伝説の“P盤歌手”二美仁、逝く──厳寒の刑務所に響かせた歌声と激動の人生

 北海道札幌在住の演歌歌手、二美仁(本名・村岡洋一)が2月4日、大腸がんのため亡くなった。享年70歳。歌手活動の傍ら、35年以上にわたって刑務所の篤志面接委員を務め、カラオケ指導を通じて受刑者の更生に貢献してきた。

 筆者が二美仁と出会ったのは、今から約35年前にヒットした「津軽じょんがら流れ唄」がきっかけだった。この曲は、村木賢吉の「おやじの海」の大ヒットで一躍有名になった佐義達雄氏が作曲。東京・赤坂でスナックを経営していた釧路出身の歌手・五郎正宗がレコーディングして全国発売した。

 筆者は、この曲のプロモーションを担うことになった芸能プロの社長から「この曲は必ず、ヒットする。プロモーション費が乏しいから、協力してくれないか」と頼まれ、レコードのジャケット作成に関わった。当時、新橋の居酒屋で飲み仲間だった著名なイラストレーターや広告代理店関係者に協力を仰いで作成したが、曲の全国発売に合わせてのキャンペーンという段になって、五郎のわがままに我慢できず、手を引いた。

 ところがその後、同じ芸能プロの社長から「『津軽じょんがら流れ唄』を自主製作して、道内で2カ月余りで2万枚売った歌手がいる。一緒に札幌に行って会ってくれないか?」と頼まれた。そこで会ったのが二美仁だった。

 二美は、南国・宮崎県出身の元高校球児だが、野球を断念してからは、歌手を目指して上京。1967年に日本コロムビアから念願の歌手デビューを果たした。といっても実態は、コロムビアの名を使って活動することを許可されただけ。自主製作で自ら営業して売り歩く、業界用語で“P盤歌手”と呼ばれる歌手だった。

 当時は、メジャーデビューしたい歌い手たちの心理につけ込んだ芸能ブローカーが「俺が売り出してやる」と接近。詐欺まがいのマネジメント料を取ることが少なくなかったが、二美もその“被害者”の一人だった。

 当時、二美の父親は宮崎県で料亭を経営していたが、二美の売り出しで全財産を失ってしまう。一方、ブローカーに騙され、東京に失望した二美は札幌に流れた。そこで出会ったのが、当時ススキノのクラブのNo.1ホステスだった美喜子さんだった。

 二美と結婚した美喜子さんは、ホステスを辞め、ススキノにサパークラブ『鹿の園』をオープンして二美の歌手活動を支えた。二美は、歌手活動の傍ら、全国の刑務所や老人ホーム、厚生施設などを慰問。1984年には、法務省から北海道樺戸郡月形町にある月形刑務所の篤志面接委員に任命され、日本で初めて刑務所でカラオケ教室を開いた。以降、歌唱指導を通じて、受刑者の更生教育を行うようになった。

「人間は常に塀の上を歩いているんです。僕もそうです。ただ表に落ちるか、塀の中に落ちるかの違いでしかないのです。一日も早い社会復帰を望みます」

 そんな言葉で受刑者に更生を呼びかけ、ひたむきに活動を続ける二美を、筆者もなんとか売り出せないかと奔走した。ツテを頼って、ドキュメンタリー番組『中村敦夫の地球発19時』(TBS系)で二美を取り上げてもらったこともあった。それもあって札幌では一躍、時の人にもなったが、二美はおごることなく、雨の日も豪雪の日も、「受刑者が待っているから」とボランティア活動を続けていた。さらに二美は、ワイドショーの1コーナー「刑務所潜入」のコーディネートを引き受け、受刑者の更生までの道のりを紹介した。

 そうした功績が認められ、二美は2013年に藍綬褒章を受賞した。

 それから5年、昨年9月に筆者は、二美から自分と美喜子さんががんに侵されていることを電話で打ち明けられた。ショックを受ける筆者に、二美は、「吾亦紅」の大ヒットで紅白にも出場した歌手で作曲家の杉本真人氏が、友人とともに『鹿の園』に初来店したことを伝えてきた。杉本氏と筆者は以前からの知り合いだが、その縁で、二美に曲をプレゼントしてくれることを約束して帰って行ったという。二美は、感激しながらそれを報告してきた。

 それから1カ月後に美喜子さんが他界。すでにがんが末期まで進行していた二美も、美喜子さんの後を追うように亡くなった。杉本氏の曲を楽しみにしていただけに、残念でならない。二美仁に改めて合掌。
(文=本多圭)

GACKT、フォロワー数がYOSHIKIと同じことに歓喜!「一緒にするな」とファン激怒……新作映画にも影響が!?

 2月22日に公開される映画『翔んで埼玉』にて、二階堂ふみと共にW主演を務めることで話題となっているGACKT。

 GACKTといえば人気ロックバンド・X JAPANのYOSHIKIと仲が良いことで有名だが、ある発言や行動がYOSHIKIファンから大ブーイングを食らっているという。

 GACKTは2月2日に自身のInstagramを更新したが、その際にフォロワー数がYOSHIKIと並んだことを報告。「YOSHIKIのページを見て何故か不思議な気分に。よく見るとフォロワー数が全く同じ。こんなことにも縁を感じてるボク。YOSHIKIにも教えようっと」というコメントとともに、自身とYOSHIKIのフォロワー数がわかる画像を投稿。ともにフォロワー数は「755K」となっており、75万5千人のフォロワーがいることをアピールしていた。

 この投稿に対し、一部のYOSHIKIファンが激怒。「YOSHIKIは伝説! 一緒にしないで!」「YOSHIKIのフォロワーは、数は納得だけど GACKTのフォロワー数は胡散臭い。金で買ってるんじゃないの?」「何して儲けてるのか、謎な人物とYOSHIKIを同列にしちゃダメだよね」といった辛辣な声が上がっている状況だ。

