最近、すっかり老け込んだといわれるみのもんたが、引退の準備をしているという情報が聞こえてくる。 「1月からスタートした、TBS系の新番組『結婚したら人生劇変!○○の妻たち』の低視聴率に限界を感じたようで、引退して、鎌倉にアナウンス養成学校を設立し、校長に就任する準備を進めているのではというウワサが流れてます」(TBS情報番組関係者) かつては、レギュラー番組8本を抱え、“テレビ界の帝王”として君臨したみのだが、4年前に、当時日本テレビの社員だった次男が起こした“窃盗事件”の責任を取って、TBSの朝の情報番組『みのもんたの朝ズバッ!』を降板。レギュラー番組も次々に消え、現在、地上派レギュラーは、日本テレビの『秘密のケンミンSHOW』と『結婚したら人生劇変!』の2本。あとは、ラジオ番組の『みのもんたのニッポンdiscover again』(文化放送)のみだ。 4年前に『朝ズバッ!』を降板した際に、TBSとの上層部の間で「いずれ、復帰させる」という密約があったとの情報が流れたが、それとは別に、みのがTBSの幹部を何度も食事に接待するなど、レギュラー番組獲得に向けた営業活動を続けていたのは確かだ。 営業の成果があったのか、TBSは昨年、みのの司会で9月と10月の2回にわたって、パイロット版が放送された『結婚したら人生劇変!』を、今年1月から新番組としてスタートさせた。TBSサイドはその裏で「とりあえず、ワンクール。10%以上の視聴率を取ったら、4月以降も継続する」との条件を出していたという。 『結婚したら人生劇変!』の初回視聴率は6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったが、2回目は10.3%と10%台をクリア。しかし、3回目は5.3%まで下落し、その後も10%を超えるような回復は見られていない。TBSの「4月の番組改編は最小限で」という方針もあり、3月末での終了は免れたが、6月いっぱいでの打ち切りの調整に入ったとの情報が流れている。 一方、文化放送のレギュラー番組も、スポンサーの関係で年内終了がささやかれている。そのために気力がなくなったのか、最近のみのは、すっかり老け込んでしまったように見える。夜の銀座遊びはいまだに健在らしいが、銀座のクラブ関係者も「お気に入りのホステスと同伴出勤する姿からも、以前のようなギラギラした表情は消えて、一気に老け込んだ。単なる好々爺に見えますよ」と言う。 みのも、もう72歳。勇退のタイミングが迫っているのかもしれない。潔く引退して、第2の人生を歩みだすのか、去就に注目したい。 (文=本多圭)
月別アーカイブ: 2017年3月
KAT-TUN・亀梨和也との共演拒否!? 『ボク、運命の人です。』ヒロインをドタキャンした女優とは?
4月期にKAT‐TUN・亀梨和也主演で放送される連続ドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)。亀梨と山下智久が、『野ブタ。をプロデュース』(同)以来12年ぶりに共演するとあって、世間の注目を集めている中、ヒロインのキャスティングをめぐっては、水面下で大トラブルが発生していたようだ。公式に発表されたのは、今期の木村拓哉主演『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)に出演中の木村文乃だが、当初は、あの“お騒がせ女優”が出演予定だったという。
「公式発表される直前まで、ヒロイン役は上野樹里で話が進んでいました。TRICERATOPS・和田唱との結婚後、初のドラマ出演とあって、上野の所属事務所もすぐさまオファーを受けたようですが、なんと上野本人が出演を拒否したというんです」(芸能プロ関係者)
上野の最後の連ドラ出演は昨年、同じくジャニーズの香取慎吾主演『家族ノカタチ』(TBSP系)のヒロイン役だった。
「にもかかわらず、今回の作品に関しては『アイドルのドラマなんて出たくない』という言い分で出演を渋ったと聞きました。当然、事務所サイドは上野を必死に説得したものの、結局OKは出なかったとのこと。このドタキャンで、日テレサイドは代役探しに奔走したようです」(同)
そして急きょ出演が決定した木村に関しては、「同じ事務所の綾野剛が、同じく4月期に日テレの『フランケンシュタインの恋』で主演予定とあって、そのバーターとしてオファーを受けたそう」(同)だという。
そして気になるのは、上野の今後の処遇だが、「少なくとも日テレは、今後しばらくは出禁処分にする意向」(制作会社スタッフ)のようだ。
「スケジュール上のミスというならまだしも、一度事務所がOKしたものを、本人都合でドタキャンとあって、テレビ局からすれば絶対にあり得ない話。上野が“お騒がせ女優”なのは有名な話で、特に2011年のNHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』出演後は、自分の好き嫌いだけで仕事を選ぶようになったといいます。取材や撮影中、気に入らないことがあったからと突然帰ってしまったり、スタッフからの注文に全てNOを出して手がつけられなくなったりといった話も聞こえてきますしね。今後、日テレとは半永久的に仕事ができなくなるかもしれません」(同)
