カヌー競技トップ選手の「薬物混入」「器具盗難、破損」事件、被害のウワサが拡大中

 前代未聞の禁止薬物混入事件。カヌーの日本代表候補選手・鈴木康大(久野製作所)がライバルの小松正治選手の飲み物に禁止薬物を混入させていたことを、日本カヌー連盟が公表。これを受け、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は鈴木に対して、8年間の資格停止処分を決めた。

 しかし、話はこれで終わらない。鈴木が2010年ごろから、ライバルである数名のトップ選手に対しても、GPSやパドルなど器具の窃盗や破壊を繰り返していたことがわかっているからだ。

「連盟は、報告の上がった被害に関しては被害者と話をして示談にしているようですが、鈴木の証言がすべての被害だという確証はなく、選手の間からは『さらに別の被害もあったのでは?』という声が出ている」(競技関係者)

 今回の問題発覚は、昨年9月の日本スプリント選手権大会でレース後の小松にドーピング陽性反応が出たことが発端だった。

 11月下旬になって、鈴木が罪悪感から連盟関係者に薬物混入を自白。薬物はネット購入した筋肉増強剤のメタンジエノンを、こっそり小松のドリンクボトルに入れたということだったが、本件のみならず長年の常習的な妨害工作も打ち明けた。

 そのため選手たちの間では「過去にモノがなくなったのは、盗まれたからかも」といった話が飛び交っているという。

「ただ、選手側も昔の話を引っ張り出してまで連盟に調査を求めるようなことはしていないですからね。でも、中にはそういう被害によって能力が出せず、思うような結果が残せなかったという選手もいるはず。そうなると、鈴木が関わったレースの公式記録も正当なものとして扱えるのか疑わしくもなります。そのあたり、記録の有効・無効をどうするか、事態は深刻ですよ」(同)

 鈴木は学生時代から大会優勝などを重ね、立命館大学時代には主将も務めた。その4回生の時、今から10年前に日本ランキング1位となり、その後の五輪出場が期待されてきたが、他選手への妨害を繰り返しながらも北京、ロンドン、リオの3度の五輪は、いずれも“世界選手権上位”という出場条件に届かず、一度は引退。しかし、東京五輪出場を最後のチャンスとして現役復帰していた。妻は同じくカヌー競技の日本代表で、北京五輪では6位に入賞している綾香(旧姓・久野)夫人で、最近は夫婦で福島県二本松市にてスポーツクラブを営んでいた。

「もしかすると、一番つらいのは綾香さんかも。彼女の後押しで鈴木は復帰を決めたのに、皮肉にも、それで抱えたプレッシャーが、こんな大事件に発展。綾香さんは競技人口の減っているカヌー人気向上に尽力していた人で、東京五輪に向けた取り組みも人一倍頑張っていたんです。それが逆に業界の足を引っ張った形になったので、やり場のない怒りと悲しみに暮れているのでは?」(同)

 あらゆる人々を不幸にした不祥事に、日本カヌー連盟は鈴木の“永久追放”を示唆しているが、まだまだ対応に追われているのが現状だ。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)

ウーマンラッシュアワー・村本大輔の「三日天下」に思うこと

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎どこに飛んで行くかわからない
 年末の『THE MANZAI』(フジテレビ系)での、社会派漫才に対する拍手喝采から、年明けの『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)での失速まで、早かったなぁ。ウーマンラッシュアワー・村本大輔の三日天下。見ていて「親譲りの無鉄砲で、子供の頃から損ばかりしている」という、小説『坊ちゃん』の冒頭の一文を思い出した。親譲りかどうかは知らんが、常に何かに駆り立てられるように、それ言ったらヤバい、の向こう岸へ渡らずにいられない、無鉄砲という名の病。症状としてはプラス・マイナス岩橋良昌と同じなのだが。ベクトルがねぇ。政治はねぇ。素人はねぇ。『しくじり先生』(テレビ朝日系)スペシャル出演すら今は何だかもう難しい。損ばかりしている。

◎新顔登場
 平昌五輪出場は惜しくも叶わなかった、フィギュア女子・三原舞依。今月行われる四大陸選手権の公式練習で、五輪代表となった親友・坂本花織にエールを送る、けなげな明るい表情が印象的であった。本当に明るいな。何だか目もぱっちり大きく開いて……ん? え? わぁーっ。

 五輪は逃したが、四大陸で輝くニューフェイスとなれ三原舞依! いろんな意味で。

◎選手交代?
 「黒塗りエディ・マーフィー」にガタガタ言われ、すっかりやる気スイッチオフのダウンタウン。推測だけど。

 「笑ってはいけないシリーズ」は、確かに視聴率も確約され、DVDも売れるキラーコンテンツではあるのだが。マンネリや各メンバーの高齢化も気になるし。そろそろあの番組と交替の時が来たのかも。それは『有吉の壁』(日本テレビ系)。

人海戦術で沢山の芸人にチャンスが与えられるし、尺も稼げる。何から何まで制作側が準備しなくても、芸人自身でネタを考えてくるし。ところどころで爆破や電流など派手な画ヅラの罰ゲームも挟める。日テレ側でも、すでに水面下で『笑ってはいけない』の後釜としてじっくり育てている感があるのだが。

 大喜利シーンでのにゃんこスター・アンゴラ村長の回答のひどさと、それに「あらカワイイ」で対応する有吉弘行の残酷さ。「今年の汚れ、今年のうちに」のあの姿勢は、ポスト年末の名物番組となりうる可能性を十二分に秘めている。Xデーはすぐそこだ。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

