――『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ』(宝島新書)などの著書で知られるドラマ評論家・成馬零一氏が、2019年に活躍が期待される若手イケメン俳優を選出。正統派からジャニーズやEXILEまで、幅広い8人に要注目だ。
昨今のテレビドラマは主要キャストが高齢化しており、30代後半~50代の役者が主役を張ることが当たり前となっている。それと同時に、10~20代の若手俳優の席は年々少なくなってきている。
EXILE HIROがプロデュースするドラマ『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)の「王子様が大渋滞」というキャッチコピーが象徴的だが、男性アイドルや若手イケメン俳優の数は年々増加しており、少ない席を奪い合っているのだから、イケメン受難の時代である。しかし、そんな状況でも、若手俳優は育っている。
一気にブレークしそうな神尾楓珠
『中学聖日記』(TBS系)で俳優デビューとなった岡田健史(19)は、有村架純が演じる女性教師に恋心を抱く中学生男子の役を好演した。演技経験がないため、ぎこちない芝居となったが、それが思春期男子の悶々とした、もどかしい気持ちに説得力を与え、初々しい輝きを放った。今後が楽しみな若手だ。
年上女性に恋する男子高校生役という意味では、『恋のツキ』(テレビ東京系)の神尾楓珠(19)も素晴らしかった。神尾は『監獄のお姫さま』(TBS系)など、これまでドラマや映画とさまざまな作品に脇役で出ていたが、今作では切れ長の目が印象的な少年を好演している。『中学聖日記』と違い、本作のカップルは性欲全開でエッチなシーンもたくさんあったが、激しい性欲がそのまま恋愛の渇望感につながっている姿が好感を持てた。来年一気にブレークしそうである。
岡田と神尾が正統派だとすれば、演技派として要注目なのが志尊淳(23)。外見は女性だが実は男性で、恋愛対象も女性というトランスジェンダーのみきを演じた『女子的生活』(NHK)、漫画家を目指すゲイの青年・ボクテを演じた『半分、青い。』(同)と、難しい役柄に挑戦し、どちらも高い評価を得ている。『トドメの接吻』(日本テレビ系)で山崎賢人が演じた主人公のホストに屈折した愛憎を抱き、殺そうとするホストのカズマも素晴らしかった。
もう1人『半分、青い。』で注目されたのが矢本悠馬(28)だろう。濱田岳の独壇場と思われた渥美清、西田敏行、阿部サダヲのラインを狙える喜劇俳優として今後は引っ張りだことなるはずだ。同作はほかにも佐藤健(29)、中村倫也(32)、間宮祥太朗(25)といった俳優が次々と登場して注目されたが、キャストが一部かぶっていた『今日から俺は!!』(日本テレビ系)も俳優を魅せるコメディドラマだった。
脚本と演出を担当した福田雄一はコメディドラマの名手だが、柳楽優弥や山田孝之、山崎賢人といった二枚目俳優を、面白く魅せる手腕に長けている。福田ドラマでコメディを経験したことで、大きく飛躍したイケメン俳優はとても多い。
『今日から俺は!!』も、主演の賀来賢人(29)を筆頭に、イイ男のオンパレードだったが、中でも注目なのが伊藤健太郎(21)だろう。以前は健太郎名義で活動しており、今年、本名の伊藤健太郎に改名して以降、勢いに乗っており、『アシガール』(NHK)で若殿様を演じた時から気になってはいたが、肩の力が抜けた軟らかい演技が見ていて心地よい。現在も『この恋はツミなのか!?』(MBS)で主演を務めている。
EXILEは演技ができないと揶揄されてきたが、『HiGH&LOW』(以下、ハイロー)や『PRINCE OF LEGEND』のようなEXILE HIROがプロデュースする作品が増えたこともあってか役者が育っている。
中でも『ハイロー』で山王連合会に所属していた岩田剛典(29)、鈴木伸之(26)、町田啓太(28)の3人は、いまやテレビドラマで引っ張りだこだ。特に岩田は、『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)と単発ドラマ『炎上弁護人』(NHK)の両作で、性格や振る舞いが軽いキャラを演じたことで、役者としてなにかをつかんだように見える。
ジャニーズ裏エースは重岡大毅
ジャニーズ事務所はSMAPの解散以降、受難が続いており、若手が育ってない印象だったが、今年は最終兵器ともいえるKing&Prince(以下、キンプリ)がデビューし、その1stシングル「シンデレラガール」が主題歌となった『花のち晴れ~花男Next Season』(TBS系)で平野紫耀(21)が主演を務めた。
先輩の嵐・松本潤が主演を務めた究極のイケメンドラマ『花より男子』(TBS系)の続編ということもあってか、このドラマ自体が王位継承セレモニーのように感じられた。また前作と同舞台の学園が寂れている状況は、ジャニーズの置かれている苦境を浮かび上がらせているようだった。しかし、この劣勢こそが平野たちKing&Princeに物語を与えていることは確かで、ジャニーズの未来を占う意味でも平野の動きには注目だろう。
また、同じジャニーズで裏エースとでも言うような活躍を見せたのがジャニーズWESTの重岡大毅(26)。同グループの神山智洋(25)とダブル主演となった『宇宙を駆けるよだか』(ネットフリックス)では、絶望的な状況に陥ったヒロインを支える幼なじみの高校生を演じ、彼の気さくな関西弁に何度も救われる思いをした。
映画『溺れるナイフ』も素晴らしかったが、役に恵まれるのも俳優の才能の1つ。年を重ねるほど、面白い俳優になるのではないかと思う。
(成馬零一)

















なにかを悟ったような顔で近づいてくる、フィリピーナ。

















