『カメラを止めるな!』ブームは続く……“おばさん女優”筆頭に駆け上がった「しゅはまはるみ」って!?

「地上波初放送で視聴率11.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と数字だけを見れば意外と低いかもしれませんが、今年放送された『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)の中では最高視聴率を記録しましたからね。まだまだ『カメ止め』ブームは続きそうですよ」(テレビ局関係者)

 8日に地上波初放送された映画『カメラを止めるな!』。冒頭40分のワンシーン・ワンカットをCMなしにしたり、上田慎一郎監督と出演者の濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、秋山ゆずきが副音声で、映画の解説を実況生トークするなど、話題性は抜群だった。

「その中でも、しゅはまはるみさんは、今や“おばさん女優”枠の中でも一番の売れっ子で、各方面から引っ張りだこのようですよ。舞台経験者でギャラも安く使い勝手が良いと評判です」(映画関係者)

 東スポ映画大賞でも新人賞を受賞するなど、『カメ止め』出演者の中でも一番ブレークしたと言われている。

「もともと、柄本明さんの東京乾電池出身で舞台経験も豊富です。演技はやはり舞台出身ということでオーバー気味なところはありますが、今売れている久保田磨希さんあたりは戦々恐々としてるんじゃないでしょうか。このまま順調に売れればキムラ緑子さんくらいまでいくかもしれませんね」(芸能事務所関係者)

 ブレークしたことで大手事務所のエイベックス・マネジメントへと移籍したが、今のところギャラは相変わらず格安のままだという。

「まだ1ケタだと聞いていますよ。多くて1話10万円レベルでしょう。ただ、ブレークした勢いでCMも何本も決まりましたし、そのあたりの営業はエイベックスは上手ですからね」(広告代理店関係者)

 しゅはまはるみの快進撃を止めるな!?

『いだてん』ピエール瀧の代役・三宅弘城が「イスの人か!」と話題に

 大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺~』(NHK)に出演していたピエール瀧が、コカインを使用したとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕された。そんな彼の代役として、俳優・三宅弘城に白羽の矢が。同ドラマの脚本を務める宮藤官九郎とは馴染みの深い役者なのだが、「誰だったっけ?」といまいちピンとこない人も多いようだ。

 三宅は宮藤と同じく「大人計画」に所属している俳優で、『世界一難しい恋』(日本テレビ系)や『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)など数々の人気ドラマにレギュラーで出演。歴史的な高視聴率を記録した連続テレビ小説『あさが来た』(NHK)では、「加野屋」の中番頭・亀助を演じ話題になっていた。

 しかし主役級の役を演じることが少ないバイプレイヤーということもあり、「名前だけだと誰だかわからない。どんな役を演じてた人だったっけ?」「聞いたことない俳優だな」「どっかで見た気がするけど思い出せない」と戸惑う人が。そんな中“三宅弘城”で調べてみた人からは、「イスの人か!」「イスの人って言ってくれればわかる」といった声が続出している。

「彼は『みいつけた!』(NHK)という子ども向け番組で、イスの応援団長“みやけマン”として活躍。宮藤が作詞を務め星野源が作曲した楽曲『なんかいっすー』と共に、キャッチーなパフォーマンスを披露しています。そのため“イスの人”という認識の人も多く、Twitterの検索でも『三宅弘城 イス』とサジェストされるほど。またそれとは別に、バンドファンの中には“石鹸”という名前の方がピンとくる人もいるようです。彼は宮藤や阿部サダヲが所属する“グループ魂”でドラムを務めており、同バンドではメンバーそれぞれに暴動(宮藤)や破壊(阿部)といった名前が。そんな中で三宅は“石鹸”と呼ばれ親しまれていました」(芸能ライター)

 その他『いだてん ~東京オリムピック噺~』にこれまで出演してきたピエール瀧とも、ちょっとした因縁があるという。

「三宅は『木更津キャッツアイ』で警察官の役を演じていたのですが、同シリーズには悪役の“シガニー小池”として瀧も出演。三宅が瀧を逮捕するシーンがあったことから、今回の代役には『ピエール瀧を逮捕した警察官が抜擢されるとは……』『これ絶対狙ってるでしょ』『クドカンのブラックユーモアかな?』とも指摘されていました」(同)

 瀧の代役としてこれまで以上に注目を集めている三宅。俳優としての演技力は折り紙つきなので、ドラマの中でも存在感を示してくれることだろう。

準ミス青学・井口綾子の“強すぎるメンタル”に、ネットが総ツッコミ「そこじゃないから!」

「ミス青山コンテスト2017」準グランプリで、タレントの井口綾子がウェブマガジン「R25」のインタビューで語った発言が話題を呼んでいる。

 井口は自身のメンタルの強さについて、青学のミスコンを挙げ、告知のためにTwitterを開設したところ、いきなり17万人ものフォロワーを獲得するも「1カ月ぐらいたったら、自分に身に覚えがないようなことを言われはじめたんです」と語り、誹謗中傷を受けた理由について、「たぶん、私が『ポッと出』だからかなと思ってました(笑)」と分析。「そういう(ただの女子大生という)身近な存在だと、なんというか…『自分が越された』『負けた』って感じてしまうのかなと」と続けた。