ウーマンラッシュアワー・村本大輔の「三日天下」に思うこと

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎どこに飛んで行くかわからない
 年末の『THE MANZAI』(フジテレビ系)での、社会派漫才に対する拍手喝采から、年明けの『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)での失速まで、早かったなぁ。ウーマンラッシュアワー・村本大輔の三日天下。見ていて「親譲りの無鉄砲で、子供の頃から損ばかりしている」という、小説『坊ちゃん』の冒頭の一文を思い出した。親譲りかどうかは知らんが、常に何かに駆り立てられるように、それ言ったらヤバい、の向こう岸へ渡らずにいられない、無鉄砲という名の病。症状としてはプラス・マイナス岩橋良昌と同じなのだが。ベクトルがねぇ。政治はねぇ。素人はねぇ。『しくじり先生』(テレビ朝日系)スペシャル出演すら今は何だかもう難しい。損ばかりしている。

◎新顔登場
 平昌五輪出場は惜しくも叶わなかった、フィギュア女子・三原舞依。今月行われる四大陸選手権の公式練習で、五輪代表となった親友・坂本花織にエールを送る、けなげな明るい表情が印象的であった。本当に明るいな。何だか目もぱっちり大きく開いて……ん? え? わぁーっ。

 五輪は逃したが、四大陸で輝くニューフェイスとなれ三原舞依! いろんな意味で。

◎選手交代?
 「黒塗りエディ・マーフィー」にガタガタ言われ、すっかりやる気スイッチオフのダウンタウン。推測だけど。

 「笑ってはいけないシリーズ」は、確かに視聴率も確約され、DVDも売れるキラーコンテンツではあるのだが。マンネリや各メンバーの高齢化も気になるし。そろそろあの番組と交替の時が来たのかも。それは『有吉の壁』(日本テレビ系)。

人海戦術で沢山の芸人にチャンスが与えられるし、尺も稼げる。何から何まで制作側が準備しなくても、芸人自身でネタを考えてくるし。ところどころで爆破や電流など派手な画ヅラの罰ゲームも挟める。日テレ側でも、すでに水面下で『笑ってはいけない』の後釜としてじっくり育てている感があるのだが。

 大喜利シーンでのにゃんこスター・アンゴラ村長の回答のひどさと、それに「あらカワイイ」で対応する有吉弘行の残酷さ。「今年の汚れ、今年のうちに」のあの姿勢は、ポスト年末の名物番組となりうる可能性を十二分に秘めている。Xデーはすぐそこだ。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

Hey!Say!JUMP山田主演&ジャニーズWEST小瀧出演ドラマ『もみ消して冬』が放送開始! 1月13日(土)ジャニーズアイドル出演情報

――翌日にジャニーズアイドルが出演予定の番組情報をお届けします。見逃さないように、録画予約をお忘れなく!

※一部を除き、首都圏の放送情報を元に構成しています。
※番組編成、及び放送日時は変更になることがあります。最新情報は番組公式サイト等をご確認ください。
※有料放送の視聴方法等については公式サイトをご確認ください。

●TOKIO

6:00~ 8:00 『週刊ニュースリーダー』(テレビ朝日ほか) 城島茂
24:50~25:15 『二軒目どうする?』(テレビ東京) 松岡昌宏

●V6

21:00~21:54 『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系) 井ノ原快彦

■立ち読みはこちら

カテゴリー: 未分類

Hey!Say!JUMP山田主演&ジャニーズWEST小瀧出演ドラマ『もみ消して冬』が放送開始! 1月13日(土)ジャニーズアイドル出演情報

――翌日にジャニーズアイドルが出演予定の番組情報をお届けします。見逃さないように、録画予約をお忘れなく!

※一部を除き、首都圏の放送情報を元に構成しています。
※番組編成、及び放送日時は変更になることがあります。最新情報は番組公式サイト等をご確認ください。
※有料放送の視聴方法等については公式サイトをご確認ください。

●TOKIO

6:00~ 8:00 『週刊ニュースリーダー』(テレビ朝日ほか) 城島茂
24:50~25:15 『二軒目どうする?』(テレビ東京) 松岡昌宏

●V6

21:00~21:54 『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系) 井ノ原快彦

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GACKTにリテラシーを語る資格なし!? 評論家を「一人歩きには十分お気をつけください」と脅迫か

 ミュージシャンでタレントのGACKTが今月、脅迫まがいのブログを投稿したとして騒ぎになっている。

 昨年末、本名の“大城ガクト”で仮想通貨「SPINDLE」のICO事業に乗り出したことを発表したGACKT。今月2日のブログでは、反響に対し「『また詐欺に引っかかるのか?』『大丈夫か?』と、言いたい放題のサイトもありました」と報告し、「世の中に溢れ出たポジティブ・ネガティブな情報に対する、一般の方たちの反応を見ていて、投資リテラシーの話以前に、情報選択のリテラシーが非常に弱いことを多く感じました」「情報選択のリテラシーがそもそも弱い日本人は、多くのメディアによって右往左往している現状」と印象を綴った。

 また、事業への誤解を解くためか、上場前の「SPINDLE」についてつらつらと説明を続け、ブログの最後では「偏った解釈と情報を自信満々でアップしてくださる一部の方達と、SPINDLEを悪用して詐欺などを企てる方たちに ココロから哀悼と感謝と殺意の気持ちを込めて この始まったばかりの一年を どうか無事にお過ごしできることを刹那に願っております」と苦言。さらに、「帰り道の一人歩きには十分お気をつけください」と、事業を邪魔する者に対し怒りを露わにした。

