海賊国家といわれるソマリアに林立する「国家のようなもの」その実態に迫る!【後編】

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駐車してある戦車の前でくつろぐ人々(モガディショ)。
【前編】【中編】はこちらから ――『謎の独立国家ソマリランド』では、高野さんの紀行文とソマリランドを学者のように解説するくだりが交互に出てきます。読者のみなさんには、どういうところに注目して読んでもらいたいですか? 高野秀行(以下、高野) SFを読むような気分で読んでもらえると、面白いんじゃないかと思います。この世のことではなくて、別の惑星で起きているみたいな。 ――別の惑星と言われると納得できます。少なくとも、日本人の文化や概念からはほぼ外れていますよね。 高野 僕はこの本で、2つのことをいっぺんにやろうとしたんです。ひとつは専門家が読んでも、役に立つ本であること。従来のソマリアは20年も無政府で、ソマリランドは国家として承認されていない。研究者もいないし、知っているジャーナリストもいない。無政府状態になる以前は軍事独裁政権で、やはりジャーナリストや研究者は自由に入れなかった。わからないことだらけなんですよ。国自体が未知の世界で、まさに政治的秘境になっているから、そこにはいろいろな面白いことがあります。そういう意味で、この本は資料的な価値も絶対あるはずなので、研究者やジャーナリストが読んでも役に立つように書いてあります。  もうひとつは、面白い物語であること。専門書だと、一般の人が読む理由がなくなってきますよね。一般の人はソマリアなんて知らなくてもいい。地理的にも離れているし、商売をしているわけでもない。そういう人には、純粋に冒険物やSFを読むように楽しんでもらいたいです。 ■海外取材における、お金の話 ――著書ではお金、特に取材費の話が出てきますよね。当初持っていった取材費は150万円くらいとのことですが、フリーランスが海外取材する場合の予算や、現金を持ち歩くことのリスクを、どのように考えていますか?
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機関銃を携える民兵。
高野 大都市ではたいていクレジットカードが使えるから多額の現金を持って行く必要はないけど、ソマリアみたいなところではカードが一切使えないから、持って行くしかない。実は送金してもらう手もあったのですが、当時はわからなかったので。 ――現金を、どこに入れていたんですか? 高野 150万をドルにして、分厚いので分散して、腹(腹に巻くタイプの貴重品袋)に入れました。20ドルくらいまでの細かいものはビニール袋に入れてカバンの中に入れ、50ドル以上のお金は身に着けていました。 ――高野さんは「著作を一冊書いても70~80万ぐらいの収入にしかならない」とサラッと書いていますが、衝撃を受ける読者もいると思います。費用対効果は考えていましたか? 高野 まったく考えていませんね。考えたら行けないですよ。今まで出版社からお金をもらって行った取材も何回かあるけど、大半は自分でやっています。企画になるかわからないことに出版社はお金出してくれませんから。 ――それは実際に本になるまでは、高野さんが何を言いたいのか、編集者には伝わらないということでしょうか? 高野 そうそう、そういうことです。いくら説明しても、全然わかってもらえないから。それでも以前は企画にしようと頑張って伝えていたのですが、いくら言ってもわかってもらえない。今でも僕が面白いと思っていることは、だいたい編集者に伝わらなくて。行く前は全然企画として成立していなくて、行って書くと「あぁ」と納得して、ようやくわかってくれる。だから、書いたものを見せないとしょうがないんですよね。 ――企画書だけでは編集者に面白さが伝わらない、ということに苦労しているんですね。 高野 でも、簡単に伝わらないことは、すごくいいことだと思います。人が想像していることをやってもしょうがないから。人が想像できないことをやらなきゃね。 ――実際『謎の独立国家ソマリランド』が売れているのも、人の想像力を超えた物語であるということが大きいと思います。ご自身は、売れている理由をどのように分析されていますか?