 また、GACKTがファンを怒らせているのはこの投稿だけではない。2月4日放送の『しゃべくり007』(日本テレビ系)にGACKTが出演した際、一緒に飲みたくない相手としてYOSHIKIの名を挙げ、彼のエピソードをトーク。GACKTはYOSHIKIとの関係を聞かれると「YOSHIKIは仲、良いですね。お兄ちゃんなんで」とニッコリ。しかし、その後にはYOSHIKIの酒乱ぶりを暴露。シャンパンのコルクが開かないことにブチ切れたエピソードや、1日に4~5回「GACKTって最近、彼女いるの?」と聞いてくるなどといった天然な素顔を明かしていたのだった。このトーク内容に、またもYOSHIKIファンが「YOSHIKIをバカにするな!」と激怒しているのだとか。

「YOSHIKIさんはGACKTさん繋がりで、映画『翔んで埼玉』に“館山のアイドル”として出演するのですが、このGACKTさんの一連の行動のせいで『YOSHIKIは観たいけど売上に貢献したくない』と映画館に足を運ぶことに拒否反応を示してしまっているYOSHIKIファンが続出しているとか。映画の成功のためにも、GACKTさんはYOSHIKIさんにもう少しわかりやすく敬意を表したほうが良さそうですね」(映画会社勤務)

 GACKTは果たしてYOSHIKIファンの怒りを鎮めるような行動ができるのか? 今後に要注目だ。 

きゃりーぱみゅぱみゅ誕生会に芸能人が多数参加!“いわく付き”が多すぎてファン驚愕「繋がりが……」 

 今年の1月29日に26歳の誕生日を迎えた歌手のきゃりーぱみゅぱみゅ。友人が多いことで知られる彼女が2月8日、俳優の綾野剛、「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音、ミュージシャンの岡村靖幸、お笑い芸人の小藪一豊、セクシー女優の明日花キララ、『あいのり』(フジテレビ系)に出演していた桃、俳優の神尾楓珠など総勢15名に囲まれた誕生日パーティの写真をInstagramで公開した。きゃりーはバースデーケーキを持って満面の笑顔で中央に写っており、コメントには「ほんとにちあわせ」と投稿。この豪華な友人メンバーにファンからは「メンバーが豪華すぎ!」「めちゃいい写真」「おめでとう!!きゃりーちゃん幸せそう」と祝福の声が上がっている。

 しかし一方で、ネットでは「なんだ、このバラバラなメンツ」「ヤバそうなメンツばっかり」とそのメンバーの曲者ぶりを面白がる声が上がっていた。

「たしかに覚せい剤逮捕歴のある岡村さん、ゲス不倫で世を騒がせた川谷さん、セックスレス離婚を公表した桃さんなど、問題児が集まっているなという印象はありますね。特にファンから疑問視されているのが明日花キララさんですね。『きゃりーさんとどういう繋がり?』と突っ込む声も多いです」(テレビ局勤務)

 明日花キララといえばセクシー女優の中でも人気NO.1と言われており、過去にはHey!Say!JUMPの伊野尾慧とのシンガポール密会を週刊誌にスクープされたことがある人物。きゃりーも元カレであるSEKAI NO OWARIのFukaseと交際していた2015年にNEWSの手越祐也と密会しているところを撮影されたことがあり、明日花とは“ジャニーズのメンバーと密会の過去がある”という共通点があるが……。

「明日花さんといえば有名人との合コンを多数行っていることが噂されており、綾野さんの女性ファンからは『会ってほしくなかった……』と2人の今後の関係に何か起こるかも、といった心配の声も出ています。またきゃりーさんも違う業界の友人関係が多くなることで、本業の歌手活動がおろそかになり、夜遊びばかりに精を出すようになるのでは、と業界から心配の声があがっています」

 全盛期に比べシングルの売上がかなり低迷、『紅白』にも出場できなくなるなど、本業の歌手活動が思わしくない状況のきゃりー。友人を増やすのもいいが、これ以上音楽活動が下火にならないよう、あらためて気を引き締めてもらいたいものだ。

黒人差別ネタで宿敵メイウェザーを意気揚々とディスった50セント、しかしネットでは「痛々しい……」

 年明け早々、大みそかに日本で手に入れたファイトマネーだとおぼしき札束を高級車の座席に置いた動画を披露した、元ボクシング5階級制覇王者フロイド・メイウェザー・ジュニア。実業家としても成功している彼だが、元親友でラッパーの50セントの存在が目の上のたんこぶである。

 2002年に知り会ったフロイドと50セントは、すぐさま意気投合。50セントはフロイドの入場曲を手がけるようになり、07年5月のWBCスーパーウェルター級タイトルマッチでは「Straight To The Bank」をラップしながらリングまでフロイドをエスコート。12年5月のミゲール・コット戦では分厚い札束を持ち、歌手ジャスティン・ビーバーと共にリングまでフロイドをエスコートするなど、試合にたびたび同行し、会場を盛り上げた。

 50セントの公式YouTubeチャンネルでフロイドの家に遊びに行った時の様子を披露するなど、2人の仲は良好だった。12年6月~8月にフロイドが元恋人への家庭内暴力で収監されている間に、50セントはプロボクシングのプロモーターライセンスを取得。さらには複数のプロボクサーと契約して、出所したフロイドと「ザ・マネーチーム(TMT)プロモーションズ」を設立。これから2人はビジネスパートナーとしてタッグを組み、大金を得ていくものとみられていたが、同年11月、50セントは「TMTはおしまいだ」とツイート。「オレのTMTジャケットを欲しい奴がいたら1ドルで売るぜ」「選手はオレのSMSプロモーションズに移籍させる。TMTは金を払わないしな」と決別し、以来、「フロイドはオレに200万ドル(約2億2,000万円)の借りがある」と主張するようになった。

