2019年はどうなる? 個人情報も売り渡し……練馬区の図書館ストライキで問題になった民間委託の知られざる弊害

 昨年、練馬区の図書館ストライキ騒動で注目を集めた図書館の民間委託の問題。存外に経費がかかることや、職員の低賃金など、さまざまな問題が噴出した。

 とりわけ危惧されているのは利用者の貸し出し履歴などの個人情報が漏れる危険性だ。

 従来、図書館関係者らは、利用者のプライバシーには強く注意を払ってきた。かつてアニメ映画『耳をすませば』が上映された時には、天沢が雫の気を引くために図書(貸出)カードを利用しているシーンに抗議も行っている。それも過剰なことかと思いきや、現実にそうしたストーカー行為をする者もいたようで、現在では貸出カードは、ほぼ廃止されている。

 日本図書館協会が「図書館の自由に関する宣言」を定めて捜査機関への個人情報の提供に慎重さを求めているのも、よく知られるところだ。

 ところが、昨年11月。北海道の苫小牧市立中央図書館が、警察の照会を受けて特定人物の図書の貸し出しや予約状況についての履歴情報を提供していたことが明らかになった。報道によれば、図書館を所轄する市の教育委員会は警察からの要請を受け図書館に指示。そのまま提供したとされている。

 これも民間委託の弊害だと、事情を知る図書館関係者は語る。

「苫小牧市立中央図書館は TRC(株式会社図書館流通センター)に委託されています。TRCなんで、当然図書館の原則は知っているでしょうが、業務委託という関係性から、教育委員会の判断に現場から異を唱える声が上がらないわけです。これも、図書館の民間委託が引き起こした事件といえます」

 とりわけ住民生活に密接な地方自治体の機関が、個人情報を流出させまくっている昨今。もっと、取りかえしのつかない事態も起きるんじゃなかろうか?
(文=昼間たかし)

【テラスハウスレビュー】IT系会社員・聡太、テラハ史に残る「自意識過剰で失恋」の妙味

見ず知らずの男女6人が、シェアハウスで共同生活する様子を記録したリアリティ番組『テラスハウス』。現在、Netflixにて「長野・軽井沢編」が配信中で、ファンは個性豊かな面々の恋愛模様を、一喜一憂しながら、固唾を呑んで見守っている。そんな『テラハ』を愛する“テラハウォッチャー”が、9月の配信分から、グッときた“名(珍)シーン”をピックアップし、思いのままにレビューする。

聡太、フラれて突然の卒業(第41話)

 自意識過剰からくるオモシロ行動で「天才喜劇王・聡太先生」の異名を取ったIT系会社員の聡太は前回、気になっているモデルのりさこを「俺に似合うメガネを選ぶ会」という名のデートに誘った。

 上から目線の誘い方に引き気味のりさこに気付かず、なぜか行ける気満々の聡太先生。41話では、日程を決めるために女子部屋を訪ねたのだが、りさこから「聡太くんは自分に合うメガネを自分が一番わかってそうだから、りさこが会に参加しても無駄だな~って。迷ったら写メ送って」と、テラハ史に残る無残なお断りをされてしまった。

 プライドが許さない聡太先生は、「うん、たぶん(写メは送らず)自分で買ってくると思うけどね。オーケーオーケー、了解しました! ……っていう話だけなんで」と余裕ぶる。その様子を気まずそうに見守っていたほかの女子メンバーに気付いた聡太先生は、「違う違う、いつ行くか決めてなかったから『行ける日あんの? ないならないで自分で買うよ~』みたいな話でした!」と言い訳し、「ワハハハ」とむなしい笑い声を上げながら去っていった。男子部屋に戻ってからも「ま、俺、メガネかける時間はだいぶ少ないから。ほぼコンタクト付けてて、夜外した後のベッドまでのオシャレだから、俺のメガネの尺は」と強がる聡太先生。メガネにそれほど思い入れはない=りさこにそれほど気があったわけじゃないというアピールなのだろうか。デートのダシに使われ、このような言われようまでする聡太先生のメガネが可哀そうである。

 その翌日、さらなる「俺はりさこに気があったわけじゃない」アピールのためか、今度は専門学生のまやをビール工場見学に誘った聡太先生。まやが渋々参加したビール工場見学の後、聡太先生は重ねてまやを「俺とビールグラスを作りに行く会」に誘うが、これは断られてしまう。

 2人にフラれた形となった聡太先生は突然テラハ卒業を決意した。「これ以上は俺のイメージを壊せない」と判断したのだろうか。非常に残念である。聡太先生は、もっともっと視聴者を楽しませるご活躍ができたはずだ。

 聡太先生は卒業を報告する。前触れのなかった出来事に戸惑うメンバーだったが、聡太先生は充実感をにじませた表情で「単純に、ここに来たのは仕事のアイデアがほしかったからで、その目的は俺の中では達成できたと思ってる。俺自身もすごい成長できたなって思うし」と語る。どのへんが、どのように成長したのか? という視聴者が気になる部分については誰もつっこむことができず、りさこが「う、うん……」と相槌を打つのみだった。

 卒業の日、独特のファッションセンスを持つ聡太先生は、毛皮のコート姿で颯爽と去った。スタジオメンバーは「GACKTか美川憲一を意識しているのでは」と予想して盛り上がっていたが、次のシーンで聡太先生に代わる新メンバーが、ゲスの極み乙女。のベース、休日課長こと理生(まさお)だとわかると、意外な有名人の加入に大盛り上がり。テラハメンバーも大型新人を歓迎し、聡太先生は一瞬にして過去の人となった。

 テラハを出ても聡太先生の人生は続いていく。どうか、自分の本当の面白さに気付き、それを生かして生きていってほしい。

優衣、「モデルの利沙子に勝っちゃった♪」(第42話)

 元サッカー選手の愛大(あいお)は、当初は利沙子が気になっていたが、就活中の大学4年生・優衣ちゃんに心変わり。サッカー観戦の予定を利沙子と立てていたが、「やっぱり優衣ちゃんを誘いたい」と断りを告げた。その後、愛大に誘われた優衣ちゃんは即、利沙子を訪ね「フフフフ♪ 愛大くんに何か言われた? 断られた?」と探る。利沙子が「試合見に行こうって言ってたんだけど、優衣ちゃんと行きたいんだって」と答えると、「あっそうなんだ、知ってる~」と笑顔。「でも私、予定あるから断った。愛大くんの方を優先しようとは思わないから」と、勝ち誇ったように告げた。「モデルの利沙子に勝った自分♪」が潔いほど溢れ出ている。そういえば優衣ちゃん、就活はどうした!?

