ダメ人間の肥大化した承認欲求が巨大怪獣に変身!? アンハサ主演作『シンクロナイズドモンスター』

 アン・ハサウェイ主演の『ゴジラ』が企画されているという噂が流れてきたのが2~3年前。スペイン出身の新鋭ナチョ・ビガロンド監督のオリジナルストーリーによるぶっ飛んだ内容になるらしいと聞いて、「う~ん、大丈夫か?」と思っていたところ、当然ながら東宝からクレームが入った。その結果、怪獣や物語の設定は大幅に変更された模様。そんなこんなで、いろいろあった末に完成したのが、カナダ映画『シンクロナイズドモンスター』(原題『COLOSSAL』)。SF映画の古典的名作『禁断の惑星』(56)と不条理ドラマ『マルコヴィッチの穴』(99)を掛け合わせたような、懐かしさと奇妙さが漂う超ユニークな怪獣映画として、日本公開される運びとなった。

 物語はこんな感じ。主人公のグロリア(アン・ハサウェイ)はNYでそこそこ活躍しているウェブ系のライター。ところが、グロリアの書いた記事が大炎上を起こしたことから、グロリアは会社をクビになってしまう。30歳を過ぎて無職となり、毎晩のように呑み歩くグロリア。同棲中の恋人ティム(ダン・スティーヴンス)から三行半を突き付けられ、アパートから追い出されるはめに。生まれ故郷に帰ってきたグロリアは、幼なじみのオスカー(ジェイソン・サダイキス)が営むバーでウエイトレスとして働き始めるも、やっぱり朝まで呑んだくれる生活。そんなある日、韓国のソウルに巨大怪獣が現われ、街で暴れ回っている映像をテレビのニュースが伝えた。その怪獣を見て、グロリアはびっくり。頭をよく掻く彼女の癖を、怪獣はまったく同じように真似ていたからだ。

 

 理屈は分からないが、小さい頃から遊んでいた近所の児童公園の砂場にグロリアが足を踏み入れると、巨大怪獣がソウルに出現するらしい。砂場でグロリアが踊れば、怪獣もソウルで地響きを立てて踊る。酔ったグロリアが砂場でコケれば、怪獣もコケてビルを崩壊させてしまう。自分だけの秘密にできず、オスカーを公園に呼び出して打ち明けたところ、今度は何と巨大ロボットも出現! オスカーの動きに合わせて、この巨大ロボットは動き始める。グロリアもオスカーも首をひねるが、それ以上にソウル市街は蜂の巣を突いたような大騒ぎとなってしまう。

 こんなヘンテコな怪獣映画を生み出したナチョ・ビガロンド監督は、1977年のスペイン生まれ。パソコンの画面上で物語が進んでいく前作『ブラック・ハッカー』(14)も、かなり風変わりなテクノサスペンスだった。オムニバスホラー『ABC・オブ・デス』(12)では、日本の誇る奇才・井口昇監督らと競作。低予算を逆手にとった奇抜なアイデアで勝負する作風は、『片腕マシンガール』(08)が世界的なヒットとなった井口監督にも共通するもの。ひどく乱暴に言えば、“スペインの井口昇”がハリウッドのトップ女優と撮った低予算怪獣映画が『シンクロナイズドモンスター』ということになる。『ダークナイト ライジング』(12)でのキャットウーマン役、『ラブ&ドラッグ』(10)での脱ぎっぷりも良かったアン・ハサウェイの守備範囲はこちらの想像以上に広かった。ぜひとも、井口監督の新作にも出演してほしい。

  初代『ゴジラ』(54)は原水爆がもたらす恐怖のメタファーだったように、庵野秀明総監督の『シン・ゴジラ』(16)は制御不能状態に陥った原発事故のメタファーとして東京に襲い掛かった。ポン・ジュノ監督の『グエムル 漢江の怪物』(06)は韓国に駐留し、化学薬品を垂れ流す米軍基地に対する怒りのメタファーだった。映画の中の怪獣たちは、その時代を生きる人々の心の中に潜む浄化されない衝動としてスクリーン上で暴れ回る。では、ナチョ監督が本作に登場させた巨大怪獣や巨大ロボットはいったい何のメタファーなんだろうか?

