【第54回】「高須幹弥センセイ、2017年はどんな顔がブームでしたか?」
昨年も美容整形外科医の観点から、さまざまな顔面診断を行っていただいた高須クリニック名古屋院院長の高須幹弥先生に、恒例の「2017年に増えた“なりたい顔”の有名人」を調査! 16年は、広瀬すず、桜井日奈子、乃木坂46・齋藤飛鳥が名を連ねたが、果たして17年もっとも憧れられたのは誰? 高須幹弥先生、今年はどんな有名人のリクエストが浮上しましたか?2017
■白石麻衣は「偶然の産物」
16年から増えはじめたナチュラル系が、17年も引き続き人気となりました。これまで派手な顔を好んでいたギャルやキャバクラ嬢なども落ち着いてきて、黒髪が増えたり、大きな目や高い鼻より、自然で美しいパーツを求める傾向が見られ、特に都会のほうは洗礼されてきた印象があります。
そのような傾向から、女子大生やOLを中心に人気が高まったのが、乃木坂46の白石麻衣さん。中高生は17年も広瀬すずさんでした。とはいえ、整形患者は、はっきりしたパーツを好む人が多いので、一番多かったのはAV女優の明日花キララさんですね。
明日花さんはパーツの一つひとつが大きく派手な作り。目は横幅が広く、幅広平行型二重で蒙古ひだもなく、涙袋も大きいことで、目がより大きく見えます。鼻も鼻筋の通った高い鼻で、鼻先もきれいに尖っているし、丸みのあるおでこや、シャープな輪郭に尖ったあご先など、人形のような顔立ちで、整形患者の憧れる要素が揃っています。そのため、ネットを中心に整形疑惑が持たれていて、整形を希望する人からすると「整形すれば近づける顔」と感じることで、リクエスト増につながったのだと思います。
白石さんは、目の開きがよく、黒目も大きいうえ、8割ほどが見えていて、目力も強いです。二重は広すぎない自然な形で、目頭も蒙古ひだの張りがなくきれいに尖っているし、目の位置もちょうどいい。鼻は程よい高さでありながら鼻筋はしっかり通っていて、小鼻や鼻先も欠点がなく、主張しすぎない程度に整っています。輪郭も程よくシャープで余計な脂肪はなく、すべてが整った“天性の美人”といえるでしょう。
清楚で誰からも愛される顔立ちなので、雑誌などの切り抜きを持参して「こんな雰囲気になりたい」といわれる患者さんが非常に多かったです。ただ、天性の美人って、パーツのカタチや位置関係など、偶然が重なったときに生まれる「偶然の産物」なんですよ。だから、パーツの位置からして違う人が近づこうとするのは結構大変。かえって不自然になることもあります。なので、そのような場合には正直にお話しして、その方の顔に一番合うスタイルを提案しています。
16年に続き人気の高かった広瀬さんも、自然な美しさのある顔立ち。頬骨とエラが少し張って顔の横幅が広いのですが、それによって童顔のような印象になっているので、かわいい系になりたい人からのリクエストが多かったです。リクエスト数自体は16年よりも増えましたね。マスコミ露出の多さも影響していると思います。
広瀬さんは芸能人の内でも人気が高く、うちに整形に来る10代20代の芸能人は「広瀬さんの目や鼻になりたい」という人がものすごく多いんです。その世代で一番活躍している女優さんなので、あやかりたい思いもあるようですね。来院する人はモデルやアイドルが多いですが、名前も知られていないような人から、トップクラスの有名人までもリクエストされますよ。広瀬さんと仲がいいとか、話したことがあるというだけで自慢になるくらい、芸能人にとっても憧れの存在のようです。
■2017年に驚いたリクエスト
逆に17年でいちばん驚いたのは、「歴史上の人物になりたい」というリクエスト。50〜60代の男性で、西郷隆盛や坂本龍馬になりたいという方がときどきいらっしゃいます。西郷さんなんかは想像上の顔といわれているのに……。
あとは、「渥美清さんになりたい」という方もたまにいますね。ある方は「寅さん」のような恰好をして来院されたのですが、渥美さんよりも目が大きかったので、開きを悪くしたり、横幅を狭めたりと、目を小さくする手術をしなければなりません。体形は似ていたし、整形すると元の顔より見劣りすることになるので、「お金をかけてまで似せなくていいんじゃない?」とお話しし、結局、頬にヒアルロン酸を注入して雰囲気を似せる程度に留まりました。
このような患者さんは、見た目をよくするよりも、憧れの人物に近づきたい、という思いのほうが強いんだと思います。好きな芸能人に髪形や服装を似せるのと同じ心境ですね。
ただ、中には冷やかしの方もいるんです。カウンセリングは無料なので、興味本位だったり、ムチャな注文にどれくらい応えてくれるか面白半分だったり……。そのような人のせいで、本当に悩んでいる人が予約を取れないなど、真剣に整形を考えている人の妨げになっているので、冷やかしはやめてほしいです。
■整形の繰り返しは危険
女性で驚いた患者さんは、2年おきに顔を変える人。時代の流れとともに「なりたい顔」が変わって、はじめはリア・ディゾンさん、その2年後は中島美嘉さん、さらに2年後には「L’Arc~en~Ciel」のハイドさんになりました。でも、その都度大掛かりな手術を望むのではなく、二重の幅をちょっとだけ広げたり、また狭くしたり、鼻を少し高くしたりと、微調整で理想の顔に近づけていく感じ。ただ、同じ場所を何度も手術すると、瘢痕が硬くなったり、傷痕が消えなくなったりするので、本来は一度できれいに仕上げるのが理想的なんですよ。
高須幹弥(たかす・みきや)
美容外科「高須クリニック」名古屋院・院長。オールマイティーに美容外科治療を担当し、全国から患者が集まる。美容整形について真摯につづられたブログが好評。
・公式ブログ