『カメラを止めるな!』に騙される人が続出中!? “新世代の三谷幸喜”上田慎一郎監督インタビュー

「面白い!」「完全に騙された!」「感動した!」と映画ファンの間で噂を呼んでいるのが、上田慎一郎監督のノンストップコメディ『カメラを止めるな!』だ。今年の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」でゆうばりファンタランド賞(観客賞)を受賞。4月にイタリアで開催された「ウディネ・ファーイースト映画祭」では1位の観客賞をごく僅差で逃したものの、2位のSilver Mulberry Awardに選ばれ、各国から配給の申し込みが殺到している。2017年11月に6日間限定で行なわれた国内での先行上映会は、全席が瞬く間にソールドアウトするほどの人気を呼んだ。インディーズ映画ながら、口コミで『カメラを止めるな!』の面白さが世界中へと広がりつつある。

 タンクトップ姿の若い女性がゾンビに襲われるシーンから映画はスタートする。B級ホラー『ワンカット・オブ・ザ・デッド』の始まりだ。ここから37分間にわたって、ワンカット撮影によるゾンビ映画がゆるゆると続く。1台のカメラで、しかも長回しで撮られている独特のテンションが流れているものの、観た人全員が大絶賛していることにはふと首を傾げてしまう。キャストは無名だし、演技は微妙だし、妙な間があるし……。

 ところが『ワンカット・オブ・ザ・デッド』が終了すると同時に、本編『カメラを止めるな!』が幕を開ける。実はこの映画、B級ホラーの撮影事情を描いた内幕ものだったのだ。お人よしな監督に難題を吹っかけるプロデューサー、超わがままな俳優、撮影になかなか集中できずにいるスタッフたち、と撮影の舞台裏が次々と明かされていく。撮影現場で起きるハプニングの数々に大笑いしながらも、視聴後はすぐに忘れ去られそうなB級ホラーを健気に作っている人々の映画愛、さらには家族愛が思わぬ感動を呼ぶのだ。インディーズ映画界に現われた“新世代の三谷幸喜”と呼びたい上田監督に、バックステージものの傑作『カメラを止めるな!』の舞台裏について語ってもらった。

──ぬるい低予算ホラー映画だなぁと思って観ていたら、クライマックスは思わず感動する展開に。完全に騙されました(笑)。ユニークな作品スタイルはどのようにして生まれたんでしょうか?

上田 4、5年ほど前になるんですが、ある舞台を観て、そこからインスピレーションを得たんです。すごく面白いと聞いて観に行ったところ、最初はB級サスペンスっぽい展開で、「あれ~、上演終わった後、なんて感想を言おうかなぁ」と微妙な気分で観ていたんです。すると1時間ほどでカーテンコールになり、「えっ、もう終わったんだ」と思っていたら、そこから舞台裏が描かれるというコメディ展開だったんです。これは面白いなと。それでストーリーも登場人物も変えていますが、この作品の構造を使った映画をつくりたいと、プロットを開発していったのが『カメラを止めるな!』なんです。

──同じ時間を別角度から捉え直す点では、吉田大八監督の『桐島、部活やめるってよ』(12)、無茶な映画製作のオーダーについつい応えてしまう映画人の哀しい性を描いているという点では、園子温監督の『地獄でなぜ悪い』(13)などを連想させますね。

上田 映画ならではの時間軸を遡らせたり、時間を省略させた作品が大好きなんです。『桐島、部活やめるってよ』は劇場で3回観ましたし、DVDでは何十回見直したか分からないほどです。クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(94)や内田けんじ監督の『運命じゃない人』(05)、スタンリー・キューブリック監督の『現金に体を張れ』(56)も昔から好きですね。バックステージものもよく観ています。三谷幸喜監督の『ラヂオの時間』(97)とか。いちばん影響を受けたのは、三谷さんが作・演出した舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン』です。副題が『幕を降ろすな』。三谷さんのドラマや舞台は、僕が思春期の頃に見たので、僕にとってはど真ん中なんです。

 

■本番中のほつれを大事にした

──劇中劇『ワンカット・オブ・ザ・デッド』と舞台裏が綿密にリンクする脚本を書き上げるのは、簡単じゃなかったのでは?

上田 映画の脚本は中学の頃から書いていることもあって、これまで撮ってきた短編映画の脚本はだいたい一晩で初稿を書き上げています。脚本を書くスピードは速いほうだと思います。でも、今回はさすがに時間を要しました。初めての劇場デビュー作ということもあり、2カ月くらい掛かりました。脚本を書く上で難しかったのは、メインになる登場人物が15~16人ほどいるんですが、それぞれに見せ場をつくることでした。今回、ワークショップに参加した新人俳優たちを使って映画を撮るという企画だったので、決して安くはないワークショップ参加費を払って参加してくれた出演者たちに、それぞれに見せ場をつくるという使命があるなと思いました。それに加え、表の芝居とその裏で起きているエピソードをうまく呼応するような脚本にしなくちゃいけなかったので、嫁と生まれたばかりの子どもを里帰りさせて、脚本執筆に集中しました。

──ワークショップ参加者にそれぞれ見せ場を用意したいという上田監督の心配りがあったんですね。苦労した甲斐あって、脇役俳優や裏方スタッフにもひとりずつ人間味があって、それぞれが自分の人生を歩んでいるんだろうなぁということを感じさせます。

上田 そうですね。個性的なキャストが集まってくれたと思います。上映時間が96分なんですが、その中に15~16人もキャラクターがいると観客は混乱しないかなと心配でしたが、みなさんそれぞれのキャラクターを楽しんでいただけているみたいでよかった(笑)。

──クランクイン前に、かなりリハーサルを重ねた?