 案の定、ネット上では、この目を疑うような締めの文が話題に。「完全な脅迫じゃないか…。殺意があるんだね」「殺害予告じゃん怖」「GACKTコインを叩けばGACKTに夜道で襲われるのか!?」といった声が相次いでいるほか、昨年、「SPINDLE」の問題点をまとめたコラムを発表した投資家で作家の山本一郎氏は9日、「この『帰り道の一人歩きには十分お気をつけください』は私に対する発言ですね?」とツイートしている。

「GACKTもさすがにヤバイと思ったのか、投稿から3日後にほぼ同じ内容でブログを再投稿し、元の記事は削除。しれっと最後の一文を消しているものの、釈明や謝罪はありません」(芸能記者)

 GACKTといえば昨年7月、自身のインスタグラムに中指を突き立てた写真を投稿し、批判が殺到。これに「世界的に言えば、中指を立てるなど一つの表現にしかすぎない。公式の堅い場所ならまだしも…」と反論し、「これからも色んな指を立てて写真撮って行きますよ」と宣言していた。

「かねてより、日本人のリテラシーの低さに苦言を呈してきたGACKTですが、ネット上では『お前が言うな』との声も。今回に至っては、『情報選択のリテラシーがそもそも弱い日本人』について書き連ねたブログの最後に『帰り道の一人歩きには十分お気をつけください』ですから、ギャグかと見間違えてしまいますよ」(同)

 人気バラエティ番組『芸能人格付けチェック!』(テレビ朝日系)での驚異の連勝により、“知識人”としてのキャラが定着したGACKT。それだけに、今回の脅迫とも取れる物言いには心底がっかりだ。

GACKTにリテラシーを語る資格なし!? 評論家を「一人歩きには十分お気をつけください」と脅迫か

 ミュージシャンでタレントのGACKTが今月、脅迫まがいのブログを投稿したとして騒ぎになっている。

 昨年末、本名の“大城ガクト”で仮想通貨「SPINDLE」のICO事業に乗り出したことを発表したGACKT。今月2日のブログでは、反響に対し「『また詐欺に引っかかるのか?』『大丈夫か?』と、言いたい放題のサイトもありました」と報告し、「世の中に溢れ出たポジティブ・ネガティブな情報に対する、一般の方たちの反応を見ていて、投資リテラシーの話以前に、情報選択のリテラシーが非常に弱いことを多く感じました」「情報選択のリテラシーがそもそも弱い日本人は、多くのメディアによって右往左往している現状」と印象を綴った。

 また、事業への誤解を解くためか、上場前の「SPINDLE」についてつらつらと説明を続け、ブログの最後では「偏った解釈と情報を自信満々でアップしてくださる一部の方達と、SPINDLEを悪用して詐欺などを企てる方たちに ココロから哀悼と感謝と殺意の気持ちを込めて この始まったばかりの一年を どうか無事にお過ごしできることを刹那に願っております」と苦言。さらに、「帰り道の一人歩きには十分お気をつけください」と、事業を邪魔する者に対し怒りを露わにした。

 案の定、ネット上では、この目を疑うような締めの文が話題に。「完全な脅迫じゃないか…。殺意があるんだね」「殺害予告じゃん怖」「GACKTコインを叩けばGACKTに夜道で襲われるのか!?」といった声が相次いでいるほか、昨年、「SPINDLE」の問題点をまとめたコラムを発表した投資家で作家の山本一郎氏は9日、「この『帰り道の一人歩きには十分お気をつけください』は私に対する発言ですね?」とツイートしている。

「GACKTもさすがにヤバイと思ったのか、投稿から3日後にほぼ同じ内容でブログを再投稿し、元の記事は削除。しれっと最後の一文を消しているものの、釈明や謝罪はありません」(芸能記者)

 GACKTといえば昨年7月、自身のインスタグラムに中指を突き立てた写真を投稿し、批判が殺到。これに「世界的に言えば、中指を立てるなど一つの表現にしかすぎない。公式の堅い場所ならまだしも…」と反論し、「これからも色んな指を立てて写真撮って行きますよ」と宣言していた。

「かねてより、日本人のリテラシーの低さに苦言を呈してきたGACKTですが、ネット上では『お前が言うな』との声も。今回に至っては、『情報選択のリテラシーがそもそも弱い日本人』について書き連ねたブログの最後に『帰り道の一人歩きには十分お気をつけください』ですから、ギャグかと見間違えてしまいますよ」(同)

 人気バラエティ番組『芸能人格付けチェック!』(テレビ朝日系)での驚異の連勝により、“知識人”としてのキャラが定着したGACKT。それだけに、今回の脅迫とも取れる物言いには心底がっかりだ。

「君のせいで1日中こんなだよ…」人気ぽっちゃりモデル、撮影現場でのセクハラ被害体験を語る

 昨年のモデル長者番付で10位にランクインした人気プラスサイズ・モデルのアシュリー・グラハム(30)が、17歳の時、撮影現場でセクハラを受けたことがあると告白。露出したイチモツを「触れ」と命じられ、パニックになったと赤裸々に明かした。長年セクハラがはびこってきたファッション業界でも、被害を告発しようという流れになっている。アシュリーはこの「Me Too」運動を支援し、「被害に遭ったらどう行動すればいいのかを若いモデルたちに伝えていきたい」と鼻息を荒くしている。