 ナチョ監督が本作で描く巨大怪獣は、放射能や軍事基地よりもっと身近なものの成れの果てだ。NYで夢破れて田舎に帰ってきたグロリアの過剰な自意識、故郷からずっと出ることができなかった幼なじみのオスカーの溜め込んできた承認欲求といったものがモンスター化して、ソウル市街に出現することになる。米国から見れば、地球の裏側にある遠い韓国はネット上のSNS世界と大して変わらない。グロリアやオスカーは日常生活で抱いているストレスを、巨大怪獣・巨大ロボットを操ることで解消しようとする。一度でも巨大化する快感を覚えてしまった自意識&承認欲求はどんどん膨張する一方で、コントロールすることが難しい。やがてこの巨大怪獣と巨大ロボットは、グロリアとオスカーの潜在意識に感応して、ソウル市民を悶絶させる大バトルをおっ始める。

 東宝からゴジラキャラクター使用のNGを出されたことからデザイン変更された巨大怪獣だが、顔の造形は『ウルトラマン』(66~67)の第1話「ウルトラ作戦第一号」に登場した宇宙怪獣ベムラーにちょっと似ている。ちなみに、大人になれずにいる主人公たちの潜在意識が大怪獣を生み出すという内容は、二次元怪獣ガヴァドンが登場した『ウルトラマン』の第15話「恐怖の宇宙線」(実相寺昭雄監督!)を彷彿させる。その一方、破壊される街は『ゴジラ』シリーズで何度も破壊された東京ではなく、お隣の韓国ソウルに変更。そのため、ますますシュール度が増したかっこうだ。

 肥大化して暴れ回る自意識や承認欲求にはどう対処すればいいのか。この巨大怪獣、うまく飼い馴らすのはけっこー面倒である。いちばんの安全策は、SNSと同様に酔っぱらった勢いで公園には立ち入らないで、ということだろう。
(文=長野辰次)

『シンクロナイズドモンスター』

製作総指揮/ナチョ・ビカロンド、アン・ハサウェイ
監督・脚本/ナチョ・ビカロンド
出演/アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス、オースティン・ストウェル、ティム・ブレイク・ネルソン
配給/アルバトロス・フィルム 11月3日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラスト渋谷ほか全国順次ロードショー
(c)2016 COLOSSAL MOVIE PRODUCTIONS,LLC ALL RIGHTS RESERVED.
http://synchronized-monster.com

 

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1億7,000万円横領被害のデヴィ夫人が悔しがらないワケ

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎いつみても波瀾万丈
 事務所の元経理担当に1億7,000万円もの横領をされていたデヴィ夫人。本人も腹は立てているのだろうが、腹立ちよりも、1億7,000万もの額を横領されたことを吹聴できる機会を得た恍惚の方が、ちょっと勝っている感じ。

 「今の家に入りきらない大きい絵を飾れる家が、1軒建てられたわ」と残念がってみせる夫人。しかし、あくまでも残念がるだけ。悔しがりはしない。「1億7,000万あったら家は1軒どころか何軒も建つわ!」という庶民からのツッコミも、きっと想定内のコール&レスポンス。

 この件で「1億7,000万横領されても気づかないくらいの収入がある」ということを広く喧伝できた夫人。元経理担当の派遣元とワーキャーやってるのも、金を取り戻すための必死の行動というよりは、「何か目の前にあるものにすぐ噛みつく」という、いつもの彼女の気質によるもの、という印象。

 デヴィ夫人の脳内フィルターを通せば、起こる出来事の何もかもが、人生演出の1コマに過ぎない。コパカバーナも大津いじめ裁判も「波瀾万丈なわたくしのワンダフルライフ」の一場面か。ざっくりしてんなぁ。そういうとこが、チョロまかされた原因だと思うのだが。そしてワンダフルライフは続く……。

◎ブーム終了?
 年賀はがきのCMに登場したひふみん。テレビに映るたび、見る側の意識は彼の鼻の穴ばかりに集中してしまうわけだが。今回、例の状態は確認されなかった。そりゃそうだ、CMだもの。

 かわいらしい容姿と、変わり者キャラ、話題性ともに三拍子揃って、本来ならもっとCMにひっぱりだこの逸材になれたと思うのだが。あの密集した鼻毛が、彼のCMタレントとしての可能性を奪ったと思う。

 バラエティなら鼻毛が映っていても笑い飛ばして終わりだが、CMはねぇ。映ってなければないで、今回の年賀はがきCMのように「CGで消したのかな」ってことばかりが気になるし。映ってなくても、食べ物飲み物は衛生的にちょっと食指が動かなくなるし。

