ゴミを宝物に変える夢のドキュメンタリー映画! 人生をアップサイクルする『旅するダンボール』

 路上に捨てられた廃棄物が、価値の高いものに生まれ変わる。リサイクルやリユースのさらに上をいく“アップサイクル”という概念になるらしい。ドキュメンタリー映画『旅するダンボール』の主人公・島津冬樹氏は世界各国を旅して、様々な段ボールを拾い集めている。段ボールアーティストと呼ばれる島津氏の手によって、使い古しの段ボールは財布、名刺入れ、パスケースなどに変身していく。段ボールを集めては作り、さらにワークショップを開いて作り方を広める一連のプロジェクトは「Carton」と名付けられ、「Carton」の製品は世界各地で静かな人気を集めている。

 都内乃木坂にある国立新美術館のスーベニアフロアへ行ってみた。海外の有名アーティストのグッズと共に、島津氏が作った段ボール製の長財布もオシャレにディスプレイされている。段ボールに印刷されたパッケージデザインがそのまま財布のアクセントとなっており、チープさと不思議な温かみを感じさせる。値段は1万円と安くはないが、海外からのツーリストが東京のお土産によく買って帰るそうだ。無価値の段ボールをブランド品に変えてしまうという発想が面白い。映画『旅するダンボール』は、段ボールに魅了された島津氏のユニークな人柄を映し出していく。

 1987年神奈川県藤沢市で島津氏は生まれた。子どもの頃から収集癖があり、近くの海岸で拾ってきた貝殻で標本箱を自作した。キノコにも興味を持ち、手描きのキノコ図鑑も編纂している。モノを集めるという行為を楽しむのと同時に、標本箱や図鑑を作ることでその魅力を他の人と共有することにも喜びを見出していた。子どもの頃のそんな体験が、段ボールアーティストとしての原点となっているようだ。

 多摩美術大学に進んだ島津氏は、学園祭のフリーマーケットで初めて段ボール製の手づくり財布を出品。定価500円の財布はすぐに売り切れた。段ボール製財布のユニークさは、就職活動でも効果を発揮する。大手広告代理店の役員面接日を間違えて大遅刻した島津氏だが、役員から気に入られてアートディレクターとして入社することになる。段ボール製財布と同様に、彼自身の気取らない純朴な人柄も、人を惹き付ける独特な魅力があるようだ。

 超難関の人気企業にクリエイティブ職で就職できたにもかかわらず、島津氏はわずか3年で退職してしまう。その退職理由がまた彼らしい。「段ボールを集め、財布を作る時間がないから」。自分がやりたいことをやる。そんなシンプルさが段ボールアーティスト・島津冬樹のモットーだ。アウトドア用品のメーカーとコラボした野外イベントでは、段ボール製グッズと物々交換することで食べ物をゲットする。うれしそうな島津氏の顔をカメラはクローズアップする。段ボールアーティストは、貨幣経済のシステムにも束縛されずに生きている。彼は根っからの自由人だ。そんな彼がお金を収める財布づくりに情熱を注いでいるのもおかしい。矛盾さえも包み込んでしまう、大らかさが段ボールと段ボールアーティストにはある。

 島津氏は海外でも財布づくりのワークショップを開き、惜しみなくそのノウハウを多くの人たちに広めている。まるで折り紙の鶴を折るように段ボールで財布を作り出す島津氏の手つきを見て、外国人たちは驚き、そして島津氏にアシストされて完成させた自前の財布を手にして大喜びする。段ボールでつくられた財布はきっと大切に使われることだろう。そんな一期一会な出逢いを、決して英語が堪能ではない段ボールアーティストは心から楽しんでいることをカメラは伝える。

 段ボールをめぐるこの風変わりなドキュメンタリーは後半、意外なことに感動のドラマが待っている。国内の青果市場を物色していた島津氏は「徳之島フレッシュPOTATO」という段ボールと出逢ってしまった。手描きのレタリングとジャガイモを擬人化したユルキャラに、何とも言えない味わいがある。島津氏はこの段ボールに激しい愛情を感じ、どうしようもなくこの段ボールを作った人に会いたくなってしまう。

 ジャガイモの生産地である鹿児島県徳之島に向かうつもりだった島津氏だが、調べてみると長崎県に出荷され、諫早市の選別工場で段ボールに詰められていることが分かった。長崎県にまで飛んだ島津氏は、この段ボールを作ったデザイナーは熊本県在住なことを知る。旅を続ける中でいろんな人たちと知り合い、さらに段ボール工場を見学した島津氏は、いよいよ憧れの段ボールデザイナーと対面することに。詳細はドキュメンタリー映画を観てもらいたいのだが、それは段ボールを愛する者同士の幸せな邂逅の瞬間となった。島津氏は「段ボールは温かい」という言葉を何度か口にするが、段ボールを作り、愛する人たちもまた同じように温かかったのである。

 島津氏は日常生活に溢れた段ボールという鉱脈を見つけ、段ボールアーティストとして世界的に活躍することになった。『旅するダンボール』はそんな島津氏と出逢うことで、多くの人たちが段ボール愛に目覚めていく物語だ。本作を撮った岡島龍介監督もその一人らしい。カメラを持って島津氏を追い掛けるうちに、段ボールと島津氏の魅力に気づいていった。そして当の島津氏自身も、広がっていく段ボール愛に包まれていく。

 映画を観ながら、ふと考える。もしかしたら段ボール以外にも、意外な鉱脈が日常生活の中に眠っているのかもしれないと。世間的には無価値なものを、世界にひとつしかない宝物に変えてしまう。そんな夢のようなドキュメンター映画は、現在日本各地を旅している真っ最中だ。
(文=長野辰次)

『旅するダンボール』
プロデューサー/汐巻裕子 監督・編集/岡島龍介 撮影/岡島龍介、サム・K・矢野 音楽/吉田大致 VFX/松元遼
出演/島津冬樹 ナレーション/マイケル・キダ
配給/ピクチャーズデプト 12月7日よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿ピカデリーほか全国順次公開中
c) 2018 pictures dept. All Rights Reserved
http://carton-movie.com/