 17年にフロイドの脱税疑惑が浮上した際には、50セントは“税金を払いたくないフロイドが金を隠している”とインスタグラムで侮辱。昨年大みそかの日本での試合も「有料放送だって? YouTubeで十分だろ」「引退したくせに、金のためならノコノコ出てくるのかよ」と揶揄するなど、事あるごとにフロイドに突っかかっている。

 これまで散々ディスられてきたフロイドは、昨年7月インスタグラムで「(50セントは)血を分けた息子からも嫌われ、長い間ヒット曲もないし、レーべルからは切られるし」と反撃。その後、米カルチャーサイト「Complex」のインタビューで、「オレが刑務所にいる間、50セントは、当時オレの取り巻きだったトミー・サマーズという男にそそのかされてボクシングビジネスに手を出した。そして(フロイドの敏腕マネジャーである)アル・ヘイモンを追放しようと企てたんだ」「オレは友人のままでいたいと話したのに」と経緯を説明。「詳しくは話せない」としたが、トミーの策略に金儲け好きな50セントが便乗したことで、仲たがいしたと示唆した。

 このように、友人の成功に便乗して大金を稼ごうとした男だとバラされた50セントが、2月13日、性懲りもなくまたフロイドをディスり、ネット上を騒然とさせている。

 今回の発端は、フロイドがイタリアの高級ブランド「グッチ」で大量買いしたこと。グッチは先日、顔下半分まで隠せる黒いタートルネックのセーターを販売。口の部分は、分厚い唇のように赤く縁取って開いており、これが黒人の身体的特徴を侮辱していると物議を醸した。批判を受けたグッチは公式SNSで謝罪し、問題のセーターを販売中止にしたが、T.I.やスパイク・リーなど大物黒人セレブたちは「黒い顔と赤い唇が特徴的な猿のモチーフで黒人差別したプラダに続き、グッチもか!」と大激怒。プラダやグッチの不買運動を繰り広げる騒ぎとなっている。

 そんな中、12日、米ニュースサイト「TMZ」が、フロイドがグッチで買い物する姿を報道。大好きなグッチの店に入ろうとした瞬間、「TMZ」のレポーターから「物議を醸したブランドなのに、サポートするんですか?」と質問されたフロイドは、真顔で「物議ってなに?」と逆質問。「知っていると思いますけど、例の黒人差別デザインのことですよ。大物アーティストが次々とグッチをボイコットしているんですけど……」という説明をポカーンと口を開けて聞き、「オレは誰も非難なんかしない。みんなのサポートはする。オレは自分の好きなように生きて、やりたいようにやる。誰かのフォロワーでもなければ、好きなことをやるだけ。“これ着るな、あれ着るな”と言われても、オレは自分が好きなものを着るのさ」と大手を振って入店。

 しばらくたってから、取り巻きに大量の紙袋を持たせて上機嫌でグッチから出てきたフロイドに、レポーターが「そんなにたくさんのグッチの買い物袋を持って。心配じゃないんですか、世間からの反発とか」と心配すると、“またそれかよ”と言わんばかりの表情になり、「オレはただ、人からうらやましがられるような生活を送ってるだけだ」と言い放つ。「T.I.やソウルジャ・ボーイは『グッチに見切りをつけた』って言っていますが」という質問に対して、「だから、オレは誰もフォローしないっつってんだろ!」「みんなで『ボイコット、ボイコット』って言ってる間に、オレは(高級)ヨットをゲットしてさ、みんながうらやむ生活をするんだよ」と回答。

 それでもしつこく「黒人差別が……」と食らいついてくるレポーターに、「みんなさ、人種差別はいまだに存在するって知ってるわけ。でも人種差別があるからって、オレのやる気がそがれることもないわけ。オレにはあらゆる職業のダチがいるんだけど、もちろん最重要なのはブラック・ライヴズ・マター(※黒人差別撤廃運動を指すが、ここでは「黒人差別のない、黒人が安心して暮らせる社会」)なわけ。でもオレはこれまでと変わらず自分の好きなように人生を謳歌し、ハッピーで、ポジティブでいようと思うわけ」と真顔で説明。「ソーシャル・メディアで“これ着るな、あれ着るな”と言う人たちの半分は、ザ・マネーチームをサポートしてくれないわけよ」と、最後はさりげなく自分のブランド「ザ・マネーチーム」を宣伝していた。

 そして、これを見た50セントが翌13日から、この件に関するフロイドへの批判をインスタグラムで展開。一連の投稿の締めとして、「フロイドの顔下半分と首を黒く塗りつぶし、唇の外を真っ赤に塗ったくった」画像に「ここからうせろよ、チャンプ!」と罵倒メッセージを添えて投稿したのだ。

 15年のマニー・パッキャオとの“世紀の対戦”に際しては、「勝者フロイドに160万ドル(約1億7,700万円)を賭ける」と言っていた50セントだが、前述のように仲たがいしてからは、なにかにつけてフロイドを攻撃。昨年フロイドに反撃された直後も、「(ろくに読み書きできない)フロイドがゴーストライターに清書させる前の下書き」というスペルミスだらけの文章をインスタグラムに投稿。DVネタもネチネチと言い続け、「見ていても痛々しい」「力でも金でもフロイドに勝てるわけないのに」と失笑されていた。

 黒人差別ネタで鬼の首を取ったかのようにフロイドを攻撃した50セントだが、ネットでは「50セントは本当にガキ」「こんなことするの50セントだけだよ」「フロイドも金ゲバだけど、彼の言い分の方がまだ納得できる」と、50セントをけなす声が殺到。今回も軍配はフロイド側に上がったようだ。

高畑充希『メゾン・ド・ポリス』「Lemon」的結末に視聴者涙も、不要な笑いがストーリーの邪魔に!?

