3万円恐喝未遂で逮捕の坂口杏里は“ホストクラブの罠”に落ちた!?「店側も無制限に散財させていた……」

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 AV女優のANRIこと坂口杏里容疑者が4月18日、知人で30代のホストから現金3万円を脅し取ろうとした恐喝未遂容疑で、警視庁に逮捕されていたことがわかった。坂口は人気女優だった故・坂口良子さんの長女で、バラエティ番組に出演するなどタレント活動をしていたが、昨年10月、AV女優へ転身。その際に、ホスト通いが原因で多額の借金があると報じられていた。  警視庁は坂口容疑者の認否を明らかにしていないが、警視庁詰め記者は「被害者のホストは、杏里から借金を申し込まれたので断ったところ、以前ホテル内で撮影したベッド写真をバラまくと脅されたので、呼び出して警察に引き渡したのだとか……」と話している。  AVデビューに際しては、一部メディアで2,000万円もの出演料が支払われたという報道があったが、その後も続々と新作を発売していることから、少なくない収入があったはずだ。ちょうど逮捕5日前には、ファンの男性たちが参加した企画『本物芸能人と筆下ろししませんか?』なる作品をリリース。15日には大阪で、16日には愛知で、それぞれ新作プロモーションのイベントを行ったばかりだった。 「購入本数に応じて生写真がもらえたり、撮影会に参加できるイベントで、3作品購入の場合は、水着姿を個人撮影できるというもの。ただ、こういうプロモーション活動のギャラは通常、作品への出演料に含まれることが多いので、別途ギャラがもらえることはあまりないです。参加者に聞いたところでは、150名限定とうたっていたのに、そこまで人が集まっていなかったらしいですが……」(AVライター)  坂口は、芸能界にデビューする前は、熱心なジャニーズファンとして知られ、親にもらった小遣いを、追っかけのためにすべて費やしていたといわれる。金への執着は強いようで、筆者がタレント時代の坂口とバラエティ番組で共演した際には、タレント活動をしながら喫茶店でアルバイトをしていることも明かし、「事務所の給料が本当に安いんです」と真顔で愚痴っていた。その後、ホスト通いが発覚。「親の遺産まで、すべてホストで使い果たした」「一番人気のホストを独占しようと、借金してまで通い詰めていた」というウワサが聞こえていた中でのAV転身だった。  元ホストの芸能記者は「バカみたいに金を使ってくれるから、店側も無制限に散財させていたらしい」と話していたが、その罠に落ちた結果、親しいホストに金を借りるまでになってしまったのだろうか?  さらに「3万円なら、ホストじゃなく元カレの小峠(英二=バイきんぐ)に借りればよかったのに」なんてジョークも聞かれたが、坂口が知人タレントに借金を申し込みすぎたせいで、誰も電話に出なくなっていたというウワサもある。 「エキセントリックな言動から、薬物をやっているのではないかとの疑いもありましたけど、逮捕されたら、それがシロかクロかわかるのでは?」と前出記者。無責任な話が飛び交う中、坂口本人の胸中はいかに……。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』がまたBPOに苦情を寄せられる!?(約1年5カ月ぶり2度目)

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「BPO」公式サイトより
 放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関・BPO(放送倫理・番組向上機構)。  そのBPOが、素直にうなずけるご意見もあれば、思わず首をかしげたくなってしまうご意見も、「これはツッコミ待ちなのかな?」という珍意見も寄せられることで定評のある、「2017年3月に視聴者から寄せられた意見」を公開したので、紹介してみたい。  目だったのはやはり、「3.11」――東日本大震災関連の報道のあり方に関するご意見。このページではちょっと珍しいなと思えるほどの長文を掲載していたほか、相変わらず各種バラエティー番組に関する苦情のご意見が多かったが、おたぽる的に注目したいのは何といっても次のご意見。 「未成年の設定だと思われるアニメキャラクターが、子どもを作ったかのような発言をしていた。子どもも見ている時間帯の番組としては不適切ではないか。」