今週の注目記事・第1位
「ニトリ会長『2018年の日本経済』を大予測!」(「週刊現代」1/20号)
同・第2位
「貴乃花激白5時間『相撲協会は潰れたほうがいい』」(「フライデー」1/19号)
同・第3位
「トランプ大統領に『コーラ飲み過ぎ認知症トラップ』」(「フライデー」1/19号)
同・第4位
「知の巨人内田樹氏 ニッポン『絶望列島』化」(「サンデー毎日」1/21号)
同・第5位
「経済学の巨匠伊東光晴が本気の直言! 『アベノミクス続けば5年以内に財政破綻』」(「サンデー毎日」1/21号)
同・第6位
「トヨタ豊田章男社長と安倍官邸の攻防『3%賃上げ』は実現するか」(「週刊ポスト」1/12・19号)
同・第7位
「『負』動産を『富』動産に変える」(「週刊現代」1/20号)
同・第8位
「『あさイチ』降板の有働アナ、決定に至るまでの様々な葛藤」(「女性セブン」1/18・25号)
同・第9位
「土壇場のハリル降ろし勃発で本田、香川が代表復帰へ!?」(「週刊ポスト」1/12・19号)
同・第10位
「キタサンブラック“種”のお値段 武豊『国民栄誉賞』の“障害”」(「週刊ポスト」1/12・19号)
同・第11位
「厳冬更改『斎藤佑樹』のクリスマス実況中継『イブイブ合コン』午前3時の“熱投”」(「週刊ポスト」1/12・19号)
今週のワースト記事ナンバー1
「元自衛艦隊司令官・香田洋二氏『米朝戦争は必ずある。韓国にいる日本人はすぐ帰国せよ』」(「週刊現代」1/20号)
【巻末付録】現代とポストのSEXYグラビアの勝者はどっちだ!
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年もご愛読のほどお願い申し上げます。
昨年からいっているように、今年は週刊誌にとって正念場の年。スクープを飛ばしても減り続ける部数によって、減り続ける影響力。
反比例して上がり続ける定価は、今年中にワンコイン(500円)になるに違いない。今は少し高くはなったが、文庫本1冊と同じ値段になると、よほど魅力のあるスクープや記事がないと、買ってはくれないだろう。
文春も例外ではない。「創」(創出版)2月号によれば、新谷学編集長率いる週刊文春は、松井社長直轄になったという。
AERAが発行当時、社長直轄になっていたことはあるが、他誌では、寡聞にしてこういうことは聞いたことがない。
私は週刊現代育ちだが、昔は現代編集部は「治外法権」部署といわれていた。何人も、社長でさえもアンタッチャブルで、実際、中にいる我々もそう思い、肩で風を切って闊歩していた。
私が現代編集長のときは、重役たちも編集部に対してクレームやいいたいことがあっても、私のところへは来ないで、入り口から壁伝いに、担当役員の席へ行ってこそこそ話していた。
そういう「外面の恐さ」すべてがいいとはいわないが、週刊誌にはそういうところが必要だと思う。
社内の声を忖度しながら、上役の顔色をうかがいながらでは、いい記事はできないのではないか。
今では現代も、上の人間が現場に口を出し、特集の採否にも「御意向」を反映させていると聞いている。
いらぬ心配かもしれないが、いい意味で一般週刊誌の編集部は社内政治から独立し、外(読者)に向かって耳を目を開いていなければいけないと思う。
あらゆる意味で、文春、新潮、現代、ポスト、フライデー各誌の生き残りをかけた「戦争」が最終局面を迎える。生き残るのはどこだろう。
さて、そうした意味も含め、今年は週刊誌礼賛ばかりではなく、厳しい批判もしていこうと考えている。
その記念すべき第1回目が、現代の「元自衛艦隊司令官・香田洋二氏」の記事である。
この中で、香田氏は「米朝戦争は必ずあるから韓国にいる日本人はいますぐ帰国せよ」と断言している。
その根拠はこうだ。
「韓国では来月9日から25日まで、平昌オリンピックが開催されます。続いて3月9日から18日までがパラリンピックです。
しかしアメリカ軍は、毎年春に行っている大規模な米韓合同軍事演習を、オリンピック終了後の3月2日から4月24日まで行うと、昨年末に発表しました。文在寅(ムンジェイン)政権としては、パラリンピックが終了するまで合同軍事演習の開始を待ちたかったことでしょうが、アメリカが押し切った格好です」