 

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視聴率5.6%『僕キセ』最終回のCGラストに批判殺到も、高橋一生「ゴールデン初主演」が“成功”と言えるワケ

 11日の放送で最終回を迎えた高橋一生主演『僕らは奇跡でできている』(フジテレビ系)。視聴率は、5.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、前回より1.3ポイントダウンし、最終話で最低記録を更新してしまうという悲惨な結果に。

 数字の推移を振り返ると、第1話7.6%→第2話6.1%→第3話6.2%→第4話7.0%→第5話6.0%→第6話6.4%→第7話7.2%→第8話6.4%→第9話6.9%、全話平均は6.5%となりました。とはいえ、ネット上では、「今期ナンバーワン」の声も上がっているようす。いったいどんな結末を迎えたのか、まずはあらすじから振り返っていきたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

■相河が出した答えは……

 樫野木先生(要潤)から「ここから消えてほしい」と言われてしまった相河(高橋一生)は、翌日は大学をお休みして、ペットであるカメのジョージを連れて山へ。

「光を大きくしたら嫌なことまで入ってきて、つらくなっちゃって」と元気がない相河に、おじいちゃんは(田中泯)は、「よかったな」と意外な返答。相河は森の中で寝っ転がり、その意味を考えます。

「つらい気持ちだって、光だから……。これからも僕の中の光を広げてく」

 そうしてその翌日はきちんと大学に出勤し、鮫島教授(小林薫)に大学を辞めることを宣言。一方生徒たちは、水本先生(榮倉奈々)の歯科クリニックへ。相河を引き止めるよう言ってほしいとお願いをします。

 研究室では、樫野木先生が自分のせいで辞めるのかと問い詰めますが、相河は、この前悲しくなったのは、樫野木先生と仲良くなりたかったからだと言います。そして、フィールドワークの授業に誘うのでした。

 当日、森には樫野木先生の姿が。「相河先生のせいにしておけば、向き合わずに済むことがあるんじゃないの?」と鮫島教授が言っていた通り、覚悟や才能がないからやめたフィールドワークを家族のせいにしてきた樫野木先生。自分の選択を肯定するには、相河を否定するしかありませんでした。

 そのことに気づいた樫野木先生は、相河が知りたがっていた離婚の原因を話すと、「ひどいこと言って悪かったよ」と謝罪。樫野木先生が手放せないでいた結婚指輪を2人で仲良く木の下に埋めるのでした。

 その後、大学を辞めることを引き止めようとする生徒たちに、相河は、

「僕はいつだってみなさんと繋がっています」

「皆さんが僕の中にいるってことです。僕は皆さんで出来ているってことです」

「だから、時間も距離も関係ありません」

 と、フィールドワークをするため、宇宙に行くと宣言。

 それからというもの、相河に影響を受けた水本先生は、「やるって決めたらやれるんだ」と自分のクリニックでインプラント治療をはじめたり、樫野木先生が面白い授業で、青山(矢作穂香)ら生徒たちの関心を集めるように。

 実家のコンニャク屋を継ぐか迷っていた新庄くん(西畑大吾/関西ジャニーズJr.)は、コンチューバーの沼袋先生(児嶋一哉)に弟子入りしてコンニャクの良さを伝えるYouTuberになったり、テストで10点をとってしまった虹一くん(川口和空)に涼子ママ(松本若菜)が「虹っていう字、きれいに書けてるね」と声をかけたり、周囲の人たちにもさまざまな変化がみられるようになりました。

 ある夜、月を見上げるおじいちゃんと家政婦の山田さん(戸田恵子)。宇宙服に身を包んだ相河とカメのジョージが画面いっぱいに映しだされたところで幕を閉じました。

 

■ラストのCGカットにツッコミ殺到

「バリショーェ スパシーバ!(ありがとうございました)」

 と、宇宙空間を漂う相河がカメラ目線であいさつをするという謎演出で終わった『僕キセ』。ドラマ本編では見たことがないようなコミカルすぎるぶっとんだ演出に、「最後だけコント」「宇宙のシーンはいらなくない?」「いつかの『ドクターX』並みの宇宙の合成のショボさ」「せっかくいい話だったのに」と視聴者からツッコミ&批判の声が。

 おじいちゃんと山田さんが月を見上げるところで終わってもよかったように思いますが……。「ハートフルコメディ」とうたっているドラマなだけに、最後の最後に「コメディ」要素を強めに打ち出したということなんでしょうかね。

■壮大な伏線回収

 ただ、相河の宇宙行きについては、思い返せば、群馬にある新庄くんの実家のコンニャク屋さんに行ったときも元々の目的は天文台に行くことだったし、大学の講義でも、宇宙に行った動物や月の話をするなど、伏線が張られていました。ロシア語を学んだり、水泳を習い出したのも、宇宙へ行くための準備だったわけです。

 てっきり、樫野木先生に言われたことがショックで大学をやめてしまうのかと思いましたが、相河が鮫島教授に言った、

「嫌なこともつらいことも消そうとしないで全部光で包んだら、僕の光は無限大になります」

 というセリフにあるように、ただ嫌なことから逃げるために大学を辞めて宇宙に行くわけではなかったんです。

 ちなみに、エンドロールでは毎回、数字だったり自然に関係するものだったり、その回の内容とリンクするよう、スタッフの名前の漢字の一文字一文字に色がつけられるという粋な演出がされていたんですが、前回は宇宙にまつわる漢字を使った名前に色がついていました(最終回では全員の名前が虹色になっていました)。そういった細部にわたるこだわりにはスタッフ陣の愛を感じましたし、至るところに張りめぐらされた伏線が綺麗に回収され、スッキリと納得のいく最終回だったように思います。

 

■「大河原さん」は、山田さんの中にある「お母さん」の部分

 伏線といえば、家政婦の山田さんが度々会話に登場させた「大河原さん」ですが、やはり、実在しないことが相河のセリフによって明かされました。実の母であることを名乗らないと決めていたからこそ、大河原さんに500円の豆腐を買わされたと嘘をついて、歯が痛い相河にやわらかいもの食べさせたり、樫野木先生のことで大学をお休みした翌日は大量のお裾分けをもらったと、たくさんご馳走を作って元気づけようとしたり、大河原さんを生み出すことで、家政婦の域を超えた、母親としての愛情を相河に注いできました。つまり、大河原さんは「お母さん」だったわけです。

