ブレーク寸前だった若手女優がユーチューバーに! 人気急上昇中のinliving.「被写体としての魔力」

 inliving.(いんりびんぐ)というショートボブの美女をご存じだろうか?

 彼女は昨年5月から活動しているユーチューバーだ。動画では一人暮らしをする彼女が料理をしたり、買ったものを紹介する姿が淡々と記録されている。

 こう書くと、ほかのユーチューバーと何が違うのか? と思われるかもしれないが、この“淡々”が尋常ではないのだ。

 ユーチューバーの番組には、ひとつの型がある。10分の動画ならば、自己紹介した後、画面にはデカデカと派手なテロップを出して「○○をやってみた」と紹介し、会話の行間を編集で切り詰めて、内容を簡潔に見せる。そうやって、テレビのバラエティ番組の見せ方を極限まで圧縮したような映像をコンスタントに量産していくのだ。

 時間は短く内容はシンプル、無駄は省略してキャッチーに。ファストフードのような「うまい、やすい、はやい」刺激的な映像である。

 一方、inliving.の動画は、同じことをやっていても、ゆったりとした雰囲気が漂っている。最初の挨拶こそ、両手を広げて「こんばんわーinliving.です」などとユーチューバーのように(小さな声で)言うが、その後はウェアラブルカメラで撮影した映像を淡々と見せていく。テロップも端っこにおしゃれな文字で小さく出ているだけ。声を張り上げることもなく、淡々と進行していく。

 その淡々とした感じが新鮮で、彼女の周囲だけ別の時間が流れているかのよう。まるで良質な短編映画を見ているようだ。

 実は彼女、昨年までは“りりか”という名で女優として活動していた。現在24歳。2015年から芸能事務所に所属し、モデル・女優として活躍した。広末涼子や能年玲奈(のん)のようなショートカットの美少女で、華奢な体が中性的な色気を発しており、透明感のあるビジュアルと憂いのある表情が印象的だった。

 メジャー作品への出演こそなかったが、『退屈な日々にさようならを』(16年/今泉力哉)や『花に嵐』(17年/岩切一空監督)といったインディペンデント系の映画や、インスタグラムで配信された縦長映像のWEBドラマ『それでも告白するみどりちゃん』、深夜ドラマなどに多数出演。CMにも出ていた。

 女優としてはブレーク寸前という感じだったのだが、昨年末に事務所を退社し、芸能界を引退した。

 女優としてのりりかは透明感があり、とてもさわやかで魅力的だった。同時に、目を離すとふわっと消えてしまいそうなはかなさがあり、どんなに笑顔で笑っていても拭い去ることのできない翳のようなものも見え隠れした。

 そんな女優時代の彼女の魅力が余すところなく発揮されていたのが、映画『花に嵐』だろう。物語は岩切監督自身が演じる大学生の“ぼく”が、大学の映画サークルで借りたカメラで自分の映像日記を撮影していたところ、りりか演じる謎の少女と知り合う。彼女は“ぼく”に、未完で終わっている「ある学生映画」の続きを撮ってほしいと頼む。“ぼく”は彼女に翻弄される形で次々と無茶な撮影を要求されるのだが、その姿がフェイクドキュメンタリーテイストで展開され、どこまでがフィクションでどこからが現実かわからない虚実入り混じった展開となっていく。

 りりかが演じる少女は、いわばミューズ(芸術の女神)なのだが、被写体としての彼女はとても魅力的で、岩切監督でなくても、彼女と一緒なら「何か新しい作品が撮れるのではないか?」と期待させる魔力がある。だからこそ、数々のクリエイターに愛され、短期間で彼女はカルト的な人気を博したのだ。

 実はりりかは、芸能活動をする以前から知る人ぞ知る存在で、画像投稿ブログのTumblrに写真を多数投稿していた。その写真もinliving.と同様、どこかのアパートで暮らす彼女の日常生活を撮影したものだったのだが、どの写真も妙な生活感があって色っぽく、まるで恋人が撮影したプライベート写真を、盗み見しているようだった。

 これらの写真はセルフポートレートではなく、何人かのカメラマンの撮影したものだったが、思うに、りりかの魅力は自撮りではなく他者が撮影した時にこそ発揮される。つまり、カメラマンや映画監督といったクリエイターの目線を通した時に、クリエイターのイメージを媒介して彼女の輪郭が浮かび上がるのだ。

 inliving.も、りりかとカメラマン・末永光の共同プロジェクトである。りりかと末永は以前に「♯きょうのねぐせ展」という個展を行っている。細かい説明はないが、おそらくこのinliving.も、動画を入り口にした新しい表現なのだろう。

 彼女のHPには動画だけでなく、洋服や好きな本が紹介されているのだが、一つひとつの記事がコラムとして読み応えがある。彼女の好きなものを通して一つの世界観を提示しており、inliving.自体が2人の作品なのだとよくわかる。

 HPには2019年6月28日というカレンダーがあり、「あと3か月です。」という表示がある。その日に何が起きるのか? 今からドキドキしている。

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

◆「女優の花道」過去記事はこちらから◆

Sexy Zone・佐藤勝利、光一&滝沢の「流れが俺にきてる」と豪語! 奥義継承に意欲?