 昨年10月に米大手紙ニューヨーク・タイムズが「ハリウッドの巨匠プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが、権力を盾に過去30年にわたって女優たちにセクハラをし続けてきた」と報じた後、自分も被害者だと告発する女優が続出。これが発端となり、アメリカではさまざまな業界でセクハラ行為を次々と告発する流れになっているのは既報の通りだ。このセクハラ告発は大きな動きとなり、SNSで付けられたハッシュタグから「Me Too」運動として国外でも展開されるようになっている。さらに今年に入ってからは「もうこれ以上、権力を振りかざして行われるセクハラや性暴力、性差別や人種差別に我慢するのはやめよう!」という「Time’s Up」運動へと発展。「権力を持つ男性全員が悪いという運動に発展しかねない」「軽口もセクハラだと訴えられるのは問題」と懸念する声が上がるほどの巨大ムーブメントとなっている。

 セクハラ告発は音楽界、スポーツ界、政界、一般企業、そしてファッション界でも巻き起っており、各業界の大御所たちが次々と失脚に追い込まれている。これまでに複数のモデルからセクハラ告発、起訴されてきた鬼才フォトグラファーのテリー・リチャードソンもその1人で、「VOGUE」「GQ」などを出版するコンデナスト・パブリケーションズが、テリーに対し「今後、写真を使用しない」と通達したとの情報が流出し、大ニュースとなった。

 過激な写真を得意とし、モデルに性的行為を強要したり性的嫌がらせをすることで有名なテリーだったが、被写体から最高の表情を引き出す天才写真家として高く評価されてきた。世界的スターやオバマ前大統領、2020年大統領選挙への出馬が期待されるオプラ・ウィンフリーとも仕事をしており、彼に撮影してもらうことはステータスだとされてきた。あまりにもセクハラがひどく、14年には「ノー・モア・テリー(#Nomoreterry)」というボイコット運動も巻き起こったが、サクッと乗り越えてきた。だが今回のムーブメントでは、47歳のキャノン・バーンスタインというモデルから03年の撮影中に「突然チンコを露出し、私の口の中に無理やり押し込んだ。そしてオーラルセックスを強要された」と性的暴行の申し立てまで明確に出され、いよいよ業界から追放されることになった。

 その後、カルバン・クラインの下着ラインの男性モデルのヌード広告で知られる大御所フォトグラファー、ブルース・ウェーバーもセクハラを告発・起訴された。若い細マッチョのブロンド男性モデルが、「撮影中に無理やり下着を脱がされ、『チンコをシゴけ』と強要された。ブルースのチンコにも触らされ、ブルースの口の中に指を入れさせられた。『君はどれくらい成功したいんだい? どれほどの野心があるんだい?』と囁かれながら」と暴露したのだ。

 女性モデルだけでなく、男性モデルまでもセクハラ・性的嫌がらせをされているのだということが世間に広く知られるようになり、ファッション界は悪い意味で注目を集めている。

 そんな中、米大手経済誌「フォーブス」で昨年「世界で最も稼ぐモデル」の10位にランクインし、プラスサイズ・モデル初の快挙だと話題をさらったアシュリー・グラハムが、「私も17歳の時に撮影現場でセクハラされた」と告白したのだ。

 身長175cm、体重91kg、スリーサイズ107-76-117だとされるアシュリーは、9日に放送された米ABC局の人気トーク番組『ザ・ビュー』にゲストとして出演。司会者のウーピー・ゴールドバーグ、大御所コメディエンヌのジョイ・べアール、弁護士のサニー・ホスティン、ジョン・マケインの娘メーガン・マケインに囲まれ、真剣トークを展開した。

 ウーピーから、「あなた、テリーと仕事をしたことがあるよね?」と話を振られたアシュリーは、「えぇ、17〜18歳の時に、テリーと仕事をしたわ」と認め、「撮影のオファーの電話をもらった時、もちろん彼のうわさは知っていた。みんなが話していたから耳にしていたわ。でも、オファーを受けたの。だって、最高の中の最高の人と一緒に仕事をしたいから。そしてその写真をポートフォリオに入れたいから」と語った。

 「とんでもない状況になるかも――って考えなかったの?」と聞かれるとアシュリーは、「もちろんよ! 被害者になるかもしれないんだ――って怖かったわ。でも、何が起こるかわからないし……」と説明。司会者の1人から「それに彼を崇拝している人だっているわけだしねぇ」とフォローされると、「そうなのよ! 素晴らしい人だって話も聞くのよ」と弁解し、「撮影セットはごくごく普通だったわ。でも、『シャツ脱げ』って言われるのかな? とか不安な気持ちだった。だって半端ないほど彼のうわさを聞いていたから」と回想した。

 「母親を撮影に連れて行けばよかったのに」という意見に、アシュリーは「母が同行していたのは16歳までだったの。私はしっかりしてたし、17歳の時にはニューヨークで自立していたし。決断は、自分で下さなければならなかったの」と言い、「でも、17歳の子が1人でって……若すぎるわよね」と悲しげな表情に。

 そして、「テリーとは全然別の撮影の時の話で、キャンペーンの撮影をしていたんだけど、フォト・アシスタントの男性から『ちょっと話があるから、こっちに来い』って言われて。廊下に連れ出され、クロゼットの中に押し込まれて。そこでイチモツを露出した彼にこう言われたの。『君のおかげで1日中こんなだよ。早く触ってくれ』って」と、17歳の時にセクハラされたことを告白した。