 これまで視聴率2ケタを維持していた高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)ですが、8日放送の第5話は、前回から0.6ポイントダウンして9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、1ケタ台に転落してしまいました。視聴者からは「泣けた」という声もあったようですが、いったい何が原因だったのか……。

 今週もあらすじから振り返っていきたいと思います!

(前回までのレビューはこちらから)

■『メゾポリ』始まって以来の最も悲しい事件です

 ひより(高畑)と伊達さん(近藤正臣)が元警察犬の飼い犬・バロンの散歩中に出会ったおばあちゃん・金森春子(島かおり)。「人を殺しました」とうつろな顔の春子さんは、認知症を患っていました。連絡を受け迎えにやってきた金森金属工業の社長・丸山(大谷亮介)ら3人の従業員とともに、春子さんは無事家に帰っていくのですが、春子さんの「男の人を階段から……落としました」という発言と、何かを隠しているっぽい丸山らのようすが気になったひよりは、2週間前に起きた金森金属工業と取引のある会社の営業マン・三崎聡(亀田佳明)の死亡事故と何か関係があるのではと、メゾンのおじさんたちに捜査協力を依頼。「チームひよこ」が始動します。

 捜査の結果、丸山ら金森金属工業の従業員たちは元前科者で、更生活動に力を入れていた春子さんの夫でもある先代の社長に雇われてから家族同然に共同生活を送っていることや、春子さんの娘・翔子が、30年前に起きた連続幼女誘拐事件の犠牲者だったことが判明。

 ひよりたちは誘拐事件の犯人である三崎を春子さんが階段から突き落としたのではないかと捜査を進めますが、実際は、納期をめぐって言い合いになった拍子に丸山が三崎を突き落とし、それを隠すために丸山たちは三崎の遺体を歩道橋まで運び、事故死に偽装したというのです。

 今回の事件が“悲しかった”ワケは、はここから。実は、金森金属工業にはもう1人、安達高史(奥田洋平)という従業員がいました。この安達こそが、連続幼女誘拐事件の犯人だったのです。3年前、相変わらず小さい女の子に悪さをはたらく安達を偶然街で見つけた春子さんは、安達を階段から突き落とします。一命を取り留めたものの記憶喪失となった安達を、春子さんは従業員として雇い、記憶が戻ることを待ちながら、復讐するタイミングをずっとうかがっていました。

 しかし、安達の記憶喪失は全くの嘘。同級生だった三崎に金をゆすられていた安達は、三崎を殺害。三崎を階段から突き落とし、事故死に見せかけたのも安達です。

 その一部始終を見ていた春子さんは、娘の復讐のため、娘がされたように、安達を生き埋めにして殺害。春子さんの自白通り、山の中からは安達の遺体が見つかります。丸山たちは春子のしたことに気づき、春子さんをかばうために嘘の証言をしていた——というのが、今回の事件のあらましです。

■「Lemon」的結末

 娘を失ったショックで夫も早くに亡くなり、地獄のような日々を過ごしていた春子さん。でも、安達と暮らすようになってから、「復讐」という希望が見えたそうです。でも、認知症を患ったことで記憶が曖昧になってきてしまった。

「安達が思い出すより先に、私が忘れてしまうかもしれない」

 なんて切ないんでしょう。これまでこのドラマに登場した犯人は、サイコパスだったり、不倫がバレたとか、金をゆすられたからとかなんとかで簡単に人を殺しすぎている感があったのですが、春子さんの境遇からみるに、今回ばかりは思わず同情してしまう犯行動機でした。

 また、ラストで釈放された丸山たちが、警察に捕まったであろう春子さんが震える手で書いた「いっぱいおかわりしてね」という手紙と、鍋いっぱいの作り置きのカレーに、「母さん……」と涙をにじませるシーンは、最低限の説明とセリフの中に、血の繋がらない親子の愛情を感じられるまさに“泣きどころ”だったように思います。

 視聴者たちの中には、「今日のメゾポリLemon案件やろ」「見ていてとてもつらい回でした……最後にLemon流して欲しかった」「WANIMAじゃなくLemonなら泣いてる」と、同局ドラマ『アンナチュラル』の主題歌で大ヒットした米津玄師の「Lemon」が脳内再生される人もいたようす。

 まさに、「夢ならば~ど~れほど~良かったでしょう……」という悲しい事件でした。

 

■春子さんの“体力”に視聴者から総ツッコミ

 そんな“お涙頂戴”的なストーリーに思わず目頭が熱くはなったものの、疑問なのが、「春子さんがたった1人で安達を生き埋めにできたのか?」ということです。視聴者からも、「ちょっと無理あるやろ」「おばあさん1人でできるもんなのかな?」とツッコミが殺到。

 元科捜研の藤堂さん(野口五郎)は前半で、春子さんが歩道橋の上から三崎をつき落としたと推理するひよりに、「春子さんの力じゃ無理」「男性の力が必要」と断言していましたし、調子が悪いときは一人で歩くのもやっとだった春子さんが、安達を襲い、車に乗せ、穴を掘り……と考えると、どうしても無理やり感があるように思えてきます。

 まぁ、春子さんは安達に復讐することだけを楽しみに生きてこられたので、ここぞとばかりの馬鹿力が出たのかもしれませんが、それにしてもお粗末すぎる気が……。 

 コメディ要素が強い本作ですが、一応は刑事ドラマなのに、事件に関する諸々が雑すぎるのってはアリなんでしょうかねぇ。

 

