「Tinder」「Pairs」マッチングアプリの落とし穴! 「街中で『これ君だよね?』」恐怖の一幕も

 大学生や20代の若者を中心に、もはや定番となっている「Tinder」や「Pairs」といったマッチングアプリ。出会いを求める男女を“つなぐ”アプリで、実際に恋愛に発展したり、結婚に至ったというカップルも増えているという。「出会いがない……」と悩む人にとっては、まさに救いのアプリだが、一方で、上の世代の人たちは、ひと昔前にはやった「出会い系サイト」を想起し、「知らない人と出会うなんて、危険ではないか?」と疑問を漏らすことも。今回、ITジャーナリスト・高橋暁子氏に、マッチングアプリが若者の間で市民権を得た理由や、注意すべき“落とし穴”について話を聞いた。

「外部の人と付き合いたい」SNS時代の若者たち

 ひとたび、インターネットで「マッチングアプリ」と検索すると、「Tinder」「Pairs」「Omiai」「ゼクシィ縁結び」など、多種多様なアプリがずらりと並ぶ。それだけ今、マッチングアプリの需要があるということだが、その人気の理由はどこにあるのだろうか。

「以前、大学に講演に行った際、学生さんからいろいろと話を聞いたのですが、『大学内で恋愛をすると、みんなSNSでつながっているので、元カレや元々カレ、また“いま付き合いそうになっている男子”など、全てが筒抜けになるので、正直やりづらい。別れた後も面倒だ』と言っていました。そのため、外部の人と付き合いたいという願望があり、マッチングアプリを使うのだそうです。友達もみんな使っていて、ある時、大学内でGPS機能付きのマッチングアプリを立ち上げたところ、同じ大学のユーザーが表示され、すぐに閉じたという話も耳にしましたね。それだけマッチングアプリは一般的になっています」

 SNSを使うことが当たり前の世代は、ネットに費やす時間が長い。「そこで失敗すると、自分の立場がなくなってしまう」という理由から、大学用や高校用、趣味用など、複数のアカウントを作り、それぞれの場でウケるためにはどうすればいいのかを考えた投稿を行うそうだ。こうした背景から、「しがらみがなく、切ろうと思えば切れるマッチングアプリが重宝されるようになった」という。

 また、以前の出会い系サイトとは違い、最近は大手企業が手がけるマッチングアプリもあり、「目視による監視体制が敷かれている点や、Facebook認証の導入、公的証明書での本人確認を必須とするなど、安全性が高いシステムとなっていることも、若者の間で人気を得た理由ではないでしょうか」と、高橋氏は考察する。

「その人の“出会いに対する本気度”によって、使うマッチングアプリを選べるのも人気の理由だと思います。マッチングアプリと一口に言っても、例えば、『ちょっと出会いたいな』という人は『Tinder』を、結婚を視野に入れた恋人がほしい人は、『恋活』『婚活』を謳う『Pairs』をといった具合です。男性は有料というアプリは、より本気度が高いのではないでしょうか」

 ユーザーの本気度がわからず、サクラも多かったかつての出会い系サイトと比較すると、マッチングアプリは信頼を置けると言えそうだ。

 しかし、そんなマッチングアプリにも落とし穴があるという。アプリ上でのやりとりだけでも、さまざまなトラブルが発生しているようだ。

「アプリ上のプロフィール写真を、SNSと同じものにしていたところ、相手とのやりとりの中で、『君のSNSアカウントってこれだよね?』『住所近いね』とメッセージがきて、怖い思いをしたという人の話を聞きました。また、GPS機能付きで近くの人と出会えるアプリを使っていたら、家の近所でユーザーと何度もすれ違い、街中で『これ君だよね?』と声をかけられたケースも」

 ネットでは、マッチングアプリ上で、相手から暴言を吐かれたといったトラブルも目にするが、「『Tinder』のような顔だけで相手を判断するようなアプリのユーザーは、軽い気持ちかつ相手の体目的という人も多く、ネットに対するスタンスがかなりゆるいので、そういったトラブルが起こりやすいのではないでしょうか」という。ほかにも、「いい感じでやりとりをしていたのに、突然切られてしまうなど、マッチングアプリで人間不信になりそうになったという話も聞きますね。人を人と思わないようなユーザーも中にはいるようです」。

 実際に会ってからだと、さらに多くのトラブル事例があるそうだ。昨年3月に起こった「大阪民泊バラバラ殺人」もその一つで、加害者と被害者が最初に知り合ったのが「Tinder」だったと報じられている。

「先日、婚活アプリで知り合った複数の女性から現金を騙し取った男性が逮捕される事件もありましたね。また、マルチ商法やネットワークビジネスなどを紹介されたというケースも多く、最初は会話が盛り上がっていたのに、突然風向きが変わり、“別の会”に誘われたりするそうです。それから、婚活目的で会ってみたら、実は既婚で子どもがいたことが後から発覚したり、職業や年収がウソだったりという話もよく聞きます。先ほど、マッチングアプリは、本気度によって使い分けることができると言いましたが、婚活アプリなのに体目的のユーザーが混じっているといったことも珍しくないようです」

 ほかにも、プロフィール写真詐欺は頻繁にあるそうで、「若い頃の写真ならまだしも、まったく別人の写真を使っているユーザーも。顔だけで相手を判断するようなアプリでマッチングして、実際に会ってみたら、びっくりしてしまいますよね。日本ではあまり知られていない、台湾や中国のアイドルの顔写真を使うユーザーもいるようです。アプリ側がユーザーの本人確認をしても、顔までは確認できないこともあるので、そういったことが起こるのでしょう」。

 では、マッチングアプリで危険な目に遭わないようにするためには、どうしたらいいのだろうか。

「会ったばかりなのに、個人情報を渡しすぎないこと。アプリ上で切っても、LINEや電話番号を教えていたため、そちらに連絡が来るようになったという人もいます。また、最初は密室で会わないなど、最低限の自分を守るための手立てを持ってから会うようにすべきでしょう。数回会って、本当に信頼の置ける人かどうかを確認することが大切です」

 こうしてマッチングアプリの落とし穴について話を聞くと、今まで使ったことがない人は「やっぱり怖い」と思うかもしれない。しかし、最後に高橋氏は、マッチングアプリを使うメリットを教えてくれた。

「婚活アプリで出会ったカップルは成婚率が高く、しかもなかなか別れないという話も聞きます。というのも、プロフィールなどから“相性の良さ”を計測してくれるというアプリもあり、その精度は利用すればするほど上がるそうです。うまく使えば、いい人と出会えると思うので、最初から“ノーサンキュー”と拒まず、選択肢の一つとして取り入れてみてもいいのでは」