 Sexy Zoneが週替わりでパーソナリティを務めるラジオ『Sexy ZoneのQrzone』(文化放送)。3月4~7日の放送には菊池風磨と佐藤勝利が登場し、4日には記念すべき800回目の放送を迎えた。

 この放送回では、リスナーから「みなさんがライブの時に飲んでいるステージドリンクの中身はなんでしょうか? 人によって水だったりコーラだったり、違うというのを知りました。みなさんはなにを飲むことが多いですか?」という質問が届いた。これに2人は「コーラって(KinKi Kids・堂本)光一さん以外で飲むのかな?」(菊池)「光一さんとね、滝沢(秀明)くんですね」(佐藤)と答え、数いるジャニーズの中でもステージドリンクにコーラを飲んでいるのは、光一と滝沢くらいだと明かした。

 そこで、菊池が「そのラインで言ったら次、勝利がコーラじゃないの?」と佐藤に話を振ると、「まあ、コーラにしようと思ったのも若干あります。やっぱなんか“兄さん”たちの流れが俺にきてるんじゃないかって、ちょっと意識は過剰ですけど」と、光一・滝沢に影響され、自身のステージドリンクもコーラに変えようとしたことがあると告白。しかし、「普通にコーラだと、結構キツくなりますよ。炭酸だと、息がさ。炭酸だと溜まるじゃないですか。呼吸もね、しづらくなる」とコーラが水分補給に適していないと気がついたらしく、奥義の継承は断念したようだ。

 一方で菊池は「一回、俺と中島(健人)で脂肪が燃焼するお茶飲んでた時ありましたね。(それか)スポーツドリンクか」と、メンバーの中島といろいろ試した期間があったと明かす。なんでも、菊池・中島・佐藤の3人で同じ舞台に出演した際、菊池と中島は飲み物を「箱で買って」常備していたらしく、佐藤も「あ~買ってたね! 俺、『変な人たちだな』と思ったもん」と2人の行動を不思議に思っていたと暴露した。

 最後に菊池は「一番飲んでると思うけどな、芸能人の中で。“ヘルシア”」と具体的な商品名を挙げており、ファンからは「ヘルシアって言っちゃったよ! 明日買いに行こう(笑)」「私もヘルシア飲んでSexy Zoneと一緒に脂肪を燃焼させるわ」「話を聞いててヘルシアかなと思ったけど、やっぱり! 前からずっと飲んでますよ!」などと反応が。

 以前、同ラジオで生パスタ専門店「ポポラマーマ」の話題が出た際、公式サイトにファンのアクセスが殺到し、サーバーダウンさせた一件があった。その後もファンが続々と店を訪れ、2月下旬からはポポラマーマのラジオCMが流れるという異例の展開に発展したばかりだが、今回もヘルシアがファンの間で流行すれば、なにか新しい動きが起こるかも……?
(華山いの)

「ザ・プロディジー」のキース・フリント、妻との別れが自殺の引き金に!?

 1996年に発売したシングル「ファイアスターター」で世界的にブレークしたイギリスのテクノバンド「ザ・プロディジー」。そのフロントマン、キース・フリントが3月4日、イングランド東部のエセックスの自宅で遺体となって発見された。バンドリーダーのリアム・ハウレットはバンドの公式インスタグラムに「報道は本当だ。自分がこんなことを言うのが信じられないけど、オレたちの兄弟キースは週末に自ら命を絶った。怒りと混乱で、心がずたずたに引き裂かれた状態だ……R.I.P. お前のブラザー、リアムより」と投稿。キースが自殺したことを明かした。

 今なおカリスマ的人気を誇るザ・プロディジーは、昨年11月に3年ぶりとなるニューアルバムをリリース。オーストラリアツアーを終えたばかりで、5月には10年ぶりとなる北米ツアーを予定しており、ファンを大喜びさせていたところだった。

 キースとパブを共同経営していたディ・ベネットは、英紙「デイリーメール」の取材に対して、「キースはツアーの前は禁酒し、ランニングしたりパーソナルトレーナーと特訓したり。自制心のある男だった」とコメント。遺体となって発見される2日前、キースはエセックスの公園で行われた5kmランに参加し、パーソナルベストである21分22秒を記録。その日の昼には、パブでパーソナルトレーナーと機嫌よく話をしてる姿がパパラッチされており、自殺とは無縁の充実した生活を送っているように見えていた。

 しかし、実はキースの私生活はボロボロだった。06年にキースが一目惚れをして交際を始め、同年のクリスマスにスピード婚した日本人妻のマユミ・カイから離婚を突きつけられていたのだ。

 キースを「アルコール、ドラッグ、うつから救ってくれた」というマユミは、DJ、女優、モデルとしても活動していた美女。12年のザ・プロディジー15周年記念アルバムを引っさげたツアーではオープニングアクトを務め、キースは「美しくてクール」とベタ惚れしていた。

 華やかな仕事をしている2人だが、プライベートではエセックスの田舎を満喫。過去のインタビューでキースは、たくさんの犬を飼い、乗馬やピクニックといった“ゆったりとした時間”を楽しんでいることをうれしそうに語っていた。

 「デイリーメール」は、マユミが昨年末に家を出たと報じた上で、「キースはマユミとの復縁を望んでいた。彼女に何度も電話をかけて、やり直したいと訴えていた」「しかし彼女の意志は固く、家をさっさと売ってほしいと突き放した。その言葉に、キースはズタズタになってしまったんだ」「マユミに責任があるわけではない。でも、彼女はキースが自分なしでは生きていけないと知っていたと思う」という情報筋からの話を紹介した。

 また英紙「デイリー・ミラー」によると、キースは昔から父親と折り合いが悪く、IQは高かったものの、失読症などの学習障害を抱えていた上、反抗的でもあったため、15歳で退学処分に。どん底まで落ち込むと、自分の部屋に鍵をかけ、音楽を聞きながら壁に頭を打ちつけるなどの自傷行為も行っていたとのことで、09年に受けた英紙「タイムズ」のインタビューでは、「オレは常に精神的な問題を抱えている。自己破壊的な人間なんだ。めちゃくちゃにね」と激白している。