 惜しい。ナベプロも、もうちょっとのびしろがあると期待して契約したと思うのだが。CMに使えないとなるとなぁ。例のにゃんこスターも、テレビのバラエティでどこまで使えるか未知数だし。勇み足が続くナベプロの契約状況。西村賢太も、最近見なくなったなぁ。

◎NHKの貴公子
 『クローズアップ現代+(プラス)』(NHK)で、「Choo Choo TRAIN」(チューチュートレイン)の曲に乗せ、ヒップホップダンスを踊らされていた武田真一アナウンサー。なんかこう、NHKの「間違ったバラエティ化」による損失が、どんどんえらいことになってる気が。『クローズアップ現代』って、こんな『ためしてガッテン』(同)みたいなベクトルの番組じゃなかったし、武田アナだって、長年キャリアと功績積み上げたというのにこの扱い、泣いてると思う。

 『クロ現』だけじゃない。全体的な民放の猿マネは今すぐやめて、本来の立ち位置に戻って欲しい。国谷裕子キャスターを返せ! 武田アナを壊すな! もう新手のパワハラだってこれ。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

1億7,000万円横領被害のデヴィ夫人が悔しがらないワケ

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎いつみても波瀾万丈
 事務所の元経理担当に1億7,000万円もの横領をされていたデヴィ夫人。本人も腹は立てているのだろうが、腹立ちよりも、1億7,000万もの額を横領されたことを吹聴できる機会を得た恍惚の方が、ちょっと勝っている感じ。

 「今の家に入りきらない大きい絵を飾れる家が、1軒建てられたわ」と残念がってみせる夫人。しかし、あくまでも残念がるだけ。悔しがりはしない。「1億7,000万あったら家は1軒どころか何軒も建つわ!」という庶民からのツッコミも、きっと想定内のコール&レスポンス。

 この件で「1億7,000万横領されても気づかないくらいの収入がある」ということを広く喧伝できた夫人。元経理担当の派遣元とワーキャーやってるのも、金を取り戻すための必死の行動というよりは、「何か目の前にあるものにすぐ噛みつく」という、いつもの彼女の気質によるもの、という印象。

 デヴィ夫人の脳内フィルターを通せば、起こる出来事の何もかもが、人生演出の1コマに過ぎない。コパカバーナも大津いじめ裁判も「波瀾万丈なわたくしのワンダフルライフ」の一場面か。ざっくりしてんなぁ。そういうとこが、チョロまかされた原因だと思うのだが。そしてワンダフルライフは続く……。

◎ブーム終了?
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 かわいらしい容姿と、変わり者キャラ、話題性ともに三拍子揃って、本来ならもっとCMにひっぱりだこの逸材になれたと思うのだが。あの密集した鼻毛が、彼のCMタレントとしての可能性を奪ったと思う。

 バラエティなら鼻毛が映っていても笑い飛ばして終わりだが、CMはねぇ。映ってなければないで、今回の年賀はがきCMのように「CGで消したのかな」ってことばかりが気になるし。映ってなくても、食べ物飲み物は衛生的にちょっと食指が動かなくなるし。

 惜しい。ナベプロも、もうちょっとのびしろがあると期待して契約したと思うのだが。CMに使えないとなるとなぁ。例のにゃんこスターも、テレビのバラエティでどこまで使えるか未知数だし。勇み足が続くナベプロの契約状況。西村賢太も、最近見なくなったなぁ。

◎NHKの貴公子
 『クローズアップ現代+(プラス)』(NHK)で、「Choo Choo TRAIN」(チューチュートレイン)の曲に乗せ、ヒップホップダンスを踊らされていた武田真一アナウンサー。なんかこう、NHKの「間違ったバラエティ化」による損失が、どんどんえらいことになってる気が。『クローズアップ現代』って、こんな『ためしてガッテン』(同)みたいなベクトルの番組じゃなかったし、武田アナだって、長年キャリアと功績積み上げたというのにこの扱い、泣いてると思う。

 『クロ現』だけじゃない。全体的な民放の猿マネは今すぐやめて、本来の立ち位置に戻って欲しい。国谷裕子キャスターを返せ! 武田アナを壊すな! もう新手のパワハラだってこれ。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

綾野剛×星野源が、まさかのBL的展開に……『コウノドリ』損をするのはナオト・インティライミだけ!?