 マッチングアプリに限らず、どんなものにもメリット/デメリットがある。だからこそ、自分にとってどう使うのがベストかを十分考えることが重要と言えるだろう。

新宿の名物男がドキュメンタリー映画になった!! 映画と美女と酒を愛する仮面の男『新宿タイガー』

 新宿には早朝と夕方に極彩色の風が吹き抜ける。極彩色の風の正体は、年代物の自転車に乗ったベテランの新聞配達員だ。人は呼ぶ、彼のことを「新宿タイガー」と。お祭りの夜店で買ったタイガーマスクのお面と造花やぬいぐるみが混然一体化した不定形のオブジェを担ぐ姿が、新宿タイガーのトレードマークだ。映画『新宿タイガー』はそんな彼のお面の下の素顔に迫った世界初のドキュメンタリー作品となっている。

 新宿で朝を迎えた人や週末は新宿の映画館で過ごす人たちにとっては、おなじみとなっている新宿タイガー。彼が仮面の姿のまま朝刊・夕刊を配る姿は、もはや新宿の欠かせない風景となっている。新宿タイガーが現われると、そのとき街は少しだけファンタジックな空間に変わる。

 最近はスマホ世代に「新宿タイガーに遭遇するといいことがある」「新宿タイガーと一緒に写真を撮ると幸せになれる」というちょっとした都市伝説も広まりつつあるらしい。そう、新宿タイガーは“生きた都市伝説”なのだ。街で声を掛けると、親指を立てて陽気に応えてみせる。ISSAよりもずいぶん昔から「いいね!」ポーズで新宿という街をほっこりさせてきた。

 初のドキュメンタリー作品となる佐藤慶紀監督は、そんな新宿タイガーの知られざる日常生活を1年の取材期間を費やして追い掛けた。付き合いの長い知人・友人たちが素顔の新宿タイガーについて語る。

 まずは新宿タイガーが勤めている新聞販売所の女性所長。新聞社が主催したハワイへの研修旅行に販売所を代表して新宿タイガーが参加した際の逸話が披露される。初めての海外旅行となった新宿タイガーは、このときもいつものファッションだった。彼にとってはこれが正装なのだ。当然ながら税関員から呼び止められたそうだが、マジメな新聞配達員だと分かり、無事ハワイへ入国。帰りは同じ税関員から「新宿タイガーなら、いつでもOKだ!」と見送られたらしい。

 映画ファンに愛される井口昇監督も登場する。『電人ザボーガー』(11)や『ヌイグルマーZ』(14)などの泣けるカルト映画で知られる井口監督は、彼自身が熱心な映画マニアでもある。若い頃、かなりレアな映画を求めて新宿の映画館へ通っていたそうだが、劇場に数人しかお客がいないときでも新宿タイガーに遭遇する確率が非常に高かったという。新宿タイガーはめちゃめちゃ映画が好きなのだ。大好きな映画と女優について語り出すと、新宿タイガーは止まらなくなる。映画を鑑賞することが彼のエネルギー源となっているのだ。

 新宿タイガーの生態を追うということは、彼が生息する新宿という街を記録することでもある。新聞を配り、集金をし、仕事が終われば新宿のシネコンやミニシアターをはしごする。夜更けとなり、新宿タイガーが向かうのは新宿ゴールデン街だ。

 新宿タイガーが恋をしているのは、スクリーンの中の美女たちだけではない。生身の女性にも熱く愛を語る。お面をはずした素顔の新宿タイガーがバーカウンターでお気に入りの舞台女優を熱心に口説く様子を、カメラは映し出す。「理想の女性」「最高の女優」と褒めちぎられ、ホロ酔い気分の女優もまんざらでもないらしい。仮面を被ったファンタジックな男と虚構の世界に生きる女優は相性が合うのかもしれない。
 
 映画や女優についてはエンドレスで語り続ける新宿タイガーだが、自身の過去については口数が減る。なぜ、タイガーマスクのお面を被るようになったのかと尋ねても「野生の勘」としか語らない。そこで佐藤監督ら取材クルーは、新宿タイガーが誕生して45年になることに着目した。長野県生まれの新宿タイガーが上京したのが1967年で、「新宿の虎になる」ことを決意したのが1972年。1960年代の新宿は、若者たちが理想や夢を語り合う活気と自由さに溢れた街だった。学生運動の華やかな時代で、若者たちは自分たちの手で理想社会を生み出せると信じていた。若松孝二を師匠と仰ぐ白石和彌監督が実録映画『止められるか、俺たちを』(18)で描いた時代だ。しかし、72年に「あさま山荘事件」が起こり、その熱気は急激に冷めていく。

 若者たちが夢や理想を語らなくなったことへのアンチテーゼとして、どうやら新宿タイガーは孤独な闘いを続けているらしい。つまり新宿タイガーは「ひとりフラワーチルドレン」、もしくは「走るラブ&ピース」ということになる。45年間休むことなく新宿を駆け抜ける仮面の男の、分かりにくいダンディズムに本作は触れている。

 見方によっては孤高のメッセンジャーにも思えるし、ただの女好き・酒好きな変わり者のおっさんにも見える。多分、どちらも新宿タイガーの正しい一面ではないだろうか。新宿きっての名物男であり、かつ変わり者でもある新宿タイガーをゴールデン街は優しく迎え入れる。ゴールデン街にあるバー「シネストーク」のオーナーである田代葉子ママは、新宿タイガーとの思い出を振り返る。「癌の治療を受けて髪が抜けた後、チリチリ頭になって。みんな触れないようにしていたけど、新宿タイガーは『おっ、ピーターパンだ』と笑ってくれた。あの言葉にすごく救われた」。葉子ママの瞳には、新宿タイガーは大切なヒーローとして映っているようだ。

 葉子ママは語る。「新宿タイガーは新宿の風なんじゃないかと思う」と。夢やロマンを語る新宿タイガーに対して、ロマンチックな言葉を贈る葉子ママ。ロマンにはロマンで応えるのが、新宿で青春を過ごした大人たちの流儀らしい。

 新宿には早朝と夕方、極彩色の風が吹き抜けていく。人は呼ぶ、彼のことを「新宿タイガー」と。新宿タイガーがこの街から姿を消すことになったら、新宿はひどく味気ない退屈なビル街になってしまうだろう。「新宿タイガーに逢うといいことがある」。そんな都市伝説を広めながら、新宿タイガーには映画と美女について、いつまでも熱く語り続けてほしい。

(文=長野辰次)

新宿の名物男がドキュメンタリー映画になった!! 映画と美女と酒を愛する仮面の男『新宿タイガー』の画像4

『新宿タイガー』
監督・撮影・編集/佐藤慶紀 ナレーション/寺島しのぶ
出演/八嶋智人、渋川清彦、睡蓮みどり、井口昇、久保新二、石川雄也、里美瑤子、宮下今日子、外波山文明、速水今日子、しのはら実加、田代葉子、大上こうじ
配給/渋谷プロダクション 3月22日(金)よりテアトル新宿にてレイトショー
(c)「新宿タイガー」の映画を作る会
http://shinjuku-tiger.com