■“コメディ”と“シリアス”のどっちつかずが弊害を生む

 今話には、三崎の遺体発見現場にひよりが寝転んだシーンで、

夏目さん「被害者の気持ちになれるだろ」

ひより「雪平かよ」

 というセリフがありました。この「雪平」とは、『アンフェア』シリーズ(フジテレビ系)で篠原涼子が演じた女刑事のこと。捜査を行う際、死体のあった位置に横たわり、「きらきら星」の鼻歌を歌いながら、被害者が最後に見た風景を見ることが、雪平のルーティーンでした。

 これまでにも、「『ストロベリーナイト』? 竹内結子?」「『沙粧妙子 -最後の事件-』。(浅野)温子のほうです」というセリフが出てきたり、『花より男子』シリーズの小栗旬を思わせる杉岡さん(西田尚美)の「まーっきの!」などなど、さまざまな作品に関するネタが散りばめられてきました。制作側のこだわりが感じられ、見ていて楽しいシーンではあるのですが、“ネタ感”があからさますぎて、今回のような重いストーリーには少々邪魔になっているようにも感じました。

 メタネタ以外にも、悲しい結末を迎えた事件の後に、「スナック完落ち」でひよりが楽しそうに餃子パーティーに参加していたことにはちょっと違和感があったし、手紙とカレーの感動的な余韻をもう少し残してもいいんじゃないかなというのが個人的な感想です。

 シリアスになりすぎない……というのがこの作品の良さだとは思います。でも、悪く言えば、“コメディ”と“シリアス”のどっちつかず。中途半端な構成が、視聴者をモヤモヤっとさせてしまって、それが視聴率ダウンにつながっているような気がしました。

 とはいえ、メゾンのおじさんたちのワチャワチャ感はもっと見ていたいんですけど!

 

■次回は高平回!

 今夜放送の第6話は、みんな大好き(?)小日向文世さん演じる高平さん回! メゾンの中でも一際明るくてムードメーカー的存在なキャラクターだけに、100%コメディに振り切れば、5話とのギャップも生まれるし、楽しいお話になると思うんですが、そんな単純にはいかないんでしょうね……。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

長野県で天皇陛下に出会う話『アホウドリの人生不案内』

「アホウドリ」を自称して、あちこちの妙な人を訪ねることに人生の多くの時間を費やしたルポライター・阿奈井文彦。76年の生涯の中で、けっこうな数の本を上梓しているが、自称である「アホウドリ」を冠したタイトルの本が多いあたり、けっこう自分のやりたいことだけをやりまくった人生といえるだろう。

 その中の一冊である『アホウドリの人生不案内』(百人社)。おそらく、ここで取材した相手のほとんどは、すでにこの世の人ではなかろう。中には、取材して雑誌の記事にした頃には意気揚々だったが、単行本に収録するにあたって連絡を取ると亡くなっていたという人もいる。

 ともあれ「アホウドリ」の中に、どういった興味が湧いたのか。心惹かれるままに、日本列島あちこちの市井の人々へと取材の記録は綴られていく。かれこれ20年も前から自分の葬式の準備をしっかりと整えているという熊本の老人。この道ウン十年のタクシー運転手。はたまた、長嶋茂雄やら山口百恵やらと、たまたま有名人と同姓同名だった人を訪ねて、その人の人生を聞く。あちこち、妙な人を訪ね回って「アホウドリ」は、時には天皇陛下にも出会う。

「アホウドリ」が天皇陛下に出会ったのは、長野県は上田市の郊外。最寄り駅は下之郷駅とあるから別所線の沿線である。そこには確かに平屋の“皇居”があった。出会った天皇陛下は、御年32歳。無遅刻無欠勤で上田市内の印刷会社へと通っている。

 いやいや、正気を失ったかと思えば違う。陛下が語るのは祖父からの教え。明治天皇の皇子であった祖父は、暗殺を避けて平民となり、この地に至ったというのである。

 世を忍ぶ仮の姿で、毎日印刷機を回している陛下。「アホウドリ」は、そんな人となりを、懇切丁寧に綴っていく。批判もなければ、称讃もなく。ただ、丁寧に。ともすれば「どうでもいいや」の一言で終わる話は、その精緻な文体によって、温かみを得る。

 単に個人の面白さをネタにするのではない。市井の人々への真摯な視線が、そこにはある。
(文=昼間たかし)

『メゾン・ド・ポリス』認知症の老人による殺人事件に「無理がある脚本」とツッコミ続出

 高畑充希主演の刑事ドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)の第6話が、2月15日夜10時から放送される。視聴率は第1話12.7%、第2話12.4%、第3話10.7%、第4話10.2%と2ケタを保っていたが、第5話で9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)まで下落した。

 同ドラマは、元警察官が共同生活を送る洋館、通称「メゾン・ド・ポリス」の物語。新人刑事の牧野ひより(高畑)は、メゾンに住む個性豊かな“おじさま”5人と様々な事件を解決していく。

 第5話では、「人を殺した」と自白する認知症の老人・金森春子(島かおり)が登場。誰をいつ殺したのか、本当に殺したのかもはっきりしないため、メゾン一丸となって捜査を始めることに。春子が現在暮らしているのは、亡き夫が創業した「金森金属工業」の社員寮。近くの歩道橋で、工場とも契約を結んでいる精密機器メーカーの営業員・三崎聡(亀田佳明)が転落死していたため、メゾンのメンバーは春子が犯人ではないかと推理するが、三崎を殺したのは納期トラブルで揉めていたほかの従業員だった。