 このあたりのことを考えると、気付かないフリをしていた相河が言った「大河原さんがいてくれて良かったです」というセリフがとっても染みてきます。

 

■視聴率惨敗も、“成功”といえるワケ

 さて、ドラマが始まった初めの頃は、高橋一生があざといだの、ストーリーが退屈だの散々書いてきたものの、終盤に差しかかるにつれ、グッと引き込まれる展開が続き、アッサリ手のひらを返したことをお詫びしたいというのが、筆者の正直な感想です。

 発達障害を抱えているであろう主人公の成長と、その周囲の人間の変化を、「障害」という言葉を使わずに、丁寧に描ききった脚本の橋部敦子さんには、『僕の生きる道』シリーズのように、『僕キセ』もシリーズ化してほしいくらい。

 また、難しい役柄を演じた高橋さんの演技も、回を追うごとにナチュラルなものになり、役柄を自分のものにしているなと感じました。10歳以上年が離れた女優との熱愛を報じられたり、私服のチェーンがダサいとディスられ、人気急落がささやかれていましたが、「イケメン枠で括られると疑問だけど、演技は本当に上手い」「ハマり役だった」「このドラマで好きになった」という声が視聴者から上がっているように、マイナスイメージは、多少は払拭できたかと思います。

 視聴率こそ振るいませんでしたが、視聴者の満足度は高いようだし、ゴールデン初主演にこのドラマを選んだことは、間違いなく成功だったと言えるんじゃないでしょうか。そういった意味でも、高橋さんの次回作が気になるところです。

 ちなみに、次クールのこの時間は、黒川博行氏の原作小説を連ドラ化した『後妻業』が放送。木村佳乃が遺産相続目当ての結婚詐欺師役を演じるとのことで、ハートフルストーリーだった『僕キセ』とは180度違うドロドロしたドラマが展開しそうですよ……。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

RADWIMPS・野田洋次郎、首吊りMVが物議! 交際報道に軍歌問題……ついにマスコミへの不満爆発!?

 12月12日に発売されたニューアルバム『ANTI ANTI GENERATION』に収録されている『PAPARAZZI〜*この物語はフィクションです〜』のMVの内容が一部で話題になっているRADWIMPS。

 くだんのMVは芸能人の私生活を激写するカメラマンに焦点を当てた内容で、カメラマンがボーカルの野田洋次郎をつけ回しているという設定。MVにはスーツ姿の野田がロープで首を吊る映像や、カメラマンが脳天を撃ちぬかれる映像があるなどショッキングなもの。また歌詞についても、大ヒットした映画『君の名は。』(2016年)以降、実家の親が嫌がっているのに無理やりインタビューしてそれを掲載した、飲食店でマスコミの人間にカップルのふりで横に座られ、話を盗み聞きされたなど、かなり具体的な内容になっている。

 また12月6日には、野田が自身のInstagramにロープで首を吊っている写真をいちはやく掲載するなどもしており、これらの写真や映像を観たネットからは「見てきた これはダメだ」「かなり過激なMVだった……視聴に年齢制限あってもいいくらいだわ」「ウワァ〜首吊りはキツイよ」など、拒否反応を示す声が続出している。

 このMVについて、芸能界ではこのような意見が出ている、と関係者は語る。

「野田さんなりの声明文みたいなものなんでしょうが、マスコミは静観といった感じでしょうか。野田さんといえば吉高由里子さんとの交際していた時期が2013年〜14年あたりで、映画『君の名は。』の主題歌でブレイクしたのが16年。今は18年も終わろうとしてるので『何を今さら……』といった印象が拭えません」(スポーツ紙記者)

 たしかに、ネットでも「そんなパパラッチに追われるほどの人たち?」「ゲスきのこが歌ってたら面白いのに」など、野田がパパラッチに迷惑を被った印象がさほど無いとする声も多く、作り手の思い入れのわりに世間への浸透がイマイチ、というのが現状のようだ。

「野田さんの溜まりに溜まったフラストレーションがとうとう爆発したのでは?」と指摘するのは音楽事務所関係者だ。

「野田さんといえば今年6月、フジテレビ系のサッカー番組のテーマ曲『HINOMARU』に愛国心溢れる言葉がたくさん登場したため『軍歌っぽい』と炎上しました。この時は批判を受けて野田さんはInstagramで謝罪されましたが、マスコミに“幼稚な愛国心”と言われるなどバッシングを受けており、釈然としない気持ちが残ったのでは」

 野田はInstagramにて「歌詞に関して軍歌だという人がいました。そのような意図は書いていた時も書き終わった今も1ミリもありません」としつつも「戦時中のことと結びつけて考えられる可能性があるかと腑に落ちる部分もありました。傷ついた人達、すみませんでした」と謝罪している。

 SNSで発信するのではなく、今回は楽曲で気持ちを発信した野田。いかにもミュージシャンらしいやり方といえるが、今後もこのような問題提起をしていくのか、注目したいところだ。

大炎上「アンドロメダ瞬女性化問題」に北朝鮮の聖闘士星矢ヲタが物申す!

 2019年にNetflixで配信される『聖闘士星矢』最新シリーズ『聖闘士星矢 Knights of the Zodiac』にて、主要キャラクターであるアンドロメダ瞬の性別が女性に変更され、古参のファンを中心に動揺が広がっています。

 そこで、本連載でも数回にわたり登場していただいた北朝鮮人民の聖闘士星矢オタク・趙さん(職務で第三国在住)に急きょ連絡を取り、見解を伺いました。

***

――アンドロメダ座の瞬の性別が女性に変更されたことが日本で大きな話題となっていますが、趙さんはこの件についてどう思いますか?