北朝鮮の金正恩が、平昌五輪への参加を表明し、9日には南北の会談が行われた。
トランプ大統領も、これを歓迎するコメントを出しているので、会談の話し合いいかんでは、一時的かもしれないが、緊張が緩和される可能性はある。
このインタビューは、たぶん昨年行われたと思うので、前提が違ってきているのは仕方ないが、香田氏はこうもいっている。
「私は、北朝鮮空爆の可能性が最も高いのは、真夏の7月頃と見ています。
この頃、いよいよ北朝鮮が、アメリカ本土まで届く核ミサイルを完成させたと、トランプ政権が判断。またアメリカ軍も、北朝鮮の核やミサイルの保管場所、開発工場や発射台の場所などを、ほぼ正確に掴んでいることでしょう。
11月に中間選挙を控えたトランプ大統領も、夏に北朝鮮を攻撃することは、政権支持率を浮上させるために、もってこいのタイミングです」
まさにアメリカの属国・日本の自衛官のトップにいた人間のモノの見方丸出しである。
こうしたアメリカ盲従主義の人間は、空爆がもし始まっても、韓国は危ないが、日本は大丈夫だと、理屈に合わないことを平気でいうのである。
「私は現実的に見た時、北朝鮮のミサイルが日本列島に落ちる確率は、極めて低いと思っています。
それは、北朝鮮が日本へ向けてミサイルを発射することは、金正恩政権にとって意味がないからです。
日本各地に米軍基地がありますが、もし北朝鮮が在日米軍基地にミサイルを撃ち込めば、その時点でアメリカは北朝鮮に対する全面戦争に打って出ます。そうなれば、金正恩政権は崩壊するわけで、そのような自爆行為を、金正恩委員長が決断するとは思えません」
この御仁、こんなことを本気で考えているとしたら、失礼だが、軍人として優れた人間ではなかったのであろう。
すべての可能性を考え、最悪の事態を招かないようにするのが、司令官としての務めではないのか。
アメリカが空爆しても、北朝鮮は韓国は攻撃しても日本は攻撃しない。そんなことがある訳ないではないか。
トランプも金正恩も尋常な神経の持ち主ではない。その2人が核のボタンを手に持っているという「恐ろしさ」を考えれば、安倍晋三首相のような度量のない考え方ではなく、文在寅大統領のような「圧力と対話」路線であること、子どもでもわかる。
こんな発言を無節操に掲載する現代は明らかにおかしいと思わざるを得ない。
講談社で昨年1番売れた本はケント・ギルバートの『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』だという。
この本に対しては多くの批判が巻き起こっているから、ここでは触れないが、講談社OBの一人として、恥ずかしい。
平昌五輪へ北朝鮮が参加し、軍事演習をトランプが中止して、なんとしてでも金正恩を対話の席に引っ張り出す。これしか和平のための選択肢はない。
さて、注目記事へいこう。もはや「ハンカチ王子」といわれたことさえ遠い過去のことになってしまった。
大谷翔平や清宮幸太郎の陰に隠れ、年俸は5年連続ダウンの1,830万円(推定)。一軍最低年棒は1,430万円だというから、土壇場に追い詰められているはずの斎藤佑樹(29)だが、相変わらず、西麻布の会員制バーで、女の子を漁っているとポストが報じている。
昨年のクリスマス前夜のこと。そこには女性7~8人と斎藤たちの姿があり、シャンパンやテキーラのボトルを開け、カラオケで歌い、「ボッボッボボッボッボッボ・勃起」の大合唱。
午前を回り、帰ろうとした女性を斎藤が追いかけ、親密な様子で話していたが、結局、帰られてしまったという。
もはや、制球力がなくなった斎藤だが、女性を口説く神通力まで失ってしまったのだろうか。
星野仙一が亡くなった。享年70。まだ若い。長嶋や王が追悼の言葉をマスコミに出した。それだけではなく、多くの野球人、ファンが惜しんでいた。
これほど悼まれる男は、星野の後は、長嶋と王だけだろう。
私は巨人ファンだから、星野は嫌いだった。巨人が9連覇を成し遂げた時、2位の阪神は、中日と中日球場で対戦した。