上田 はい、特に37分間の部分ですね。でも、リハーサルをやり過ぎないようにも気をつけました。あまり固めすぎると面白くないなぁと。本番中にほつれみたいなものが出たほうが面白いんじゃないかなと。本作を実際にご覧になっても区別はつかないと思いますが、僕が脚本上で書いていたトラブルと、それとは別に現場でリアルに起きたトラブルが交じっているんです(笑)。ゾンビメイクが間に合わずに、キャストがアドリブでつないでいる場面は、本当にメイクが遅れてしまって、みんな必死でつないでいます(笑)。あとカメラのレンズ部分に血のりが付着してしまうんですが、あれもアクシデントでした。あのときは僕とカメラマンとでアイコンタクトを交わして、乗り切りました。本番では37分間の長回しは6回挑戦し、最後までカメラを回したのは4回です。血のりで衣装が真っ赤になってしまうので、1日に2~3テイクやるのが精一杯でしたね。

──撮り終わった瞬間は「やったー!」ですね。

上田 いえ、カメラにちゃんと映っているかどうか確認するまでは安心できなかったですね。カメラマンが転ぶ場面があるんですが、本番でカメラマンは本当に転んでしまい、転んだ拍子にカメラの録画スイッチがオフになり、最後まで演じたけど確認したら撮れてなかったなんてこともあったんです(苦笑)。僕やスタッフがカメラに見切れないようにするのも、けっこう大変でした。ちょっとくらいなら見切れてもいいように、スタッフも僕も劇中衣装の『ワンカット・オブ・ザ・デッド』Tシャツを着ていたんです(笑)。

■二度は撮れないカットを撮ることの大切さ

──「早い、安い、質もそこそこ」を売りにしているディレクターの日暮(濱津隆之)は、現場のことをよく知らないプロデューサーから無茶ぶりされ、断れずにワンテイクのゾンビものを撮ることになる。雇われ監督だった日暮が、あまり気の進まない企画ながらも撮影現場に入ると全力以上のものを発揮してしまう。雇われ監督ならではの哀歓が、本作の肝になっているように感じました。

上田 自分が本当にやりたい企画なら、がんばるのが当然ですよね。あまりやりたくないはずの企画で、さらに現場で次々と問題が起き、トラブルに巻き込まれていく展開のほうがコメディになるなと考えたんです。監督の日暮は普段は再現ドラマのディレクターという設定です。再現ドラマって、1日でものすごい量のカットを撮らなくちゃいけない。それでも職人として、納期を守ることをいちばんに考えている。スキルを持ちながら、妥協することもできるプロフェッショナルだと思うんです。これが映画監督なら「こんな質のものは世間に見せられない」とお蔵入りさせてしまうかもしれない。僕は、大人の職人であることに憧れみたいなものが少しあるんです。日々の仕事に対する葛藤を持ちながら、あるとき娘に対する格好つけもあって、ちゃんとした作品をつくろうという気持ちが湧いてくるわけです。

──ディレクターの日暮には、上田監督自身の体験も投影されている?

上田 多分にあると思います。わがままな役者っていますよ(笑)。適当なプロデューサーもいます(笑)。最初は「監督の好きなように撮ってかまいません」と言いながら、撮影直前になって「クライアントから頼まれました」「この人をちょっとでいいので、どこかで使ってください」「台詞を増やしてほしいと事務所が言ってきたので、よろしく」とか。でも、僕はなるべく、そういう無茶ぶりも楽しむように心掛けるようにしています。

──現場では意図せぬアクシデントが次々と起こる一方、役者やスタッフたちとの個性が化学反応を起こし、思いがけないものが生まれることに。

上田 そこは、すごく意識していることです。リハーサルはやりますが、本番では逆にリハーサルで固めていったことを、崩そうと考えています。何度やっても撮れるカットじゃなくて、二度と撮れないカットを積み重ねていきたいんです。ドキュメンタリーが入った、二度は撮れないカットを狙うことは、映画づくりにおいて重要なことだと思いますね。

 

■流行に左右されない、100年後に観ても面白い映画

──『ワンカット・オブ・ザ・デッド』は日暮ディレクターの奥さんや娘がアシストすることで、カメラを止めることなく撮影が続くことになる。上田監督の奥さまは、アニメ映画『こんぷれっくす×コンプレックス』(15)のふくだみゆき監督。ふくだ監督の協力も大きかったのでは?

上田 とても大きかったです(笑)。物理的なことで言えば、『カメラを止めるな!』のタイトルロゴやポスターなどのビジュアルは、彼女がやってくれました。衣装なども、相談して決めています。女性はこういう場でピアスは付けないとか、そういう細かい点は、男ではなかなか気づきません。あと、いちばん大きなのは僕のメンタルケアですね(笑)。

──それ、とても大事ですよね。

上田 ハハハ。やっぱり外でイヤなことがあって、落ち込むこともあるわけです。でも、家に帰って話し相手がいるのは、すごく大きい。「実は今日はこんなことがあってさ~」と話しているうちに、だんだんと笑い話になっちゃうんです。精神衛生上、とてもいいですね。脚本もその都度、いちばん最初に読んでもらっています。妻は遠慮がなく、面白くないときはハッキリと「面白くない」と言ってくれるので、有り難いですよ。『カメラを止めるな!』には当時生まれて数カ月だった息子も出演しています。脚本を書いているときに、夜泣きがすごくて、そのときの体験を脚本に活かしました。『カメラを止めるな!』は妻と息子なしでは完成しなかった映画です(笑)。

──クラウドファンディングで製作された本作ですが、HP上の「100年後に観ても おもしろい映画」という上田監督のスローガンが印象に残ります。

上田 最近起きた事件や事象を追い掛けて映画を撮るというよりは、50年や60年経っても楽しんで観てもらえるような娯楽作品を追求したいなと僕は考えているんです。映画そのものの面白さが真ん中にあるような普遍的な映画を、これからも撮っていきたいですね。
(取材・文=長野辰次)

『カメラを止めるな!』
監督・脚本・編集/上田慎一郎
出演/濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山﨑俊太郎、大沢真一郎、竹原芳子、吉田美紀、合田純奈、浅森咲希奈、秋山ゆずき 
配給/ENBUゼミナール・シネマプロジェクト 6月23日(土)より新宿K’s cinema、池袋シネマ・ロサにて劇場公開
(c)ENBUゼミナール
http://kametome.net

●上田慎一郎(うえだ・しんいちろう)
1984年滋賀県出身。中学・高校の頃から自主映画を制作。2010年から映画製作団体PANPOKOPINAを結成。主な監督作に、短編映画『テイク8』(15)、『ナポリタン』(16)など。オムニバス映画『4/猫』(15)の一編『猫まんま』で商業デビュー。『カメラを止めるな!』で劇場長編デビュー。同級生のわき毛が気になって仕方がない女子中学生を主人公にした、ふくだみゆき監督のアニメ作品『こんぷれっくす×コンプレックス』(15)ではプロデューサーを務めている。

