2月、ももいろクローバーZの元メンバー・有安杏果に、熱愛スキャンダルが勃発した。25歳年上の精神科医との交際、また、医師が有安の個人事務所代表を務めることが明るみとなったほか、ももクロ脱退や事務所退所にも医師が絡んでいたのではないかと、週刊誌が報じたのである。ももクロファンは、この事態に驚愕し、「有安は洗脳されているのではないか?」「早く目を覚ましてほしい」などと、ネット上で悲痛な声を漏らしている。
今、世間で「洗脳疑惑」がささやかれているのは有安だけでない。秋篠宮家の長女・眞子さまもその一人だ。一昨年、当時、都内の弁護士事務所でパラリーガルとして勤務していた小室圭さんと婚約内定を発表。しかしその後、小室さんの母が元婚約者との間に借金トラブルを抱えていることが報じられ、昨年2月、「結婚延期」の運びに。8月には小室さんが3年間の米フォーダム大学への留学に旅立ち、結婚は暗礁に乗り上げている状況だ。世間では、実母がトラブルを抱え、さらには自身も将来の見通しが立っていない小室さんへの不信感が高まっている中、週刊誌報道によると、それでも眞子さまの結婚のご意思に変わりはない様子。「まるで現実が見えていない」「小室さんに洗脳されているみたいだ」といった指摘が国民から上がる事態となっている。
有安と眞子さまの共通点――それは、両者とも恋人との関係が歪んでいるように見える点だ。今回、「洗脳と恋愛」という観点から、『被害者のふりをせずにはいられない人』(青春出版社)や『高学歴モンスター~一流大学卒の迷惑な人たち~』(小学館)などの著者である精神科医・片田珠美氏に話を聞いた。
洗脳が恋愛感情によってより強くなるワケ
まず片田氏は、洗脳とはどのような状態かについて説明をしてくれた。
「相手に対する批判力を失い、相手を過大評価し、欠点が美点に見えてしまう状態のことを指します。別の言葉では、『相手を理想化してしまう』とも言えるでしょう」
なお精神医学において「洗脳」という診断名は存在しないが、患者から相談を受ける中で、「洗脳状態」と指摘することはあるそうだ。
「例えば、夫からこれまでの自分の価値観を全否定され、鬱状態になっているのに、『夫はとても賢くて正しい。私はバカだから』と言う女性は結構います。そういう方に、『あなたは洗脳状態にあります。旦那さんの価値観が必ずしも全て正しいわけではないし、あなたの実家の価値観や、これまでやってきたことが全て間違ってるわけじゃないですよ』と申し上げると、目からウロコが落ちたような反応をされますね。自分が夫から“洗脳されて”鬱になっていることに気づいていないんです」
このような洗脳状況下では、「DVをされても、これがDVであること自体わからなくなるケースもあります。しかもDVをする男というのは、暴力を振るった後、涙を流して土下座して謝ることも多く、被害者側がつい絆されてしまうんですね。ちなみに、もともと洗脳されているため、DVに気づけなくなる場合もあれば、DVによる恐怖で、『私が悪い』と思い込まされる場合もあります。相互作用によって洗脳が強まっていくのです」。
ほかにも片田氏は、コミュニティ内で強い権力を握るママ友や近所の奥さんに洗脳されて、高額商品を買わされてしまった女性などの例を挙げるが、相手に対して「恋愛感情」を持っていると、より洗脳されやすい面があるという。
「恋愛している人の精神状態を『ほれこみ』と言うのですが、その場合、恋愛対象を過大評価して、批判力を失いやすい。先ほど説明した、洗脳と同じ状態なのですが、洗脳とほれこみはニアリーイコールで、『恋愛にのぼせ上がっているときは、洗脳も起こりやすい』と言えるでしょう。ただ、この『ほれこみ』は、恋愛につきものであり、そもそも相手にのぼせ上がるようでなければ、恋愛じゃないんですね。問題になるのは、『ほれこみ』が度を超し、他者から見て『おかしい』と思われるような洗脳状態になっているケースです」
恋人に対して「好き」という感情が高まり、「あばたもえくぼ」となっている人は珍しくない。そういうときに起こりやすい洗脳は、“他人事ではない”と思わされる。
では、有安のケースはどうだろう。精神科医に洗脳されているのではと、ファンから心配の声が飛び交っているが、そもそも有安が抱く恋愛感情自体、「典型的な『転移性恋愛』です」と、片田氏は厳しい目を向ける。転移性恋愛とは、精神分析の創始者、ジークムント・フロイトによれば「患者が転移の結果として、医師や精神分析家などに恋愛感情を抱くこと」を指すという。
「自分の悩みを親身に聞き、相談に乗ってくれる主治医のことを『頼りになる』と感じると、恋愛感情を抱きやすい。有安さんはももクロ時代から、この医師に相談をしていたそうですが、特に精神科ではよくあることなんです。フロイトは、治療中に起こる転移性恋愛を『非常に危険なこと』とみなし、患者さんと距離を置くなどして深みにはまらないように助言していました。実際には、主治医と患者さんが結婚することもあるのですが、同業者として今回のケースを考えるに、『若い女の子の弱みに付け込み、転移性恋愛を利用して男女の関係になったのではないか』といった批判はやむを得ないと感じています」