 井口が言う「自分に身に覚えがないようなこと」とは、くだんのミスコンの際に、架空のSNSアカウントを作って、グランプリに輝いた今井美桜さんやミスコン自体を罵倒するツイートを投稿し、自身を擁護するといった、井口の自作自演疑惑が浮上した件。この件がネット上で話題になると、井口は自身のTwitterで「アカウントが不正にログインされた可能性があります」と弁明したものの、ミスコン出場者の裏の顔が垣間見えたと、ネット掲示板などではお祭り騒ぎに。

 しかし、井口はこれにめげず、レプロエンタテイメントに所属し、現役女子大生タレントとして芸能活動を開始。「週刊プレイボーイ」(集英社)でいきなり表紙グラビアを飾ると、テレビにも続々出演。しかし、初出演となった『『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)』では、SNS上で投稿していた写真と実物が別人すぎると、再び失笑の嵐となってしまった。

 そんな中での今回の発言は、さらにアンチの心に火をつけたようで、ネット上では「綾子、それ勘違いや」「いやいや、嫉妬じゃない、馬鹿にしてるだけだよ」「あれだけ恥ずかしいことがバレて叩かれてまだこの謎の上から目線 本当にどんだけ鋼のメンタルなの笑」といったツッコミが殺到している状態だ。

「レプロは昨年、井口も所属する女子大生部門『CAMPUS ROOM』を設立するも、セント・フォースの二番煎じ感が拭えず、苦戦しています。セント・フォースの所属タレントはみなルックスもハイレベルなため、井口のような決して美人とは言いがたいルックスの女性は、よっぽどのメンタルがないと、彼女たちと戦えませんよ。事務所としても、そこを買って契約したのでは?」(業界関係者)

 当の本人は中学生の頃にスカウトされたことをきっかけに芸能界に憧れるも、親の反対に遭い、「6年間夢を我慢していた」という井口。そのため、ミスコン出場をきっかけに、なんとか芸能の仕事につなげたいという並々ならぬ決意があったようで、「(ネットで)叩かれたことで(芸能活動を)やめようとは思わなかった」と語っている。

 今月、青学を卒業し、今後は芸能界一本で勝負することになる井口だが、魑魅魍魎うごめく世界では、これくらいの“鈍感力”がないと生き残れないのかも?

【マンガ】産婦人科の隣にラブホテル!? ビックリしたのはそれだけじゃない!【第45回】

「生理痛なんて、みんな一緒!」

1カ月ごとにやってくる、尋常じゃない腹痛・寒気・吐き気……。
周囲の言葉を信じて10数年も耐え続けた「生理痛」、医者にかかってみたらビョーキと診断されちゃった!?

30歳から治療を開始した「月経困難症」との向き合い方をつづる、日常闘病コミックエッセイ。

産婦人科の隣にラブホテル!?

 

(つづく)

――「私の生理、病名がつきました。」は、毎週日・月・火の週3回更新になります。お楽しみに!

 

<著者プロフィール>

まお

月経困難症。体験した事や思った事を4コマ漫画にしています。自分の体、大切な人の体を考える事や、行動する事のきっかけになればうれしいです。ポジティブに生きてるオタク。



<バックナンバーはこちら>

第1回~第10回まとめ読み……私の生理、ビョーキでした!?
第11回~第20回まとめ読み……ピル服用、7カ月の間に起きたこと

【第21回】2度目の生理は…地獄!
【第22回】婦人科でセカンドオピニオン!
【第23回】婦人科で…言葉責め!?
【第24回】2人目の医者は果たして…
【第25回】ナカで動かさないで!
【第26回】「前と同じピル」でも平気なの?
【第27回】3カ月のピル実験!
【第28回】「低用量ピル」が合わない体質!?
【第29回】はじめての漢方は?
【第30回】漢方がマズかった理由
【第31回】「中容量ピル」にいよいよ挑戦!
【第32回】”血栓”は他人事じゃない!?
【第33回】生理痛に無理解な職場
【第34回】「中容量ピル」に変えて3日後
【第35回】足のむくみって……痛いんだ!
【第36回】不正出血がなくなった!
【第37回】職場のストレスが体に出た!
【第38回】「生理」を知らない男性
【第39回】生理を「知る機会」
【第40回】「ブラック企業」と生理
【第41回】ブラック企業、心の支えだったのは
【第42回】月経困難症から、結婚へ
【第43回】医者の「紹介状」ってどんなもの?
【第44回】「とりあえず」の通院先、どう選ぶ?

