ドーーン!! 現在放送中の『笑ゥせぇるすまんNEW』は、なぜ復活したのか!? シンエイ動画・荒木元道PDインタビュー!

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(C)藤子スタジオ/笑ゥせぇるすまんNEW製作委員会
「私の名は喪黒福造、人呼んで笑ゥせぇるすまん。」――  藤子不二雄(A)の代表作にして、1989~90年、91~92年にTVアニメ化もされた名作『笑ゥせぇるすまん』が、『笑ゥせぇるすまんNEW』となって25年ぶりに復活!  小気味のいいテンポで繰り出される、パンチが効いた強烈なキャラクターたちによる、ブラックなストーリーと鮮やかなオチで、多くの藤子ファンやアニメファンを魅了、そして多くのチビっ子たちにちょっとしたトラウマを植えつけた『笑ゥせぇるすまん』。  なぜこの2017年に『笑ゥせぇるすまん』と喪黒福造が再び登場することになったのか、そして『笑ゥせぇるすまんNEW』はどうやって制作されているのか。  気になるところを、シンエイ動画の荒木元道プロデューサーにドーーン!! と直撃(with 企画営業・宣伝の西川由香里氏)。「ホーッホッホッホッホッ」というあの声を脳裏に思い浮かべながら、お読みください。 ■「いつかまた『笑ゥせぇるすまん』を作りたいし、放送できるだろうと」 ―― 名作『笑ゥせぇるすまん』を、2017年に新たに制作しようというこの企画はどうやって生まれて、放送に至ったのか。まずはそこから教えてください。 荒木元道プロデューサー(以下、「荒木」) たしかに以前放送してから随分年数が経っていますが、いつかまた『笑ゥせぇるすまん』を作りたいし、放送できるだろう、という空気が社内ではずっとあったんです。  僕がこの会社に入社してから15年になりますが、入社した当時からずっと話題になっていましたから。それが今回、ようやく賛同してくれる方も出始めて、ついに実現することができるようになった、という感じなんです。 ―― シンエイ動画さん的には、長年温めてきた野望だったんですね。 荒木 そうですね。ですから、個人的にも「あ、やるんだ?」ではなく、「ついにやるのか!」「やれるのか!」というのが最初の印象でした。 ―― 長年温めてきた企画が、今になって実現可能になったキッカケはあるものでしょうか? たとえば放送枠が「あにめのめ」だったりしますが……。 荒木 それも一つ理由として挙げられるかもしれません。すごく自由度の高い枠で、時間帯も内容とうまくマッチしていると思いますし。 ―― 製作委員会に、特別強力な企業さんが入ってバックアップしてくれたとか、そういうわけではない? 西川由香里(以下、「西川」) 弊社含めて14社、製作委員会に参加していただいてます。これはテレビアニメとしてはかなり多い数ではあると思います。 ―― 普段の「製作委員会」に参加される企業といえば、制作スタジオさん、Blu-rayやDVDの発売元さん、レコード会社さん、原作があるのなら出版社さん、玩具メーカーさんといったところですよね? 西川 そうですね、“あにめのめ”はアニメーション業界に台風の“目”のように旋風を起こしたい、長く愛されるようなコンテンツの“芽”を育てていきたいと、5社でスタートした枠なので通常とは違うちょっと取り組み方が違うかもしれません。 ※「あにめのめ」はシンエイ動画株式会社、株式会社トムス・エンタテインメント、住友商事株式会社、アスミック・エース株式会社、株式会社ジェイアール東日本企画の5社が共同で事業を行うプロジェクト。昨年7月より新規アニメ放送枠を立ち上げ、『甘々と稲妻』などを放送(記事参照)。 ■「若いアニメファンにトラウマを植えつけたい!」 ―― そんな『笑ゥせぇるすまん』を、約四半世紀ぶりに制作されることの意義というか、コンセプトとはどういうものでしょうか? 荒木 まず、30代以上の人ならたいてい知っているであろう、幅広い層の方が待ち望んでいた作品だと思います。バブル期から久しぶりに、喪黒福造が現在に登場したらどうなるんだろう。そこは皆さん、かなり気になるところだと思うんですよ、僕個人もそうですし。ですから、旧作の『笑ゥせぇるすまん』を観ていた方にとにかくまずは観てもらいたい。  同時に当時のアニメを観ていなかったという若い世代の方たちにも、喪黒の「ドーン!!」をリアルタイムで観てもらいたいなとも思います。