 この「タイムズ」のインタビューでは、自殺に関して「度胸がないと無理だよ。オレは弱虫だから」と語っていたが、15年の男性誌「FHM」のインタビューでは「自分が“終わった”と思ったら自殺する」と発言。結婚して安定した暮らしを送っていても精神的に不安定だった可能性があり、マユミに復縁を断られたことで突発的に首を吊ってしまったのではないかという臆測が流れている。

 自殺した自宅は、15世紀に建築された150万ポンド(約2億1,900万円)のファームハウスで、キースは97年に購入。昨年、所有権の一部をマユミに移転しており、亡くなる数日前に売りに出されていた。

 ザ・プロディジーだが、5日、公式ツイッターで「近日中に予定されているショーはキャンセルする」と発表。キースなしで、バンドがどのように活動を続けるのかにも注目が集まっている。

【タイ移住マンガ】「結婚します!」一世一代の宣言も……出発寸前にトラブル勃発!?【26話】

フツーに日本で生まれ育ち、フツーに日本人男性と付き合っていたはずの80年代生まれ女子・ふっくらボリサットが、いつのまにか「バンコク在住」に至るまでのゆるっと顛末と生活をレポート。

あんまりリゾートじゃないけど、やっぱり東南アジアな気配ただよう、タイの日常へようこそ! 

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両親の前で結婚宣言!

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――毎週金曜日に、最新話を更新。次回をお楽しみに!

ふっくらボリサット
80年代、東京都生まれ。南の国の漫画家。2013年からタイ・バンコク在住。FROGGY×note「お金マンガ投稿コンテスト」で佳作受賞。生々しい内容を描いても生々しくなりすぎないのが強み。腹筋の割れた富豪になりたい。筋トレばっかりしています。懐メロが好きな腐女子です。

インスタグラム:https://www.instagram.com/fukkuraborisat/
twitter:https://twitter.com/fukkurabo
ブログ:http://fukkurab.net/


<『ふっくらタイ移住まんが』バックナンバーはこちら>

【第1章】バンコク在住になったワケ

【第2章】タイと日本、それぞれの新生活

【第3章】まさかの「タイ起業」!?

【第4章】初バンコクと、プロポーズ!

■22話……タイ暮らし、早くも不安!
■23話……迷う背中を押したのは……
■24話……渡航日を決めちゃおう!
■25話……大事な「アレ」、忘れてない?

木村佳乃にカズレーザー、桐谷美玲も歌手だった!? 歌手デビューが黒歴史になった芸能人3人

 現在放送中のドラマ『後妻業』(フジテレビ系)で、「演技も上手いし貫禄出てきた!」と評判の木村佳乃。女優としての地位を高めている木村だが、実は“歌手”としての黒歴史が存在する。

 1998年に「第21回日本アカデミー賞 新人俳優賞」を受賞した木村は、同年に「イルカの夏」という曲で歌手デビューを果たす。作曲を担当したのは“小室哲哉の一番弟子”を名乗る久保こーじ(Cozy Kubo)で、ハウス食品「スープスパゲッティ」のCMソングにも使われるなど話題性は十分。しかし、結局ヒットすることなく2001年に歌手活動を終了している。

 15年に映画『星ガ丘ワンダーランド』の主題歌を歌った際には、「イルカの夏」について「(TVなどで歌手活動の話をすると)後ろで曲が流れて恥ずかしい」とまで語っていた木村。18年の『24時間テレビ』(日本テレビ系)でもZARDの「負けないで」を歌ったりと、まだまだ歌に未練はあるのかもしれない。

 今回は木村のように、歌手活動が“恥ずかしい結果”に終わった芸能人たちを紹介しよう。

 

●メイプル超合金・カズレーザー

 過去の歌手活動を「暗黒時代」とまで言い切ったのは、メイプル超合金のカズレーザーだ。16年に放送された『お願い! ランキング』(テレビ朝日系)で21歳当時を振り返った時に、「『おもしろ演歌歌手』だった」と明かしている。

 当時のことを、写真も映像も残っていない“暗黒時代”と評したカズレーザー。「資料映像すらないくらい」と語ると、昔はプロレスラーをやっていた相方の安藤なつも「本当に黒歴史ですね」とツッコんでいる。『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)では「すぐに企画が頓挫」「2年くらい何もすることがなかった」と告白。黒人演歌歌手のジェロが登場したことで、“太刀打ちできない”と判断されたらしい。

 

●桐谷美玲

 三浦翔平と結婚して公私ともに順調な女優の桐谷美玲も、歌手としての黒歴史を持つ芸能人のひとり。16年に『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の「BISTRO SMAP」に出演した際、デビューシングルに収録された「乱反射」という曲がBGMに使用されてしまう。

 香取慎吾が「桐谷さんが11年に発売したシングルです」と告げると、桐谷は顔を手で覆って恥ずかしそうに「ちょっと待って!」と焦りだす。その後「(自分の曲だと)気づいてたんですけど、『自分からは絶対言わない』って思ってた」と打ち明けた。ちなみに番組の公式サイトで桐谷は「曲は黒歴史です」とコメントしている。この曲は同年に公開された桐谷主演映画『乱反射』の主題歌であり、試写会では生歌を披露したりと、歌の披露にも積極的だった桐谷。しかし残念ながら、これ以降の歌手活動はストップしてしまった。

『刑事ゼロ』南果歩が怪しげな役で登場も声に違和感 沢村一樹、最終回で松田優作のパロディ!?