 アシュリーは続けて「もうパニックになって、クロゼットから逃げ出したわ。そして、『誰にもばれませんように』って祈ったの。もし彼が私にこんなことをしたんだってみんなに知られたら、私が『仕事しにくいモデルだ』って思われる。仕事しづらい厄介なモデルだと思われて、誰も私と仕事したくなくなるって」と、当時の気持ちを正直に明かし、モデルの地位が低い業界の闇を暴露。

 「でも、今、私が知っていることを当時の私が知っていたら。多くの女性たちが立ち上がって『me too』って言っている姿を見ていたら、あの男を殴り、『ペドフィリアだ!』って叫ぶわ。だって、私は17歳で未成年だったんだから。そして、『不誠実で無責任なセクハラ野郎だ』って叫んだでしょうね。自分の事務所にも連絡して、いろいろしたでしょうね」と興奮気味に語った。

 そして、「ほかの女性が私のような目に遭わないように、しっかり見ておいてやろう、って」と感無量だという表情を浮かべ、ウーピーの「そうよ、今じゃみんなの目があるんだから。しっかり見てるんだから、そういう奴らはもう逃げられないわよ」という言葉にうなずいていた。

 ネット上では、「モデルは露出度の高い服を着たり、下着姿で挑発するようなポーズをとっているのだから、撮影現場で欲情してしまう人が出るのはある程度は仕方ないのでは?」という声も上がっている。人気男性誌「MAXIM」などで活躍するセクシーモデルのティファニー・スタンリーは、先日、米『FOXニュース』で「一部のフォトグラファーの撮影では、何か変な流れになりそうだと察知できるの。性的な緊張感が漂っているって、ビンビン感じる。フォトグラファー全員がそうだってわけじゃないけど、一部の人はね」と語っており、そういう空気になることがあると認めている。

 しかし、それはあくまで仕事であり、そういう雰囲気になったからといってセクハラしてもOKというわけではない。だがフォトグラファーの中には、最初からモデルと性的なことをしようと企んでいる輩がいるそうで、ティファニーは「ぶっちゃけ、LAには、女の子の体目的のフォトグラファーが何人かいるの」「友達の中にも、度数の高いアルコールを飲まされて、『嫌だ』って言っているのに、際どい撮影をさせられそうになった子がいる」と明かしている。

 ハリウッドもほかの業界もそうだが、ファッション界でも若い駆け出しのウブなモデルたちの「成功したい」という気持ちにつけ込み、セクハラ行為を行う権力者たちがたくさんいる。美しく自信に満ちあふれたモデルでさえもそんな目に遭っていることに、『ザ・ビュー』のメーガンはショックを受けたようで、「『アメリカン・トップ・モデル』にも出演し、大成功しているあなたでさえもそんな目に遭っただなんて。本当に残念。気の毒で仕方ない」と首を振っていた。

 アシュリーは、「この世には権力をかさに着て、脅してセクハラをしようとする卑劣な大人がたくさんいることを若い女性に伝え、もしそんな目に遭ったとしても対処できるように教育したい」と発言。「私には、きちんと伝える責任があるんだって思ってる。何も知らなかったら、その時、どうしたらいいかわからないだろうから」と深刻な面持ちで語った。

 その言葉にウーピーは深くうなずきながら、「そうよ。そして若い女性に『自分の体をどうするかという権限は、自分自身にあるんだよ』って教えなきゃいけないのよ。男性とベッドインした時、『コンドームなんてつけなくても大丈夫だよ』って言われたら、『大丈夫じゃない。つけてちょうだい』って女の子が言わなくちゃいけない。言っていいの、言う権利があるの。『ゴムなしじゃ、私の体に指一本触れるな』って拒否していいのよ!」と熱弁。17歳でママに、34歳でおばあちゃんに、58歳でひいおばあちゃんになったウーピーのこの言葉に、ネット上では「とても重みがある」と受け止めた人が多かった。

「Me Too」「Time’s Up」運動により、セクハラ、性差別、人種差別のない世の中になるのだろうか? また、ウーピーが願う「若い女の子が男性に『ゴムなしセックスはダメ!』」と強く言える世の中になるのだろうか? 「Time’s Up運動はハリウッドセレブの自己満足的な一時的な流行として終わりそう」「そう簡単に撲滅なんてできないでしょ」と悲観的に考えている人も少なくないようだが、果たして?

「君のせいで1日中こんなだよ…」人気ぽっちゃりモデル、撮影現場でのセクハラ被害体験を語る

 昨年のモデル長者番付で10位にランクインした人気プラスサイズ・モデルのアシュリー・グラハム(30)が、17歳の時、撮影現場でセクハラを受けたことがあると告白。露出したイチモツを「触れ」と命じられ、パニックになったと赤裸々に明かした。長年セクハラがはびこってきたファッション業界でも、被害を告発しようという流れになっている。アシュリーはこの「Me Too」運動を支援し、「被害に遭ったらどう行動すればいいのかを若いモデルたちに伝えていきたい」と鼻息を荒くしている。

 昨年10月に米大手紙ニューヨーク・タイムズが「ハリウッドの巨匠プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが、権力を盾に過去30年にわたって女優たちにセクハラをし続けてきた」と報じた後、自分も被害者だと告発する女優が続出。これが発端となり、アメリカではさまざまな業界でセクハラ行為を次々と告発する流れになっているのは既報の通りだ。このセクハラ告発は大きな動きとなり、SNSで付けられたハッシュタグから「Me Too」運動として国外でも展開されるようになっている。さらに今年に入ってからは「もうこれ以上、権力を振りかざして行われるセクハラや性暴力、性差別や人種差別に我慢するのはやめよう!」という「Time’s Up」運動へと発展。「権力を持つ男性全員が悪いという運動に発展しかねない」「軽口もセクハラだと訴えられるのは問題」と懸念する声が上がるほどの巨大ムーブメントとなっている。