愛大の鼻ほじ癖が明らかに(第43~44話)

 愛大から好意を寄せられている優衣ちゃんだが、利沙子にどう思っているのか探られると「愛大くんの嫌なところがあるの。鼻くそをすごいほじるところと、タン飛ばすところ」と明かす。愛大にとって鼻をほじることは、それほど恥ではないようで、優衣ちゃんに「俺この間さ、鼻くそほじってたのね。そしたらさ、めっちゃ臭かったんだけど」と報告するシーンも。優衣ちゃんは「知らんがな。鼻ほじるのは、絶対やめた方がいいと思うよ」と冷静に注意したが、愛大には響いていない様子。タンを吐くことについては「サッカーやってる時から癖なんだよね。あそこの草に吐こうって決めてスパって吐いちゃうんだよね。スパって飛ぶと超気持ちいいの」と分析していた。恥の感覚というのは人それぞれ。一体どこで差が付くのだろう。そう考えさせられる、印象深いシーンであった。

 女子メンバーが、優衣ちゃん&利沙子VSまやで対立した。女子らしい団結力を見せる優衣ちゃん&りさこペアにまやが入れず、まやは夜も女子部屋ではなくリビングで寝ているという。優衣ちゃん&りさこペアは、まやが女子部屋にいるタイミングで「まやのテンションのアップダウンが激しい」「キレてるようにしか見えない」「まやが優衣ちゃんに冗談で『ババア』と言ったことで優衣ちゃんは傷付いた」「家事をせず、お礼も言わない」等々、言いたかったことをぶつけた。

 まやは、家事については素直に謝ったが、そのほかには「あ~ダル。ないわ」「なんだソレ」などキレ気味。話が途切れると、「まだ何かあんの? 髪乾かしてこよ~っと」と出て行ってしまった。何の解決もされていないが後日、再び女子だけになると、仲良さげに上っ面の会話をする3人。これぞ女子というリアルなシーンだった。

 さまざまな不満をまやに浴びせた優衣ちゃん&りさこペアだったが、もっとも重大問題として話した印象があったのは“優衣ちゃんババアに傷付く”問題だったように見えた。せっせとメンバーの世話を焼く優衣ちゃんは、ババアとは言わないまでも寮母さん的ポジションになりつつある。優衣ちゃんにはここで傷付くのではなく、オバちゃんキャラを磨いていってほしいと共に、就活も頑張ってほしい。

大河『いだてん』にのんの名前がない理由…宮藤官九郎は圧力を受けるのんを応援し続けていた

1月6日より、宮藤官九郎が脚本を担当するNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の放送がスタートする。

 宮藤官九郎にとって初めての大河となる『いだてん』は日本が初めて夏期オリンピックに参加した1912年のストックホルムオリンピックから、1964年の東京オリンピック開催までの52年間を描く。明治以降の近現代のみを描く大河ドラマは33年ぶりとなる作品だ。

 NHKと宮藤官九郎といえば、真っ先に思い浮かぶのが、2013年上半期の連続テレビ小説『あまちゃん』だろう。『いだてん』にも、小泉今日子、橋本愛、勝地涼、荒川良々、ピエール瀧、松尾スズキといった名前が並び、『あまちゃん』ファミリーが多く出演している。

『あまちゃん』ファミリー大集合の『いだてん』に「のん」の名前がない
 しかし、そこに、「のん」の名前はない。

 実は、つい先ごろまで、のんが『いだてん』に出演する希望を抱かせるような報道も出ていた。

 10月19日に「FRIDAY」(講談社)が、のんと前所属事務所・レプロエンタテインメントの間で話し合いの場がもたれたと報じたのだ。

 「FRIDAY」によれば、これはレプロとの関係修復を望むのん側から持ち掛けた話し合いであり、のんは前事務所に対して移籍に伴う騒動を謝罪までしていたという。

 「FRIDAY」の報道によれば、この話し合いは『いだてん』出演に向けての調整であり、『いだてん』制作陣はのんを第二部の1936年ベルリンオリンピック編に登場させ、ドラマ中盤の目玉としてキャスティングしようという計画があると報じていた。

 とはいえ、前途は多難なようだ。

 「FRIDAY」のスクープの後、レプロ側は<能年氏から、過去についての謝罪と、弊社にマネジメントを再度依頼したい旨の要望があり、本人との面会に至りました。しかしながら、何ら解決には至っておりません。なお、当事者しか知り得ないはずの情報が事前に外部に漏れ、このような記事が出たことについては、大変不可解であり、誠に遺憾であります>とのコメントを出している。

 そもそも、現在ののんはレプロとはなんの関係もないわけで、もしも、この話し合いが『いだてん』出演のための調整なのであれば、そのような話し合いが必要であること自体が、レプロ=バーニングによる圧力や、NHKによるバーニングへの忖度という、非常に醜悪な芸能界の構図を炙り出している。

宮藤官九郎は嫌がらせを受けるのんをずっと応援していた
 ただ、ひとつ希望はあるのかもしれない。それは、宮藤官九郎がのんの独立に伴う圧力や嫌がらせの数々に批判的な言動を繰り返し行っているからだ。

 そのひとつが、『あまちゃん』のVTR使用に伴う問題である。NHKはもちろん、他局のトーク番組などで『あまちゃん』のVTRが流れる際、のんの出演シーンだけ巧妙にカットして放送されるケースが続出したのだ。

 たとえば、2016年大晦日の『第67回NHK紅白歌合戦』もそうだった。この年の『紅白』では、紅組司会が有村架純であったことから「有村架純「ふるさと」特別企画 あまちゃんの舞台 久慈を訪ねて」とのコーナーがもうけられた。

