どうでもいい出来事ゆえに、どうでもよくない……シリーズ:ジョゼフ・ミッチェル作品集

 さて、前回の続きからで、柏書房から刊行されたジョゼフ・ミッチェルの作品集についてである。

 このミッチェルという書き手が、名文かどうかは原書を読んでいないので、筆者もわからない。筆者、読めないなりにノンフィクションなどは原書ではどう書いてあるのかと、何冊も取り寄せて読んだりしている。だいたい、どの文章も難しい。やたらと接続詞やら、関係代名詞で言葉をつなげているのは当たり前。学校の英語の授業でいわれたかもしれない「英米人の言葉は短い」というのは、大嘘である。

 その上で、この作品が優れているのは、ミッチェルの選んでいる題材である。

 とにかく、市井の人や、街の奇人変人を、ミッチェルは丹念に描写している。表題作にもなっている『マクソーリーの素敵な酒場』は、21世紀の現在も存在する老舗の酒場が舞台の作品なのだが、初代からの店主のエピソード。そして、客達の様子を克明に描いていく。

 収録作の『レディ・オルガ』で描くのは、生まれながらに長いひげを生やしていたために、人生の長い期間を見世物小屋の見世物として生きていた女性の人生。

『さよなら、シャーリー・テンプル』に収録されている『ジプシーの女たち』では、長らく警察でジプシーの取り締まりを担当した警察官を軸に、アメリカにどうやってジプシーが流れてきたのかについて、その家系の系統から、犯罪の手口までもを克明に描いている(註:あくまでのその時代の視点である、念のため)。

 どれも思うのは「これ、どうやって取材したんだろう」ということである。当然、その時代に現代のようなレコーダーなどないので、話を克明にメモしたのはわかる。それだけではない。

 どういったきっかけを得て、長時間を共にしたのだろうか。

 どのテーマも「取材させてください」と、相手に時間を割いてもらって、材料が集まるものではない。登場する人物たちと長い時間を過ごすことが必要だ。なにより、当時の視点では「そんなこと取材して、何か意味あるの?」と思えるような価値のない人や出来事を、作品になった時に価値あるものにしているのである。

 最初から、メジャーな人物に触れるのでもなく、世間の人が注目する事件を扱うのではない。ここに、ミッチェルという人物の輝きがある。

 輝きはあるというけれど、いま、これを日本語訳して、多くの人が手に取るかと思えば疑問だ。ネットで検索してもジョゼフ・ミッチェルという名前は、いまだウィキペディアも存在しない。

 ところが、SNSを見る限り、読んだ人は確実に絶賛の言葉を記しているのである。

 わかるだろうか。人は求めているのである。丹念な取材と書き手の視点を。そして、冒険でも事件でもない市井の人の物語を。
(文=昼間たかし)

英語力を気にする意外な一面にギャップ萌え――【ダレノガレ】は突然に

『ダレノガレ明美』

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日本テレビ系『行列のできる法律相談所』にて「ハリウッド女優を目指し渡米する」と発表したダレノガレ明美。その後、自身の英語力のなさを理由に断念したと報じられるも、本人は延期と主張。ただ、世間はそうは見てくれませんから~! 断念!!(波田陽区で)

 今年8月、「ハリウッド女優を目指して渡米する」と宣言したダレノガレ明美。来年にも活動の拠点を移すぐらいの言いっぷりだったが、そのわずか2カ月後「日本メガネベストドレッサー賞」の表彰式にて「英語が追いつかないから、5年後、10年後くらいになるかも」とあっさり撤回。その軽はずみな言動に世間も呆れ気味だ。ちなみに「賞もらうほどメガネかけてたっけ?」と思うかもれないが、今回はサングラス部門での受賞である。なんかそういうところは、すでにハリウッド女優っぽいからあなどれない。

 最近では、藤田ニコルが“おバカキャラ”から“お姉さんキャラ”への路線変更を進めており、おそらく彼女も同じ方向性を目指していたと思われる。しっとりとした、大人の雰囲気に変わりつつあったのは確かだ。そこでもうひとつハクをつける意味での「ハリウッド女優」だったのだろう。きっかけが映画『オーシャンズ8』を観てというのが少々バカっぽいが。まあ、若者が語る夢なんてのは、得てしてそんないい加減なものである。

 意外だったのが、そこまでカマしておいて「英語力を気にするんだ」といった慎重な面があったことだ。てっきり「話せないけどなんとかなるっしょ」みたいなノリかと思っていただけに、そのギャップにはいささか萌えた。そして、萌えたと同時に安心した。時に大衆は無謀な挑戦の末のサクセスストーリーを望むが、実際はかなりリスキーだからだ。

SixTONES・松村「こけし」化、Sexy美少年・金指は「イメージ崩壊?」【Jr.チャンネル週報】

 ジャニーズ事務所が動画配信サイト・YouTubeに開設した「ジャニーズJr.チャンネル」。現在、Snow Man(水曜)Travis Japan(木曜)SixTONES(金曜)東京B少年(土曜)HiHi Jets(日曜)がオリジナル動画を投稿中だが、その出来ばえは実にさまざま。そこで、「しょせんジャニオタ向け」と切り捨てるにはもったいない動画と、「ジャニオタでもしんどい」動画をジャニーズウォッチャー・中村チズ子が解説&ツッコミ! 今回は、12月6日~12日公開の動画をチェックします!

Travis Japan・中村、「ちびりそう」とパニックに

 6日にアップされたのは「Travis Japan【バンジージャンプ】恐怖の罰ゲームを執行!」。メンバーは11月29日配信分で「以心伝心ゲーム」を行い、最もマイナスポイントを獲得した吉澤閑也が罰ゲームに決定。目的地の東京・よみうりランドに到着し、いよいよバンジージャンプ施設へ向かった。吉澤といえば、過去のお化け屋敷企画では1人だけ余裕の表情を浮かべていたが、意外にも絶叫系アトラクションは苦手だとか。地上22m(建物7階相当)からのダイブとなり、人生初のバンジージャンプを前に吉澤は「お前ら、男見とけよ! 俺が男だ! 俺は男だぁぁぁぁ!」と、カメラに向かってイキって見せるものの、ポイントに到達すると「こんな高いと思わなかった! ヤバ!」と、恐怖におののく。何度も顔面がアップになるため、前歯のすきっ歯具合、肌荒れが丸見えだ。

 頂上に着いて動揺を隠せない吉澤とは対照的に、係員のサンタクロース衣装のお姉さんは、とにかく冷静(そこがまた面白い)。かたや、下の待機組は「Go! Go! 閑也」と、お気楽モードだった。結局、「マジで無理だわ。結構怖くなっちゃった……」とこぼす吉澤は、飛べないまま数十分が経過。松倉海斗は「こんなシズ、初めて見たんだけど」と驚き、しびれを切らした松田元太がカウントダウンを提案。“強制的バンジー”対応をとったおかげで、覚悟を決めた吉澤はようやく飛び、何度も「死ぬ!」と叫んだ。実は吉澤の挑戦を待つ間に「命綱あるから怖くないでしょ?」(中村海人)「怖くない?」(宮近海斗)「うん」(中村)と会話しており、七五三掛龍也も「いける~」と言い切ったことから、急きょ中村&七五三掛もチャレンジ。もはや、以心伝心ゲームの意味はなくなってしまった。

 先ほどまで余裕だった中村は、飛び込みポイントで「マジで怖い、これ!」と、急に怖気づく始末。宮近に「今、どんな気持ち?」と聞かれ、「今? ちびりそうで~す!」と裏返り気味の声で絶叫し、「怖くないんじゃないの?」(宮近)にも「ちびりそうで~す!」と、おかしなテンションに。強制飛び降りのカウントダウンにより、顔を引きつらせながら実行。強気な態度から一転してヘタレになった中村に、筆者は情けないな~と感じたが、サンドバッグのようなポールに必死にしがみつく姿は母性本能をくすぐられる。

 次は「俺たぶん、そこ上がって歩いてポンっていっちゃうよ」と豪語していた七五三掛。「全然いけそうな気がするんですよね」「余裕」との宣言通り、頂上でも落ち着いている七五三掛は本当にあっさりとダイブしたのだった。直前に一瞬、硬い表情になるも、飛んだ後はいつものキュートな笑顔と、カメラに向かってピースするほど気持ちにゆとりがあったよう。吉澤は思わず、「やられましたわ! 俺、飛んだ意味ねぇじゃん!」と、嘆いてしまった。結果、普段は天然キャラで、どちらかと言えば一番女性らしいビジュアルの七五三掛が、バンジージャンプにおいては男気を発揮。七五三掛に感心していたところ、最後の「ということで、バンジーは高い!」(宮近)と雑なまとめに、興ざめさせられた。再生回数は10万台(14日時点)。

 7日公開の動画は「SixTONES【和を体験】鎧兜を着てみた!」。ミュージックビデオも作られた彼らのオリジナル曲「JAPONICA STYLE」にちなんで、「和」を体感するロケとなっている。メンバーが訪れたのは、神奈川県の小田原城。オープニングトーク後、天守閣から降りた田中樹やジェシーは、なんと大好きな「マンキー」(猿)を発見して猛ダッシュ。ジェシーは1分12秒頃から腰に手を当てて、階段もつらそうに降りていたが、夏のドライブ旅以降、激ハマり中の「マンキー」とあって、居ても立ってもいられなかったのだろう。「うわ、マンキーだ。なんか親近感わくなぁ~」(高地優吾)と、檻の前に大集結。周囲にいた子どもたちが「マンキー……」と半笑いでつぶやくと、ジェシーは「モンキーじゃないよ、マンキー!」と、発音を指導した。

