イーストウッド88歳の主演&監督作『運び屋』ほか、2019年注目すべきメジャー洋画を一気に紹介!!

 あけましておめでとうございます。お正月休みには、たっぷり映画を楽しみたいという方が多いのではないでしょうか。そんな映画好きなみなさんへ、2019年注目のメジャー洋画をどどんとご紹介したいと思います。2月24日(現地時間)に開催されるアカデミー賞授賞式に向けて、米国ではノミネートが有力視される話題作が年末に続々と公開されました。ちなみにノミネート発表は1月22日になります。WOWOWの映画情報番組『週刊ハリウッドエクスプレス』(毎週土曜朝11:30~)の飯塚克味ディレクターに、賞レースに絡んでいる注目作、気になる話題作について語ってもらいました。

──番組の収録・編集で忙しいところ、すみません。ハリウッドの最新情報に詳しい飯塚ディレクターに、日本でも話題になりそうなオススメ作品を教えてもらえればと思います。

飯塚克味(以下、飯塚) 仕事に追われてなかなか本編を観ることができずにいるんですが、僕で話せる範囲でよかったら(笑)。アカデミー賞ノミネート間違いないのは、日本でも公開が始まったレディー・ガガ主演作『アリー/スター誕生』ですね。米国では初週1位にはなれなかったものの、高いアベレージで動員を続け、米国内だけで興収2億ドルを超えています。レディー・ガガはテレビドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル』(16)でゴールデングローブ賞テレビドラマ部門女優賞をすでに受賞していますが、ネームバリューのある彼女ならアカデミー賞にノミネートされるだけで大変なニュースになるでしょう。

──監督を兼任しているブラッドリー・クーパーも、ステージシーンでがんばっていますね。

飯塚 ブラッドリー・クーパーはもともと監督志望だったけれど、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)でブレイクし、イケメン俳優として有名になってしまった人です。ロン・ハワードと境遇が似ていますね。ロン・ハワードも『アメリカン・グラフィティ』(73)などに俳優として出ていたんですが、“B級映画の帝王”ロジャー・コーマンのお陰で『バニシングIN TURBO』(77)を主演と兼ねる形で監督させてもらった。多分、ブラッドリー・クーパーも出演を兼ねることを条件に、監督をやらせてもらったんじゃないかと思います。『スター誕生』というタイトルですが、実は『スター没落』でもあるんです。女は輝き、手を貸した男は逆に落ち目になっていく。なぜか米国人はこの物語が大好きで、映画化されるのは『栄光のハリウッド』(32)も含めると今回で5度目なんです。

■今年の賞レースの大本命はこれだ!!

──KKKに潜入捜査する黒人刑事を主人公にした実録映画『ブラック・クランズマン』は賞レースで本命視されていますね。

飯塚 スパイク・リー監督はここ何本か日本での劇場未公開が続きましたが、『ブラック・クランズマン』は期待できそうです。2016年のアカデミー賞で白人俳優ばかりがノミネートされていたことを、スパイク・リーはツイッター上で批判し、翌年はアメリカンアフリカ系の俳優たちが大挙ノミネートされました。彼の発言の影響が大きかったと思います。今年のアカデミー賞はさらにすごいことになりそうです。スパイク・リーはパームスプリングス国際映画祭で生涯功労賞を受賞することが決まっており、アカデミー会員たちも彼のことを無視できないはず。また、2018年はライアン・クーグラー監督の『ブラックパンサー』が全米で7億ドルという驚異的な大ヒットを記録しました。単なるヒーローアクションものと思われがちな『ブラックパンサー』ですが、アフリカ系アメリカ人映画批評家協会の最優秀作品賞に選ばれるなど、賞レースにも絡んでいます。主人公が最後にスピーチする「愚か者は壁を作るが、賢き者は橋を架ける」という台詞は、米国人の胸に刺さったようです。『ブラックパンサー』は日本で考えられている以上に、米国では大きな作品となっています。アフリカ系の監督や俳優たちが今年のアカデミー賞を席巻しそうです。

──人種差別を題材にした『グリーン ブック』もアカデミー賞で有力視されています。監督のピーター・ファレリーって、もしかして……。

飯塚 そうです、ファレリー兄弟のお兄ちゃんのほうです(笑)。まさか『ジム・キャリーはMr.ダマー』(94)を撮った監督がアカデミー賞の有力候補になるなんて、誰も考えなかったでしょう。同姓同名の別人かと思いますよね(笑)。人種差別が残っていた1960年代の物語ですが、ピーター・ファレリーの笑いのセンスはそう変わってないんじゃないかなぁ。でもヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリといった演技派俳優が出演しているので、ピーター・ファレリーも彼らとコミュニケーションを図りながら、バランスの取れた作品になっていると思います。米国では11月末に公開され、興収的にはまだまだな感じですが、アカデミー賞にノミネートされたら大きく伸びるでしょうね。

 

■イーストウッドとアカデミー賞との関係

──製作費6,000万ドルを投じた大作『ファースト・マン』(日本では2月8日公開)は、米国での興収は奮わなかったようですね。

飯塚 『ラ・ラ・ランド』(16)のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが再びタッグを組んだ注目作ですが、ゴールデングローブ賞では助演女優賞と作曲賞の2部門にノミネートされただけでした。月面に初めて立った英雄ニール・アームストロング船長の伝記映画に対し、アカデミー賞がどう対応するのか気になるところです。宇宙飛行士たちを主人公にした実録ものといえば、名作『ライトスタッフ』(83)があるので、どうしても比較してしまいますよね。配給のユニバーサルは作品内容には自信を持っているらしく、日本での試写はIMAXシアターで行なっています。アカデミー賞の結果次第では、日本で化ける可能性のある作品だと思います。

──クリント・イーストウッドの主演&監督作『運び屋』が公開されるのも2019年の大きなニュース。

飯塚 88歳になるイーストウッドが、実在した麻薬の運び屋を演じるという大注目作です。米国では年末に公開され、イーストウッド主演作としては歴代2位、監督作としては3位という好スタートを切っています。個人的にも、とても楽しみにしている作品ですが、これはアカデミー賞には絡まないんじゃないかと思います。『ミリオンダラー・ベイビー』(04)で作品賞・監督賞などを受賞して以降、アカデミー賞ではイーストウッド作品は選考の対象から外れています。イーストウッドほどの存在になると、アカデミー賞にノミネートされましたが受賞はできませんでした……というわけにはいきませんからね(笑)。今では誰もが名監督・名優として認めるイーストウッドですが、かつてはオラウータンと共演した『ダーティファイター』(78)や続編『ダーティファイター 燃えよ鉄拳』(80)なんて、おかしな映画に主演しています。それもまた、彼の魅力。イーストウッド映画を観て育った世代には、『運び屋』は見逃せません。

■大ヒット作『ボヘラプ』の監督はどうなった?