趙さん 私も幼い頃にアニメブックを見て、瞬はひょっとして女なのではないかと思ったことがありました。性格も外見も、女っぽいですよね。なので、いっそ女性として描いたほうが的確なのでは、と思うところもありました。

――それが今回、ついに本物の女性キャラに作り変えられることになりました。

趙さん 確かに、女性を英雄的に描く今の世界の趨勢とは、ちょっと違う筋のものであると感じます。わざわざそうする必要はないのではないかと……。

――日本の多くのファンも、そのように感じています。

趙さん ただ、女性化することで、悪いことよりも良いことのほうが増える気もします。

――というと?

趙さん まずは、ジェンダーの多様性において女性たちの役割を肯定的に描けるとともに、(瞬の持つ)女性的な柔らかさをクローズアップすることができるでしょう。

――瞬が、男性としては不完全だという認識でしょうか?

趙さん 不完全というよりも、さらに何かを加えてイメージを膨らませる余地を持っているということです。そして、女体化してラブストーリーの要素を追加することは、作品を小説のように豊かにすることができます。

――ラブストーリーというのは?

趙さん 単純に男女のカップルといえば、主人公のペガサス星矢にはアテナがいるし、ドラゴン紫龍にも恋人がいるでしょう。瞬は、キグナス氷河とくっつくことができるのではないでしょうか。

――氷河×瞬ですか……。

趙さん 瞬が、全身凍傷になった氷河を命懸けで救う場面があるじゃないですか。ラブストーリーがあれば、作品がさらに現実味を帯びると思います。僕は以前から、作品そのものよりも登場人物の出生地や年齢などプロフィールに興味を持っています。彼らがどこかに実在しているかのように思っていますし、実際そうであればいい。だから、恋愛もしてほしいと思うんです。

――しかし、従来の作品の設定や世界観を壊す、と懸念されています。

趙さん 作品が、さらに豊かになるという見方もあるのではないでしょうか。僕も、わざわざ女体化させることには反対です。今のままの瞬でいいです。

――私も、ファンとしてはそう思います。

趙さん しかし、瞬本人が望んで性別を変えるのであれば賛成です。

――えっ!? それは一体どういうことですか?

趙さん まったく新しいストーリーの中で、瞬が自分の意思で女性であることを選択したという説明があればいいです。

――それは、余計に複雑な話になりますね……。

趙さん 原作とは関係ない、異世界であれば全然問題ありません。

――というか趙さん、今回は原作のリメイクで、女性化はもう決定してしまったんですよ……。

趙さん え?

――公式発表されてます。フェニックス一輝とは兄妹になるんです。

趙さん それはおかしいですね。同意できませんよ!

――それで日本のファンが怒っているんです。

趙さん それは(作品の)思い出を壊すことになります。作者はどう考えてらっしゃるのですか?

――作者の車田正美先生は、「原作者の手を離れてどんどん遠いところへ行ってしまっても、ファンがいろいろなテイストの作品を楽しんでくれればそれでよい」という趣旨の発言をされています。

趙さん そうであれば、僕も何も言えません(笑)。

――これが女性化した瞬の画像です(画像を見せる)。

趙さん (笑)。なんだか不思議ですね。ショックでないといえば、うそになりますけど。まあ、でも期待はしています。僕は星矢の関連作品であれば全部観たいので。出来が良くても悪くても構いません。ずっと応援していますよ。

***

 途中まで、ややかみ合っていませんでしたが、趙さんもつまりは女性化に反対とのこと。過去、独自の個性的な解釈を展開することもあった趙さんですが、これについては日本の大多数のファンと同意見のようです。

 まだ登場していない黄金聖闘士も含めて、一体どうなってしまうのでしょうか……。私もファンの一人として、推移を見守りたいと思います。

●やす・やどろく
ライター、編集者。都内大学院の心理学部在籍中。元朝鮮青年同盟中央委員。 政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

大炎上「アンドロメダ瞬女性化問題」に北朝鮮の聖闘士星矢ヲタが物申す!

 2019年にNetflixで配信される『聖闘士星矢』最新シリーズ『聖闘士星矢 Knights of the Zodiac』にて、主要キャラクターであるアンドロメダ瞬の性別が女性に変更され、古参のファンを中心に動揺が広がっています。

 そこで、本連載でも数回にわたり登場していただいた北朝鮮人民の聖闘士星矢オタク・趙さん(職務で第三国在住)に急きょ連絡を取り、見解を伺いました。

***

――アンドロメダ座の瞬の性別が女性に変更されたことが日本で大きな話題となっていますが、趙さんはこの件についてどう思いますか?

趙さん 私も幼い頃にアニメブックを見て、瞬はひょっとして女なのではないかと思ったことがありました。性格も外見も、女っぽいですよね。なので、いっそ女性として描いたほうが的確なのでは、と思うところもありました。

――それが今回、ついに本物の女性キャラに作り変えられることになりました。

趙さん 確かに、女性を英雄的に描く今の世界の趨勢とは、ちょっと違う筋のものであると感じます。わざわざそうする必要はないのではないかと……。

――日本の多くのファンも、そのように感じています。

趙さん ただ、女性化することで、悪いことよりも良いことのほうが増える気もします。

――というと?

趙さん まずは、ジェンダーの多様性において女性たちの役割を肯定的に描けるとともに、(瞬の持つ)女性的な柔らかさをクローズアップすることができるでしょう。

――瞬が、男性としては不完全だという認識でしょうか?

趙さん 不完全というよりも、さらに何かを加えてイメージを膨らませる余地を持っているということです。そして、女体化してラブストーリーの要素を追加することは、作品を小説のように豊かにすることができます。

――ラブストーリーというのは?

趙さん 単純に男女のカップルといえば、主人公のペガサス星矢にはアテナがいるし、ドラゴン紫龍にも恋人がいるでしょう。瞬は、キグナス氷河とくっつくことができるのではないでしょうか。

――氷河×瞬ですか……。

趙さん 瞬が、全身凍傷になった氷河を命懸けで救う場面があるじゃないですか。ラブストーリーがあれば、作品がさらに現実味を帯びると思います。僕は以前から、作品そのものよりも登場人物の出生地や年齢などプロフィールに興味を持っています。彼らがどこかに実在しているかのように思っていますし、実際そうであればいい。だから、恋愛もしてほしいと思うんです。

――しかし、従来の作品の設定や世界観を壊す、と懸念されています。

趙さん 作品が、さらに豊かになるという見方もあるのではないでしょうか。僕も、わざわざ女体化させることには反対です。今のままの瞬でいいです。

――私も、ファンとしてはそう思います。

趙さん しかし、瞬本人が望んで性別を変えるのであれば賛成です。

――えっ!? それは一体どういうことですか?