 その後、6人は甲冑の着付け体験で勇ましい姿に大変身。ワンショットで映すと、大半のメンバーは間抜けな表情で決めポーズを見せた。この装備で「指スマ」(いっせーのせゲーム)「だるまさんが転んだ」「KYゲーム」の3番勝負を行い、各ゲームの敗北者は強制的に衣装チェンジ。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)視聴者で「指スマ」のコールに慣れている筆者は、田中や高地が「指スマ」と言った場面に食いつくも、ゲーム中は「いっせーの○○」に。ここで負けた高地は平安スタイルの壺装束(市女笠)で登場。「自分で見てないのよ」と打ち明けると、田中が「見ないことをオススメするわ」と、辛口コメント。「ヒゲが邪魔!」(松村北斗)と、ビジュアルに対する暴言も飛んだ。

 次は、女装の高地が鬼になって「だるまさんが転んだ」で遊び、動く気配がなく停止する5人。高地のツッコミで一斉に走った時、ジェシーが滑って転んで尻もちをついてしまった。決定的瞬間を目撃した高地は大爆笑し、なぜかジェシーとハイタッチ。「何やってんの~」とばかりに戻ってきた4人の楽しげな顔を含め、一連の流れは“公園で戯れる小学生”のようで、見ているこちらもほっこり。今度は、ジェシーがアニメ『忍たま乱太郎』(NHK)に出ていそうな忍者ふう衣装をお披露目した。そして、最後はSixTONESが大好きな「KYゲーム」で、大盛り上がり。敗者の松村は、「バリエーションがない」との理由で子ども用の壺装束、下は私服の黒いパンツで出現。パツパツ衣装でぎこちなく歩く姿が笑えるだけに、高地は「スゴいな、こけしみたいだな」と、漏らした。私服に着替えた5人と、珍妙なスタイルの松村の温度差は、画力抜群で必見。再生回数は配信後1週間で21万台を記録している。

 8日配信分は「Sexy美少年【ハイテンションゲーム】どれだけテンションを上げられるか?」(再生回数は14日時点で15万台)。開始早々、元気いっぱいの佐藤龍我が「やってきました~! 美Tube~!」とコールするも、浮所飛貴が「なんか口についてるよ」と、指摘。照れくさそうな佐藤は言われるがままに“何か”を浮所にとってもらい、那須雄登をはじめ「(冒頭の挨拶を)アンコールじゃない?」と、からかうメンバー。冒頭からなんて平和な動画なんだろう……と、なぜか心が満たされた。

 その佐藤の仕切りで行うのは、お題のワードをどんどんテンション高く言う「モッツァレラチーズゲーム」。ちなみに筆者はAKB48メンバー内ではやっているとして、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系、11月15日放送)で実際のゲームの模様を見たことがあり、いつもおとなしい金指一世がどうなってしまうのかと、開始前からワクワク。また、ゲーム企画にめっぽう弱い佐藤と那須の活躍にも期待が高まった。1回戦のテーマが「美Tube」に決まったタイミングで、浮所が風邪気味のため、「喉の調子があんまりよくないんですよ」と申告(いつも声がハスキーだから全くわからなかった)。浮所が審判役に回った。

 今回は、声に加えて動作のテンションも含めた判定となり、2回失敗した場合は嘘発見器の罰ゲームが待っているとのこと。那須、岩崎大昇、佐藤龍我、金指一世、藤井直樹と順番に進み、2巡目の佐藤で初ストップ。2分33秒~35秒の間、“腹チラ”しながら腕を振り回して暴れるも、浮所の手厳しい審査でさっそく1アウトを獲得した。次はSexy美少年のオリジナル曲「Cosmic Melody」で、佐藤、金指、藤井がクールめに発する中、単なる“振り付けの早送り”になった岩崎がNGに。3回戦の「僕らはMysterious」(曲名)では、金指がミュージカル調に思い切って声を出しつつ、やりきった背中で去ったものの、「アウト」(浮所)「ちょっと足りないよね」(那須)と、お兄さんたちのダメ出しが続く。

 金指指定のお題は、野菜の方の「ナス」で、同じ発音の那須自身は「ナ~ス!」と絶叫。自ら全力を出したくせに、「たぶん友だちに心配される」と、つぶやいていた。荒れ狂う岩崎に影響を受けた佐藤も、連続ターンで勢いづいたが、最後にテーブルに手ぶつけるアクシデントが。手を強打して痛がる佐藤に、残る5人は大爆笑。このシーン、何度繰り返し見ても笑えるのは筆者だけだろうか。こうなると次の金指はどうするのか……。金指はターン&手足をバタバタさせ、千葉県船橋市の非公認ゆるキャラ・ふなっしーを彷彿とさせる動きで「ナァ~スッ! ハッッ!」と、雄叫び。

 金指の中で何かが吹っ切れたように見え、那須も思わず「イメージ大丈夫? 俺のせいだよね、たぶんこれ。申し訳ない」と、責任を感じた様子。金指、ここまで“やればできる子”だったとは恐れ入った。「チャンネル登録よろしく!」も、金指はロック歌手バリに威勢のいい声でクリア。カメラ前にダッシュでやって来た藤井に対しては、岩崎が「近所のガキ感が強い」と、“口撃”した。ラストの6回戦は早口言葉の「隣の客はよく柿食う客だ」を噛んでしまった佐藤が失格になり、2アウトで罰ゲーム実行。足の長さが武器の佐藤に、「回し蹴りとかしてれば、サマになると思ってますか?」(浮所)と確認すると、嘘発見器が反応してビリビリの刑をくらっていた。

 9日に更新されたのは「HiHi Jets【手作り】駄菓子でクリスマスケーキ!」。クリスマスに向けた「駄菓子だけでケーキ作り」企画にHiHi Jetsが取り組んでいる。メンバーだけでなく、ほとんどの視聴者にとって、とにかく懐かしい駄菓子がズラリ。高橋優斗とともにサンタ帽をかぶる橋本涼は「面白そうだけどね、家庭科みたいで」と喜び、猪狩蒼弥も「美味しく作ろう」と、やる気満々。猪狩、高橋、作間龍斗チームは「チョコ系のホール型ケーキ」で、橋本と井上瑞稀は「夢をつめこんだカラフルケーキ」を目標に、調理を始めた。いわゆる“コンビ厨”の筆者は、はしみずコンビの共同作業に興奮。

 3人はミルクせんべい、チョコソース、麦チョコで土台を作り、井上・橋本チームは混ぜたヨーグルにメープルシロップを追加。制作中は「駄菓子屋に持って行くお小遣いは?」との問いに、「俺、1回100円」(猪狩)「俺も1回100円だったのかもしれない」(高橋)「100円だな。たまに1,000円とか持ってくるやついなかった?」(橋本)などと、駄菓子トークも弾んだ。クリスマスの思い出を語る場面では、橋本が「昔は来てたよ。サンタさん、俺。ゲーム機が欲しくて、どうしても。どうしても欲しくて。親父に泣きついた記憶あるね。『サンタさんに言って~』みたいな」と、回顧。

 「オヤジ」「サンタさん」という、男らしさと子どもらしい言葉遣いのギャップに引っかかっていると、「(プレゼントは)入ってた、入ってた。“やるやん!”と思った」と、サンタさんに上から目線なところも、橋本ならでは。今や体つきと声は立派な青年になったが、彼らも普通の子どもだったんだなと実感させられた。一方、ケーキには両チームとも隠し味に梅ジャムを入れ込み、はしみずは彩り鮮やかな「原宿系ケーキ」が完成。しかし梅ジャムがマイナスに働いたのか、味は微妙のようだ。ほぼ既製品の商品を重ねただけの3人はチョコソース&梅ジャムを混ぜており、当初は梅ジャム投入に反対した高橋も「ウマい」と、笑顔に。高橋は「お子さんと一緒に作られたりとかね。こうやって僕たち作っても、ワイワイできたじゃないですか。ケーキを作ってみたらどうでしょうか?」と、締めくくった。

 概要欄には「懐かしい駄菓子を食べながら、そしてケーキを作りながら…久々にメンバー同士まったりトーク」と書かれているものの、こういう企画は完成品のバリエーションがあればあるほど面白いはず。1人ずつにするか、世代が近いSexy美少年とのコラボレーションで組み合わせをシャッフルすればよかったのではないだろうか? 先輩Jr.のTravis Japan、SixTONES、Snow Manメンバーに試食&ジャッジしてもらうとか……と考えるだけでも、楽しみが広がる(今後に期待)。再生回数は14日時点で14万台。クリスマス目前で注目を集めそうなものだが、さほど視聴数は伸びていない。