 春子の娘は、30年前に起きた連続幼女誘拐事件の犠牲者。元警察幹部の伊達有嗣(近藤正臣)が当時の捜査資料を調べると、誘拐事件の犯人が金属工場の元従業員・安達高史(奥田洋平)だと発覚する。春子は娘の仇を打つために安達を階段から突き落とすが、安達は記憶喪失の状態で生還。記憶を取り戻したら再び復讐しようと考えて、自分の近くで生活させていた。

 しかし安達の記憶喪失が嘘だとわかり、春子は即座に復讐を実行。気絶させた安達を拘束し、娘が殺された時と同じように生き埋めにしてしまう。春子はひよりと夏目惣一郎(西島秀俊)に全てを打ち明け、夏目は自白通りの場所で安達の死体を掘り当てる。その瞬間を見届けた春子は、「もう大丈夫ね」「ありがとう、牧野さん」とつぶやいて意識を失った。

「春子の認知症は徐々に進行しているものの、日によっては意識がはっきりしていることもある様子。安達の殺害もそんな夜に起きた出来事だったのですが、視聴者からは『老人に男性1人を埋める力があるとは思えない』『途中まで共犯者がいるのかと思ってた』『認知症の表現といい犯行手口といい、脚本に無理があるような……』とツッコミの声が相次いでいます」(芸能ライター)

 第6話では、メゾンの管理人・高平厚彦(小日向文世)の娘である小梅(水谷果穂)が登場。小梅はメゾンのメンバーを高平の元部下だと思い込んでおり、ひよりも高平に憧れていることになっていた。ひよりは高平の見栄に怒りを覚えつつも、小梅の彼氏が巻き込まれた盗難事件の概要を聞くことに。ひよりは事件を捜査しながら、高平を伝説の元刑事に仕立て上げるための工作に奔走する。

「高平は元警務課の人間で、メゾンの中で唯一現場経験がない警察。これまでの事件でも留守番をしていることが多かったため、『やっと高平さんにスポットが当たるのか』『メゾンの癒やし・高平さんの活躍が楽しみ』『頑張れ高平さん!』と期待の声が続出しました」(同)

 父の威厳を保つため、娘の前ではカッコつけている様子の高平。果たして事件を解決できるのか、次週も目が離せない展開になりそうだ。

剛力彩芽のZOZO面接否定も、オスカーは「破局はしていない、恋愛は自由」

衣料品通販「ZOZO」の前澤友作社長が「本業に専念するため」としてツイッターの休止を宣言して以降、女優・剛力彩芽との破局説が浮上していたが、現在も二人の交際は継続しているようだ。「週刊新潮」2019年2月20日号(新潮社)では、株式会社ZOZOの採用最終面接に剛力彩芽が面接官側として参加していたと報じた。「週刊新潮」には、採用試験を受けた人の“証言”が掲載されている。

<面接の席には、前澤社長の傍らに剛力ちゃんもいたんです。彼女は質問というより、いかに、前澤さんがすごい人かを力説しているだけでしたが>

ZOZOの広報は剛力彩芽の面接官報道を「事実無根」と否定
 剛力彩芽が前澤友作氏の職場に足を踏み入れたという報道は以前もあった。「女性自身」(光文社)によれば、前澤氏が主催する大規模な忘年会に剛力が参加し、関係者に挨拶として手作りクッキーを配ったり、前澤氏とのデュエット曲を披露していたという。前澤氏は以前、紗栄子と交際していた時も、会社のイベントに彼女同伴で表れており、パートナーを職場の仲間に紹介するのは当たり前のことと捉えているようだ。

 しかし採用面接に仕事上のパートナーではないはずの恋人を同伴する社長というのは前代未聞。剛力彩芽が本当に面接官として参加していたとすれば、採用試験の受験者にとっても、ZOZOの社員にとっても納得できることではないだろう。

 なおZOZO広報は15日、「ハフポスト日本版」の取材で「週刊新潮」の報道に関して「事実無根の内容です」「社外の人間が面接官を務めることはありません」と全面的に否定している。

 剛力彩芽の所属事務所であるオスカープロモーションの関係者は、編集部の取材に「忘年会に剛力が参加したことは事実だが、採用面接に面接官として参加したことは把握していない。さすがにそこまであちらの会社に踏み込むことはないのではないか。ZOZO側としても常識的に考えて剛力に採用面接をさせるわけがない」と回答している。

オスカーは剛力彩芽を「自由にさせている」
 また、剛力の“奔放恋愛”に事務所幹部が頭を抱えている……との報道も頻発したが、オスカーとしては、すでに20代後半のいい大人である剛力彩芽のプライベートに関与するつもりはないようだ。

 「前澤友作氏と破局したという報告は受けていません。さすがに別れたら報告があるはずなので、現在も交際は続いていると思います。ただ、剛力のプライベートは恋愛含め自由にさせているので、会社として具体的に交際状況を把握してはいません」(オスカープロモーション関係者)

 一方で剛力彩芽はファンクラブを閉鎖し、長年出演していた「ランチパック」のCM降板など、芸能活動を縮小しているように見える。今月15日には、シーズン2で剛力がヒロインを演じたTOKIO松岡昌宏主演のドラマ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)のシーズン3の放送が発表されたが、出演者に剛力の名前はなかった。前出オスカー関係者によると、シーズン3に剛力が出演する予定はなく、今後追加キャストとして発表されることもないという。

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SMAP解散に主演映画延期……何があっても実力で生き残り続ける草なぎ剛

 先日俳優の新井浩文が強制性交の疑いで逮捕され、業界内でも波紋が広がっている模様。元SMAPの草なぎ剛も騒動の影響を受けた1人で、主演映画『台風家族』の公開延期にファンからは同情の声が寄せられている。