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暗いニュースばかりだけれど……書店業界は“復活傾向”のワケ

 出版取次大手の日本出版販売(日販)によれば、今年2月の売り上げが前年同月比で0.5%増となった。その理由は、集客イベントが成果を出したものとしている。書店といえば、近頃「閉店」のニュースばかりで、暗い話が続く出版業界にあって、少しばかりは明るいニュースである。

 書店の閉店ニュースは、今年に入ってから幾度も報じられている。大阪府堺市を中心に12カ所の書店を展開していた天牛堺書店が破産し、全店舗が閉店。同じく大阪にあるスタンダードブックストア心斎橋も4月で閉店。東京では、神保町の老舗であるマンガ専門の高岡書店が3月末で閉店する。

 このほか、全国の新聞記事を拾っていくと、北海道千歳市の文教堂千歳店の閉店など、地域では大きな話題になっている事例が多い。

 こうしたニュースから見えてくるのは、Amazonなどネット書店の拡大により利用する機会が減ったとはいえ、依然として書店には、それなりの需要があるということだ。ネット書店に比べて書店の利点は、その場で本が手に入ることや、偶然の出会いなど、いくつも思い当たる。逆に問題はといえば、注文した品がすぐに届かないことくらい。

 出版統計を見ても、雑誌は年々減っているが、書籍は微減。やっぱりいくらネットが発達しても、情報を得る手段としての本の信頼性は失われていないことがわかる。ゆえに今後書店が生き残るために必要なのは、各種フェアなどを開催して、品ぞろえをアピールすること。さらに、流通網の整備で、注文品がすぐに届く体制を作ることではないだろうか。

 暗いニュースばかりの中で、書店の生き残り策は続く。

(文=是枝了以)

「Fear, and Loathing in Las Vegas」の元メンバーSxunさんが来訪! 扱い上手で保育園児にも大人気

 寒い日々が終わり、園児たちはいつもよりお散歩へ行くのが楽しそうです。そんななか、私が以前から大好きなミュージシャン「Fear, and Loathing in Las Vegas」の元メンバー、Sxunさんが遊びにきてくれました。

 一緒に朝のお散歩に行き、給食を食べて、夕方のお散歩に行って、1日をSxunさんと過ごした園児は、翌日、翌々日、今日までの毎日、私の顔を見るたび「しゅんせんせいは?」と聞いてきます。「小さい子と遊ぶのは初めて」と言いながら、めちゃくちゃ上手に遊んでいたのでびっくりですよ。明日も来てくれるそうなので、きっとみんな喜んでくれると思います(私も!)。

 カリスマホストのローランドさんが来た時は、あまりにも現実離れしたビジュアルのせいか、全然さみしさを引っ張らなかったのですが、園児たちにとって「しゅんせんせい」は特別な存在のよう。私自身、見学や契約、面談、お受験対応ばかりで、園児とお散歩に行くことが少なくなっていたので(先生が病欠した時くらい)、久しぶりでとても楽しかったです。なぜか全員に追いかけられる鬼ごっこや「だるまさんが転んだ」をしたのですが、「なぜ保育園を始めたのか」を考えさせられる日になりました。もちろん園児とSxunさんが遊んでいる動画を撮って、保護者専用グループLINE(新年少~新年長お受験クラス)に貼ったあと、すでに100万回くらい一人で再生しています(笑)。

第二の角川慶子を育てたい

 いまは保育園の来年度をイメージしたり、2019年度開校の東京農業大学稲花小学校の入試概要がわかったので、ペーパーの進みを考えたり、いろいろなことを計画しています。衾の森こども園で辞めないだろうと思っていた子が、祖母の介護を理由に引っ越しすることに。読みが狂ったため、いまごろ園児を募集するという「角川の森」にしては大失態を犯してしまいました。

 駅チカの「衾の森こども園」の保護者が望むことと、最寄り駅ナシ・車かバスじゃないと通えない“陸の孤島”である「駒沢の森こども園」の保護者が望むことはやはり違うと感じた2年間でした。とはいえ、衾の森こども園でも「駒沢の森こども園がいっぱいで入れなくて入園した」というご家庭とは仲がいいですし、今週から始まる畑仕事に参加するご家庭とはコミュニケーションが取れていて、「(お受験対策も)この子たちのためにがんばろう!」と強く思います。

 保護者と仲がいいのは大変いいことなのですが、目先のことばかりでなく、これから10・15年後……自分が現場から退く日がいつかは訪れるので、その前に“第二の角川慶子”になる人物を育てるという長期的な課題もあります。仕事のできる人はノウハウを得ると最終的に独立します(保育士ではなく、運営側の人たちの話)。なので将来、どうすべきか本気で考えています。飲食店なら閉めてもいいのですが、保育園の急な閉園はあまりにも不誠実。中堅幼児教室の場合、社長の娘が運営しているケースもあるそうです。うちの場合、会社がもっと大きければ娘を巻き込むことも考えられますが、“難破船”の船長は自分だけにしないと、娘の人生を壊しそうです。

 とりあえず今は元気でなんとかやっているので、健康を保ち、トレーニングをし、引退をできるだけ先延ばしにしようと思います。昔、ホテルニューオータニ内の託児所「タイニー・タッツ」を開設した、ラリードライバーの能城律子さんのように(現在84歳)、生涯現役で挑まないといけないのかもしれません(現在のニューオータニのベビールームは別会社に委託しています)。能城さんは託児の現場に出ていて、私も大変安心して娘を預けることができました。いま思えばもっと能城さんと話せばよかったと後悔しています。取材して会いたいなあ。

角川慶子(かどかわ・けいこ)

1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に認可外保育園「駒沢の森こども園」、16年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」、17年4月に認可外保育園「衾の森こども園」をオープンさせる。家庭では11歳の愛娘の子育てに奮闘中。

14歳少女も……中国の若い女性の間で広がる「卵子売買」、その恐ろしすぎる内容とは?