千原ジュニア、『トレース~科捜研の男~』での“怪演”が「トラウマ」「閲覧注意」と話題に

 関ジャニ∞・錦戸亮主演の連続ドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)の最終回が3月18日に放送され、平均視聴率11.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。最終回では、これまで物語の鍵を握る人物と疑われつつも、まったく出番がなかった千原ジュニアがメインで登場したのだが、その怪演ぶりに「怖すぎてトラウマレベル」「本当に気持ち悪い!」と、視聴者から悲鳴が上がっていた。

 同作は、「月刊コミックゼノン」(徳間書店)で連載中の古賀慶によるマンガ『トレース~科捜研法医研究員の追想~』が原作。主人公の科捜研研究員・真野礼二(錦戸)は、幼少期に両親と兄・義一、そして当時妊娠していた姉を殺害された“武蔵野一家殺人事件”の生き残りで、今もなお、事件の真相を探っている。最終回では、ついに警視庁刑事部長・壇浩輝(千原)がこの事件を操っていた黒幕だと判明。壇自身は手を汚さず、真野の担任教師で姉を妊娠させていた早川(萩原聖人)と、兄のクラスメイトを使って殺害させていた事件の真相が明らかになった。

「壇は、ある日偶然見かけた義一に『あの笑顔を踏みにじってやりたい。苦痛にゆがむ顔が見てみたい』という強烈な衝動を抱き事件を起こしたようですが、その真相を語っている千原の表情に鬼気迫るものがあり、『ジュニアが気持ち悪すぎる!』『もう、ホント怖いよ……夢に出てきそう』とネット上でかなり話題になっていました。特に、千原の顔がアップで映し出されるシーンでは、『うわ~ちょっと待って、耐えられない!』『これは“閲覧注意”。月9でやっちゃマズいでしょ』と、狂気的な表情に思わず目を背けた視聴者も多かったようです」(芸能ライター)

 特に、ドラマ序盤で千原がDNA採取キットを使うシーンは、「グロすぎて生理的に無理……」「こんな展開で大丈夫なの!?」と拒否感を示す人が続出。

「最終回では、科捜研に突然現れた壇が自ら『一度やってみたかったんです』とDNA採取キットを手に取り、血が流れるほど口の中を擦るという場面がありました。このドラマは、これまでにも『殺害シーンの描写がグロすぎる』『この時間帯に合わない残酷さ』などと言われてきましたが、無表情のままキットを動かす千原の様子には、『今まで一番気持ち悪い……』『最終回でこれはキツい』と視聴者が大きな衝撃を受けていました」(同)

 放送開始当初、千原の演技には「演技ヘタすぎ」「謎のキャスティング」と批判が集まっていたが、最終的に猟奇的な姿を見せた千原は、役にハマりすぎていたようだ。

「結局、ネット上では『ジュニアの印象しか残らない最終回だった……』『なんか全部ジュニアに持っていかれたな』『最初は「なんで千原ジュニア?」と思ってたけど、サイコパスっぽい雰囲気持ってるからピッタリだったかも』と、主演の錦戸よりも千原の存在感が話題になるほどでした」(同)

 最終回で大きな爪痕を残した千原だが、これから俳優としてのオファーは増えるだろうか?

『ヒプノシスマイク』コミカライズに傷心のオタクはどう立ち直ればいいのか?~心理学の名著を読み解く~

 今世の中の空気は「好きなものがある人が勝ち組」ムードがあり、日陰の身だったはずのオタクに追い風が吹いている。しかしそんな時代に乗ってイキれるはずのオタク趣味とて案外盤石ではない。推しが結婚、交際発覚、解散、活動休止、ヘビーなものではAV出演疑惑すらあったのも記憶に新しい。そして二次元だと「推しが死ぬ」すらジャンルによってはわりと頻繁だ。では、そのような事態で心に傷を負ったオタクは心をどう慰めればいいのだろうか。著者もラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』(以下、ヒプマイ)のコミカライズの内容にひどく落ち込んでいるので、心理学権威の歴史的名著に救いを求めてみることにした。

 

イケてない脚本を書くのはバイトテロの5000億倍重罪だ

 ヒプマイで何があったか知らないという人は、前回の記事(コミカライズが物議の『ヒプノシスマイク』、同人イベントはお通夜か、はたまた大盛況だったのか?)に概要を書いているのでそちらを参考にしていただきたい。一言でいえば「一年以上絞った供給でファンを悶えさせてきた中で、いざ出てきた百瀬祐一郎氏によるコミカライズがかなりヤバい(ダメな方で)」だ。ちなみにこちらは、初稿提出時に担当編集氏より「殺意が強い」という理由で修正の要請があり一部をマイルドにリライトした経緯がある。サイゾーらしからぬ、ちょっといい話だ。

 前回原稿から1カ月強、今はTwitterで「ヒプマイ」と検索すると「降りる」と検索候補に出てくる始末だ。そこでは降りる人の断末魔、そして降りるやつはガタガタ言わず黙って降りろ、そしてさらに黙って降りろっていうやつは何様のつもりだ、と飛び交う世紀末世界の様相を示している。悲しいのは、これらの人たちも少なくとも半年くらい前までは皆、ヒプマイをただ楽しんでいただけだったのだ。

 降りる人のつぶやきを見ると、コミカライズだけでなく運営の体制など複合要因で心が折れた人もいるようだが、私の場合は揺るぎなく原因は100%コミカライズにあり、コミカライズ以外は今も好きだ。キャラクターデザインも声優も曲もいい。だからこそやるせなく、腹をえぐられ丹田に力の入らない日々が続いている。

 脚本がアレなとき、悲しみにくれたオタクはその脚本家がベテランであれば「老害」、女性であれば「寝て取った仕事だ」と傷ついた心を慰める。単なる誹謗中傷でありひどい話なのだが、クソ脚本で視聴者を傷つけた罪は重い。