──ジェームズ・キャメロン製作の『アリータ:バトル・エンジェル』は正月映画として世界公開される予定だったのが、2月22日(金)に公開延期。日本のSF漫画『銃夢』が原作ですが、仕上がりが心配です。

飯塚 予告編の公開以降、ヒロインの眼の大きさばかりが話題になっています。いくらヒロインがアクロバティックな動きを見せても、「アニメでしょ」と思われてしまいますよね。ロバート・ロドリゲス監督がこちらの想像を上回るサプライズを用意していることを期待しましょう(笑)。米国では『アリータ』の正月公開が間に合わなかったことで、20世紀フォックスが『デッドプール2』をR指定からPG13に再編集したものを急遽上映するなど、対応に苦慮したようです。日本では『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしているので、逆にお正月のスクリーンが空いてラッキーでした。『ボヘラプ』の日本での熱狂ぶりはすごく、日本での興収75億円を射程距離に置いています。世界的に見ても、日本での『ボヘラプ』人気はすごいことになっています。

──日本で大絶賛されている『ボヘラプ』ですが、ブライアン・シンガー監督について触れたニュースはあまり聞かないんですが……。

飯塚 ブライアン・シンガーは監督としてクレジットは残っていますが、撮影途中で降板して、俳優でもあるデクスター・フレッチャーが残り2週間分を撮って完成させています。トラブルを起こしたブライアン・シンガーは、ディズニー配給になる『X-MEN』シリーズからも外されるでしょう。ディズニーはゴシップを嫌いますから。ディズニーといえば、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14)のジェームズ・ガン監督を過去のツイッター上の暴言を理由に、『ガーディアンズ』シリーズから降板させたことも話題になりました。マーベルユニバースである『ガーディアンズ』を降ろされたジェームズ・ガンですが、ライバルであるDCコミックの『スーサイド・スクワット』(16)の続編の脚本に起用され、監督も務めることになりそうです。まるで笑い話のようですが、『ガーディアンズ』のキャストの中には『スーサイド・スクワッド』に出たがっているジェームズ・ガン支持派が少なくないようですね。転んでもただでは起きないところは、さすがジェームズ・ガンです(笑)。

 

■ハリウッドの新トレンドは、Jホラーの影響?

──ダリオ・アルジェント監督が撮ったカルトホラー『サスペリア』(77)のリメイク版が、日本では1月25日(金)から公開されます。これって米国では劇場公開されたんでしょうか?

飯塚 『君の名前で僕を呼んで』(17)のルカ・グァダニーノ監督がリメイクした『サスペリア』はAmazonが出資した作品で、米国では2018年10月に限定公開されただけです。銀座シネパトスでひっそり上映されたみたいな感じですね(笑)。ホラーファンにとっては特別な作品なので、ひょっとしたら興収トップ10に入るかなと思っていたんですが、いかせん公開劇場数が少なすぎました。配信を前提に製作された作品なので、仕方ないのかもしれません。今後は劇場公開はなくて配信のみ、パッケージ化もされないという洋画が増えてくるかもしれません。日本にはオリジナル版『サスペリア』の熱狂的なファンが多いので、劇場公開で盛り上がってほしいですね。

──米国では『イット・フォローズ』(14)、『ドント・ブリーズ』(16)『ゲット・アウト』(17)など新感覚のホラー作品が人気を集めています。

飯塚 ホラーとサスペンスの中間みたいな作品が米国では当たっていますね。日本では11月に公開された『ヘレディタリー/継承』も、新しいタイプのホラーとしてかなり話題を集めました。『イット・フォローズ』や『ドント・ブリーズ』は出来がよかったし、『ゲット・アウト』は大ヒットし、アカデミー賞脚本賞まで受賞しています。ホラーなどのジャンル映画を低く見ていた認識が、米国人の中でもずいぶん変わってきているようです。

──不条理な物語『イット・フォローズ』などは、Jホラー映画の進化形のような印象を受けました。

飯塚 Jホラーの影響は確実にあるでしょう。Jホラーが種を蒔いて、海外で予想以上に大きな花を咲かせているような感じがしますよね。Jホラーブームの発火点となった鶴田法男監督は、現在は中国で撮った新作が公開待機中だそうです。内容はまだ明かせないそうですが、鶴田監督が恋愛ドラマを撮るとは思えないので、ホラーファンは期待しますよね(笑)。鶴田監督だけでなく、中国資本で映画を撮るホラー系の日本の監督はけっこういるようです。ホラー出身監督といえば、ジェームズ・ワン監督の『アクアマン』が日本では2月8日(金)に公開されます。低予算ホラー『ソウ』(04)でデビューしたワン監督が、『ワイルド・スピードSKY MISSION』(15)を経て、大作『アクアマン』を撮るなんて、感無量です。ワン監督がプロデュースしている『死霊館』『インシディアス』シリーズも面白さをキープしているので、『アクアマン』の出来映えも楽しみです。

 

■ホームシアター派に推したいSF官能ホラー

──オススメ映画はまだまだありそうですね。

飯塚 アカデミー賞絡みで挙げるなら、ヨルゴス・ランティモス監督のコスチュームもの『女王陛下のお気に入り』(日本では2月15日公開)もノミネートは固いでしょう。賞レース以外では、『トランスフォーマー』シリーズの最新作『バンブルビー』(日本では3月22日公開)が面白そうです。『トランスフォーマー』はシリーズが進むにつれてごちゃごちゃしてきましたが、これは少女とバンブルビーとのシンプルな友情ものなので、予告編を観た限りでは期待できそうです。ヒロイン役のヘイリー・スタインフィルドは作品選びがうまいので、脚本もきちんとしているんじゃないかと思います。『バンブルビー』にも出演しているジョン・シナ主演のコメディ『Blockers(原題)』は米国ではヒットしたんですが、日本での配給が決まっていないのが残念です。ハリウッド作品ではありませんが、僕が個人的に推しているのがスペイン・アルゼンチン合作映画『家(うち)へ帰ろう』。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭コンペ部門の一次審査員をしている関係で毎年100本ほど海外からの応募作品を観ていますが、2018年の観客賞を受賞した『家へ帰ろう』は素晴しい作品です。日本では12月22日から公開が始まったばかりなので、劇場で感動体験をしたい方はぜひ足を運んでみてください。

──週刊誌「SPA!」(扶桑社)で「飯塚克味のボーナス・エイゾーに乾杯!」を連載されていた飯塚さんですが、最近のオススメのパッケージものは?

飯塚 11月にキングレコードからブルーレイとしてリリースされた『スペースバンパイア〈最終版〉』の特典インタビューがよかったですね。バンパイア役のマチルダ・メイの堂々としたヌード姿が強烈だった『スペースバンパイア』(85)ですが、本人へのインタビューによると当時のマチルダ・メイは脱ぐことは納得していたものの、どんな役か説明されないままカメラの前に立たされたそうなんです。そのことを恥じらいながら語る表情がいいんですよ(笑)。WOWOWの『週刊ハリウッドエクスプレス』の年明けは1月12日(土)午前10時30分、いつもよりちょっと早く始まるので、こちらもよろしくお願いします。
(取材・文=長野辰次)

●飯塚克味(いいづか・かつみ)
千葉県出身、日大芸術学部卒業。フリーの映像ディレクターとして、WOWOWの映画情報番組『週刊ハリウッドエクスプレス』の演出などを担当。映像ソフトライターとして「DVD&動画配信でーた」(KADOKAWA)などでも執筆中。

絵本/児童書の“萌え絵”論争はなぜ白熱する? 「萌え絵」「マンガ絵」のボーダーを考える

 「絵本/児童書に“萌え絵”を使用するのは是か非か」――そんな論争が、ネット上で巻き起こって久しい。「人に萌えを感じさせる絵」を意味するという萌え絵は、人に性的なイメージを連想させるケースもあるだけに、「子ども向けの本にはふさわしくない」とする意見が出ているのだ。しかしその一方で、「『萌え絵』として問題視されている絵は、子どもに好かれそうな少女マンガ絵ではないか?」「萌え絵とマンガ絵の違いを把握できていない人がいる」といった指摘も。