中日に勝てば阪神が優勝だった。中日星野はもちろん阪神に勝たせたい。ど真ん中に絶好球を投げても阪神のバッターは、ガチガチで打ち損じてしまった。
その試合の最中、新幹線が球場を通って行った。中には巨人の選手たちがいた。
結局、阪神球場での最終戦に巨人は勝ち、9連覇を達成した。
そして翌年、10連覇を阻止したのは中日だった。
その後、阪神監督、楽天監督になり、東日本大震災の2年後に、星野・楽天は優勝した。
その頃だったか定かではないが、赤坂のホテルのエレベーターで星野と乗り合わせた。といっても口をきいたわけではない。
突然、星野が崩れるようにしゃがんでしまった。苦しそうな表情だった。一緒にいた人間が抱えて、連れて行った。
その頃から、星野は何か持病を抱えていたのではないか。
強気で、元気のいいところしか見せなかったが、愛妻に早く死なれ、私生活は孤独の影を宿していたようだ。
星野が亡くなって、これほど皆に愛されていたんだと知った。巨人ファンにはちょっと癪な男だったが、いなくなると寂しい男である。
お次は競馬の話題。年末の有馬記念を制し、キタサンブラックは引退して種牡馬になった。
ポストによれば、種牡馬の初年度の種付け料は1回50万から200万円が相場だというが、キタサンは700万円以上といわれているそうだ。
ちなみにディープインパクトの初年度は1,000万円で、現在は3,000万円だそうだ。
種牡馬として、その子どもが走れば種付け料も上がるが、キタサンはさほどの血統馬ではないから、私は懐疑的である。
キタサンと組んで、48歳ながら復活をアピールした武豊だが、前人未到のJRA4,000勝にあと50数勝で到達する。
そうなると「公営ギャンブル界初の国民栄誉賞」との声が日増しに高まっているというのである。
だがそれを阻むのが「女癖」だという。しかし、4,000勝はとてつもない大記録である。サッカーや柔道にあげたのだから、武豊にも与えるべきだと、私も思う。
お次もポスト。サッカー日本代表のハリルホジッチ監督への風当たりが強い。12月16日の韓国戦で1対4と惨敗してから、それがより強くなり、1月27日の次期会長選で、「反ハリル勢力」が候補を立て、勝てば、一気にハリル降ろしが始まるそうだ。
本田や香川を再び入れても、日本代表がさほど強くなるとは思えないが。
さて、今やNHKの顔になった有働由美子アナ(48才)が『あさイチ』を降板すると発表された。
決して美人とはいえない有働アナが、現役女子アナとして初めてニューヨークへ行ったり、NHKの紅白の総合司会をやったりと活躍できたのは、彼女の頑張りと、下ネタまでも朝のテレビで口にしてしまう、アッケラカンとした明るい性格によるのだろう。
女性セブンによると、静岡県内で空調設備会社を営む5才年下のA氏との遠距離恋愛も破局したという。
50近くなって、女としてどうこれから生きていくのか、NEWSポストセブンから引用してみたい。
「『同じNHKの青山祐子アナ(45才)は40才になってから4人の子供を産んで、6年近く産休育休を取っています。そんな年齢の近い後輩の生活を見て考えるところもあったでしょうね。有働さんは30代後半の時、NHK初の特例でアナウンサー職のままニューヨーク特派員として4年間むこうに行っていました。帰国したのがちょうど40才のときで、同時にあさイチに抜擢。早朝の帯番組を担当することは、気軽に夜の会食にも顔を出せず出会いもない。40才から48才までそんな生活を8年続けるなか、結婚や妊娠と自分のキャリアとの狭間で考えることもあったと思います』(NHK関係者)
最近になって、彼女は周囲に『結婚や出産は無理かなと思って、やっと気持ちが落ち着いてきた』と漏らしていたというが、その胸中をはかり知ることはできない。そして彼女は『朝の顔』を降りる選択をした。
『結婚や出産への気持ちの整理がどこまでついたかはわかりませんが、プライベートを充実させたいというのは心からの本音だと思います。この先50才を過ぎて女ひとりで生きていくことを真剣に考えたんじゃないでしょうか。