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若い人たちの反応が楽しみ
 というのも、旧作が89年に放送開始したとき、僕は小学校の高学年ぐらいでしたが、第1話の「たのもしい顔」を観て、すごいトラウマを植えつけられたんですよ(笑)。28年後、まさか自分が作る側になるとは思いもしませんでしたが、今のたくさんの若いアニメファンたちにちょっとしたトラウマを植えつけられればと思いますね。  テレビを見たら、何かアニメをやっている。何気なく観ていると、とてつもなく怖いお話が展開されて、夜眠れなくなる――それをやりたいんですよね。 ―― とはいえ、旧作のTVアニメの放送時はバブル期でイケイケで。だからこそ喪黒のようなキャラクターがより際立った部分もあると思います。そういった違いについてはどうお考えですか? 荒木 ……基本的な構成やストーリー展開といった、骨組みについては、変化させる必要はないかなと考えていますね。  たしかに時代背景の影響はあると思いますが、喪黒に落とされる――「ドーーン!!」される内容・展開は、時代を選ばないものだと思いますから。一方、当時にはなかったもの、たとえばインターネットや携帯電話みたいなものは取り入れながら制作して、現代版の『笑ゥせぇるすまん』にできればと。
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■「(オリジナルも)原作サイドさんと一緒に相談して進める形で」 ―― 第1夜などを拝見すると、前半のエピソードが旧作のTVアニメでも放送された「白昼夢」でしたが、後半のエピソード「ご利用は計画的に」は、アニメオリジナルエピソードとなっていました。 荒木 はい、毎回2エピソードずつ放送という構成になっていまして。片方が原作コミックもの、後半をオリジナルという形になっていますね。 ―― 原作の中からどうエピソードを絞っていくのか、オリジナル作品はどんな工程を経て作られているのでしょうか。 荒木 まず原作エピソードのときは、監督、脚本家さん、それと藤子スタジオさんのご担当も最初の段階から参加していただいて、皆でどのエピソードがいいかを出し合いながら、簡単なプロットをまとめてみて、その出来が良かったら採用していくというやり方です。原作サイドさんと一緒に相談して進める形をつくることができました。 ―― それは、旧作でアニメ化された作品も未アニメ化エピソードも関係なしに決めていった感じですか? 荒木 やはり最初は手探りでしたから、一度アニメ化されたエピソードからスタートは切りました。作業が進むうちに次第にオリジナルを作りたいよねとか、まだアニメ化されていないエピソードをやりたいよねと、いろいろ現場でも欲が出てきて、後半からはそういったエピソードが増えてきました。 ―― オリジナルエピソードを作られる際というのは、やはり脚本家さんがプロットを出してそれを皆さんで揉まれる感じですか? 荒木 そうですね、まずはアイデアを出してもらって、そこから固めていくという。かなりの数のアイデアを出してもらいましたね。かなりボツも多かったんですけど、そこは本当にもう脚本家さんたちの頑張りのおかげです。 ―― その脚本家さんたちは3名いらっしゃいますが(福島直浩、石川あさみ、夏 緑)、どんな感じで起用されたんですか? 荒木 夏さんに関しては藤子スタジオの担当者さんから、推薦していただいたんです。福島さんと石川さんは、他の作品でシンエイ動画がお世話になってますから、これはもう『笑ゥせぇるすまん』に合うだろうなと。 ―― なるほど。では小倉(宏文)監督はどういった経緯で? 荒木 小倉監督に関していえば、もう結構前から「『笑ゥせぇるすまん』をやるんであれば、声をかけてもらいたい」ということを言われていたんですよ(笑)。こちらも、ぜひお願いしたいなと思っていましたから、企画が具体化してきたところで「監督、ついに来ましたよ」と(笑)。 ―― 原作も好きだし、小倉監督は長くシンエイ動画さんでお仕事されていましたから、『笑ゥせぇるすまん』が温められていたことをご存じだったわけですね。 荒木 そうですね、はい。いいめぐり合わせだったなと思います。 ―― 実際に制作作業が始まって、スタッフワークにどんな手応えを感じていますか? 