趙さん まったく新しいストーリーの中で、瞬が自分の意思で女性であることを選択したという説明があればいいです。

――それは、余計に複雑な話になりますね……。

趙さん 原作とは関係ない、異世界であれば全然問題ありません。

――というか趙さん、今回は原作のリメイクで、女性化はもう決定してしまったんですよ……。

趙さん え?

――公式発表されてます。フェニックス一輝とは兄妹になるんです。

趙さん それはおかしいですね。同意できませんよ!

――それで日本のファンが怒っているんです。

趙さん それは(作品の)思い出を壊すことになります。作者はどう考えてらっしゃるのですか?

――作者の車田正美先生は、「原作者の手を離れてどんどん遠いところへ行ってしまっても、ファンがいろいろなテイストの作品を楽しんでくれればそれでよい」という趣旨の発言をされています。

趙さん そうであれば、僕も何も言えません(笑)。

――これが女性化した瞬の画像です(画像を見せる)。

趙さん (笑)。なんだか不思議ですね。ショックでないといえば、うそになりますけど。まあ、でも期待はしています。僕は星矢の関連作品であれば全部観たいので。出来が良くても悪くても構いません。ずっと応援していますよ。

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 途中まで、ややかみ合っていませんでしたが、趙さんもつまりは女性化に反対とのこと。過去、独自の個性的な解釈を展開することもあった趙さんですが、これについては日本の大多数のファンと同意見のようです。

 まだ登場していない黄金聖闘士も含めて、一体どうなってしまうのでしょうか……。私もファンの一人として、推移を見守りたいと思います。

●やす・やどろく
ライター、編集者。都内大学院の心理学部在籍中。元朝鮮青年同盟中央委員。 政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

梅宮辰夫、がん手術後のテレビ出演で見せた“激ヤセぶり”が話題! なぜかロバート秋山竜次へも心配の声が!? 

 俳優の梅宮辰夫が12月13日、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に出演。激変ぶりが現在ネットで騒然となっている。

 この日の放送で梅宮は、10月に週刊誌にて報じられた芸能界引退騒動について言及。引退は「ありえない」と断言。普段は神奈川・真鶴に暮らしており、仕事のたびに使っていた東京の自宅を売り払ったために、「そういう記事になってしまった」と明かした。

 今年80歳の梅宮。高齢なだけに、引退もありえるといわれていただけに、今回の否定発言にスタジオからは安堵の声が。ネットでも同じような声が聞こえている……かと思いきや、そうではなかったようだ。

「引退については否定した梅宮さんですが、ネットでは、梅宮さんが『痩せすぎて別人になった』と話題に。9月8日発売号『週刊新潮』で、今年7月に『十二指腸乳頭部がん』で手術。幸い早期発見でき、医者からは3カ月で完治すると言われていると報道され、7日には娘のアンナさんが都内で会見。「体重が10キロ落ちたけど大丈夫」と説明し、ネットでは安堵の声が上がっていたんですが……。心配の声ばかりが聞こえています」(芸能ライター)

 今回の激変ぶりはみな、“想像以上”だったよう。梅宮の周辺が「大丈夫」と説明しているが「……にしても、これは心配だ」といった声が聞こえている。

 また、こんな声もあるようで、

「なぜか、ロバートの秋山竜次さんにも心配の声が。秋山さんと言えば、裏に梅宮さんの写真がプリントされているTシャツを捲り上げてものまねをするという芸が人気。それだけに、『ご本人がこんなにやせてしまうと、モノマネしても笑えないうよ』『秋山の辰兄モノマネは当分見られないね』といった声が上がっていました」(同)

 さまざまな方面から心配されている、梅宮の激ヤセぶりだが、当の本人は引退を否定。まだまだ芸能界で働くと語っているだけに、以前のような貫禄を早く取り戻して欲しいものだ。

『リーガルV』米倉涼子の美しさを見せることにこだわりすぎ……「失敗しない」代わりに大きな成功もせず

 米倉涼子が元弁護士役で主演を務めるドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)もいよいよ今回で最後。13日に放送され、前回から4.2ポイントの大幅アップとなる平均視聴率17.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

(前回までのレビューはこちらから)

 小鳥遊翔子(米倉)は1年前、NPO法人「貧困を救う会」の幹部職員・市瀬徹(夙川アトム)を刺殺し逮捕された青年・守屋至(寛一郎)の弁護に関する調査中、暴力団幹部・花田尊に金銭を渡す姿を週刊誌にすっぱ抜かれ、弁護士資格を剥奪された過去があります。

 その処罰を不服として、古巣「Felix & Temma法律事務所」の代表弁護士・天馬壮一郎(小日向文世)を相手取り、1円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしました。といっても本当の狙いは、「貧困を救う会」の代表・大峰聡(速水もこみち)に依頼され、殺人を犯したという守屋の証言を法廷に持ち込むためだったのです。

 そして前回、守屋が殺人を犯した際、市瀬のポケットから落ちたというカギを受け取った小鳥遊は、そこに市瀬が殺された“理由”が隠されているのではないかと睨み、関東圏内に378店舗あるスポーツジムのロッカーを、「京極法律事務所」のメンバーで手分けして1店舗ずつ調査することにします。

 また、1年前の週刊誌のスクープ記事は、天馬が裏で手を回したのではないかと疑う小鳥遊は、花田に証言者になってもらうべく、弱みをにぎるようパラリーガルの馬場雄一(荒川良々)と茅野明(三浦翔平)に調査を命じます。