相変わらず視聴率は好調の日テレだが、思わぬトラブルに遭遇してしまったようだ。まずは『ボク、運命の人です。』の先行きに期待したい。
やはり遺伝!? キスマイ千賀の家出話で、千賀母も天然だったことが発覚
プールに遊びに行った際に水着と間違えて母親の下着を持っていくなど、天然エピソードには事欠かないKis-My-Ft2の千賀健永。そんな世間とズレた彼の性格は遺伝かと思わされるエピソードが、3月1日深夜放送のラジオ番組『キスマイRadio』(文化放送)で繰り広げられた。
この日、パーソナリティーを務めたのは、千賀と藤ヶ谷太輔。“ありがち男子”のコーナーで……
NEWS・小山慶一郎、“熱愛疑惑”後に「るんるーん」「すっきり」! ファン怒りのドン引き
アイドルグループ・放課後プリンセスの候補生(当時)である太田希望との交際疑惑が騒がれた、NEWS・小山慶一郎。これまで疑惑に言及することのなかった小山だが、公式携帯サイト「Johnny’s web」の連載「メンバー愛」でつづった内容に、ファンから「ふざけんなよ」などと怒りの声が上がっている。
ネット上の書き込みを発端に、2月中旬から交際関係がささやかれた2人。小山のファンが彼女のSNSを調べたところ、江戸切子のグラスや、PRADAのバッグなど複数の共通アイテムが判明し、NEWSファンの間で交際が“確定”と判断されるに至った。すると同時に、放課後プリンセス側は2月25日付のスタッフブログで「2017年1月から放プリユースとして活動しておりました太田希望を本日付けで解雇致しました」と、突如発表。「グループのルール違反が発見された」ことを重く受け止めた処分だといい、違反行為の詳細は述べていなかったが、小山との熱愛疑惑が関与していたとみられている。
太田は、2月22日を最後にTwitterやインスタグラムの更新をストップ。一方、小山は騒動の渦中でも月~金曜日にキャスターを務めている情報番組『news every.』(日本テレビ系)に出演し、27日には公式サイトの連載「メンバー愛」を更新した。
「小山は前日の出来事を連載で明かし、カフェでホットロイヤルミルクティーを飲んで『ゆっくりと癒やされました』とつづったり、夜は友人の“男メンバー”が集合して語り合い『いっぱいしゃべったら、すーーーーっきりした!!!!』『たくさんのパワーをくれてありがとう♪』と振り返ったんです。この内容にファンから、『男友達って本当? もう信じられない』『「男メンバー」ってわざわざ「男」を強調させてるし、「すっきりした」っていうのも悪意感じる』『自己解決? 1人だけすっきりされても困る。能天気でほんとムカつく』『こっちは、なんにもすっきりしてないんですけど』などと、批判の声が上がりました」(ジャニーズに詳しい記者)
そんな中、小山はまたもファンの怒りを増長させるような爆弾を投下。3月3日更新の「メンバー愛」で、加藤シゲアキとレギュラー出演している『NEWSな2人』(TBS系)のロケ終了後、加藤と合流してお寿司を食べに行く予定だと明かし、続けて「楽しみすぎるぜー。るんるーん」とつづったが、この一言がファンの感情を逆撫ですることになったのだ。
「昨年12月にアップされていた太田のインスタグラムにも『るんるーん』という一文があり、ワードが共通していることが新たに発覚したんです。もちろん、偶然に一致した可能性はありますが、『るんるーん、ってかぶることある? 偶然とは思えない。何をそんなにファンを煽る必要あるの?』『小山には、ちゃんとアイドルをしてほしい。プライベートとかどうでもいいけど表に出すのはプロ失格。るんるーんってふざけんなよ』『るんるーんってなかなか使わないワードだよ。それを無意識に書いてるあたりがバカ』などとファンは“ドン引き”しています」(同)
最近では、小山の“クズ”“性悪”エピソードを垂れ流す匿名のTwitterアカウントが複数出現。太田との交際は2年が経過していることや、小山が「NEWSメンバーの悪口を太田に言いふらしていた」と暴露する内容などが連投されている。中には、2年前の太田の誕生日に、小山が東京ディズニーシー・ホテルミラコスタのスイートルームに友人を呼び、“サプライズのお祝いをした”など具体的な話も浮上している。
真偽不明な情報が入り乱れているためファンは困惑しているが、いずれにせよアイドルとしての小山の評価は下がりつつあるようだ。NEWSは4月1日から「NEWS LIVE TOUR 2017 NEVERLAND」がスタート。ファンを前に、小山がどんなパフォーマンスを見せるのか、注目が集まる。
仕事を断り、CMも「降りたい」……嵐・松本潤に裏切られた井上真央は“引退”寸前!?