小川彩佳、夏目三久ら女性アナウンサーの勇気あるセクハラ告発が社会全体を変えていく

 先日、Wezzyでも取り上げた、「週刊ポスト」(小学館)2018年6月22日号が報じたテレビ朝日のセクハラ問題。社会問題となった福田淳一前財務次官によるテレビ朝日女性記者へのセクハラ問題を受け、テレビ朝日が社員を対象に「ハラスメントに関するアンケート」という無記名アンケートを行ったのだが、その調査で明るみになったのは、「社外」との関係で起きたセクハラもさることながら、「社内」の関係で発生したセクハラ被害だった。女性回答者126人のうち、社外関係者からセクハラを受けたと回答したのは43人で34%だった一方、社内関係者からセクハラを受けたと答えたのは71人で56%にも及んだという結果が出たのだ。

 そういった流れの最前線に立たされるのは、やはり、局の顔である女性アナウンサーだろう。前述した「週刊ポスト」の記事では、4月19日放送『報道ステーション』でセクハラ問題のニュースを報じた後、小川彩佳アナウンサーがすぐには次の話題に行かずしばらく憮然とした表情で押し黙り、深いため息をついてから次のニュースを紹介した一幕を取り上げている。

 このような行動に出た背景には、セクハラ被害に遭った社員の訴えに向き合わなかった会社への怒りがあるのだろうが、実は、同月27日放送『報道ステーション』での小川アナは、セクハラ問題に対しより直接的な言及をしている。この日の放送では、被害に遭った女性社員からの<ハラスメント被害が繰り返されたり、被害を訴えることに高い壁がある社会ではあってほしくないと思います。すべての人の尊厳が守られ、働きやすい社会になることを祈っています>というコメントを代読した後、小川アナも自らの言葉でカメラに向かってこのように語りかけた。

<私も今回の問題を受けて、まわりの女性、男性、色々な人と話をしましたが、想像以上に、その高い壁を感じている人が多いということを知りました。今回の女性社員の訴えからのこの流れを、決して一過性のものにするのではなく、本当の意味で体制や意識が大きく変わる転換点にしていかなければならないと、そして、なっていってほしいと、いち女性としても、テレビ朝日の社員としても、強い思いを込めてこれからもお伝えして参ります>

 元TBSアナウンサーの小島慶子は、「週刊プレイボーイ」(集英社)2018年5月28日号掲載の連載コラムのなかで、小川アナのこの発言を<番組の意思決定権を持つのはたいてい年次が上の男性たちです。女子アナはニコニコしていればいいんだとかいう人もいる中で、一人称で自分の思いを伝えるのはとても勇気のいることなのです>と称賛していたが、小川アナのような強い姿勢がメディアを通じて広く伝えられていくことは、社会を変える大きなきっかけになるのかもしれない。

 小島慶子は、ウェブサイト「ウートピ」のインタビュー(6月14日付)で、小川アナのように自らの意見を積極的に表明するアナウンサーが増えることは、社会を変える大きな一助になり得ると語っている。

<最も従順で保守的な女子だと思われているアナウンサーがそれをやるようになったら、いまどきは女性が意見を言うことも普通なんだな、といい加減気がつくでしょう。メディアは文化をつくる、と言われます。私は日本のジェンダー観を変えるには、テレビの中の女性像を変えることが大事だと思っています>

 セクハラ容認社会への批判を自らの言葉で訴えかけるアナウンサーは小川アナだけではない。

 たとえば、元日本テレビアナウンサーで現在はフリーで活動する夏目三久アナは、4月25日放送『あさチャン!』(TBS)で、<かつて、取材相手からセクハラとも取れる言葉を受けたことはたびたびありました。その人については、取材する側も皆がもうそういう人なんだなぁと諦めて、私自身も声を上げるということが、イコール、“仕事が出来ない”“心が弱いヤツ”だと思われるのが怖くて、その時は皆が黙認しているという空気ができあがっていたんですね>と、セクハラ被害に遭っていたうえ、社内の「空気」からその被害を我慢していたことがあると告白した。そのうえで夏目アナは、<今回の報道をきっかけに思ったのは、この黙認こそが、セクハラをはびこらせている一番の大きな要因になっているのではないかと思いました。ですので、女性男性ともに、一人一人がセクハラ問題を考えて、根本から意識を変える、そういう時代にきているのかなと強く思いました>と提言している。

 先ほど引用した文で小島慶子が述べていた通り、彼女たちアナウンサーの行動が社会に前向きな影響を与えるのは間違いない。本稿冒頭で紹介した「週刊ポスト」の記事が示すように、メディア内部でもセクハラへの対策が十全に行われているとは言い難いが、各メディアが会社としても彼女たちの動きをバックアップする組織であってほしいものである。

(倉野尾 実)

プロレスファン必見! 全日一筋40年・渕正信の“グルメ番組”を君は見たか?

 俳優の松重豊が1人で食事を楽しむドキュメンタリータッチのドラマ『孤独のグルメ』シリーズ(テレビ東京系)の成功以来、“おっさんが食事をするだけのグルメ番組”がジワジワと増えつつある中、BS-TBSが、全日本プロレスの渕正信をグルメ番組のレポーターに抜擢。プロレスファンも唸る人選と、渕の朴訥なレポートぶりが話題となっている。

 渕が出演しているのは、BS-TBSでこれまで不定期で数回放送された『渕正信の幸せ昭和食堂』という番組。その内容は、街中に静かに佇みながら懐かしの味を守り続け、地元住民に愛される食堂を渕が訪ね、その味に舌鼓を打ちつつ、味の秘密や店主の横顔に迫るもの。30年来のプロレスファンだというテレビ情報誌記者が語る。

「仕事柄、テレビ欄はくまなくチェックしますが、『渕正信』と書いてあるのを見て、我が目を疑いました。かつてはプロレスラーがバラエティ番組に出ることは稀でしたが、近年、真壁刀義、獣神サンダー・ライガーらはバラエティ番組の常連ですし、天龍源一郎、長州力、蝶野正洋などもしばしばバラエティで見かけます。だから、レスラーが冠番組を持つことは驚きません。しかし渕となれば話が別です。確かに渕はレスラー歴が40年以上あり、『全日本プロレス』という看板を守ってきた名選手ですが、そもそもリングでもメインを張るレスラーではありませんし、華があるタイプでもない職人タイプの選手です。しかし実際に番組を見ると、オーラこそまったくないものの、朴訥そのもののレポートぶりに好感を持ちました」

 こういった感想を抱いたのは記者だけでなく、Twitterには、

「渕さんの幸せ昭和食堂ほっこりと見てるー 鰻とビールいいなぁ…」
「レスラーなのに渕の人柄が前面に出た良い番組」
「“渕正信の幸せ昭和食堂”は世界の車窓からみたいに平日の帯番組でやるべき」