――このご意見は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』を指しているのでは、という声がネット上では多い。  MBS制作、TBS系各局によるアニメ放送枠“日5”最後の放送作品となった『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は、視聴率こそ低迷したものの、W主人公の三日月・オーガス、オルガ・イツカの2人をはじめとする主要キャラクターも容赦なく死を迎えるハードなドラマでそれなりに話題に。  そしてこの「子どもを作ったかのような発言をしていた」というご意見はおそらく、第47話「生け贄」にてヒロインの1人・アトラによる「クーデリアさんも作りましょう! 一緒に! 三日月の赤ちゃん!」というセリフを指しているのだろう。  公式サイトでしっかりキャラクターの年齢が記されているわけではないが、三日月とアトラは15~16歳、クーデリアは16~17歳と思われるし、三日月とアトラの2人は周囲の同年代と思しきキャラと比べて小柄・童顔でさらに幼く見える。  とはいえ、戦うことしかできなかった少年兵たちの運命を描いてきた『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』。三日月は超不利な戦況の中で戦いを強いられ、前述のとおり最終話で戦死しているが、三日月がアトラとの間に設けた新しい命が希望になったのだ……というようなクライマックスを迎えたことを考えると、子どもを作ったシーン自体を描写しているわけではないのだからいいじゃねえか、と思うのだが……。  なお、放送開始間もない15年11月にも、これは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のことでは? と思えるご意見が寄せられており、約1年5カ月ぶり2度目のBPO登場となってしまった(記事参照)。 「2017年3月に視聴者から寄せられた意見」で、アニメ・ゲームの内容に関するご意見は、おそらくこの一件のみ。  だが、「ディズニー映画の放送は、『ノーカット』としきりに事前告知していたが、エンディングの内容にがっかりした。エンドロールは早送りにされ、子ども達の歌声が出ていた。それだけならまだしも、テレビ局の社員が歌っている。番宣も流れている。なんだかわからないが、芸人も出ていた(後略)」という、各地で大批判を招いたフジテレビの『アナと雪の女王』のお粗末なオリジナルエンディング放送事件に関するご意見も。  また「甲子園の選抜高校野球の報道で、特定の学校に関する扱いが異常だと思う。注目選手がいるというのは理解できるが、あたかもその学校が負けて残念であるかのような報道はやり過ぎではないか(後略)」という、こちらも各地で批判を招いたNHKのベテランアナウンサーによるあまりに一方的な実況に関するご意見も見受けられた。  そのほか、「(略)WBCの野球中継で、試合が延長して長時間放送になった。これにより番組の放送開始が大幅に遅れてしまい、番組予約がきかず、私は見ることができなかった。プロレスファンにとっては初めての企画で、どうしても見たかった。野球中継が延長することは容易に予想がつくことではないのか。番組編成に大いに疑問が残る」というご意見も。  3月12日に行われた「2017 ワールド・ベースボール・クラシック」、第2次ラウンドの日本対オランダ戦は延長11回までもつれ込む大熱戦に。ところが試合開始が19時でありながら、放送終了予定は20時58分と、何か違う競技と勘違いしていたのでは? と疑ってしまう編成となっていたのだ。もちろん日本対オランダ戦の放送は伸びに伸び、結局『プロレス総選挙』の放送開始は結局2時間半以上も遅れるというハメに。  録画予約しておいて翌日見ればいいだろという気もするのだが、プロレスファンは激怒、野球ファンも微妙に肩身の狭い思いをしただけに、ご意見のとおり「疑問が残る」、この謎編成をしてのけてしまったテレビ朝日には猛省してもらいたいところだ。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』がまたBPOに苦情を寄せられる!?(約1年5カ月ぶり2度目)

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「BPO」公式サイトより
