメージがつきすぎるのは好ましくない。有村としては、その日が来るまでに、主演したドラマをヒットさせ、“代表作”をつくったうえで、臨みたいところだろう。
(文=田中七男)