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私の面倒をみてくれたモガディショの美人ジャーナリスト(右)。
高野 まあ異様な本でしょ。タイトルが『謎の独立国家ソマリランド』で、こんなしっかりした作りで、帯も「西欧民主主義、敗れたり!!」って言い切っているし。本の雑誌社の担当編集者とも話したんだけど、本当に面白い本はちゃんと売れるんだなって。出版に対して未来を感じたというか、まだまだ捨てたもんじゃないなと思いましたね。 ――存在感がすごくあるというか密度が濃いというか、詰め込まれているというのが厚さだけじゃなくてパッと見でわかりますね。 高野 編集者とレイアウト担当の人と、完璧な本を作りたいと話していたんです。地図なんかも、すごく変で複雑な地図ですが、あれも繰り返し繰り返し直して文字の大きさや色にこだわって、いかにわかりやすくきれいに仕上げるかを徹底してやったんです。地図にはやっぱり色がつかないとわからないということになり、カラーは8ページと決まっているので、最後の写真を削って入れたんですよね。 ――500ページを超える大作ですが、執筆には苦労されたんですか? 高野 自分の中では、苦労は少ないほうですね。書き直しは少なかったです。最初に書くときにものすごくいろいろ書いて、流れを自分の中で考えて作りましたからね。 ――最初から最後まで、ちゃんと考えられているわけですね。 高野 そうです。関係者全員で、完璧に作ろうと頑張りましたから。ソマリはもうこれ一冊でOKなんだ、という本にしたかった。自分の集大成なんですよね。今まで25冊近く書いてきたけど、10年前だったら、この本は書けなかったと思います。理由は、技術的に難しいから。情報だけ並べるのであればそれはできるし、ストーリーだけ書くのであればそれもできるんだけど、情報を入れてそれをストーリーにしていくとなると、こんなに要素が多いと、めちゃくちゃ難しくなってくる。10年前だと、たぶんそれが技術的にできなかったと思うんです。 ――ソマリランドでシリーズ化したいと考えているんですか? 高野 あと6~7冊は書こうかなと。まず銃撃戦を含めた続編を考えていて、それから向こうで親しくなったジャーナリストを日本に呼んで、彼らと一緒に本を作ることを計画しています。来年にはラクダで古代王国を探す旅に出る予定。そんな夢を持てる国なんてないですよね。僕にとってソマリというのはライフワークなので、それだけやるのではなくて、ひとつの大きな縦軸として今後も続けていきます。 (取材・文=丸山佑介/犯罪ジャーナリスト<http://ameblo.jp/maruyamagonzaresu/>) Somali_chosha.jpg ●たかの・ひでゆき 1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに、文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。1992~93年にはタイ国立チェンマイ大学日本語科で、08~09年には上智大学外国語学部で、それぞれ講師を務める。主な著書に『アヘン王国潜入記』『巨流アマゾンを遡れ』『ミャンマーの柳生一族』『異国トーキョー漂流記』『アジア新聞屋台村』『腰痛探検家』(以上、集英社文庫)、『西南シルクロードは密林に消える』『怪獣記』(講談社文庫)、『イスラム飲酒紀行』(扶桑社)、『未来国家ブータン』(集英社)など。『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で第一回酒飲み書店員大賞を受賞。