 このコーナーは、有村が『あまちゃん』舞台の岩手県久慈市の中学校を訪れたVTRが流された後、NHKホールで紅白出演者が嵐の楽曲「ふるさと」を合唱するという、復興支援の企画だった。そのコーナーのオープニングでは、資料映像として『あまちゃん』の映像も流されていたのだが、そこにのん出演シーンは1秒たりとも含まれていなかった。

 宮藤官九郎もこういった不可解なVTRの使い方を目撃したことがあるようで、「週刊文春」(文藝春秋)2016年7月7日掲載の連載コラムではこのように指摘していた。

<そう言えばトーク番組で『あまちゃん』の話題になり懐かしい映像が流れたのですが、映像使用の許諾が取れなかったのか、アキ(能年玲奈さん)がワンカットも映ってなかった。代わりに前髪クネ男(勝地涼くん)がガッツリ映ってて笑った。あまちゃんは能年さんの主演作ですよ、念のため>

 その後、彼女はレプロから独立することになるが、結果として本名である「能年玲奈」という名前を芸名として使用することができなくなり、「のん」で再スタートを切ることになった。

 その際にも宮藤官九郎は<のん。思い切ったなあ。渡辺えりさんは『えり子』の『子』を取るように美輪明宏さんに諭され随分悩まれたと聞きますが、彼女は『のうねんれな』の『うねれな』を取ったわけですから大手術。まあ、身軽になりたかったのかな>と冗談を入れたうえで、<あとは旧名時代を凌駕する代表作に巡り会えれば一気に浸透するんじゃないでしょうか。道のりは険しいでしょうが、のんさんの代表作が早く生まれるといいなと思います>とエールを送っていた(「週刊文春」2016年8月4日号/文藝春秋)。

公正取引委員会はタレントの事務所移籍制限を法的にも問題視
 のんだけに限らず、SMAP、安室奈美恵、江角マキコ、清水富美加など、ここ数年、芸能事務所からの独立と、それに伴う業界からの嫌がらせが問題視されるケースが続出している。それを受けて2017年8月からは公正取引委員会からの調査が入り、2018年2月には公正取引委員会の有識者会議がタレントの事務所移籍を制限するのは独占禁止法違反にあたる可能性があると指摘する事態ともなっている。

 「『いだてん』にのんがキャスティングされていない」ということが、もしも、レプロ=バーニングからの圧力や、その動きにNHKが屈しているという構図があるのだとすれば、芸能メディアも忖度のもとで黙っているのではなく、きちんと報じて、問題点を指摘すべきであろう。

(倉野尾 実)

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大河『いだてん』にのんの名前がない理由…宮藤官九郎は圧力を受けるのんを応援し続けていた

1月6日より、宮藤官九郎が脚本を担当するNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の放送がスタートする。

 宮藤官九郎にとって初めての大河となる『いだてん』は日本が初めて夏期オリンピックに参加した1912年のストックホルムオリンピックから、1964年の東京オリンピック開催までの52年間を描く。明治以降の近現代のみを描く大河ドラマは33年ぶりとなる作品だ。

 NHKと宮藤官九郎といえば、真っ先に思い浮かぶのが、2013年上半期の連続テレビ小説『あまちゃん』だろう。『いだてん』にも、小泉今日子、橋本愛、勝地涼、荒川良々、ピエール瀧、松尾スズキといった名前が並び、『あまちゃん』ファミリーが多く出演している。

『あまちゃん』ファミリー大集合の『いだてん』に「のん」の名前がない
 しかし、そこに、「のん」の名前はない。

 実は、つい先ごろまで、のんが『いだてん』に出演する希望を抱かせるような報道も出ていた。

 10月19日に「FRIDAY」(講談社)が、のんと前所属事務所・レプロエンタテインメントの間で話し合いの場がもたれたと報じたのだ。

 「FRIDAY」によれば、これはレプロとの関係修復を望むのん側から持ち掛けた話し合いであり、のんは前事務所に対して移籍に伴う騒動を謝罪までしていたという。

 「FRIDAY」の報道によれば、この話し合いは『いだてん』出演に向けての調整であり、『いだてん』制作陣はのんを第二部の1936年ベルリンオリンピック編に登場させ、ドラマ中盤の目玉としてキャスティングしようという計画があると報じていた。

 とはいえ、前途は多難なようだ。

 「FRIDAY」のスクープの後、レプロ側は<能年氏から、過去についての謝罪と、弊社にマネジメントを再度依頼したい旨の要望があり、本人との面会に至りました。しかしながら、何ら解決には至っておりません。なお、当事者しか知り得ないはずの情報が事前に外部に漏れ、このような記事が出たことについては、大変不可解であり、誠に遺憾であります>とのコメントを出している。

 そもそも、現在ののんはレプロとはなんの関係もないわけで、もしも、この話し合いが『いだてん』出演のための調整なのであれば、そのような話し合いが必要であること自体が、レプロ=バーニングによる圧力や、NHKによるバーニングへの忖度という、非常に醜悪な芸能界の構図を炙り出している。

宮藤官九郎は嫌がらせを受けるのんをずっと応援していた
 ただ、ひとつ希望はあるのかもしれない。それは、宮藤官九郎がのんの独立に伴う圧力や嫌がらせの数々に批判的な言動を繰り返し行っているからだ。

 そのひとつが、『あまちゃん』のVTR使用に伴う問題である。NHKはもちろん、他局のトーク番組などで『あまちゃん』のVTRが流れる際、のんの出演シーンだけ巧妙にカットして放送されるケースが続出したのだ。

 たとえば、2016年大晦日の『第67回NHK紅白歌合戦』もそうだった。この年の『紅白』では、紅組司会が有村架純であったことから「有村架純「ふるさと」特別企画 あまちゃんの舞台 久慈を訪ねて」とのコーナーがもうけられた。

 このコーナーは、有村が『あまちゃん』舞台の岩手県久慈市の中学校を訪れたVTRが流された後、NHKホールで紅白出演者が嵐の楽曲「ふるさと」を合唱するという、復興支援の企画だった。そのコーナーのオープニングでは、資料映像として『あまちゃん』の映像も流されていたのだが、そこにのん出演シーンは1秒たりとも含まれていなかった。