 沢村一樹が刑事生活20年分の記憶を失ってしまった役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第9話が7日に放送され、平均視聴率11.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.3ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回、元妻で弁護士の奥畑記子(財前直見)に記憶喪失になったことがバレてしまい、1週間以内に辞職するよう勧告されてしまった時矢暦彦(沢村)。なんとか記憶を取り戻そうとするも、連続殺人犯・能見冬馬(高橋光臣)にビルから突き落とされる直前の記憶を思い出したところで、何らかの強いストレスがかかってしまい、記憶を取り戻せません。

 そんな中、その能見が過去に起こした3つの事件同様、タロットカードの図柄に見立てて死体を遺棄する殺人事件が発生。しかし能見は現在、勾留中の身です。以前の3件と今回の事件の被害者は、いずれも殺人事件で逮捕された後に起訴猶予や不起訴などで釈放された、という共通点があることを見出した時矢は、能見がライターとして勤めていたインターネットニュース配信社の司法担当記者・外山直澄(粟島瑞丸)などにあたり、模倣犯になりうる怪しい人物がいないか調査を開始します。

 その結果、“罪を逃れた”人々の名前が載ったリストを発見。そこには、それぞれが釈放された理由も明記されているのです。

 さらに時矢は、記憶を失ってから初めて能見と接見することになるのですが、その席で能見から、事件がこの先も続くことを示唆されます。また、殺人事件は「秩序の回復」のためであり、その理由を時矢も知っているハズだと言われたため、ビルから突き落とされる直前に能見から何か耳打ちされたことを薄っすら思い出すのですが、やはり強烈なストレスがかかってしまい、それ以上は思い出せません。

 その後、能見の弁護を担当するのが奥畑だと知った時矢は、そのツテで、能見の精神鑑定をしている犯罪心理学の権威・藤林経子教授(南果歩)に会いに行くことに。そこで藤林から、能見は快楽のためではなく、義務感や秩序を重んじることを動機として殺人を犯したことを知らされるのでした。

 そんな中、奥畑と接見した能見が、「もうすぐ人が降る」と、次の事件が起こることを予言。時矢は、連続殺人事件の被害者たちがいずれも違う理由で釈放されたこと、それが犯人のターゲット選びのこだわりなのだということに気が付き、リストの中から該当者を見つけ出します。

 ところがひと足遅く、フードをかぶった何者かが、その該当者をビルの屋上から落下させて殺害。時矢は謎の真犯人を追い詰め、その正体が外山であることを突き止めるのですが、そのまま逮捕か、と思われたところで外山が拳銃を取り出し自殺してしまうのです。

 そしてその映像にかぶせ、研究室で藤林が、「能見は心神喪失。刑事責任能力を問うことは不可能」と意味深に呟き笑う姿が映し出されたところで今回は終了となりました。

 次回で最終話ということで、今回から一気にクライマックスへ突入。時矢の記憶喪失のカギを握る能見がようやく絡んできて、ラストを盛り上げるための人物や要素が次々と投入される回となりました。

 その中でも特に怪しげな存在として登場したのが、南果歩が演じる藤林。『ハンニバル』(2001)のレクター博士のように精神科医が犯罪者になってしまったパターンなのでは? 能見らを裏で操っている首謀者? と思わせる役どころです。

 実際に犯罪に関わったのかはともかくとして、キーマンとして登場した南ですが、ヘリウムでも吸ったかのような高い声が気になってしまい、ラストで意味深に呟くセリフなども集中して聞けませんでした。こんな声の人だった!? と気になり過去作を調べましたが、どうやら役作りのために意図して変えているようですね。う~ん、余計な小芝居といった感が否めませんでした。

 一方、時矢がビルから落下する直前に能見から耳打ちされた話は何だったのか、記憶を取り戻す障害になっているストレスとは何なのか、という点は気になるところです。“秩序”に関することらしいので、時矢本人か同僚の誰かの汚職絡みですかね。

 または、時矢の妻・奥畑に関連したことかもしれません。元夫が逮捕した容疑者の弁護を担当するって何か違和感があったんですよね。無理やりストーリーに捻じ込んできたような感じがしました。連続殺人の被害者たちが逮捕された時に釈放されるよう尽力したのが奥畑だったのではないか。その時に法の秩序を乱すような、何らかの裏取り引きをしたのではないか、という気がしないでもありません。

 何はともあれ、次回ですべてが明らかになることでしょう。予告動画では、時矢が腹部をナイフで刺され両膝立ちする場面も。まるで、名作ドラマ『太陽にほえろ!』(日本テレビ系)で松田優作が演じたジーパン刑事が、「なんじゃこりゃあ!」と殉職したシーンのパロディのような演出ですが、その運命はいかに。次週を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

毒親も脇キャラも、み~んな必要な存在だった!? 唐突な死亡フラグ『ハケン占い師アタル』第8話

 働く人々の悩みを、毎回無料ですっきりとカウンセリングしてくれる『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)。若手演技派・杉咲花とベテラン脚本家・遊川和彦との年の差タッグの活躍も残すところ僅かとなりました。実質的な最終回となった第8話を振り返ってみましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 かつて人気占い師だったアタル(杉咲花)ですが、今は派遣社員としてイベント会社で働いています。そんなアタルの前に、母親のキズナ(若村麻由美)が現われました。大崎課長(板谷由夏)に退職願を渡し、一方的にアタルを連れ戻そうとします。「あなたの金儲けに利用されたくない」と抵抗するアタルですが、派遣先に退職願を差し出す常識知らずのキズナは聞く耳を持ちません。「あなたに占い以外の何ができると言うの?」と娘の働く職場で言い放ちます。いわゆる“毒親”のようです。

 ここで、いつものごとく代々木部長(及川光博)が大崎課長らDチームのメンバーに難しい案件が届いていることを知らせます。大手ゼネコンのCSR(社会貢献)イベントのコンペがあるので、参加するようにとのことです。いつもは雑用を黙々と片付けているアタルですが、このコンペにオリジナルな企画を提案し、自分は会社に必要な存在であることを証明しようとします。

