書籍化もされた「月刊サイゾー」の連載『卑屈の国の格言録』や、サイゾーテレビ『小明の副作用』などなど、サイゾーではお馴染みの小明ちゃん! サイゾーではよく見るけど、他にどんな仕事をしているのかは謎に満ちていた。そんな小明ちゃんが先日『有吉反省会』(日本テレビ)に続き、今度は『言いにくいことをハッキリ言うテレビ』(テレビ朝日)にハッキリマンとして出演したらしいんですが、その主張が「グラビアアイドルになってはいけない」!? あまりに衝撃的だったので緊急インタビューを決行!
――今年に入って二度目の地上波出演、おめでとうございます!
小明 見てくれたんですか? ありがとうございます~!
――今年は本も二冊出版されましたし、絶好調ですね! 売れた!
小明 ……絶好調に見える? 『言いにくいことをハッキリ言うテレビ』の歴代ハッキリマンを調べてみたら、園子温監督、マキタスポーツさん、荒木師匠とかだったんだけど、なんか、あの……奇人枠じゃない?
――あ、あー……言われてみればそうかもしれません。すみませんでした。
小明 わかればいいんだよ。売れてはいないよ。
――今回はどういう流れでオファーがきたんですか?
小明 突然メールが来たんです。びっくりしましたよ。メルマガ以外でメールが来るのも久しぶりだったし、本文には『爆笑問題さんの番組で~』なんて書いてあるし、新手の迷惑メールかと思って、打ち合わせに行くのもヒヤヒヤでした。念のため財布にお金は多めに入れておきましたね。
――お金払う気は満々なんですね。打ち合わせでは、どんなことを話すんですか?
小明 「グラビアアイドルになってはいけない」っていうテーマがすでにあったので、それに沿って、どんなエピソードを披露できるか話し合うんだよ。芸人さんでいうところのネタだし、ネタ見せみたいなものかな? でも、あいにく、私は売れないアイドルだから、みんなが喜ぶようなネタはあんまり持ってないんだよね……。だから、打ち合わせで私が話したことって、「売れないグラドルはみんな詐欺写メがうまくなる」とか、そういうヌルいものばっかりで……。だんだんスタッフの表情も曇ってきて「もう、人から聞いた話とかでもいいんで」って妥協してきたから、一所懸命に記憶の引き出しをあさって、8年くらい前にアイドルから楽屋で聞いたエグい話とかをしたかなぁ。
――そんなに遡らなきゃ何もなかったの? それで、よく出演が取り消しになりませんでしたね~。
小明 ほんとにね~(しみじみ)。打ち合わせ中は何度も「あ、こりゃナシになるな」と思いましたよ。でも、途中からスタッフが「小明さん、以前、某撮影で有名カメラマンにひどいセクハラされたんですよね」って、私しか知り得ない、過去の酷い思い出を提示してきて、「な、なぜそれを!? そんなとこまで調べ上げて、テレビ業界の人って恐い!!」って。
――かなり入念に下調べしてくるんですね! さすが地上波!
小明 それで私が不信感に満ちた目でブルブル震えていると、「あの、この話は、本に書いてあったんですよ」って、私の『アイドル墜落日記』(洋泉社)をパラパラしだして……。確認したら書いてました。実名でいっぱい書いてました。
――自分で書いたことくらい覚えておけよ!
小明 アイドルも12年生になると記憶力も曖昧になるんだよ。それに、ソレを放送で話してくれってことでしょ? 本にコソッと書くのと、テレビで大声で主張するのとでは、印象がぜんぜん違うじゃん? だから、そういうことをテレビでハッキリ言うのは、こわいなこわいな~(稲川淳二風)と思ったね。でも、私がハッキリ言うことで、今のグラビアアイドルたちが、少しでも悲しい被害に遭わなくなるなら、価値があることなのかなって(うっとりしながら)。
――はぁ、そうですか。収録では、どんなところがカットされてましたか?
小明 実はまだ自分で放送をチェックできていないんですが、多分カットされてるだろうなって部分はたくさんありますよ! 空気が凍るっていうのはこういうことなんだ~って、体感できました! すごかった~!
――あんまり自慢げに言うところじゃないですよ。ちなみに、どんな話で場を凍らせたんですか?
小明 えっとですね、怪しい黒服の男に「アイドルにならない?」ってスカウトされて名刺をもらっんです。スカウトマンの名刺の裏には、必ずその事務所の所属タレントや女優の名前が書いてあって、渡された方も「あ、あの人がいるところか」って安心するというか。なので、その黒服からもらった名刺もさりげなく裏を見てみたら、上の2~3人だけグラビアアイドル、その下にはズラーーーっとAV女優の名前が書いてあって! でもスカウトマンはニヤニヤしながら「アイドル、アイドル」って言ってるんですよ。これは、もしかしたら、入り口はアイドルで出口はAVというトンネルをくぐらされるかもしれない、とお断りしたんです。
――賢明ですね。でも、それなら良くありそうな話じゃないですか。なんで場が凍ったんですか?
小明 その事務所、一緒に出演していたグラビアアイドルのY木さんの事務所だったんですよ。
――……えーーーっ!?
小明 このエピソードはすごい空気になってしまって。Y木さんも「うちの事務所はそんなじゃないですよ? 普通のとこですよ?」って言ってるし、お客さんもシーーーンって。でも、あの事務所、途中までは確かにAV事業部もあったんだよ。2008年くらいに分離したの。それはなかったことになってるのかなぁ?