 といった声が寄せられている。しかしこういった渋すぎる人選は、どのようにして生まれたのか? テレビ制作関係者が語る。

「ある時期まで、旅・グルメ番組といえば、一昔前に売れた俳優や歌手と、お笑いタレントやグラビアアイドルを組み合わせるのが定番でしたが、それに風穴を開けたのが、BS-TBSの『吉田類の酒場放浪記』です。『酒場放浪記』は、知名度ゼロの“ただのおっさん”酒場ライター・吉田類が、居酒屋で飲む様子をそのまま流す番組ですが、放送はまもなく15年目に入り、DVDも10巻発売される大人気番組となっています。さらに、太川陽介と蛭子能収の『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の成功も、関係者に衝撃を与えました。旅番組やグルメ番組には、ある程度の固定ファンがいますから、それを取り込めれば良しというのが従来の番組作りでしたが、太川&蛭子のバス旅は最高で15%以上視聴率を取り、DVDにもなりました。それ以来、『誰でもいいんだ』という感覚が生まれたのは事実です。渕の場合も、レスラーと昭和食堂というギャップが良い上、体格の良いレスラーがモリモリと食事をたいらげるのは、絵面としても映えます。長州や藤波がバラエティやCMに出る時代ですから、渕が当たっても不思議ではないですよ」

 近年のプロレス界は、棚橋弘至やオカダカズチカら、ルックスの良い選手が女性ファンの人気を集めているが、“THE・昭和レスラー”渕のブレークもあるかもしれない。

髭男爵・山田ルイ53世「一発屋芸人とは、“逆白鳥”なんです」

「ルネッサ~ンス」で一世を風靡した……という書かれ方もうんざりするほど経験しているであろう、お笑いコンビ・髭男爵。2008年のブレークから紆余曲折、当事者となった山田ルイ53世が自身と同じ「一発屋」という枠で語られる芸人たちの過去と現在を真摯なインタビューで紡ぎ出した著作『一発屋芸人列伝』(新潮社)が話題を呼んでいる。数々の文豪たちが執筆にいそしんだという新潮社の通称「缶詰め部屋」で、山田ルイ53世が「一発屋」という言葉に抱く思いを訊いた。

***

――「芸人さんが芸人さんの本を書く」というのは、バランスがとても難しいと思うんです。すごい熱い感じで書いてあると、読み手としてはちょっと引いてしまったり。

山田ルイ53世(以下、山田)そうですね。やっぱり身内だから。

――逆にこれをライターが書いたら、それもちょっと嫌な感じがするんじゃないかと。

山田 最初に編集者の方から「新潮45」(新潮社)で「一発屋芸人が一発屋芸人を取材する」というお話を頂いたときは、「ん?」「ちょっと変な感じになりませんか……」って、結構渋ったんですよ。おっしゃる通り、身内同士のかばい合いというか、傷のなめ合いみたいになったらほんまお寒い話ですし、かといって同じ芸人なのに、突き放しすぎるのもおかしい。そういう距離感は本当に苦労したというか、気を使いました。さらにそこに先輩後輩という概念もあって。でもいざやることが決まって、だったら最初はHGさんだなって。

――なぜHGさんだったのでしょうか?

山田 単純に言うと、すごく尊敬しているんです。そもそも「一発会」みたいな一発屋界隈を活性化させるような活動を、別になんの得にもならへんのにやってるんですよ。今のHGさんのポジションだったら安定してるし、普通なら、わざわざ人のためにそんなことやらへんよなと思うんです。だけどHGさんは、たとえば「一発屋総選挙」とか、そういうギミック作りをすごいしてくれてて、我々はそれに乗っからせてもらってる。

――一発屋の活性化。

山田 髭男爵が2008年1回売れて、翌年から堕ちていくっていう過程の中で「ルネッサンスのボリューム小さくなってないか」とか「もっと胸張って伝統芸にしていけばいい」みたいな発想を最初に言いだしたのが、HGさんとムーディ勝山君なんですよ。僕、結構ネガティブなので、そういう考え方は思ってもみなくて、すごく明るい気持ちにさせてもらった。本当に断酒会の主催者みたいなんですよ。皆で輪になって座って、一発屋同士、気持ちを吐露する。HGさんって、NPO法人の代表みたいなところがあるんです。自分のためじゃなく、人のためにやってるっていう。

――断酒会というたとえが出ましたが、そういう会で一番難しいのは「自分はアルコール依存症である」と認めることだという話を聞きます。一発屋と呼ばれる方たちが「自分は一発屋である」と認めることに、苦悩はあったりするものでしょうか?

山田 そうですね。自分の負けとか、ダメなところとか、失敗したことっていうのをゴクリとのみ込むっていうのは、別に芸人じゃなくて人間誰しもしんどいし、できるならやりたくないことだから、そういう意味でやっぱり……生々しくなるんですかね。「一発会」は心のセーフティネットっていう部分もあって。これよく最近みんなで話すんですけど「これからの一発屋の子は楽やな」って。こういう受け皿があるから、ある程度勢い落ちてきたな……ってなっても「一発会入りましてん」っていうネタもできるし。それはひとえに2人のおかげだと思う。

――本当にたくさんの芸人さんがいる中で、テレビに1回出るだけでも大変なことで、そこからさらに売れるっていうのは本当に限られた人たちであるのに、「一発屋=失敗」みたいな風潮もおかしいっちゃおかしな話ですよね。

山田 いや、それはあっていいし、しかるべきですよ。こんな本書いて本当に僕はクソダサいんですけど、お茶の間の方が「この芸はこういうギミックでできてて、こういう歴史があって、だから笑わなあかん」みたいなことは絶対ないわけで。もうただボーッと見るのが、世間のスタンスじゃないですか。芸人が自分から「すごいでしょ」って言うなんてみっともないから、もちろん誰も言わない。ただ僕はこういうご縁を頂いたので、皆が言わない分、自分が犠牲になって言いましょうっていうのはあります。それは書くモチベーションの一つとしてありました。だから基本ダサいことだと思ってるっていうのは、ご理解いただきたいです。

――この本がすごいなと思ったのはまさにそこで、変な言い方ですが、もしかしたら芸人さんを二度殺してしまうかもしれないと。その危険を感じながら書くって、ものすごい緊張感だったのではないかと。

山田 本当に手前味噌ですけど、そのバランスはすごい気にしました。もちろん褒めすぎたらあかんし、こき下ろしすぎるのもおかしいし。だからありのままをなるべく写生するぐらいの、ありのままを言語化するぐらいの気持ちでやってました。

――書く時のスタンスとしては「芸人同士」ですか? それとも「取材者と対象者」みたいな感じですか?