 放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関・BPO(放送倫理・番組向上機構)。  そのBPOが、素直にうなずけるご意見もあれば、思わず首をかしげたくなってしまうご意見も、「これはツッコミ待ちなのかな?」という珍意見も寄せられることで定評のある、「2017年3月に視聴者から寄せられた意見」を公開したので、紹介してみたい。  目だったのはやはり、「3.11」――東日本大震災関連の報道のあり方に関するご意見。このページではちょっと珍しいなと思えるほどの長文を掲載していたほか、相変わらず各種バラエティー番組に関する苦情のご意見が多かったが、おたぽる的に注目したいのは何といっても次のご意見。 「未成年の設定だと思われるアニメキャラクターが、子どもを作ったかのような発言をしていた。子どもも見ている時間帯の番組としては不適切ではないか。」――このご意見は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』を指しているのでは、という声がネット上では多い。  MBS制作、TBS系各局によるアニメ放送枠“日5”最後の放送作品となった『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は、視聴率こそ低迷したものの、W主人公の三日月・オーガス、オルガ・イツカの2人をはじめとする主要キャラクターも容赦なく死を迎えるハードなドラマでそれなりに話題に。  そしてこの「子どもを作ったかのような発言をしていた」というご意見はおそらく、第47話「生け贄」にてヒロインの1人・アトラによる「クーデリアさんも作りましょう! 一緒に! 三日月の赤ちゃん!」というセリフを指しているのだろう。  公式サイトでしっかりキャラクターの年齢が記されているわけではないが、三日月とアトラは15~16歳、クーデリアは16~17歳と思われるし、三日月とアトラの2人は周囲の同年代と思しきキャラと比べて小柄・童顔でさらに幼く見える。  とはいえ、戦うことしかできなかった少年兵たちの運命を描いてきた『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』。三日月は超不利な戦況の中で戦いを強いられ、前述のとおり最終話で戦死しているが、三日月がアトラとの間に設けた新しい命が希望になったのだ……というようなクライマックスを迎えたことを考えると、子どもを作ったシーン自体を描写しているわけではないのだからいいじゃねえか、と思うのだが……。  なお、放送開始間もない15年11月にも、これは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のことでは? と思えるご意見が寄せられており、約1年5カ月ぶり2度目のBPO登場となってしまった(記事参照)。 「2017年3月に視聴者から寄せられた意見」で、アニメ・ゲームの内容に関するご意見は、おそらくこの一件のみ。  だが、「ディズニー映画の放送は、『ノーカット』としきりに事前告知していたが、エンディングの内容にがっかりした。エンドロールは早送りにされ、子ども達の歌声が出ていた。それだけならまだしも、テレビ局の社員が歌っている。番宣も流れている。なんだかわからないが、芸人も出ていた(後略)」という、各地で大批判を招いたフジテレビの『アナと雪の女王』のお粗末なオリジナルエンディング放送事件に関するご意見も。  また「甲子園の選抜高校野球の報道で、特定の学校に関する扱いが異常だと思う。注目選手がいるというのは理解できるが、あたかもその学校が負けて残念であるかのような報道はやり過ぎではないか(後略)」という、こちらも各地で批判を招いたNHKのベテランアナウンサーによるあまりに一方的な実況に関するご意見も見受けられた。  そのほか、「(略)WBCの野球中継で、試合が延長して長時間放送になった。これにより番組の放送開始が大幅に遅れてしまい、番組予約がきかず、私は見ることができなかった。プロレスファンにとっては初めての企画で、どうしても見たかった。野球中継が延長することは容易に予想がつくことではないのか。番組編成に大いに疑問が残る」というご意見も。  3月12日に行われた「2017 ワールド・ベースボール・クラシック」、第2次ラウンドの日本対オランダ戦は延長11回までもつれ込む大熱戦に。ところが試合開始が19時でありながら、放送終了予定は20時58分と、何か違う競技と勘違いしていたのでは? と疑ってしまう編成となっていたのだ。もちろん日本対オランダ戦の放送は伸びに伸び、結局『プロレス総選挙』の放送開始は結局2時間半以上も遅れるというハメに。  録画予約しておいて翌日見ればいいだろという気もするのだが、プロレスファンは激怒、野球ファンも微妙に肩身の狭い思いをしただけに、ご意見のとおり「疑問が残る」、この謎編成をしてのけてしまったテレビ朝日には猛省してもらいたいところだ。