 しかしおそらく百瀬氏は、ググるかぎり「そんな年でもない(おそらく若い)男性」と思われる。Amazonを見るとヒプマイ以前に百瀬氏は1シリーズの小説を2冊出しているのみで、キャリアが長いわけでもないように見える。よって「老害」ではないし「枕」も考えにくい。しかし傷つけられたオタクは決してあきらめない。今「コネなんじゃないか」という百瀬プリンス疑惑もネット上でささやかれているのだ。

 言うまでもないが確たる証拠もない臆測であり、ひどい話だ。しかし「期待された仕事をしないどころか、本人が一番ウケているのであろう笑えない冗談をかます」という点において、百瀬氏はバイトテロキッズ達を束にしても成し遂げられないインパクトをコミカライズの一発目ですでに成し遂げたのであり、このあたりの力量はさすがそのへんの民草には出せないプリンスの貫禄と言える。問題のコミカライズがCDとなぜかバーター販売されるのも「コミックスを単体で販売すると、売り上げが低迷してしまい若様が意気消沈なされるのではないか」という運営のじいやたちの忖度なのだろうかとゲスパーは尽きない(※臆測です)。

 

悲しみから立ち直るための名著『対象喪失 悲しむということ』

 以上、百瀬氏の悪口を述べてきたが、なにも百瀬氏に限らず、他人や他人が作ったものを愛し崇めるオタク活動は失望と隣り合わせという宿命を背負っている。それでは愛した対象に失望し、傷ついてしまったときにオタクは一体どうすればいいのか。ここで手に取ったのが、小此木(おこのぎ)啓吾氏による書籍『対象喪失 悲しむということ』(中公新書)だ。

 小此木氏は精神科医であり、また椎名林檎によって広く浸透した「モラトリアム」という言葉の産みの親でもある。1979年の本だが指摘される心の問題にまったく古さはない。本書ではさまざまな喪失の臨床例が出てくるが、何も死別だけでなく、離婚や失恋、仕事上の失敗、志望校に入学できなかったり、一方で進学校に入学できたが目標を失ったり、年老いて若さと活動力と健康を失ったり、などさまざまな人々の喪失が紹介されている。最後には自分自身をも失う一生は喪失の連続なのだ。

 本書では、喪失体験の対処として、そこから目をそらすことでもなく、日常生活で紛らわすのでもなく、効いてないぜ? と茶化すのでもなく、怒りに任せ誰かに八つ当たりするのでもなく、過去を必要以上に良くも悪くも脚色することでもなく、喪失に無自覚なまま無気力に日々を過ごすのでもなく、喪失体験をした自分と向き合い続け、消化し、落とし込むことが喪失体験を乗り越えるために必要だとある。その「悲しむ」という行為を怖い、重い、辛い、面倒くさいとないがしろにし続けた人たちが数年後、数十年後、心身に不調をきたすケースがいくつも紹介されている。

 よって、ヒプマイの百瀬氏の脚本にガックリした私がするべきことは、この喪失をちゃんと弔うことなのだ。

 以下が私のした弔いの試行錯誤と、あとから考えてみての考察になる。

【方法(1)】「昔の男」に慰めてもらう

【考察】問題の本丸からは逃げているわけで『対象喪失』の推奨ルートから外れているのだが、今回のヒプマイのように「(百瀬氏の脚本に)嫌になって」ではなく「嫌になったわけじゃなく、流行っている他ジャンルに目移りしただけ」という状態で別れた「昔の(ジャンルの)男たち」には今回大きく慰められた。また、過去にどっぷりはまった萌えを見ることで、今ヒプマイで消沈している気持ちもいつかは平気になるんだろうと、と冷静になれる点もある。

 なお、現在のジャンルに失望し「あのジャンルはやっぱりクソだった、あ~、やっぱりここは落ち着く、ファンの民度も高いしww」と現ジャンルに砂をかけて旧ジャンルに出戻る人は嫌われるし、何よりこれでは過去の脚色になる。今はクソなのかもしれないが、過去に愛したのも事実なのだ。過去をありのままに的確にとらえる姿勢が弔いにおいて重要なポイントになる。

【方法(2)】ネットで愚痴サイトを見て心を慰める

【考察】「ヒプマイ 降りる」と検索すれば、心から血を流し苦しむ同胞を簡単に見つけられる。ただ、「降りるって言ってるやつデベソ」的荒ぶった発言も多く、ただでさえすさんで傷ついた捨て猫のような心がさらに傷つくこともあるため、むやみには推奨できないルートだ。

 しかし、匿名掲示板で「好きになったことを後悔している」という発言を見たときは心を打たれた。同じ気持ちで苦しむ人の端的な表現を見ると目が覚めるような気持ちになれる。

【方法(3)】オタ友に愚痴り心を慰める

【考察】愚痴ろうと思っても自分の中でこんがらがったものが強大すぎて、結局「とても つらい」と横山光輝による漫画『三国志』の霊帝みたいなことしか言えなかったのだが、それを黙って聞いてくれた友人には感謝している。方法(2)と比べるとやはり方法(3)は強い。仮想世界に半日いるより、目の前の生身の人間に一言話す方が、成仏されていくものの質量を大きく感じる。このあたりはネット民大敗北であり、ネットが不得手なところだろう。