 そんな中、絵本/児童書の萌え絵論争において、例に挙げられることが多い「せかいめいさくアニメえほん」シリーズを出版する河出書房新社が11月、公式Twitterに見解を発表。「絵本萌え絵論争が囂しいですが、弊社の『せかいめいさくアニメえほん』は作家さんたちに『萌え絵を描いてください』とお願いしたものではなく『子ども自身が飛びつく絵を』という発注のため『なぜ萌え絵にしたのか』としきりと質問され困惑、担当者も何度説明しても理解してもらえず苦慮しています」とつづり、「そもそも萌え絵ではない」ことを断言したのだ。

 では、「萌え絵」と「少女マンガ絵」もしくは「子どもが飛びつく絵」には、具体的にどのような違いがあるのだろうか。河出書房新社に問い合わせを行ったところ、残念ながら「回答しかねる」との返事だったが、この違いを明確にすることにより、最近の「絵本/児童書」に対する見方が変わる人もいるかもしれない。そこで今回、京都精華大学マンガ学部マンガ学科キャラクターデザインコースで教鞭を振るう、ときまつさなえ氏に取材を行った。小学館「ちゃお」、講談社「なかよし」、芳文社「まんがタイムファミリー」等でのマンガ連載のほか、東京書籍「小学生理科」教科書のイラスト、絵本『いたずらさるの子』などの絵を担当している、ときまつ氏の目に、萌え絵はどう映るのだろうか。

 まず、ときまつ氏は、「『せかいめいさくアニメえほん』シリーズの絵は、萌え絵ではなく『子ども自身が飛びつく絵』」とする河出書房新社の主張について、「その通りだと思います」と見解を述べる。

「同シリーズの絵は、今のマンガ、特に少女マンガの絵。現在は、少年マンガに登場する少女キャラクターも、ああいった絵です。萌えキャラと少女マンガのキャラクターというのは、見た目は確かに似ていますが、まったくもって違うものだと言えます」

 ときまつ氏は、「萌えキャラ」と「少女マンガのキャラ」のあり方を踏まえた上で、萌え絵と少女マンガ絵の違いについて持論を展開する。

「少女マンガのキャラクターは、主な読み手である女性が感情移入できるキャラ。一方で、萌えキャラは、女性より主に大人の男性を興奮させるように作られています。絵的に見ると、少女マンガのキャラと萌えキャラは、顔は同じなのですが、首から下のスタイルやファッションを見るとまったく違うことがわかります。少女マンガのキャラは、ストーリーに沿ったスタイル/ファッションをしていて、たとえ恋愛マンガの主人公でも、好きな男性に対し、可愛らしさや恥じらいは見せますが、『私は胸が大きいのよ!』とアピールするようなスタイル/ファッションで、色気をちらつかせることは基本的にありません。一方で萌えキャラは、ストーリーに沿っているというより、色気を見せることを目的とするスタイル/ファッションをしているのです。例えば、胸が大きかったり、“見えそうで見えない”胸元の開いた服やミニスカートを着用しています」

 当然、少女マンガのキャラがミニスカートをはいているケースもあるが、「でもそれは、『パンツを見せるため』のものではないということです」。

「マンガは1つの作品として売るものですが、萌えキャラはそのキャラ自身を売るもの。その違いでしょう。今回、京都精華大学の学生に、萌えキャラや萌え絵についてどう感じるか、アンケート調査を取ったのですが、女子学生の中には、萌えキャラや萌え絵を『男性に媚びている』『可愛いと思うけど、好きじゃない』とする人も少なくありませんでした」

 ときまつ氏の話によると、萌え絵と少女マンガ絵の違いは、首から下を見ることで“区別”できそうだ。しかし、萌えキャラや萌え絵自体をどう“定義するか”について学生に聞いてみたところ、「答えはない」という結論に至ったとのこと。

「男女ともに、萌えキャラは、ツインテールや巨乳が“定番”とする意見は多かったです。確かにツインテールは、動きを与えることで色気を出しやすい髪形で、かつ可愛らしさもある。それから『顔は童顔だけど体は大人』とする意見もありましたね。ただ、男子学生の中には『自分が可愛いと思うキャラ』『グッズがあったらほしいと思うキャラ』『もしこの子が現実世界に人間として存在したら、付き合いたいと思うキャラ』こそが萌えキャラとする意見も目立っていたんです。これは結局、『その人自身がどう取るか』『いやらしく受け取るか、受け取らないか』によって変わるものなので、萌えキャラや萌え絵の定義に答えはないのではないでしょうか。そうすると、子ども向けの絵本や児童書に『萌え絵が使われている』と捉える人がいること、またそれを否定的に見る人が出てくることも、おかしい話ではありません」

 ときまつ氏は、子ども時代から少女マンガが好きで、大人になってからも、よく読むという人には、河出の「せかいめいさくアニメえほん」シリーズの絵も、抵抗なく受け入れられるのではというが、「あまりマンガを読まない人、マンガが嫌いな人、そもそもマンガを“作品”として捉えていない人からすると、萌え絵と少女マンガ絵が同じに見えるかもしれない」と指摘する。

「そういった方たちには、ぜひ萌え絵が使われていると思う絵本/児童書を、作品としてちゃんと読んでほしいと思います。果たして大人の男性がこれを読んで、性的興奮を覚えるのか……私はそんなことはないと思いますよ」

 そもそも、萌え絵という以前に、マンガ絵が絵本/児童書に使われること自体が嫌だという人もいるだろう。ネット上では、マンガ絵の絵本/児童書について、「表情が豊かすぎて、子どもの想像力が育たない」「フラットな絵の方が合っている」とする声もある。ときまつ氏は、いまや誰もが認める子どもたちのアイドル・アンパンマンも、絵本として初めて世に出た1970年代、「あれは童話ではない、絵本ではないと、ボロクソに叩かれていた」という事例を教えてくれた。

「子どもたちは先入観なしに、アンパンマンというキャラクターを『かっこいい』『可愛い』と受け入れていましたが、当初は『マンガ絵だから』という理由により、絵本作家の間で批判されていたんです。当時、マンガは『読むと頭が悪くなる』『目が悪くなる』などといわれ、文化として認められていなかったんですよ。しかし、『アンパンマン』は、今でも愛され続ける作品・キャラクターになりました。今、一部の人たちが『萌え絵だ、萌えキャラだ』と批判されている作品・キャラクターも、子どもたちに認められていさえすれば、20年後、30年後も愛され続けるのではないかと思います。それに、日本のマンガは、いまや世界的に認められている。マンガ絵の絵本や児童書を批判するのは、私からすると、『考えが遅れている』と感じますね。偏見を持たず、ちゃんと読んでほしいです」

 ときまつ氏いわく、以前からポプラ社は、マンガ絵の子ども向けの小説を出版しているとのこと。最初は、「マンガの絵で挿絵?」と驚いた人もいたであろうが、「いまだに出版されているということは、すでに認知されているということでは。いつの時代も、先駆けは批判対象になりやすいものですが、出版社は一部の『萌え絵だ』『マンガ絵だ』という批判で、出版をやめることはしないでほしい」ときっぱり述べる。

 書店の絵本/児童書コーナーで、“モヤッ”としたときには、ときまつ氏の言葉を思い出し、自分が何に違和感を覚えているのか、そしてそれは違和感を覚えるべきものなのか、あらためて考えてもいいのかもしれない。