 ところが、この動きが天馬側に感づかれてしまい、馬場と茅野は花田の子分たちに襲われ、病院送りとなってしまうのでした。

 このことに怒り心頭となった小鳥遊は、古巣に怒鳴り込むものの天馬には会えずじまい。代わりに応対した、かつての同僚で元カレの海崎勇人(向井理)から、「君1人では絶対に勝てない」と、無謀な裁判を止めるよう諭されてしまいます。

 しかし小鳥遊は諦めず、再びジム回りを開始。カギの合うロッカーを見つけ、その中から、大峰が募金を着服していたことを裏付けする会計資料を見つけ出すのでした。

 さらに、退院した馬場が、花田の車のドライブレコーダーから、組長の愛人とイチャつく姿を記録したSDカードを盗み出していたため、それをネタに花田を証人として出廷させる約束を取り付けます。

 その動きを察知した天馬は、自身も車内で密談する機会が多いため、弱みを握られてはまずいと、海崎がドライブレコーダーから抜き取ってきたSDカードを自ら焼却するのでした。

 さらに天馬は、大峰に直接会いに来た小鳥遊が、まるで脅すような口調で天馬との親子関係を訊き出そうとする姿を盗撮。これを裁判の際、小鳥遊の不正行為を立証する証拠として提出することにするのです。

 そして迎えた裁判。海崎が原告側の証人として立ち、天馬が尋問を行うことになった際、その“切り札”を開示することになったのですが、その映像には、車内で天馬が大峰に市瀬殺しを指示する姿が映っていたのでした。

 実は梅崎はこっそり、SDカードをすり替えていたのです。この裏切りによって小鳥遊は勝訴し、弁護士資格の剥奪は取り消しとなったのですが、「京極法律事務所」の優秀なスタッフに恵まれた今となっては、その資格は必要ないとのことで、勝訴の余韻に耽りながら旅に出たところで終了となりました。

 さて感想。これまでお飾り的な存在だった海崎が、最後の最後にイイとこ取りの展開となったわけですが、その直前、小鳥遊と2人きりになった時の「君1人では絶対に勝てない」というセリフが伏線であることが丸わかりだったため、特にサプライズ感はありませんでした。

 というよりも、1年以上前の記録がなぜ残っていたのか? という疑問の方が強かったです。海崎は初回から、天馬の座を狙っているのだろうな、と薄っすらニオわせていましたが、それならば最初から裏で小鳥遊と結託していた、というシナリオの方が面白かったのではないかと思います。

 また、1年がかりで復讐を遂げた割に、小鳥遊の勝訴にまったく爽快感がなかったのは、弁護士資格を失った時のどん底感や悔しさなどを伝えるシーンが、これまでほとんど描かれなかったからでしょう。“強く美しい米倉涼子”のイメージを守りたかったからなのかはわかりませんが、苦汁をなめさせられるシーンをもっと見せ、視聴者の同情を煽った方がより強いドラマ性が生まれたのではないでしょうか。

 放送前、『ドクターX』シリーズで演じる孤高の天才外科医・大門未知子役とは対照的に、組織を動かす司令塔役、という設定が話題になった同ドラマ。この設定を守りつつ続編へ繋げるためなのか、最後に小鳥遊は弁護士への復帰を拒んだわけですが、我の強いキャラとして描かれてきただけに、かなり不自然な印象を受けました。

 仮にシリーズ化となった場合、かなり苦しい展開になっていくのではないかと予想されます。今回でさえ、豪華キャスト陣の無駄遣いといわざるを得ない低級な脚本でしたから、米倉はもっと『ドクターX』を大事にすべきなのでは? というのが全体を通しての感想でした。大門の決め台詞「私、失敗しないので」から拝借すれば、『リーガルV』は失敗しなかった代わり、大きな成功もしなかったのではないかと思います。
(文=大羽鴨乃)

“失われた半分”を求めて人生は続いていく――佐々木蔵之介主演ドラマ『黄昏流星群』最終話

(前回までのレビューはこちらから)

 ドラマと主題歌の関係というのは重要だ。

 オープニングの映像に合わせて聞こえてくれば、物語に入り込んでいく気分を盛り上げてくれるし、エンディングやクライマックスで流れたなら、その情感を大いに引き立たせてくれる。名作と言われるドラマを振り返ってみても、そこで使われた音楽との相乗効果によって、作品と曲、両方がヒットした例が多く見られる。そして、この『黄昏流星群』(フジテレビ系)でも、主題歌である、平井堅の「half of me」が、実にいい効果をもたらしていた。

 多くの波乱を抱えながら迎えた最終話。それぞれの登場人物が、新しい道に向かって歩き始めた――。

 若葉銀行の不正融資事件で追い込まれ、飛び降り自殺を図った井上(平山祐介)は、一命をとりとめた。見舞いに行った完治(佐々木蔵之介)は、助けてやれなかったことを詫びる。井上は、完治の立場を慮りながらも、上からの指示であったことを認めようとはしなかった。完治は、何とか不正の真実を暴こうと奔走する。

 真璃子(中山美穂)は、日野(ジャニーズWEST・藤井流星)の母・冴(麻生祐未)が病院に入る手続きに付き添う。そこで冴から「息子から手を引くように」と伝えられるのだ。

 冴の心情は複雑であったろう。息子が、親子ほど年の離れた真璃子に惹かれていることは、十分承知している。息子の気持ちを優先させるなら、二人の関係を認めるべきであるかもしれない。しかし、結婚をしている真璃子と付き合うのは、社会的に許されないことだ。

 そしてもう一つ、彼女は真璃子に嫉妬心を持っていたのではないかと思う。今まで、何をおいても母のことを考えてくれた息子。それが、自分とあまり年の変わらない女性を愛している。その思いには、どこか母に対する思慕のような気持ちが混じっている。そこに、割り切れないものを感じていたのではないだろうか。

 話を聞き、冴の気持ちを理解した真璃子は、日野との関係を断つ。そして、自宅へと戻り、再び完治と生活を始める。

 一方、漁港で働く栞(黒木瞳)は、糖尿病であることを、上司である茅野(美保純)に知られ、事情を話すこととなる。そして、テレビの会見で完治が銀行のために活躍していることを知り、密かに祝福するのだ。