 ただし当然、人選は重要だ。目の前の人間に鼻で笑われようものなら、ネットで同じことをされるよりも五億倍のダメージを食ってしまうだろう。

【方法(4)】Twitterで「同担」は極力カットする

【考察】思えばヒプマイにはまったきっかけもTwitterだった。前のジャンルにはまっていたころ、前のジャンルの神絵師たちがヒプマイの二次創作を投稿しだして、当初は「推してるジャンル以外の、特に新興ジャンルの絵を見ると、なんだかそっちに神絵師が行っちゃうみたいでイヤ」と否定的だったのだが、私の意志などクリムゾン氏の漫画に出てくる女剣士以上に弱く、2週間後にはあっさり私も釣られていた。

 新しいジャンルにはまりたての時期に、この人は絵がかわいい、この人は漫画が最高、この人は考察が冴えてる、とあれこれフォローして自分のデッキを作っていくときは、脳内からシャブと同じ成分の汁が出ているといわれても納得するくらい「ガンギマリ」状態だ。そうやってフォローした人の中には今回のコミカライズについて「これもこれでアリだよねww」みたいな強がり発言をしている人もいて胸が痛んだ。

 なまじヒプマイ同人において成功した人ほど「弔い」は余計きついのではないだろうか。これは99%「金が惜しいんだろ?」という意味ではない。同人で金儲けができる人など1%もいない。金ではなく、ヒプマイが供給を絞った長い間、あれこれ考えた考察や漫画などが評価された二次創作作家の場合、コンテンツから降りようとすれば「愛したコンテンツを失う」に加え「そのコンテンツで得た自分の名誉やつながりまでも失う」ことになるのだ。「●●さんの漫画で号泣しました……」「**(キャラクター名など)といったら●●さんですよね!」みたいなことを言ってくれるフォロワーを失うのだ。これはさらにハードな喪失体験だろう。

 ただ、しかしこれは百瀬氏にしてみたら「知らんがな」というのもよくわかる。二次創作がどうなろうが公式になんら責はない。「ヒプマイといったら百瀬さん」なのであり「ズレ」は二次創作の宿命だ。しかし供給を絞り続けオタクの集団をほったらかしにしておけば、つぶやきが次のつぶやきを呼んでアメーバ的に増殖し、AI並みの働きを見せてしまうのは公式とて想像できたはずだ。

 なぜそこまで発酵させた末に、満を持してあのコミカライズを供給してしまったのだろう。「極力何もしない」で長年成功をキープしている『刀剣乱舞』という事例もすでにあったというのに、なぜ死に急いだのかが不思議でならない。やはりヒプマイはファンに向けてではなくプリンスに向けたやたら金のかかった接待なのかもしれない(※臆測です)。

 話を戻すと、Twitterを見ている限り私は未練をひきずりそうなので「あまりつぶやかず、フォローを外すには漫画が神過ぎる」二次創作作家を3人残し、あとはフォローを外した。「あまりつぶやかず」がポイントであり、そういう人しかフォローしていなければおのずとTwitterに常駐しなくなっていく。なのでツイ廃気味な人をフォローしている場合、いくらオキニの絵師であっても、弔いを最優先する場合は切った方がいいだろう。

【方法(5)今後のオタクとしての在り方を考える】

【考察】方法(4)と絡むが、Twitterの依存が進むと、どうしても今流行っているジャンルにはまってしまう傾向が私にはある。新しいものは未知ゆえに魅力が底上げされるし、流行っているジャンルにはまっているときの、厳選フォローが日々ほっといても織りなす自分のタイムラインを眺めるときの多幸感といったら合法ドラッグといってよく、コカインいらずで全然飛べる。

 しかしこの楽しさにうつつを抜かしていたら公式がとんでもない爆弾を持ってきたのが今回の「ヒプマイ事変」だ。「百瀬祐一郎氏って過去にどんな話を書いていたの? 信用して大丈夫なの?」という視点が抜けていたのだ。

 現在進行形で続くライブ感は楽しいが、ライブである以上、裏切られる可能性もある。そしてそれはとてもつらく、また似たようなことを繰り返したら学習しない自分自身にもうんざりしてしまうだろう。がっかりするのはもう今回で十分だ。

 ライブ感がなく寂しくはあるのだが「もう作品は終わっていて、一定数以上評価も得ているものにはまるようにする」安全策も今後は取り入れていきたい。ヒプマイはそもそも、始まってすらいない段階ではまりすぎてしまったのだ。今後は何かにはまるときは必ずシナリオ担当者を確認し、前作の評判などを確認、ルーキーや経験の浅い人の場合はいきなりどっぷりはまらないよう、慎重にいこうと思う。また、Twitterはどうしても流行っているものが物量で押してきてよく見えてしまうので、Twitterはオタク活動には極力使わないようにしていきたい。

 * * *

 以上、(1)~(5)までいろいろ試してみたが、どの方法もいい点はあった。弔いの際に少しでも役に立てば、コミカライズが出て年末年始と2年がかりで落ち込んでしまった私も浮かばれる。最後に百瀬氏はぜひ改名などせず活動を続けてほしい。「この人がかかわっていたら絶対手を出さないリスト」に加えられないからだ。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