眞子さまと小室圭さん母子を取り巻く過激報道は、人を殺しかねない

平成最後の1年間、まさか秋篠宮眞子さまと小室圭さんのご結婚をめぐるトラブルが、ここまで皇室を揺るがすことになるとは、誰が予想したであろうか。未だに解決のめどがたたず、報道は過熱するばかりだ。

 さかのぼること2017年9月、眞子さまと小室さんはご婚約会見を行ったが、12月に「週刊女性」(主婦と生活社)が、小室さんの母・小室佳代さんの金銭トラブルを報じた。これによってにわかに雲行きは怪しくなり、2018年2月には宮内庁が「ご結婚の2年半日延べ(延期)」を発表。8月には、問題を残したまま小室圭さんの3年間の米国留学が決定する。11月、秋篠宮殿下は小室さん方に対し「それ相応の対応」を求め、現状では結婚にあたる納采の儀を行えないと明言なされた―――。

 時系列のみを追ってもこの目まぐるしさだが、この間、各週刊誌は皇室の動向や眞子さまのお気持ち、そして小室さん親子の“スキャンダル”を書き立ててきた。佳代さんの400万円の借金トラブルの相手と見られる元婚約者の登場にはじまり、新興宗教の噂、父親の死因、そして派手すぎるサングラスなど……とりわけ佳代さんには、マスコミの過剰な視線が向けられてきたと言ってもいい。

 たとえば今年9月、「女性セブン」(小学館)は佳代さんが“失踪”したと、その近況を報じた。横浜の実家周辺、パート先にもパタリと顔を見せなくなったという。さらに10月にも、同誌は小室さんと佳代さんがいなくなった自宅マンションに汚物が投げ込まれたという謎の事件も伝えている。

 婚約会見から小室さんの自宅マンションの前にはポリスボックス(警察官の派出所)が設置されていたが、小室圭さんの渡米で警察官がいなくなった途端、マンションの郵便受けから郵便物が盗まれる、玄関付近に犬の糞尿が撒き散らされるといった事件が勃発したという。小室さん親子に反感を持つ者の犯行であることは想像に難くないが、その“反感”を強めた背景に、過熱しすぎた週刊誌報道があるだろう。

 12月20日発売の同じく「女性セブン」では、<小室圭さんと消えた母 眞子さまと破談で解決金と暴露会見>なるタイトルの記事を掲載している。秋篠宮殿下が「それ相応の対応」と発言され、ご婚約の実現がいっきに遠のいた直後だったが、記事によれば、皇室は小室さん親子が会見を開き、これまでの経緯を暴露することをなによりも憂慮されているという。さらに皇室としては小室さん側が結婚辞退を申し出るのを望んでいるが、佳代さんが金銭での解決を要求するのでは……との可能性まで示唆している。税金を原資とする皇室のお金で解決することに国民の理解は得られない。どちらに転べども、皇室は小室さん親子に心を砕かれる、ということだ。

 これまでの週刊誌報道から、佳代さんには異常なイメージが植えつけられてきた。前掲「女性セブン」でも、「佳代さんと圭さんは大学生のときも同じベッドで寝ていた」「佳代さんの人生は息子が生きがい」などのエピソードが盛り込まれている。ちなみに、佳代さんの現在の消息については、近隣住民が「つい最近も自宅に化粧品やサプリメントが届けれらた」と証言したことから、自宅に引きこもっているようだと伝えているが……つまりは、記者が四六時中張り付き、佳代さんが不自由しているということではないか。

 佳代さんに対するメディアの異常な執着は、12月27日発売の「週刊文春」(文藝春秋)にも顕著だ。こちらも本旨は小室家の借金問題だが、やはり佳代さんの人となりに関する取材には余念がない。

 記事では、佳代さんの小中学時代の同級生を直撃し、幼少の頃のエピソードや家庭環境までも明らかにされている。さらに、例の元婚約者が個人的なメールのやりとりを晒し、佳代さんから「レディ・ガガの『ポーカーフェイス』みたく生きられたらどんなに良いかしらん」などというメッセージが送られてきたことを明かしている。佳代さんもレディ・ガガを聴くのかあ、というだけの話だが、この文脈では佳代さんの“奔放さ”がとりわけ強調される。

 小室さん親子にまつわる報道は、いったいいつまで続けられるのだろうか。眞子さまとの婚約が暗礁に乗り上げてしまった今、破談以外の着地点も見つからない。

過剰な取材行為=メディアスクラムで小室さん親子を追い込むマスコミ
 社会的に関心の高い出来事についてマスコミが過剰な取材を行うこと、またそれによって取材対象者がプライバシーや生活を脅かされる被害を、「メディアスクラム」(集団的過熱取材)という。ラグビーの試合で、選手がスクラムを組んで集中攻撃をする様子に似通っていることからつけられた。

 日本での事例を挙げれば、1994年の松本サリン事件において、多数のメディアが河野義行さんを犯人と決めつける報道をしたことや、1998年の和歌山カレー毒物混入事件で、容疑者とされた林真須美被告の自宅をカメラが連日取り巻き、近隣住民から苦情が相次いだことなどがあった。

 いずれも事件取材ならば、曲がりなりにもジャーナリズムという大義名分があった。だが小室さん母子への過激な報道は、常軌を逸している。

 念のため断っておくが、小室さん母子は犯罪者ではない。公人でもない。眞子さまとの結婚が成されないうちは一般市民だろう。たとえば佳代さんが女手ひとつで圭さんを育て上げてきた思いや苦労を記事にして伝えたとしても違和感があるが、プライベートを侵食し異常な親子というイメージを作り上げる記事の数々はもっとおかしい。彼らにも私生活があり、さらに眞子さまとの婚約の可否に関わらず、その後の人生が続くことを考慮すべきではないか。

 過激な報道を通して、世間は眞子さまと小室圭さんのご婚約への後ろ暗いイメージや、佳代さんに対する好奇のまなざしを養われた。まるで、小室さん母子が“国賊”であり、どんな扱いや謗りを受けても仕方ない、というような雰囲気がまかり通る現状は、はっきり言って異常であり、人を殺しかねない危険性をはらんでいる。それともまさかメディアは、小室さん母子が何をどれだけ書き立てられても傷つかず屈することもない、それこそ“異常”な存在だと認識するだけの根拠を持っているのだろうか。

カテゴリー: 未分類 | タグ:

レペゼン生きづらい芸人・若井おさむ、タバコを吸って大惨事……「さざ波アワード2018」

 古代ギリシャの哲学者、ディオゲネス・ラエルティオスは言った。「幸福は一つひとつのささやかなことにより実感される。それは決して小さなことではない」。だからね、一つひとつのしょーもなニュースってのも、決して小さなことではないんですよ。え? 違う? ああ、そう。じゃまずは2018年の月間MVPから!