昨年12月、名バイプレーヤーの岸部一徳が所属する事務所に移籍した井上真央。新事務所で積極的に活動するのでは? と注目が集まっていたが、実際には仕事を次々に断わって、現在、契約金3,000万円といわれる企業とのCM契約すら降りたがっているという情報が流れ、電撃引退が危惧されている。考えられる原因は、嵐・松本潤との破局だ。 井上と松潤は、2005年にTBSドラマ『花より男子』で共演。その後、交際に発展したが、ジャニーズ事務所がそれに反対。息がかかったスポーツ紙やマスコミに“後追い取材禁止令”を出して封印しようとしてきたが、2人極秘で交際を続けていた。 15年に井上がNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の主演に抜擢され、大河ドラマ終了後に電撃入籍があるのかどうか注目されたが、井上の所属事務所の先輩であり、ドル箱女優だった松嶋菜々子の人気に陰りが見え始めたことから、松嶋に代わって、井上への期待が一層高まった。 その井上は、あるインタビューで「好きな人に『芸能界を辞めろ』と言われたら、どうします?」という質問に対し「辞めます」と、きっぱりと答えている。 引退されてしまっては困るとの危惧からか、事務所側は松潤との結婚に反対の姿勢を見せていたようだ。井上は、このまま事務所にいたら、結婚問題も含め、自分の思うような活動をすることが難しいと考えて、独立を画策。昨年12月に、事務所を移籍した。 ところが、その矢先に、松潤から“別れ話”を切り出されたという。井上は1月9日の30歳の誕生日に、松潤と「入籍したい」という願望を持っていたといわれていただけに、突然の別れ話だった。 それと前後して「週刊文春」(文藝春秋)に2週連続で「裏切りの4年恋人」として、松潤にAV女優の葵つかさの存在が報じられた。松潤は「そんな人、知らない」とシラを切り通しているが、4年間もの間、裏切られてきた井上のショックは計り知れない。 松潤と結婚するために新事務所に移籍したのに、裏切られた井上。極秘で交際を続けてきただけに、誰にも苦しい胸の内は打ち明けられない。周囲は今後、井上が引退を決断しないかと危惧している。 松潤の裏切りが井上をここまで追い込んだのだとしたら、その責任は重い。 (文=本多圭)
アーサー王はリアルに女性だった可能性も!?……ドヤれる元ネタ教えます! 一番わかりやすい『FGO』原典紹介
神話や伝承、物語、実在人物などを元にした個性的なキャラクターたちと、彼らを巡る物語が大きな話題を呼んでいる大人気スマートフォンRPG『Fate/Grand Order』(cTYPE-MOON / FGO PROJECT)。各方面へのタイアップも数々行われており、これからの展開がとても気になるところです。 今回は、同スマートフォンRPGに登場する膨大な数のキャラクターの中から、昨年末に放送されたTVアニメ『Fate/Grand Order -First Order-』(TOKYO MX)に登場したキャラクターのみに絞り、その原典や宝具の元ネタ、意外と知られていないワンポイントなどをご紹介していきたいと思います。 ■マシュ・キリエライトアニメ『Fate/Grand Order - First Order-』公式サイトより
アニメのヒロインであり、ゲームでは最初にサーヴァントとなるマシュ。彼女の持つ盾の宝具「ロード・カルデアス」のデザインの元は、イギリスの西側にある島国アイルランドのみにその痕跡を残す、「ケルト系キリスト教」独自の十字架「ケルト十字」だと思われます。 ケルト十字とは、ケルト文化の伝統的な組み紐模様とラテン十字(キリスト教の十字架)を組み合わせたものです。ラテン十字の部分に組み紐模様が刻まれ、十字の交差部分に円盤またはそれを囲む輪がある、というのが特徴です。 ところで古くのキリスト教は、教えの伝わっていない地域を見つけると、その地方土着の神を悪しきものと認定し、布教をスムーズにする(記事参照)という戦略を取っていました。 ところが、今となってはその理由はわかりませんが、アイルランドにやってきた布教者たちはそのような強硬策を取りませんでした。彼らは、アイルランド土着の信仰と神話をキリスト教と融合させて取り込む、という懐柔策によって教えを広めたのです。 結局古い神々と神話は、文献資料として残されはしたものの忘れられ、キリスト教への信仰のみが残りました。ですが古い時代に2つの信仰が融合した結果として、アイルランドには現在でもケルトとキリスト教が融合した、ケルト十字など独特の信仰の痕跡が残されているのです。上:『Fate/Grand Order -First Order-』、BD&DVDジャケット 下: Wikimedia Commonsより。ケルト十字