いくら人気アナとはいえ、50代目前の有働さんが帯番組のレギュラーをもつのはNHKでは珍しいことです。体力的にもキツい中で“現場仕事”を続けることは大きな負担になります。それに、自分がいつまでも現場にいることで、若いアナウンサーの活躍の場を奪ってしまっているという考えもあったようです。
同年代と同じように、管理職として局に貢献していくことが、跳ね返って自分のためにもなるというのが、決断の理由だったようです。有働さんは“ジムに通いたい”と話したりして、お金や時間を自分のために使いたいと考えているそうです』(別のNHK関係者)」
結婚しない女性が増えているといわれる。そうした生き方をしてきて、50路に差し掛かった時、ふと人生を振り返って、有働アナのように、何かを捨て、何かを選ぶ決断をするのは、男にはわからない大変なことだろうと思う。
有働アナには将来、NHK会長にという声もあるそうだ。そのための勉強を始めるのだろうか。
現代によれば、2019年には不動産バブルが必ず崩壊すると、巻頭で特集をしている。
例えば、住みたい街ランキングの上位に名を連ねる神奈川県川崎市・武蔵小杉は、この10年間で高層マンション17棟、総戸数約6,600戸が新たに作られ、ざっと2万人が移り住んだことになるという。
だが、駅は混雑する、タワーマンションのためにビル風がすごいと、苦情がしきりだそうである。
そのため、このままいくと不動産価値が暴落する危険があるというのだ。
一時は不動産が売れに売れ、地価が上がると騒いでいたのにどうしたのだ。
不動産コンサルタントの長嶋修が描く日本の不動産の将来像は暗い。
「シンガポール国立大学の清水千弘教授(現・日本大学教授)らの研究によれば、日本の住宅価格は2040年には、10年より46%下がるとしています。5000万円だった不動産が、2700万円に下がるイメージです。しかし、これはあくまで全国平均、私はこれからの不動産は、1.価格維持・上昇グループ、2.半値グループ、3.無価値・マイナス価値グループの3つに分かれていくと考えています」
長嶋によれば、最も多いのが、全体の7割を占める2の半値グループだという。毎年2~4%の下落を続け、20数年後に半額にまで下落するというのだ。
「問題は、全体の約2割を占める3.無価値・マイナス価値グループです。売ろうとしても引き取り手がおらず、固定資産税や維持管理にコストがかかるだけ。持っているだけで損をします。あるいは所有者が空き家の取り壊し費用を負担して、無料で聞き取ってもらうしかない。すでに地方の田舎では現実になっていますが、首都圏でも近い将来にはそういうところが出てきます。
たとえば、70~80年代に団塊世代が多く暮らした、かつてのベッドタウンがそうです。都心から30kmくらいのところにある、交通が不便な地域。具体的には神奈川県の相模原や埼玉県の大宮、千葉県の柏などです。こういう場所は団塊世代が一斉に移り住んだので、住む人がいなくなる時期も一気にやってきます。そういう土地を持っている人は、できるだけ早く売ったほうがいい。時間が経てば売れなくなるばかりか、持っているだけで損をします」
今年中に売るべきだと現代はいっている。
さらに、都内にまだ畑がある地域も、これから大変だそうだ。
東京都世田谷区の等々力は渋谷から電車で20分ほど。東急大井町線等々力駅を降りると、23区内とは思えないほどの自然が残されている地域だ。
ところがこれから「生産緑地の指定が解除」されると、途端に支払う税金が大きくなるという。
たとえば、評価額1億円の土地の場合、生産緑地なら年額7,000円だった固定資産税が、年額46万円に跳ね上がる。
平成27年の「都市計画現況調査」よれば、生産緑地は全国で1万3,400ヘクタール以上にもなる。
東京都だけでも3,296ヘクタールあり、仮に都内にある生産緑地がすべて宅地化された場合、約25万戸の一戸建て住宅が立つ広さに当たるという。
その結果、不動産価格が大暴落する。「2022年問題」と呼ばれているそうだ。
東京23区内で生産緑地が多いのは練馬区(189ヘクタール)、世田谷区(95ヘクタール)、江戸川区(64ヘクタール)。