 セクハラ告発は音楽界、スポーツ界、政界、一般企業、そしてファッション界でも巻き起っており、各業界の大御所たちが次々と失脚に追い込まれている。これまでに複数のモデルからセクハラ告発、起訴されてきた鬼才フォトグラファーのテリー・リチャードソンもその1人で、「VOGUE」「GQ」などを出版するコンデナスト・パブリケーションズが、テリーに対し「今後、写真を使用しない」と通達したとの情報が流出し、大ニュースとなった。

 過激な写真を得意とし、モデルに性的行為を強要したり性的嫌がらせをすることで有名なテリーだったが、被写体から最高の表情を引き出す天才写真家として高く評価されてきた。世界的スターやオバマ前大統領、2020年大統領選挙への出馬が期待されるオプラ・ウィンフリーとも仕事をしており、彼に撮影してもらうことはステータスだとされてきた。あまりにもセクハラがひどく、14年には「ノー・モア・テリー(#Nomoreterry)」というボイコット運動も巻き起こったが、サクッと乗り越えてきた。だが今回のムーブメントでは、47歳のキャノン・バーンスタインというモデルから03年の撮影中に「突然チンコを露出し、私の口の中に無理やり押し込んだ。そしてオーラルセックスを強要された」と性的暴行の申し立てまで明確に出され、いよいよ業界から追放されることになった。

 その後、カルバン・クラインの下着ラインの男性モデルのヌード広告で知られる大御所フォトグラファー、ブルース・ウェーバーもセクハラを告発・起訴された。若い細マッチョのブロンド男性モデルが、「撮影中に無理やり下着を脱がされ、『チンコをシゴけ』と強要された。ブルースのチンコにも触らされ、ブルースの口の中に指を入れさせられた。『君はどれくらい成功したいんだい? どれほどの野心があるんだい?』と囁かれながら」と暴露したのだ。

 女性モデルだけでなく、男性モデルまでもセクハラ・性的嫌がらせをされているのだということが世間に広く知られるようになり、ファッション界は悪い意味で注目を集めている。

 そんな中、米大手経済誌「フォーブス」で昨年「世界で最も稼ぐモデル」の10位にランクインし、プラスサイズ・モデル初の快挙だと話題をさらったアシュリー・グラハムが、「私も17歳の時に撮影現場でセクハラされた」と告白したのだ。

 身長175cm、体重91kg、スリーサイズ107-76-117だとされるアシュリーは、9日に放送された米ABC局の人気トーク番組『ザ・ビュー』にゲストとして出演。司会者のウーピー・ゴールドバーグ、大御所コメディエンヌのジョイ・べアール、弁護士のサニー・ホスティン、ジョン・マケインの娘メーガン・マケインに囲まれ、真剣トークを展開した。

 ウーピーから、「あなた、テリーと仕事をしたことがあるよね?」と話を振られたアシュリーは、「えぇ、17〜18歳の時に、テリーと仕事をしたわ」と認め、「撮影のオファーの電話をもらった時、もちろん彼のうわさは知っていた。みんなが話していたから耳にしていたわ。でも、オファーを受けたの。だって、最高の中の最高の人と一緒に仕事をしたいから。そしてその写真をポートフォリオに入れたいから」と語った。

 「とんでもない状況になるかも――って考えなかったの?」と聞かれるとアシュリーは、「もちろんよ! 被害者になるかもしれないんだ――って怖かったわ。でも、何が起こるかわからないし……」と説明。司会者の1人から「それに彼を崇拝している人だっているわけだしねぇ」とフォローされると、「そうなのよ! 素晴らしい人だって話も聞くのよ」と弁解し、「撮影セットはごくごく普通だったわ。でも、『シャツ脱げ』って言われるのかな? とか不安な気持ちだった。だって半端ないほど彼のうわさを聞いていたから」と回想した。

 「母親を撮影に連れて行けばよかったのに」という意見に、アシュリーは「母が同行していたのは16歳までだったの。私はしっかりしてたし、17歳の時にはニューヨークで自立していたし。決断は、自分で下さなければならなかったの」と言い、「でも、17歳の子が1人でって……若すぎるわよね」と悲しげな表情に。

 そして、「テリーとは全然別の撮影の時の話で、キャンペーンの撮影をしていたんだけど、フォト・アシスタントの男性から『ちょっと話があるから、こっちに来い』って言われて。廊下に連れ出され、クロゼットの中に押し込まれて。そこでイチモツを露出した彼にこう言われたの。『君のおかげで1日中こんなだよ。早く触ってくれ』って」と、17歳の時にセクハラされたことを告白した。

 アシュリーは続けて「もうパニックになって、クロゼットから逃げ出したわ。そして、『誰にもばれませんように』って祈ったの。もし彼が私にこんなことをしたんだってみんなに知られたら、私が『仕事しにくいモデルだ』って思われる。仕事しづらい厄介なモデルだと思われて、誰も私と仕事したくなくなるって」と、当時の気持ちを正直に明かし、モデルの地位が低い業界の闇を暴露。