 栞が誕生日用のケーキを買い、一人でろうそくを吹き消すシーンは、解釈が分かれるところかもしれない。自分の誕生日、あるいはケーキを仏壇に供えていたことから、母の誕生日であったと見ることもできるが、私は、一つの成果を出した完治へのお祝いではないかと考える。そして、そんな完治を見て、自分もまた新たな気持ちで生きていこうという、決意の表れでもあったのではないだろうか。

 栞がケーキを切り分けたところで、シーンは変わり、完治が街中で月を見上げ、栞を思い出している。そこで、主題歌が流れる。

 タイトルの「half of me」は、直訳すれば「自分の半分」。歌詞の内容は、別れた恋人のことを思い、「まるで自分の半分が無くなったようだ」と感じている男の心情を歌っている。完治が見上げた月は満月。満ち欠けを繰り返すその姿が、まんまるに輝いているのを見て、二人で過ごした時を思い出すというのは、栞との時間が満ち足りたものであったことを示す暗喩のようなものであろう。それぞれにとって、どこか物悲しい情景であった。

 不正について調べていた完治は、井上の妻(阿南敦子)から、井上が常務から指示を受けていた証拠を手に入れ、事件を解決する。聡美(八木亜希子)と須藤(岡田浩暉)の結婚祝いにも夫婦二人で出かけ、全てがうまくいっているように思えた。

 しかし、ある朝、真璃子は完治に離婚届を差し出す。

「あなたの心の中には別な人が住んでる。そして、私にも他に好きな人がいる」

 そう思いを吐露し、二人は別れることとなる。

 完治は、今回の不正を暴いた功績により、本店に執行役員への就任を打診される。しかし、彼はそれを断り、銀行を辞める。

「人生が100年だとして、あと50年。残りの半生は、自分の新しい可能性を探ってみたい」

 そうして、それぞれが新しい道を歩き始めるのだ。

 3カ月後、真璃子はパン屋で働き始めていた。そんな時、冴が会いたいと言ってくる。病院に行った真璃子に、冴は「息子を見守ってあげて欲しい」と伝えるのだ。自分の意見に従ってくれる、どこまでも優しい息子。彼のわがままを通すには、自分が了承しなければならない。死期の迫った身にあって、彼女は、息子の思いに応えたのだ。

 完治の元には、栞の居場所を知らせるハガキが届く。彼女が糖尿病を患っていることを知った完治は、栞の元へと向かい、再会。ふたりはしっかりと抱きしめ合うのだった。

 3年後、完治と栞は山の中にカフェを開いていた。栞の体調もよく、幸せそうだ。そして、真璃子はパン職人として働き、日野との関係も続いている。もちろん、バックには主題歌が流れてくる。

 悲しい歌であるはずの「half of me」が、どこか優しく語りかけてくるように聞こえる。かつて一つであったはずの自分の半分。それを失うことは、どれほど辛いことだろう。しかし、一度でもその人と一緒になり、ともに過ごせたことは、ある意味幸せなことなのかもしれない。

 完治にとって、「失われた半分」とは、誰であったのだろう。真璃子か、栞か。おそらく、その時々によって、相手は変わっているのだろう。ただ、そんな相手に出会い、そしてその関係を守ろうとすることが、一つの生きがいであったことは間違いないだろう。

 相変わらず世の中は、不倫のニュースが次から次へと出てくる。私も不倫については、いい感情は持っていない。誰かを傷つけるという点において、世間から非難されるべきことだと思うからだ。

 このドラマの中では、不倫の果に結ばれ、幸せになった人たちが描かれた。たくさんの人を傷つけ、自分も傷ついて、それでも欲しいものを手に入れた。許されるべきではないと思いながら、ちょっと羨ましく感じる自分もいる。いろんな思いはあるけれど、こんなハッピーエンドがあってもいいのかな、そう思えるドラマであった。

(文=プレヤード)

“小栗アピール”が止まらない!? 山田優の“工藤静香化”が心配

 12月12日に山田優がインスタグラムで私服を公開。ブランド物で固めたロングコート姿を披露したのだが、ネット上では山田優の“工藤静香化”が指摘されていた。

 同インスタに添えられたハッシュタグによると、まず彼女が身に着けているコートはイタリア発祥の老舗ブランド「Valentino」。コートの下に着こんでいる赤いパーカーは「UNUSED」のもので、「GUCCI」の黒いバッグを合わせている。

 いかにも芸能人らしい服装で、ファンからは「素敵なコーデで憧れる」「さすが優ちゃんは何着ても似合うね!」「私服がおしゃれすぎる」と絶賛の声が。しかし山田といえば、2012年に小栗旬と結ばれ今年で結婚6周年。そのため今回のコーデは“小栗匂わせ”と捉える人も少なくないという。

「12月5日に映画監督の蜷川実花が小栗とのツーショットをInstagramで公開したのですが、彼はこの写真の中で『GUCCI』のロングコートを着ていました。そのため『GUCCI』のバッグが印象的な山田のインスタには、『小栗アピールに余念がないですね……』『“小栗旬の嫁”であるために必死過ぎる!』といった声が。ちなみに山田は以前から“匂わせ行為”を指摘されており、“Y.O”というイニシャルが入ったバッグの写真を投稿したこともありました」(芸能ライター)

 ところで、“国民的なイケメンと結婚”した“匂わせ妻”には、山田以外にもう1人心当たりがあるという声も。木村拓哉を夫にもつ工藤静香だ。

「工藤の度重なる“キムタクアピール”は、かなり有名な話。例えばラジオで木村がサラダのアレンジについて『ぬかに漬けたキュウリに変えてみるとか』と言及すると、後日、工藤はインスタで『最近はぬか漬けのキュウリを薄くスライスして、サラダに加えるのにかなりハマってます』とコメントしていました。そのため最近匂わせまくりの山田には、深刻な“工藤静香化”が懸念されています。しかし一方で、『夫婦なんだから堂々と仲良しアピールすればいいのに』との意見も。確かに“匂わせ”はファンに対する挑発と捉える人も多いので、表立ってイチャイチャした方が人々を刺激せずに済むのではないでしょうか」(同)