ちなみに「ロード・カルデアス」の正体とされる「アーサー王の円卓」は、1150年ごろに書かれたアーサー王物語のひとつ『ブリュ物語』にてはじめて登場したアイテムです。 これは「騎士たちの着くテーブルを円形にすることで席順の意味を無くし、身分の差を気にしない発言を可能とする」ために、アーサー王が作ったとされるものです。さらに円卓が使われていたという明確な記録や記述は、それ以前の史実にもアーサー王伝説にもありません。 つまり、今でも国際会議などで使われている円卓は、12世紀に書かれたアーサー王物語から現実へ輸出されたもの、と言えるのです。 ■メドゥーサ(ギリシャ神話) 真っ先に登場した敵サーヴァントのメドゥーサですが、実は「メドゥーサ」とは個体名であり、「ヘビの髪の毛に、敵を硬直または石化させる能力を持つ女性の化け物種族名」を指す言葉ではありません。 原典であるギリシャ神話内でのメドゥーサは「ゴルゴン」という化け物種族の1体であり、神話文献によっては姉が2人います。長女ステンノ、次女エウリュアレ、三女メドゥーサという構成で、彼女たちはいわば「ゴルゴン三姉妹」とでも呼ぶべき存在です。 名前自体が亜人種族名と勘違いされるほどに、メドゥーサの知名度が非常に高い理由は、ギリシャ神話に「鏡の盾を持った英雄ペルセウスに挑まれ、首をはねられた」という有名な逸話があるためでしょう。 『Fate/Grand Order』では今のところ「ゴルゴンという単体の化け物(ゴルゴーン)」と「ゴルゴン3姉妹(ステンノ、エウリュアレ、メドゥーサ)」が採用されていますね。<Wikimedia Commonsより。円卓を囲むアーサー王と円卓の騎士>
メドゥーサが振るっていた大鎌のような、先端に極端に曲がった刀身の付いていた宝具はゲームと同じく、神話でメドゥーサの首を切り落とした剣「ハルペー(ハルパ)」をモデルにしたものと思われます。ハルペーは古代ギリシャ語で「鎌」を意味する単語であり、各種文献では「鎌剣」などと訳されています。 ここで「武器は大鎌だったのになぜ剣が?」という疑問を抱かれたかと思いますので、史実におけるハルペーから追って説明していきましょう。<Wikimedia Commonsより。ハルペーを持ち、メドゥーサの首を掲げる英雄ペルセウス>
本来のハルペーは、剣というよりは片手用の鎌のような形状をしていた刃物、と記録のみが残されている武器です。その内容によれば、ハルペーは古代ギリシャで実際に使われていた剣だ、というのですが、あまりにも古い時代に作られ、同時に使われなくなったようで、さらに現物が見つかっていないため、正確な外見はわかっていません。<Wikimedia Commonsより。ハルペーを持つクロノス神>
ただし、剣であるにも関わらず「鎌(ハルペー)」という名前で呼ばれていることから、現在ではギリシャ神話の天空神ウラヌスの男根を切り取り去勢した鎌「アダマスの鎌」と混同、または同一視されている例が非常に多く見られます。 アダマスの鎌も元々は小さな鎌だったのですが、見栄えを良くするためか絵画などでは次第に大きく描かれるようになり、結果として西洋の死神が持つような巨大な鎌とされるに至ったのです。 これらを顧みるに、おそらくメドゥーサの持つハルペーは、大鎌として描かれているアダマスの鎌とハルペーを、あえて同一視した上で作られたハルペーなのだと思われます。 ■クー・フーリン(ケルト神話・アルスターサイクル) ケルト神話群のひとつ「アルスターサイクル」の主人公格であるクー・フーリンに関しては、彼のキャスターとしての適正及び、登場した宝具「ウィッカーマン」の解説に留めたいと思います。 必殺の槍ゲイ・ボルグを操るランサーとしてのイメージが強いクー・フーリンですが、神話から見てもキャスターの資質は十二分です。 神話内では大跳躍の術(山を飛び越えるほどの高さまでジャンプする術。(日本におけるケルト文化や妖精研究の第一人者、井村君江氏の著書の翻訳のみで「鮭飛びの術」)を我流で身に付けるなど、優れた魔術の才能を見せています。 言うまでもないでしょうが、彼に武芸と魔術を授けた人物は、教え子を必ず超一流の戦士に育て上げる、自らも優れた戦士であり魔術師でもある名教師スカサハです。 数多くいた弟子たちの中でも、特にクー・フーリンは目をかけられており、師スカサハから直々に「お前には私の持つすべての技を伝授する」と宣言されています。そしてクー・フーリンは、スカサハの持つすべての武芸、戦術、魔術を身に付け、ダメ押しにスカサハ秘蔵の必殺の槍「ゲイ・ボルグ」とその投げ方を伝授されたのです。 さらに付け加えるならば、クー・フーリンは神の血を引く半神半人の英雄であります。超人的な戦闘能力に併せて、魔術にも長けていて当然でしょう。<Wikimedia Commonsより。16世紀、大鎌の外見で描かれたアダマスの鎌>
次に、アニメ内でアーチャーとセイバーオルタにとどめを刺した「ウィッカーマン」です。ウィッカーマンとは、紀元前1世紀ごろのガリア地方(現在のフランス)に住むガリア人(ケルト人の一派)が行っていた「柳の枝の編み細工で巨大な人形を作り、その中に人間や家畜を詰め込み、人形もろとも燃やす人身御供の儀式」とされています。 ウィッカーマンが世に知られたきっかけは、ガリア地方をわずか7年で征服した、後の欧州最強国家ローマ帝国の基礎を作った偉人「ガイウス・ユリウス・カエサル」の著書『ガリア戦記』内の記述です。それによれば、カエサルはウィッカーマンについて「ガリア人には神に生け贄を捧げる習慣がある。ある者たちは柳の枝の編み細工で巨大な像を作り、内部に人間を詰め込んで燃やし、人々は炎に取り巻かれて死んでいく」と触れています。 注意点としては、これはあくまでも「戦争に勝利し支配者となったローマ側、カエサルの観測による一方的な記録」という点です。ガリア側によるウィッカーマンの記録は一切残されておらず、当人たちが何を目的として行っていた儀式なのかも不明瞭です。よってウィッカーマンの儀式はカエサルの勘違い、誇張、果ては敵側を蛮族として扱っての捏造、征服の正当化、という可能性もあります。すなわち、正しいとも間違いとも言い切れないのです。 ■干将・莫邪(古代中国の物語)<Wikimedia Commonsより。18世紀、伝承を元に想像で描かれたウィッカーマン>