真面目、ヒモ、ミステリアス、音痴……長谷川博己のキャラが確立しないワケ

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『長谷川博己『鈴木先生』OFFICIAL 
BOOK』/学研

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎対応に困る俳優・長谷川博己
 東京ガスのCMに、アニメのウナギイヌと出ている長谷川博己。優しい真面目な歌のお兄さん的なキャラクターを演じているのだが。長谷川博己って、何かこう、キャラがうまいこと定着せず、宙ぶらりんなイメージのまま止まっている感じ。出演した『家政婦のミタ』(日本テレビ系)はヒットはしたが、イマイチ本人に還元しにくい役柄だったし。その前に鈴木京香とやってたドラマも、ラブシーン多めながらも、あまり「ステキ」という女性票は獲得できなかったし。この作品きっかけで世に出たが、相手役の鈴木京香とウワサになったりして、ちょっとヒモ感も匂ったし。結局、カッコいいのか、イイ人なのか、何なのか、どう捉えたらいいのかわからないまま今日に至る感じ。トヨエツから続く、「ツリ目で正統派の美形じゃないけど、何かミステリアスでカッコい~」枠は、後から来た綾野剛にサックリ持っていかれたし。

 CMで、歌を披露する場面があるのだが「あなたはウナギ、うぉううぉうぉー♪」の歌い出しのリズム感皆無の音痴さたるや。あれ笑ったらいいのか、聞かなかったことにしたらいいのか、本人のキャラが定まってないだけに、こちらもどう対応していいのかさっぱりわからない。わからないままでも、本人以外、誰も困らないからいいけど。この関心の低さがまた「キャラ未定」の源なんだが。本人以外、誰も困らないからいいけど。ぐるぐるぐる。

真面目、ヒモ、ミステリアス、音痴……長谷川博己のキャラが確立しないワケ

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『長谷川博己『鈴木先生』OFFICIAL 
BOOK』/学研

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎対応に困る俳優・長谷川博己
 東京ガスのCMに、アニメのウナギイヌと出ている長谷川博己。優しい真面目な歌のお兄さん的なキャラクターを演じているのだが。長谷川博己って、何かこう、キャラがうまいこと定着せず、宙ぶらりんなイメージのまま止まっている感じ。出演した『家政婦のミタ』(日本テレビ系)はヒットはしたが、イマイチ本人に還元しにくい役柄だったし。その前に鈴木京香とやってたドラマも、ラブシーン多めながらも、あまり「ステキ」という女性票は獲得できなかったし。この作品きっかけで世に出たが、相手役の鈴木京香とウワサになったりして、ちょっとヒモ感も匂ったし。結局、カッコいいのか、イイ人なのか、何なのか、どう捉えたらいいのかわからないまま今日に至る感じ。トヨエツから続く、「ツリ目で正統派の美形じゃないけど、何かミステリアスでカッコい~」枠は、後から来た綾野剛にサックリ持っていかれたし。

 CMで、歌を披露する場面があるのだが「あなたはウナギ、うぉううぉうぉー♪」の歌い出しのリズム感皆無の音痴さたるや。あれ笑ったらいいのか、聞かなかったことにしたらいいのか、本人のキャラが定まってないだけに、こちらもどう対応していいのかさっぱりわからない。わからないままでも、本人以外、誰も困らないからいいけど。この関心の低さがまた「キャラ未定」の源なんだが。本人以外、誰も困らないからいいけど。ぐるぐるぐる。

新宿駅前レタスジャック!? 新宿駅前でいい感じのお姉さんたちがレタスを配っていた!

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レタスを手にしたお姉さんたち
 29日、新宿駅前でレタスを手に歩く通行人を次々と発見したので、不思議に思って事情を聞いてみると、なんと東南口前の広場でお姉さんたちが配っていたという。急いで現場へ行ってみると、確かにお姉さんたちがレタスを配っている。  実はこれ、讃岐うどんチェーンでおなじみの「はなまるうどん」を展開する株式会社はなまるが4月1日より全店舗・全商品のうどんの麺をすべて新しい麺に切り替えることをPRするために行ったレタスの無料配布キャンペーンなのだそうだ。  麺が命の讃岐うどんだが、「はなまるうどん」は大胆にもこの麺を、1玉でレタス1個分の食物繊維(2.1グラム)が摂れるという同社開発の「はなまる食物繊維麺(特許出願中)」という新しい麺に替えるのだという。それでレタスと「はなまる」という名前にかけて、この日、1日の平均乗車人員数が73万4,154人という東京有数のターミナル、新宿駅でレタスを870個配るというキャンペーンに打って出たのだ。  だが、麺を替えるといっても味の問題など不安はないのだろうか。この日、現場に来ていた同社の担当者に話を聞くと、「(不安は)まったくないです」という自信満々の答えが返ってきた。 「見た目もコシも、麺の太さもほとんど同じなんです。食感とか味を検証するために、事前にお客様にもご協力いただいて遜色ないことを確認しております」と笑顔で答えてくれる。近年の健康志向にフォーカスをあて、5年ほど前から新しい麺の開発を行ってきたが、完成度に自信があったため、一部の商品からでなく、一気に全商品の麺をこの「はなまる食物繊維麺」に換えてしまおうと決めたのだという。  レタス配りは朝10時頃から行ったが、30分で300個を配り終える盛況ぶりで、評判も上々。いきなり新宿でレタスを丸まるまま1個を手渡されても困るのではと思ったが、通行人たちはむしろ群がるようにレタスをもらっていく。
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道行く人も不思議そうな顔をしながら
レタスを受け取っていた