 普段は冷静沈着なアタルなのに、自分が中心となって企画を考えるというプレッシャーから自分を見失ってしまいます。得意にしていた伝票整理やコピー取りでもミスを連発。会議の席では「ゼネコンのアイデアは、全然出てコン」と意味不明なダジャレを口にしてしまい、上野(小澤征悦)から「キャラじゃないから、やめとけ」と諭される有り様です。占い以外にも自分には能力があることを証明しようとするアタルの空回りが続きます。

 

アタルに帰ってきたブーメラン

 コンペ案は防災講習を授業形式で開くという無難なものにまとまりかけますが、アタルは「何か違うかなって。クライアントは今までにないものと言っていたわけで……」と異議を唱えます。品川(志尊淳)は「派遣なのに企画案に反対するなんて」とディスります。アタルの占いのお陰で仕事の面白さに目覚めた品川ですが、恩はあっさりと忘れるタイプのようです。せっかく明るく働きやすいムードになっていた職場ですが、久々にギスギスした空気が戻ってきました。

 冴えないときは冴えないことが続くものです。アタルが占い師だったことが社内で評判となり、「私たちも占ってくださ~い」と女子社員たちがアタルのもとに押し寄せてくるのでした。大崎課長たちが「ここは職場ですよ」と何とか追い返しましたが、やはりアタルには占いの道しかないのでしょうか。どんどんダウナー状態に陥っていくアタルでした。

 ここまで1人で悩んでいたアタルですが、それは第1話から第7話までのDチームのメンバーの姿でもありました。神田(志田未来)のように自分に自信が持てず、目黒(間宮祥太朗)のように1人で空回りし、田端(野波麻帆)のように心を閉ざしてしまっていたのです。ここぞとばかりに、声の大きな上野が切り出します。「しようがないな。俺たちでアタルを占ってやるか!」。体育会系のパワハラ野郎だった上野ですが、すっかり頼りがいのある先輩になっていました。

 会議室にこれまでアタルの占いによって救われたDチームの7人が集まり、アタルをカウンセリングします。アタルからの質問は「みなさんは、この会社で私に何ができると思いますか?」というシンプルなものでした。Dチームのメンバーにはアタルのような霊能力はありませんが、世界中の人々を感動させる奇蹟のチームとしての自負と団結力があります。Dチームを代表した大崎課長のアタルへの言葉はこうでした。

「自分にしかできない仕事。それは見つけるものじゃない、創るものじゃないかな。毎日時間をかけてコツコツ続けていくしかないんじゃないかな」

 これまでアタルがDチームのみんなを励ましてきた言葉をぎゅっと凝縮し、悩んでいるアタルに優しく返す大崎課長でした。心温まる優しいブーメランに、アタルだけでなく視聴者も思わずウルッとしてしまいます。

 職場の仲間たちに背中を押され、アタルはこれまで避け続けてきたキズナと正面から向き合います。「まだ答えは見つからない。でも、私はもがきたい。この会社で自分は何ができるか、もがき続けたい」と訴えます。警備のおじさんも、食堂のおばちゃんも、清掃のおばさんも、居酒屋の店長も、それぞれ特種能力を持っているわけではありませんが、それでも懸命に働く彼らの明るさ、朗らかさに敬意を感じていることをキズナに伝えます。

 ここで、これまでスマホで撮ってきた記念写真の数々を見せるアタルでした。初めてのコピー、初めてのボード、初めての会議……。小さい頃から占いしかやらせてもらえず、高校にも進学させてもらえなかったアタルにとっては、何でもない雑用の数々も貴重な体験だったのです。働くということはお金を稼ぐだけではなく、社会と繋がるという行為でもあるわけです。これまでの伏線やエピソードがずんずん回収されていく第8話でした。

 ところがまぁ、アタルが頭を下げてお願いしても、毒親キズナは金の卵を産むアタルを手放そうとはしません。こうなったら最後の手段です。「わかりました、あなたを鑑(み)ます」と実の母親であるキズナに宣告するのでした。
 
「母親だから言いたくなかったけど、いちばん酷いものが見えているんだよね」とアタルは容赦ありません。アタルの霊能力によって、キズナはうさん臭い占い稼業にハマるようになった過去へとタイムスリップします。そこにいたのは小学生時代のキズナでした。その頃のキズナは親が離婚したことから、同級生たちのイジメに遭っていました。イジメ地獄から抜け出したいあまり、少女時代のキズナはイジメっ子たちを「このままだとあんたたち死ぬよ。悪霊が取り憑いているよ」と脅すことで難を逃れたのでした。それ以来、キズナは霊能力のあるふりをして、今日に至ったのでした。

「これ以上、ママのことを嫌いになりたくない。私はドキドキしたいの。私はママから卒業したい」と占い師に戻ることを拒むアタルでした。と、自分の口にした言葉によって、アタルはひとつのアイデアが閃きます。ゼネコンのCSRイベントですが、被災地で卒業式ができなかった被災者家族に向けて卒業式形式のイベントを開くことを思いついたのです。

 いつも会議中、居眠りしている代々木部長。これは現在公開中のミッチーが出演している映画『七つの会議』の主人公“居眠り八角”のパロディでしょうか。それはさておき、珍しく会議中も起きていた代々木部長は、アタルの企画案を「アタルちゃん、ナイスアイデア!」と称賛します。キズナもようやく諦めたようです。「もう二度と来ないわ。ただし、占いはやめなさい」「自由になりなさい。言っとくけど、自由ってしんどいわよ」と毒親なりの親身な言葉を残し、去っていくのでした。アタルの占いによって、霊能力がないことを明かされたキズナは、これから勉強し直して本物の占い師になるそうです。

占い師の未来と視聴率は占えない?

 今回で最終回と言っていいんじゃないかという濃い内容だった第8話。次週が最終回だそうです。そして不吉な死亡フラグが終わりに盛り込まれました。それまでアパートでカナリアを飼っていたアタルですが、キズナからの巣立ちと重ねるようにカナリアを籠から取り出して、空へと放ったのです。室内飼いしていたペットを野放しするという愚挙! いきなり自由の身になったカナリアは果たして生きていけるのでしょうか?