 Snow Manは5日配信の「Party! Party! Party!」に続き、2週にわたってダンス動画が配信されている。今回は彼らにとって初のオリジナル曲「ZIG ZAG LOVE」。6人の服装は前回と一緒だが、アクロバットがある分、帽子を脱いでいるメンバーも。最初のフリーズからダイナミックな動きに発展し、普段はあまり感じることのできないバク転や側転時の着地音などが聞こえてくる。こうして生々しい音に耳を傾ければ、Snow Manにとっては一回一回のアクロバットが命がけなんだなと、より大変さ、スゴさが伝わってきた。

 見どころはたくさんあり、阿部亮平の投げキッス(1分57秒頃)や、「その笑顔が Ah Ah 輝く~♪」の“おなかチラ見せ”シーンは、佐久間大介のサービスっぷりに驚かされる(対照的に岩本照はTシャツをめくる気配がない)。そんな岩本は「Party! Party! Party!」同様に「ZIG ZAG LOVE」もキャッチーで印象的な振り付けが多く、自己表現力・プロデュース力に長けた人だなと、再確認した。個人的にはこのセンスを生かして、どんどん振り付けを担当してほしいと思う。

 コメント欄は「アクロバットもして最後までこのクオリティで貫き通せるなんて、SnowManってマジで体力お化け。踊り揃ってるしキレッキレで美しい」「何回も見てる『ZIG ZAG LOVE』ですら、定点カメラにしてくれると新たな発見がある」「Snow Manのアクロバットの音が聞こえて感動」「アクロバットして縦横無尽に駆け回るSnow Man見ると、これこれ~ってなる。とにかく最高!」と、絶賛の嵐。オリジナル曲の「Boogie Woogie Baby」は9月に『Summer Paradise 2018』のパフォーマンス動画がアップされているため、次はぜひ「Acrobatic」あたりの配信を楽しみに待ちたい。再生回数は12万台(14日時点)だが、前週の「Party! Party! Party!」は公開後2日で17万台に伸びていたため、「ZIG ZAG LOVE」の方がアクセスのペースは少し緩やかだ。
(中村チズ子)

30代以下の専業主婦が「働いていない罪悪感」強く感じる傾向 一億総活躍社会への異論

専業主婦・主夫経験者が「罪悪感を覚えたことがある」との調査結果を、12月13日の『スッキリ!』(日本テレビ系)が伝えた。

 これは株式会社ビースタイルが11月に発表した、主婦向け人材サービス『しゅふJOBパート』で「専業主婦への罪悪感」に関するアンケート調査の結果だ。

 アンケートは今年5月23日~6月4日、ビースタイル登録者/求人媒体『しゅふJOBパート』登録者を対象に、無記名式のインターネットリサーチで実施され、有効回答者数は専業主婦・主夫経験者の815名。同社は今年8月にも同様の調査結果を発表しており、その際にはwezzyでも記事にまとめた。

専業主婦・主夫であることの罪悪感、「稼いでいないから」

 「専業主婦・主夫であることに、後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことがありますか?」の質問には、「ある」25.4%、「少しはある」31.2%、「ない」41.7%、「その他」1.7%の結果が出ており、56.6%の人が少なからず後ろめたさや罪悪感を覚えた経験があるということになる。

 そしてこの結果を、子どもがいる・いない別、年齢別に集計したところ、罪悪感を覚える人の割合は、子どもの有無や世代によって変わってくることが判明したという。子どもがいない人で「ある」「少しはある」と答えた割合は69.6%と7割近くになっており、子どものいない専業主婦・主夫がより罪悪感を覚えやすい傾向にある。

 子どもがいる・いない別で回答者のフリーコメントを見ていくと、まず、子どものいない専業主婦・主夫には、<子どももおらず、自由に時間を使っているが、この時間に何か少しでも収入があれば、もっと金銭面で余裕が出てくるのではないかと考えるため>(20代・罪悪感を覚えたことあり)、<何の存在意義もないと感じてしまう>(50代・罪悪感を覚えたことあり)などとあり、子育てに時間を割かれない分、働いていないことや収入がないことを後ろめたく感じてしまうようだ。一億総活躍社会が謳われ、人手不足が叫ばれる昨今、なおさらかもしれない。

 一方で、「子どもが小さいうちは傍にいてあげるべき」という価値観が残る日本では、子どものいる専業主婦・主夫は受容されている印象があるが、子どものいる専業主婦・主夫であっても、<あとで聞いた話ですが、働くお母さんで集まった時に健康なのに働かないなんてと言われていたようです>(40代・罪悪感覚えたことあり)という人もいれば、<逆に何が後ろめたいかがわからない。子育てに専念して何が悪いのでしょうか?保育園に入れて働く方が、皆の税金を使ってるので、後ろめたい気になるかもと思う>(40代・罪悪感覚えたことなし)という人もいる。

 また、年代別に集計したところ、30代以下では罪悪感などを覚えた経験を持つ人が70.1%なのに対して、40代は60.7%、50代以上は45.7%と、若い世代であるほど罪悪感を覚えやすい傾向がある。

 たとえば20代・30代の「罪悪感を覚えたことがある」人たちのコメントには、<生活はできるものの何かあるとすぐにお金に困るので(20代)、<いいご身分だねと言われた>(20代)、<勤務していたときの同僚が昇進したり、ワーキングマザーとして活躍している話を聞いたとき、入社したときは同じスタートラインだったのにこんなに環境が違うのか、それに比べて自分は何も成長できていないと感じたから>(30代)、<同い年の方がバリバリ仕事をしているから 家計は決して余裕があるわけではないから(30代)などとある。専業主婦・主夫世帯よりも共働き世帯が多数派、共働きでなければ生活が成り立たない家庭も少なくないと言われる現代において、専業主婦・主夫経験のある20代・30代は、働いている同世代と比較してしまったり、あるいは経済状況を鑑みて、罪悪感を覚えてしまうようだ。

 一方、50代・60代の「罪悪感を覚えたことがない」人たちからは<お金を自由に使っていましたし、余裕があったので楽しい毎日だった>(50代)、<当たり前だと思った>(50代)、<専業主婦であったことは、むしろ誇りです>(50代)、<専業主婦は過酷労働でもあると思っています。企業戦士である夫の健康維持に努め、食事、睡眠等々、細やかに、ある意味管理しなければならない。育児にしても、三つ子の魂百までと言われるよう、しっかりと抱きしめ、無添加の良質な食事やストレスの無い環境づくりに夫同様、もしくはそれ以上に気を遣ってきた。達成感を感じることはあっても、誰に対しても後ろめたさや罪悪感なぞ感じたことはない>(60代)などのコメントが寄せられ、専業主婦・主夫であることに疑問や迷いが一切感じられない印象だ。<時代背景がまだ共働き家庭がいまほど多くないときだったから>(60代)とのコメントもあるように、今の50代・60代は専業主婦・主夫が多数派だったことも関係しているようだ。

 さて、12月13日の『スッキリ』(日本テレビ系)は、この調査自体に批判的だった。加藤浩次ら出演者たちは、口々に反論を述べたのだ。

 「専業主婦とそうじゃない人という分け方そのものがちょっと乱暴じゃないか。専業主婦でもいろんな人もいるし、働いていてもいろんな人がいて、カテゴリー分けすることで、双方『隣の芝生は青く見える』になってしまう」

 「罪悪感を感じますか? という聞き方自体が意地悪」

 「主婦(向け)の人材サービスの会社がやってる案件だから、専業主婦に対して罪悪感を感じる人が多い結果になるのがわかる気がする」

 「家事は女性の方が人生の貴重な時間を費やしてやっているのだから、GDPや金銭に現れないとしても、評価というか『ありがとう』という気持ちを持つのは当然ですし、夫婦の話し合いによってフレキシブルに組めばいい」

 「それぞれの夫婦の形がある」

 「まったく罪悪感さとか後ろめたさを感じる必要はない。好きなことやっていきましょうってシンプルに思うだけ」

 「罪悪感ではなく、それぞれのハッピーにフォーカスしたい」

 働く/働かないも、家事分担もそれぞれの家庭で話し合って決めればよく、罪悪感など覚えなくていいというのが番組の総意のようであった。

 また、「一億総活躍というワードが独り歩きしていて、『外で働いていないとダメなんだ』という風にインプットされ過ぎているのではないか? 専業主婦(主夫)を選ぶ権利だってある」との指摘もあった。たしかに女性活躍推進法が施行されるなど“女性の活躍”“女性が輝く社会”が謳われるようになったが、“活躍している”“輝いている”と誰が決めるのだろうか。

 ただ男性のほうが「外で働いていないとダメ」という規範意識や抑圧は強く作用している。妻や子供を養えるだけ稼ぐのが立派な男であり、馬車馬のように働くことが是とされてきた。しかし別の方向からは育児や家事も分担するべきだという風潮も流れ、板挟みになってつらい思いをしている男性だって少なくないだろう。

 『スッキリ!』では視聴者の意見も紹介されたが、専業主婦を選んだ理由は育児、介護、病気などさまざまで、夫に専業主婦になることを望んだためという場合もある。もちろん、共働きを選んだ人だって理由はさまざまであり、働くすべての人が“社会で活躍したい”“輝きたい”と望んでやっているわけでもなく、また、子どもを保育園に預けて働くことに罪悪感を持つ人もいる。今働いていても、今後何らかの理由で働くことができなくなる可能性だってあり、働く/働かないや専業主婦/共働きとカテゴライズすることにどんな意味があるか。