 一時期、中国で「精子バンク」が話題になったが、売買されるのは精子だけではない。卵子も対象になっている。ただし、精子とは違って、売る側のリスクが高いようだ。

「香港01」(3月11日付)などによると、浙江省杭州市に住む女子大生・美娟さん(仮名、20歳)は、同級生がiPhone XS Maxを持っているのがうらやましかった。それなりに豊かな家庭なので、親に頼めば買ってもらえるのはわかっていたが、彼女はそれをしたくなかった。そんな時、大学のトイレでこんな張り紙を見つけた。

「卵子提供者求む」

 それによると、卵子を売ることは人体に無害で、毎日注射を打てば半月後には卵子を取り出せ、報酬を手にできるという。

 美娟さんが決断するのに、時間はかからなかった。10日間以上にわたって排卵を促進するための注射を打ち続け、1万元(約16万円)を手にすることに成功した。晴れて念願のiPhone XS Maxも購入できたわけだが、その代償は小さくなかった。突然、おなかが大きくなり、呼吸困難に陥ったのだ。

 すぐさま病院へ駆け込んだところ、医師は当初、彼女が妊娠していると診断したが、検査薬の結果は陰性だった。そこでさらに詳細に検査をすると、卵巣過剰刺激症候群に侵されていることが判明した。これは不妊治療の際に生じることのある合併症のひとつで、排卵を促すためのホルモン治療によって卵巣が過度に刺激を受けてしまい、腹痛や吐き気などの症状が現れる。

 通常の女性の卵巣は直径2~3cm程度だが、美娟さんのそれは13cmもあり、新生児の頭よりも大きくなっていた。おなかの中は腹水で満たされ、それが横隔膜を押し上げ、肺を圧迫していた。呼吸循環器系が弱っていたため、肺塞栓症を引き起こし、命に関わる危険性もあったという。

 幸いにも、5,000mlもの腹水を放出し、治療を施すことで美娟さんの容体は回復に向かっているが、このように卵子を売ることで生命の危険にさらされたり、子どもを産めない体になってしまうケースが後を絶たないという。

 中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は、中国で広がる卵子売買についてこう話す。

「高齢化社会が進行する中、習近平政権は2013年ごろから一人っ子政策を緩和し『産めよ増やせよ』へと政策を転換した。それを機会に、『2人目妊活』を開始する夫婦が増えたが、妊娠適齢期を過ぎていたりして、不妊に悩む女性も多い。そうした事情のもとで、卵子売買が密かに活発になっている」

 卵子の購入者が妊娠できたとしても、卵子提供者が将来不妊になってしまえば、出生率の増加は望めない。

(文=中山介石)

てじなーにゃ兄、こんなところに!?  「Mr.ハーレクインコンテスト」で涙の邂逅

 「は~、最近な~んにも楽しいことがないわ……。ピエール瀧は容疑者になっちゃうし、関ジャニ∞はなんだかずっとゴタゴタしてて見ていられないし、幸せそうだった後藤真希は不倫にDVだし、もうなにも信じられない……。高田馬場にある猫カフェの写真を見ることだけが、唯一の癒やし……」と涙が出そうになっていたある日、『「日本のMr.・ハーレクインは誰だ!」コンテスト開催』っつうお知らせがサイゾーウーマン編集部に飛び込んできたわ! 街中で偶然出会った男性が石油王だったり、田舎から出てきた娘がイケメン社長に言い寄られたりしちゃう、ツッコミどころ満載の恋愛小説を世に送り出しているあのハーレクインが、なにやらでっかいお祭りをやろうとしている……楽しそうじゃねえか!
 今年で創刊40周年なのを記念して、リアルな男を“ハーレクインのヒーロー”にしちゃおうって企画らしく、お披露目イベントには「Mr.ハーレクイン」候補のイケメン8人が登場するとか。それと、ニューハーフ界のトップスター・はるな愛ちゃんがゲストで来るって! 安易に若い女を呼ばないハーレクイン編集部、信頼できるわ。最近ときめきを感じたことといえば、BLマンガの主人公・会社員(受け)が、後輩社員のアレをアレした時だった……なんて思い出しながら、リアルな胸キュンで心を潤すべく、スキップしながらイベント会場に行ってきました!
 Mr.ハーレクイン候補に選ばれたイケメンたちは、俳優・モデル・タレントなど、全員が芸能活動をしているみたい。それなのに、ステージに登場した彼らは素人感満載で、腰に手を当てるポーズすらおぼつかないの。「ウソでしょ、めちゃくちゃかわいいじゃない……!」って、思わず帝国劇場で新入りのジャニーズJr.を見つけたみたいなテンションになっちゃった。ていうか、白シャツ・黒パンツでキメたイケメンたち、足が長い! 顔が小さい! 同じ人類か!? と思っていたら、はるな愛ちゃんが登場してホッとしたわ。ハーレクイン編集部を信頼して会場に来て、本当によかった。
 そんなこんなで、イケメンたちまずはひとりずつ自己紹介。トークスキルももちろん一般人レベルなんだけど、なんかやけに“舞台慣れ”してるイケメンが……。名前を聞けば「山上佳之介」。え? 「てじなーにゃ」のお兄ちゃんじゃない! 大人になってコスプレ始めて、見事に迷走してるなと思ってたら、こんなところに流れ着いたのね! ……でもお兄ちゃん、ステージにイスを出したり、マイクを出演者に渡したり、本来スタッフがやるだろう仕事を率先してやってて、好感度上がっちゃったわ。これからうまくいかないことがあっても、強く生きてほしい
 山上お兄ちゃんの正体が明かされ、Mr.ハーレクインが一体どんな男たちの集まりなのか薄っすら気づいちゃったところで、お次は「誰がヒロイン・愛ちゃんをオトせるか」対決へ。くじ引きで決められたシチュエーションを即興で披露するんだけど、そこでもう、たまんねぇ男が登場したの。いや、本当はステージに出てきた時からロックオンしてたんだけどね。「ずっと片思いしていた彼女が、失恋して落ち込んでいるときにどうする?」というシチュエーションを演じた、山本晃大クンよ。
 無類の塩顔好きとしては、涼しい目元とスッと通った鼻筋がすでに最高だったんだけど、山本クンはこのシチュエーションで「お前のこと振るとかさ、そいつ本当に見る目ないと思う」と伏し目がちに言い、「だってさ、お前以上にいい女……ほかにいねえだろ?」だって! 愛ちゃんも思わず「アッキー!」って叫びながら抱きついてたけど、破壊力バツグンだったわ。そんで、さらにグッと来たのが、愛ちゃんに抱きつかれた山本クンが「付き合いま~す」って軽口叩いてたの! なんなの!? ウブな感じでめちゃくちゃ女慣れしてるじゃない! キーッ!!
 山本クンがトップバッターだったもんで、正直そのあとの7人の印象が全然残ってないんだけど、「仕事で帰りが遅くなり浮気を疑う彼女に、(潔白だと)信じてほしいときどうする?」「幼なじみが露出度高めのセクシーな衣装でパーティーに現れたときのひとこと」とか、ハーレクインらしいお題に挑むイケメンたちの奮闘は、ときめきを超えて“感動”だったわ。やっぱりお仕事、なにごとも一生懸命にやらなきゃね。
 その後、イベント当日がホワイトデーってことで、なんと愛ちゃんのために用意されたケーキが登場! 「みんなでおいしくいただきます!」って展開になるのかと思いきや、ものの1分で舞台裏に撤収されちゃった……。イベント後半の詰めの甘さが出ちゃったけど、最後に「小説・マンガの中なので、恋愛するのは勝手だし、誰にも文句言われないし、週刊誌にも撮られないから! とにかく楽しんでください!」ってすばらしい宣伝をしてくれた愛ちゃんに大きな拍手を贈り、お披露目会が終了! 山本クンという大きな収穫を得て、会場をあとにしました~。
 ちなみに、Mr.ハーレクイン候補者は、3月~8月の間に「1日書店員」「ハーレクイン小説の朗読」とか、さまざまなイベントへ登場するみたい。特設サイトでは投票も行っていて、これから激しい争いが繰り広げられるでしょう。山本クンを筆頭に、みんながんばってネ!