転移性恋愛によって、有安は「ほれこみ」という精神状態になり、おのずと、洗脳も起こっているのではないかと考察することができる。
「ほれこみや洗脳が起こりやすいのは、本人が弱っているとき。ももクロでの活動に疑問を感じ、弱っているとき、医師と出会ってのめりこんでいったのではないでしょうか。精神科医といったって人格者ばかりではありませんから、有安さんを洗脳し、“支配しよう”と考えても不思議ではないと思います」
一方、眞子さまに関しても、片田氏の目には「ほれこみによって洗脳状態になり、相手を過大評価している」状態に映るという。ほれこみや洗脳の要因となる、皇室のプリンセスが抱える“弱み”とは、一体何なのだろうか。
「皇室という閉鎖空間にいらっしゃる眞子さまには、“出会い”がありません。国際基督教大学(ICU)に通われていましたが、恐らくほかの学生は、畏れ多くて声をかけることも憚られたことでしょう。眞子さまは、恋愛結婚だったご両親の影響により、ご自身もお見合いではなく、恋愛結婚を強く望まれていたと聞きますが、しかし、出会いがないんです。そんな中、交際を申し込んだ身の程知らずが小室さんだったわけで、そうなると眞子さまも、視野狭窄に陥り、ますます小室さんにのめりこんでいったと考えられます。そもそも眞子さまは、皇族という身分ゆえに、男性との交際経験があまりないように見えます。こういう真面目な人ほど、洗脳されやすいという面もあるんです」
さらに眞子さまには、「この相手といま結婚できなければ、一生結婚できないのではないか。結婚がかなり遅れるのではないか」といった不安もあるのではないかと片田氏。出会いがないという状況と、婚期を逃すことへの不安によって「洗脳が解けにくくなっているように見えます」という。
「一部週刊誌で、眞子さまがご友人に対して、『私のせいで、あんなに世間に晒されて、彼に申し訳ない…』と、小室さんへの思いを語っていたと報じられたそうですが、眞子さまが自分自身のことを加害者のように思わされているところも問題と言えるでしょう」
有安も眞子さまも「洗脳状態」といえるとの考察が繰り広げられる中、ここで気になるのが、どうしたら洗脳が解けるのかという点だ。現在双方ともに、世間から疑問の目を向けられているが、片田氏いわく「周りから非難されれば非難されるほど、2人の結びつきは強くなる。『自分たちを迫害するものと、一緒に戦おう』となり、洗脳によって強固に結びついた関係が続いていきます」とのこと。
「洗脳から解き放たれるためには、本人が洗脳されていると気づき、『これではダメだ』と思わなければいけません。有安さんは3月にソロライブを行うそうですが、『ライブ会場がガラガラ』『CDを出しても全然売れない』という“どん底”に陥り、精神科医の男性と一緒にいても『どうにもならない』と気づいたら、洗脳が解けるのではないでしょうか。実際に危機的状況に直面する前の段階で、周りが何を言っても無駄。そもそも周囲の声が耳に入るなら、洗脳状態には陥りません。有安さんは、擬似恋愛の対象であるアイドルだった方なので、今回25歳年上の精神科医と交際していることを知り、ファンをやめた人も多いと思います。ある意味、洗脳が解けやすい状況になったと言えるのではないでしょうか」
一方、眞子さまに関しても同様だという。いくら秋篠宮さまや紀子さま、宮内庁が結婚に反対しようと、週刊誌が小室さんに関するネガティブな報道をしようと、眞子さまには何も響かないばかりか、「火に油を注ぐようなもの。恋愛というのは、障害があればあるほど燃えますから」という。眞子さまが洗脳から解き放たれるのは、実際に結婚生活をスタートして苦労を強いられるなど、“どん底”を経験したときとも考えられるが、「ただし、そういった苦境に立たされたとき、逆に『また二人で力を合わせて頑張ろう』となる可能性もある」とのことだ。
なお、洗脳する側の特徴として、「自己愛、承認欲求が強く、ゆえに相手を支配し、相手を変えたいという気持ちを持っている」点が挙げられるという。洗脳が解けた相手が逃げ出そうとすると、「『自己愛が傷つけられた』と怒り、ともするとストーカー化してしまう」だけに、洗脳問題は根深いことがわかる。
最後に片田氏は、こうした洗脳を「珍しいことではない。一般的にもよく起こり得る」と警鐘を鳴らす。“洗脳疑惑”と聞くと、特別な状況下の人にだけに起こることととらえがちだが、より「身近なこと」として受け止め、自身を振り返るきっかけにしてみてもよいのかもしれない。