 周産期医療センターを舞台に、出産にまつわるこもごもを、優しく厳しく描く医療ヒューマンドラマ『コウノドリ』(TBS系)。今回も、視聴率は11.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と横ばいで安定。第3話を振り返ります。

 

■さて、今回のゲストは……

 

 出だしから山崎麗子(川栄李奈)と山崎友和(喜矢武豊/ゴールデンボンバー)の派手な茶髪夫妻が登場。診察室でも2人してツバのまっすぐなピカピカのキャップを被り、きゃっきゃとしている、いわゆる「今どきの若者ってこうでしょ?」的なカップルだ。

 そんな麗子は、肺動脈狭窄症という心臓の弁が狭くなっている持病のため、産科の主治医・鴻鳥サクラ(綾野剛)に無痛分娩で出産するよう進言される。今は治療により日常生活には影響なく暮らしているが、自然分娩での力みや陣痛は、心臓に過剰な負荷がかかるため、麻酔で痛みを逃す無痛分娩が必要とのこと。鴻鳥のそれなりに噛み砕いた説明を聞いても、全く理解できなかった麗子だが、友和の「心臓がグアーーーってなるのを、ぱぁ~って少なくしてお産」という通訳を聞き「無痛分娩、超ちょー神!」と歓喜、純粋に幸せそうだ。

 川栄は、ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)での元ヤンの大工役や、auのCMでの乙姫役など、「ちょっと抜けてるけど根はいい真っ直ぐな今どきの娘」を演じるのがハマり役で、今回もその路線と言える。

『フランケン~』では主演が同じ綾野剛だが、川栄が同じタイプの役なのに対し、綾野は人間になりたい心優しき人造人間の役だったので、どちらも優しさが強調されてはいるものの、怪物→産婦人科医というギャップがすごい。

 一方、第1話からずっと出演している、佐野彩加(高橋メアリージュン)。かねてより不安視されていた生まれて間もない子どもの持病(心臓に小さな穴があく=心室中隔欠損)が、さほど問題ないということがわかったばかりなのに「すぐに子どもを保育園に預けても平気か?」「仕事に復帰したいのに、だいぶ遅れてしまっている……!」と、我が子の健康状態には目もくれず、職場復帰への焦りが以前にも増して高まっている模様。今回診察を受け持った新生児科医・白川(坂口健太郎)も、子どもの顔をまるで見ようとしない佐野に動揺を隠せない。

 助産師・小松(吉田羊)は、かねてから佐野の精神状態を心配しており、ロビーで偶然遭遇した際も「産科に顔出してかない?」「何か困ったことない?」と声をかけるが、当の佐野は「もう産科の検診の時期は終わりましたよね……?」「なんか私、心配されてるんですね(笑)」と、心配されている自分にピンと来ていない。

 心ここにあらずといった様子で立ち去る佐野の後ろ姿に、鴻鳥はかつての患者・三浦芽美(松本穂香)の姿をオーバーラップさせる。初回から何度も回想で短く登場しているこの女性のことはまだよくわからないが、佐野の状態と関連があるようだ。

 

■最強の無神経コンビ

 

 良かれと思って突如来宅した佐野彩加の実母。連絡もなく来ておいて、部屋が汚いとか髪がボサボサだとか、精神的に参ってる実の娘を、冗談まじりながら無神経に責め立てる。母乳をあげていないことや、保育園に預けて仕事復帰しようとしてることを知ると、さらに実母の無神経攻撃はヒートアップ。

「(会社に)あんたがおらんでも大丈夫なんじゃないん?」

「仕事はあんたの代わりはおる。だけど母親の代わりはおらんで?」

「お産のギリギリまで働いておったけー、こげーなこと(子どもの心臓疾患)のになったんじゃないの?」

 まったく自分の現状を理解しようとしてくれない身内からの責め立て。方言のフランクさが、逆に神経を逆なでするように使われ、この地域(どこかはわからないようにしてる気もする)ごと嫌われてしまわないか不安になるほどの傍若無人ぶり。しかしこれは、実は“子育てあるある”なのであろう。実母に言われてこれだから、義理の母にでも言われたらと思うとゾッとする。

 後日、なかなか決まらない保育園探しにイラつく佐野に、帰宅した夫(ナオト・インティライミ)が「(仕事)復帰は、もっとゆっくりしてからでもいいんじゃない? そんな焦らなくてもー?」と、軽い気持ちで言ってしまう。悪気はないのだが、この夫は初回から基本ずっと佐野(妻)の地雷を踏み続けている。演じるナオトの好感度が下がらないか心配なほどだ。