 2月1日に同映画の配給元である「キノフィルムズ‏」は、公式Twitterで「映画『台風家族』出演の新井浩文さんの逮捕報道を受け、2019年に予定しておりました同映画の公開を延期することと致しました」と発表。また「事件の経過を見ながら今後の対応を決めて参ります。公開を楽しみにしてくださっていた皆様、申し訳ございませんが、お待ち頂きたくお願い申し上げます」とも告知していた。

 そんな中で草なぎは、「しばらく時間はかかりますが、もう一度、スタッフキャストが気持ちを揃えて前に進んでいきましょう。この作品を応援してくれている皆さん本当に申し訳ありません。そして今後もよろしくお願いします」とツイート。本当に放映されるのかどうかもわからない状況だが、前向きな思いを綴っている。

「SMAPの解散から始まり、何かと逆風を受け続けている印象の草なぎ。地上波の番組に出られない彼にとって、俳優業はまさに“生命線”と言えるでしょう。しかし今回は大事な主演映画に思わぬ形でケチがつき、ネット上では『さすがにこれは可哀そう』『剛くんは全く関係ない事件なのに、新井容疑者のせいでこんなことになるなんて』『本気で映画に尽力してきたと思うし、このまま公開中止とかになったらあまりにも浮かばれない』といった声が。今後の続報に注目が集まっています」(芸能ライター)

 せっかくの主演映画が危機的状況を迎えている草なぎだが、俳優としては少しずつ前に進んでいる様子。今年5月には『家族のはなし PART I』という舞台に出演し、初めて“犬役”に挑戦する。

「元々彼の演技の幅には定評があり、ヤクザからシングルファーザーまで様々な役を演じてきました。今回の舞台では犬を演じるとあって、ファンからは『さすが実力派!』『本当に色んな役を演じるな』『役者としての草なぎ剛は本当にすごい』といった声が。草なぎ自身も『どのようなものになるか自分自身でもワクワクしています!』と語っており、意気込みは十分のようです」(同)

 俳優として新境地を切り開き続ける草なぎ。地上波の番組に出演できなくても、実力で活躍の場を広げてくれるだろう。

もはや新興宗教アタル教の世界!!  野波麻帆が女の悩みを爆発させた『ハケン占い師アタル』第5話

 若手演技派・杉咲花が、占いパワーでサラリーマンたちの悩みをいっきに解決する『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)。高視聴率ドラマ『女王の教室』『家政婦のミタ』(日本テレビ系)などで知られるベテラン脚本家・遊川和彦の筆さばきも快調で、初回から視聴率二ケタを連続キープしています。野波麻帆がメインとなった第5話を振り返ってみましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 深夜ドラマ版『モテキ』(テレビ東京系)では大根仁監督のアテ書き脚本のお陰で土井亜紀役を好演した野波麻帆ですが、それ以外ではパッと代表作が思い浮かびません。美人だし、演技力もあるのですが、潜在能力を存分に発揮できていない印象があります。そんな野波が演じる田端も、仕事はできるけれど、社内での評価は高くありません。田端たちの勤めるイベント会社に派遣社員として現われたアタル(杉咲花)の占いによって、社内評価の低い女・田端はどう変わるのでしょうか?

 2月14日のオンエアということで、第5話は“バレンタイン”をモチーフに、働く女性たちの悩みが描かれます。いつも残業することなく、定時できっちり退社する田端にとって、仕事に直接関係のない社内の煩わしい人間関係は面倒で仕方ありません。そんなとき、職場の後輩である神田(志田未来)から「どうします、バレンタイン? 男性は喜びますし……」と尋ねられます。「そういうのは止めようと、去年話したよね」と職場の男性社員たちに義理チョコを用意することをきっぱりと拒否する田端でした。

 義理チョコの件に加え、社内の広報誌の取材も受けるよう上司の代々木部長(及川光博)から頼まれ、田端はついつい不満顔になってしまいます。田端がいつもプリプリしているのには理由がありました。田端が高校生のときに母親が病気で亡くなり、それ以来ままならない人生を彼女は歩んできました。父親は勤めていた会社を早期退職し、弟は就活に失敗してニート状態。田端が家計を支え、家事までしなくてはならなかったのです。余計な仕事はやりたくないという気持ちはすごく分かります。

 

■福士蒼汰似のさわやかなイケメン登場!

 そんな田端にとっての唯一の安らぎタイムは、会社帰りに立ち寄るカフェでした。ここのカフェの男性店員(五十嵐健人)は福士蒼汰似のさわやかなイケメンくんです。年下の彼から「お疲れさまです」とカフェラテを渡される瞬間に、癒やしを感じる田端でした。職場や家族の前ではクールな田端にも、乙女チックな一面があったのです。

 イケメンのカフェ店員を心の支えにしていた田端ですが、同じ大学出身の代々木部長から強引に誘われた大学のOB会で溜め込んでいた怒りが爆発します。クライアントの製菓会社の社長もOB会に出席していたのですが、「スタイルがいいんだから、もっと色っぽい服を着たら」など無神経なセクハラ発言を浴びせられたのです。

「いい加減にしろ、どいつもこいつも! いい年齢して、同じ大学出身だからって集まって。仕事に必要なのは学歴じゃなくて、スキルだろ!?」

 田端の主張はもっともなのですが、学閥やら普段の付き合いが幅を利かせる日本のサラリーマン社会では、ヒステリックな女性に見られてしまう不憫な田端でした。

 

■バレンタインなんて反吐が出る

 大学OB会で恥をかかされたと代々木部長はプンプンです。田端本人ではなく、大崎課長(板谷由夏)に文句を言い、バレンタインイベントから田端は外されてしまいます。「バレンタインイベントなんて、反吐が出る」と憎まれ口を叩く田端ですが、残念なことが続きます。イケメンのカフェ店員がこの日限りでバイトを辞めるとのこと。その場に居合わせたアタルから「告白したら、どうですか?」と囁かれる田端ですが、自分の心に正直になれない田端でした。ますますストレスを溜め込んでしまいます。