毎度おなじみ、アーチャーの扱っていた2本の剣は、古代中国の文献を由来とする宝具「干将・莫邪」という、2本同時に作られた夫婦剣です。1世紀の歴史書『呉越春秋(ごえつしゅんじゅう)』、4世紀の志怪小説集『捜神記(そうじんき)』によれば、亀甲状の文様が施されているのが雄剣干将、波紋状の文様が施されているのが雌剣莫邪となります。 干将・莫邪は、中国由来の伝説の剣としては知名度の高い存在であり、日本を含めた数多くの作品に登場しています。ですがどういう訳か、先述した2つの文献を含め、原典といえるすべての作品内において剣の制作方法や登場人物、さらには物語の内容、結末にまで差異が見られるのです。 また「剣を作る際、妻莫耶が炉中に身を投じた」というエピソードも非常に有名で、これに準じた設定は数多くの作品に登場しています。原文(於是干將妻乃斷髮剪爪、投於爐中)は確かにそのようにも読めるのですが、「妻莫耶が自身の髪の毛と爪を切り、それを炉中に投じた」と見たほうが無難でしょう。 何故なら、この物語が成立したころ(紀元前5~2世紀)の中国では「髪の毛にはその人の命が宿っている」とされていたからです。つまり髪の毛を切って火の中に投げ込んだ、という時点で、その時代においては十二分に命を削っているのです。 ■セイバーオルタ(トマス・マロリー『アーサー王の死』) セイバー、すなわちアーサー王に関しては、物語の成立とアルトリア・ペンドラゴン実在の可能性について触れるに留めます。 現代における「アーサー王伝説」とは、基本的にはイギリスの騎士トマス・マロリーが15世紀に完成させた小説『アーサー王の死』のみを指すものです。 実は『アーサー王の死』の大本となる「アーサー王伝説」とは、5~6世紀ごろにブリテン島(現在のイギリス)を守った戦士の活躍が伝説化したものです。アーサーという人物は、8世紀ごろに成立した『ブリトン人の歴史』という文献にはじめて登場するのですが、この時点では王ではなく、部隊を率いる一指揮官にすぎませんでした。 ですが10世紀になると、アーサーをブリトン人の王とした物語がいくつかの文献にまとめられ、アーサーは王として伝説化しました。やがてイギリス、ドイツ、フランスと、ヨーロッパのほぼ全域にアーサー王物語が広まります。それに触発された当時の作家たちは、こぞって「アーサー王や円卓の騎士が活躍する物語」や「アーサー王と彼に仕えるオリジナル騎士の物語」を作り出していったのです。 結果として、各国で独自の発展を遂げたアーサー王物語が大量に作られました。当然のことですが、それら物語群は数々の作家が各々に書き上げた作品であるため連続性はなく、登場する人物や設定などもそれぞれで異なっています。 マロリーは、それら大量かつ雑多なアーサー王物語を集めて読み漁り、良い設定や要素、エピソードなどを拾い集めてつなぎ合わせ、ひとつの連続した物語としてまとめ書き上げました。その物語こそが、アーサー王物語の集大成『アーサー王の死』なのです。 かなり強引な考え方ではありますが、世に出なかった、すなわち【太字ここから】マロリーが採用せず、かつ後世に残されなかった作品の中に「アーサー王が実は女性であった」という物語が存在していた可能性はなきにしもあらず【太字ここまで】、なのです。 ――実のところ、記事としてひとつに収める必要があるため、かなりの情報量を盛り込んではいるのですが、これでも相当な内容を端折っています。 これら元ネタの情報は、知れば知るほど物語や小ネタへの理解、キャラクターへの思い入れが増すものですので、ぜひお気に入りのサーヴァントについて調べてみて下さい。 ■文・たけしな竜美 オタク系サブカルチャー、心霊、廃墟、都市伝説、オカルト、神話伝承・史実、スマホアプリなど、雑多なジャンルで記事執筆、映像出演、漫画原作をしています。お仕事募集中です! Twitter:https://twitter.com/t23_tksn『Fate / Stay Night Unlimited Blade Works』 TV Series Season 2ジャケットより。士郎とアーチャーがそれぞれ手にしているのが干将・莫邪
関係者の逮捕相次ぐ…そもそも「無修正AV」とは何なのか?
3月7日の運勢は? しぃちゃんの12星座占いで今日の運勢をチェックする
12星座ごとに毎日しぃちゃんが「総合運」「金運」「恋愛運」「仕事運」の4つをシンプルなコメントで占います。あなたの今日の運勢は?
小嶋陽菜は、なぜ“セレブ生活”を送れるのか――事務所を通さない“海外での仕事”が問題視?