 気になる第8話の視聴率ですが、9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。第6話の9.5%以来となる10%割れです。毒親を演じた若村麻由美の熱演もあり、内容的にはもっと数字が伸びてよさげでしたが、遊川脚本らしくないウェルメイドなストーリー運びが視聴者に飽きられてきたのでしょうか。

 第8話の最後、職場で意識を失いぶっ倒れてしまったアタル。自由にしたカナリアに続いての死亡フラグです。占い師は自分の未来は占えないという、占い師のジンクスを逆手にとったような最終回となるのでしょうか。このままウェルメイド路線で終わりを迎えるのか、それともNHK朝ドラ『純と愛』や『○○妻』(日本テレビ系)のような衝撃のエンディングとなるのか。遊川脚本が一体どんな結末を用意しているのか興味津々です。

(文=長野辰次)

“カジサック”梶原雄太、妻のおかげでTGC出演!? 「自力で仕事取れないの?」と辛辣な声

 3月30日に開催されるファッションイベント『マイナビ presents 第28回 東京ガールズコレクション 2019 SPRING/SUMMER』(以下、TGC)に、YouTuber・カジサックとして活動中のキングコング・梶原雄太と、“ヨメサック”こと妻・未来子さんが出演することが7日、発表された。ファンからは祝福の声が上がっているものの、このところ炎上続きの梶原がTGCに出演することに、ネット上では批判的な声も多い。

「かつては『はねるのトびら』(フジテレビ系)などで活躍した梶原ですが、近年は露出が激減。私生活では2004年に一般女性と離婚し、06年に元読者モデルの未来子さんと再婚しています。そんな梶原は、昨年10月からYouTuberとしての活動を開始し、今年の12月末までにチャンネル登録者数100万人を達成できなければ『芸能界を引退する』と宣言しました。なお、8日現在のチャンネル登録者数は約78万人で、このまま行けば100万人突破は問題なくクリアできるでしょう」(芸能ライター)

 しかし、一部ネット上では、当初から「芸人としてテレビに出られないからYouTubeに目をつけたの?」「安易な気持ちでYouTuberやったって成功しないよ」などと指摘が相次いでいた。また、最近の梶原は“炎上騒動”を連発しており、ネットユーザーからの印象は悪化する一方だ。

「1月に関西テレビで放送された『快傑えみちゃんねる』で、梶原は、サンシャイン池崎が両親に贈った新築の一軒家を『公衆トイレ』呼ばわりし、ネット上で猛バッシングを浴びました。梶原はその後、自身のTwitterで謝罪しましたが、2月開催のイベント『ホリエモン万博』で共演した評論家・宇野常寛氏から、『梶原に執拗にイジられた』と告発を受けることに。宇野氏はその後、自身のTwitterで『こういうヤツがいるからイジメってなくならない』『テレビ的なイジメ芸の縮小再生産』などと梶原を批判していました」(同)

 これらの騒動を受け、ネット上には「梶原は芸人のくせに、イジリとイジメの区別もつかないんだな」「前々から梶原の言動って笑えないと思ってたけど、最近炎上続きで、本当に才能ないんだなと思う」など、梶原に拒否感を示す書き込みが続出。そんな中、梶原は3月7日付のTwitterでTGC出演が決まったことを報告し、「1000%ヨメサックのおかげです」とコメントしているが……。

「以前から、未来子さんへの厳しい“束縛”を公表している梶原。そのため、『奥さんへのモラハラをネタにしたり、今回も奥さんのおかげでTGCに出演したりって……梶原は芸人として何やってるの?』『自分の力で仕事取れないの?』『モラハラ夫&イジメ芸のつまらない梶原なんて見たくない』といった意見が噴出しています。一方で梶原は、8日に更新したTwitterで『おそらく、、おそらくですが、、せんちゃんも一緒に歩く可能性があります』(原文ママ)と、16年に誕生した次女・千鈴ちゃんもTGCに出演することを示唆。こういった部分も、家族を使った必死な“話題作り”に見えてしまい、ネットユーザーからの評判を落としています」(同)

 ちなみに、今月10日に放送される『R-1ぐらんぷり2019』(フジテレビ系)において、動画サイト・GYAO!で特番『R-1見ながら裏生トーク ~カジサックのGYAO!部屋~』が配信されるが、カジサックがMCということで、「どうせまた炎上発言でもするんでしょ」「見る気しないわ」との声が寄せられている。このような形でも、本人は話題になればそれでいいのだろうか。

“カジサック”梶原雄太、妻のおかげでTGC出演!? 「自力で仕事取れないの?」と辛辣な声

 3月30日に開催されるファッションイベント『マイナビ presents 第28回 東京ガールズコレクション 2019 SPRING/SUMMER』(以下、TGC)に、YouTuber・カジサックとして活動中のキングコング・梶原雄太と、“ヨメサック”こと妻・未来子さんが出演することが7日、発表された。ファンからは祝福の声が上がっているものの、このところ炎上続きの梶原がTGCに出演することに、ネット上では批判的な声も多い。

「かつては『はねるのトびら』(フジテレビ系)などで活躍した梶原ですが、近年は露出が激減。私生活では2004年に一般女性と離婚し、06年に元読者モデルの未来子さんと再婚しています。そんな梶原は、昨年10月からYouTuberとしての活動を開始し、今年の12月末までにチャンネル登録者数100万人を達成できなければ『芸能界を引退する』と宣言しました。なお、8日現在のチャンネル登録者数は約78万人で、このまま行けば100万人突破は問題なくクリアできるでしょう」(芸能ライター)