1月 自作ラーメン作成をブログでたびたび報告してきたこだわりの男・大鶴義丹、最終的に味の決め手は味の素との結論に至る
2月 あれだけ猛獣のように元夫に蹂躙行為をはたらいてきた松居一代が、携帯ショップの待合室でライオンがほかの動物を襲うDVDが流れていたことを、「恐ろしい」「なぁ~んであれを流しているんだろう」と泣き顔の顔文字つきで嘆く
3月 布川敏和、ブルームーンを拝んで「ないものねだり」
4月 モンキッキーが、レストランで隣席の一般人から、子どもたちについて「可愛くて上品なお子さん」「全部ママ(山川恵里佳)に似たのね」と言われムッとする
5月 いしだ壱成、初夏のぬるい水で滝行に挑む
6月 藤原紀香が47歳の誕生日に「年齢なんてただの数字」と勢い込む
7月 『笑点』(日本テレビ系)で楽屋の名前が「オール阪神・巨人先生」となっていたことについて、オール巨人が「『先生』には…ちょっとビックリしました、『様』で良いのにね(笑)」と、スタッフの過剰な震え上がりに苦笑
8月 いかなる番組に出演しても「なぜ呼ばれた?」と疑問視される林家三平・国分佐智子夫妻が、『人生最高レストラン』(TBS系)に出演し、2人の好きなメニューや「『一口ちょうだい』が許せない」という三平の持論など、誰得エピソードを開陳
9月 ガンダム芸人・若井おさむが“自分探し”の一環で、四十路にて喫煙を始めるも体質に合わず番組本番中にゲ◯
10月 中野浩一の妻で面白ブロガーのNAOMIが、毎年ハロウィーンで騒ぐ外国人に対しブログでブチギレつつ「インターナショナルschoolや大使館が近くにある為毎年、家の前の道が『お祭り騒ぎ』になり」とさりげなく港区民自慢をブッ込む
11月 泰葉が3カ月前から毎日告知し「泰葉復活祭」と銘打った、いわく“爆笑トークと弾き語りの三時間”のライブを開催するも、その後ブログでライブレポートは一切なし。閑古鳥が鳴いていたのではないかと推察される
12月 「新キリスト」を自称する石原真理子、世間のクリスマス商戦を「私にあやかったパクリ」と断罪

 どうですかお客さん。18年も自信を持ってお薦めできる些末ラインナップとなっております。それではベスト3の発表!

 たまに地方局の番組や通販番組で見かける程度で、何で食い扶持を得ているのかいまひとつわからないフックン。ブログで紹介される彼の日常は、ガーデニングにいそしんだり愛犬の世話をしたりドライブをしたり……と、「バブルの残滓ってのは、たいして働かなくてもそんなに悠長に暮らしていけるのかい」と、マスコミ界のブルーカラーである当方こと泡沫ライターは悪態のひとつもつきたくなってしまうが、元嫁・つちやかおりに出て行かれてからというもの、ブログのエントリーの隅々に、五十路男の泣き笑いが滲み出ており(元来「泣き笑い顔」というのも相まって)、更新ごとの枕詞「アロハッピー(^o^)/」が虚しく響いてたまらない。

 そんなフックンが3月の末「通常の満月と比べて数倍ものパワーを放つ」といわれるブルームーンの日に、その効果を箇条書きしている。いくつか引用してみると

・恋愛や仕事が長続きするように調和する
・人間関係が崩れないように助けてくれ、末長くよい関係を保ってくれる
・交流が楽しみやすくなり、意見が異なる人とも冷静に話し合いやすくなる
・チームやパートナーで達成したい目標を願えてくれる

……と、目下フックンが何に悩んでいるかが、実にわかりやすく現れている。昨年「さざ波アワード2017」で触れた、いしだ壱成にも通じるが、「精気をなくした芸能人は月に頼りがち」という法則が立証されそうだ。

第2位 藤原紀香が誕生日に「年齢なんてただの数字」と勢い込む

 我らがノリ姐が、6月28日に御歳47を迎え、同日午前0時過ぎにブログを更新した。「あっ。何歳だ?」とタイトルされたそのエントリーでは「私ごとですが、47歳になりました」と切り出し、携帯電話のカレンダーに、間違えて「48歳!」とメモを記していたドジッ子エピソードを明かした。「なんか、もう47、48、どちらでもいいわ(笑)」「世界は数字で成り立っている、言われているけれど、年齢に関しては、ただの数字な気がする」と力強く語っており、まさに「気愛と喜愛で♪ノリノリノリカ」イズムここに極まれり! といった感がある。

 ノリ姐のSNSといえば、マンキンのビューティー自撮りでおなじみ。どの写真も補正をかけすぎて「ここは温泉場かな? 湯気でレンズ曇っちゃってるのかな?」というシュールな画調になっている。肌の質感もリカちゃん人形みたいにツルッツルで、ツーショット、とりわけ50代以降の男性と共に写っていると、一緒に補正がかかってしまった隣の人物が原型を留めておらず「誰?」となるケースも少なくない。「アンチアンチエイジング」なるワードも飛び交う昨今ですが、人間、言葉と行動の符合ってなかなか難しいものですよね。47歳、複雑なお年頃なのでしょう。2019年もますますのノリ姐節炸裂を期待しております。

 精度の高いアムロ・レイのモノマネと、ここでは詳細を省くが、壮絶な生い立ちで知られるレペゼン生きづらい芸人・若井おさむ。自宅には「犯罪は絶対に犯さない」「自殺は絶対にしない」との言葉が座右の銘として貼り紙してあったり、気づいたらキックボクシングのトレーナーになっていて「俺なにしてんねん」とふと真っ白になったり、宅配のバイト中エレベーターの中で首ヘルニアに良い首伸ばし運動をしていた姿が防犯カメラに収められ「シャ◯中のストーカー」と疑われ、警察に任意同行を求められたり、18年夏には汚し塗装を施したガンプラを相棒にタイへ旅行したりと、45歳になった今も、“永遠のアムロ・レイ”の自分探しの旅は続いているようだ。

 そんな彼が18年9月、自らが所属する「吉本プラモデル部」が配信するネット番組『模魂ちゃん!』の本番収録中にゲ◯を吐いてしまうというアクシデントが発生した。本人の談によれば「喫煙者の自殺率は少ない」との情報を目にして、四十路を過ぎてから無理にタバコを吸い始めたという。この日の収録前も、気が進まないながら共演者たちに合わせて喫煙していたとのこと。挙げ句、本番がスタートするや、みるみる顔色が土気色になり、途中までほぼ言葉すら発していない。番組中盤でいよいよ我慢できなくなり「ちょっとゲ◯吐いてきます」と中座し、戻ってきてからはスッキリして元気に収録に参加。共演者のパンクブーブー・佐藤やハイキングウォーキング・鈴木Q太郎らの爆笑を誘っていた。

 なんというか……「生きて!」と声援を送りたいね、若井さんには。複雑混迷を深める現代社会、世に生きづらい人々が増える昨今、それらの人々に寄り添い、光を与える存在となっていただきたい。

 というわけでね、こだわりのラーメンの決め手が味の素だっていいじゃない。初夏のぬるい水で滝行したっていいじゃない。この記事に登場した面々を見習って、我々も自分らしく、無理せず生きようぜ! って話です。

佃野デボラ(つくだの・でぼら)
ライター。くだらないこと、バカバカしい事象とがっぷり四つに組み、掘り下げ、雑誌やWebに執筆。生涯帰宅部。

「相変わらず上から目線」「ちょっと黙ってて」 コメンテーター気取りが鼻につく芸能人3人

 いくら頭の回転が速い芸能人といっても、「なぜこの人がコメンテーターを?」と疑問に思うことは少なくない。お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦は、ラジオ番組で長寿番組にまつわる持論を展開。熱弁を振るうもリスナーの反応はイマイチだったようだ。

 昨年11月14日に放送された『オリエンタルラジオ 中田敦彦のオールナイトニッポンPremium』(ニッポン放送)。中田は「レギュラーが長く続くってどうなのって視点が最近ある」「レギュラー番組って8年でいいだろっていう説を僕は常に唱えている」などと提言した。中田の発言に対してネット上では、「相変わらずの上から目線」「自分で頭が良いって思ってそうだけど、そうでもないよ」「持たざる者がなに言っても屁理屈でしかない」と批判の声が相次いでいる。

