
惨劇の後、血を流して倒れ込む当事者たち……。子どもの取るに足りないケンカで、こんな大ごとになるとは
9月21日、浙江省杭州市内に位置する人口1400人にも満たない集落「磨刀村」で、子ども同士のケンカから、大人たちの大乱闘に発展。血みどろの刃傷沙汰となってしまった。
事件の主役になったのは、息子に代わり2歳の孫娘の面倒を見ている趙夫婦と、2歳の息子がいる高夫婦。いずれも地方から杭州に出稼ぎに来ていた農民工で、郊外にある同村で暮らしていたという。

19日午後4時頃、趙の妻が孫娘を連れ、村内の公園へ散歩に訪れた。公園には若い母親とその息子がおり、それが高の妻とその子どもだった。2人の子どもはどちらも園内の滑り台に興味を示し遊び始めたが、しばらくすると、ささいなことからケンカが始まった。それを見た趙と高も、口論を始めたという。
2日後、趙の妻は孫娘を幼稚園に送り、帰り道でその公園を通ったところ、夫を連れて“待ち伏せ”していた高と出くわす。そこで不穏な空気を感じた趙は、すぐに夫に電話。しかし、夫が駆け付けた時には時すでに遅し。趙は、高の夫によって右手首の動脈や、肩、頭などを切り付けられた後だった。大量に出血し、動かない妻を見た趙の夫は、逆上して棒と包丁で高夫婦に後ろから襲いかかった。容赦なく後頭部や首などに切り付け、高の妻は後頭部を4カ所叩き切られて重体、夫は首の動脈が切られており、命の危険にさらされた。高夫婦が搬送された病院の医師によれば、当時高の妻はまだ意識があったものの、夫は失血がひどく、一度心臓が停止したという。一方、趙の妻も別の病院へ搬送され、同日中に緊急手術が行われた。現在は3人とも容体が安定し、命に別状はないという。

趙の親戚は「趙の夫は金物工場で10年以上働いており、普段はとても誠実な人間だ。妻が傷ついているのを見て、感情を抑えられなくなってしまったのだろう」と話している。我に返った趙の夫は、すでに警察へ自首したという。また、趙の妻は、公園でのトラブルを家では話していなかったことがわかっている。
前代未聞の子どもをめぐる傷害事件を受けて、中国メディアは「子ども同士のケンカに親はどう対処すべきか」というアンケートを実施。結果は「大人は介入すべきではない」が96%であるのに対し、「手をこまねいて見ているわけにはいかない、子どもに代わって道理を説く」は4%という結果となった。専門家はこうした意見の相違からは「文化水準や教育などの格差が垣間見える」としている。
子どもを、殊のほか溺愛することで知られる中国人。一度頭に血が上ったら、制御不能になる親も多いようだ。
(文=五月花子)