ユナイテッド航空:在米日本人の「もやもや感」~アジア人流血事件は人種差別か否か

日本でも繰り返し報じられている米国ユナイテッド航空のアジア人男性引き摺り下ろし事件。今回はこの件を通してアメリカに暮らすアジア人としての「差別」に関する体験や心情を書いてみたい。 All angles of Doctor dragged from United Airlines flight ◎事件の概要とタイムライン 4月9日(日) イリノイ州のシカゴ・オヘア空港からケンタッキー州ルイヴィルに向うユナイテッド航空機内で「オーバーブッキング」により、4人の乗客がすでに搭乗済みの飛行機から降りて別便に振り替えるよう、ユナイテッド側から要請される。4人のうちのひとり、デイヴィッド・ダオ氏(69歳)が拒否し、最終的に3人の空港警察官により座席から無理矢理に引っ張り出され、そのまま通路を引き摺られていく。周辺の乗客が撮影したビデオを観ると、ダオ氏は大声で叫び、顔から流血していた。ビデオがネットにアップされ、ユナイテッドへの激しい非難が起こる。 4月10日(月) ユナイテッドのCEOオスカー・ムニョスが事件の概要を記したEメールをユナイテッドの従業員に送付。その内容が公開され、スタッフ擁護であり、暴力行使や負傷したダオ氏への謝罪がないとして、さらなる批判が起こる。 4月11日(火) 前日のEメール批判を受け、ムニョスCEOが謝罪文を発表。文中、ダオ氏は氏名ではなく「強制的に排除された乗客」とのみ記される。 4月12日(水) 事件後に入院していたダオ氏が退院。 4月13日(木) ダオ氏の弁護士と娘が記者会見。ダオ氏は引き摺り出された際に座席の肘掛けで頭部を打ち、脳震盪、鼻の骨折、前歯2本の欠損を起こしており、手術が必要であること、ユナイテッド航空を訴えることを発表。ユナイテッド側は11日の謝罪文に続き、さらなる謝罪声明を発表。文中でダオ氏は「ドクター・ダオ」と記されている(医師を含め博士号を持つ人物の敬称はMs./Miss/Mrs./Mr.ではなく、Dr.となる)。 ◎人種差別?  ショッキングなビデオが出回った後、ダオ氏がアジア系であったために「これは人種差別だ!」という声が多く聞かれた。「振替搭乗する乗客4人をコンピュータでランダムに選んだ結果、全員がアジア系だった」とユナイテッド側からの発表が報じられると、アメリカにおけるアジア系の人口比率は5.6%であることから「そんなはずはないだろう」と疑いの声が上がり、「人種差別」という批判はさらに高まった。  SNSにはユナイテッド利用客による客室常務員への不満が多数書き込まれた。日本人を含むアジア系からは「アジア系の客には特に態度が酷い」の投稿があった。併せて「ユナイテッドには二度と乗らない」と宣言する声も多く見られた。CEOが最初の謝罪文を発表したのはこれが理由と思われる。2度目の謝罪は弁護士による記者会見および訴訟に備えてのものだろう。  さらに、当初は乗客の急なキャンセルによる空席を防ぐためのオーバーブッキングと報じられたが、実はユナイテッドの乗務員4名を翌日の勤務のためにシカゴからルイヴィルに移動させる必要があってのことと分かり、これも批判された。  「警察官はやり過ぎだが、協力しないタオ氏も悪い」という声も一部にはあった。件のフライトは日曜午後の便だったが振替便のフライトは月曜午後だった。そのためユナイテッドは、当日夜のホテル代とユナイテッドのみに使えるクーポン券400ドル分(1年間有効)で振替客を募ったが誰も名乗り出なかった。その後、クーポンを800ドルに増やしたが、やはり希望者は出なかった。そこでコンピュータ抽選で4人の乗客が選ばれ、そのうち3人は振替に同意したがダオ氏のみ拒否したため、最終的に警察官による強制排除となった。一連の騒動で便の出発は3時間遅れた。  当初、ダオ氏は中国系と報じられたが、のちにベトナム出身と訂正された。ベトナム戦争によって1975年にボートでベトナムから米国に、同じく医師である妻と共に亡命。アメリカで5人の子をもうけ、うち4人が医師となっている。ダオ氏は引き摺り出される前に「私は医師だ。