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 配っているお姉さんたちに聞くと、「最初は、え? レタス? という感じでびっくりされますが、みなさん、そのまま受け取ってくださいます。これから面接という人もいたのですが、困りながらも、欲しいといってもらっていかれました」という。当のお姉さんたちも「まさか、新宿でレタスを配るなんて思ってもみませんでした。初めての経験です」とちょっと照れくさそう。  「はなまるうどん」はさらに、健康志向のお客さんに評判だったという、緑黄色野菜を必要な日数だけ摂取できる期間限定メニュー「コクうまサラダうどん」を3月25日より定番メニューに切り替え、4月1日より公的医療保険の保険証を会計時提示したお客さんは50円引きをするという、さらにユニークなキャンペーンも実施予定で、不況といわれる中、アイデアを駆使した話題づくりで業界でのさらなるシェア獲得を狙うという。  レタス配りキャンペーンに関しても今後地方でも同様のキャンペーンを予定しているということなので、ひょっとしたらあなたの街でも駅前でお姉さんがレタスを配っている! なんて光景を目にすることがあるかもしれない。 (取材・文=名鹿祥史)
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『マッドメン』のジョン・ハム、デカすぎるイチモツに全米が騒然!

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この顔はデカイわ…国を動かすデカさだわ…

 1960年代のニューヨークで活躍する敏腕広告マンを描いた海外ドラマ『マッドメン』で主役を演じるジョン・ハムのイチモツが立派すぎる、とネットで大騒ぎされている。ノーパン主義者である彼はこれまでに何度かズボン越しにペニスや睾丸の形がくっくりと露呈しているキワドイ写真を撮られており、ネット上ではその「大きさ」と「完璧な形」をたたえる声が上がっているのだ。番組の制作スタッフたちが、短パンのシーンでは大きすぎるペニスが飛び出てしまうかもしれないと心配し、パンツを履いてほしいとお願いしたという報道まで流れ、彼のイチモツはますます熱い注目を浴びている。そんな事態に、本人は「小さいと言われるよりはマシだけど」「失礼だ」とムッとしている。

 大人の魅力を漂わせるニヒルな俳優として人気のジョンは、高校教師を経て、20代半ばから役者として活動を開始。長年芽が出なかったが、36歳で主役に抜擢された『マッドメン』で大ブレイク。人気TVコメディ『30 ROCK』で、かっこいいのに“残念な”男を演じたり、映画『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』では主人公の女性をセフレとしてしか見ない金持ち男を演じるなど、コメディもこなせる役者として幅広い層の支持を得ている。