さあ大変だが、不動産は買うより売る方が難しい。私の住んでいる中野区は、中野駅北口や哲学堂などには緑はあるが、生産緑地は少ないだろう。
私の家などは、猫の額にもならない庭と掘っ立て小屋だから、こういうことは心配ないな。うれしいのか、悲しむべきなのか。
安倍首相は年末はゴルフに興じていたらしいが、今年の秋には総裁選を控え、安倍の望み通りの「無風」ではないようだ。
それに、財界などもからも経済政策への不満が飛び出し、今年は厳しい政権運営が予想される。
ポストによれば、トヨタの豊田章男社長も、安倍が要求した「賃上げ3%」には、首を振るようだ。
自動車業界は100年に一度の大変革の時代に入ったと、豊田社長はいっていて、電気自動車や自動運転など次世代の技術に大規模な投資を行うと発表している。
こうしたことに投資するため、安倍のいうがままに賃上げすれば、人件費が足を引っ張ってしまう。
春闘相場のカギを握るトヨタが、3%賃上げはしないといえば、その影響は大きい。
安倍は固唾をのんで見守っていることだろう。
ここからはサンデー毎日に掲載された「知の巨人」たちの安倍首相の経済政策や日本の暗い未来についての考えを紹介したい。まずは大長老・伊東光晴の「本気の直言」。
「中曽根康弘政権がその典型だったように、過去の財産を食い潰してきた。国鉄、電電を民営化してその株を売却するなど、明治以来の財産を食い潰し、とりあえず今の生活を維持する、ということをしてきた」
「原子力発電と同じだ。原発は放射性廃棄物という処理不能のゴミを出しているが、何とかなるだろうと言って発電を続けている。このとりあえず主義は、日本の庶民の心に深く根差しており、それに対抗する明治以来の西洋合理主義と、さまざまなところでぶつかり合うが、ほとんどがとりあえず主義の勝ちとなっている。国債発行、原発……。皆、根っこは同じだ」
伊東がいっているのはこの二つ。日本人のとりあえず主義と、過去の遺産を食い潰して現在まで来てしまったということだ。
インタビューアーの倉重篤郎はこう結んでいる。
「アベノミクスは、日本の死に至る病だ、と私は書いたことがあった。成長至上主義という病と、次世代に対する過剰な依存症により、経済メルトダウンに至るような、とんでもないツケを将来世代に負わせているのではないか、という見立てである。伊東氏は『日本政治のとりあえず主義』が『未来を食い潰す』と表現された。同じことを言っている、と思っている」
次は内田樹。橋本治が書いた『九十八歳になった私』を取り上げ、こう論じている。
「日常を活写した小説の『あとがき』に橋本はこう書いている。
『「三十年後の近未来」を考えたら、今や誰だって絶望郷(ディストピア)だろうう。そのことを当然として、みんなよく平気でいられるなと思ったけれど、「じゃ、どんなディストピアか?」を考えたら面倒臭くなった(……)。「ディストピアを書くったって、現在の自分の立場を安泰にしておいて、暗い未来を覗き見るんだろう? それって、何かフェアじゃないな」と思い、「そうか、自分をディストピアにしちゃえばいいんだ」というところへすぐ行った』
橋本はここでとても大切なことを書いていると私は思う。それは『現在の自分の立場を安泰にしておいて』なされる未来についての想像は『フェアじゃない』。だから、同じように『現在の自分の立場を安泰にしておいて』なされる過去の回想も『フェアじゃない』のだと思う。
過去30年を振り返るとしたら、『こんな日本に誰がした』というような言葉づかいは自制すべきだろう。他ならぬ私たちが「こんな日本」にしたのである。
同じように30年後の日本について語るときも、それが絶望的な見通しであればあるほど、その社会でリアルに苦しんでいる老残の自分をありありと想像した上で、『そうなることがわかっていながら、止めることができなかった』私自身を責めるべきなのだ」
ここでも、とりあえず、まあいいか、と考える日本教が、未来を食い潰すといっている。
週刊現代の2017年12月16日号に載ったアメリカの投資家「ジム・ロジャーズ」の言葉を引用している(詳細は以前書いたので、バックナンバーを読んでください)。