明日、仕事があるので飛行機から降りない」と言っており、「アジア系だと医者でもこの扱いか」という声もあった。  当初はこのようにアジア系への差別であることが盛んに問われたが、やがて報道のポイントは暴力による強制排除の是非へと移った。アメリカは国土の広さから航空便の利用率が高く、オーバーブッキングも頻繁に起こる。現在は「今後、振替拒否者にどう対処するか」に関心が集まっている。 ◎在米アジア人の「悶々」  この件の数日前にはカリフォルニア州でAirBnBのアジア人拒絶事件があった。部屋をすでに予約済みだったアジア系アメリカ人の女性が現地到着寸前に部屋のオーナーから「アジア人である」ことを理由に部屋の貸し出しを拒否されていたのだ。こちらは女性とオーナーがやりとりしたテキスト・メッセージが残っており、アジア系への人種差別と断定され、オーナーはAirBnBから契約解除された。 Trump Supporter Cancels Asian Woman’s Airbnb Stay  しかしユナイテッドの件がアジア系への差別行為であったか否かは誰にも証明できない。少なくとも筆者自身はビデオを観た瞬間に「アジア系以外なら、ここまではされないだろう」と思った。他の多くの在米アジア人も同様にそう思った。  これはアメリカに住むアジア系としての体験からくる心情だ。アメリカ生まれのアジア系アメリカ人であろうが、アジア諸国から移民としてやってきた者であろうが、アメリカでは人種的マイノリティだ。かつ、出身国の違いも関係なく「アジア人」で十把一絡げにされる。極東内では複雑な関係にある日中韓もアメリカでは見分けられず、違いを主張すれば “whatever” (何であれ一緒だ)と言われてしまう。  筆者はニューヨークというリベラルな多民族都市に暮していることもあり、直接的な差別――アジア人であるという理由で暴力を振るわれたり、アジア人を意味する蔑称を投げ付けられたり――といった経験はない。しかし日常生活の中で「もしかすると、今のは差別?」と思える体験には遭遇してしまう。そんなとき、人種差別と証明のしようはなく、「偶然の出来事かも……」と自分の中でうやむやに終らせざるを得ず、しかし、それは徐々に心の中に積もる。今では「私はこの国ではマイノリティなのだ」という断定がなされ、自身のアイデンティティの一部となっている。  例えばドラッグストアやスーパーのレジ係が自分の前の客とは談笑していたのに自分には笑顔ひとつ見せない無愛想な態度であった場合。筆者は「私がアジア人だから?」と思ってしまう。同時に「いやいや、前の客とは顔見知りだったのかも」「そもそも、この人は基本的には無愛想な人なのかもしれないし」など、あれこれ考えを巡らせてしまう。レストランのウエイターがなかなか注文を取りにこない時も同様に「私たちがアジア人だから?」と思う一方、「忙しいだけかも……」と悶々とする。  もう少し強烈な「もやもや」体験もある。以前、筆者がYMCAに勤めていた時のことだ。その日は誰も使っていなかったコンピュータ教室で一人で仕事をしていたところへ、他州からニューヨークの大学見学ツアーにやってきた高校生たちがオリエンテーションのためにドヤドヤと入ってきた。ツアーの担当者は筆者に「そのまま仕事を続けていいよ」と言った。  高校生たちは席に着いたが、一人の白人の女子高生がつかつかと筆者に近づいた。筆者は空いていたイスを自分の真横に引き寄せて資料を積んでいたのだが、女子高生はまったくの無言で資料をイスから机に移し、イスを押して仲間のところへ戻った。彼女の分だけイスが足りなかったのだ。とっさのことで女子高生の行動の意味が分からず目を白黒させたのだが、後に考えついた可能性は3つ。女子高生が「アジア人を見下していた」「アジア系のいない地域に住んでおり、アジア人への対応が分からなかった」「アジア人が英語を話せるか分からなかった」。  仮にアジア人に不慣れでも、もしくはこちらの英語に問題があったとしても、「イスを借りるね」とひとこと言えば済むことであり、女子高生には差別意識があったことを今なら断言できる。 ◎アジア系へのステレオタイプ  こうした差別行為は「アジア系は大人しい」「何をしても文句を言わない」というステレオタイプに基づいている。それは同時に「アジア系は犯罪を犯さない」という思い込みにも繋がる。以下はそれを物語る筆者の体験談だ。  ある小さな店で買物をした際、筆者がまだレジ前にいるにもかかわらず、店員の女性がレジの中の大量の紙幣を取り出して数え始めた。