山田 それは……どっちもありましたよね。同じ芸人やっていう意識では、やっぱり書く時に、聞いた時以上にはせなあかんと。最低でも同じぐらいの面白さでは書かないと、スベらせたことになるから。たぶん僕が芸人じゃなかったら、そのへんは許されると思うんですけどね。ただ芸人同士っていうことを意識しすぎると、より突っ込んだ話もできないし。自分の中で、「インタビューする人」っていうのと「芸人」っていうのとの狭間でのせめぎ合いみたいなのはありました。

――この本の生々しさは、そういう部分にも起因しているんですね……。

山田 僕の場合は基本的に自分自身の恨み、私怨みたいなところも執筆の原動力の一つだったから、皆さん話しやすかったかもしれない。ちょっと真剣な話、突っ込んだ話、家族の話、あるいは「想い」の部分を話している時、やっぱり僕とHGさんなり、僕とジョイマンさんなり、僕と相手の芸人さんとの間に脱がれた衣装が置かれたように見えたんですよ。お互い衣装を脱いで、真ん中に置いて、生身の人間でしゃべろうみたいな部分もありました。

――自分の象徴ともいえる衣装を言葉で脱がせていくって、それは本当にインタビュアーとしての理想だと思います。

山田 いや、僕は取材や執筆に関しては素人なので、もちろんすぐにできたわけじゃないです。やっぱりHGさんから始まって、「新潮45」(新潮社)で連載10回やっていくうちに、後半になればなるほど要領を得てきたというか、つかめてきました(笑)。

――「つかんだな」と実感したのは、どなたの部分ですか?

山田 うーん……やっぱりムーディ君と、天津木村さんのバスジャック事件かなぁ。いま振り返ってみれば、あのバスジャック事件書いてる時の熱い気持ち、追及していかなあかんみたいな気持ち、あの時、名前わからなかったですけど、あれがジャーナリズムだったんですね。真実を突き止めなければという熱いジャーナリズム。

――そういう意味ですと、波田陽区さんのところが……ちょっとそれまで読んでいたものと毛色が違うような気がして……。

山田 皆それ言う! なぜそう思ったのか教えていただきたい!!

――バスジャック事件の「書いているうちに探っていかなきゃみたいな気持ち」と逆というか、これ以上あまり探っちゃいけないんじゃないかみたいな、どこか心のブレーキが働いたのかなと。勘繰りですが。

山田 なんとなくわかります……。だからまず言えるのは、あの原稿そのまま通してくれた波田君、格好いいっていう。これ皆さんに言えるんですけど、全然原稿直さないんですよ。そこがやっぱり芸人の矜持というか。全体通して面白かったってなったら、このままでいいよっていう、この潔さ、格好良さ。その最大が波田君ですけど、僕も「ちょっと悪いな」って思う部分もあったんです。「言い過ぎてるところあるな」って。

――こき下ろしてる感じには全然思わなかったです。皆さんドキュメンタリーなんですけど、波田さんは特にその感じが強かった。

山田 ドキュメンタリーが過ぎました。

――だからでしょうか……自分の中にある波田さん的な要素がうずくというか。

山田 波田君の要素が入ってるんですか、自分に(笑)。

――人間が持ってる最も人間くさい部分というか、波田さんはそれを惜しげもなく見せてくれる。コウメ太夫さんに対する感覚とは全然違うんですよね。

山田 コウメさんは、ちょっと神に近い部分がありますから(笑)。

――そういう意味でも、読み比べると皆さん違いました。

山田 皆さん、違う生きざまですよね。そうそう、昨日HGさんに会って、僕ちょっとびっくりしたんですけど、最近ハードゲイの衣装、2カ月に1回しか着てないって。RGさんとの正統派漫才、レイザーラモンの芸で評価され始めてるから、あのハードゲイの衣装着るのが、自分で主催してる一発屋イベントでしかないらしいんです。だからか……ちょっとやっぱり似合ってなかったですね(笑)。着せられてる感じ。「コスプレキャラ芸人」として堂々と胸張ってた先輩が少し恥ずかしそうにコスプレしてるっていうのは、正統派漫才で評価を得た一つの弊害やなと感じました(笑)。

――「堂々と伝統芸にしていけ」と言っていた方が(笑)。

山田 ただね、そのキャラ物の芸人がスーツ着て正統派でもう一回再評価されるって、本当すごいんです。密集した林の中にあるバンカーからボール打って、ワンオンするぐらいの見事なリカバリーなんです。

――山田さんご自身はどうですか? 執筆活動をしながら髭男爵としていざ営業やテレビ出演となった時に、「ちょっと恥ずかしい」と感じたりしますか?

山田 それはないですね。僕エゴサーチとかすごい好きなんですけど、「本めっちゃ面白かった、ただ髭男爵のネタは好きじゃないけど」「髭男爵のギャグでは笑ったことないけど、この本は笑った」と、僕と髭男爵を2つに分けるんですよね、皆さん(笑)。あなたが面白いっていうこの本は髭男爵である俺が考えてるし、これも髭男爵の芸のうちなんだっていう感覚なんですけど、どうも受け取り手の中にはそうじゃない人もいるみたいで。

――批評をしてる人に対しては皮肉なことかもしれないですけど、この本はまさにそれを一つにしてくれたんですよね。今までバラバラだった芸人さんのネタや人間性や生き方、それをギュッと一つにしてくれたっていう。

山田 さっきも言いましたけど、お茶の間の人は、ボーッと見ていてもちろんいいんです。ただお笑いのみならず、世間一般で皆バッサリ斬りたがる風潮がすごいじゃないですか? 発信者する側の色気というか、欲を感じるんですよ、そこに。何かをバッサリ斬って、注目されたい。それって結局、皆ちょっと一発当てたいんやん、みたいなね。

――「1億総実は一発当てたい」化……。

山田 それはあると思う。でも、この本に出てくる芸人は「一発」っていう言葉ついてますけど、読んでいただいたらわかる通り、本当に緻密にコツコツ組み上げた芸をやってるから、その果ての一発なので。まあでもね、一番いいサンドバッグであることは間違いないですから。わかりやすく一回大きく成功して、わかりやすく墜ちるっていう。だから「あの人は今」みたいなくくりと違って、現代の一発屋っていうのは「リアルタイムで負けを見せる仕事」みたいなことになってる。