 そこで今回は中田のように、コメンテーター気取りなのが鼻につく芸能人たちを紹介していこう。

 

●藤本美貴

 タレントの藤本美貴は、2017年11月放送の『バイキング』(フジテレビ系)でのコメントに“的外れ”との批判が殺到。アメリカのドナルド・トランプ大統領が来日し、安倍晋三首相が1,200円のハンバーガーを振る舞ったというニュースでのひとコマだ。

 藤本は不満げな表情で「ハンバーガーから始まるのは、ちょっとない」「安易にハンバーガーって。しかも1,200円って今時そんなに高くもない」とコメント。そんな藤本に対してネット上では、「日本に来たら和食を食べさせようって考えのほうが安易」「ちゃんと事前に打ち合わせて用意されたものに決まってるだろ」「外交を考えた上でのチョイスなんだろうからちょっと黙ってて」「この人が主婦代表みたいなコメントするのほんと違和感しかない」と辛辣な声が並んでいる。

 

●カンニング竹山

 お笑いタレントのカンニング竹山は、まさかの芸人仲間からコメンテーター気取りを指摘されている。17年11月放送の『金曜★ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)で、お笑いタレントの出川哲朗が「認めている後輩ランキング」を発表。その中で竹山を10人中最下位に位置づけた。

 出川は竹山とともに出演した『アッコにおまかせ!』(TBS系)での収録を振り返り、竹山が自信満々に「コメンテーター2本やってますから」と発言していたことを暴露。そんな竹山に対して、出川から「なんじゃそれ」とツッコミが飛ぶことに。また竹山による“怒りのコメント”がたびたびヤフーニュースで取り上げられるのを疑問視した出川は、「どこに向かってるんだろう」と率直な疑問を竹山に投げかけている。

サルの脳みそ、ゴリラの肉、胎盤餃子……辺境探検家が挑む食の冒険『辺境メシ』

『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』(文藝春秋)は、辺境探検家でノンフィクション作家・高野秀行氏が「食べ物」を書くと、こうなるのか! と驚かされる食のエッセイだ。「ヤバそうだから食べてみた」というタイトル通り、高野氏は明らかにヤバそうな食べ物に出会うたび、なんでもどんどん口へと放り込んでいく。特に現地の人に勧められたら、断らない。

 コンゴでは長距離バス内でサルのくん製肉が回ってきて、まるでみかんかせんべいをおすそ分けするかのように、車内のお客が一人ずつガブッとかみちぎっては隣の客へと回す。そこで高野氏も躊躇なくかぶりついたところ、乗客から歓声が上がったという。「なんでも食べられる」は、現地に溶け込むための最重要スキルのひとつなのだ。

 高野氏にとって、「食の安全基準」は現地の人が食べているかどうか。「どんなにゲテモノに見えても地元の人が食べてたら大丈夫」とのこと。ほんとかな?

 本書には、水牛の髄液胃袋包みカリカリ揚げ、インカ帝国公式エナジードリンク、羊の金玉と脳味噌のたたき、口噛み酒、胎盤餃子、カエル丸ごとジュースなどなど、読んでいるだけで、ひえーっと悶えるような食べ物が出てくる。

 今でこそ「ヤバそうだから食べてみよう」となんでも食べる高野氏だが、意外なことに、幼いころは好き嫌いが多かったらしい。モツもキノコ(特にしいたけ)も、香辛料も外国のチーズもダメ。そんな高野氏に「食ビッグバン」が起きたのは、早稲田大学探検部の仲間と、謎の怪獣モケーレ・ムベンを探すべく、コンゴ共和国の密林を訪れてから。

 コンゴの密林には、昔からゴリラを食べる習慣があった。案内役の村人たちはゴリラが吠える声や、胸を叩いたりすると音を耳にすると「ハッ!」という顔をして、ヤリを咄嗟につかんで、命懸けの狩りに出ようとした。

 だが、そのとき同行していたコンゴ人動物学者、通称“ドクター”が「ゴリラは国際保護動物だ。狩って食べてはいけない」と繰り返し説いた。村人たちは、国際保護動物などまったく理解できない概念だっただろうが、都会から来た偉い人の言いつけとあって守っていた。ところがある日、ドクターはゴリラの観察中、うっかりゴリラに近づきすぎて襲われ、命を守るためにそのゴリラを銃で射殺。

 もともと村人たちはゴリラを食べたくて、しかも、探検部の仲間たちは極端な食糧不足で飢えていた。みんなの心はひとつだった。ゴリラは村の人たちの手によって、あっという間に解体され、鍋でぐつぐつと煮込まれた。

 この旅では、ほかにもチンパンジー、サル、ヘビなど野生動物を片っ端から食べたそうで、その結果、帰国後は自然と好き嫌いは消滅したという。

 一時期、“主夫”をしていた経験もある高野氏は、食べるだけではなく、「作る側」として、“どうやって作るんだろう?”という好奇心で、厨房へ突っ込んでいく。さらに、さすがの語学力で材料をちゃんと確認し、丹念に工程も追っているところも詳しすぎて、笑う。凡人には食べる機会すら得られない食べ物が多いので、ぜひ本の中で世界の「辺境メシ」を楽しんでもらいたい。

(文=上浦未来)

●たかの・ひでゆき

1966年、東京都生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部所属時に執筆した『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。2005年、『ワセダ三畳青春記』で酒飲み書店員大賞を受賞。13年刊の『謎の独立国家ソマリランド』で講談社ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞。ほかに『西南シルクロードは密林に消える』『アヘン王国潜入記』『イスラム飲酒紀行』『謎のアジア納豆』『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』(清水克行氏との共著)など著書多数。

 

カテゴリー: 未分類 | タグ:

小説家・小林早代子がガチで選んだ、「ジャニーズJr.チャンネル」2018年超必見動画

 ジャニーズファンのみなさまにとっては激動の2018年だったかと思いますが、中でも動画サイトYouTubeに「ジャニーズJr.チャンネル」が開設したことは、かなりエポックメイキングな出来事だったのではと思います。これを機に、新しくJr.に興味を持ったという方、また特定のグループの動画しか見ていないという方も多くいらっしゃると思いますので、今年配信された動画の中から、該当のファンでなくても楽しめるような動画をグループごとに1本ずつご紹介したいと思います!

水曜更新 Snow Man
 Snow Manは、これまでに埼玉県深谷市のご当地キャラの「ふっかちゃん」、サンリオの人気キャラクター「シナモロール」と動画内で対面しており、キャラクターとのコラボ動画は必見です。また、グループ内でも特に美しい筋肉をお持ちの岩本照さんの……

カテゴリー: 未分類

「お祓いで10万円」「友達とまったく同じ結果」占いで“損したエピソード”を100人調査

 新しい1年の始まり、どんな年になるのか気になる人も多いはず。そんなとき、つい頼りたくなるのが「占い」。ただ、「なんだかうさん臭い」「本当に占えているのか謎」と感じた経験がある人も少なくないようだ。そこで今回、これまでにお金を払って占いをしたことのある男女100人に、「占いで『損した』『騙されたかも』と思った体験」を語ってもらった。

鑑定結果がありきたり

 「よくよく考えたら、誰にでも当てはまることしか言われていない」というケースは非常に多い様子。

・誕生日と手相を組み合わせた占いで、いろいろと言われましたが、結局どうしたら良いかという部分が、誰にでも言えるような内容だけだった。すごく損をした気持ちになりました(60代/女性/個人事業主)
・話の内容を後で紙にまとめてみたが、無難なことしか言われていなかったことに気付いた(40代/男性/正社員)
・誰でも言えるような、当たり障りのないことばかり言われた時。「何か悩みがありますね」と言われ、悩みがない人がいますか? と返したくなりました(40代/女性/無職)

教科書通り?