 それぞれが自分で考えあるいは家庭で話し合って納得できる道を見つければよく、そもそも人は「お国のため」に働くのではない。北風と太陽ではないが、低賃金や激務の職場でいくら人手不足だと叫んでも、「大変そうだから働いてあげよう」などと考える人は皆無だろう。「働かせたい」のなら、必要なのは太陽だ。職探しへの支援、過重労働対策、フレキシブルな働き方の幅を増やしていくこと、ブラックな職場環境の改善など、「働くことがお得」とまでは言わないが労働意欲を喚起する「太陽」的な方法をとることが「一億総活躍社会」への近道だろう。

飲酒運転がバレないように自分の顔を殴った男、「ゾンビ警報」を流した市……今年も失笑! 2018年全米おばかニュース5

 2018年も、多くの凶悪犯罪のニュースが報じられたアメリカ。6月には人気ラッパー、XXXテンタシオンが強盗に射殺されるという事件が発生。11月には、女性3人を殺害した罪で14年に終身刑判決を受けた男が、1970~05年に全米各地で売春婦ら90人を殺害したことを自白し、史上最悪の連続殺人鬼の一人だと世間を震撼させた。

 しかし、深刻なニュースの中にも、「なんてアホな!」とあきれ返るような事件が多発。全米の失笑を誘うような犯罪者が多かった。そこで今回は「2018年の全米おばかニュース」の中から、特に“アホ”な5つの事件を紹介しよう。

飲酒運転男、検査を受けられないようにと自分の顔を殴る

 1月13日早朝、メイン州ベルファストでパトロールしていた警察官が、溝にはまった車両を発見。車内には27歳のブライアン・フォッグ容疑者が呆然と座っていた。飲酒運転を疑った警察官がアルコール検査を行おうとしたところ、なにを思ったか、フォッグ容疑者は突然、自分の顔面をグーで思いっきり3回殴ったのだ。その結果、検査キットの使用が困難になってしまったとのこと。もちろん彼はそれを狙い、飲酒検査を受けるより、痛い思いをする方を選んだのである。

 警察はそれでもフォッグ容疑者はを逮捕した。容疑は、DUI(飲酒・薬物使用下の運転)と同じ意味のOUI、物理的証拠隠滅罪、器物損壊罪。おとなしく検査を受けていればOUIだけで済んだものの、体を張って免れようとしたため罪が増えてしまったのだ。

 しかし、逮捕時のマグショット撮影時、フォッグ容疑者は血がつき腫れた唇で、「どうだ!」と言わんばかり。酒を飲んでいるため「オレは大丈夫。警察をごまかせた! 勝った!」と気が大きくなっているようにも見受けられ、「なんともアホな奴」だとネット上で話題になった。

薬物所持で逮捕された女、「強風のせい」とシレッと弁解

 3月21日、フロリダ州フォートピアスで、道路から外れて走っている不審な車両を地元警察官が発見。停止させ、車内検査を実施した。警察官は、車内からマリファナの匂いが漂っているのを確認。車には運転手のほかに2人おり、そのうちの一人、26歳の女性ケネシア・ポジー容疑者が持っていたハンドバッグの中からコカインとマリファナを見つけた。

 警察官に「この薬物は君のものかね?」と問われたポジー容疑者は、涼しい顔で「マリファナは私のです」と素直に認めた。しかし、コカインについては「まったくわからない」と言い張り、「今日はすごく風が強い日だったでしょう? きっと外を舞っていたコカインが、窓から私のハンドバッグの中に飛び込んできたのだと思います」と真顔で主張した。

 警察官がそんなウソを信じるわけはなく、ポジー容疑者はマリファナ所持という軽犯罪に加え、コカイン所持という重罪に問われることに。この突拍子もないポジー容疑者の弁解を、メディアはこぞって報道。それは海を越え、イギリスのBBCにまで報じられることとなった。

 5月20日深夜1時45分頃、停電被害に見舞われたフロリダ州レイクワースで、住民の携帯電話向けに、同市が警告メッセージを配信。そこには「レイクワース市とテルミナスにゾンビ警報発令。ゾンビのせいで、7880人の住民に影響が出ています」と書かれていたのだ。ゾンビドラマ『ウォーキング・デッド』が相変わらず人気のアメリカにおいて、「ゾンビ警報」を市が出したことで、一部の住民はパニック。よくよく考えてみれば、テルミナスとは『ウォーキング・デッド』に登場する架空の町なのだが、停電も手伝い、多くの市民は恐怖に震えたという。

 レイクワース市はFacebookの公式サイトで、「あのゾンビメッセージは決して意図的に配信したものではない」「なぜ配信メッセージにゾンビのことが記載されたのか、調査している」と弁解。そして「繰り返しお伝えしますが、現在、レイクワース市ではゾンビは活動していません。システムが配信したメッセージについて深くお詫び申し上げます」と平謝りした。停電は27分後に復旧したとのことだが、ネット上では「システムもゾンビ好きなんだな」と笑う人が多かった。

デート相手の車を盗んだ男、盗んだ車で別の女性とデートして逮捕される

 7月14日夜、テネシー州メンフィスに住むフェイス・プーはイラだっていた。デートの相手であるケルトン・グリフィン容疑者が、自分の車で迎えに来なかったからだ。車社会のアメリカでは、デートするにも車がなければできない。高校では知り合い程度の関係だったが、ずっと連絡をとっていなかったグリフィン容疑者から突然「一緒に出かけないか」と携帯メッセージをもらったとき、フェイスは当然、彼の車で出かけるものだと思っていた。

 フェイスは地元ニュース番組『WREG』の取材に対して「誰が彼を送ったのか知らないけど。車なしで現れたわけよ」と回想。仕方がないのでフェイスの黒のボルボで出かけることにしたものの、グリフィン容疑者は行き先すら「どうしようかな~。どこがいいかな~」と決められない。さらには「葉巻を買いたいからガソリンスタンドに入ってくれ」と言い、フェイスは空港近くのガソリンスタンドに車を滑り込ませた。そしてフェイスが売店から戻ってきたところ、彼女のボルボとグリフィン容疑者が忽然と消えていたのだ。

 車を盗まれたフェイスは、母親に連絡して迎えに来てもらった。それだけでも恥ずかしいのに、その後、彼女はゴッドシスター(ゴッドペアレンツの娘)から「ケルトンにデートに誘われた」と聞かされたのだ。フェイスは湧き上がる怒りを抑えつつ、「デートに応じてちょうだい」と指示。ゴッドシスターの携帯電話のGPSで現在位置を調べ、サマー・アベニューにあるドライブイン・シアターで、ボルボに乗ってゴッドシスターとデートしているグリフィン容疑者を発見。警察に通報し、ケルトンは逮捕された。

 グリフィン容疑者は2016年にも、レストランで食事した後に強盗しようとして逮捕されたとのこと。フェイスは『WREG』に「長期間刑務所に入ってもらいたいわ。もう二度と口もききたくない!」と、怒り冷めやらぬ口調で語っていた。

 7月24日、アリゾナ州メサで37歳の男が逮捕された。容疑は窃盗だった。

 当局によると、容疑者であるトッド・ターナー・シェルは、熱中症のためバナー・デザート・メディカル・センターで治療を受けたばかりだったとのこと。歩いて帰宅するには暑すぎると思っていたところ、患者を搬送したばかりで誰もいない救急車が目に入り、「ラッキー」と運転席に乗り込んだ。

 警察は午前11時30分、救急車両が盗難されたとの通報を受け、すぐさまGPSで車を探し始める。すると、国道60号線を東向きに走っていることが確認できた。犯人が何の目的で救急車を窃盗したのか定かではないため、警察官たちは穏便に車両を停止させようと試みたものの、救急車はスピードを守りながら走り続け、その後停車した。そしてシェル容疑者は警察官たちに「サンドウィッチを買いたいんだけど、まずお金を取りに家に帰らなきゃならない。救急車は返すつもりだから」と説明し、再び発車させようとしたのだ。

 警察官は救急車を取り囲んでシェル容疑者に降りるよう指示、窃盗の現行犯で逮捕した。救急車に破損等の被害はなく、そのまま救急搬送に使用できたと報じられている。

『アンゴルモア 元寇合戦記』は面白かったけど……「聖地巡礼」で人なんか来てなさそうな対馬の最果て感

 これは、あまりにもハードルが高い<聖地>だと思った。

 ふと、対馬にいってみようと思った。

 対馬は、いわずとしれた玄界灘に浮かぶ国境の島。大きさは日本で10番目の巨大な島だ。巨大ではあるものの、本土からははるかに遠い。

 今回、東京を離れて関西を旅するついでがなければ、あえて行ってみようとは思いもしなかった。何しろ、対馬へは飛行機も船もあるのだけれども、距離は長いし料金は高い。

 ただ、大阪までいってしまえば、時間さえ気にしなければ、距離はぐんと近くなる。大阪南港と新門司をつなぐフェリーは、一晩かかるとはいえネット限定で3,980円という激安料金で、九州まで運んでくれるのだ。