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V6・三宅健、六本木歌舞伎の楽屋で「おちんちん見せて」と言ってきたツワモノ告白

 V6・三宅健と市川海老蔵が共演する舞台『六本木歌舞伎-第三弾-「羅生門」』も、いよいよ札幌公演を残すのみに。そんな中、3月18日深夜に放送されたラジオ『三宅健のラヂオ』(bayfm)では、昨年芸能活動を引退し、ジャニーズ事務所関連会社の社長に就任した滝沢秀明の近況について明かされた。

 この日、リスナーから「タッキーが健くんに内緒で(『六本木歌舞伎』の)見学に来ていたとのことですが、裏話を聞かせてください」というメッセージが届くと、「そうなんですよ。滝沢が坂本(昌行・V6)くんと同じ日に見に来てくれたんですけど、聞かされてなくて。廊下の奥のほうに紺色のスーツを着たイケメンが……“超絶イケメン”がいて、『滝沢じゃん!』って感じだったんですよ」と説明。

 その時、三宅は「滝沢の顔を見て、海老蔵さんと滝沢の歌舞伎とか見てみたかったなぁ~とか、ふと思ったりしましたけど」とポツリ。続けて「『滝沢歌舞伎』であいつがやってきたことっていうものを、今回の『六本木歌舞伎』で活かせることもあるだろうし。この厳しい稽古をあいつだったら、どう乗り越えていたんだろうかとか、いろんなことを考えちゃいましたけど」と、『滝沢歌舞伎』で3年間共演した三宅だからこその視点で、“舞台に立つ滝沢”について考えてしまったと告白していた。

 また、滝沢と同じ日に観劇した坂本については、「紺色のスーツでめかしこんだ滝沢がいて、その後ろに、全身真っ白で“スター感”出している坂本くんがいて。『いやー、あらためて健がすごい舞台に出てるんだなって、今日思ったよ!』っていう一言を残して帰って行きましたけど……」とあっさりコメント。しかし、「見に来てくれるってうれしいですよね。同じ事務所の方だけじゃなく、いろんな方が応援してくれてるってことがうれしい」と感謝の気持ちを述べたのだった。

 また、公演中に海老蔵の長男・勸玄くんと長女・麗禾ちゃんが楽屋に来たときのエピソードも披露。三宅が化粧をしてもらっている姿を見ていた勸玄くんに、「なんで大人なのにお化粧してもらってるの?」と聞かれた時、「僕は君と同じ年だからやってもらってるんだよ。大人じゃないから」とウソをついたそう。すると、勸玄くんは驚いて「ホントにホントに5歳なの? 5歳なら証拠を見せてよ」と詰め寄り、なんと「おちんちん見せて。お毛毛が生えてるか見せて!」と言ってきたそう。三宅は笑いつつ、「カンカンはまだ(僕を)5歳だと思ってると思う」と語っていた。

 この放送にネット上では、「全身真っ白の坂本くん、気になりすぎるんだけど(笑)」「健くんの“タッキー愛”は本物だね。やっぱりまだステージに立ってほしい気持ちがあるのかなあ……」「カンカンに5歳って言い張る健ちゃんなんなの、かわいい!」などのコメントが寄せられていた。

ジャニーズJr.、主流化する「タッキー国」と弱まる「ジャニーさん国」に覚える不安

 ジャニーズ事務所に所属するグループの共演事情などから、「ジュリー派閥」「飯島派閥」などとファンが嘆いていた頃から、もう5年くらいがたつだろうか。

 あれからSMAP解散騒動があり、さまざまな不祥事やメンバーのグループ脱退・退所、活動休止等が今もなお続いている。いわゆる「派閥」がなくなった後に、ますます苦しくつらい状況になることなど、いったい誰が想像しただろうか。

 SMAP解散以降、現在に至るまで、事務所が一枚岩になるどころか、ますます小さく分裂している。そして、ジャニーズ事務所内の陣取り合戦の中で最小面積を管理しているのが、ジャニーさんに見えるのだ。

 ジャニーズ担当記者たちから最近たびたび耳にするのは、「ジャニーズJr.を事務所から勧められる」ことだ。しかも、面白いことに、それはSixTONESとTravis Japan、Snow Manの3組だけ。例えば、ジャニーさんがお気に入りの「美 少年」にオファーしても「この3つのグループの中からどうでしょう」と提案されるそうだ。この3つは、ジャニー社長が手放して、新事務所社長のタッキーに任せているグループだから「どれでもどうぞ」という扱いなのだろう。

 かつてはJr.全体がジャニーさんの陣地だったはず。しかし、今ではJr.国の中でも「タッキー陣地」が主流となり、ほかに「なにわ男子」を仕切っているという代理店がらみの独立国があり、ジャニーさんの国(というか、小島)にとどめているのは、美 少年と、5忍者+少年忍者、7MEN侍、そしてLilかんさいに見える。