 しかし、一部ネット上では、当初から「芸人としてテレビに出られないからYouTubeに目をつけたの?」「安易な気持ちでYouTuberやったって成功しないよ」などと指摘が相次いでいた。また、最近の梶原は“炎上騒動”を連発しており、ネットユーザーからの印象は悪化する一方だ。

「1月に関西テレビで放送された『快傑えみちゃんねる』で、梶原は、サンシャイン池崎が両親に贈った新築の一軒家を『公衆トイレ』呼ばわりし、ネット上で猛バッシングを浴びました。梶原はその後、自身のTwitterで謝罪しましたが、2月開催のイベント『ホリエモン万博』で共演した評論家・宇野常寛氏から、『梶原に執拗にイジられた』と告発を受けることに。宇野氏はその後、自身のTwitterで『こういうヤツがいるからイジメってなくならない』『テレビ的なイジメ芸の縮小再生産』などと梶原を批判していました」(同)

 これらの騒動を受け、ネット上には「梶原は芸人のくせに、イジリとイジメの区別もつかないんだな」「前々から梶原の言動って笑えないと思ってたけど、最近炎上続きで、本当に才能ないんだなと思う」など、梶原に拒否感を示す書き込みが続出。そんな中、梶原は3月7日付のTwitterでTGC出演が決まったことを報告し、「1000%ヨメサックのおかげです」とコメントしているが……。

「以前から、未来子さんへの厳しい“束縛”を公表している梶原。そのため、『奥さんへのモラハラをネタにしたり、今回も奥さんのおかげでTGCに出演したりって……梶原は芸人として何やってるの?』『自分の力で仕事取れないの?』『モラハラ夫&イジメ芸のつまらない梶原なんて見たくない』といった意見が噴出しています。一方で梶原は、8日に更新したTwitterで『おそらく、、おそらくですが、、せんちゃんも一緒に歩く可能性があります』(原文ママ)と、16年に誕生した次女・千鈴ちゃんもTGCに出演することを示唆。こういった部分も、家族を使った必死な“話題作り”に見えてしまい、ネットユーザーからの評判を落としています」(同)

 ちなみに、今月10日に放送される『R-1ぐらんぷり2019』(フジテレビ系)において、動画サイト・GYAO!で特番『R-1見ながら裏生トーク ~カジサックのGYAO!部屋~』が配信されるが、カジサックがMCということで、「どうせまた炎上発言でもするんでしょ」「見る気しないわ」との声が寄せられている。このような形でも、本人は話題になればそれでいいのだろうか。

「東京が怖い」はガチ?  キャラ作り!? 話題の青森ローカルアイドル・王林を直撃!

 青森県弘前市のご当地アイドル「りんご娘」のメンバー・王林が話題となっている。

「王林」という中国人っぽい芸名でありながら、しゃべりはド天然で津軽弁丸出し。仕事のために東京に来るたびに、人の多さや、街のにぎやかさにショックを受け、「東京が怖い」キャラとしてブレイクしているのだ。

……とはいえ、これだけ頻繁に東京のテレビ番組に出ていたら、さすがに「東京が怖い」という気持ちも薄れてきちゃうんじゃないの? もしかして、キャラ作りで「怖い」と言ってるだけ!?

 そのへんのところを突っ込んでみました。

■東京に着いても、自分はブレずに歩き続けよう

――子どもの頃から芸能活動をされていたそうですね。

王林 はい。小学校3年生の時に、弘前にある事務所に入りました。ずっとモデルに憧れていたので、てっきりモデルがやれると思っていたら、小学生で「アルプス乙女」、中学生の時に「りんご娘」というアイドルグループに入って、今みたいなことになっちゃって……。

――王林っていう芸名は「りんご娘」になってからなんですね。初めて聞いた時、どう思いましたか?

王林 「アルプス乙女」の時の芸名は「斉藤」だったんですよ、りんご農家に多い名字なので……。「りんご娘」では、みんなりんごの品種にちなんだ芸名なんですけど、本当は「彩香」ってりんごがよかったです。一番、人の名前っぽいから。

――「王林」って、よく中国人っぽい名前だって言われていますけど。

王林 私の中ではりんごのイメージしかなかったから意外でしたね。青森では常識です。

――アイドル活動をする中で、東京へも来るようになった?

王林 弘前産りんごのPRで全国を回るキャンペーンガールになったんですよ。それで、あちこち行きました。大阪とか福岡とか……。

――そのあたりもだいぶ都会ですけど、やっぱり東京が一番怖い?

王林 圧倒的に東京が怖いですね。人の数からして違いますし、来ること自体、申し訳ないんですけど……ストレスです。新幹線に乗ったら、着いた後のことを考えて自分のメンテナンスをしています。「東京に着いても、自分はブレずに歩き続けよう」って。

――???「都会の絵の具に染まらない」的な意味ですか?

王林 人がぶつかってきても対応できるような感情を、新幹線の中では作るようにしています。

――東京駅は乗り換えも大変ですよね。

王林 そのためのアプリを入れたんですけど、だからといって、そのアプリをそんなに信用していいのかどうかもわからないし……。

――アプリは信用しましょうよ。

王林 「これを見たらわかるよ」って言われていたんですけど、やっぱりわからないんですよ、携帯の画面だと。実際に「ここからここまで」って言ってもらわないと。

――地下だと特にそうですね。人には聞けなかったんですか?

王林 聞きました。

――意外と東京の人も優しいでしょ?

王林 教えてはくれるんですけど……。「わからないから聞いてるんだよ」とは思いますね。教えてくれることが難しいんですよ。「何番線ですよー」とか言われてもわからない。わかる人に聞いてもわからない!

――(笑)。東京で、どこかに遊びに行ったりはしないんですか?

王林 一度もしてません。ホテルと仕事場だけですね。基本的にはホテルに泊まりたくないというか……帰らせてほしい、その日のうちに!