「逮捕されるよ」「セクハラだ」危うすぎるSNS写真で物議を醸した芸能人3人

 芸能人が自由にSNSを利用するようになり、ファンとの距離が近づいたが、時として不適切・不謹慎な投稿が世間を騒がせることもある。そんな“危うい投稿”で、たびたび世間を騒がす芸能人として、真っ先に名前が挙がるのは、女優でモデルの水原希子。

「水原は2015年5月23日、自身のインスタグラムに“胸ポチ”写真を投稿しました。ピンクのトップスから、ハッキリと乳首が浮き出た自撮り写真に、『セクハラだよ』『目のやり場に困る』『これで街歩かれたら、嫌だ』とネット上で散々叩かれました。一方、本人は17年9月18日放送の『しゃべくり007』(日本テレビ系)の中で、この写真について『ブラをつけなきゃいけない、という固定概念が……』『長時間締め付けられることが、きつい!』と言及。“ノーブラ主義”であることを告白したものの、視聴者からの共感は得られず、またしても悪評を集めてしまいました」(芸能ライター)

 また、GLAYのボーカルであるTERUも、ある不適切動画で炎上した。

「TERUは先月18日に行ったインスタグラムの動画生配信・インスタライブの中で、窓越しの夜景をバックに、知人男性数人と大きな浴槽に入りながら飲酒する姿を配信。1分ほどで配信は終了しましたが、浴槽に浸かる男性の股間が映り込んでしまいました。動画は削除されたものの、スクリーンショットや録画した動画がネット上に出回っている状態。これにネットからは『逮捕されるよ』『SNSをやめた方がいい。痛い老害化してる』と厳しい声が噴出しました。ファンからも『怒りを通り越して、恥ずかしすぎる』と呆れられてしまいました」(同)

 また、志村けんはある不適切写真の投稿をめぐる被害を告白している。

「17年4月19日、志村のインスタグラムに投稿されたのはモザイクがかかっていない男性器の写真。すぐに削除されたものの、当然、大騒動に発展しました。その後、所属事務所のイザワオフィスが公式サイト上で『志村けんのInstagramアカウントが、管理権のない第三者によって不正にログインされ、弊社及び志村けん本人が関知しない画像を投稿されるという事態が発生しました』と発表。同日に警視庁に被害報告を済ませたことを明かし、その夜に志村本人は、インスタグラムの名前を変えた上で、『気をつけます ごめん』と謝罪。ネットからは『被害届と被害報告は別物』『この手の犯人は、なぜか逮捕されない不思議さがある……』『恋人に送る写真を誤爆しただけ?』とさまざまま臆測が飛び交いましたが、発生から2年近くたった現在も、誰の仕業だったかは公表されていません」(同)

 あやうい写真の投稿は芸能人の株を大きく落としてしまうようだ。
(立花はるか)

坂口健太郎『イノセンス』再審請求の難しさを忠実に再現! 片岡鶴太郎と星野真里の演技に涙する第8話

(これまでのレビューはこちらから

 坂口健太郎主演ドラマ『イノセンス~冤罪弁護士~』(日本テレビ系)の第8話が3月9日に放送され、平均視聴率9.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回と同じ視聴率を記録し、じわじわと人気となっている様子。当初は『坂口健太郎を愛でるだけのドラマ』『川口春奈要らない説』など、いろいろと言いましたが、回を重ねるごとに最近めっきりダメだった日テレドラマとは違い、結構いいドラマでは?』と思い始めました。作り手の皆さんには、本当に申し訳ありません、と謝りたいです。

 ではでは、今週も、あらすじから振り返りましょう。

■再審請求の壁にぶち当たる拓と楓

 社宅パーティーで振る舞われた酒にシアン化カリウムを混入させ、6人を殺害したという罪で死刑判決を受けた式根大充(片岡鶴太郎)の冤罪を晴らして欲しいというテレビ局社員・聡子(市川実日子)の依頼を受けた拓(坂口健太郎)と楓(川口春奈)。

 24年前に事件は起こり、死刑判決が下ってから、ずっと式根の弁護を担当していた前弁護士は過去に4度再審請求を行ったが、すべて棄却されているため、厳しい中で卓たちは再審請求を行わなくてはいけない状況に。

 引き受けた拓と楓は式根に会いに刑務所へ。だが、式根は再審を望んでおらず、また、健康状態が悪化していることが判明。拓はなんとか式根を説得して、早急に再審請求の準備に取り掛かる。

 そんな中、楓は前弁護士が残したメモを発見。そこには式根の娘・玲子(星野真里)が泣きじゃくる友人の由美をなだめていたこと。由美は「もうすぐ死ぬ」と不穏な言葉を口にしていたことが書かれていた。それを元に拓と楓は事件を再調査。すると、由美の父親は当時会社をリストラされ、家族に暴力を振るっていた事実、また、由美が母親に頼まれて、毒物が入っていたとされる瓶を捨てに行ったことが判明。さらに、科学実験で冤罪である証拠も用意できた。それらを元に拓は再審請求を行い、証言台には大人になった由美(酒井美紀)もたった。

 しかし、届いた結果は棄却通知。それにみなショックを受ける中、式根と長らくあっていなかった玲子が接見したいと式根のいる拘置所へ赴き、再会を果たした、という内容でした。

■キレイごとで終わらせず、社会へ問題提起

 今回のストーリーの元ネタは昭和36年に起こった「名張毒ぶどう酒事件」です。これは、小さな集落の懇親会酒席で振る舞われたぶどう酒に農薬が混入され、これを飲んだ女性17人が中毒症状を起し、うち5人が死亡したという事件。犯人とされた奥西勝は死刑判決を受けるも、冤罪を訴え、生前9回も再審請求を起こすも、いずれも棄却。2016年に獄死しました。

 結局、再審請求が認められないまま、奥西は亡くなってしまったという事件だけあって、描き方がどうなるのか(ハッピーエンドになるのか、それとも事実のままなのか)、放送前から気にしていたんですが……。放送を見て結論を先にいうと、結構満足しました。

 というのも、事実に結構忠実だったのです。事件の内容に脚色はあるものの、再審が受理されない理由や式根と娘の関係などに、実際の事件を取り入れており、これがとてもいい作りでした。