『ゆゆ式』だけではない──BBCで放送された日本の児童ポルノ番組 55分間のあらすじと登場した作品
先日、イギリスBBCが放送し注目されている、日本の児童ポルノの実態を追ったとされるドキュメンタリー。 『STACEY DOOLEY INVESTIGATES:YOUNG SEX FOR SALE IN JAPAN』 というタイトルと予告編。取材班が秋葉原で警察に拘束されるシーンは、日本でも見ることができます。 しかしながら、この番組はイギリス国内限定配信のため、視聴は容易ではありません。 ただ『ラブライブ!』『ゆゆ式』などが、児童ポルノや児童虐待と関連づけて登場したという話だけが伝わっています。 この番組、単なるニューストピックではなく55分間の中編ドキュメンタリーです。そこでは、さまざまな作品や人物が登場しています。 そこで、この記事では日本では視聴することのできない番組の中身を紹介し、簡単に論評したいと思います。 ■冒頭22秒で最大の事実誤認が発覚 55分のドキュメンタリーは、レポーターのStacey Dooleyが路上を歩いているシーンからスタート。この番組、タイトルに『STACEY DOOLEY INVESTIGATES』と記されているように、彼女が見て聞いたものを、彼女の主観で描くというスタイルのようです。 そして、冒頭22秒で事情を知っている人ならば、ひっくり返るであろう字幕が。 UNTIL 2014 IT WAS LEGAL TO OWN CHILD PRNOGRAPHY IN JAPAN 「2014年まで日本では児童ポルノが合法だった」 この時点で心が折れるか、55分間我慢して観賞する覚悟を決めるか、どちらかになるでしょう。 タイトルに続いて、秋葉原の風景、総武線の電車とオノデンの看板に続いて、さまざまなアイコンがカットインされていきます。確認できた範囲だと『ラブライブ!』の映像のほか、オナホールのパッケージ。野上武志さんの『大和撫子〇〇七』の表紙などが確認できます。 そして、ロケ車の中で再び「2014年まで日本では児童ポルノが合法だった」「JK、すなわちハイスクールガールは、ビックビジネスになっている」と語るStacey。降り立ったのは、JKお散歩店の女性たちがビラを手に並ぶ通称・ビラビラ通り。 カメラを回しながら、ビラ配りの女性に「ビラが欲しい」と声をかけていますが、用心棒の男性に「ノームービー」と止められます。「女の子が嫌がっているんで」と日本語で説明されていますが、カメラは依然として回り続けます。 対して英語で「何か法に触れていることをやっているのか」とやりかえすStacey。 らちが明かないとみたのか、警察に通報されてしまいます。用心棒側も増援がやってきて、体を押したとか押さないとか一悶着。 果敢な取材精神ですが、そこはBBC。ちゃんと退路は確保していました。ロケ車に逃げ込むStacey。そこへ、ようやくやってきた警官は、なぜか音声のみの出演で「映像はね、一度消してもらって、ちゃんと撮り直したらどうです?」と。どうも、説得されているようです。
■合法JKカフェでは際どい質問も 2時間にわたり悶着が続いたことを説明して、取材は歌舞伎町へ。 潜入取材かと思いきや、カメラを回しながら堂々と店内へ。どうも、許可を取った上での取材の様子。従業員の女性はもちろん、客も顔出しで取材に答えています。 客の男性に「Does she give you an erection sometimes?」とか聞いちゃうStacey。 なぜかわかりませんが、和気あいあいと進む取材。従業員の女性とハイタッチまでしています。そして「このJKカフェは合法だったね」と看板のアップが……宣伝? でも、まったくの合法だとしながらも「決してきれいな仕事ではない。彼女たちはセックスのオブジェクトなのだ」と、ナレーションでつぶやきます。 そして、このJKカフェを背景に唐突にナレーションで語られるのは「日本では30代以下の半数あまりが正規雇用ではなく、親の金に頼っている」ということ。何かと思ったら「これらのJKも現金を稼ぐための、一つの方法」だというのです。なるほどStaceyの目には、これは若者の貧困の結果と見えたようです。 ■リアルJK売春婦に遭遇 さて、舞台は変わって女子高生のためのシェルター施設へ。そこから、Staceyはいよいよ売春で稼ぐ女子高生に出会うのです。 取材に応じたのは、JKお散歩店で働くという17歳の女子高生。「建前はお散歩店だけど、どこに行くのも自由」つまり表向きは、売春については店はノータッチという暗黙のシステムを説明します。 そんな女子高生にStaceyは、どれくらい客を取っているのかを聞きます。学校もあるので週2回の出勤だという女子高生は「そうですね、私は人気のほうなので、一日に5人、多いときに6人。1回に3万円から多くて6万円」だと語ります。 続いてStaceyが質問したのは、どうして働いているのかというもの。これに対する答えも正直なもの。 「この仕事をしているのは、家庭に問題があったり、寂しかったり、私は自傷行為に近いですね。一時期、自殺願望が止まらなくて、病院に入院していました」 ここで、再びStaceyの語りが挿入されます。 「2016年に公表された国連のレポートでは、日本政府の児童売春・児童ポルノへの取り組みに対して厳しい内容が記された。国連は被害者に対しての適切な保護と取り組みを要求している」