カウンター越しに引ったくることが出来る距離だった。筆者がアジア系の女性でなければ(逆に言えば黒人男性であれば)、絶対に行わない行為だ。  筆者が住むハーレムは黒人地区だが、タクシーの運転手は強盗を懸念して若い黒人男性客を避けたがる。代わりに筆者が歩道を歩いているだけで頻繁にクラクションを鳴らす。キャットコーリング(女性への冷やかし)ではなく、「タクシー強盗などやらない、安全な」アジア系女性に乗って欲しいのだ。  他にもあるがこの辺で止めておこう。アメリカではそれぞれの人種にステレオタイプがあり、日常生活に反映される。  念のため書き加えておくと、「人種差別の対象となっているマイノリティは差別を行わない」という理論は正しくない。差別意識は誰もが持つものであり、どのグループも差別意識を他のグループに対して抱く。例えば黒人は白人からの差別の対象ではあるが「アメリカ人」としてのアイデンティティを強く持ち、したがって移民であるヒスパニックやアジア系は下位に属すると考える者がいる。逆に社会的・経済的に成功した移民の中には「長年アメリカにいながら未だに成功できないのはなぜだ」と黒人を誹る者がいる。こうした差別意識とステレオタイプを防ぐのは子供の頃からの教育以外にないと筆者は考える。  ちなみに事件当初はダオ氏をまったく擁護せず、謝罪もしなかったユナイテッドCEOのムニョスはメキシコからの移民夫婦のもと、9人兄弟のひとりとしてカリフォルニア州で生まれている。たとえ優秀であってもメキシコ移民の息子が航空会社のCEOに登り詰めるまでには相当な人種差別を体験しているはずだ。それでもムニョスは大企業CEOとしてマジョリティ側の視点で振る舞った。ムニョスCEOが今回の件を個人的にどう考えているかは不明だが、マイノリティも社会的立場が変われば行動も変わることの例である。  ダオ氏を引き摺り出した3人の空港警察官は全員がラティーノもしくは黒人に見える。彼らは上からの指示に従って、単にダオ氏を「強制排除」しただけなのか。その際、ダオ氏がアジア系であったために「強制」の度合いが上がってしまったのか否か。イエスの場合、それは意識的だったのか、それとも無意識下だったのか。もしくは今回の件、人種差別の要素は全く無く、すべては偶然が悪いほうにのみ傾いてしまった結果だったのか。いずれにせよ、3人の警察官はすでに停職処分となっている。  人種差別はかくも複雑、かつ根深い問題なのである。 (堂本かおる)

ユナイテッド航空:在米日本人の「もやもや感」~アジア人流血事件は人種差別か否か

日本でも繰り返し報じられている米国ユナイテッド航空のアジア人男性引き摺り下ろし事件。今回はこの件を通してアメリカに暮らすアジア人としての「差別」に関する体験や心情を書いてみたい。 All angles of Doctor dragged from United Airlines flight ◎事件の概要とタイムライン 4月9日(日) イリノイ州のシカゴ・オヘア空港からケンタッキー州ルイヴィルに向うユナイテッド航空機内で「オーバーブッキング」により、4人の乗客がすでに搭乗済みの飛行機から降りて別便に振り替えるよう、ユナイテッド側から要請される。4人のうちのひとり、デイヴィッド・ダオ氏(69歳)が拒否し、最終的に3人の空港警察官により座席から無理矢理に引っ張り出され、そのまま通路を引き摺られていく。周辺の乗客が撮影したビデオを観ると、ダオ氏は大声で叫び、顔から流血していた。ビデオがネットにアップされ、ユナイテッドへの激しい非難が起こる。 4月10日(月) ユナイテッドのCEOオスカー・ムニョスが事件の概要を記したEメールをユナイテッドの従業員に送付。その内容が公開され、スタッフ擁護であり、暴力行使や負傷したダオ氏への謝罪がないとして、さらなる批判が起こる。 4月11日(火) 前日のEメール批判を受け、ムニョスCEOが謝罪文を発表。文中、ダオ氏は氏名ではなく「強制的に排除された乗客」とのみ記される。 4月12日(水) 事件後に入院していたダオ氏が退院。 4月13日(木) ダオ氏の弁護士と娘が記者会見。ダオ氏は引き摺り出された際に座席の肘掛けで頭部を打ち、脳震盪、鼻の骨折、前歯2本の欠損を起こしており、手術が必要であること、ユナイテッド航空を訴えることを発表。ユナイテッド側は11日の謝罪文に続き、さらなる謝罪声明を発表。文中でダオ氏は「ドクター・ダオ」と記されている(医師を含め博士号を持つ人物の敬称はMs./Miss/Mrs./Mr.ではなく、Dr.