 宮藤官九郎もこういった不可解なVTRの使い方を目撃したことがあるようで、「週刊文春」(文藝春秋)2016年7月7日掲載の連載コラムではこのように指摘していた。

<そう言えばトーク番組で『あまちゃん』の話題になり懐かしい映像が流れたのですが、映像使用の許諾が取れなかったのか、アキ(能年玲奈さん)がワンカットも映ってなかった。代わりに前髪クネ男(勝地涼くん)がガッツリ映ってて笑った。あまちゃんは能年さんの主演作ですよ、念のため>

 その後、彼女はレプロから独立することになるが、結果として本名である「能年玲奈」という名前を芸名として使用することができなくなり、「のん」で再スタートを切ることになった。

 その際にも宮藤官九郎は<のん。思い切ったなあ。渡辺えりさんは『えり子』の『子』を取るように美輪明宏さんに諭され随分悩まれたと聞きますが、彼女は『のうねんれな』の『うねれな』を取ったわけですから大手術。まあ、身軽になりたかったのかな>と冗談を入れたうえで、<あとは旧名時代を凌駕する代表作に巡り会えれば一気に浸透するんじゃないでしょうか。道のりは険しいでしょうが、のんさんの代表作が早く生まれるといいなと思います>とエールを送っていた(「週刊文春」2016年8月4日号/文藝春秋)。

公正取引委員会はタレントの事務所移籍制限を法的にも問題視
 のんだけに限らず、SMAP、安室奈美恵、江角マキコ、清水富美加など、ここ数年、芸能事務所からの独立と、それに伴う業界からの嫌がらせが問題視されるケースが続出している。それを受けて2017年8月からは公正取引委員会からの調査が入り、2018年2月には公正取引委員会の有識者会議がタレントの事務所移籍を制限するのは独占禁止法違反にあたる可能性があると指摘する事態ともなっている。

 「『いだてん』にのんがキャスティングされていない」ということが、もしも、レプロ=バーニングからの圧力や、その動きにNHKが屈しているという構図があるのだとすれば、芸能メディアも忖度のもとで黙っているのではなく、きちんと報じて、問題点を指摘すべきであろう。

(倉野尾 実)

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ジャスティンのキモいコラ画像、ヘムズワース三兄弟の超イケてる父親! セレブのB級ニュース2018

 例年になく、激動の年となったハリウッド。1~2月の授賞式典ではセクハラ被害の告発運動「#MeToo」「#Time’s Up」が盛んに行われるようになり、大御所俳優たちのセクハラ/性的暴行疑惑が浮上。また、ジェニファー・アニストンとジャスティン・セロー夫妻や、ロバート・デ・ニーロと20年連れ添った妻ら、大物スターの離婚も。薬物の過剰摂取で亡くなったラッパーのマック・ミラーのように、衝撃的な死を迎えたセレブも少なくない。一方、米女優メーガン・マークルと英国ヘンリー王子のロイヤルウエディングには世界中がフィーバーした。

 今回はそんなメジャーなニュースではなく、報じられてもスルーされがちだったB級ニュースをよりすぐってお伝えしよう。

オリヴィア・マン、ウワサになったクリス・プラットの元妻に「交際はデマ」とメール

 昨年、おしどり夫婦として知られていたクリス・プラット&アンナ・ファリスが離婚することを発表し、世間を驚かせた。今年1月になり、そのクリスは女優のオリヴィア・マンとロマンチックなディナーを楽しんだと報じられ、「離婚成立前に美女をゲット!」とタブロイド紙が色めいた。しかし、これにオリヴィアが「ひどいデマ」と激怒。当時はまだ法律上の妻だったアナに、「顔見知りだから直接言わせて。クリスと付き合っているという事実は0%」とメールで説明。アンナは「メールありがとう。大好きよ! でも“姉妹”(編注:同じ男性と付き合った女性のことを指しているよう)になれないのは残念」と返答。オリヴィアはこのやりとりをインスタグラムのストーリーに投稿し、「フェイクニュースを信じないで!」とファンに呼びかけた。

クリスティン・ベル、子どもから“ギョウチュウ”をうつされたことを激白

 今年2月、ドラマ『ヴェロニカ・マーズ』の主演女優であるクリスティン・ベルが、3歳の次女を経由してギョウチュウに感染したと告白した。動画配信サービス「Netflix」の人気トーク番組『ジョエル・マクヘイル・ショー』で唐突に明かしたもので、「次女のうんちの中に白い小さな虫を見つけた」ことで一家がパニックに陥ったそう。ギョウチュウのメスは人間の肛門周辺に産卵するのだが、そのときに強烈なかゆみがあるために、かきむしってしまう。その手や触ったものを経由して、経口感染することが多い。「調べたら、子どもはよく手を口に入れるから感染しやすいんですって」と漏らしていた。幸い長女と夫は感染を逃れたらしいが、クリスティンはうつってしまい「痛くはなかったけど、すごくかゆかったわ」とため息をついていた。

 ヘヴィメタル・バンド「モトリー・クルー」のドラマーとして知られる、トミー・リー。最近は、24歳年下のイケイケな婚約者とお盛んなようで、エロネタでタブロイドをにぎわすことが多い。そんな彼が今年3月に、元妻パメラ・アンダーソンとの間にもうけた長男ブランドンと口論になり、意識がなくなるまで殴られた。トミーの婚約者が警察に通報するほど激しいケンカだったようで、トミーは病院に搬送され、治療を受けた。

 トミーは唇を腫らしている痛々しげな自撮り写真をインスタグラムに投稿し、「子どもってのは望みをすべてかなえてやっても歯向かってきやがる」とぼやき、ブランドンのわがままがケンカの原因だと示唆。対するブランドンは米芸能誌「People」に、「父はアルコール中毒。何度も介入措置を試みたがダメだった。酒さえやめてくれれば……」と、トミーの酒癖の悪さが原因だと激白。トミーが警察の捜査協力を拒否したため、ブランドンは不起訴に。世間から「なんて人騒がせな親子ゲンカだ」と白い目で見られた。

