
元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の38回目! 今回は『ガンスリンガー ストラトス』まぐま役やアプリゲームなどで活躍中の注目の新人声優、湯浅かえでさんが来てくれました!
──ご無沙汰してます! 最後に会ったときは、湯浅さんはまだ私のイベントの客席にいたのに……いつの間にやら立場が逆転! ついに声優さんになったんですね、おめでとうございます!
湯浅 ありがとうございます!
──ちなみに、なんで私のイベントなんかに来てたんですか?
湯浅 昔、中川翔子さんのブログで小明さんの存在を知って「なんか凄い人いた!」って衝撃を受けて(笑)。
──“凄い”にマイナスの意味合いを感じます……。
湯浅 それからしばらくは在宅で応援してたんですけど、働くようになってからはイベントにも行くようになって、「声優になりたい」とか、「いつか一緒にお仕事ができたらうれしい」みたいなことを、手紙に書いたと思うんですよね。今日は夢が叶った!
──叶いやすい夢だね! ちなみに、私に限らず、かなりのアイドル好きですよね。ブログを見ていると、AKBにSKEにBiSにライムベリーにトマパイ……かなり幅広く愛してますね。
湯浅 うへへ。
──よく、お仕事で元SKE48の秦佐和子さんとご一緒されてますけど、どうですか?
湯浅 秦さんは、もともとSKEの推しメンで、握手会にも通ってたんですよ! だから秦さんがSKEを辞めたときは「もう会えないのかぁ」と落ち込んだんですけど、卒業してなんと声優に! 『魔法少女大戦 ZANBATSU』(2014)っていうゲームでご一緒できたときは、一方的に「すすす、好きです」ってご挨拶して……。
──「こいつストーカーかよ、こわいな」ってならなかったですか? 握手会に通ってたのはバレないようにしないと!
湯浅 自分からバラしちゃいましたよ! すごく素敵な方で、「ありがとうございます」って喜んでくれて、今はすごい仲良くしてます。
──奇跡かよ~。推しメンとも仲良くなって、声優にもなって、人生のハッピーエンド感!
湯浅 そうそうそうそう。
──もういいんじゃない? 夢も叶ったし、辞めたら?
湯浅 そうそ……ナヌ!? よくないよくない! まだまだ頑張りますよ!!
──ところで、湯浅さんの趣味をリサーチすると、宝塚歌劇団の観劇、アイドルの現場、美少女の写真集集め、グラビアの切り抜きのファイリング、AKBのPVロケ地の聖地巡礼……けっこうキテますね!
湯浅 小明さんのサイゾーテレビ『小明の副作用』のメール職人もしてましたよ~ふふふ。
──こんなクソみたいなアイドルのメール職人とか、ちょっともうお気の毒です! ブログを見てると、クリスマスは宝塚を観て、年末年始はコミケから初日の出に直行という……好感の持てるタイプのリア充ですね。
湯浅 ははは(乾いた笑い)。クリスマスだしな、と思って宝塚のチケットとって行きました。
──数年前のブログでも「ハロウィンなので宝塚を観に行きました」って書いてあって、イベントごとにかこつけて、やたら宝塚を観に行ってますよね。
湯浅 ちょいちょい観に行きますよね! 宝塚にしてもアイドルにしても、女性が華やかなのが好きなんです。あと、女子同士、いろいろある中で頑張ってる人たちを観るのが好きで……宝塚とAKBって似てるなぁって勝手に思ってて。
──似てる!?
湯浅 トップスター制、センター決め、組替え、卒業、退団、専用の劇場とか。
──ほんとだ! 言われてみれば共通点が多いんですね。
湯浅 その方々が頑張ってるのを観て、「私もがんばろ!」って思えるんです。
──アイドルも宝塚も湯浅さんのガソリンなんですね。でも、どっちもチケット高くない? その趣味はお金がかかりますね。
湯浅 そうなんですよ~。普通に働いていたときも、お金あるわけじゃないし大変でした……。けど、宝塚って、意外と1,500円の立ち見席が出てたりするので、お金がないときは朝から並んで、一番後ろで、どこかしらは見切れて見えないような席で立って観るんです。ステージはもう豆粒なので、オペラグラスを持参して!
──意外と安い! けど、疲れそう! 声優の仕事が忙しくなって、アイドルや宝塚に行けなくなったら、ガソリン切れちゃいますね。
湯浅 そうなんですよね、ほんっと(真顔)。宝塚とかを観て、フワァァァっと元気になって、女性ホルモンをブワ~っと出して艶々で帰るんで、切れるとカラカラになっちゃいます……。
──今、声優さんってみんな可愛いから、そこで注入できそうな気もします。
湯浅 そうなんですよ! みなさん可愛い! でも、ソレとコレとは別! 別の趣味として楽しんでます!
──楽しそうで何より! ちなみに、コミケには何しに行くの?
湯浅 昔の仕事仲間がいっぱいいるので、同窓会気分で……。
──コミケで同窓会??