となる)。 ◎人種差別?  ショッキングなビデオが出回った後、ダオ氏がアジア系であったために「これは人種差別だ!」という声が多く聞かれた。「振替搭乗する乗客4人をコンピュータでランダムに選んだ結果、全員がアジア系だった」とユナイテッド側からの発表が報じられると、アメリカにおけるアジア系の人口比率は5.6%であることから「そんなはずはないだろう」と疑いの声が上がり、「人種差別」という批判はさらに高まった。  SNSにはユナイテッド利用客による客室常務員への不満が多数書き込まれた。日本人を含むアジア系からは「アジア系の客には特に態度が酷い」の投稿があった。併せて「ユナイテッドには二度と乗らない」と宣言する声も多く見られた。CEOが最初の謝罪文を発表したのはこれが理由と思われる。2度目の謝罪は弁護士による記者会見および訴訟に備えてのものだろう。  さらに、当初は乗客の急なキャンセルによる空席を防ぐためのオーバーブッキングと報じられたが、実はユナイテッドの乗務員4名を翌日の勤務のためにシカゴからルイヴィルに移動させる必要があってのことと分かり、これも批判された。  「警察官はやり過ぎだが、協力しないタオ氏も悪い」という声も一部にはあった。件のフライトは日曜午後の便だったが振替便のフライトは月曜午後だった。そのためユナイテッドは、当日夜のホテル代とユナイテッドのみに使えるクーポン券400ドル分(1年間有効)で振替客を募ったが誰も名乗り出なかった。その後、クーポンを800ドルに増やしたが、やはり希望者は出なかった。そこでコンピュータ抽選で4人の乗客が選ばれ、そのうち3人は振替に同意したがダオ氏のみ拒否したため、最終的に警察官による強制排除となった。一連の騒動で便の出発は3時間遅れた。  当初、ダオ氏は中国系と報じられたが、のちにベトナム出身と訂正された。ベトナム戦争によって1975年にボートでベトナムから米国に、同じく医師である妻と共に亡命。アメリカで5人の子をもうけ、うち4人が医師となっている。ダオ氏は引き摺り出される前に「私は医師だ。明日、仕事があるので飛行機から降りない」と言っており、「アジア系だと医者でもこの扱いか」という声もあった。  当初はこのようにアジア系への差別であることが盛んに問われたが、やがて報道のポイントは暴力による強制排除の是非へと移った。アメリカは国土の広さから航空便の利用率が高く、オーバーブッキングも頻繁に起こる。現在は「今後、振替拒否者にどう対処するか」に関心が集まっている。 ◎在米アジア人の「悶々」  この件の数日前にはカリフォルニア州でAirBnBのアジア人拒絶事件があった。部屋をすでに予約済みだったアジア系アメリカ人の女性が現地到着寸前に部屋のオーナーから「アジア人である」ことを理由に部屋の貸し出しを拒否されていたのだ。こちらは女性とオーナーがやりとりしたテキスト・メッセージが残っており、アジア系への人種差別と断定され、オーナーはAirBnBから契約解除された。 Trump Supporter Cancels Asian Woman’s Airbnb Stay  しかしユナイテッドの件がアジア系への差別行為であったか否かは誰にも証明できない。少なくとも筆者自身はビデオを観た瞬間に「アジア系以外なら、ここまではされないだろう」と思った。他の多くの在米アジア人も同様にそう思った。  これはアメリカに住むアジア系としての体験からくる心情だ。アメリカ生まれのアジア系アメリカ人であろうが、アジア諸国から移民としてやってきた者であろうが、アメリカでは人種的マイノリティだ。かつ、出身国の違いも関係なく「アジア人」で十把一絡げにされる。極東内では複雑な関係にある日中韓もアメリカでは見分けられず、違いを主張すれば “whatever” (何であれ一緒だ)と言われてしまう。  筆者はニューヨークというリベラルな多民族都市に暮していることもあり、直接的な差別――アジア人であるという理由で暴力を振るわれたり、アジア人を意味する蔑称を投げ付けられたり――といった経験はない。しかし日常生活の中で「もしかすると、今のは差別?」と思える体験には遭遇してしまう。そんなとき、人種差別と証明のしようはなく、「偶然の出来事かも……」と自分の中でうやむやに終らせざるを得ず、しかし、それは徐々に心の中に積もる。今では「私はこの国ではマイノリティなのだ」という断定がなされ、自身のアイデンティティの一部となっている。  例えばドラッグストアやスーパーのレジ係が自分の前の客とは談笑していたのに自分には笑顔ひとつ見せない無愛想な態度であった場合。