 というわけで、やってきた、大阪南港。今では船便も減ったためか、ターミナルの雰囲気はうらぶれている。でも、乗船客はそこそこ多い。運送業者は日常的に使っているし、最近はフェリーで一泊しながら向かう国内ツアーも盛んな様子。そのためか、旅客は時間に余裕のある老人が圧倒的に多い。

 17時発のフェリーは、アナウンスの流れる中を時間通り出港。途中、明石海峡大橋・瀬戸大橋・来島海峡大橋と夜景が美しい橋を3度もくぐるのが、この航路の名物。ただ、瀬戸大橋に達するのは深夜になってからなので、あえて見物するのは明石海峡大橋くらい。

 船の中にはゲームコーナーなどもあるにはあるけれど、娯楽としては物足りない。やたらと揚げ物が目立つ、バイキング形式のレストランで食事をした後は、風呂に入って寝るだけ。一応、展望風呂にはなっているけれども、日が暮れてしまえば窓の外にはなにも見えない。

 最安の二等は、雑魚寝である。平日ということもあってか、同室の客はもう一人だけ。

 特にすることもないので、風呂を終えればあとは寝るだけである。瀬戸内海を航行するフェリーはあまり揺れることもなく、ぐっすりと眠ることができる。

 翌朝。フェリーは午前5時過ぎに新門司港に到着する。ここからは、無料で小倉駅までバスで運んでくれるサービス付きである。小倉駅からは、一路電車で博多へ。通勤時間の電車は混み合っていて、ザックを背負う旅姿の自分は、少し肩身が狭い。

 博多駅からはバスに乗り換え、またフェリーターミナルへ。ここから対馬へは、フェリーか高速船。当然、選ぶのは料金の安いフェリーのほうである。

 係の人に「船は揺れますか?」と聞くと「今日は、そんなでもないですよ」という。ただ、それは慣れている人の言葉。玄界灘へと乗り出したフェリーは、時折ゆらりと大きく揺れる。途中、壱岐に寄港して対馬厳原港までは4時間半。船酔いを避けるためか、みんな50円の毛布を借りて、横になって寝ている。

 旅が楽しいからと、座ったり立ったりしていれば、すぐに船酔いをしてしまうからだ。

 船にはWi-Fiも飛んでいるが、陸地を離れれば電波は途切れがち。それに画面を見ていると、たちまち船酔いをしてしまいそう。だから、じっと横になっているしかない。

 いつまで、じっとしていればいいのだろう。

 じっと横になっているのも、面倒くさくなった頃、ようやくフェリーは厳原港へ到着した。

 博多を出港したのは、午前10時00分。厳原港到着は、14時45分だから、一日の大半を移動で潰してしまった気分である。

■バスがあるだけマシの観光客に厳しい島

 こうして降り立った厳原は、対馬の中心にあたる町である。だが、街には人の姿は少なかった。事前に聞いていた通り、島で目立つのは最近増えている韓国人観光客向けのハングルの案内。そう、歩いている島の外からやってきた人は、ほぼ韓国人ばかり。そもそも、博多からフェリーでやってきた乗客に旅行者然としていたのは、自分だけ。ほかは、出張らしきスーツ姿か作業着の人しかいなかったのだ。

 とにかく、滞在中に観光客らしき日本人の姿を目にすることは、まったくなかった。むしろ、どこの店でも「何をしに対馬に?」と、日本なのに日本人観光客が珍しがられるのである。

 それは観光案内所でも同様だった。島の地図や名所への行き方を尋ねようと入ってみたら、案内のブースに立っていたのは若い韓国人の女性だった。こちらが、日本語で尋ねると、何か韓国語で話してから、日本人を呼びに行った。

 筆者は旅先では必ず、地域の情報を得るために、まず観光案内所に立ち寄る。旅行者にとっては、はじめて話す現地の人のはずだが、対応はさまざま。親切にあちこち名所を教えてくれる人もいれば、冷たく最低限のことを教えて切り上げようとする人も。

 今回は、後者に近かった。

「和多都美神社に行きたいんですが……」

 そう聞くと「バス、あんまりないんですよね」と、時刻表をくれた。それに目を通していると、目に入ったのが今年アニメになった『アンゴルモア 元寇合戦記』のパンフレット。

 ここまで「聖地巡礼」に訪れるファンもいるのかと尋ねると「こないだは、ツアーも来ましたけど……」と、なぜか言葉少なげである。

 その理由は、それから島の人と話す中で、次第にわかった。半数の人はそんなアニメがあるのを知っている程度。降り立ってみれば決して大きくはない島だけど、そもそも、そんなアニメがあって観光PRをしようとしている人がいることすら知らない人も多かった(観光施設の窓口でも!)。

 今年、やはりアニメ化された『ゴールデンカムイ』は、関連で実施されたスタンプラリーが、北海道の広さを感じさせるものとして話題になった。『アンゴルモア 元寇合戦記』の聖地を巡ろうとすれば、それに比べると面積的には広くはない。ただ、島を訪れた旅行者が「どうやって行けばよいのだ?」と、頭を抱えるところばかり。

 アニメに出てきた金田城は、バスを乗り継げばなんとか行けるだけ、まだよいほう。最初の合戦が描かれた佐須なんて、山を越えた島の反対側なのだが、そもそも公共交通機関は存在しない。

 つまり「聖地巡礼」に限らずとも、観光はレンタカーが大前提。でも、幹線道路すらバスがすれ違いに苦慮するような狭さ。よほど運転に自信がなければ、事故を起こすことになるだろう。そんな島ゆえに「聖地巡礼」スポット選びにも苦悩したのか。なぜか、元寇とは関係ない清水山城(文禄・慶長の役に際してつくられた城)まで『アンゴルモア 元寇合戦記』の聖地として記載されているという状況。

 確かに、元寇の時にそのあたりで戦ったかも知れないし、厳原から歩いていける山城ではある。「アニメ関係ないけど苦渋の選択」と、いったところか。

 観光案内所に併設された食堂で、特産品の対州蕎麦を丁寧に解説してくれた人に、貼ってあった『アンゴルモア 元寇合戦記』のポスターを指さして「アニメの影響で来訪者が増えたりしてますか?」と尋ねると「あははは~」と苦笑して、はぐらかされた。それが、地域の住民のもっとも正直な反応といえるだろう。

 やはりアニメの「聖地巡礼」で地域が活性化していくというのは、限られた成功例が注目されているに過ぎないと、改めて感じた。

■とはいえ、対馬は魅力満点である

 だが、この「行くに行けない」という到達困難さが、逆に興味をそそる。今回、筆者が目指した和多都美神社は、かの神武天皇の祖父である彦火々出見尊(山幸彦)が、豊玉姫命と出会った神話の地。ここは、まだ公共交通機関で到達できる神社。

 とはいえ、バスは日に数本だけ。それも厳原からは約1時間。そして、バス停からは歩いて3キロあまりという立地。最近、休日は神社までバスが来るようになったというので、まだ観光客向けにマシにはなった様子。

 でも、その到達困難さゆえに、神社には圧倒される雰囲気がある。海へと連なる鳥居。本殿の裏手にある磐座は、日本の古来からの信仰を今に伝えてくれるのだ。

 ほかにも対馬には、見どころのある神社は、多い。厳原の街にある厳原八幡宮神社は、三韓征伐の時に、神功皇后が神を祀ったとされる由緒正しい神社。

 そんな神社なのだが、気になるのは境内を同じくする天神神社と若宮神社(合祀され社殿はひとつ)。

 まず天神神社の祭神は安徳天皇と菅原道真。なぜ、安徳天皇かといえば、対馬に伝わる安徳天皇が壇ノ浦で入水せずに逃れてきた伝説があるから。

 でも、これはまだわかる。もっと気になるのは、若宮神社のほうである。

 この祭神は小西マリア。よほど歴史好きでないと知らないだろうが関ヶ原の戦いで西軍について敗れた小西行長の娘である。マリアは、対馬藩主・宗義智に嫁いだが、父が敗れて処刑されたため離縁され、長崎でキリスト教を信仰しながら生涯を終えたという……。

 そんな女性を祀っているのが、この神社。

 わかるだろうか。日本の神社なのに、キリスト教徒を神様として祀っているという希有な神社なのである。なんだ、この妙な懐の深さは……?

 巨大な島に散らばる名所をめぐるための交通網は、観光客にはまったく優しくない。だが、この観光客にまったく慣れていないがゆえの独特の冷たさは、どこにいっても「町おこし」が盛んな現代においては、味わえぬもの。

 来年には、長崎県立対馬歴史民俗資料館の移転・改修も終わり対馬博物館としてオープン予定というが、雰囲気に変化は訪れるのだろうか。

 本土から遠く離れた島で、限れた商店は努力しなくても客は来るのか、大して愛想もよくない。そんな独特の感覚は、そう簡単には変わりはしないだろう。

 むしろ、その独特さこそが、やたらと過剰なサービスとかマニュアルがあふれる現代にあっては、新鮮である。

『アンゴルモア 元寇合戦記』でも用いられた「率土の最果て」という言葉が似合う島・対馬。観光とか「聖地巡礼」では味わえない最果て感を、あえて味わいにいってもよさそうだ。
(文=昼間たかし)

【マンガ】あなたのピルは「避妊薬」じゃありません!? 似て非なる「ピルの立ち位置」【第7回】

「生理痛なんて、みんな一緒!」

1カ月ごとにやってくる、尋常じゃない腹痛・寒気・吐き気……。
周囲の言葉を信じて10数年も耐え続けた「生理痛」、医者にかかってみたらビョーキと診断されちゃった!?