荒木 皆さんモノ作りに対してとてもストイックな方ばかりです。あと、旧作を観ていたという方たちばかりなんですよ。その点から見ても心強いです。 ―― 打ち合わせなどを重ねる中で、監督との会話で印象に残ったエピソードなどはありますか? 制作スタッフさんとしてはすごく楽しそうですけど、同時にすごくプレッシャーも感じる作品ではないかなと思うのですが。 荒木 それは監督に限らず、スタッフも主演の玄田(哲章)さんも、関係者の皆がプレッシャーを感じながらやっていると思うんです。『笑ゥせぇるすまん』を放送するぞとなったら、やっぱり皆さんかなり期待してくれるだろうと思いますから。  本当にプレッシャーは半端ではないのですが、でも監督は結構それを楽しんでいる感じがありますね。「まぁ何とかなるだろ」と、いい意味で開き直っているというか(笑)。 ―― その玄田さん演じる新しい喪黒福造については? 荒木 玄田さんにお願いするとなった時点でもう間違いないだろうなと。これはご覧になられた方も同じように感じられたと思いますけど、(先代の故・大平透氏と)全く同じではないんだけれども、玄田さんの喪黒がしっかりと確立されているのに、違和感を覚えない。また玄田さんの「ドーーン!!」は重低音で、すごく力強くて。大平さんの喪黒とはまた違った魅力を引き出してくれていると思います。
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第1夜「ご利用は計画的に」より
■「わかりやすいハッピーエンドが存在しないのが『笑ゥせぇるすまん』」 ―― 「第1夜」の2エピソードを振り返っていただけませんか。 荒木 「白昼夢」は原作ものなので、基本的には忠実にやっていますが、監督も作画監督たちもかなり見せ方にはこだわって描いてくれました。あとビールやお酒もかなりディテールにこだわって描いてます。何度も描き直して仕上げたところなので、ご注目いただければと(笑)。 「ご利用は計画的に」はアニメのオリジナル。これは旧作にはあまりないタイプの作品なんです。というのもクレジットカードが元になっていること、そして主人公が女性であること。実は旧作では女性キャラクターが主人公というエピソードはほとんどなくて、多分原作でも皆無に近いぐらい珍しいんですよ。  それを28年ぶりに新作『笑ゥせぇるすまんNEW』を作るとなったときに、一回目の放送でこのエピソードがあるというのは、実は相当インパクトが強いことなんです。 ―― この2エピソードに限らず『笑ゥせぇるすまん』の各エピソードはオチが鮮やかで、毎回楽しみです。 荒木 そうですね。これがまた、他人には不幸にしか見えないけど、実はハッピーエンドというエピソードもありますよね。客観的に見ると全然ハッピーには見えないけど、ぼろぼろになっているけど、本人的にはハッピーエンドだったりする……わかりやすいハッピーエンドが存在しないというのが『笑ゥせぇるすまん』の特徴の一つだと思います。 ―― ストーリー以外で、制作で苦労したのはどんなところですか? 荒木 やはり内容面で、携わってみないと気づけなかったことが数多くあったんですよ。たとえば主人公=クライアントと喪黒の出会い方や、2人の距離感であったり。そういうところがやっぱり難しかったですね。  あとは毎回のオチ、落とし方・落とされ方も難しくて。何でも有りなように見えるけど、実は全然そんなことはないんです。随所に先生のこだわりであるとか、バランスが存在していますので。そこをつかむまでが一番苦労したところかと思いますね。 ―― そのあたりのバランスも旧作は素晴らしかったと思うんですが、当時制作に関わっていたスタッフさんというのは、シンエイ動画さん内にいらっしゃるんですか? 荒木 いえ、やはり時間が経っていますから、ほぼほぼリタイアされていらっしゃっていて……でも当時のプロデューサーだったOBの方には、電話で相談をさせていただいたりしましたね。 ―― 旧作から受けついだところ、変えたところ、それぞれを教えていただけませんか? 荒木 これは監督もおっしゃっていたんですけど、「前シリーズからたまたま25年空いてしまっただけ」。本作は旧作の続きで、たまたま間が空いただけ、というつもりで制作にあたっていますし、当然旧作の良かったところも引き継いでいきたい。  