■着エロ制作者がぶっちゃけトーク さて「2014年以降、児童ポルノは非合法になった」という語りと共にやってきたのは、神保町の芳賀書店本店。階段を上りながら、制服もののAVのポスターを見つけたStaceyは、ひどく嫌悪のこもった表情を。そして制服ものやロリ風味なAVの画像と共に「彼女らは18歳を過ぎているのだ」という説明が。 さらに、これも芳賀書店の店内でしょうか。疑似ロリのDVDを漁るStaceyは、さらに嫌悪に満ちた表情で「彼女は何歳に見える? 私には、小学生未満(ready for school)に見える」というのです。 続けて「It’s so surreal!」と。疑似ロリ自体が非現実的だということでしょうか? 「小学生をイメージするアイコンなどを利用しても、それらは成人女性であり、日本ではまったくの合法」だと説明するStacey。 ひとまずは警察庁を訪れて、日本政府の取り組みを取材するのですが、なぜか勝鬨橋を渡って、築地市場に入るカットが挿入。観光してから出かけたのでしょうか? 警察庁への取材を挟んでやってきたのは、朝の住宅地。ベンツの停まっている一軒家。そこで行われていたのは、着エロの取材です。 19歳のモデルの撮影シーンやインタビューを挟んで、制作陣へもインタビュー。取材された男性は「法律が厳しくなって、若い子とエッチができなくなった代替」「単純に日本人はロリコンが多いじゃないか。最低年齢は6歳を撮影している」「単にビジネス」と、隠すことなく語るのです。
■着エロの原因は経済的貧困という主張 ここまで約37分。ようやく後半戦に入って登場したのは、着エロやAV出演強要問題で知られる伊藤和子弁護士です。 このシーンは、まず伊藤弁護士の語りから。 Staceyが取材やインターネット、店頭などで得た情報について触れ「日本のどこでも、児童ポルノのように見えるものが存在する」と語った後、プレゼン用のパワーポイント資料を印刷したものを用いて説明に入ります。 画面上では画像処理がなされていますが、着エロDVDのパッケージ画像を用いた資料の様子。伊藤弁護士は、彼女は15歳であるが、制作会社は胸や性器を隠しているので児童ポルノではないと主張していると説明します。 これを見て、次のような会話が続きます。 Stacey:So is this Chaku Ero? (これは着エロですか?) Ito:Yes, This is Chaku Ero. (これは着エロです) Stacey:that’s awful. (それはひどい) Ito:Chaku Ero is child pornography. That's reality in Japan. (着エロは児童ポルノ。それは日本の現実です) Stacey:That’s so shit. (くそったれ) Ito:Yes. (ええ) さらに別の資料では次のような会話が。 Stacey:Ten years old,max. Lying with her legs wide open.This is so shocking. (最低年齢で10歳の少女が足を大きく開いて横たわっています。これはショッキングです) Ito:Under elementary school,maybe. (多分、小学生以下でしょう) さて、話も佳境に入り話題は、なぜ幼い少女たちが、着エロに出演しているのか。伊藤弁護士は、貧困の結果だといいます。 Ito:Some of the family are so poor and no way other than using children for this kind of industry. (とても貧しい家族の中には、これらの産業に子どもを雇用させる以外に道がない人もいるのです) そして、それを「So this is human exploitation.(人間の搾取)」と表現するのです。
■エロマンガで子どもをレイプするヤツもいる説 さて、取材を続けるStacey。40分あたりから、舞台は再び秋葉原へと移ります。そこで、数々のアニメやマンガの画像と共に語りが入ります。 その語りでは、次のような言葉が並びます。 Stacey:Domestic sales of these Japanese comics topped over £2 billion in 2015. (これらの日本のマンガの国内販売は2015年に20億ポンドを超えました) Stacey:Manga, covers every subject you can imagine, including X-rated erotica. (成人向けのエロを含めて、マンガはあなたが想像できるすべての主題を網羅しています) Stacey:Some include scenes of child abuse, child rape and incest and are so graphic, They've been banned in the UK. (それらは児童虐待や子どものレイプ、近親相姦などのシーンも含まれており、イギリスでは禁止されています) Stacey:The Japanese government have tried to ban it, but Manga artists and publishers have defended it on the grounds of free speech. (日本政府は、それを禁止しようとしていますが、マンガ家や出版社はフリースピーチを理由にそれを守ってきました) ※free speechが言論の自由の概念なのか言論/表現の自由の概念なのか判断つかないので、そのままにしておきます。 さて、多くの読者が気になるのは、このシーンおよび前後のシーンで映し出されるアニメ、マンガ、ゲーム同人誌などがどのようなものだったのかということでしょう。 タイトルだけ列挙しますと『スイセイギンカ』『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』『ゆゆ式』『セーラー服と重戦車』『いちごショコラふれーばー』『とつきとおか』『ヤンキーJKボコボコりんっ!』『一日奴隷さん』『ウラオモテ彼女』『監禁嬢』『島風コスの鹿島はなぜ異世界でオークに犯されたのか』などの表紙が確認できます。 さて、ここで取材に答えるのは、表現の自由をめぐる問題でたびたび登場する、翻訳家の兼光ダニエル真氏。 基本、ダニエル氏の説明は、現実と創作表現とは別個だという、日本ではほぼ常識となっている理屈に沿ったものです。それに対して、Staceyは、グサグサと切り込んできます。 最初の質問は、これから。 Stacey:For example, this image would be totally illegal in the UK. (例えば、このイメージはイギリスでは違法です) ※手に取っているのは数冊の同人誌だが、表紙は見えず。 