30歳から治療を開始した「月経困難症」との向き合い方をつづる、日常闘病コミックエッセイ。

あなたのピルは「治療薬」!

 

(つづく)

――「私の生理、病名がつきました。」は、毎週日・月・火の週3回更新になります。お楽しみに!

 

<著者プロフィール>

まお

月経困難症。体験した事や思った事を4コマ漫画にしています。自分の体、大切な人の体を考える事や、行動する事のきっかけになればうれしいです。ポジティブに生きてるオタク。



<バックナンバーはこちら>

【第1回】私の生理、ビョーキでした!?
【第2回】「生理で病院」を後回しにしていたら
【第3回】恥ずかしすぎる「例のイス」
【第4回】私のアソコ、何が入ってるの!?
【第5回】「子ども生みたい? 結婚してる?」
【第6回】月経困難症、はじめてのピル!

メルカリ、ラクマ……フリマアプリで「もしかして詐欺?」「逆に損した」失敗エピソードを100人調査

 メルカリやラクマなど、スマホで簡単に不用品を売買できるフリマアプリ。いらなくなったものをお金に変えられたり、欲しかった物が安く手に入ったりする一方で、大小のトラブル報告や失敗談が後を絶たないのも事実。そこで、実際にフリマアプリを利用したことのある男女100人に、フリマアプリで「失敗した」体験談を語ってもらった。年末の大掃除で出た不用品の処分に活用する際の参考にどうぞ。

ちっとも売れない

 せっかく出しても売れなければ、出品の手間暇で損をするだけ!?

・メルカリに、自宅にある未使用のブラウスを出品したのですが、値段を高くしてしまったせいか、購入されませんでした。もう少し相場などのリサーチをしてから値付けすればよかったなと思います(50代/女性/個人事業主)
・メルカリで出品しましたが、一切買い手がつかないから辞めました(30代/男性/パート・アルバイト)
・売却側ですが、商品の写真を取ったり寸法を測ったり等、商品説明にすごく時間と手間が掛かったわりに、なかなか売れませんでした。売れても安価なこともあり、割に合わず、失敗したと思いました(20代/女性/正社員)

安くしすぎて儲からず

 値付けは意外と難しい。出品後に後悔した人も少なくないようだ。

・早く売りたいがために、値段を安く設定しすぎたこと。送料込みの値段で販売していたので、あまり得にはなりませんでした。食べ物ではなかったので、もう少し気長に売るつもりで売りたい値段で販売すればよかったなと思います(40代/女性/無職)
・もらい物の価値がわからず、使わないのでメルカリに出品したが、あとで高価な物とわかった。もっと金額を上げて出品すればよかったなあと思った(30代/女性/専業主婦)
・以前、メルカリでギターを出品し、すぐに決まったのですが、ほかの方と比べてかなり安価だったようで、もう少し高めにしておけばよかった(40代/男性/正社員)

 送料や手数料を忘れたことで、結果的に損してしまったという人も。

・販売手数料だけでなく、送料と振り込み手数料も考慮しなければならないのに、安易に値引き交渉に応じてしまったため、手取りの報酬がとても少なかったことです(40代/女性/専業主婦)
・雑貨を処分したくて激安で出品していたら、手数料と送料の方が高くついてしまいました(40代/女性/パート・アルバイト)
・メルカリで送料込みの価格であることを知らずに安く売値を設定してしまい、送料を差し引いたらほとんど手元に残らなかった(50代/男性/正社員)

オークションサイトの方が高く売れたかも……!?

 私物の売買はフリマアプリ以外でも可能。上手な使い分けができれば上級者だろう。

・フリマアプリで売ったあと、オークションサイトでもっと高値がついているのを見つけた(40代/男性/正社員)
・メルカリにいらなくなったiPhoneを売りに出していたのですが、なかなか売れないので売値を大幅に下げて売り抜けました。後でiPhoneの売れ具合を見るサイトで調べてみたら、もう少し上でも売れたことを知ったので、その時は失敗したと思いました(50代/男性/パート・アルバイト)
・初回限定版のCDなどを売りに出したとき、ファンの間では高値で取引されていたことを知らず、元値以下で販売してしまった(20代/男性/学生)

非常識なユーザーに辟易

 非常識なユーザーのせいで嫌な思いをしたという声も多数。

・新品の産褥ショーツを出品した時、男性が女性になりすましていると気がつかずにコメントに返信してしまい、しつこくコメントされました(30代/女性/パート・アルバイト)
・100件取引をしたとして、2%位の割合で変な人との取引がありました。その人のせいでメルカリを辞めようと思いました(40代/女性/個人事業主)
・非常識な購入者さんに当たってしまったとき。非常識な値引き交渉をしてきた上に、購入方法を間違えたのでキャンセルしたいと言い出し、自分でキャンセル方法を調べず私に何とかしてくれと言われたときは、面倒くさいなと思った(30代/女性/個人事業主)
・コンビニATM支払いを選択されて、メッセージもなし、支払いもいつかわからないので、キャンセルするはめになりました。マナーがない人も使えるのが困る(30代/女性/正社員)

 メルカリでは値下げ交渉がよく行われるそうだが、ときには迷惑行為になることも。

・値下げを希望してきた購入者様に対応していると、どんどん値下げを希望され対応が大変だったので、値下げに応じなければよかったと思った(30代/女性/専業主婦)
・値引きをお願いされたから了承したら、すごく上からの発言が増えた(20代/女性/正社員)
・値下げ厨にまとわりつかれて嫌な思いをした。完全無視するのが正解だと気づいた(30代/男性/正社員)
・出品しか経験がないですが、価格設定を下げすぎて、そこからさらに値引き交渉を求められたことです。メルカリは元値で買わず値下げする文化? があるみたいなので、思っていた値段で売ることができませんでした(30代/女性/個人事業主)
・出品した商品が、相手先に到着後、傷があるからと取引後に値下げを交渉された。出品前に確認した際は傷などなかったが、もしかしたら自分にも非があるかもと思い、払ってしまった。今思えば、もしかしたら詐欺だったのではないかと思う(20代/女性/学生)

販売者・購入者間でのやりとりでトラブル

 素人同士のやりとりだけに、トラブルに発展することもある様子。

・発送する側のときなのですが、衣服を内袋のような保護をせずに送った時に苦情を入れられてしまいました。そこまで配慮すればよかったと後悔しています(20代/女性/正社員)
・購入相手が神経質な人で、たくさん連絡が来て面倒くさかった(30代/男性/個人事業主)
・相手に梱包方法・発送方法・発送日時などの細かい打ち合わせをしないまま発送されてしまったとき。適当な梱包で商品が傷ついていた(20代/女性/無職)
・中古PCを購入したら、入金後に「梱包時に落下して壊れたから送れなくなった」と返されたこと。入金してから返金までに多少の時間がかかった(20代/女性/正社員)
・実物と違う商品が届いた。もちろん、訂正して交換してもらいましたが、やりとりが面倒でした(40代/男性/個人事業主)
・夜中に相手から連絡があり、明日仕事の後に振込をしてから返信しようと思っていたら、夕方に「返信がない為取引を止めさせてもらいたい」と、強制的に取引中止されてしまいました。何度もやりとりする必要はないかと思っての行動でしたが、一言くらいは返信しておくべきだったかと後悔しました(30代/女性/個人事業主)

写真に騙された

 現物を見られないだけに、写真と現物にギャップがあることもしばしば。

・思っていたものと違うものが届いたとき。よく見ると写真の写りが良かっただけだと気づいた(30代/男性/個人事業主)
・載っている写真には高級感がありましたが、実際に手に入れた商品は写真と違って安っぽく見えるので失敗したと思いました(30代/女性/無職)
・写真加工されているものが多く、以前可愛いと思ったアクセサリーを購入したのですが、色味が写真と違っていたので残念でした(10代/女性/パート・アルバイト)

 中古品とわかってはいても、許容範囲を超えた使用感は損した気分になるもの。

・メルカリでブランド物のネックレスを買ったとき、よく見たら出品者のイニシャルが入っていて使うに使えなかった(20代/男性/正社員)
・大人気のマンガを購入したら、おもしろいセリフの吹き出しにマーカーが塗られていた(40代/男性/正社員)
・家に届いたら、商品にへこみやキズがたくさんあり少しがっかりしました(50代/男性/個人事業主)
・商品の欠陥点などの注意書きを読んで商品を購入したけれど、いざ商品が届いてみると、前の持ち主のものと思われる香水の匂いが、キツいと感じるほど商品に残っていたことです(20代/女性/パート・アルバイト)
・写真だけでは質感や匂いまでわからなかったので、湿気くさかったことがありました(60代/女性/専業主婦)