 実際に起こった事件を題材にしている作品は多くあるんですが、中でも東海テレビ制作の『約束 〜名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯〜』『眠る村 〜名張毒ぶどう酒事件 57年目の真実〜』『ふたりの死刑囚』という作品ではなぜ再審請求が認められないのか、奥西と子どもたちのその後を伝えていたりするので、多分、脚本を書くにあたり、このあたりの作品を参考にしたのかもしれません。

 実際のところ、再審請求は本当に難しい。いくら新証拠を用意しても、認められることはほぼありません。8話でも、それについて冒頭で丁寧に説明しているほか、新証拠を2つも容易して、再審請求に臨み、「おお、これは認められるでしょ!」と希望の光が見えてきたところで、やっぱり棄却という、ドラマらしいハッピーエンドで終わらせず。逆にバッドエンドにしたことで、視聴者にモヤモヤを与え、日本の司法へ危機感を持たせることに成功。司法への関心を高めることができたかと思います。

 こういう、再審請求を行う事件の場合、風化して世間が無関心になることが一番危険ですから、現実社会で起こった事件を元にして世間に訴えた今回の内容は個人的に好評価です。

■片岡鶴太郎と星野真里の親子演技に涙

 忠実な一方で、大いに脚色された部分も。それは最後の式根と娘の拘置所での再会シーンです。

 実際の事件で死刑囚となった奥西には男女の子どもたちがいましたが、事件後、氏名を変えて別々に生活し、一家離散状態に。さらに、刑務所で服役していた奥西に一度も会っておらず、奥西は医療刑務所で一人ぼっちで亡くなったということを以前、ドキュメンタリーで見ました。

 それから比較すると、この点は結構な脚色がされており、少しだけ明るい終わり方に。しかし、考えてみれば、現実は悲しすぎる。ドラマだし、少しは明るくしておかないと視聴者もつらいはずですしね。

 それに、奥西だって、死ぬ前に子どもたちに会いたかったはず。今回の終わり方は、そんな彼へ向けたハッピーエンドだったのかもしれません。

 また、親子役を演じた片岡鶴太郎と星野真里の演技も非常によかった。

 特に、星野が、再審請求しようと動きだしたせいでまた世間の注目があつまってしまったと聡子に殴りこんでくるシーン。「中途半端な正義感だけで人の人生振り回すな!」と激怒するんですが、迫真の演技でセリフがジーンと来る!

 で、片岡のほうだと、長年、刑務所にいたことで、拘禁反応が現れ、事件以前の記憶しかなくなってしまったシーン。冒頭で暗い印象が強かった分、嬉しそうに娘の誕生日のプレゼントの話をするんですが、このときの顔に涙しちゃいました。

 やっぱり、演技力がある俳優・女優だと、いいですね~。前回の川島海荷と比較したら、今回は見やすかったです。

 以上、8話のレビューでした。

 見ごたえがあり、とても良かった回。今回をきっかけに世間が再審請求や冤罪事件にもっと注目して欲しいと願うばかりです。

 次回はついに最終章です。拓の幼馴染みの事件と同様の事件が発生し、幼馴染みの事件にも切り込んでいく様子。まだまだ見逃せません! 放送を楽しみに待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

坂口健太郎『イノセンス』再審請求の難しさを忠実に再現! 片岡鶴太郎と星野真里の演技に涙する第8話

(これまでのレビューはこちらから

 坂口健太郎主演ドラマ『イノセンス~冤罪弁護士~』(日本テレビ系)の第8話が3月9日に放送され、平均視聴率9.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回と同じ視聴率を記録し、じわじわと人気となっている様子。当初は『坂口健太郎を愛でるだけのドラマ』『川口春奈要らない説』など、いろいろと言いましたが、回を重ねるごとに最近めっきりダメだった日テレドラマとは違い、結構いいドラマでは?』と思い始めました。作り手の皆さんには、本当に申し訳ありません、と謝りたいです。

 ではでは、今週も、あらすじから振り返りましょう。

■再審請求の壁にぶち当たる拓と楓

 社宅パーティーで振る舞われた酒にシアン化カリウムを混入させ、6人を殺害したという罪で死刑判決を受けた式根大充(片岡鶴太郎)の冤罪を晴らして欲しいというテレビ局社員・聡子(市川実日子)の依頼を受けた拓(坂口健太郎)と楓(川口春奈)。

 24年前に事件は起こり、死刑判決が下ってから、ずっと式根の弁護を担当していた前弁護士は過去に4度再審請求を行ったが、すべて棄却されているため、厳しい中で卓たちは再審請求を行わなくてはいけない状況に。

 引き受けた拓と楓は式根に会いに刑務所へ。だが、式根は再審を望んでおらず、また、健康状態が悪化していることが判明。拓はなんとか式根を説得して、早急に再審請求の準備に取り掛かる。

 そんな中、楓は前弁護士が残したメモを発見。そこには式根の娘・玲子(星野真里)が泣きじゃくる友人の由美をなだめていたこと。由美は「もうすぐ死ぬ」と不穏な言葉を口にしていたことが書かれていた。それを元に拓と楓は事件を再調査。すると、由美の父親は当時会社をリストラされ、家族に暴力を振るっていた事実、また、由美が母親に頼まれて、毒物が入っていたとされる瓶を捨てに行ったことが判明。さらに、科学実験で冤罪である証拠も用意できた。それらを元に拓は再審請求を行い、証言台には大人になった由美(酒井美紀)もたった。

 しかし、届いた結果は棄却通知。それにみなショックを受ける中、式根と長らくあっていなかった玲子が接見したいと式根のいる拘置所へ赴き、再会を果たした、という内容でした。

■キレイごとで終わらせず、社会へ問題提起

 今回のストーリーの元ネタは昭和36年に起こった「名張毒ぶどう酒事件」です。これは、小さな集落の懇親会酒席で振る舞われたぶどう酒に農薬が混入され、これを飲んだ女性17人が中毒症状を起し、うち5人が死亡したという事件。犯人とされた奥西勝は死刑判決を受けるも、冤罪を訴え、生前9回も再審請求を起こすも、いずれも棄却。2016年に獄死しました。

 結局、再審請求が認められないまま、奥西は亡くなってしまったという事件だけあって、描き方がどうなるのか(ハッピーエンドになるのか、それとも事実のままなのか)、放送前から気にしていたんですが……。放送を見て結論を先にいうと、結構満足しました。

 というのも、事実に結構忠実だったのです。事件の内容に脚色はあるものの、再審が受理されない理由や式根と娘の関係などに、実際の事件を取り入れており、これがとてもいい作りでした。