ジャスティン・ビーバー、ビヨンセの体を使ったキモい写真を投稿

 今年はヘイリー・ボールドウィンとの復縁、スピード婚約&極秘結婚をしてマスコミを右往左往させたジャスティン・ビーバー。しかし、そんなビッグニュースの合間に、インスタグラムに気味の悪い写真を投稿するというイタズラを仕掛けていた。

 ジャスティンは4月、ビヨンセの全身写真の顔を自分の顔にすり替えたコラージュ画像を投稿。「みんな、ぼくの妹レイチェル・ビーバーに、ぜひとも会ってよ!」という意味不明な言葉が添えられていた。これにはファンはもちろん、世間もドン引き。友達のパトリック・シュワルツェネッガーだけが「紹介してよ! これで僕らも本物の兄弟になれる!」とノリノリでコメント。しかし、投稿のコメント欄は戸惑う声の方が圧倒的に多かった。

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Y’all need to meet my sister Rachel Bieber

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 昨年受けた減量手術(胃バイパス手術)のおかげで、激太り時代がなかったかのようなナイスボディを手に入れた歌姫マライア・キャリー。しかし、そんな彼女のヌードを見せつけられ、激怒した人がいた。昨年11月に契約を打ち切られた元マネジャーだ。彼女は「マライアが服を着ていることはまれ。自分の前でも裸でうろうろしていた」「これはセクハラだ」と主張。3年契約の途中で不当に解雇されたとして、契約満了までに支払われるはずだった給料を求める裁判を今年4月に起こした。

 ネット上では「マライアならやりかねない」「激太りしたときも露出度の高い服を着ていたくらいだから、家の中でヌードはあり得る」と妙に納得する人が続出。ちなみにマライアの新マネジャーは、バックアップダンサーかつ恋人のブライアン・タナカ。公私混同しているわけだが、これも「マライアだから、いいのでは?」とファンは容認しているようだ。

リアム・ヘムズワースの父親が超ホットだとネットが大騒ぎ

 

 
 
 
 
 
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 イケメンで細マッチョ、なおかつジェントルマンだとたたえられ、ハリウッドで「いま最もホットな兄弟」だと評されているヘムズワース三兄弟。長男のルークは人気ドラマ『ウェストワールド』に出演中で、次男クリスは映画『アベンジャーズ』シリーズのマイティ・ソー役で作品のファンに愛されている存在。三男リアムは、俳優としてはもちろん、先日マイリー・サイラスと結婚した男として知られている。

 今年5月、リアムがインスタグラムに「トレッキングを両親と楽しんだ」という写真を投稿したのだが、多くの人の目が後方でほほ笑む上半身裸の父親のムッキムキなマッチョボディにくぎ付けに! ネット上は「すげー!」「ヤバい!」「三兄弟以上のナイスボディ」と大騒ぎとなった。実はこの父親、過去にも若かりし頃の顔をインスタグラムでお披露目されたことがあり、クリスやリアムそっくりの美男子だと話題を振りまいた。

 今年も多くのセレブが出産した。女性ラッパーのカーディ・Bらが短期間で見事にナイスバディを取り戻したが、昨年3月に第5子を出産したトリも産後の体形について言及。今年6月に、ワンピースタイプの水着でポーズをとる写真をインスタグラムに投稿し、「5人出産してみてわかったことは、最初の4人よりも体形を戻すのが大変だということ!」「でもそれなりにがんばっているのよ。きちんと食べて遊んで、人生を楽しんで」「がんばった結果も、ようやく見えてきたようだわ。私の体に感謝したい!」というメッセージを添えた。

 しかし、同時期にパパラッチされた写真と比較すると、投稿した写真がかなりスリムなため、画像修正疑惑が浮上。体形に関するポジティブなメッセージを込めた写真をスリムに画像修正したことで、大炎上してしまった。

57歳のエディ・マーフィー、10人目の子ども誕生へ

 11年前に短期間交際したアイドルグループ「スパイス・ガールズ」のメラニー・ブラウンが妊娠/出産したとき、「自分の子ではない」「関係ない」と突き放した、俳優のエディ・マーフィー。DNA親子鑑定の結果、彼女が産んだ娘はエディの子だと判定されたが、その後も我関せずを貫き、「父親失格」のレッテルを貼られてしまった。

 今年8月、そんな彼の19歳年下の恋人が妊娠したと報じられた。エディにとって10人目の子どもが誕生することになる。5人の女性との間に、9人の子どもを作ったエディ。一番上の子は29歳で、芸能界で活動する者もおり、メルの子以外はエディとの関係も良好だ。世間からは、60歳が見えてきてもなおお盛んなエディをうらやむ声が上がった。

 
 
 
 
 
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Kaley Cuocoさん(@kaleycuoco)がシェアした投稿 -

 人気コメディ『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』のヒロイン役として国民的女優となったケイリー・クオコ。彼女は今年6月に、騎手のカール・クックと結婚した。しかし、式の5日後、ケイリーはインスタグラムに、ブスッとした顔で病室のベッドに横たわる彼女と、その横で笑うカールの写真を投稿し、世間をギョッとさせた。2人はハネムーン中だったのだが、なんらかのアクシデントが発生したようで、ケイリーは肩の手術を受けるハメに。カールも「みんなそれぞれの新婚のときの幸せがある。きみの場合は肩の手術」とからかうような文章を付けて、今にも泣きそうな彼女の写真を投稿。これを見た人たちは、2人が厩舎で結婚式を挙げるほどの馬好きなことから、「馬に蹴られたんじゃないか」とネットで大盛り上がりしていた。

キム・カーダシアンはセックス中にメイクを直し、電話にも出ていた!?

