昨年大みそかに放送された『第69回NHK紅白歌合戦』は前半(午後7時15分~8時55分)が37.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、後半(9時~11時45分)が41.5%の視聴率をマーク。サザンオールスターズや、シンガーソングライター・米津玄師らを投入した成果が出て、いずれの時間帯でも前年を上回り、NHKは面目を保った。
対する民放では、日本テレビ系『ガキの使い!大晦日年越しSP!絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時』が第1部(午後6時30分~)で14.3%、第2部(9時~深夜0時30分)で12.8%を記録して、9年連続で『紅白』裏の民放トップを守った。
そんな中、『紅白』裏の大みそか特番で、よもやの“民放ビリ”となったのが、テレビ朝日系『よゐこの無人島0円生活SP』だった。同番組は第1部(午後6時~)が6.7%、第2部(7時~)が6.2%、第3部(9時~)が5.0%、第4部(11時45分~深夜0時30分)が5.9%しか取れなかった。
『紅白』とバッティングした時間帯では、第2部の6.2%が最高。『ガキ使』と比べると、ダブルスコア以上の大差がついてしまった。この惨敗を予想した人がどれほどいただろうか?
『無人島0円生活』は、2004年7月に『いきなり!黄金生活。』内でスタートした長寿番組。特番ながら、毎回高視聴率をマークし続けてきた人気番組だ。前回放送(17年12月29日)では、よゐこと破天荒ディレクター・ナスD(友寄隆英)の全面対決で11.4%を獲得。07年には大みそかのゴールデン帯に初進出し、11.8%を記録した実績もあるだけに、「『ガキ使』にどこまで迫れるか?」と注目を集めていた。それなのに、この予想外の大爆死の要因は何だったのだろうか?
「ハッキリいって、その敗因はナスDの出演時間が極めて短かったことと、吉田沙保里が数字を持っていなかったことでしょうね。濱口優と昨年5月に結婚した南明奈のインタビューもオンエアされましたが、別番組でやるならともかく、この番組の趣旨とは違うものになり、視聴者が求めたものではなくなって、その間にチャンネルを替えた人も多かったのでは?」(テレビ誌関係者)
一昨年、『陸海空 地球征服するなんて』でのアマゾン部族への破天荒な潜入取材で大ブレークしたナスDは、同年末放送の『無人島0円生活』でも、破天荒ぶりを存分に発揮し、番組を席巻。昨年大みそか放送回でも、ナスDの無人島生活に注目が集まったものだ。
ナスDは崖がそびえ立つ無人島からサメを釣り上げるという企画に挑んだが、最初はなかなかサメが寄ってこず、その出演シーンは大幅にカットされた。最終的に仕掛けにかかったサメを潜って捕獲するという荒技を見せたが、その出演時間は短く、視聴者の溜飲を下げることはできなかった。
また、“霊長類最強の女”吉田は無人島での野宿生活でも奮闘したが、それで数字が取れるほど甘いものではなかったようだ。ましてや、吉田とタッグを組んだブリリアンの2人がまるで役に立たず、このチームの出演シーンで、番組は盛り上がらず。
かくして、本来は人気番組なのに、大みそかに大惨敗を喫してしまった『無人島0円生活』。その責任の一端が吉田にあるのであれば、彼女の今後の芸能活動に暗雲が立ち込めてしまいかねない。10日、記者会見を開いた吉田はレスリング選手を引退することを正式に発表。今後の活動について、「キャスターより、バラエティの方が向いている」として、バラエティへの本格進出に意欲を見せた。
しかし、テレビ業界もそんなに甘くはないだろう。現役中は、“五輪金メダリスト”“国民栄誉賞受賞者”の金看板が生かせても、引退したら“一タレント”にすぎない。おもしろがってもらえるうちはいいが、「吉田では数字が取れない」と判断されれば、どんなにすぐれたアスリートでも、バラエティ界では生き残れないだろう。
(文=田中七男)