 実際に起こった事件を題材にしている作品は多くあるんですが、中でも東海テレビ制作の『約束 〜名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯〜』『眠る村 〜名張毒ぶどう酒事件 57年目の真実〜』『ふたりの死刑囚』という作品ではなぜ再審請求が認められないのか、奥西と子どもたちのその後を伝えていたりするので、多分、脚本を書くにあたり、このあたりの作品を参考にしたのかもしれません。

 実際のところ、再審請求は本当に難しい。いくら新証拠を用意しても、認められることはほぼありません。8話でも、それについて冒頭で丁寧に説明しているほか、新証拠を2つも容易して、再審請求に臨み、「おお、これは認められるでしょ!」と希望の光が見えてきたところで、やっぱり棄却という、ドラマらしいハッピーエンドで終わらせず。逆にバッドエンドにしたことで、視聴者にモヤモヤを与え、日本の司法へ危機感を持たせることに成功。司法への関心を高めることができたかと思います。

 こういう、再審請求を行う事件の場合、風化して世間が無関心になることが一番危険ですから、現実社会で起こった事件を元にして世間に訴えた今回の内容は個人的に好評価です。

■片岡鶴太郎と星野真里の親子演技に涙

 忠実な一方で、大いに脚色された部分も。それは最後の式根と娘の拘置所での再会シーンです。

 実際の事件で死刑囚となった奥西には男女の子どもたちがいましたが、事件後、氏名を変えて別々に生活し、一家離散状態に。さらに、刑務所で服役していた奥西に一度も会っておらず、奥西は医療刑務所で一人ぼっちで亡くなったということを以前、ドキュメンタリーで見ました。

 それから比較すると、この点は結構な脚色がされており、少しだけ明るい終わり方に。しかし、考えてみれば、現実は悲しすぎる。ドラマだし、少しは明るくしておかないと視聴者もつらいはずですしね。

 それに、奥西だって、死ぬ前に子どもたちに会いたかったはず。今回の終わり方は、そんな彼へ向けたハッピーエンドだったのかもしれません。

 また、親子役を演じた片岡鶴太郎と星野真里の演技も非常によかった。

 特に、星野が、再審請求しようと動きだしたせいでまた世間の注目があつまってしまったと聡子に殴りこんでくるシーン。「中途半端な正義感だけで人の人生振り回すな!」と激怒するんですが、迫真の演技でセリフがジーンと来る!

 で、片岡のほうだと、長年、刑務所にいたことで、拘禁反応が現れ、事件以前の記憶しかなくなってしまったシーン。冒頭で暗い印象が強かった分、嬉しそうに娘の誕生日のプレゼントの話をするんですが、このときの顔に涙しちゃいました。

 やっぱり、演技力がある俳優・女優だと、いいですね~。前回の川島海荷と比較したら、今回は見やすかったです。

 以上、8話のレビューでした。

 見ごたえがあり、とても良かった回。今回をきっかけに世間が再審請求や冤罪事件にもっと注目して欲しいと願うばかりです。

 次回はついに最終章です。拓の幼馴染みの事件と同様の事件が発生し、幼馴染みの事件にも切り込んでいく様子。まだまだ見逃せません! 放送を楽しみに待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

ZOZO「3つのしくじり」! 有名ブランドとユーザーを「ガッカリさせた理由」とは?

――ファッションライター・南充浩氏が、いま話題のファッションニュースに斬り込む!

 最近、勢いにやや陰りが出てきたと言われる、前澤友作社長率いるZOZO。今年1月末に、2019年3月期連結決算の純利益が前年比12%減の178億円になるとの見通しを発表しました。従来予想(純利益280億円)から大幅に下方修正し、07年の上場以来、初の減益決算となる見込みとなっています。また、昨年年末から、オンワード樫山、ミキハウス、4℃、ライトオン、「ノースフェイス」を展開するゴールドウインなどの有名企業がZOZOからの離脱を表明しており、メディアでは「ZOZO離れ」ではないかと言われています。これらの原因はなんだったのでしょう。さまざまな理由があるのでしょうが、今回は主なもの3つを見ていきたいと思います。

1.ゾゾスーツと組み合わせたプライベートブランド(PB)のがっかり感

 1月末の発表では、PBによる赤字は通期で125億円とのことです。また、初年度売上高目標に200億円を掲げていましたが、これを30億円に下方修正しています。要するに当初の見込みほどPBは売れなかったということです。

 PB発表時の目玉となったのは体型計測用のボディスーツ「ゾゾスーツ」で、当時、ネット上ではすさまじい盛り上がりを見せました。自分で計測することによって、正しいサイズがわかるようになり、試着できないネット通販でもサイズ選びに失敗しにくくなると話題になりました。またそのサイズデータを活用してPBをオーダーするという未来的構想に多くの人が熱狂したのです。

 しかし、当初に発表した計測用ゾゾスーツは何カ月たっても配布されないままで、唐突に計測方式を変更した新型ゾゾスーツの配布に切り替えられました。この新型ゾゾスーツの計測精度が高ければ何の問題もなかったのですが、決して高いとはいえず、採寸間違いが多発し、ユーザーのクレームがSNSを通じて拡散されました。ネットの評判の影響を受けやすいというのは、ネット通販のデメリットの一つでもあることが周知されたと言えます。

 それでも熱心なファンはまだまだ諦めておらず、その直後に発表されたPBのオーダースーツで熱狂はピークに達したと感じられました。とはいえ、計測システムそのものが変更されていないままですから、スーツでも「大きすぎる」「小さすぎる」「丈が短すぎる」などの採寸間違いによるサイズの不具合が多発。これによって期待感は完全に沈静化してしまいました。

 1月末の発表では、その時点のPBの売上高は22億6000万円でしたから、残り期間がたったの3カ月では目標である200億円に到達しないことは火を見るより明らか。30億円への下方修正は当然の結果だったといえます。

 また、昨年12月には保温肌着「ZOZO HEAT」を発表し、年が明けてからはPBの新製品としてチノパン、スエットパーカを発表しましたが、いずれも昨年のジーンズ、Tシャツ、オーダースーツなどの熱狂には遠く及びません。ネット上を見る限り、ZOZOHEATはそれほどの話題にならず、年が明けてからのチノパン、スエットパーカは輪をかけて注目されていないようです。すでに計測データを利用してジャストサイズの服を着られるというユーザーの期待は霧散してしまっているのでしょう。

 ZOZOHEATに限っていえば、12月上旬に発表するのではタイミングとして遅すぎます。ユニクロのヒートテックに限らず、各社の保温肌着は遅くても10月頃には告知・店頭投入が完了しています。特に18年秋冬シーズンは暖冬でしたから、保温肌着というジャンルそのものが苦戦に終わりました。チノパン、スエットパーカは別段驚くほどのギミックや機能性があるわけでもなく、価格も4,900円なので、それほど安いというわけではありません。ユニクロのチノパンとパーカは2,990円なので、やはり見劣りしてしまいます。