――すごい。

山田 たとえばいま芸能界にいない人を、芸能界での勝ち負けで叩くことってないじゃないですか。ただ、一発屋って特殊で、現役で負けを見せる仕事みたいになってるんです。当然我々も意識してそれやってる部分もあるし、叩きやすい。昔、歌舞伎町で一瞬話題になった殴られ屋みたいなもんです。

――以前8.6秒バズーカーさんにインタビューした時、絶頂の時だったんですけど「一発屋になりたいんですよ」って言っていたのを、今ふと思い出しました。

山田 たぶんそれ、絶頂の時だから言えることですよ。リアルに墜ちてきた時は、そんな心境にはならない。焼きごてを喉に突っ込まれるぐらい、難しいですから。最近、HGさんのやってる一発屋ライブに、ようやく8.6秒が自首してきたって聞きました。HGさんは、これを「自首」と呼ぶんですけど(笑)。

――自首すれば、誰でも入れるんですか……。

山田 そうです。むしろ、自首しないと無理なんですって。一発屋は人から言われることじゃない、自称する人しか名乗れない。芸人の間では、一発屋を自称していない人に対しては、一発屋イジリしないんです。

――それが、その方にとってオイシイかどうか。

山田 僕らは一発っていうか0.8発くらいですけど、HGさんや小島よしお君みたいな、あんなすさまじい経験ってなかなかないと思う。普通に今テレビに出てる売れっ子の人でもないと思う。だからすごいし、大きく勝ったあと大きく負けた人間の生きざまっていうのは、何かしら響くところが、刺さるところがあると思います。“逆白鳥”なんですよね。

――逆白鳥ですか?

山田 白鳥は水の上では優雅にしてるけど、下はバシャバシャ水をかいてる。我々の場合、水の上でバシャバシャやってて、下はしっかり平泳ぎの感じ。今回は、その水より下の部分を、ちょっと書かせてもらったっていう。

――本当に……この本にはそういう的を射たたとえがたくさんあって、嫉妬すら感じました。書く職業の人間として。

山田 いや、逆白鳥は僕、2週間前から考えてましたから(笑)。

(取材・文=西澤千央)

 

サッカーW杯・日本初戦の視聴率40%超えは当然の結果? 他局が“総敵前逃亡”!

『2018FIFAワールドカップ』1次リーグH組の「日本×コロンビア」が日本時間19日に行われ、日本が2-1で、強豪の南米勢から歴史的は勝利を奪った。

 この試合はNHK総合が生中継し、前半(午後8時45分~9時50分)が42.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、後半(午後9時53分~11時)が48.7%という驚異的な視聴率をマークした。

 前回の14年ブラジル大会では、日本戦の最高視聴率は2戦目のコートジボワール戦(同6月15日=NHK総合)の46.6%で、コロンビア戦は、それを上回った。初戦で勝っただけに、2戦目以降は、さらに高い数字をはじき出す可能性が出てきたといえそうだ。

「前回のブラジル大会は、時差の関係で、すべての試合が日本時間で午前の開始とあって、視聴率は伸びませんでした。今回のコロンビア戦は初戦で注目度が高かった点もありますが、日本が終始一度もリードされない理想的な展開になったのが高視聴率の要因でしょうね。そして、何より、うまい具合にゴールデン・プライム帯に重なったことが大きいですね」(テレビ誌関係者)

 ただ、40%超えを果たした要因は、それだけではなさそうだ。

「ほかの民放局が、日本戦の裏では視聴率が取れないことを想定し、全局“敵前逃亡”したのが、サッカーの視聴率を押し上げたのでしょう。その意味で、NHKにとっては、“民放様々”になりました」(同)

 事実、サッカー中継の裏で、各局はレギュラー番組を休止して、“捨てゲーム”といえるようなラインナップで臨んだ。

 日本テレビ系は『世界で笑いと驚きが起きた瞬間200連発!?ひふみんら豪華芸能人がナレーション挑戦』を、テレビ朝日系は『特捜!映像Xファイル 世界中から集めた衝撃映像を一挙大公開!』を、フジテレビ系は織田裕二主演映画『ボクの妻と結婚してください。』を、テレビ東京系は『100年先まで残したい 日本の名曲3時間SP』を放送。

 TBS系は、午後10時からの連続ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』こそ、やむを得ず、そのままオンエアしたが、『マツコの知らない世界』を休止して、『予約殺到!スゴ腕の専門外来SP』を放送。案の定、サッカーの後半戦と重なった『花のち晴れ』は、自己ワーストだった初回の7.4%を大きく下回る5.2%にとどまり、過去最低記録を更新してしまった。

 このように、サッカー日本戦の放映権を持っている局はいいが、“裏”となってしまう局は、その時間帯は創意工夫が必要。無理に対抗して爆死するくらいなら、“敵前逃亡”しても、批判はできないかもしれない。

(文=田中七男)

長澤まさみ、『コンフィデンスマンJP』全視聴率平均8%での映画化でも、“この先安泰”のワケ

 まさかの大ドンデン返しと、見事な伏線回収に、視聴者の満足度は非常に高かったようだが、視聴率は9.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)とやや物足りない成績に終わった、長澤まさみ主演のフジテレビ月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』の6月11日に放送された最終回。

 第9話で、映画化が発表されたが、第1話の9.4%を最後まで上回ることなく、一度も2ケタに届くことがなかったことから、映画化に不安の声が早くも聞こえてくる。

「確かに10%超えはかなわず、全話平均も8%台とピリッとしませんでしたが、同作品はタイムシフト視聴率(録画視聴率)が非常に高く、総合視聴率では常に14〜15%を記録していました。動画配信サイト『TVer』や『FOD』などの見逃し配信ランキングでも常に上位で人気は高く、ネットには『楽しめるドラマだった』といった好意的な評価が溢れていたんです」(放送担当記者)

 というから、固定ファンをつかむことには一定の成功を収めていたと見て良さそうだ。

「最近は、月9ブランドの失墜から、有力俳優陣が月9に出たがらず、今回も長澤の担ぎ出しには苦労し、“映画化込みの企画”ということで、なんとかクビを縦に振らせた経緯がありました。長澤としても、3月に敏腕マネジャーが退社して初の仕事ということもあり、プレッシャーも大きかったはず。この結果には、ホッと胸をなでおろしていることでしょう。公開は来年の春といわれていますが、フジは、この映画を当てて『踊る大捜査線』以来のヒットシリーズにしたいという思いがある。話題作りにと色気コスプレ満載の作品になるようですが、長澤もノリノリだそうですね」(フジ関係者)