 「でも、今、私が知っていることを当時の私が知っていたら。多くの女性たちが立ち上がって『me too』って言っている姿を見ていたら、あの男を殴り、『ペドフィリアだ!』って叫ぶわ。だって、私は17歳で未成年だったんだから。そして、『不誠実で無責任なセクハラ野郎だ』って叫んだでしょうね。自分の事務所にも連絡して、いろいろしたでしょうね」と興奮気味に語った。

 そして、「ほかの女性が私のような目に遭わないように、しっかり見ておいてやろう、って」と感無量だという表情を浮かべ、ウーピーの「そうよ、今じゃみんなの目があるんだから。しっかり見てるんだから、そういう奴らはもう逃げられないわよ」という言葉にうなずいていた。

 ネット上では、「モデルは露出度の高い服を着たり、下着姿で挑発するようなポーズをとっているのだから、撮影現場で欲情してしまう人が出るのはある程度は仕方ないのでは?」という声も上がっている。人気男性誌「MAXIM」などで活躍するセクシーモデルのティファニー・スタンリーは、先日、米『FOXニュース』で「一部のフォトグラファーの撮影では、何か変な流れになりそうだと察知できるの。性的な緊張感が漂っているって、ビンビン感じる。フォトグラファー全員がそうだってわけじゃないけど、一部の人はね」と語っており、そういう空気になることがあると認めている。

 しかし、それはあくまで仕事であり、そういう雰囲気になったからといってセクハラしてもOKというわけではない。だがフォトグラファーの中には、最初からモデルと性的なことをしようと企んでいる輩がいるそうで、ティファニーは「ぶっちゃけ、LAには、女の子の体目的のフォトグラファーが何人かいるの」「友達の中にも、度数の高いアルコールを飲まされて、『嫌だ』って言っているのに、際どい撮影をさせられそうになった子がいる」と明かしている。

 ハリウッドもほかの業界もそうだが、ファッション界でも若い駆け出しのウブなモデルたちの「成功したい」という気持ちにつけ込み、セクハラ行為を行う権力者たちがたくさんいる。美しく自信に満ちあふれたモデルでさえもそんな目に遭っていることに、『ザ・ビュー』のメーガンはショックを受けたようで、「『アメリカン・トップ・モデル』にも出演し、大成功しているあなたでさえもそんな目に遭っただなんて。本当に残念。気の毒で仕方ない」と首を振っていた。

 アシュリーは、「この世には権力をかさに着て、脅してセクハラをしようとする卑劣な大人がたくさんいることを若い女性に伝え、もしそんな目に遭ったとしても対処できるように教育したい」と発言。「私には、きちんと伝える責任があるんだって思ってる。何も知らなかったら、その時、どうしたらいいかわからないだろうから」と深刻な面持ちで語った。

 その言葉にウーピーは深くうなずきながら、「そうよ。そして若い女性に『自分の体をどうするかという権限は、自分自身にあるんだよ』って教えなきゃいけないのよ。男性とベッドインした時、『コンドームなんてつけなくても大丈夫だよ』って言われたら、『大丈夫じゃない。つけてちょうだい』って女の子が言わなくちゃいけない。言っていいの、言う権利があるの。『ゴムなしじゃ、私の体に指一本触れるな』って拒否していいのよ!」と熱弁。17歳でママに、34歳でおばあちゃんに、58歳でひいおばあちゃんになったウーピーのこの言葉に、ネット上では「とても重みがある」と受け止めた人が多かった。

「Me Too」「Time’s Up」運動により、セクハラ、性差別、人種差別のない世の中になるのだろうか? また、ウーピーが願う「若い女の子が男性に『ゴムなしセックスはダメ!』」と強く言える世の中になるのだろうか? 「Time’s Up運動はハリウッドセレブの自己満足的な一時的な流行として終わりそう」「そう簡単に撲滅なんてできないでしょ」と悲観的に考えている人も少なくないようだが、果たして?

憧れの存在には、いつまでも輝き続けてほしい。哀歓系コメディ『ピンカートンに会いにいく』

 自分がブレイクできずにいるのは、事務所の営業努力のなさやプロデューサーたちに見る目がないからだ。映画『ピンカートンに会いにいく』の主人公・優子(内田慈)はそう思い込むことで、芸能界の片隅で辛うじてこれまで生きてきた。オーディションに落ちる度に、周囲に毒を吐く人生だった。アルバイトをしながら、タレント&女優として成功するという夢にしがみついてきたものの、30代も後半となり現実のシビアさが肌身にヒリヒリと沁みるようになってきた。『ピンカートンに会いにいく』は、夢は願い続ければきっと叶うという能天気な青春ドラマでもなければ、主人公が大人になる成長ドラマでもない。ずっとネガティブ思考に囚われ続けてきたひとりの女性が、人生のスタートラインに立つまでを描いたとても慎ましい物語だ。

 本作を撮り上げたのは、大阪芸術大学映像学科&東京藝術大学大学院映像研究科出身の坂下雄一郎監督。1986年生まれの新鋭監督だ。新しい才能の発掘を目的にしている「松竹ブロードキャスティング」が制作した勘違いコメディ『東京ウィンドオーケストラ』(17)で商業デビュー。続いて低予算映画の地方ロケの惨状をブラックコメディ化した異色作『エキストランド』(17)も公開され、再び「松竹ブロードキャスティング」と組んだ『ピンカートン』と、デビュー1年目にしてオリジナル脚本のコメディ作品が3本劇場公開される期待の存在。若手監督らしく『ピンカートン』にはまだ洗練されきっていない、レアな感情と毒っけのある笑いが注がれた新鮮みのある作品となっている。