筆者は「私がアジア人だから?」と思ってしまう。同時に「いやいや、前の客とは顔見知りだったのかも」「そもそも、この人は基本的には無愛想な人なのかもしれないし」など、あれこれ考えを巡らせてしまう。レストランのウエイターがなかなか注文を取りにこない時も同様に「私たちがアジア人だから?」と思う一方、「忙しいだけかも……」と悶々とする。  もう少し強烈な「もやもや」体験もある。以前、筆者がYMCAに勤めていた時のことだ。その日は誰も使っていなかったコンピュータ教室で一人で仕事をしていたところへ、他州からニューヨークの大学見学ツアーにやってきた高校生たちがオリエンテーションのためにドヤドヤと入ってきた。ツアーの担当者は筆者に「そのまま仕事を続けていいよ」と言った。  高校生たちは席に着いたが、一人の白人の女子高生がつかつかと筆者に近づいた。筆者は空いていたイスを自分の真横に引き寄せて資料を積んでいたのだが、女子高生はまったくの無言で資料をイスから机に移し、イスを押して仲間のところへ戻った。彼女の分だけイスが足りなかったのだ。とっさのことで女子高生の行動の意味が分からず目を白黒させたのだが、後に考えついた可能性は3つ。女子高生が「アジア人を見下していた」「アジア系のいない地域に住んでおり、アジア人への対応が分からなかった」「アジア人が英語を話せるか分からなかった」。  仮にアジア人に不慣れでも、もしくはこちらの英語に問題があったとしても、「イスを借りるね」とひとこと言えば済むことであり、女子高生には差別意識があったことを今なら断言できる。 ◎アジア系へのステレオタイプ  こうした差別行為は「アジア系は大人しい」「何をしても文句を言わない」というステレオタイプに基づいている。それは同時に「アジア系は犯罪を犯さない」という思い込みにも繋がる。以下はそれを物語る筆者の体験談だ。  ある小さな店で買物をした際、筆者がまだレジ前にいるにもかかわらず、店員の女性がレジの中の大量の紙幣を取り出して数え始めた。カウンター越しに引ったくることが出来る距離だった。筆者がアジア系の女性でなければ(逆に言えば黒人男性であれば)、絶対に行わない行為だ。  筆者が住むハーレムは黒人地区だが、タクシーの運転手は強盗を懸念して若い黒人男性客を避けたがる。代わりに筆者が歩道を歩いているだけで頻繁にクラクションを鳴らす。キャットコーリング(女性への冷やかし)ではなく、「タクシー強盗などやらない、安全な」アジア系女性に乗って欲しいのだ。  他にもあるがこの辺で止めておこう。アメリカではそれぞれの人種にステレオタイプがあり、日常生活に反映される。  念のため書き加えておくと、「人種差別の対象となっているマイノリティは差別を行わない」という理論は正しくない。差別意識は誰もが持つものであり、どのグループも差別意識を他のグループに対して抱く。例えば黒人は白人からの差別の対象ではあるが「アメリカ人」としてのアイデンティティを強く持ち、したがって移民であるヒスパニックやアジア系は下位に属すると考える者がいる。逆に社会的・経済的に成功した移民の中には「長年アメリカにいながら未だに成功できないのはなぜだ」と黒人を誹る者がいる。こうした差別意識とステレオタイプを防ぐのは子供の頃からの教育以外にないと筆者は考える。  ちなみに事件当初はダオ氏をまったく擁護せず、謝罪もしなかったユナイテッドCEOのムニョスはメキシコからの移民夫婦のもと、9人兄弟のひとりとしてカリフォルニア州で生まれている。たとえ優秀であってもメキシコ移民の息子が航空会社のCEOに登り詰めるまでには相当な人種差別を体験しているはずだ。それでもムニョスは大企業CEOとしてマジョリティ側の視点で振る舞った。ムニョスCEOが今回の件を個人的にどう考えているかは不明だが、マイノリティも社会的立場が変われば行動も変わることの例である。  ダオ氏を引き摺り出した3人の空港警察官は全員がラティーノもしくは黒人に見える。彼らは上からの指示に従って、単にダオ氏を「強制排除」しただけなのか。その際、ダオ氏がアジア系であったために「強制」の度合いが上がってしまったのか否か。イエスの場合、それは意識的だったのか、それとも無意識下だったのか。もしくは今回の件、人種差別の要素は全く無く、すべては偶然が悪いほうにのみ傾いてしまった結果だったのか。いずれにせよ、3人の警察官はすでに停職処分となっている。  人種差別はかくも複雑、かつ根深い問題なのである。 (堂本かおる)