――どっちにしても、そこで言う話じゃなかったってことですよ。空気読んで!
小明 言いにくいことをハッキリ言うテレビなのに? でも、なんとなく「マズイことを言ったみたい」というのは理解して、自分でも落ち込んで、収録後、Y木さんに「ほんとすみません、いろいろ失礼を……」って平謝りだったんだけど、Y木さんはスマイルを絶やさなくてね、とても出来た人だと思ったよ。事務所の人とは、気まずくて目も合わせられなかったけどね。
――事務所の人も小明さんと目を合わせたくなかっただろうから、ちょうど良いと思いますよ。
小明 なんか、テレビって線引きが難しいよね。ギリギリを狙うとアウトになるし、守りに入ると何にもならないし、毎日こんなだなんて、芸能人って大変だなぁと思うよ。

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――普通、芸能人は、そういうギリギリの暴露をする仕事を受けないんじゃないかな。
小明 確かに得はないかもしれないね。でも、大ファンだった爆笑問題さんに会えて感動したし、Y木さんっていうか、吉木りささん、すごい可愛かった! 爆笑問題さんは恐れ多くて、簡単なご挨拶と「爆笑カーボーイ毎週聞いてます!」って言うのが精一杯だったけど、それでも充分すぎるほど嬉しかったよ。
――良かったですね。吉木りささんは、ご自分でも「私は顔が似てる」と言ってましたね。2ショット写真は撮れましたか?
小明 は? 撮れるわけないじゃん。確かに、「調子の悪い時の吉木さんが絶好調の時の小明さんに似てる」って言われたことがあって、自分でも真に受けてジョークにしてたけど、形状とか品格とかが桁違いの人間だったよ。誰だよ、はじめに似てるとか言い出したやつ。ほんと恥かいたよ。そんな人と2ショットを撮れなんて、中国の露店で売ってるパクリスマホと本家のスマホを並べて「あ~やっぱりぜんぜん違いますね、ここの部分とか、ほんとに酷いですね」とかやってるのと同じだよ。晒し者もいいとこじゃないの。誰がやるかよ。
――小明さんは、中国のパクリスマホなの?
小明 そうだよ。爆発するぞこの野郎。
――……。放送後の反響はどうでしたか?
小明 わかんない。友達がいないからメールとかは全然来ないんだけど、吉木さんがツイッターで普通に私の名前出して告知してくれてて優しさに震えたよ。私はあんなに感じの悪いことを言ったのに。もしかしたら私と友達になりたいのかもしれないよ。
――「これ以上よけいなこと言うな」っていう牽制かもしれないですよ。
小明 あっ……うん……そうね……。でも、私はおかしいことは言ってないんだよ。本当に芸能界は恐ろしいところだからね。芸能界っていうのは、クラスのリア充グループのズバ抜けて面白い人と、桁外れに可愛い人、色っぽい人、死ぬほど爽やかなイケメンみたいな人たちの進化系が集う場所だよ。そして、彼らは常により高みを目指して切磋琢磨しているんだよ。そんなところに引きこもりが丸腰で挑むなんて、ボロボロにされて墜落するしかないよ。よほどの兵じゃないと、目指しちゃダメな場所だよ。例えば、夏休みにさ、どっかのサークルの若者たちが川辺でキャッキャキャッキャしながらバーベキューなんかをたしなんだりするでしょ。その光景に「わ~楽しそう、私も入りたい!」と思うか、「チッ、うるせーな、この後どうせいやらしいことするんだから最初から家でやれ」と思うかだよ。前者の人はたぶん向いてるよ。後者の人は絶対に向いてないよ。
――わかりやすいような気もしますけど、それって単なる嫉妬では……?
小明 (無視して)グラビアアイドルなんて、一番消費が早い分野だし、今は国民的アイドルたちもグラビアをやるでしょ。そのせいで、グラビアの仕事なんて、吉木りささんとか篠崎愛さんとか壇蜜さんとか、頭一つ二つ抜けてる人以外はぜんぜんないんだよ。それで「壇蜜だって脱いで売れたんだぞ~」とか言われて、断り切れずに脱がされて、後から心を病む子も増えてくるかもしれない。だから、グラビアアイドルなんてならないほうがいいんだよ。

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――じゃあ小明さんもグラビアアイドル辞めないとですね。
小明 私はいいの!
――なんで!
小明 みんながグラビアアイドルを辞めて私が最後のグラビアアイドルになったら、私がまたグラドルとして咲き誇れる、そんな未来が来るかもしれないでしょ!
――来ないよ!!!! では、最後に、番組を見てくれた方にメッセージをお願いします。
小明 ええ……本当に私はグラビアアイドルとして酷い目にあって、今こんな感じでやっているんですけど、その経過っていうのはとてもじゃないけど、あの番組内には収まらなくて……。でも、その部分は『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)っていう素敵な本に書かれていますので、ぜひ読んでいただきたいな! そして、その過酷なアイドル業界をサバイブすると、すっかり性格が悪くなってしまってね、どうやっても物事を素直に受け止められない、卑屈な考え方になってしまうんですよ。前向きな考え方も怖いし、偉い人の格言とかを読んでも「ケッ」って思っちゃう。そんなわけで、キングオブコメディの高橋健一さんと『卑屈の国の格言録』(サイゾー)という本も出ました! これを全て買ってくださいな☆ あとお仕事も待ってます☆ 独身です☆ 戸籍も空いてます☆ よろしくお願いいたしまーす☆
――ぜんぶ告知でしたね、ありがとうございました!
(取材・構成・文=小明)