――弘前から日帰りは大変じゃないですか?

王林 でも、帰ったほうが自分の気持ち的には楽になるので。ホテルが怖いんですよ。「青森の人が来た」って思われてるかもしれないじゃないですか。外に出て、もう一回入る時も「この人、本当にホテルに泊まっている人か?」って疑われてるんじゃないかと……。

――基本的に、東京のホテルに東京の人は泊まっていないですから!

――テレビ局って都会の極みみたいな場所ですけど、芸能人と会話するのは怖くないんですか?

王林 緊張はしますけど、電車で隣に座った人に話しかけるよりは、気持ちを楽にして話すことができます。それはなぜかというと、テレビにはいろんな人がいるから、私みたいな人の話も理解してくれるような気がするんです。心を開けます。

—――電車で隣に座った人に話しかけるハードルは、弘前でも同じでしょう。

王林 弘前だったら、特に話せないという感情は浮かばないです。みんな友達っていうか、みんな仲間っていうか。

――いくら弘前でも、大半は知らない人ですよね?

王林 みんな、そんなに壁を作っているような感じではないんです。気軽に話しかけるし、気軽に話しかけられるし。

――何を話すんですか?

王林 たとえば、床のタイルがはがれているのが気になったら、お互いに確実に気づいているんだから、ちゃんと話し合おうと。「はがれてますね」って。

――(笑)。東京では、知らない人とめったに話さないですからね。

王林 みんな、黙々と歩いているのが怖いんですよ。もっと人の存在を理解してほしい。みんなそこにいるのに、なぜいないことにしちゃうのかっていうのは思いますね。

――人が多すぎて、いちいち「人」だって認識してると大変ですからね。

王林 あまりにも考えなさすぎていると思ってしまいます。

――でも、最近は、東京で話しかけられたりもするんじゃないですか?

王林 ああ、すごくまれに、声をかけられるようになりました。ビックリします。東京なんて、青森から離れている場所でも私が知られているなんて。

――知ってますよ、テレビに出てたら。

王林 それをかみしめるようになってきたかもしれません。

――ところで、これだけ何度も東京に来てたら、そろそろ慣れてきてもいいんじゃないかと思うんですが。

王林 うーん、東京駅を降りて、日テレに行くのは上手になりました。

――日テレのある新橋駅まで2駅ですからね。

王林 それに気づいたのが最近でした。新幹線を降りて山手線に乗り換えるのが難しいんですよ。「山手線は『緑』と覚えておけばいい」って言われていたんですけど、色だけで認識するっていうのは、あやふやな世界観なんで。ハッキリした確信は持てないじゃないですか。

――???

王林 これは本当に緑なのか青なのか水色なのかってわからないんで、ちゃんと「山手線」という文字を探して乗るようにしています。

――内回り、外回りは理解していますか?

王林 それはまだちょっとわからないですね。新幹線を降りて最初に現れる山手線が、乗るべき山手線だっていうのは認識しています。

――これだけ東京をイヤがっていますけど、東京のテレビ番組などに呼ばれるのはうれしいんですよね?

王林 それはもう、すっごくありがたいです。東京のテレビに出て、あからさまに青森を押し出したいです。

――王林さんを平均的な青森の人として認識していいかどうかは微妙ですけどね。

王林 そこに関しては、青森の人からも「みんなこうだと思われると困る」とは言われています。でも私としては青森を背負って出てきている気持ちなんで、「まあまあそんなこと言わずに」って思います。

――東京進出っていうのは考えていない?

王林 進出っていうのは、「住む」っていうことですか? それはすみません、いつまでも通わせてほしい。同級生で、東京の大学に進学してひとり暮らししている子もいるんですけど、その話を聞くだけで耐えられないです。どういう生活ぶりをしてるんだろうって思いますね。

――「せっかく仕事で出てきているんだから、東京で会おうよ」みたいな話にならないんですか?

王林 絶対に会いたくないです。会うなら地元で会うし、東京で会う理由が何かあるなら挙げてほしいと思います。

 青森から東京に出て行く人も多いですけど、東京でいろんな物を見てからUターンして戻ってきて、それを生かして青森を盛り上げてくれるとうれしいです。だから私も、東京のテレビに出て青森を広めて、地元でりんごを盛り上げていきたい! 「りんご娘」も、もっとたくさんの方に知ってもらいたいし、もっと大きいグループになりたいと思っていますから。

――メンバーみんなが「東京で頑張っていくぞ!」と言いだしたら?

王林 それは間違っています。青森あっての「りんご娘」だから、そんなことしちゃいけないと思います。

――(笑)。じゃあ最後に、青森のアピールを。

王林 これからの時期だと、やっぱり弘前のさくらまつりが最高です! 弘前の桜が、日本で一番キレイだと思いますよ。りんごの剪定技術を桜に応用しているので、すごいボリュームでフワフワした、優しい桜なんです。あれを見てしまうと、東京の桜がすっごいスカスカに見えます。

――いちいち東京をディスらなくてもいいんですよ。

王林 東京の桜で満足している方に、弘前へ来てもらいたいです!
(取材・文=北村ヂン)

●りんご娘
2000年7月に、青森県弘前市のボランティア集団「弘前アクターズスクールプロジェクト」から誕生したダンス&ボーカルユニット。メンバーは王林、とき、ジョナゴールド、彩香(さいか)。音楽・芸能活動を通した地方からの情報発信と地元青森の活性化を目的としている。年間80本以上のイベント出演や地元施設でのボランティアライブのほか、テレビやラジオ、CMへの出演も数多く、幅広い年代層から支持され、青森県での知名度はほぼ100%。3月19日に3rdアルバム『FOUR s 』を発売予定。
http://ringomusume.com/