 ドラマからの映画化というと、フジには2015年に苦い経験がある。ダンス&ボーカルグループのあるメンバーを主演にしたドラマは、放送前から「映画化決定」を打ち出してスタートしたものの、蓋を開けたら2%台という歴史的な低視聴率。放送後に、映画化の白紙撤回が発表されたのだ。

「ドラマと同時に、映画の制作もスタートしていただけに、大きな損失となったし、何よりフジのドラマのイメージを大きく損ないました。今回も、はじめから映画化は決まっていましたが、9話での発表となったのは、このトラウマがあったからでしょう」(同)

 そういえば、同メンバーと長澤は同郷で、一時、恋の噂もあったが……。ともあれ、イキイキとした長澤の演技がまた見られる日が楽しみだ。

“一人ぶっちゃけW杯”開催中! 元なでしこジャパン・丸山桂里奈がテレビに出まくるワケ

 

どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。

 今回取り上げるのは丸山桂里奈。言わずと知れた、なでしこジャパンの元FWだ。連日、熱い戦いが繰り広げられているサッカーW杯ロシア大会以上に、ひとり怒涛の快進撃を見せている。

 ここ最近の出演歴を拾ってみても、

6月12日『JUNK爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)

6月13日『スッキリ』『1周回って知らない話』(日本テレビ系)

6月15日『よんぱち』(TOKYO FM)

6月16日『メレンゲの気持ち』『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)『世界さまぁ~リゾート』(TBS系)

6月17日『サンデー・ジャポン』(TBS系)

6月18日『しゃべくり007』(日本テレビ系)『いきなりマリッジ』(AbemaTV)

6月19日『2018FIFAワールドカップ DAILY』(日本テレビ系)

6月20日『ザ・発言X あの言葉で人生が劇的に動いた!!』(同)

と、ほぼ毎日どこかで顔を見る。だが、そればかりではなく、彼女の話は必ずネットニュースに取り上げられている。「元カレ全員が裸の写真を持っている」「8股されたことがある」「役者、芸人、アスリート、サッカー関係の代理人と付き合ったことがある」などと暴露。ちなみに『サンジャポ』では、日本が3勝しなかったら「お尻出す」と宣言していた。

 もはや丸山の行くところに記者がついて回るという異常事態をもたらしている。人は誰しも他人に言えない秘密や、明かしたくない過去があるが、 彼女に限ってはもはや決壊したダムのように、日々爆弾発言を投下してくれている。

■女性スポーツタレントの歴史で初めての「珍獣」

 これまでも「ぶっちゃけタレント」は数多くいたが、彼女のセールスポイントは元スポーツ選手であることだ。しかも、2011年の女子W杯の優勝メンバーであり、国民栄誉賞という、誰もあらがえない、最高の栄誉を手にしていることだ。まずはそのギャップに、業界人は食いつく。

 さらに男性の元スポーツ選手には天然キャラも多いが、女性の場合は例えば陣内貴美子(バドミントン)、杉山愛(テニス)、高橋尚子(マラソン)、浅田真央(フィギュアスケート)と、どちらかというと清廉なタイプが多い。

 もちろん、たまに安藤美姫(フィギュア)や、北斗晶(プロレス)、松野明美(マラソン)といった特異なキャラクターもいるが、丸山に比べれば彼女たちが普通に見えるくらいだ。つまり、今までいなかったタイプの女性スポーツタレントという点も、起用が絶えない理由だろう。

■「ネタ切れ」は時間の問題?

 こうした「ぶっちゃけキャラ」というのは、あえて狙いにいくと見透かされるが、彼女はそこにウソがないことも業界人から好感を持たれる理由だろう。

 どんな大物MCが相手であっても臆することなく自分をさらけ出す、まさに「一人ぶっちゃけW杯」の丸山。だが、彼女の持ち味である「赤裸々トーク」は諸刃の剣。このまま放出し続けると、すぐにネタ切れするのは目に見えている。このバブルが終わらないうちに、次のキャラを模索したほうがよさそうだが、果たして1年後、彼女はどうなっているのだろうか?

(文=都築雄一郎)

◆「ズバッと!芸能人」過去記事はこちらから◆

“ブス”で大ブレイクのSKE48・須田亜香里、『総選挙』快進撃で見せた指原莉乃にも負けない魅力とは?

 6月16日にナゴヤドームで行われた開票イベント『第10回AKB48世界選抜総選挙』にて15万4,011票を獲得し、自己最高の2位になったSKE48の須田亜香里。前年より9万票も増やすなどと驚異的な伸びを見せ、文句なしの高い人気を見せつける結果となった。

 須田といえば現在26歳。2009年にSKE48のメンバーとなった後、過去の総選挙では第2回から圏外→36位→29位→16位→10位→18位→7位→6位と着実に順位を上げ、今回の順位に登りつめた経緯がある。それゆえ“苦労人”“遅咲き”という印象があるが、このように総選挙で快進撃を続ける須田の魅力とは一体なんなのだろうか。

 須田といえば、よく言われるのがトークの面白さ。そのトークの切れ味は“ポスト指原莉乃”と言われており、出演番組では必ず爪痕を残すとして有名だ。最近では5月15日深夜放送『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系)の「おブスの愚痴大放出SP」特集におブス女子として参加し、面白おかしい愚痴を披露。ブスゆえに女子会で写真を撮らされたり服屋で服の試着を嫌がられるなどの愚痴をこぼすという話は序の口。夜中にかわいくなった女性をチェックし目や鼻の変化を目ざとく研究する“整形パトロール”をしていること、渋谷駅前で自分よりブスを探してストレス発散していることなど、アイドルとは思えない捨て身のトークで番組を大いに盛り上げている。

「須田さんはブスでなくかわいらしいと思いますが、華やかな美女ばかりのAKBグループにおいては確かに庶民的な顔立ちです。それゆえ、順位が上がるたびに『なんで自分の推してる◯◯より須田のほうが人気なんだ』と他のメンバーのファンから槍玉に挙げられることが多かったのは事実です」(テレビ局勤務)

 しかし、頭の良い須田はそういったアンチの意見も自らのネタに。彼女は総選挙のスピーチにて「いまだに須田亜香里をネット検索すると『なぜ人気』と出てき来て、次に『かわいくない』と出てきます。つまり世間の方の疑問は『須田亜香里はかわいくないのになぜ人気』ということになります」と笑顔で話し、その疑問からAKBグループに興味を持つ人が増えることが嬉しいと言ってのけるなどし、結果あっぱれなスタンスだと、ますますファンを増やす結果を生み出している。