 それを強く感じたのは、ここ数週の『まいど!ジャ~ニィ~』(BSフジ)だ。

 『ジャニーズKing&Princeアイランド』の魅力を探る出張ロケとして、スタジオで「Lilかんさい」とトークするのは、美 少年や7MEN侍、5忍者だけ。一方、Snow ManやTravis Japan、SixTONESは暗い階段の踊り場で立ち話をするという、謎の構成になっている。

 せめて明るいライトのもとで、パイプ椅子にでも座って話すわけにはいかなかったのか。こんな異常な格差を、悪気なくナチュラルにやってのけるのは、ジャニーさん以外考えられないのだが。

 しかし、世間的に見ると、雑誌の表紙を飾るなど華やかな“外仕事”が多いのは、圧倒的にタッキー国のほう。ジャニーさんの小さな島が幅を利かせている場所といえば、『ゴゴスマ~GoGo!Smile!~』(CBCテレビほか)の「ちょっと気の早い明日の運勢ランキング」が消滅してしまった今、たまにある『まいジャニ』、『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)のジャニーさん濃度高めの放送回のほか、なぜか「読売中高生新聞」くらいじゃないだろうか。

 新しい試みがたくさん始まっているジャニーズ。にもかかわらず、お茶の間的にはジャニーさんの色がどんどん薄れ、それが見られるのは極小規模の、特殊な会員向けの場所だけになりつつあることに、不安ばかりが広がるのは、なぜなのだろうか。
(南山ヒロミ)

Hey!Say!JUMP、学生時代は制服をメンバーで“共有”!? 「仲良しすぎる」とファン興奮

 Hey!Say!JUMP・有岡大貴と高木雄也がパーソナリティを務めるラジオ『JUMP da ベイベー!』(bayFM)が、3月15日深夜に放送。この日はリスナーから2人に演じてもらいたい“妄想ドラマ”を募るコーナー「妄想say!Neo」が大盛り上がり。この時期ならではの「卒業生と制服」というお題で、有岡が卒業生、高木が制服を演じるシナリオが読み上げられた。

 演技が終わると、有岡が「制服ね……。高木さん、制服の思い出たくさんあるもんな?」と話を振り、高木は苦笑いしつつ「全然少ないです!」とバッサリ。「そうですか? 制服着たことあるよね?」と有岡がもう一度聞くと、高木は笑いながら「ある」と答えつつ、「制服って、今どこにあるんだろう。持ってる?」と逆質問。有岡は「知念にあげちゃったから、高校の制服は」と、メンバーの知念侑李に渡したため、現在は手元にないことを告白し、さらに「学ランは、もしかしたらあるかもね。その学ランも、わたくし光くんからいただいた」と、中学時代に着ていた学ランは、メンバーの八乙女光からもらったものだと明かした。

 これに高木が「え! 中学違うでしょ?」と驚くと、「そう。でも、ちょうどサイズが合わなくなって。中学生のとき」と有岡。八乙女の学校の制服が変わったタイミングで学ランを譲ってもらったそうで、「首の“カラー”ってあるじゃん。あれが光くんのやつ、なぜかすげー柔らかくて」と言い、「嫌だったの。硬いカラーが首に擦れるのが。すぐ(首が)赤くなっちゃうから。そしたら、すごいソフトなタイプなカラーで。すげーうれしくて、それが!」と、図らずも自分好みの制服を手に入れたことを懐古。

 また、その学ランの内側には「八乙女光」と書いてあったそうで、有岡は「だからずっと、“八乙女光”って書いてあった学ランを着ていた」と暴露。高木はこれに「グループ内でそういうことやってるのおもしろいね」と笑いつつ、「ほとんど、みんな同じ学校だったもんね、この頃はね」と学生時代を懐かしんでいた。

 このトークにリスナーからは、「JUMP本当に仲良しすぎる! 制服のお下がりをもらってたとか初耳!」「JUMPって兄弟・家族レベルで仲良しなんだな~って実感するエピソード」「八乙女くんの名前入り制服を着ていた有岡くん……!」という声が集まり、メンバーの仲良しぶりに大興奮していたようだ。
(福田マリ)

ベッキーもポロリ……「正しい」か「正しくない」のジャッジを常に迫るテレビの堅苦しさ

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(3月10~16日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

ベッキー「アートには、正しい、正しくないのジャッジがない」

 どれぐらい知られた存在なのかよくわからないのだけれど、去年のM-1でトム・ブラウンというコンビが注目を集めた。ただ、まだ売れていない2人は、現在も経済的に厳しい生活をしている。たとえば、ツッコミで長髪の布川の家のテレビは、まだブラウン管である。そんな布川家に液晶テレビを送ったら、どういう反応を見ることができるのだろうか? そんな企画を、15日放送の『金曜☆ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)でやっていた。

 で、新しい液晶テレビの操作方法を覚え、しばらくは画面の鮮明さに酔っていた布川。目が慣れてきたのか、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)を見ていて気づく。

「高橋克実さん、こんなに光ってなかったのにな」

 ブラウン管の粗い画面では見えていなかった高橋克実の頭の光り具合が、液晶テレビになることでハッキリした。布川は高橋の頭を通じて、「スゴいぞこれ」と、液晶テレビの画質の高さに改めて驚愕するのだった。

 話は変わって、ある日の深夜に『ベッキーと未知との対話』という番組をやっていた。テレビ熊本が制作したドキュメンタリー番組で、フジテレビでは8日深夜に放送されていたようだ。僕は関西テレビの13日の放送で見た。

 番組のテーマはダイバーシティ。視覚障害がある学生、聴覚障害がある大学講師、80歳の高齢者、アメリカ人の英語講師、車椅子のジャーナリスト、そしてベッキー。そんな背景が異なる6人が、1日2日の合宿で絵を完成させる。さて、6人の間で何が起きるのか? どんな絵ができるのか?