 ポルノ史上最高のセックス動画と評される『キム・カーダシアン・スーパースター フィーチャリング ヒップホップ・スター レイ・J』により一躍スターとなったキム・カーダシアン。プレイの相手は、2005~07年まで交際していたR&B歌手のレイ・Jで、2人は「流出したものは仕方ない」と、大手ポルノサイト「ヴィヴィッド・エンターテインメント」での配信を認める契約を渋々結んだ。とはいえ、結婚・離婚など、キムにハプニングが起こる度に再生回数が激増するというロングヒットランになっており、このセックステープのおかげでレイも相当もうけている。そのため購入者のためにもリップサービスしなくちゃという気になるのか、時折キムとの思い出を明かすのだ。

 今年11月には、「キムとオレは最高に楽しい時間を過ごしたんだ」「でも、彼女汗まみれになるのを嫌ってさ。汗でメイクが崩れたら、最中でも速攻でお直しするんだよ」と述べ、セックスのときもキムは常に最高のメイクをキープすることを意識していたと暴露。

 また、「キムはライトやムードにもこだわってたね。本当にワイルドな女だった。赤いルイ・ヴィトンのトランクに大人のおもちゃをたんまり詰め込んでいてさ」「ママからの電話には、セックスの最中も必ず出ていた」「酔っ払って、セックスの最中にピザをオーダーしたこともあった」ともぶっちゃけた。キムはすぐに「最低なウソつき。みんな信じちゃうの? 爆笑しちゃう」とTwitterで反論したが、ネット上では「本当のキムを知っているのはレイだけ」と、彼を信じるという声の方が圧倒的に多かった。

 

和田アキ子、2019年は“本格歌手”志向に? 4年ぶり『紅白』リベンジの本気度は……

 2018年の『NHK紅白歌合戦』の出場歌手をめぐっては、和田アキ子の3年ぶりの返り咲きの可能性が最後まで取りざたされていたが、結局叶わなかった。

 和田は18年5月に若年層に人気のBOYS AND MEN 研究生とのコラボシングル「愛を頑張って」を発表。10月には日本武道館公演『WADA fes~断れなかった仲間たち~』を2日間にわたって開催。歌手デビュー50年による新作リリースなどもあわせて、紅白復帰へ向けて万全の布陣を敷いたが、3年連続の落選となった。さすがに4度目の出場は狙っていないのかといえば、そうでもなさそうだ。

「和田は19年4月にはブルーノート東京での2デイスライブが予定されています。芸能人ゲストなどのない、本格的な音楽志向のライブです。この会場でのライブ開催は2年半ぶり。前回の16年はほかにも3つのロックフェスに出演し話題となりました。今年は音楽に比重を置いた活動が考えられているのではないでしょうか」(芸能関係者)

 そこには“芸能界のご意見番”としてのタレントではなく、ミュージシャンとしての和田をアピールしたいねらいがありそうだ。

「18年の紅白では特別出演として北島三郎が5年ぶりに復活しました。そのほかにもサザンオールスターズの桑田佳祐も特別枠として実質的な大トリを務めています。純粋に音楽パフォーマンスを披露できる特別枠での出場を和田はねらっているのかもしれません。特別枠は通常の選考とは別に行われますからね」(同)

 3度の機会を逃した和田の、4度目のリベンジは成功するのか。今年の動向にも注目が集まりそうだ。
(文=平田宏利)

【タイ移住マンガ】エステに象に島遊び……男の裸踊りまで!? タイのおもてなし大作戦!【18話】

フツーに日本で生まれ育ち、フツーに日本人男性と付き合っていたはずの80年代生まれ女子・ふっくらボリサットが、いつのまにか「バンコク在住」に至るまでのゆるっと顛末と生活をレポート。

あんまりリゾートじゃないけど、やっぱり東南アジアな気配ただよう、タイの日常へようこそ! 

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サミ太郎の「おもてなし大作戦」!

――毎週金曜日に、最新話を更新。次回をお楽しみに!

ふっくらボリサット
80年代、東京都生まれ。南の国の漫画家。2013年からタイ・バンコク在住。FROGGY×note「お金マンガ投稿コンテスト」で佳作受賞。生々しい内容を描いても生々しくなりすぎないのが強み。腹筋の割れた富豪になりたい。筋トレばっかりしています。懐メロが好きな腐女子です。

インスタグラム:https://www.instagram.com/fukkuraborisat/
twitter:https://twitter.com/fukkurabo
ブログ:http://fukkurab.net/


<『ふっくらタイ移住まんが』バックナンバーはこちら>

【第1章】バンコク在住になったワケ

【第2章】タイと日本、それぞれの新生活

【第3章】まさかの「タイ起業」!?

【第4章】
■とうとうバンコクに招かれた!?
■はじめての国外脱出!

 

出前ドリンクからコンドームが⁉ 店側は「ゴム手袋」と弁明も、真相は……

 日本円で11兆円ともいわれる中国のフードデリバリー市場だが、衛生面での問題が頻発に指摘されている。そんな中、デリバリーされた食品の中から信じられないもが出てきたと話題になった。

「網易新聞」(12月5日付)によると同3日、中国版Twitter「微博」に、以下のような文章が投稿された。

「上海市内のショッピングモールにあるカフェでデリバリー注文したドリンクから、こんなものが出てきたよ?」

 この投稿には写真が添えられていたのだが、そこにはドリンクの中から取り出されたと思われるコンドームのような物体が写っていたのだ。

 投稿者は食品デリバリー大手「ウーラマ」のスマホアプリを利用し、中国で人気のクリームチーズ茶を購入したところ、異物が混入していることに気がついたという。この投稿は瞬く間に拡散されることとなったが、翌日、ドリンクを提供したとされるカフェ店が、公式SNSに声明を発表。

「写真に写っているのはビニール手袋です。しかし、当店では写真に掲載されているようなビニール手袋は使用していません。すでに、上海市静安区市場監督管理局による立ち入り調査も行われ、一切の異常は確認できませんでした。異物がドリンクに混入した経緯については、第三者による行為の可能性も含め調査中です」

と、異物混入の事実を否定した

 ネット上ではこの写真の物体について、ビニール手袋なのかコンドームなのか、議論が沸騰。一方で、コメントの投稿者は「これがコンドームとは言っていない。ビニール手袋かもしれない」と言葉を濁し始めており、自作自演説も浮上している。

 中国では昨年9月、人気火鍋チェーン店で火鍋の中から生理用品を発見したとして、利用客が100万元(約1,600万円)の慰謝料を要求する事件が発生している。しかし、警察の捜査の結果、この客による狂言だったことが判明。食品の異物混入が多い中国では、実はネットのアクセス稼ぎや慰謝料目当てのでっち上げ事件も多いのだ。