Daniel:Possibly,Yes. (おそらく、そうです) ここから現実と創作表現は別のものであることについて、やりとりが続きます。しかし、Staceyは納得できない様子で「このようなコンテンツを見ることによってファンタジーとは対照的に、実際の子どもに手を出すように誘惑されるのではないか」と、いうのです。 それを言葉を尽くして否定するダニエル氏ですが、Staceyは納得しません。「But this does happen」と、あくまで、創作によって現実の児童虐待を喚起させると考えているようです。 説明を続けるダニエル氏ですが、画面の中の雰囲気はとても悪いです。なにしろ、Staceyからは次のような感想が。 Stacey:My concern would be that this does encourage and normalise real-life child abuse. (私の懸念は、これが実際の児童虐待をけしかけて正当なものにさせることです) 険悪な雰囲気で続いた取材ですが、最後は二人は仲良く握手を。 そして、取材を終えたStaceyは、次のように感想を述べます。 Stacey:For me, there can never be any good to come out of sexualising kids. (性的な快感を得る子どもが出てくることは、決してありません) Stacey:This is clearly a divisive emotive issue, so controversial. (これは明らかにあつれきを生む感情的な問題で、議論の余地があります) Stacey:I believe it could potentially encourage urges. (私は、それが潜在的な衝動を促すと信じています) Stacey:I would prefer these explicit images that use kids to be banned. (私は、明白に子どもを使用している画像が禁止されることを求めます) Stacey:I worry that them cartoons will never be enough and you will have those urges and you will want to move on to the real thing perhaps. That's what scares me. (私は心配しています。彼らはマンガが決して十分でないと考え、衝動を持って、本物に移りたいと思うでしょう。私は、それが不安です) ここまで約40分。番組は、ラブドールを持った、おっさんの取材など、まだまだ続いていきます。
■取材手法は正当。では問題は? 長文を用いて番組の全体像を語りました。その上で、この番組の抱える問題について記していきましょう。 まずStaceyの取材手法ですが、これはまったく問題ありません。55分の番組の中で、Staceyはさまざまな場所で、多くの人に出会っています。 そこでは、硬軟使い分けてさまざまな取材手法を用いているのがわかります。 冒頭のJKお散歩店との悶着は、こうした取材をやれば、用心棒が出てくるのは想定の範囲内と考えたはず。出てくるも何も、いつも明らかに用心棒な雰囲気の男たちが、ケンタッキーの前あたりに立っているわけですし。 続く、合法JKカフェでの取材では、自分も取材者ではあるものの客のように振るまい、胸襟を開きつつ、づけづけと聞いています。 着エロ制作現場の取材も同様で、先に撮影しているところを、ある程度取材し、モデルとも距離を縮めることで、制作サイドの警戒心を解いています。 伊藤弁護士へは、至極真面目に児童の性的搾取の問題を取材に来た海外メディアという立ち位置。 そして、ダニエル氏への取材では、感情むき出しにケンカを売る姿勢で、コメントを引き出しています。 それらの取材手法の中に通底しているのは、獲物に食らいついたら離さない意志です。言論・表現の自由をめぐる問題に至るまで、御用やらエア御用が当たり前の我が国にあって、これは猛省すべきところでしょう。何しろ、大手新聞社やテレビ局でもないというのに、レポーターのごとく「行った・見た・聞いた」で取材をした気になっている。その裏に潜む事実や感情を描こうとする姿勢が見られない書き手ばかりなのですから。 しかし、取材手法には見習うところが多いとはいえ、Staceyには重大な欠点があります。 それは、自身が<予断>に振り回されていること。 通例、取材を行う前に予断、すなわち想定される結論を考えるのは必要な作業です。ですが、それは取材のテーマをブレないものにするためのもの。結果、取材によって得た情報でAだと思っていたらBだった。あるいは、AでもBでもなく、Cだった。そんな右往左往するさまを文章や映像で記録していくのが、取材というものです。とりわけ知らなかったことの発見は、取材が形をなったとき、味を濃いものにします。 ところが、この番組は冒頭22秒から、下調べが不足していることを露呈しています。おまけに取材者自身が予断にすがり続けているので、豊富な取材が単なる、予断の事実確認の記録へと堕ちています。ヨーロッパでも良質のドキュメンタリーは数多く制作されているはずですが、見たことはないのかというほどにひどい。 なんの本質にも迫ることができていない、物見遊山の記録になっているのです。 言い方を変えれば、取材対象として個人を追わずに、状況の表面だけを舐めているということ。このStaceyという人は、個々人がなぜそうしているか、なぜそこに至ったかに、まったく興味を抱かないのでしょう。 この個人の人となりに興味を持てない脆弱性が、Staceyを日本では数年前まで児童ポルノが合法で、女子高生が貧困で売春していて、エロマンガによって児童レイプの犯罪者が生まれている……などの予断から、一歩も動けなくしているのでしょう。 なんにせよ、このようなデキのドキュメンタリーにも予算を出してくれるBBC。そこだけは魅力的だと思いました。 (文=昼間たかし)
