「焦るに決まってるじゃない! 早くしないと今のポジションがなくなっちゃう、もうデッドラインだって言ってるでしょ!?」

 仕事を持つ女性が感じる、職場から離れていく焦りが沸騰する。

 佐野(夫)はブチ切れた妻に一瞬面食らいながらも、さすがの無神経さで立て直そうとする。

「何でそんなイライラしてんのぉー?」

「出産してから性格変わったよー?」

「このままじゃ俺しんどいよ」

 このイライラが限界のところに子どもが気管支炎を起こし、母である佐野は、診察中に「なんで私の邪魔するの……」とつぶやいてしまうほど、危険な精神状態に。

 佐野(夫)は、義母が来た際も多少は妻を気遣うそぶりを見せたが、義母が娘の彩加を下げる言い方をした際、「大丈夫です、僕会社では『イクメン』って呼ばれてますから(笑)」という冗談を発し、悪気はないのに例によって逆鱗に触れてしまう。嗚呼……。

■対照的な患者

 

 いくら心配しても、医師や助産師たちに甘えずに塞ぎ込む佐野に対し「家の近所で火事を見たためアザのある赤ちゃんが生まれるのではないか?」と、祖母に聞いた丸出しの迷信に怯えながら予約外でも平気で産科を尋ねてくる妊婦・山崎麗子。どちらも両極端だ。

 彼女は他にも、妊婦が体を冷やすのは厳禁だからと上着4枚(ダウンまで!)にレッグウォーマー2枚を着用して来たり、飲み物は白湯しか飲まないと言っているわりに熱くてこぼしたり、とにかく素直すぎるくらいに素直で、情報に左右されすぎているよう。

 あげく、出産当日に友人に何か吹き込まれ、無痛分娩をやめて自然分娩で産みたいと言い出し、周囲を困らせる。友人に言われたのは、

・赤ちゃんより自分のことが大切なの?

・楽して産むんだから母乳も出ない

・自然出産で産んだ母親の愛情には敵わないからかわいそう

 という、世にはびこる誤解を基にしたもの。

 主治医の鴻鳥は、妊娠・出産は一人ひとり違う、考え方も人それぞれだから、個人的にはどちらを選んでもいいと説いた上で、今回は心臓疾患があるので、母体に負担がかかると赤ちゃんにも負担がかかると諭す。

「僕は産科医なので、お友達のデタラメ話のせいで、2つの命を危険にさらすことは絶対にできません」

 さらに「出産は終わりではなく、始まりですから」とも。精神的に追い込まれている佐野のケースと照らして見ていると、出産がいかに「ゴール」でないかがよくわかる。

「自然分娩も帝王切開も無痛分娩も、立派な出産です。育む気持ちや愛情は、僕らではなく赤ちゃんが教えてくれますよ」

 テレビやネットでも、こと出産や育児に関しては、やたらと口を挟みたがったり、勝手な「モラル」らしきものを振りかざす人が多いのは事実だ。子どもを産む母親は、今や初産が多いわけだから、多すぎるくらいあふれる「情報」に振り回される人が増えているのだろう。現代ならではのエピソードだ。

 

■今回も医師、助産婦内での意見が対立

 

 どうやら佐野の症状は産後鬱(うつ)である可能性が高いらしく、もっと親身になってあげたいとする小松と、産後鬱は立派な鬱病で、それは精神科の領分だから、きちんと専門の医師に診てもらうように誘導すべきだ(キリがないから首を突っ込みすぎないでいい)とする四宮(星野源)が激しく対立する。

 小松は佐野を心配するあまり、個人的にラインのIDを渡してしまい、それは病院として絶対にまずいらしく、さらに四宮と対立する。

「1日に何人も診察する中で、さらに心療内科のようなことをできるのか?」と言う四宮と「話を聞くだけ楽になってくれる人もいるのだから、手遅れになる前に何かしてあげてもいいのでは?」と小松を擁護する鴻鳥。

 どちらの言い分も正しい、だからこそ産後鬱の問題は難しい、と今橋(大森南朋)が語るように、ドラマでは答えは出さず問題提起にとどめている。

■いよいよ佐野がビルの屋上に!