ロジャーズは「このままいけば、いま日本人の10歳の子どもが40歳になる頃には、日本は大変なトラブルを抱えていることでしょう」といっている。
「投資家の言う『大変なトラブル』の一つはこれから後『無慈悲で不人情な社会』が行政主導・メディア主導で作り出されてゆくだろうということである。それについての危機感が今の日本人には感じられない。だから、この暗鬱な予測は高い確率で実現すると思う」
編集者というのは、自分が思っていること、いわなければならないことを、他人の言葉をもって、いう仕事である。
私も根っからの編集者だから、こうして、いろいろな雑誌から「引用」するもののいくつかは、自分が考えていること、自分が今いわなければならないことを、他人の言葉を用いていっているのである。
伊東や内田がいっていることは、いま生きている日本人は、各人が切実に自分の30年後を思い描くべきだということだ。
もはや手遅れだろうが、それでも、しないよりしたほうがいい。
この国は荒れ果て、人心は荒廃し、財政は破綻し、病人や足腰の立たない年寄りは放置しておかれる。
少しでもそうならないために、いまどうするか。わかりきったことである。安倍のやっている財政再建そっちのけの金融垂れ流し政策をすぐに止めさせ、大企業や金持ちに対する税金を増やすことである。
GDPの2倍になる1,000兆円の借金について、子どもから年寄りに至るまで、どういうことか教育することである。
そうすれば、少子高齢化は止められないが、財政破たんはかろうじて回避でき、弱者救済政策もかろうじて継続できるかもしれない。もはや時間はない。考えよう、自分の10年後、20年後、30年後を。
閑話休題。「介助する僕の背中に手を回しラストダンスと戯(おど)けた妻よ」(『週刊朝日』1/5・12号の永田和宏氏と知花くらら氏との対談より)
こんな歌が目にとまったのも、自分の老いを切実に感じているからであろう。
昨年から、左腕が上がらなくなった。整形外科医はMRIやレントゲン写真を見て、首の神経からきているのだろうというが、クスリを飲んでいるが一向に良くなる気配がない。
すると年末から、腰が痛みだし、歩行がやや困難になってしまった。これは貼り薬でよくなってきたが、やれやれである。
若い頃はダンス教室に通い、ワルツやジルバ、ルンバなどをダンスホールで踊っていたこともある。
特にジルバやルンバ、マンボが好きだった。そんなことを思い出しながら妻の背中で「ラストダンス」を踊る日も近いと思うと、同じように、部屋をヒョコヒョコ歩く老犬が愛しくなる。
だいぶ前に、劇団四季の浅利慶太さんに、「元木君、60代と70代は違うよ」といわれた。
浅利さんは80歳を超え、やや認知症が出てきているようだ。私も、次々に出てくる体の不具合に60代との違いを痛感する日々である。
ところで、トランプ米大統領の暴露本が発売され、爆発的に売れているという。
タイトルは『炎と怒り』。トランプの側近だったバノン前首席戦略官の話を中心に、200人以上を取材したジャーナリストのマイケル・ウルフ氏が書いたものだ。
トランプ氏の弁護士が出版社に出版差し止めの通告書を送ったが、出版社側は逆に前倒しして発売したそうだ。
トランプはこの暴露本を「いんちき本」とし、トランプの親族を批判するバノン発言を「汚いスティーブ・バノンとして知られる情報漏洩者」とこき下ろしている。
これは暴露本ではないが、フライデーが、トランプ大統領はダイエットコーラの飲み過ぎで、認知能力が下がっている可能性があると報じている。
アメリカ内では「ジャンクフード大統領」とあだ名がついているほど、ジャンクな食べ物が好きで、コーラは日に12本も飲むというのである。
脳神経科学に詳しい米山公啓医師はこういう。
「今の症状を見ると、トランプ氏は『多発性脳梗塞』を発症しており、これによって口、舌、咽喉などの運動障害である『構語障害』が起きている可能性があります。さらに、脳梗塞が悪化すれば『脳血管性認知症』に罹患するリスクも十分にある。今後、性格が異常に攻撃的になったり、判断能力や認知能力が著しく低下したりするかもしれません」
もしこれが事実なら恐ろしいことである。