 このように須田のスピーチ力は抜きん出たものがあり、今回も「たくさんのメディアに出させてもらって気付いたことがあります。世間の皆さんは、私たちが思っている以上に48グループに興味がないということです。メンバー全員が48グループの旗を持って戦っていく時だと思います」と、本質をズバリ突いたスピーチを披露。他のメンバーとは一線を画した頭の良さや視野の広さを見せつけている。

「AKBグループにおいて、須田さんの対応力、胆力、自虐力、コミュニケーション力は、指原さんをも凌駕すると言われています。今回の選挙の順位で世間からさらに注目を集めることは必至なので、指原さんもウカウカしてられないと思いますよ」(芸能事務所勤務)

 今年は須田の年になるか? さらなる活躍を期待したいところだ。

手越祐也ゲスト回の『笑ってコラえて!』でミラクル発生!? 「心臓に悪い」とざわつく視聴者

 6月20日放送の『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』(日本テレビ系)に、NEWS・手越祐也がスペシャルゲストとして登場。最近「週刊文春」(文藝春秋)に未成年と飲酒疑惑を報じられたばかりだが、テレビ番組ではどのような立ち回りをするのか。手越の一挙手一投足に注目が集まった。

 番組の冒頭では、恒例とされている「スペシャルゲストクイズ」を実施。これは街頭インタビューの証言などをヒントに、共演者がゲストの名前を当てる企画だ。放送内では「あなたは手越祐也さんをどう思いますか?」という質問がされ、街の人は「ベルマーク集めてそう」「夏っぽい」「前世はチワワ」「毎日同じジャージ着てそう」「何言われても傷つかなそう」と回答。世の中を騒がせているスキャンダルについては誰も触れておらず、比較的無難な発言が取り上げられている。

 しかし当然視聴者は、“未成年飲酒パーティー報道”のことで頭がいっぱい。SNSなどでは「なに食わぬ顔で出演してて笑う」「これは完全に逃げ切ったな」「手越すごいな! 完全にノーダメージじゃないか!」といった声が上がっていた。

「『週刊文春』が有料チャンネルで公開しているパーティー動画や誌面の掲載内容によると、手越が未成年女性と同席していたのはほぼ確定。しかし同誌の取材で女性側の事務所は“飲酒”を否定しており、ジャニーズ事務所も『現時点での調査において、ご指摘のような事実関係は確認されておりません』とコメントしています。未成年との“飲酒疑惑”も事実であれば問題ですが、よりファンを失望させたのは手越が“嵐”などを批判していたこと。パーティー動画内で、手越は替え歌を披露しながら嵐の“口パク”をディスっていました」(芸能ライター)

 未成年との飲酒報道で活動を自粛した小山慶一郎や、厳重注意となった加藤シゲアキに比べ「扱いが違い過ぎる」とも批判されている手越。今回の『笑ってコラえて!』でも報道前と変わらない活躍を見せたのだが、番組で発生したとある“ミラクル”に注目した視聴者も多いという。

「『スペシャルゲストクイズ』で『ベルマーク集めてそう』という街の人の声を受けて、武田修宏は『嵐の二宮くん(二宮和也)とか?』と回答。“口パクディス”の標的となった嵐メンバーの名前が登場し、ネット上では『いきなり二宮くんの名前が出てきてビビった……心臓に悪い』『これはタイミングの悪いミラクル』『心の中で“俺は口パクしないけど”って思ってそう』といった声が上がっています」(同)

 以前と変わらない活躍を続けている手越だが、人々の疑惑に対する関心は未だに風化していない模様。彼はこのまま逃げ切れるのか、今後の動向にも注目していきたい。

Hey!Say!JUMP・伊野尾慧、『めざましテレビ』で脱退触れず「元気出た」とファン安心

 午前4時55分から放送されている情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系)に、木曜レギュラーで出演しているHey! Say! JUMP・伊野尾慧。日常のちょっとした出来事や最新ニュースをとことん調査する『イノ調』は、さまざまな伊野尾の姿を楽しめるとファンから人気のコーナーだ。

 6月21日放送回では、翌22日に28歳の誕生日を迎える伊野尾への祝福ムードが漂っていた。『いのお飯』コーナーでは、「明日は伊野尾さんのバースデー。おめでとうございます」と祝福されると、「いや~もう28歳だ。受け止めきれないな~」「28歳になりたくないな~」と伊野尾もポロリ。「27歳最後の食事だ~」と喜びながら、紹介されたハニーベイクドハムをおいしそうに頬張っていた。

 今回の『イノ調』のテーマは、最近増加している「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)」。「スマートコミュニティ稲毛」を訪れた伊野尾は、スポーツやヨガ、カラオケなど50を超えるアクティビティーに驚く。「ボイストレーニング部」に参加するが、シニアに混じった伊野尾はまるで孫のよう。講師の指導にも「はい!」と元気よく答え「いいお返事」と感心されていた。

 続いて、おしゃれなサ高住「プチモンドさくら」を訪れる。社長から「これ(内装)、ヨーロッパの街並みのつもりで作ったのですけど」と説明されるとすぐに「ステキ。これ普通だと廊下っていうイメージになっちゃうじゃないですか。それがヨーロッパの街並みの、小道みたいな雰囲気になりますよね」と返す。やはり建築には詳しいようだ。

 その後シニアの方に囲まれた伊野尾は、1人のご婦人から「Hey! Say! JUMPメンバーの中でも伊野尾君が一番好き」とアプローチされる。伊野尾はカメラマンに「撮った?」と確認し、「やったぜ!うれしい」とはしゃぐ。最後に誕生日間近の伊野尾に、入居者からサプライズの花束が贈られ、「これは記憶に残る誕生日だな」と満面の笑顔で締めくくった。

 前日にJUMPメンバー・岡本圭人の脱退報道が流れ、ファンからは「どうする? 明日めざましで伊野尾くんが 『突然ですがHey!Say!JUMPの岡本圭人が今月中でHey! Say! JUMPを脱退します』とか言ったら」などと、気にする声が上がっていたが、伊野尾はこの話題に触れることなく番組終了。これについても、「いのちゃんも触れられないよね。いのちゃん見てたら泣きそうになったよ」「伊野尾くんが心配でめざまし見てたら、いつもと同じ様子だったから安心して家を出た」「伊野尾くんがいつもどおりだし、かわいかったから癒やされた」「伊野尾ちゃんめっちゃ元気だったから、元気出た!」とさまざまな声が。

 放送日前日に報道された、メンバー脱退のニュース。ファンの心配が募る中、生放送で登場した伊野尾の姿は大きな安心を与えたようだ。