 果たして、今回の事件の真相はいかに……。

(文=青山大樹)

“酒田大火”というタブーを映画で払拭する試み。地方が豊かだった記憶『世界一と言われた映画館』

 客席が暗くなり、「ムーンライト・セレナーデ」が流れる。しかし、スクリーンには映像は映し出されない。「おや、映写ミスかな」と思ったが、それは早とちりだった。映画評論家・淀川長治が「世界一の映画館」と評した、山形県酒田市にあった映画館「グリーン・ハウス」の劇場演出を模したものであることに、本編が始まってから気づくことになる。「グリーン・ハウス」では客席にまだ着いていない観客を急かすような開演ブザーは鳴らず、代わりにジャズのスタンダードナンバーが静かに流れた。人口11万人の北国の港町にあった洋画専門のロードショー館は、観客に極上の映画体験を味あわせてくれる特別な空間だった。

 1950年に本格オープンした「グリーン・ハウス」は、酒田市民にとって自慢の劇場だった。ところが、1976年10月29日に地元消防組合の消防長1名が殉職、3300名が被災した酒田大火が発生し、「グリーン・ハウス」は焼失。この大火の火元は、「グリーン・ハウス」内で起きた漏電だったとされている。以来、「グリーン・ハウス」の跡地に映画館が建てられることはなかった。地元の人々にとっての大切なハレの場は、一転して口にすることが憚れるタブーとなってしまった。山形県天童市在住の佐藤広一監督が撮り上げたドキュメンタリー映画『世界一と言われた映画館』は、「グリーン・ハウス」を愛した人たちを訪ね歩き、同館の記憶をスクリーン上に蘇らせる。タブー視されていた存在を、映画によって再評価しようという試みである。東京から遠く離れた地方都市にかつて華やかな文化が咲き誇っていたことに、映画を観た我々は驚きを覚えることになる。

 佐藤監督が本作を撮るきっかけとなったのが、「グリーン・ハウス」の支配人だった佐藤久一の評伝『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』(講談社)だ。2008年に発刊されたこの本によると、「グリーン・ハウス」の玄関は当時の地方都市には珍しい回転ドアとなっており、水洗トイレも導入されていたとある。清掃は隅々まで行き届き、ホテルのようなゴージャスさだったようだ。観客が快適に映画を鑑賞できるよう、あらゆる配慮が施されていた。フィルムの本数が限られていた時代にあって、アラン・ドロン主演作『太陽がいっぱい』(60)は東京の封切り館と同日公開だった。東京の配給会社も、「グリーン・ハウス」を特別視していたことが分かる。

 世界一の映画館の支配人だった佐藤久一は、相当なアイデアマンだった。客席数500席の大スクリーンに加え、二階には家族やグループが貸し切りで楽しめる「特別室」や「家族室」を設け、久一のお気に入りの旧作を低料金で上映するミニシアター「シネサロン」もあった。シネコンを先取りする複合施設だった。上映作品を解説した小冊子「グリーン・イヤーズ」が毎月発行され、観客たちは読むのを楽しみにした。佐藤監督のインタビューに、かつて「グリーン・ハウス」に通い詰めたファンたちは、一階に併設されていたカフェ「緑館茶房」からいつもコーヒー豆のいい香りが漂っていたこと、「ムーンライト・セレナーデ」が流れると次第に客席の照明が落ちて、緑色の緞帳が開いていった思い出をうっとりした表情で語る。映画館の思い出が、場内に漂っていた匂いや開演前に流れていた音楽というのも面白い。

 やはり酒田市を舞台にしたドキュメンタリー映画『YUKIGUNI』(現在公開中)の主人公である大正15年(1926)生まれの現役バーテンダー・井山計一氏も、佐藤監督のインタビューに応えている。佐藤久一と仲のよかった井山氏が酒田市で経営しているバー「ケルン」から、「グリーン・ハウス」にバーテンを派遣していた時期もあったという。稼ぎどきであるはずの週末には、地元の演奏家たちを招いてのライブイベントが度々開かれた。「グリーン・ハウス」は単なる映画館ではなく、酒田の人々にとっての社交場であり、そして東京と遜色ない最新の情報発信スポットでもあった。

 緑館と名づけられたこの映画館のことを知れば知るほど、支配人だった佐藤久一がどんな人物だったのか気になってくる。昭和5年(1930)生まれの久一は、地元の酒造メーカー経営者の長男として不自由のない幼少期を過ごした。新しいものに対する目利きに優れ、センスのよさを父親に買われ、日大芸術学部を中退した久一は、20歳にして「グリーン・ハウス」の支配人に就任。酒田という地方都市にありながら、「世界一の映画館」を育て上げた久一だが、それだけでは満足できなかった。1964年、既婚者だった久一は電話交換手だった女性と駆け落ち同然に上京。映画評論家・荻昌一の勧めで“東洋一”と呼ばれた日生劇場に勤めるも、3年後には酒田に本格的な洋食を広めようと帰郷してフランス料理店を開業する。採算を度外視して、食材選びと客への細心のサービスに努めた久一のフランス料理店は東京や大阪でも評判となり、丸谷才一、開高健、山口瞳らが絶賛する名店として知られることになる。

 仕事と恋にあらん限りの情熱を注いだ佐藤久一の生涯は、地元の山形放送でラジオドラマ化され、そのとき久一役を演じたのが2018年2月に急逝した大杉漣だった。久一の生き方にシンパシーを覚えたことから、大杉は『世界一と言われた映画館』のナレーションも引き受ける。現在の酒田市には常設の映画館がないため、地元でのお披露目上映ができずにいた『世界一と言われた映画館』だったが、大杉は自身のバンドのライブと兼ねる形で、この映画の上映イベントを酒田市で開いている。このときのイベント費用は、大杉が出演していた『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の「ゴチになります!」で得ていた賞金が充てられたことを、佐藤監督は教えてくれた。