でも先ほども触れたように、当時のスタッフさんはリタイアされた方も多いですから、そこが意外と難しかったなという感じですかね。 ―― スタッフさんも違いますし、制作環境なんかもだいぶ違うでしょうし。 荒木 そうなんですよ、全然違いますからね……シナリオの内容もそうですし、キャラクターデザインとしてはシンプルなので、画も逆に難しい部分がありまして。イラストとしてみるとすごくシンプルなキャラクターなんですけど、今回はかなり肉感的に描れていますからね。 ―― CGとか、旧作にはなかった技術を導入されたりなどは? 荒木 一応、かなり少ないですけど、部分的にCGを導入する可能性はあります――たとえば、新宿といった都会の人混みを俯瞰で描くときなどは、CGを導入しようかなと。あと現状はほぼ手描きでやっていますね。逆にOPEDは全部CGで描いているんですけど。 ■「今作の喪黒はお茶目なシーンが多くて、結構可愛い一面があるんです」 ―― ちなみに藤子A先生は、『笑ゥせぇるすまん』が再びTVアニメ化される! ということにどんな反応をされていらっしゃったんですか? 荒木 今年の2月に藤子A先生のトークショーに招待していただいて、そこでご挨拶もさせていただきました。こちらはすごく緊張していたんですけど、先生はすごくお元気そうでしたし、気さくな方でした。「ぜひ頑張ってください」とおっしゃっていただきました。 ―― 具体的に「これはしてくれるな」というようなご指示があったりはしない? 荒木 それは基本ないですね。藤子スタジオのご担当者の方を通じて、「こうしたらどうだろう?」と、アイデアを提示していただきましたが、おおむねポジティブに受け止めていただいています。
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TVアニメ『笑ぅせぇるすまん NEW』公式サイトより
―― 次にこれはぜひ聞かねばと思っていたんですが、何がどうなって、高田純次さんがED曲(「ドーン!やられちゃった節」)を歌うことになったのでしょうか? 荒木 あはは(笑)。ぶっちゃけ最初に聞いたときは自分もビックリしましたが、曲を聴かれたならおわかりのとおり、喪黒に「ドーーン!!」されたようなインパクトがありますよね。  そもそも、『笑ゥせぇるすまん』ではいい加減な主人公が各エピソードで喪黒に「ドーーン!!」されますよね。そこでいい加減な有名人って誰だ? となって、これはもう高田さんしかいないのではないかと(笑)。そこが最初です。 ―― なるほど(笑)。自分はそこに加えて、旧作の放送時は、高田さんが調子のいいスチャラカ会社員みたいな役柄をドラマでかなり演じられていて。そういったイメージも影響したのかなと思っていました。 荒木 あ、それもありますね! それこそ植木等さんが演じられていた『無責任男』シリーズじゃないですけど、日本を代表するスチャラカ会社員の初代が植木さんで、2代目が高田さんみたいなイメージをお持ちの方も多いと思います。旧作の時代背景から連なっている、というようなイメージを重ねた結果、ともいえるでしょうね。
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お茶目な喪黒
―― ほか、こんなところも注目! というオススメの見どころはありますか? 荒木 今作の喪黒はお茶目なシーンが多くて、結構可愛い一面があるんです。よく飲み食いするんですよ。第1夜から一杯呑んでいるシーンがありましたけど、今後もよく見ると画面の隅っこで何か食べていたりしますし、それがなぜかちょっと可愛いんですよね(笑)。  でもそれは、落とすときのための演出なんです。喪黒は旧作から変わらずにそういうとこが増えた分、主人公を落とすときのギャップがより大きくなりますから。当時を思い出しながら見てくれる大人のアニメファンももちろんですけど、時間帯はちょっと遅いかもしれませんが、観てくれる低年齢層の子たちを一杯怖がらせていきたいですね、28年前の僕のように(笑)。 ■TVアニメ『笑ゥせぇるすまんNEW』 ・公式サイト http://warau-new.jp/ ・放送情報  TOKYO MX 毎週月曜日23時~  読売テレビ 毎週月曜日25時59分~  BS11 毎週火曜日25時30分~  アニマックス 毎週金曜日24時~  チューリップテレビ 毎週月曜日 24時56分〜  ミヤギテレビ 毎週金曜日 26時30分〜(5月5日より放送スタート) ・以下サイトにて配信中  J:COMオンデマンド、dアニメストア、Netflix、hulu、ひかりTV、レオネット、アクトビラ、ビデオマーケット、TSUTAYA TV、ビデオパス、HAPPY!動画、DMM.com、abemaTV、みるプラス、U-NEXT、アニメ放題、dTV、ニコニコチャンネル、フジテレビオンデマンド、バンダイチャンネル、Google Play、GYAO!、楽天SHOWTIME  (C)藤子スタジオ/笑ゥせぇるすまんNEW製作委員会

再現VTRみたい…アレンジがダサい、役者も演出もしょぼい!/『あなたのことはそれほど』第一話レビュー

『逃げるは恥だが役に立つ』『カルテット』と連続で話題作品を送り出してきたTBS火曜22時枠の今期連ドラは、『あなたのことはそれほど』です。はい、出ました不倫ドラマ。しかもダブル不倫。まあ確かにそこで描かれるのは二組の夫婦で、渡辺さんちの奥さんと有島さんちの旦那さんが何度もセックスするんで不倫なんですけど。コミックス1巻の表紙帯にも「底無しのW不倫」て惹句が躍るし。でもこの原作マンガは、読み返すたびにウッてなる恐ろしい作品(もう何もかもどうでもいいや~って虚無感に襲われます)で、ドロドロ不倫を面白がる系ではないんですけどね。 原作のウツポイント。愛されてないのに不倫相手を「運命の恋」だと信じる主人公には親友の忠告など一切響かない。その妻に実母の面影を重ね執着する男の愛し方がキモい。家庭に不満がないのにうっかり外でセックスしちゃう新米パパの油断と、不倫相手に大した恋愛感情はないうえ性欲や孤独感がセックスに直結してる感じもしない奇妙さ。冷静で思慮深く良き妻・良き母(というか良き人間)であるサレ妻の思考回路が全然読めない。地味に途中参戦する「ママ友」家庭は超鬱ですし。そんな読んでてツラくなる原作マンガが私は好きで、次巻が出るのをいつも楽しみにしているのですが、でも今回のドラマ化に期待は持てませんでした。 駅などに貼ってあるポスタービジュアル(メインキャラ4人と赤いリボンのデザイン)がまずダサい! いかにもコッテコテの不倫ドラマに仕上げる気満々なことが見る前から伝わります。配役もどういう都合なのか知りませんが明らかにミスマッチ。波瑠さんは陰キャなルックスの「不倫される妻」役の方が明らかに似合っているし、仲里依紗さんはヒロインの友人くらいのポジション(大政絢か黒川智花とチェンジ)が良いのでは? 無邪気で自己中心的でそこそこ可愛くてワガママなヒロインには、他に適役と言えるアラサーの女優さんがたくさんいると思うんですが(ex.石原さとみ、長澤まさみ、真木よう子etc)。ヒロインが夢中になるイケメン役に劇団EXILEの鈴木伸之というのも、あまりにも「いくえみ男子」をナメてるような……。 第一話の冒頭で確信しました。このドラマは「ダブル不倫とキモい夫」という素材を提供してもらっただけなんだと思います。ドラマはあくまでもドラマ作品、詳細を説明しなくても巧みなモノローグや会話や登場人物の視線で読者を揺さぶる原作のようには作らないと決めているに違いない。原作冒頭は初恋の男と再会した主人公が浮かれセックスでとばしまくるのですが、ドラマ第一話では時系列に沿ってヒロインが夫と出会い結婚するまでが長々と描かれました。これがまあ、ありきたりなエピソードの連発でとにかくつまらなかったのです……!!!!! ◎初恋相手との不倫セックスは「どうしようもなく幸せ!」 主な登場人物は、4人。波瑠が演じる主人公の渡辺美都(みつ)は、眼科クリニックで医療事務として働く20代後半の女性。彼女に一目惚れした朴訥で誠実なサラリーマン渡辺涼太(東出昌大)は、誰もが認める「いいひと」ですが、美都は涼太にときめきを覚えません。膣キュンしないわけですね。それでも優良物件なので妥協して交際し、占い師の「二番目に好きな相手と結婚すればうまくいく」という言葉を決め手に結婚。二番目どころか、好き度超低そうなんですけどね。夫のことをカースト下位の人間として見下している感じがするほどね。元カレに抜かされて十番目くらいだろ。 もう一組の夫婦は、美都の小中学校の同級生で初恋の相手である有島光軌(鈴木伸之)と有島麗華(仲里依紗)。