 教科書をまるまる暗記して話しているような鑑定は、占いではない!?

・友達の勧めで、よく当たるという占い師のところに。恋愛の相談をして、「なるほど」と思い、その友達に結果を話すと、友達も恋愛占いで、一言一句同じ結果を言われていたことを知りました(20代/男性/正社員)
・手相にはまって何人かに見てもらいましたが、1000円クラスの占い師さんが言うのは教科書通りの同じこと。だいたい同じことを言われ、2人目以降からはあまり参考になりませんでした(30代/女性/正社員)

 当たらぬも八卦とは言うけれど。ハズレたら損した気分になるのは仕方がないかも。

・恋愛相談をして、予言されたこととまったく正反対のことが実際に起こった時、占いは信用できないと思いました(30代/女性/専業主婦)
・「あなたには妹がいるでしょ!」と、いきなり間違えた家族構成を言われ、その後に言われた内容をまったく信じることができなかった時に、損をしたと思いました(20代/女性/正社員)
・たかだか数千円ですが、運勢を占ってもらったことがあります。そのときは何も思いませんでしたが、後に占星術などの知識を得て、自分を占ったらまったく違っていました。正直言って、自分で占った結果の方がよく当たりました(30代/女性/正社員)
・生まれてからずっと貧乏で、お金に困って困って過ごしてきたのに「あなたには貧乏が似合わない!」と言われたこと。似合うとか似合わないとかの問題じゃないです(20代/女性/正社員)

お金目当てとしか思えない

 不安をあおって高額な商品を売りつけるなど、詐欺まがいの占い師もいるようなのでご注意を。

・占いで「ご先祖様に不幸があり、その不幸があなたを苦しめている」と言われ、その時に勧められた象牙の印鑑を買ったため(50代/男性/正社員)
・あまりしっかり話を聞いてくれないのに高額な費用を請求されたので、騙されたと思いました(30代/女性/正社員)
・時間ごとに料金が加算されていく方式で、話を真剣に聞いていたら区切りが近くなるにつれ、この先を聞きたければ……のように、聞きたくなるような、心配をあおるような内容の話をしてくる。そのくせ、実際聞いてみると大したことなかった。騙されたと思いました(30代/男性/正社員)
・手相占いでしたが、結局なんか憑いていると言われて、本部があるからそこで多額なお祓い料支払ってお祓いしろって言われました。ちなみに手相占い2,000円、本部お祓い料10万円です。詐欺ですね(50代/男性/経営者)
・ブレスレットなどを押し売りしてくる占い師さんに出会った時です。ありきたりな診断をした後、すぐブレスレットを勧めてきて、怖くなりました(20代/女性/正社員)

聞きたいことが聞けない

 たとえ、よく当たる占い師でも、占ってほしいことをみてくれなければ意味がない。

・恋愛運を占ってもらうつもりでいましたが、先祖の話など途中から違う方向に進んでしまった(40代/女性/パート・アルバイト)
・転職に関する相談をしたかったのに、「結局、女性は恋愛のこと聞きたいよね?」って感じで、恋愛のアドバイスみたいな話ばかりされた。そうこうしているうちに時間切れになってしまった(30代/女性/専業主婦)
・深く質問すると、話を巧みにそらされました。それからは、お金を払って占いをしたことがないです(40代/男性/経営者)
・私の悩みを聞いてほしいのに、人の話を聞いているうちに、自分の経験談から自慢話や世間話へと流れる女性占い師に出会ったことがあります。お金を払ったにもかかわらず、なぜか私が彼女の聞き手役に回ってしまい、私の悩みは一切解決しなかったのに、「はい料金」みたいに請求されたときは「詐欺だ」と思いました(40代/女性/無職)

 占いではなくカウンセリング!? と感じてしまうようなパターンも。

・霊感占いだったのですが、何を聞いても「それもあなたの考え方次第で、気分が上がる気持ちでいれば良い結果になり、悲観的に考えれば考えたようになります」の繰り返しで、実際にその通りなのかもしれませんが、わざわざ鑑定を受ける意味はないと思いました(50代/女性/パート・アルバイト)
・占ってほしい内容を話したら、普通に占いではなくアドバイスのような話をされて終わったこと(20代/女性/正社員)
・具体的な話ではなく、「人それぞれ」「価値観の違い」などと曖昧なことを言われた。占いというより人生相談みたいな内容だった(20代/女性/無職)

かえって悩みが増えた

 占ってもらってスッキリするはずが、かえって悩みが増えてしまっては本末転倒かも。

・深刻な悩みを抱えている時、手相家に「これからのあなたは良くない」とはっきり言われました。大きな打撃を受ける中、矢継ぎ早に教え諭すような言葉が飛んできました。明るい助言もありませんでした。鑑定後、気分がまったく晴れず、前より大きな悩みとして心に残りました。この手相家を選んで損をした気持ちしか残っていません(40代/女性/専業主婦)
・自分の欠点ばかり言われて、いいところをひとつも言ってくれない占い師さんに当たった時です。何のためにお金を払ってみてもらったのかと悲しくなりました(40代/女性/パート・アルバイト)

楽器代6万円、卒園イベントで8万円徴収……「認定こども園」は悪徳風俗並みのボッタクリ!?

「平成」も、いよいよ終幕が迫ってきた。

 そんななか、新時代の幕開けとなる2019年のひとつの“目玉”として注目を集めているのが、10月からのスタートが決まっている「幼児教育・保育無償化」だ。

 幼稚園や保育所に通う3~5歳のすべての子どもと、保育所に通う0~2歳の住民税非課税世帯の子どもについて、利用料を無料とする施策である。

「昨年12月に閣議決定された経済財政政策『新しい経済政策パッケージ』のひとつ。『生産性革命』と『人づくり革命』をお題目に掲げるこの政策で、政府は加速する少子高齢化に歯止めをかけようという狙いがある」(大手紙記者)

 子育て世帯には朗報だが、同時期に控える消費増税への不安もあり、「本当に負担減になるのか」と政策効果を疑問視する向きも少なくない。

 都内に住む、1歳男児と3歳女児の父親(40代)は、こう訴える。

「保育料などの基本的な施設利用料がタダになっても、負担はそれだけではありません。特に懸念されるのは、さまざまな名目で実費負担が強いられる『認定こども園』での処遇です」

「認定こども園」は、06年に創設された、幼稚園と保育園の機能を一体化させた施設である。12年に、子育て支援対策として安倍晋三政権が成立させた「子ども・子育て関連3法」で現行制度に改正されてからは、増加の一途をたどっていた待機児童の受け皿として全国で急増した。

 保育所の抽選に外れた共働き世帯が子どもを入園させるケースが相次いだが、利用者からは不満の声も漏れる。

 子ども2人を都内の認定こども園に通わせる先の父親は、ため息をつく。

「月額の利用料は、保育所とそれほどの開きはありません。ただし、通園送迎費・食材料費・行事費などさまざまな名目で、平均して月2万円を超える諸経費が追加で徴収されるため、結果的に結構な出費を強いられてしまうのです。さらに気が重いのが、種々のイベント。運動会のほかに歌の発表会などもあり、そのたびに数千円が徴収される。きわめつきは卒園時に催される謝恩会で、なんと8万円もかかるというんです。過去の謝恩会の内容を聞いても、とても8万円もかかるようなものではなく、園の利益になっているとしか思えない。まるで悪徳風俗のタケノコはぎ詐欺ですよ(苦笑)」

