飽食から美食の時代に変わったニッポン。ラーメン屋だってカレー屋だってパン屋だって、おいしくて当然! でも、舌だけじゃなくて目でも楽しめたら、もっとおいしくないか!? そんな変なグルメ、おもしろグルメを探訪する! B級グルメなんて恐れ多い。珍級グルメでいいですぅ~。
湘南にも近い藤沢で、美味しいと評判のラーメン店に、変わり種ラーメンがあるらしい。そう聞けば、名物の「しらす」を何かしらアレンジしているかと思うだろう。だが、目の前に着丼したのは、今まで見たことも聞いたこともないラーメンだった!
「ラーメン、つけ麺、僕イケメン」って、最近元気のない某芸人は言ってたけど、これはナニ麺に入るのだろうか?
店構えからして「ザ・寿司屋」という雰囲気の店に入ると、店内にはL字型のカウンターと小上がりが。もはや、元寿司店というのは明らかで、以前、カウンターの上にあったであろうガラスのネタケースは、モザイクタイルと白木のカウンターにリニューアルされている。
グルメな方なら、看板メニューの鮮魚出汁や鶏出汁のラーメンを頼むのだろうが、この企画はそっちじゃない。小さな券売機で買ったのは、「ちらし麺・竹」のチケットだった。果たしてどんなユニークラーメンが現れるのか……。
ま、おおよその見当はついてましたよ。だって、「ちらし麺」てくらいだから。
にしても、いくら元寿司屋だからって、「中華麺とのマリアージュはどうなの?」ってのが正直な感想だ。
「よく混ぜて食べてください」
店主にそう言われ、普通のラーメンならまずはスープからズズッと行くところ、何が入っているのか具材の調査から開始した。

最初に目に入ったのは、半分に切られた煮玉子。半熟よりは固めだ。

その下にあるのは白ゴマの乗った細切りの油揚げ。だし汁が染みている。

その下には、鮮やかなオレンジ色に染まった、とびっこが。

そして、9時の方向にたっぷり盛られているのは、マグロの中落ち。こりゃうまそうだ。その他、つくねにネギ、海藻が乗っかっているその下にあったのは……、

しらすでも酢飯でもなく、ちゃんと中華麺が隠れていた。
綺麗に盛り付けられた麺を、店主が言う通り、丼の下にあるタレを持ち上げるように、よく混ぜ、混ぜ、混ぜると、中落ちもとびっこも海苔も一緒くたに麺に絡まってくる。

「これって、果たしてうまいのか?」
中落ちは中落ち、麺は麺で食べた方が良かったかもと一瞬後悔した。しかし、創作者の意思を尊重して、ひと箸口に運んでみると……。
「あれ、おいしいじゃん」
ピーナツの香り漂うオイルと、甘くてしょっぱくて少し酸っぱい絶妙なタレが麺と具材といい感じに混ざり合い、かなりうまいのだ!
「このマリアージュ、失敗じゃね?」
と思っていたが、結果、大成功。冷やし中華とも違う、和風の魚介まぜ麺で、特に、麺に絡みついたとびっこの食感がバツグン! コリコリカリカリと奥歯から軽やかな音楽が聞こえてくるようだ。
「松」にはその日次第で刺身やホタテが入るようだが、筆者は竹で十分、ちらし麺は楽しめると感じた。次回はぜひ、企画は抜きにして温かいラーメンを食べに来てみたい。ちらし麺、うもうございました。
藤沢 鮮魚鶏出汁麺 沢むら 「ちらし麺 竹」900円
SNS映え ☆☆
味 ☆☆☆
雰囲気 ☆☆☆
(写真・文=よしよし)