 

 子どもを夜の病院の受付に置き、屋上から下を見下ろす佐野彩加。簡単に屋上まで行けるこの病院(周産期医療センター)のセキュリティはどうなっているのかという防犯上の問題は置いといて、そこに間一髪現れたのは、鴻鳥でも小松でもなく、なんと四宮だった。

 どうしてここに現れたのかはわからないが、にくい演出だ。

 誰にも必要とされず、戻る職場も失った(同僚にポジションを奪われていた)ので、死にたいと言い切る佐野。

「俺にあなたの気持ちはわからない。だから今、あなたを引き留めてるのは、俺のワガママです。まだ治療の道がある患者を放っておくことはできない」

 クールな四宮の中の優しさが見える。意見が対立していた四宮の気持ちを知り、遠くから見つめる鴻鳥。

「少しだけ話を聞いてください、お願いします」と手を佐野に差し伸べる四宮は、まるで往年の『ねるとん紅鯨団』(フジテレビ系)で告白する素人のようだったが、しっかりと手をつなぎ返した佐野の心は溶けだしたかのように見える。

 駆けつけた佐野(夫)が「夫婦は2人でひとつって……」と語るやいなや「何だそりゃ? 人間は2人でひとつになんかなれない。死ぬまで1人だよ」「別々の人間だからお互いを尊重し合う、それで初めて助け合えるんだろ!」と一喝する四宮。ああ、第1話でもこんなシーンがあったのに……。ナオト……。

 この後、今橋に、仕事ばかりで育児をしていないことを「自分も同じだ」と慰められ、挽回を誓ういいシーンもあったのだが、それでもなんでナオトはあまり得しなそうなこの出演を受けたのか、イマイチ謎だ。

 周囲の声にようやく耳を傾けられるようになった佐野(妻)に対し、今度こそ改心した感じの夫が「俺イクメンじゃなくて、父親になるから」と微笑む姿でハッピーエンドでしたが、正直「こいつゼッテーわかってない! またきっとやらかすハズ!」って思ってしまいました。

 

■鴻鳥と四宮の関係がさらに濃く

 

 実は鴻鳥は、かつて自分が忙しさにかまけ、産後鬱の患者(三浦)の出す信号をキャッチしてあげられずに亡くしてしまった(飛び降り自殺)こと、声はかけていたつもりだが、三浦の言う「大丈夫、大丈夫」という言葉の裏を見抜けなかったこと、踏み込む勇気が出なかったことをひどく悔いていたのだった。

 その告白を聞いた四宮は、「いい加減にしろ。前を向けよ。お前が『大丈夫』じゃないんだよ?」と肩をさすり励ます。

 い、いつの間に?? もう我々が思ってる以上に、距離があったはずの2人の信頼関係は、かなりの高みに達してるいるようだ。

 ドラマのラストでは、「ああいうの(人に優しくすること)は、お前のほうが得意だろ」と手柄を鴻鳥に譲るような会話も見られ、「ありがとう」と微笑む鴻鳥に、四宮は「なんのことだ」ととぼけながら、見つめあっていた。

 朝日の差し込む部屋の効果もあってか、もうこのまま抱きしめ合ってしまうんじゃないかというくらいの空気。原作にはない、あざとさすら感じるBL的空気に、この同人誌があるなら読みたいと思いました。鴻鳥はいつもの通りの優しい口調なのが、四宮と2人の時はなぜかオネエに見えて来てしまうほどでした。こんなに近づいてしまって、この先大丈夫なのだろうか……。

■名言もたくさん

 

 今回は、無痛分娩の話に加え、3話に渡って描かれてきた佐野の産後鬱の話がひと段落することもあり、かなり盛りだくさんな内容ながら、各人物も丁寧に描かれ、よくまとまったいい回でした。ドラマ満足度ランキングで高評価なのも納得する内容で、次回以降、視聴率を上げそうな予感もひしひし感じます。

 また育児をまったくわかっていない筆者でも、いつかタメになるようなリアルな名言がいっぱいで、思わずメモしながら見たくなるほど。

・他の人の力を頼るのはダメなことじゃないよ?

・みんな子育て美化しすぎです。髪振り乱して必死にやってるんです。少しくらい誰かに頼っていいんですよ?