核のボタンを持った人間が認知能力を低下させたら、何が起こるのか。考えたくもない、だが、そうと思える言動や振る舞いがあることも事実である。
これこそ世界が直面する「今そこにある重大な危機」なのかもしれない。
トランプがいよいよ危ない。認知症うんぬんの問題もあるが、ロシアとの選挙中の関わりが、司法によって明らかになる可能性が高い。日本は早くトランプ離れをしなければ、日本もトランプの政権崩壊の渦に巻き込まれる。
もうすぐ大相撲初場所である。白鵬を筆頭にしたモンゴル勢と、それに反旗を翻している他の力士たちとの「ガチンコ相撲」が始まれば、ただでは済まない。
こうしたしこりを残したまま、場所を開催するのは止めたほうがいいのではないか。
この状態を膠着させたままなのは、貴乃花が何もいわないからだが、実は、週刊誌を使って、自分のいい分を一方的に語っているのだ。
今週もフライデーが、貴乃花5時間インタビューというのをやっている。
慌てて読んでみたが、何のことはない、いつものお約束通り、貴乃花の支援者が、貴乃花から5時間聞いたという体裁になっている。
もし、こうした形で貴乃花の発言が大きな問題になっても、自分は週刊誌に何もしゃべっていないと逃げるつもりなのではないか。
なかなかの問題発言が山盛りなのだ。まず、「こんな相撲協会なら、潰して新しく作るべきだ」という発言。
貴乃花の心配は、貴ノ岩が相撲界に戻れるかだという。マスコミに追われて医者にも行けないそうだ。
次の問題になりそうな発言は、1年前の初場所、稀勢の里と優勝争いをしていた白鵬が、貴ノ岩に「星を売れ」と、付き人を通して連絡してきたというのだ。
貴ノ岩は、それを察して電話に出ず、白鵬との対戦で白鵬を破り、稀勢の里の優勝に貢献した。
さらなる爆弾発言は、両国国技館の改修工事で怪しいカネの動きがあった、モンゴル人力士が強姦事件を起こしたが、それを理事が奔走してもみ消したというものである。
相撲協会を潰すというのはともかく、白鵬が貴ノ岩に星を売れといってきたという八百長疑惑、モンゴル人力士の強姦事件は、事実なら、相撲をやっている場合ではない。
貴乃花は、堂々と会見を開いて、この問題を話すべきだ。週刊誌を使って、自分の勝手ないい分だけをいっているとしたら、理事降格では済まない。
早くこうした問題に決着をつけないと、土俵に血が流れるかもしれない。
さて今週の第1位。現代がニトリ会長の似鳥昭雄に2018年の日本経済を大予測させている。
ニトリホールディングの東京本部(東京・北区)の応接に姿を現した似鳥会長は早速、こういった。
「今の相場それほど長く続かないと思うんです」
昨年は株高・円安が進み、日本の株価は16連騰を記録した。だが、18年以降はそうはいかないというのである。
「確かにいま株価は高くなっていますが、私は日本の株価、為替を予測するには、アメリカの動向を読むことが最も大切だと思っています。
そのアメリカは景気拡大局面が100ヵ月以上空続いていますが、戦後、これほど長く景気拡大局面が続いたのは過去にほとんどなくて、本来であればもう下降局面に入っていてもおかしくない。
それが17年1月にトランプ政権が誕生して、『アメリカファースト』との掛け声が国民の期待感を引き上げたことで、景気が持ち直した。
おそらく、アメリカは18年中に下降局面に入るでしょう。トランプが掲げた政策はうまくいかない。今は法人税減税に沸いていますが、じつは別のところでは増税しているのだから、冷静に見ると経済効果はあまりない。
そうした政策への期待感がなくなるのが18年中だと思います。当然、アメリカ経済が失速すれば、日本の株価、為替市場には影響が出てきます。
私の見立てでは、その失速がハッキリしてくるのは18年の第3四半期(10~12月期)くらい。そこから第4四半期(19年1~3月期)にかけて、状況はだんだん悪くなっていく。
その動きに連動して、まず為替市場が円高に振れていく。18年は1ドル=100円近くまでいく場面もあるかもしれませんが、年末に1ドル=105~108円前後というのが無難な予測ではないでしょうか。
円高によって株価も低迷し、日経平均株価は2万円を切るのではないか」