光軌は中学時代から顔がカッコ良くて運動神経も良くモテるタイプ、高校からはそれを自覚したのかチャラくなり大学でもモテているというモテエリート。ただのサラリーマンですが。妻の麗華とは高校の同級生で、名前負けの地味顔で根暗な印象を与えがちな彼女に惹かれるものがあり交際、結婚。現在、妻は妊娠中という状況です。 第一話は、美都が友人の香子(大政絢)と一緒に友人の結婚披露宴と二次会に参加して「運命の人と結婚したーい」と嘯くところから始まり、「いいひと」涼太に好かれて付き合ってときめかないけど結婚して、そんなある夜に有島くんと偶然再会しハンバーガーショップ→バー→ラブホテルという急展開に美都が運命を感じて「どうしようもなく幸せ!」と膣キュンしまくるところでおしまい。そりゃ幸せですよね~。が、時系列で説明していく流れが退屈。また、ところどころに美都の中学時代の回想が入るのですが、これが失礼ながらバラエティ番組の再現VTRかな? っていうほどダサい出来栄えで衝撃を受けました。 しかもドラマ化で省かれた重要なシーンがあります。中学時代の初セックスです。美都は小6のときに転校してきた有島くんに一目惚れし、中学でもどんどん一方的な「好き」を募らせ目で追っていました(原作では有島くんがそれを気持ち悪がる描写があります)。ある晩、家に母親が男を連れ込んでいるため、公園で時間をつぶしていた美都と偶然会った有島くんはちょっと会話をし、さらに美都は(母と男が外出したのを見計らって)有島くんを自室に招き入れて……原作ではセックスするんですね。美都は一方的な恋愛感情で、有島くんは思春期の性的好奇心で。でもドラマでは、ヤろうとした有島くんを美都が思わず拒み、二人は何もヤらずじまいでした。キスシーンすらない。大好きな初恋の彼が、付き合ってはいないけど初セックスの相手である、ということが、美都が「有島くんとの運命」を信仰する大きな要因となってるのにもかかわらず、です。そりゃ中学生が「ヤリました」とわかるような描写を、地上波放送の連ドラに入れられないかもしれませんが、完全に省いたら二人の微妙な関係性がさっぱりわからなくなります。ただのクラスメイトじゃないですか、これ。 ◎山崎育三郎が背負う期待 再現VTRもショックでしたが、仲里依紗が演じる本妻・麗華のキャラクターがもしかしたら原作と全然違って凡庸なフツーの女性なのかも……というところもショックでした。原作では、あからさまな不幸顔で描かれ、家庭の事情が複雑で高校生ながら家事を一通りこなし妹の面倒を見、アルバイトで生活費を稼ぎ貧乏家計を助けるアダルトチルドレン的な麗華。高校卒業後は役場に公務員として勤務する堅実なしっかり者(2巻の登場人物紹介では「結婚して専業主婦」となっていたが3巻の同欄でその記述がなくなり、4巻では「育児休暇中」にステータス変更されていた)。受動的に見えるルックスなのにしっかり者で主体的、クールで達観していて、モテるであろう夫を独占欲で縛りつけようともせず、しかし勘が鋭い女性です。有島くんは彼女にベタ惚れです。傍からは、「明るく爽やかなイケメンの夫と陰気で不美人な妻」の意外なカップルとして認識されている夫婦です。 しかし、登場時間は短かったものの、ドラマの麗華は思慮深さとか落ち着きとか陰気な第一印象とか、そういうものが一切なかったように思います。たとえば最初の登場シーンで、「焼肉? 誕生日はホテルで奮発って言ってたじゃない」と夫に不満を漏らすところ。“焼肉”はこの夫婦の重要なキーワードでして、高校時代に麗華がバイトしていた焼肉屋を有島はよく訪れていたんです。だから「また焼肉?」という意味……かもしれないのですが、麗華はそんなキャラクターだったかしら、と。もうひとつは、吉祥寺駅前で夫婦が待ち合わせをしていて、お互いを見つけ笑顔で大きく手を振りあうところ。付き合いたてのカップルか? まあ、原作とドラマは別物なのですから、キャラ設定も変更されている可能性はありますが、あの“デキた妻”は作品において非常に大切な存在のはず。フツーの妻で、説得力でるんでしょうか。 ところでいつも「棒」と揶揄されている東出昌大さんの演技が今回の役は「合ってる」「気持ち悪くていい」と好評ですが、確かに何を考えているのかサッパリわからない、闇を抱えた気持ち悪い人間の役は、抑揚のないしゃべりと無表情にマッチ。妻のスマホを盗み見たり、妻への執着が強すぎるところなどが「第二の冬彦さん!」