サイズ感が難しい

 写真では伝わりにくいサイズ感。イメージと違うことも多々あるようだ。

・洋服を購入する際、ブランドやメーカーでサイズはわかっていたつもりでも、実際届いたら小さかったり大きかったりした。公式のブランドサイトと違って、説明も素人目線なのでサイズは難しいと思った(30代/女性/専業主婦)
・サイズ確認をしっかりとしなかったため、予想よりも随分小さいものが送られてきたときに、失敗したと思いました。しつこいと思われても、サイズに関してはしつこく確かめるべきだったと後悔しています(50代/女性/個人事業主)
・洋服の着用時のサイズ感を聞き、ぽっちゃりな人でもゆったり着られるという回答をもらった。実際商品が届き着てみると、ぽっちゃりではない私でもかなりタイトなものだった。聞いていたサイズ感と違い、失敗したと感じた(20代/女性/正社員)

結果的に高くついた

 “安い”という先入観から、安くない買い物をしてしまったという失敗談もチラホラ。

・商品そのものの値段は安かったものの、支払い方法が少なく、しかも手数料も高かったこと。手数料を引いたら、ほかのサイトで買った方が安かった(20代/女性/無職)
・目新しく、いろいろとメルカリで調べて商品を買った後、Amazonで新品がもっと安い価格で販売していたことを知った時に失敗したなと思いました(40代/女性/個人事業主)
・可愛い商品に「いいね!」がたくさん付いていたので焦って購入したけど、同じ商品がもっと安く出品されていた(40代/女性/パート・アルバイト)

33歳体重100キログラドルが「断食道場」に挑戦! 1泊2日の内容と結果とは?

 後厄真っ最中の33歳、吉沢さりぃです。週に3回はジムに行き、なんとなく食事に気をつけたりしてるけど、正直いって年々体形は崩れて痩せにくくなってきてる。20代の頃なんて、すぐに1〜2キロ落ちたのに……。冷静に考えると、父も母もデブ。親族もだいたいデブ。遺伝子レベルからデブな私は、2カ月も放っておけば100キロオーバーは余裕。しかも季節は秋。おいしいものしかないし、寒くなるから動くのもイヤになってくる。このままじゃアカン。でも何かするのは面倒……。自分に甘えるのは得意なので、誰かの監視がないと痩せられないと思った私は、ウワサの「断食道場」に行くことにした。

■山奥の道場へ到着する前からアクシデントが

 適当にググって一番最初に出てきた群馬の道場に決め、さっそく予約を取る。今回は初回だし、「キツすぎたらイヤだな…」という思いから、1泊2日の「断食体験コース」をチョイス。お値段は8,000円。相場がわからないんですけど、手頃な価格なんでしょうか……? 断食までの1週間、薬やサプリの飲用は禁止で、できれば動物性の食べ物や白砂糖は控えめに、と言われたもののガン無視で生活。生理前でおなかがすいてすいて……。

 気合を入れて出発したのに、電車を乗り間違えたり、乗り過ごしてしまって群馬に行くはずがなぜか栃木に。ここで何を思ったか、駅スタンドの立ち食いそばを汁まで完食するというダメっぷり。もう細胞レベルでデブ。これから食べられないって思っただけで、体が飢餓状態になってしまったんでしょうか……?

 そうこうしながら目的地に到着。道場は山奥にあり、2階建てで小さな幼稚園くらいのサイズで、なんだか林間学校に来たような気分です。

 最寄り駅に着くと、ツーブロックの髪形をした40代くらいのスーパーの店長風な男性がお迎えにきてくれていた。普通体形でやたら滑舌が良く、しゃべり方に特徴がある彼は、なんと今からお世話になる断食道場の道場長らしい。ボス自らお迎えにきてくださるなんて……!

 道場に着いて、まず事務所でアンケートのようなものを記入。体重やら普段の生活のことやらを書き込んだら、大広間に移動して「自力整体」の時間。初めて聞いた四字熟語に少しビビりましたが、なんのことはない、長身白髪細身のインストラクターのオジサマが整体をしているDVDを見ながら、自力でストレッチをするということだった。誰このオジサン……。なんかうさんくさいなぁと思ってしまったけど、オジサマは整体法で特許を取っているスゴイ人らしく、このDVDもYouTubeとかでは見られないとのこと。特に難しい動きはないけど、1時間くらいやったらすごくスッキリしたので、それなりに効くのかもしれない。特に断食には関係ないような気もするけど……。どちらかというと、健康のためになる感じですかね。

 オジサマは整体をしながら呼吸法を指示し、とにかくイロイロしゃべり続けるのですが、特に頭に残ったのが「今まであったつらいことは天に任せましょう。これからのことも天に任せましょう」というお言葉。そんなに任せて大丈夫かと思うが、他力本願な私にはピッタリな助言! ちなみに今回の参加者は私を含め3人。女性2人に男性1人。ゴールデンウィークとかだと、参加者が20人を超えることもあるんだとか。今回は人数が少なくてラッキーなんだろうか。

 整体が終わったら、もう夕飯。ギリギリまでおそばを食ってたんで、まだおなかはすいていません。なので断食バッチコイ! 夕飯のメニューはみんな一緒ではなく、体調や体重を考慮して、道場長がチョイスしてくれるとのこと。私にはなんかトロッとしたスープが出てきた。その正体は、葛を溶かした無色無味の温かい液体に、切り刻んだ生姜がのってるだけの汁。お好みで醤油を垂らしてもOKとのこと。量は、お茶碗1杯より少ないくらい。食べてみると味は……まぁ醤油味の葛(笑)。でも不思議とウマい。ここで「ひと口で200回かんでください」と指導が。“ただの汁”を200回かむって正気かよ、と思うも一応チャレンジ。大体50回かめたら良いほうで、かんでるうちに自然となくなってしまう。だって汁だもん。これが断食道場熟練者だと200回かめて、汁だけの夕飯でも30分かけられるらしい。ちなみに、ほかの2人はお味噌汁でした。

 夕飯が終わったら、部屋で自由時間。方向オンチな私は部屋がわからなくなり、薄暗い階段に座り誰かが来るのを待っていると、その姿が巨大な座敷わらしにみえたのか、私を発見するなりスタッフさんは悲鳴を上げていた。

 泊まる部屋は男女別の大部屋。布団やシーツも自分でセッティングし、気分は修学旅行。同室の女性は40代後半くらいの意識高めな方で、リピーターさんだとか。とても気さくで優しく、この道場のこともたくさん教えてくれたんですが、何しろ彼女のダイエット知識はすごかった。運動法からさまざまな食事法、ここ以外の断食道場の情報からエステ、ジムの情報、トレンドのダイエット法からマイナーなものまでなんでも知っているので、心の中で“エキスパートさん” と名付ける。エキスパートさんは細身でダイエットが必要ないような体形なのに、毎回痩せては戻るを繰り返しているらしく、この断食を最後のダイエットにしたいんだとか。男性参加者も「ダイエット目的」と言っていたけど、細身でした。

 そして21時には消灯。即爆睡するも、巨大カメムシに踏んづけられて苦しむという、よくわからない悪夢を見て、非常に苦しみました。

 5時半には起床して、体重や体温を計測。飲んだ水の量やトイレの回数などをチェックシートに記入して、6時からはまた大広間でヨガ。はぁ健康的。ここ最近は毎日朝7時くらいまで飲み歩いてからのラーメンでシメるという生活だったので、ホントに新鮮。ヨガは簡単なポーズが多く、初心者でもやりやすい感じ。

 それから分担して掃除をして、9時のお茶まで自由時間。この時間は仮眠を取ってもよいと言われたので、うたた寝していると、道場長との面談タイムに。道場長は前日のお迎えぶりだ。道場長といっても、この人は特に直接何かをしてくれるわけじゃないんだよなぁ。送り迎えと面談が主な仕事なんだろうか。どうでもいいけど、1人で梅干しをなめながら、お茶をすすっている。私の分はないの……? めっちゃ喉かわいてるんですけど。

 やはりお茶は出されないまま、私に合った食生活や生活リズムを、淡々と提案される。まず肉・卵・乳製品は全く食べる必要がないと言われ、さらに「糖質抜きなんてやってるやつはバカだね」 と一蹴。そこからアドバイスは始まり、おかずはあくまで副菜なので摂らなくても大丈夫、朝は玄米や野菜を粉にしたものと梅醤番茶(番茶に叩いた梅、生姜、醤油を入れたもの)、昼と夜は玄米と漬物、味噌汁だけを食べ続ければ、2週間で5キロ痩せますよ! と言われる。いや、そりゃ痩せるやろがと思うも、とりあえずフンフンと話を聞く。

 道場長はなぜかヒートアップし始め「今の40歳以下の親たちは、添加物を取りすぎているせいで、精子と卵子が狂っている」「そんな狂った精子と卵子からできた子どもなんて、狂っているに決まっている」「そいつらが60歳まで生きられたら万々歳」だと独自の主張を開始するも、“狂った精子と卵子”というパワーワードでいろいろ妄想してしまい、それ以降の話が全く入ってこなかった……。

 前日見たDVDの自力整体のオジサマしかり、道場長しかり、思想が変わっているというか、浮世離れしている。新宿の飲み屋では、絶対出会えないだろうな……。別に出会いたくもないけど。

 面談が終わり、お茶の時間に。先ほど話に出ていた、梅醤番茶と粉が出てくる。これも結構おいしい。特に梅醤番茶はあったまるし、簡単に作れていいなぁと思い、そこで売っていた商品をちゃっかり購入してしまった。