それに消費者の消費傾向が変わってきたという。日本の消費は縮んでいるそうだ。
「一方、唯一と言っていいほど消費が増えているのはスマホなどの通信費です。00年から16年の消費支出の変化を見ると、『通信・光熱関連』は10.1%の伸びですが、衣食住の衣は32.1%減、食は3.9%減、住は17.9%減。これが現代の消費の姿です」
訪日する外国人のインバウンド消費は伸びているがという問いには、「インバウンド消費は、いつ引いてもおかしくない。日本人もバブル期に欧米に旅行して爆買いしていましたが、今はしていない。同じようにインバウンド需要もいつかなくなるでしょう。結局、給料が上がらないと消費は増えない」。
似鳥は、毎年1,300人ほどの社員とともにアメリカに視察調査に出かけるという。去年の視察で最も印象的だったのは、アマゾンVSウォールマートの2強対決だった。
「アメリカはもう大変ですよ。17年にアマゾンが約460店ある高級スーパーマーケットチェーンのホールフーズ・マーケットを1兆5000億円で買収したのは有名ですが、買収から数ヶ月もしないうちに、そのリアル店舗で値下げを始めているんです。
それに対抗するように、ウォールマットも約3800億円でネット企業を買収してネット通販を強化し、独自の配送網も整備するなど大改革を推し進めている。さらに、ウォールマートはこれまでは4000坪前後の巨大店舗を構えていたのが、食品中心の1000坪規模の新店舗の出店を加速させている。
ネットでもリアルでも巨大企業同士が真っ向対決しているんです」
2強が値下げ競争をしていることで、アメリカでもデフレが顕在化してきたという。
「一言で言えば、いまアメリカで起きているのは『寡占化』です。強い企業は業界の垣根を越えてよその業界も浸食しながら、さらなる巨大企業へと膨れていく。
勝ち残れるのはそのトップだけで、ほかは市場からの退場を余儀なくされる。業界が丸ごと消えてしまうところも出てくる」
似鳥会長は、今はまさに「戦国時代」だという。有名企業であっても倒産、吸収合併される事例はどんどん増えていく。この時代が始まるのが18年で、19年、20年にかけてより激しくなっていくと予測する。
株が上がったと浮かれているのは、今だけなのかもしれない。
【巻末付録】
ポストは堂々と「本誌は今年も『読む勃起薬』宣言!」をしているが、今週の現代には「女性器」「SEX」の文字が表紙にない(先週号にはヘアヌード、セックスの文字あり)。
やや自粛ムードか?
現代に松坂慶子の15年ぶりという撮り下ろしグラビアがある。私の7歳下だから、いい年になるが、まだその色香は褪せていない。
私が、松坂慶子に会ったときは30代半ば。「婦人倶楽部」という雑誌のグラビア取材で会った。
赤坂の山王神社で撮ったと記憶している。松坂は20代の後半。抜けるような肌と濡れた瞳が素敵だった。
撮影が終わり、近くの喫茶店でお茶を飲んだ。二人席で向かい合った。こちらの話を聞いている時、彼女のうるんだ瞳が私を勘違いさせる。
彼女はひどい近視で、そのためにじっと見ていると自然に涙目になると後から聞いた。
あの目にじっと見られたら、死んでもいい。そう思ったが、以来、年賀状のやりとりはしていたが、会うことはない。
親との確執、結婚生活、実生活は波乱にとんだものだった。もう一度会ったら、あなたの人生は幸せだったか、聞いてみたい。
他は「実録官能小説 痴情の楽園」。警部と婦人警官のお話。「金子智美 これが私の『CKB(チクビ)』」。「2017年の日本一に輝いた 吉高寧々」。「新宿歌舞伎町」。
袋とじは「京のお茶屋で『お座敷遊び』」。多少お茶屋遊びはしたが、こんなエロティックな遊びはしなかったな。
芸者さんと寝るときの、帯を解く音が何ともいえない。
ポスト。袋とじ1は「美女20人と夢の『姫始め』」。2は「裸に割烹着を着る女将」。
3は「史上最高の名器6人大解剖」。これには膣の中を撮れるカメラを使って撮影した映像が載っているが、なんだかわからない。
4は「超高額限定写真集の秘蔵ヘアヌード」。合併号だけに頑張ってはいるが、新味はない。よって今週は引き分け。
(文=元木昌彦)