 今や毒吐きおばさんと化している優子だが、実は20年前に5人組のアイドルグループ「ピンカートン」として芸能デビューを果たしていた。勝ち気な性格の優子がリーダーを務めていたが、シングル曲「Revolution now」をリリースしてこれからというときに、あっけなく解散してしまう。一番人気だった葵がソロデビューするという噂が流れ、グループ内に確執が生まれたことが原因だった。

 20年前はグループが解散しても、若い自分にはまだ明るい未来が待っていると信じていた。でも、いつの間にか自主映画の死体役とかパチンコ店のイベントのMCぐらいしか仕事は回ってこない状態に。さらに散々ディスってきた所属事務所からは、契約解除を言い渡されてしまう。40歳を目前にして、人生真っ暗闇となる優子。芸能界でスポットライトを浴びるという夢は、いつの間にか自分自身への呪いと変わり、優子を雁字搦めに縛り付けていた。

 だが、捨てる神あれば拾う神もあり。そんなドン底状態の優子に、一本の蜘蛛の糸が垂れ下がってきた。不完全燃焼で終わった「ピンカートン」の再結成ライブをやろうという奇特なプロデューサーが現われたのだ。レコード会社に勤める松本(田中健太郎)は、少年時代に「ピンカートン」の大ファンだったが、楽しみにしていたライブを観ることなく彼女たちは芸能界の表舞台から去ってしまった。憧れの存在だった「ピンカートン」に、ちゃんとライブをやらせてあげたい。ちょっと頼りなさげな松本の提案に、優子はもったいぶりながらもすがりつくしかない。

 美紀(山田真歩)をはじめ、かつてのメンバー3人は芸能界をすでに引退して、普通の主婦となっていた。家族や子どもたちの手前もあって、再結成にはあまり気が進まない。だが、美紀たちのモチベーションの低さ以上に大きな問題があった。かつて優子とケンカ別れした葵を呼び戻すことができなければ、「ピンカートン」は再結成したことにはならない。優子と葵が20年ぶりに仲直りできるかどうかが、グループ再結成の大事な鍵だった。

 人生の先が見えてきた現在とキラキラと輝く未来が待っていると信じていたアイドル時代とが交錯する形で、ストーリーは進んでいく。20年前、優子(小川あん)と葵(岡本夏美)はグループ内でいちばん仲がよかった。一緒にオーディションを受けにいき、「他のアイドルたちが全員死ねばいいのに」と2人で毒づきあいながら、ブレイクできずにいる悶々とした日々を共に過ごしてきた。優子と葵はいちばんの親友であり、いちばん身近なライバルでもあった。それゆえに、一度壊れた関係を修復するのは容易ではない。再結成を前に、仲直りを勧める他のメンバーたちに対して、優子はなかなか素直になれない。心で思っていることとは、真逆な言葉を吐き出してしまう。

「大人になったら仲直りって言わないんだよ。それって謝罪っていうんだからね!」

 毒づくことが習慣化してしまった“超痛い女”優子をリアルに演じているのは、インディペンデント系映画で売れっ子の実力派女優・内田慈。本作が映画初主演となる。優子がライバル視してきた葵の20年後を演じるのは、ドス黒系ミステリー『愚行録』(17)での“学園の女王さま”ぶりが印象的だった松本若菜。朝ドラ『花子とアン』(NHK総合)の女流作家役などクセのある役がうまい山田真歩らがこれに絡む。優子、葵のアイドル時代を演じた小川あん、岡本夏美たちもこれから人気が出てきそうな逸材。かつての仲間が再び集まるというプロットは韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(11)からのいただきだが、毒は吐くのに、胸の中の本音は口にできない主人公たちの面倒くさい心理描写に坂下監督の独自のセンスを感じさせる。

 物語の後半、優子とプロデューサーの松本は、消息のつかめない葵を探して回ることに。グループ解散後、葵は事務所を移り、優子と同じように地味に芸能活動を続けていた。葵の元マネージャーだったという男を見つけるが、「過去にすがって、懸命に生きるのって痛いよね」と元マネージャーは葵のことを冷笑する。それまでずっとちぐはぐだった優子と松本だが、このとき2人は一致団結して、この元マネージャーをボコボコにする。かつて自分が憧れた存在には、いつまでも輝き続けてほしい。だから、自分にとってのアイドルやライバルをディスる奴は、到底許すことができなかった。

 20年の歳月を経て、優子と葵はお互いの心のわだかまりを消し去ることができるのか。優子と葵との20年ぶりの遭遇シーンが、本作のクライマックスとなる。おばさんになった「ピンカートン」の再結成ライブの行方は、映画を観てのお楽しみだ。最後にひとつ言えることは、優子は40歳を前にして、言い訳をしない自分の生きる道を見つけたということ。長年の呪いから、ようやく自分を解放することに成功した優子。目の前に広がる厳しい現実は変わらないものの、彼女の人生がこれから始まろうとしていた。
(文=長野辰次)

『ピンカートンに会いにいく』
監督・脚本/坂下雄一郎
出演/内田慈、松本若菜、山田真歩、水野小論、岩野未知、田村健太郎、
小川あん、岡本夏美、柴田杏花、芋生悠、鈴木まはな 
配給/松竹ブロードキャスティング、アーク・フィルムズ
1月20日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
C)松竹ブロードキャスティング
http://www.pinkerton-movie.com

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