と期待されているようですので、ドラマ制作側もそうした方向で話題になることを狙って作っているのかもしれませんね。そういえば「既婚者たちの恋愛が始まる!?」と煽る次回予告で、美都と有島くんが一泊二日不倫旅で泊まる温泉旅館が、『奪い愛、冬』で使われた熱海の旅館と同じでした。海の見えるヒノキの貸切露天風呂。なんかしょぼいです。 原作厨がうるさくてごめんなさいね。原作は「既婚者たちの恋愛」を描いてるわけじゃないというか、美都と有島くんの間に「恋愛」があるようには見えないんです。美都はガチ惚れだけど有島くんにとって彼女はちょっと可愛いだけのどうでもいい女。お互いを激しく求め合うような不倫じゃないところが現実的で素敵です。美都はイケメンに求愛されないし、イケメン2人に取り合われたりしないし、とりあえず浮かれてセックスするし、ありがちな純粋系ヒロインではありません。そのいかにも「バカ」な女としての描かれ方は、絶賛不倫中だった日本全国の女性読者の目を開かせる威力があるんじゃないでしょうか。つまりいくらでも面白く料理できる素材なのに、なんでこのアレンジなんでしょう? 「ダブル不倫」という題材だけをもらって、原作の乾いた雰囲気は全くない『あなたのことはそれほど』。第二話を見るのが憂鬱になるくらい、魅力を感じなかった初回75分(長っ!)でしたが、その中で一番「おっ!」と思ったのは、涼太の同僚で親友のポジションとして、山崎育三郎が出演していることでした。気鋭のインテリアデザイナーの役で、講演会とかに出ちゃう人気者。スタイリングも含めて、前の月9(『突然ですが、明日結婚します』)と同じ役で出てるのかと思うほど、そのまんまソックリな役でした! しかもその役、原作には登場しないドラマオリジナルですからね。陳腐で無難に進行しそうな不倫ドラマを引っ掻き回すキーパーソンになってくれたらめちゃくちゃうれしい!!!! 育三郎に期待! (ドラマ班:下戸) <そのほかのドラマレビューはこちら> ▼母になる ▼人は見た目が100パーセント ▼ボク、運命の人です。

「嵐ファンの苦情総数は千件以上」日テレ関係者が語る、伊藤綾子『news every.』降板劇の真相

 3月末に、レギュラー出演していた『news every.』(日本テレビ系)を降板したフリーアナウンサー・伊藤綾子。伊藤といえば、昨年7月発売の「女性セブン」(小学館)に、嵐・二宮和也との熱愛をスクープされ、“厳戒態勢”で愛を育んでいると報じられたが、それ以上に波紋を呼んだのが、“交際匂わせブログ”だった。 「記事がネットに広まるや否や、伊藤が自身のブログに、嵐のCDの一部が写りこんだ写真や、二宮が出演した映画の原作本、CM出演中の商品などの写真を大量に投稿していたことが発覚し、嵐ファンの間で物議を醸しました。炎上の原因は、交際自体より、この“交際匂わせブログ”だったといえます」(芸能ライター)  嵐では、リーダーの大野智が、2015年に元タレントとの交際を報じられた際、一部マスコミの前で「もう会うことも一切ありません」と謝罪したが、二宮は報道について一切コメントをせず、一方の伊藤もまた、謝罪や説明はしていない。 「記事が出た当初、日テレ上層部とジャニーズ幹部で話し合いが行われたと聞いていますが、伊藤の『news every.』出演続投や降板について、ジャニーズサイドから一切注文はなかったとのこと。また局内でも、その時点では『降板させなくてもよいのでは』との意見があったといいます」(日テレ関係者)  にもかかわらず、今回伊藤が降板したのは、「視聴者からのクレーム電話が後を絶たなかったから」(同)だという。 「局としては、二宮と伊藤の関係性を『自由恋愛の範疇』と捉えていたようですが、一部の嵐ファンから、『伊藤が出ている限り番組は見ない』『スポンサーに苦情を入れました』といった電話が、報道から3月末まで、ずっと入り続けていたそう。クレーム総数は千件を優に超え、結局は降板させることになったといいます」(同)  こうして、7年にわたって出演し続けてきた『news every.』を去ることとなった伊藤。今後もしばらくは、二宮ファンの目に触れない場所でしか、アナウンサーとして活動することはできないのだろうか。

ひき逃げ被害者を「人間らしきもの」扱いした“おでん研究家”の素顔は「アクティブホームレス」だった!?