・赤ちゃんが0歳ならお母さんもお父さんも0歳です。

・子どもと四六時中一緒にいるのは妻ですからね。子どもにばかり目が行きがちですけど、お母さんは誰にも頑張ってるって褒めてもらえない。

 今回、新米研修医の赤西(宮沢氷魚)がミスを連発して四宮に怒られたり、下屋(松岡茉優)にビンタされたり、後半に向かって大きなトラブルを招きそうな空気を振りまいており、次回以降も楽しみです。
(文=柿田太郎)

KAT-TUN上田竜也出演『炎の体育会TV』今週はスペシャル! 11月4日(土)ジャニーズアイドル出演情報

――翌日にジャニーズアイドルが出演予定の番組情報をお届けします。見逃さないように、録画予約をお忘れなく!

※一部を除き、首都圏の放送情報を元に構成しています。
※番組編成、及び放送日時は変更になることがあります。最新情報は番組公式サイト等をご確認ください。
※有料放送の視聴方法等については公式サイトをご確認ください。

●TOKIO

6:00~ 8:00 『週刊ニュースリーダー』(テレビ朝日ほか) 城島茂
24:50~25:15 『二軒目どうする?』(テレビ東京) 松岡昌宏

●V6

21:00~21:54 『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系) 井ノ原快彦

■続きを読む

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KAT-TUN上田竜也出演『炎の体育会TV』今週はスペシャル! 11月4日(土)ジャニーズアイドル出演情報

――翌日にジャニーズアイドルが出演予定の番組情報をお届けします。見逃さないように、録画予約をお忘れなく!

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6:00~ 8:00 『週刊ニュースリーダー』(テレビ朝日ほか) 城島茂
24:50~25:15 『二軒目どうする?』(テレビ東京) 松岡昌宏

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スルーしがちな性感帯「膣口」、セックスでもオナニーでも愛撫と浅めピストンがオススメ!

こんにちは、大根 蘭です。電車内でウトウトすると、毎回大きめのジャーキング(ビクッと痙攣すること)をします。あれ、恥ずかしいですよね。

 あなたのオナニーは、どこを重点的に刺激していますか? クリトリスを刺激派やローターやバイブ、ディルドで膣の中を刺激派と分かれるかと思います。

 少し触れるだけでも気持ちよさ(または痛さ)を感じる敏感な「クリトリス」。一方、開発するまでは鈍感な「膣奥」。その中間にあるのが、潮吹きスポットでもお馴染みの「Gスポット」。ちょっと待った! その手前を忘れちゃいませんか? それは、膣の入り口「膣口(ちつこう)」です! ここ、スルーしてる男女、多いのではないでしょうか。

 膣口を触ったときの感覚は個人差がありますが、敏感でも鈍感でもなく、こそばゆい感覚です。膣口からほ~んの少し指を入れてみると(第一関節未満)“ヒダ”が重なっている、柔らかい感触があると思います(このヒダまでを「膣口」と表現させていただきます)。この膣口、刺激を続けていくととてつもなく気持ちいい性感帯なのです。

 気持ちいいセックスには前戯が重要なように、オナニーでも膣口をこそばゆい感覚からじわじわと快感を高めていくことがポイント! ということで、膣口へのソフトな刺激をスルーしないでいただきたいのです!

 ほかの性感帯と同様、刺激をしてすぐこそばゆい快感を得るわけではありません。しかーし! 膣口から浅いエリアは女性が快感を得やすいといわれていますし、膣口はクリに近く、クリは膣口を取り囲むように存在しているため、開発しやすい場所でもあります……となれば、膣口を愛撫&開発するっきゃないですね!

◎膣口の刺激(開発)方法

膣口の愛撫も、クリや膣内と同じようにヌルヌルの状態が必須! 唾液やローションを使用して十分に濡れてから行いましょう。

 まずは膣口を優しくマッサージするのですが、さっそく触っても何も感じないかもしれないので、乳首やクリトリスなど自分が一番感じる部分を刺激しながら、感度を高めることからはじめます。

※このままクリを激しく触ってクリイキしないように、膣口刺激までのステップとして軽い刺激に留めておいてくださいね!

 感度が高まってきたら、時々クリを触りながら膣口をグルリとなぞるように指の腹で撫でます(ネイルが長くなければ指先でもOK)!