 そもそもPBの商品群そのものにも疑問を感じさせます。ZOZO自身、主要顧客層は若い女性と発表していますが、PBの商品群は男女共通アイテムもあると言いつつ、Tシャツ、ジーンズ、ワイシャツ、スーツ、チノパン、スエットパーカと、メンズ色の強い商品ばかり。主要顧客層とのミスマッチではないでしょうか。

 今後、よほどの機能性商品や割安感のある商品を発表しないと、PBはさらに苦しい展開を強いられることになると考えられます。

 昨年末に、ZOZOは突然、「ZOZO ARIGATO」というサービスを発表しました。会員になると割引限度額上限5万円までが常時10%割引(初回30%割引)で買えるというサービスです。字面だけ見ていると、何の問題もないように思えますが、ZOZOだと全ての商品が正規価格より「10%オフ」された状態で表示されており、ブランド側からすると「ブランドイメージが損なわれる」ことにつながりかねません(なお、価格の表示方法は2月末に改訂されました)。

 これに驚いたのが各有名ブランドです。オンワード樫山が真っ先に撤退を発表し、その衝撃は業界全体を直撃しました。続いて4℃、ミキハウスが撤退してしまいます。この3社はアパレル、アクセサリー、子ども服、それぞれの分野の大手企業で、ネームバリューがあります。この3社の共通点は、

1. ZOZOと顧客層がかぶらない
2. ZOZO内での売上高がそれほど多くない
3.自社での販売が強い

の3点でした。オンワード樫山は30代半ば以降の女性、ミキハウスは高額子ども服なので主婦層・年配層が多く、若い女性が多いZOZOの客層とはあまりかぶっていませんでした。4℃の顧客には若い女性が多いものの、ZOZO内での売上高が少なく、圧倒的に自社売上高が高かったのです。

 売上高の点では、ミキハウスも同様の傾向があり、同社の木村晧一社長は、「週刊新潮」(新潮社)のインタビューで、「ZOZOでの売上高は年間1億円ほどだった」と話していました。一方、オンワード樫山はZOZO内での売上高が50億円ほどあったと伝えられていますが、EC全体の売上高に占める比率は25%ほどで、ほかのアパレルブランドに比べると、最も低い部類に属しています。

 これらとまったく異なる環境にありながら離脱を発表したのがライトオン。ある意味で、上記3社以上の衝撃がありました。ライトオンはECそのものの比率が低いのですが、その中でZOZOの売上高が大半を占めていたにもかかわらず撤退を発表したのです。ちなみにライトオンは同時期にAmazonへの出品・出店も取りやめています。

 そしてこの後に、今、売れに売れているアウトドアブランド「ノースフェイス」を擁するゴールドウインの撤退も発表。ベイクルーズも新商品は出品していません。いずれも思惑はそれぞれ違うものの、自社EC強化という方向性は同じで、撤退の口実を「ARIGATO」が与えたと見るべきでしょう。

 そもそも、ZOZOの手数料は年々上がっており、そこにも各社は不満をためていました。「手数料は売上高の34%にもなり、それなりの売上高はあるものの、利益としてはほとんど残らない。だから撤退しても実はあまり痛手ではない」と話をしていた企業もありました。その一方で、前出の木村社長は、「手数料は20%ほどで他社よりは安くしてもらっていた」とインタビューで語っており、ZOZOはネームバリューの高いミキハウスを取り込みたい目的から、同社を優遇したのではないかと推測されます。

 しかし、ミキハウスよりZOZOでの売上高が多いのに、手数料をより多く支払っている他社からすれば面白くないことは想像に難くありません。こういう不満が溜まっていたところにARIGATOサービスが、強引にメールの通知だけで開始されたことから、各社の不満が爆発してしまったと考えられます。

 しかし、逆に考えれば、自社の販売力が育ち百貨店や大手スーパーマーケットから独立するという事態はこれまでも起きたことですから、ECという分野が育てば遅かれ早かれ、同様のことが起きたとも言えます。

 筆者がネット通販を使い始めたのは2015年頃からなので、ごく最近のことです。ファッション好きだけがZOZOTOWNを利用していた当時の雰囲気はわからないものの、ファッション好きは口をそろえて、「昔はクールなサイトだった」と言います。しかし、今はどうでしょう。ARIGATOもさることながら、各ブランドが毎日のように割引クーポンを発行していますし、トップ画面に「最大〇%オフ」と表示されることも増えています。最近のZOZOTOWNしか知らない者からすれば、割引販売サイトにしか見えません。

 昔は商品の画像や露出もブランドの世界観を優先してくれたECモールであり、それに向けて担当者との打ち合わせも綿密だったと言われています。また、ZOZOの営業マンの口説き文句も「われわれは安売りしません」だったそうです。

 しかし、あるブランドのEC担当者によると、「今は、コーディネートもモデルもポージングも画一的。画像は極力メーカーが用意する風潮が強まったし、ほぼ毎日のように安売りクーポンが発行されている」とのことで、すっかり変貌してしまったといえます。

 一定水準にまで達した企業規模を、さらに拡大しようとすると、大衆の取り込みが必要ですから、その手段としては「安売り」が不可欠になります。ユニクロだって低価格品を販売したからこそ、ほとんどの人が買うようになり、国内売上高8000億円に到達したので、施策としては間違ってはいません。しかし、それは「カッコいい」とか「ファッショナブル」とかとは、かけ離れていくことを意味します。昔とはすっかりサイトのイメージが変わってしまい、そこに出店ブランドが失望しているという側面は否定できないでしょう。

 このほか、前澤友作社長が2月上旬、「いまお店で約1万円くらいで売られている洋服の原価がだいたい2000~3000円くらいだということを、皆さんはご存知ですか?」と2月上旬にツイートした(削除済み)ことも業界や消費者からの反感を買いました。このツイートに対し、実は一般ユーザーが「その売上の3割もZOZOがとっていることを知ってましたか?」とリプライしており、結果、ZOZOのイメージダウンにしかなりませんでした。また、論理的に考えても、ZOZOだって自社企画製品を販売しているわけですから、「ならZOZOの原価も提示しろよ」とブーメランを食らうことになってしまいます。「前澤社長は、アパレル企業がARIGATOサービスの値引きに無理解だということにイラ立ち、あのツイートをしたのではないか」といった論調もありますが、それだけではないでしょう。この時期は最も株価が下がっていた時期なので、それに対するイラ立ちの方が大きかったのではないかと、筆者は推測しています。

 前澤氏が所持する株数は、ストックオプションにより付与された新株予約権を除くと 112,226,600 株で、そのうちの97,408,100株が金融機関に担保として差入されています(2月12日現在)。株価が下がりすぎることは精神衛生上良くないのだと考えられます。

 これらの不安要素を抱えて、今後、ZOZOはどのような舵取りをするのでしょうか。
(南充浩)