 そして、この日のメインイベント「整腸」へ! わかりやすく言うと“セルフ浣腸”のような行為で、どうやらこの道場でしかできないらしい。同室のエキスパートさんも「ぜひ体験すべき!」 と言っていたので、思い切ってやってみることにした。

 3,000円で浣腸のクダのようなものを購入し、注入する液体を自分で作る。番茶1リットルに対して、水が2リットル。そこに塩をひとつまみ入れて完成。え……本当にこれをお尻から入れるの? 3リットルも? 番茶を飲んだり、注入したりと、自分が何をしたいのかよくわからなくなってきましたが、「頑張ってくださいね」とスタッフの方から謎のエールを受け、バケツとクダを持ち、いざトイレへ……。

 トイレに入ったら、便器にまたがり、左手でお尻の穴にクダを入れてスポイトをシュポシュポさせ、腸に液体を流し込む。「私、一応グラドルなのに、ケツにクダ入れたルポ書くのか……」などの邪念ばかりが頭をよぎる。が!! 整腸、めっちゃ良い! 汚い話ですが、めっちゃ出る! 普通のも出るけど、スタッフの方が事前に言っていた宿便らしきやつも出て感動すら覚えた。だんだん慣れてくると、腸の中に液体が入るのがわかって、気持ち良いとすら感じるから不思議。3リットル入れきって、出しきったら、今回の断食体験は終了。もともとおなかがかなりゆるいタイプなのですが、激痛もなく、整腸が終わったら便意もなくなるので、帰りのトイレの心配がないのもよかった。

 断食道場、思ったよりつらくないし、楽しい。とにかくスッキリするから、おすすめ。でも、1泊2日だとちょっと物足りないかなぁという印象はあった。

 結果として、体重はマイナス1キロに。帰って昼寝して、すぐ飲みに行って、なんなら7軒ハシゴしましたが、落ちた1キロは奇跡的にまだ維持できている。すぐリバウンドする体質なので、ダイエットを頑張る気が薄れていたけど、今回の経験でモチベーションが復活。サボっていたジム通いが復活したし、200回はムリでも、前よりもよくかんで食べるようになった。本気で断食するのもおすすめですが、ダイエット停滞期の方や、気分転換にもいいかもしれない。

 ただ、ひとつだけ困ったのが、セルフ浣腸に使ったクダは持ち帰らなきゃいけなかったこと。いや、気持ちよかったけど、ウチではやらなそう……。マニア向けオークションにでも出して、売れたらまた断食道場行こうかな。
(吉沢さりぃ)

アクションシーンが意外といい『今日から俺は!!』第9話 シーズン2への期待大?

 12月9日に放送された『今日から俺は!!』(日本テレビ系)の第9話。今回のエピソードは、開久との全面対決だ。

■秀逸なアクションシーンだからこそ、惜しいポイントがある

 三橋貴志(賀来賢人)と伊藤真司(伊藤健太郎)のせいで開久がナメられることが我慢ならない相良猛(磯村勇斗)は、何もされてないのに「開久の不良が伊藤に集団でやられた」というニセ情報をでっち上げ、番長・片桐智司(鈴木伸之)を焚きつけることに成功する。

 伊藤を待ち伏せた智司は、メリケンサックをはめ、お互いが目をつむった状態で殴り合う変則ルールのタイマンを持ちかけた。これは罠だ。バカ正直に目をつむっているのは伊藤だけ。目を開けたままの智司は、視界を塞いだ伊藤を余裕でボコボコに……。しかし、いつまでたっても伊藤は目を開けない。意地を貫く伊藤を見て、智司は心変わりした。

智司「目開けろ、伊藤。いいから、目開けろー!」

 伊藤の姿に感化された智司は、メリケンサックを捨て、真っ向勝負で伊藤とのタイマンを仕切り直した。

 実はこのドラマ、アクションシーンが意外にいい。迫力十分、心理描写も予想以上に繊細だ。原作はアクションもギャグパートも魅力的だったが、ドラマ版はギャグ(ムロツヨシや佐藤二朗など)よりシリアスパートのほうが圧倒的に面白い。今回の第9話はアクション要素多めの構成である。見どころの多い回だったように思う。

 だからこそ、惜しい場面がいくつかある。例えば、智司が目を開けるよう伊藤に促したくだり。ここ、原作はもっと熱いのだ。意地を貫く伊藤を見て揺れた智司は「テメーと勝負してみたくなったぜ」と、自らも目をつむった。お互いが視界を塞いだ小細工なしの乱打戦は続き、結果、両者ともにボロボロの状態に。この流れで、智司の「もう、いーだろ。俺の負けだ。俺は最初、目ェ開けてたからな」というセリフへとつながるのだ。

智司「テメェ……あんまバカだと、そのウチ死ぬぜ」

伊藤「意地張るといい事があるんだ」

智司「憎たらしい野郎だよ」

「相良らの捏造」から「伊藤の実直」へ心の針がグッと傾いたことのわかる描写だ。胸の内の揺れがスッと伝わった。相手に目を開けさせるのと自らがつむるとではまったく違うと、おわかりいただけただろうか?

 せっかく良く描けているケンカシーンだ。だからこそ、些細な部分が余計惜しく思えてしまう。

■カットされた名言と説得力

 三橋、伊藤、そして紅高の今井勝俊(太賀)と谷川安夫(矢本悠馬)は、4人だけで開久へ乗り込むことにした。失脚した智司に代わって頭を張るのは、相良だ。

 大勢の不良に阻まれ、相良へたどり着くことのできない伊藤たち。そんな中、「三橋をやった」という報告が相良に入った。伊藤らの眼前には、血まみれで引きずられる三橋の姿が……。

 しかし、これはやられたフリをすることで相良に近づく三橋の作戦だった。立ち上がった三橋は、驚きの表情で固まる相良に右ストレートを放ち、瞬殺ノックアウト! こうして、三橋らは開久制圧を果たした。

 ここ、惜しすぎる。絶対、もっと丁寧に描写すべきだった。前話レビューでも触れたが、そもそも原作で智司にクーデターを起こすのは相良ではなく、「末永」という男である(本来、相良はあまり地位に興味はない)。

 原作では、こんな流れだった。末永に近づくことに成功した三橋。三橋の講じた作戦に驚きの表情を見せる末永。でも、三橋は一気に行かない。

三橋「テメーをだまくらかしてマヌケ顔おがもーと思ったんよ」

 末永は、まともな勝負でも三橋に負けないと思っている。

末永「ナニ、勝ち誇った顔してやがんだよ。テメー、今どれだけのチャンスを逃したのかわかってんのか。俺らぁー智司より強え―ぞ!!」

三橋 「バカ言ってんじゃねェー!!」

「俺は智司より強い」という言葉を聞いた三橋の表情は豹変し、マジモードへ突入する。そして、三橋は右ストレートを2発。為す術がない末永は、あっけなく痙攣KOを喫した。つまり、不意打ちではないのだ。完膚なきまでの実力差を見せつけている。あっけにとられる開久勢を前に、三橋は「こりゃ、つまんねーわ」と一言。

 三橋の怒りの着火、「こりゃ、つまんねーわ」の名言、そして“千葉最強”を名乗るにふさわしい説得力をドラマ版は削ぎ落としている。どう考えても改変すべきシーンではなかった。内容的にも尺的にも、原作通りで問題なかったはずだ。惜しい。そのままで行くべきだったと思う。

■第2シーズンの可能性は?

 エンディングにて、今井がヤクザにフクロにされ、意識不明の重体に陥ったとの報告が谷川から入った。原作の最終エピソードがドラマ版の最終回に選ばれたということだ。

 ドラマ版がスタートする前、今回の実写化の成功を予想していた視聴者は少数だったと思う。しかし、フタを開けたら想定外の大ヒット。原作の最終回エピソードをドラマ版が選んだということは、おそらくドラマ版『今日から俺は!!』シーズン2は予定されていないということになる。当然だ。もともと、それほど期待されていなかったのだから。

 ドラマ版で描かれていない秀逸なエピソードは、いまだ数多い。これは、原作ファンにとっての無念だ。“修学旅行編”を描けば中野誠が登場するし、“埼玉編”を描けば高崎秀一が登場する。今井に恋する森川涼子(通称“バナナ女”)や、正義感あふれる赤坂道場の門弟・田中良(通称“良くん”)の不在も残念だった。特に中野だ。開久との全面対決や最終回エピソードに中野がいないのは、原作ファンにとって不完全なのだ。

 それらの無念さと、今回獲得した数字的な成功、世間の空気感も含めて考慮すると、『今日から俺は!!』シーズン2の可能性が急上昇している気がしてならない。

 これは、願望込みでもある。あの輪の中に中野がいてほしい。ケンカレベルは三橋&伊藤と同等クラス、一匹狼を貫き、窮地の時にはニヒルに助太刀に入る彼。男の子の琴線を絶妙にくすぐる超重要キャラクターである。ドラマに登場しなかったことで、どれだけ中野を好きだったか、我々は逆に気づかされたというか。だからこそ、第2シーズンでの中野の登場を待望している。

(文=寺西ジャジューカ)