湯浅 そうですね、前はアニメを作る会社にいたので……。
──完全に内側の人じゃないですか! なんでまた、出る側に?
湯浅 私は撮影という部署にいたんですが、ずっと机に向かってPC上で無音の状態で作業をしているので、映像に音がついた瞬間が一番感動したんです。本当にキャラクターに息が吹き込まれるというか。「すごい! 私もそっち側に行きたい!」と思って。
──なるほど! 2013年の5月には今の事務所の“準預かり”になって、今は“預かり”になってますよね。どの段階で“準”が取れるんですか?
湯浅 うちの事務所は年数が決まっていて、1年は“準預かり”なんです。
──じゃあ、1年の間に仕事が取れなかったら、そのままいなくなっちゃうの?
湯浅 事務所いわく、そういう方も何人かは……。仕事の分量もありますけど、どちらかと言えば、仕事に対する姿勢とか、普段の立ち振る舞いを見ているみたいで、仕事が1本もなくても、どれだけ努力をしているかによって上がれる人もいます。
──そして“預かり”から“所属”になるにはさらに高い壁が……がんばって! 実際にお仕事を始めてみて、どうですか?
湯浅 思ってたより大変! アニメを作っているときは「声優さんは楽しそうだな~」と思っていたけど、みんなこんなに大変な思いをしていたとは! やっぱり、見られてることも多いし、最初の方はほめられることも全くないし、新人は端に座ってドアの開け閉めをするとか、そういう立ち振る舞いもわからなかったですし。
──えっ!? そんな体育会系なルールがあるの!?
湯浅 ぜんぜん強制じゃないんですけど、暗黙の了解というか。
──そういうノリは大丈夫なんですか? 湯浅さんって絶対運動部とかじゃないですよね。
湯浅 運動したことないです(きっぱり)。でも、「こういうのがあるんだ!」ってびっくりしたのは最初だけでしたよ。それからは「そういうのを最初に知っておかなきゃ」と思って、先輩とご飯に行かせてもらったりして……。
──湯浅さんのブログを見ていると事務所の方とけっこう交流を持たれてますけど、これってそういう処世術だったんだ!
湯浅 や! そういうわけではないです(笑)! でも、先輩から教えてもらえることは多いんです。
──なるほど~! デビューはTBS『俺、ツインテールになります。』(2014)のあすかちゃん役ですか?
湯浅 テレビアニメだと、『俺ツイ』だと思います。
──あすかちゃん役はオーディションですか?
湯浅 実はモブ(名前のない通行人など、群衆キャラ)だったんですよ。一話に出てきた怪人に捕まる女の子だったんですけど、なぜか人気投票でヒロインたちを抑えて3位になったんですよ。ネタだったのかもわかりませんが、皆さんが投票してくれて。監督さんもあすかちゃんはお気に入りのキャラクターだったようで、最終回にも出てきました。
──2回も出たら、もうモブじゃない!
湯浅 なんとイベントにも呼んでもらえて! 幸せでした!
──TOKYO MXの『ガンスリンガー ストラトス』のまぐま役は?
湯浅 それは初めてオーディションに受かった役でした! マネージャーさんから電話が来たときは「ほほほほんとですか(震)!?」って感じで。『ガンスト』って作品はもともとゲーセンのアーケードゲームで、今もゲームが出てるので、イベントとかに出してもらったりする機会が増えたり、ガンストを通していろいろな経験をさせていただきました!

──ゲーム『バンドやろうぜ!』(2015)ではウッドベースも弾いてるんですよね。
湯浅 そうなんですよ。ウッドベースを弾く女の子の役をやっているんですけど、私もたまたまウッドベースをやっていて……。
──ウッドベースって、たまたまやってるようなもの!?
湯浅 大学の時に、ジャズ科があったんですよ。そこの子たちがやってるのを見て、「私もやる!」って教えてもらってやってたんです。
──まさかそれが仕事で活きるなんて……ぶっちゃけ声と関係ないですもんね。
湯浅 そうなんですよ。先日、そのPVを撮ることになって、ドラムとギターは普段からバンドをやってる方だったんですけど、役者兼楽器は私だけで、自分が演じたキャラの格好をしてウッドベースを弾きました。めっちゃ練習して、マメだらけの手で行って、楽しかったです。やってて良かった!
──人よりいろんな経験ができそうですね。学生時代はジャズの他に、オーケストラ部と吹奏楽でホルンを吹いてたんですよね。ホルンとウッドベースが家にあるって、どんな富豪なの……?
湯浅 ぜんぜん! ウッドベースはなかったです! 高校の時に転校した先に吹奏楽部がなくって、市がやっている楽団に入ろうとしたら「楽器を買わないとダメ」って言われて。
──ホルンって肺活量は上がりそうですし、声優業に活きそう!
湯浅 活きてたらいいな、もうずっと吹いてないので……。
──一人暮らしだと、よほど壁の厚いところに住んでないと吹けないですね。
湯浅 そうなんですよ。一応は持ってきたんですけど「あ、コレ無理、吹けないな」って徳島の実家に送りました。
──場所とりますしね。ちなみに、徳島のご家族は、今のお仕事に反対とかなかったですか?