 あまりに田端がギスギスしていることから、普段は周囲に気を遣うタイプではない体育会系の先輩・上野(小澤征悦)から「なぁ、田端。アタルに占ってもらったらどうだ? お前の悩みを解決してくれるぞ」と声を掛けられます。上野からの意外な言葉でしたが、やはり田端は素直になれません。実は田端がいつも鍵を掛けていたデスクの引き出しの中は、占いや改名などスピリチュアル系の本でいっぱいでした。おかしなセミナーに通ったり、パワースポットも巡ったそうですが、まったくご利益はなかったようです。

「もう疲れた、幸せを探すの……」

 田端が漏らした言葉を聞いたアタルが、やはり鑑定することになります。田端からの質問はひとつだけ。「なんで、私は幸せになれないの?」という切実な悩みでした。

■「世の中は不公平」と思う人を救うアタルの金言

 今回のアタルの回答は、多くの人に当てはまるものでした。アタルは田端の記憶を遡っていきます。田端の人生のターニングポイントは、母親を病気で失った高校時代でした。病弱だった母親を支えるために、田端はしっかりした性格になり、また医者を目指して医学部受験を考えていました。ですが、母親が亡くなったショックで父親は働かなくなり、医学部受験は諦めてしまったのです。以来、田端は恋をする暇もなく、家事と家計をひとりで背負ってきたのでした。

 過去の記憶の世界で、田端は入院中の母親と再会を果たします。母親は高校時代の田端の手を握って「ママは充分幸せよ。自分で選んだ人生だし、好きなものにいっぱい出逢えたもの」と笑顔で語ります。母親は病気になった我が身を嘆くことなく、夫や子どもたちに出逢えたことに感謝していたのでした。自分は恵まれない不幸な人生を歩んでいるとずっと思い込んでいた田端ですが、母親の手の温かさを思い出し、急に背中が軽くなったような感覚を覚えます。

「全部、お母さんが教えてくれてたじゃない。幸せは周りと比べてもしようがない。世の中は不公平なのが当たり前。みんな、平等に不公平なんだよ。自分の運命を呪っても意味がない。幸せは待っているものじゃない、自分で創るものなんだよ」

 アタルはそんな言葉を投げ掛けることで、田端が自分自身に向けていた長年の呪いを解消してみせるのでした。アタルに鑑定してもらった田端がバレンタインのイベント会場に駆け付けると、告白タイムの真っ最中でした。イケメンのカフェ店員に想いを伝えることはできなかった田端ですが、意外なサプライズが会場で待っていました。田端にチョコを渡したいという人物が現われたのです。

 チョコを持って現われたのは、後輩の神田でした。「いつも残業することなく、自分の姿勢を貫く先輩の姿に励まされています」とチョコと共に感謝の気持ちを伝える神田でした。神田からのチョコを受け取らずに走り去った田端ですが、それはきっと号泣してしまいそうで、恥ずかしかったからに違いありません。

 神田たちがイベントを終えて職場に戻ってくると、いつもは定時で退社する田端がホットチョコの差し入れを持って待っていました。「こんな素敵な仕事をしていることに初めて気づいた。私に悪い点があったら言って」という田端。目黒(間宮祥太朗)から「たまには笑ってください」と言われ、半笑い顔を不器用そうに浮かべます。このときの野波麻帆は、サイコーにチャーミングでした。

 

■みんな瞳をキラキラさせ始めたことが逆に不気味……

 アタルの「自分の人生を呪っても意味がない」という言葉をきっかけに、田端はぐんと変わります。またアタルの言葉は、田端だけでなく、田端の父親と弟も救うことになります。田端は母親代わりになることを止めたので、田端に依存しきっていた父親と弟は否応なく自立せざるを得なくなったのです。共依存で共倒れしてしまう前に解決の糸口を見つけることができて、本当によかったなと思います。言葉を操ることを生業としている脚本家・遊川和彦にとっても、会心の回だったのではないでしょうか。

 もはや新興宗教アタル教と呼びたくなる世界です。大崎課長を除く社員全員が、アタルの鑑定を受けてからすっかり別人のようになってしまいました。以前はバラバラだった職場が、みんなお節介好きで、仕事も大好きなポジティブ人間ばかりに変わってしまいました。覇気のなかった品川(志尊淳)も、今では瞳をキラキラと輝かせています。パッと見は明るくなった職場ですが、みんなアタルに心の中を見抜かれ、アタルには頭が上がらない状況とも言えます。

 アタル自身がこの占いパワーが怖くなって、キズナ(若村麻由美)のもとから逃げ出したようです。アタルの派遣先は小さなイベント会社ですが、これがもしテレビ局や政治団体といった社会に影響を与える組織だったらとんでもない事態になってしまうのではないでしょうか。アタルの力を悪用しようとする人物が現われるに違いありません。神田はあまりペラペラとアタルの秘密をしゃべらないほうがいいと思います。

 野波麻帆が働く女性たちの気持ちをすっきりと代弁した第5話の視聴率は、前週と同じく10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。これで初回の12.1%を皮切りに、5週連続で視聴率二ケタを記録しました。次週の第6話は、いつも会社の上層部と現場との板挟みになっている大崎課長がメインになるようです。またシリーズ後半戦からは、キズナも物語に絡み始めると思われます。みんなの悩みを無償で解決してきたアタルですが、アタルの悩みはいったい誰が解いてくれるのでしょうか。気になるところです。
(文=長野辰次)