 6人が初めて顔を合わせ、自己紹介をする時間。コミュニケーションの手段が異なる人たちを前に、ベッキーは丁寧に言葉を選びながら、次のように話した。

「私は2年前に絵を描き始めました。試しに絵を描いてみたら、すごく楽しかった。例えば私がテレビに出る。そうすると、私の発言が正しかった、正しくなかったでジャッジされてくる。でもアートは、正しい、正しくないのジャッジがない。こんなに自由でいられる場所があるんだと思って、絵を描き始めました」

 ベッキーの不倫報道があったのは、2016年の1月。この番組の収録がいつだったのかはよくわからないけれど、今から2年前というのは、すでに謹慎期間を終え、メディアに復帰している時期である。ただ、復帰直後は「あのベッキーが騒動を語る」という感じでバラエティなどへの出演がいくつかあったものの、継続的にテレビで見かけることはなかったころのようにも記憶する。

 その時期、自分の表現が「正しい」か「正しくない」かでジャッジされがちなテレビから少し距離をとったベッキーは、そのようなジャッジから自由な別の表現の世界にも惹かれていた。ベッキーは番組の中で、次のようにも言う。

「私は絵に救われたから、本当に」

 この15年くらいで、多くのテレビはブラウン管から液晶など高画質なものへと切り替わっていった。4K・8K放送も始まった。画面はどんどん鮮明になり、ハッキリと見えるようになってきた。高橋克実の頭も光を増した。

 そんなテレビ画面の高画質化に合わせるように、「正しいもの」と「正しくないもの」をハッキリとジャッジする場面を見ることが、多くなっているような気がする。もちろん、大きな不正の真偽とかはハッキリさせたほうがいい。けれど、むしろあまりハッキリさせなくていいものこそ安心してみんなでハッキリさせているような、そんなことがあるような気もする。

 別にハッキリさせなくてもいいものだってある。高橋克実の頭を8Kで見ても仕方ないだろう。

 毎週『笑点』(日本テレビ系)を楽しみにしている。特に楽しみにしているのが、大喜利の座布団運び、山田隆夫の最初の挨拶だ。サンプルとして、10日に放送された回の挨拶を見ていただきたい。

「『笑点』が、久しぶりに、鳥取にやってまいりました。山田隆夫と、ハッ! その一座でございまするー」

 文字だけだとわかりにくいのだけれど、山田はこれを歌舞伎役者が見得を切るように言っている。で、この歌舞伎パターンの挨拶を、『笑点』が地方に収録に行ったとき、山田は毎回やるのである。マンネリだと言われることもある『笑点』の中でも、特にこの山田の挨拶はマンネリが激しい。

 最近の例から、ほかのパターンも見てみよう。

「良い子のみなさーん。なぞなぞだよー。いいかーい。いつも寒さに震えてる犬はなんだ。寒さに震えてる犬。ん? ん? 答えは、ブル、ブル、ブルブルブルブル、ブルドッグ。アハハハハハ! 山田隆夫でーす」(2019年2月24日)

 これは、良い子へのなぞなぞパターンの挨拶である。これも多用される。類似の挨拶に、良い子と山田の約束パターンというのもある。

 そして、上の引用に見られるように、山田の挨拶はダジャレも多いのだが、ダジャレの後に続く言葉としては、「アハハハハ!」と自分で笑い始める少々狂気じみたパターンと、「バンザーイ!」とひとりで喜ぶパターンに大きく分けられる。下に挙げた2つ目のサンプルなど、2度も「バンザーイ!」をするレアケースである。自虐的に「寒い?」と確認しておいて、何がバンザイなのかはわからないが。

「忘年会のシーズンです。みなさん、暴飲暴食は胃と肝臓にいかんぞう。アハハハハ! 元気の使者、山田隆夫でーす!」(18年12月16日)

「新年会のシーズンですね。みなさん、暴飲暴食は内臓によくないぞう。バンザーイ! 山田隆夫です。寒い? バンザーイ!」(19年1月20日)

 というか、新年会シーズンに「暴飲暴食は内臓によくないぞう」と言ったわずか1カ月前、忘年会シーズンに「暴飲暴食は胃と肝臓にいかんぞう」である。これはもう、ほぼ使い回しと言っても過言ではない。

 山田の挨拶は奥が深い。これからもサンプルを多く収集し、パターンを見つけていきたいと思っている。なお、この活動を継続する上で何より大切なのは、山田の挨拶が面白いのかどうかについて、一切の判断を保留するということである。世の中には、面白いとか、つまらないとか、別にハッキリとさせなくてもいいものが、だからこそ楽しめるものがあるのだ。

 8Kの山田のフワフワの頭髪は、少し見てみたい気がするけど。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)