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新井由己公式サイトより
「おでん研究家」のフリーライター・新井由己容疑者が、ひき逃げで逮捕された。新井容疑者は3月、神奈川・湯河原町で道を渡ろうとしていた88歳の女性をはねて死亡させたが、そのまま走り去った疑い。警察によると、付近の目撃証言があったほか、現場近くの防犯カメラに新井容疑者が運転する軽ワゴン車が走り去る様子も映っており、その場に落ちていた車体の破片も一致したという。現場はレストランなどもある見通しのよい国道だった。  そんな新井容疑者だが、少し前にはローカル局のテレビ番組への出演依頼があったという。局から仲介を頼まれた雑誌編集者は「引き合わせなくてよかった」と明かす。 「テレビ側の求めていたものと、実際の新井さんのやっていることがちょっと違っていた感じもしましたから、私自身もあまり乗り気ではなかった」(同)  新井容疑者は1991年ごろからライター活動を始め、全国でおでんの食べ歩きをした著作などを出版。テレビ局から相談があったのは、新井容疑者が「お金がなくても生きていけることを示すアクティブホームレス」などと名乗った生活スタイルをアピールしていたからだという。 「新井さんは反原発を標榜する人で、『電気を使わない』ことをアピールしていた高樹沙耶と同じような、自給自足のエコライフっぽいことをやっていたんです。最近は『お金のいらない生活』を口にしていたのですが、ただ、その中身は、執筆や大工やマッサージといった自分の特技を提供して、見返りに寄付してもらうということで、それなら普通の経済活動とあまり変わらないんですよ。軽トラックを改造した小屋での生活をネット上でアピールしていたときは、160万円以上の寄付を集めていて、実際にはしっかりお金に頼ってたんです」(前出編集者)  編集者がこうした話をしたところ、テレビ側の担当者は「もう少しエコライフを強調した感じにできないか」という打診してきたという。 「でも、新井さんはちょっと気難しいところがあるので、ヘタに演出をさせたりしたら、あとでそこをネットで悪く言われかねない。揉めごとになるのは嫌だから、私は『それでもやるなら直接、コンタクトを取ってくれ』と、引き合わせなかったんです。新井さんは自分のやることにもっともらしい理屈をつけるのが得意で、そこはウンチクを語るルポライターに向いていたと思いますが、まさかひき逃げしてまで自分の理屈を言っているとは……」(同)  新井容疑者は警察に対して「人間らしきものにぶつかった認識がありましたが、動揺して事故の申告ができなかった」と供述していたとされる。 「あの人の性格だったら、人間にぶつかっても“人間らしきもの”とか、いかにも言いそうなんですよ……」と編集者。  驚いたのは、この事故後にも新井容疑者が平然とFacebookやTwitterを日々更新していたことだ。いずれも、事故当日から4日間ほどの空白を経て再開。4月13日のFacebookには「実は僕がやりたかったことはこれなんだと気づきました」として「お遍路の『お接待』みたいに、誰にでもギフトできるシステムをつくりたい」「お金がなくても暮らしていけるシステムをつくりたい」「定住しなくても生きていけるシステムをつくりたい」などと書いていたが、そこに「人を傷つけたら責任をもって対処するシステム」はなかったようだ。  また、別の知人によると、「新井さんは運転に自信があるようだった」という。 「過去にタクシー運転手をやったこともあるらしく、少し前にはゴールド免許を人に見せていましたし、長時間一定の速度で運転できることも自慢げに言っていました」(同)  2年ほど前、ニュージーランドの交通安全のCMをTwitterで紹介した際には、「車の運転、あらためて気をつけようと思いました」とも書いていたが、今回問われている罪は交通事故どころか、ひき逃げという重罪。とてもお気楽なエコライフどころではなくなってしまったことは確かだ。 (文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)