 とはいえ夫婦の仲が良いことは純粋に喜ばしいこと。これからも様々な匂わせがあるかもしれないが、双方のファンは温かい目で見守ってあげよう。

工藤静香は「悪妻」か またも木村拓哉が嫌いなジャニーズ1位、kōki,バッシングも

 12月13日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、恒例の「好きなジャニーズ/嫌いなジャニーズ2018」を発表した。「文春オンライン」のメルマガ会員を対象に8月31日~10月24日まで実施したアンケート結果とのことである。夏にも同じアンケート調査があったが、顔ぶれは冬になってもほぼ変わらない。

 「好き」部門1位は中居正広、2位増田貴久、3位大野智、4位山下智久、5位木村拓哉。「嫌い」部門1位は木村拓哉、2位小山慶一郎、3位手越祐也、4位近藤真彦、5位松本潤となっており、「好き」「嫌い」両方で上位5位以内にランクインしているのは、木村拓哉だけだ。

 定期的に開催されるこの手のアンケート企画において、「好き」「嫌い」両方で上位入りすることが多い木村拓哉だが、特に2016年のSMAP解散騒動以降は「妻の言いなりになった」など、木村拓哉を「嫌い」な理由として妻・工藤静香の存在が持ち出されることが増えた。昨年12月には妻・工藤静香とともに「嫌いな夫婦」1位に選ばれ、また今年9月には工藤静香が「女が嫌いな女」1位に選ばれていた。

 今回も、「嫌い」部門で木村拓哉に投票した人のコメントを見ていくと、「とうとう子どもや家族を売りにし始めた」(49・女)、「父親面を前面に出してきたのが見苦しい」(55・女)、「自分自身のこれからの仕事なのに、妻の意見に左右されるとは」(56・女)など、やはり、妻・工藤静香、次女・kōki,の存在が、木村拓哉「嫌い」を後押ししている傾向があるようだ。

 木村拓哉と工藤静香夫妻の次女で、今年5月にモデルデビューしたkōki,に対してもネット上では「親の14光り」とバッシングが浴びせられている。kōki,への批判的なコメントに目を通していくと、「静香の言いなり」「親子でセンス悪い」「厚かましさはさすが静香の娘」など、kōki,自身にというよりも、kōki,を通して母の工藤静香を叩くような文面のものが多い。

 木村拓哉にせよkōki,にせよ、工藤静香の存在ありきで嫌われてしまっているように見えるが、工藤静香はそれほどまでに「悪妻」なのだろうか。

工藤静香に向かう「でしゃばりやがって」の怨念
 結果的に夫や娘のアンチを増殖する原因になってしまっている工藤静香が、家族にとって“悪妻”や“毒母”なのかといわれると、それはおそらく違うのだろう。

 木村拓哉が公の場で妻・工藤静香について語ることはないが、次女・kōki,は12月12日、「BVLGARI AVRORA AWARDS 2018」に登壇した際、「将来的にどんな女性になりたいか」を聞かれ、こう答えた。

「私は母のような女性になりたいと思います。お母さんはいつも私のことをサポートしてくれて、自分より私のことを考えてくれて、すごく大好きです」

 このようにkōki,は両親へのリスペクトを表明することを厭わない。デビュー当初から両親をいかに尊敬しているか公言しており、なかでも『Numero TOKYO』(扶桑社)でのkōki,のインタビューからは、kōki,にとって母の存在が大きいことは明白だった。

 インタビューによれば、kōki,は母と一緒に庭の草むしりをしたりカフェに朝食を食べに行ったり洋服を買いに行ったり、仲の良い母子だ。またモデル活動を始めるにあたって「すでに人が作ったもの、人がやったことの中であなたにできないことは何もない。だからトライだけはしてね」と背中を押してくれたのだという。母子密着が過ぎるのではないかと見る向きもあるかもしれないが、日本一有名な夫婦ともいえる木村拓哉・工藤静香夫妻の元に生まれ、世界に通用するモデルを目指すことを決めた15歳の少女にとって、母の存在は心の拠り所となるのは悪いことではないだろう。

 しかし、kōki,が家族のことを隠さず、オープンに語れば語るほど、つまり母の存在感を示せば示すほど、工藤静香アンチは工藤静香とkōki,を一緒くたに叩く。工藤静香のどこがそこまで人を刺激するのかといえば、まずきっかけは、SMAP解散騒動において「フライデー」(講談社)の取材に単独で応じたことだろう。SMAPメンバーに対して突き放したような発言をした工藤は、SMAPファンを敵に回し、SMAP解散の元凶とまで言われるようになった。

 そしてSMAP解散後にInstagramを開設。ファンとの交流の場だとして当初は鍵をかけたアカウントだったが、現在は解放しており、一挙手一投足がネットニュースになる。夫の仕事関係に口を挟み、娘の芸能活動をプロデュースし、手料理やインテリアを部分的に公開してみせる工藤の態度が、アンチには「気に入らない」のだ。

 そうした工藤静香アンチの意見を観察していると、「でしゃばりやがって」という非難が多いことに気付く。工藤静香がどう動こうと彼女の勝手だが、妻として、また母として「控えめ」な態度が彼女に求められているということなのだろう。

 では、世間から“良き妻”“良き母”として認められるためには、自身の存在を消し、でしゃばらず、一歩下がった妻・母でいるよりほかないのだろうか。そんな“昔ながらの素敵な奥さん”のような態度を平成も終わろうという2018年に求められるとは、驚きである。もっとも、工藤静香は“昔ながらの素敵な奥さん”であろうとしている節も見受けられるが。

 ひとつ言えるのは、たとえ工藤静香が夫の仕事についてジャニーズ事務所残留を勧めるなどの“口出し”を本当にしていたとしても、それを是とするか非とするかは夫である木村拓哉だということだ。娘との関係もそうだ。もし母によるプロデュースと自身の方向性に違いが生じ、話し合いができないほど関係がこじれれば、娘は出て行くだろう。そのときはそのときだ。