湯浅 いや、全然なかったですね。反対っていうか、そもそも東京に出てきてアニメの仕事をするっていうときに一度「なんじゃそりゃあああ!!」ってなって、そうとう戦ったので……。私、最初は「音響やる~!」って行って東京に出てきたんですよ。それが3カ月くらいで「ん、いいや」ってなっちゃって、結局「映像やる~! 映像の方が面白いぞ!」ってなって、映像をやったり、空間アートみたいなゼミに入って勉強してたんですけど、「やっぱり就職する~!」って。そんな感じでコロコロと「アレやる~! コレやる~!」ってやってきたから、「働きながら声優の学校に行く~!」って言ったときは、親ももう諦めていて「自分のお金でやるんなら好きにすれば?」みたいな(笑)。
──じゃあ、働きながら自腹で養成所に? そこからアイドルに貢いで、養成所にお金も払って……霞を食べて生きてたの?
湯浅 当時はそうです(笑)。ずっと貧乏でしたね……。
──ちゃんとした事務所に入れて本当に良かったね! 今の事務所に入ったきっかけは?
湯浅 えっと、うちの事務所と、「声優グランプリ」(主婦の友インフォス情報社)がやってるゲームのオーディションがあったんです。それに一般公募で応募して、賞をいただいて、今の事務所に。
──賞ってグランプリ!?
湯浅 いやいや、特別賞的な感じの、声優グランプリ賞を……。うちの事務所のアクロス賞っていうのもあったんですけど、私はそれをとっていないという。
──え!? そうなの!?
湯浅 製作の方と面談をして、「アクロスに入りたいんです」って話したら「じゃあ社長に会う?」ってお話させていただいて、社長に電話をかけまくった覚えがあります。「いつ会ってくれますか!?」みたいな(笑)。
──地雷感!! しかしながら、そこからはアイドル声優への道が広がっていたという。駆け上がりましょう!
湯浅 ハッ(乾いた笑い)。人よりこの世界に入ったのも遅いし、「駆け足で行かねば」と思って頑張ってます。
──息切れしない?
湯浅 切れてます、たまに(笑)。だからそういう時は宝塚を観たりアイドルを観たりなどして……。
──湯浅さんって、生放送とかでもニコニコしながら目が死んでる瞬間がありますけど、そういうときってガソリン切れてるんでしょうね。
湯浅 (爆笑)! よく見ていらっしゃる!
──気を抜くと一瞬目の光が失われるんですよね。実は根が暗いのかな。
湯浅 小明さんだからそう見えるだけですよ! 根は暗いと思いますけど! そうじゃないと小明さんなんて応援しないです!
──……えっ!? えっと、でも、ブログはけっこうアッパー系ですよね。「みんなに感謝!」みたいな。
湯浅 ちゃんと皆さんへの感謝を忘れず、自分に渇を入れているのです。
──その前後に「今日はいろいろ勉強になりました。頑張ろう!」とか書いてると、「あ、何かうまくいかなくて落ちこんだな」って思うよね。
湯浅 小明さん……さすがです……。
──過剰に前向きな自己啓発っぽいことを書いてるときは、だいたい自分に言い聞かせてるという……ふふふ、お見通しだ!
湯浅 いろいろ考えても、結局はもう頑張るしかないですからね……!
──これからは、そういう目でブログを読みます! お仕事の面で、今後の野望はありますか?
湯浅 メインの役をやれるような声優になりたいっていうのと、ずっとこのお仕事を続けていけたらいいな、と思ってます!
──また急に「今度はコレやる~!」って気が変わるかも?
湯浅 もうない……と、信じたい(笑)! 今までで一番長く続いてる大好きな仕事なので、このまま頑張りたいです!
──まだ2年半ですよ! 歌とかはどうですか?
湯浅 歌いたいです! 今の事務所に入ったときに、小明さんの出した歌を歌って録音して、サンプルとして事務所に提出しましたよ。
──ごめんね、馬鹿じゃないの!? 今後とも、応援してます!! たくさん売れますように!! 今日はありがとうございました!!
(取材・文=小明/撮影=宍戸留美)
●ゆあさ・かえで
1月16日、徳島県生まれ。アニメ『ガンスリンガーストラトス』まぐま役、『かみさまみらない・ヒミツのここたま』長谷川ケイト役、『迷家』ユウナ役。ゲーム『バンドやろうぜ!』ユキホ役、『放課後ガールズトライブ』紫ゆかり役。ニコ生パソナリーティー『月2学園パワプロ部』、『ニンジャスレイヤー』など。
●ししど・るみ
1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
ルミネッセンス
形態:8曲入り
定価:¥2,500(税込)
品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869
レーベル:sundaliru

詳細は下記リンクまで。
公式ブログ
http://s.ameblo.jp/sundaliru/
●あかり
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<
http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<
http://www.cyzo.com/akr/>。