 ちなみにこの父親が通わせる認定こども園は、もともと情操教育に力を入れていることで有名な私立幼稚園。バレエやバイオリンといった、保育時間外の“習い事”が充実していることから、遠方から通わせる富裕層の保護者も多かった。しかし、認定こども園移行後に入園した非富裕層の家庭の園児にも、こうした習い事の受講が半ば必須になっているという。

「幼稚部の親と保育部の親は、明らかに身分が違う。高級外車で乗り付ける幼稚部の親を尻目に、われわれ保育部の親は、子どもを自転車の座席に乗せて送り迎えする。子どもは大人の事情などお構いなしですから、周囲の子どもを見て『習い事がしたい』と言えば、やらせるしかない。保育料以外に月々約4,000円の出費となり、習い事に使う楽器代として、6万円徴収されたという。

 この園の銭ゲバぶりは、認定こども園の中でも特に顕著なケースといえるかもしれない。しかし、認定こども園の施設利用料の不明瞭な体系については、広く問題視されている。

「認定こども園では、片働き家庭が『1号認定』、共働き家庭が『2号認定』と親の就労形態によって扱いが異なり、自己負担額も収入の多寡や家庭環境によって変動する。当然、共働き家庭(2号)は、幼稚園のみ利用する片働き家庭(1号)に比べて利用時間が長くなり、単位時間当たりの自己負担額でも多くなってしまうケースが多い。つまり、子育て支援と言いながら、育児の負担がより大きい共働きのほうが損をするという矛盾が放置されているんです。そもそも待機児童などの問題を根本的に解決するなら、保育園を増やせばいい話なのですが、政府は保育園増設に積極的ではない」(前出・大手紙記者)

 認定こども園の増加の背景には、片働き家庭の減少による幼稚園の苦境が関係しているとの指摘も多い。事実、経営難に陥った幼稚園が、認定こども園にくら替えした例は数多い。

 さらに、認定こども園の増加を奨励した安倍政権の子育て支援策には、自民党の文教族議員の意向が強く働いたという疑惑も根強い。

「安倍首相の出身母体である『清和会』には森喜朗元首相や下村博文元文科相ら、文教族の実力者が多い。政権中枢の麻生太郎財務相も大物文教族議員として知られている。認定こども園を増設することにより、寡占化によるうまみが大きい保育所の利権確保と、幼稚園の救済を同時に達成できるのです」(同)

 一番の被害者は、権力者たちの思惑に翻弄される子どもたちだろう。

楽器代6万円、卒園イベントで8万円徴収……「認定こども園」は悪徳風俗並みのボッタクリ!?

「平成」も、いよいよ終幕が迫ってきた。

 そんななか、新時代の幕開けとなる2019年のひとつの“目玉”として注目を集めているのが、10月からのスタートが決まっている「幼児教育・保育無償化」だ。

 幼稚園や保育所に通う3~5歳のすべての子どもと、保育所に通う0~2歳の住民税非課税世帯の子どもについて、利用料を無料とする施策である。

「昨年12月に閣議決定された経済財政政策『新しい経済政策パッケージ』のひとつ。『生産性革命』と『人づくり革命』をお題目に掲げるこの政策で、政府は加速する少子高齢化に歯止めをかけようという狙いがある」(大手紙記者)

 子育て世帯には朗報だが、同時期に控える消費増税への不安もあり、「本当に負担減になるのか」と政策効果を疑問視する向きも少なくない。

 都内に住む、1歳男児と3歳女児の父親(40代)は、こう訴える。

「保育料などの基本的な施設利用料がタダになっても、負担はそれだけではありません。特に懸念されるのは、さまざまな名目で実費負担が強いられる『認定こども園』での処遇です」

「認定こども園」は、06年に創設された、幼稚園と保育園の機能を一体化させた施設である。12年に、子育て支援対策として安倍晋三政権が成立させた「子ども・子育て関連3法」で現行制度に改正されてからは、増加の一途をたどっていた待機児童の受け皿として全国で急増した。

 保育所の抽選に外れた共働き世帯が子どもを入園させるケースが相次いだが、利用者からは不満の声も漏れる。

 子ども2人を都内の認定こども園に通わせる先の父親は、ため息をつく。

「月額の利用料は、保育所とそれほどの開きはありません。ただし、通園送迎費・食材料費・行事費などさまざまな名目で、平均して月2万円を超える諸経費が追加で徴収されるため、結果的に結構な出費を強いられてしまうのです。さらに気が重いのが、種々のイベント。運動会のほかに歌の発表会などもあり、そのたびに数千円が徴収される。きわめつきは卒園時に催される謝恩会で、なんと8万円もかかるというんです。過去の謝恩会の内容を聞いても、とても8万円もかかるようなものではなく、園の利益になっているとしか思えない。まるで悪徳風俗のタケノコはぎ詐欺ですよ(苦笑)」

 ちなみにこの父親が通わせる認定こども園は、もともと情操教育に力を入れていることで有名な私立幼稚園。バレエやバイオリンといった、保育時間外の“習い事”が充実していることから、遠方から通わせる富裕層の保護者も多かった。しかし、認定こども園移行後に入園した非富裕層の家庭の園児にも、こうした習い事の受講が半ば必須になっているという。

「幼稚部の親と保育部の親は、明らかに身分が違う。高級外車で乗り付ける幼稚部の親を尻目に、われわれ保育部の親は、子どもを自転車の座席に乗せて送り迎えする。子どもは大人の事情などお構いなしですから、周囲の子どもを見て『習い事がしたい』と言えば、やらせるしかない。保育料以外に月々約4,000円の出費となり、習い事に使う楽器代として、6万円徴収されたという。

 この園の銭ゲバぶりは、認定こども園の中でも特に顕著なケースといえるかもしれない。しかし、認定こども園の施設利用料の不明瞭な体系については、広く問題視されている。

「認定こども園では、片働き家庭が『1号認定』、共働き家庭が『2号認定』と親の就労形態によって扱いが異なり、自己負担額も収入の多寡や家庭環境によって変動する。当然、共働き家庭(2号)は、幼稚園のみ利用する片働き家庭(1号)に比べて利用時間が長くなり、単位時間当たりの自己負担額でも多くなってしまうケースが多い。つまり、子育て支援と言いながら、育児の負担がより大きい共働きのほうが損をするという矛盾が放置されているんです。そもそも待機児童などの問題を根本的に解決するなら、保育園を増やせばいい話なのですが、政府は保育園増設に積極的ではない」(前出・大手紙記者)

 認定こども園の増加の背景には、片働き家庭の減少による幼稚園の苦境が関係しているとの指摘も多い。事実、経営難に陥った幼稚園が、認定こども園にくら替えした例は数多い。

 さらに、認定こども園の増加を奨励した安倍政権の子育て支援策には、自民党の文教族議員の意向が強く働いたという疑惑も根強い。

「安倍首相の出身母体である『清和会』には森喜朗元首相や下村博文元文科相ら、文教族の実力者が多い。政権中枢の麻生太郎財務相も大物文教族議員として知られている。認定こども園を増設することにより、寡占化によるうまみが大きい保育所の利権確保と、幼稚園の救済を同時に達成できるのです」(同)

 一番の被害者は、権力者たちの思惑に翻弄される子どもたちだろう。