 1976年、佐藤久一は「グリーン・ハウス」の経営からすでに離れていたが、フランス料理店の入っていたビルの屋上から酒田大火を見つめることになった。晩年の久一はフランス料理店の累積する赤字とアルコール依存に悩まされ、67歳でその生涯を終えている。映画とフランス料理を通して酒田市に大きく文化貢献した久一を顕彰しようという動きが彼の死後にあったが、酒田大火の火元が「グリーン・ハウス」だったことがネックとなり実現しなかったようだ。それほど、「グリーン・ハウス」=佐藤久一というイメージが強かった。

 地元の由緒正しい寺院で行なわれた佐藤久一の葬儀の際にも、「ムーンライト・セレナーデ」が流れたという。仕事に恋に、そして映画に、飽くなきロマンスを求めた男たちがいた。そんな彼らを鎮魂するかのように、「ムーンライト・セレナーデ」の甘いメロディが客席へと流れていく。

(文=長野辰次)

酒田大火というタブーを映画で払拭する試み。地方が豊かだった記憶『世界一と言われた映画館』の画像4

『世界一と言われた映画館』
語り/大杉漣 プロデューサー/髙橋卓也 監督・構成・撮影/佐藤広一
配給/アルゴ・ピクチャーズ 1月5日(土)より有楽町スバル座ほか全国順次公開
c)認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画際
http://sekaiichi-eigakan.com/

『YUKIGUNI』
監督/渡辺智史 撮影/佐藤広一 ナレーション/小林薫
配給/有限責任事業組合いでは堂 1月2日よりポレポレ東中野、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
http://yuki-guni.jp/

20代にも増加! 「プレ更年期」だと思ったら、どうすべき? 婦人科医に聞いた

 更年期と聞くと、40代、50代の女性に訪れる体のほてりやイライラなどの“不調”をイメージする人が多いはず。しかし近年、20〜30代の女性の身にも更年期に似た症状が起きる「プレ更年期」が増加しているという。「プレ更年期」とはいったい、どのような症状なのか、その原因についておおいウィメンズクリニックの大井隆照院長に聞いた。

■閉経はまだ先のはずなのに……更年期症状に悩まされる20代、30代女性たち

 まずは、一般的な更年期症状の特徴について知る必要があるだろう。本来の更年期症状は生理がなくなる、いわゆる“閉経”と深い関わりがあるというが……。

「更年期の期間は、閉経前後の5〜10年間、年齢にしておよそ45〜55歳を指します。そして、その年代の女性にみられる体の不調(不定愁訴)を更年期症状といいます。原因不明ののぼせや急な発汗、イライラなどが代表的な症状です」

 更年期症状のおもな原因は、卵巣機能の低下による女性ホルモンの急激な減少。それに加えて加齢に伴う身体的変化や、精神・心理的な要因など、さまざまな要素が複合的に影響するのが、更年期症状の特徴だとか。

「“プレ更年期”というものは医学用語ではないため、その定義は曖昧です。一般に、更年期よりも若い年齢で起きるのぼせやイライラなど、更年期症状に似たさまざまな不調を指しています。本来の更年期症状との違いは発症する年齢がひとつの基準にはなります。ただ、プレ更年期自体が医学的な定義があるものではないので、診断が出るわけではありません」

 更年期症状とプレ更年期の症状が類似している理由は「どちらもホルモンの変動や自律神経の乱れ、心や体へのストレスが原因になっているため」と、大井医師。

「とくにプレ更年期の場合、生理の周期に伴った女性ホルモンなどの生体内物質の変動や、その増減が関係していると考えられています。20代〜30代の女性は、卵巣機能そのものは健康だとしても、過激なダイエットをはじめ喫煙などの要因が、生理周期に伴った女性ホルモンの変動に悪影響を及ぼしていることもあります」

 そしてなにより、ハードワークや家庭と仕事の両立など、現代の「超ストレス社会」での生活も、プレ更年期に深く関わっているそう。

「精神的、身体的なストレスや食生活の乱れ、生活スタイルの乱れは自律神経のバランス、ひいては女性ホルモンのバランスを悪くします。自律神経には、体の各器官に働きかけて体調を最適な状態に保つ役割があるのですが、この自律神経の乱れがプレ更年期の原因になることもありますね」

 ホルモンの変動やストレス、自律神経の乱れなど、さまざまな要素が絡み合い発症するプレ更年期。誰しも発症する可能性があるものの、なかには「治療が必要な病気」が隠れているケースもあるという。

「プレ更年期の症状は、うつ病や不安障害などの精神疾患、甲状腺機能の異常や貧血などで、ほかの疾病にも似た症状が表れるため、油断は禁物です。人それぞれにプレ更年期の症状が異なるので、明確な診断を出すのが難しいのが実情です。しかし、医療機関に行き、治療が必要な病気が隠れていないかを確認するのはとても大切。それぞれの症状に応じた診療科を受診するか、婦人科や女性外来を受診すると間違いないかと思います」

 原因不明の体調不良や強い不安を感じているときには、その症状を医師に伝え、総合的に身体評価をしてもらい、適切なアドバイスを受けることは治療の第一歩となるそう。

「プレ更年期が疑われる場合の治療では、漢方薬の服用のほか、ホルモンバランスの変動が影響していれば、低用量ピルの服用が効果を表すこともあります。また、症状や不安を医師に傾聴してもらいアドバイスを受けるだけでも、精神的に安定して症状がやわらぐことがありますね」

 そして、プレ更年期の改善や予防には生活習慣の見直しがポイントだという。

「何より食事や睡眠をしっかり取り、適度な運動をして規則正しい生活を送るのが理想です。1日のうちでリラックスできる時間をつくり、ストレスの緩和を心がけましょう。また、信頼できる医師の診察を定期的に受けることもプレ更年期の予防につながります」

 体の不調はもちろん、精神的にも追い詰められるプレ更年期。ひとりで悩まず、少しでも不安を感じたときは医師に相談するのが得策のようだ。
(真島加代/清談社)

大井隆照(おおい・たかてる)
昭和大学医学部を卒業後、静岡済生会総合病院、国立がん研究センター中央病院を勤務後、平成28年、横浜市におおいウィメンズクリニックを開院。「地域に密着した医療」「トータルな診療」を心がける。
おおいウィメンズクリニック