◎次のステップは、第一関節までの指ピストン

 膣口の刺激を続けたあとは、人差し指か中指、物足りなければこの2本を少しだけ中に挿入します(挿入しにくければ、一方の手で膣口を広げながら)。

 このとき、興奮のままに奥まで入れないようにしてくださいね! 「気付いたらGスポットを刺激してた!」なんてことがないように、第一関節まで! を忘れないように~。

 膣口から第一関節まで挿入した指を、ゆっくり動かしてみたり、早い動きにしてみたり……、自分の好みの速度を見つけてみてください。見つかれば、その速度を一定に保って繰り返して刺激します。十分に興奮と感度が高まったら、クリや膣内を刺激してオーガズムへ突き進んでOK!

 膣口と第一関節ほどの刺激に最適なグッズもオススメです。ローターの振動が新たな快感を与えてくれます。「iroha」は手のひらサイズでお風呂でも使用できる、なんといっても可愛い♪

◎セックスでは……亀頭でヌルヌル、カリでピストン

 膣口の刺激は是非、男性諸氏、セックスで取り入れてほしい愛撫です。指の愛撫とは違い、指と比べて柔らかくツルツルの亀頭で愛撫されると快感が増します。男性は、前戯が終わって、亀頭が膣口まできたら挿入することで頭がいっぱいかもしれませんが、膣口愛撫できる瞬間を見逃さないでください!

 ペニスを挿入する直前、亀頭で膣口をこすり、挿入場所を確認することが多いと思います。この時に「それ、気持ちいい」と伝えて、少しの間、亀頭を上下にヌルヌルこすってもらう……これ、オススメです(ちんこを片手で握って挿入を阻止して、自分で膣口をこすりつけるのもOK)! 膣口愛撫のあと、挿入の際もすぐ奥まで挿入せずに、膣口をカリ部分で抜き差ししてみてください。カリデカちんこなら、引かれたときの快感はサイコーです!

今年もハイディ・クルムは本気! おっぱい全開クレオパトラも! セレブたちの全力ハロウィン2017

 ハロウィンは年々日本でも盛り上がりを見せている。カボチャやおばけのデコレーションが街中あちこちで見られるようになり、たくさんのハロウィン・イベントが行われるようになった。繁華街は仮装した若者であふれかえる。10月31日は、子どもも大人も思い思いに仮装をしてはしゃぎまくるお祭りの日として定着しつつある。

 一説によれば、もともとハロウィンは古代ケルト人の収穫祭にちなむもので、祭りを邪魔しに来る悪霊や魔女を追い払う儀式だった。これがキリスト教と融合して万聖節の前夜の祭りとなり、魔除けの意味で人間もおばけの仮装をするようになったとされている。

 そんなわけで欧米のハロウィンは、見た目が怖い仮装をする人が多い。しかしそれでは怖すぎて子どもたちが楽しめないということから、次第に「悪霊の目をごまかすためなら何でもOK」という流れになりさまざまな仮装をするようになっていった。

 大人も本気で遊びを楽しむアメリカ人は、ハロウィンも大好きだ。なかでもセレブは毎年気合を入れて、本格的に仮装して満喫する。今年もクオリティの高い仮装をしたセレブばかりで、大いに盛り上がった。

 今回はそんな「海外セレブのハイクオリティなハロウィン仮装2017」をご紹介しよう。

K-POPは空前の「日本人アイドル」バブル! NCT、PENTAGONら逆輸入イケメンを青田買い

――マンガ家・えるたまが、パロディとリスペクトでアイドルたちをいじくり愛でる!  K-POPを中心に、男女問わずアイドルと呼ばれるすべての“煌めき”たちに捧ぎます……。※これまでwebサイト「おたぽる」で連載していたバックナンバーはこちら

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<イベント詳細>
KMF2007

毎年9月に行われているK-POPアーティストを主体としたチャリティーコンサート。過去には、防弾少年団やB1A4も参加したことのある、K−POPファンにはおなじみのイベントが10周年を迎えたとあって、今年は特に豪華で、根強い人気を誇るVIXXや、SMエンタテインメントの新人NCT DREAMをはじめ10組ものアイドルたちが夢の競演を果たした!そんな中、日本人ながら韓国で活躍するアイドルたちは率先してMCをリード。なんだか不安な情勢が続く昨今ですが、異国の地で明日のスターをお夢見て頑張る彼らが本当に誇らしい!!譽れ!!彼らがいつか故郷に錦を飾ってくれることを夢に見て課金していきます。

erutama_profえるたま
東京生まれロキノン育ち今はアイドルのATM。マンガ家・イラストルポライター。
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