テレビ出演の元オセロ・中島知子に脳機能学者・苫米地英人も「彼女は洗脳されていなかった」

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松竹のHPにはまだ「オセロ」のプロフィールが残っている。
 29日、“洗脳騒動”の渦中にあったタレントの中島知子がテレビ朝日系『ワイド!スクランブル』に出演し、近況を明かした。  中島のインタビューは都内のホテルで収録され、一時は“激太り”が心配された体型もすっかり元通りになったようで、元気な姿を見せていた。  一連の騒動について中島は、同居していたとされる“占い師”を再三「友達」と呼び、「一緒に買い物に行くような仲のいい関係」だったことを説明。マンションの家賃を滞納していたことについても「自分の意思で、そこまでやれば仕事を休めると思ってやった」と、あくまで自主的な判断だったとし、「浅い考えだった」と反省の弁も述べた。  また、注目された「洗脳」については「(そういう報道を見ても)意味が分からなかった」と語り、自らが洗脳状態ではなかったことを強調。中島の“脱洗脳”に当たったとされる脳機能学者・苫米地英人氏との接見についても「挨拶をしたとき、苫米地さんが『この人は洗脳されてないけど、どうする?』と周りの人に聞いていたくらいだった」とその時の状況を明かし、あくまで“占い師”との関係は仲の良い友だちであり「彼女にも迷惑をかけてしまった」と後悔を口にした。  また同日、苫米地氏も自らのブログで「私が彼女にコーチングをしていたという話は、周囲から報道されていましたが、前にも言いましたが、『脱洗脳』といわれるような作業をしていたわけではありません」とした上で、中島の当時の状況について「彼女は『洗脳』状態にはいないということ」であったことを明言した。  さらに苫米地氏は「現在、中島知子さんにベストなのは、社会復帰に向けて、周囲が優しく見守るということです」と記し、「視聴率合戦のような無責任なメディアでの取り上げ方や、テレビなどでの生半可な知見での無責任な発言などはもっての外です」と、過熱する報道合戦をけん制した。  いずれにしろ、松竹芸能からの退社と事実上の「オセロ」解散も明らかになっている中島。インタビュー内で本人は「今日の午後からも仕事をしたい」と芸能活動への意欲を見せたが、今度、どのような活動を見せていくのだろうか。

「朝からパチンコ屋に並んでた……」TOKIO国分太一、不遇の時代を語る

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【ジャニーズ研究会より】

 3月24日放送の『アシタスイッチ』(TBS系)にTOKIO国分太一が出演しました。対談相手は国分主演の映画『だいじょうぶ3組』の原作・共演者である乙武洋匡氏。2人は映画での共演を通じ親交を深めたそうですが、「これだけ仲良くなったけど意外に聞いてない話ってあると思う」と乙武。少年時代について尋ねられた国分は、苦悩したジャニーズJr.時代について語り始めました。

 小学生の頃はプロ野球選手に憧れ、スポーツばかりしていたという国分。しかし中学1年のある日、光GENJIファンだった姉が国分に自分のボーダーのロンTを着せ、男なのに髪をコテで巻き写真撮影。その写真をジャニーズ事務所に送ったところ、合格してしまったのだとか。そして中学1年の後半からは早速雑誌に出始めたという国分。学校の先輩から「コイツ調子乗ってんな」と思われるのが怖い。その一方で「(仕事は)どんどんどんどん楽しくなってきた。雑誌に出れば女の子たちにキャーキャー言われるようになるし」。

福祉大国ノルウェーで起きる“児童虐待”の恐怖! ノオミ・ラパス主演作『チャイルドコール 呼声』

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ノオミ・ラパス主演のサイコミステリー『チャイルドコール 呼声』。
オリジナル版『ドラゴン・タトゥーの女』で注目されたラパスが、今回はシングルマザーに。
 団地やマンションを舞台にした映画に注目作が多い。中村義洋監督の『みなさん、さようなら』では憧れのライフスタイルだった団地生活が時代と共に変容していく様子が描かれた。アカデミー賞外国語賞を受賞したミヒャエル・ハネケ監督の『愛、アムール』では高級アパートメントで暮らす高齢者夫婦の切ない介護生活が綴られた。3月30日(土)より公開されるノルウェー映画『チャイルドコール 呼声』はオスロ郊外にあるマンションを舞台に、現代社会が抱える闇がクローズアップされる。オリジナル版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(09)でブレイク、リドリー・スコット監督のSF大作『プロメテウス』(12)にも主演した実力派女優ノオミ・ラパスを主人公に、清潔そうに見えるマンションに潜むDV、児童虐待といった問題を浮き彫りにしたサイコミステリーとなっている。  『チャイルドコール』の主人公アンナ(ノオミ・ラパス)は8歳の息子を持つシングルマザー。元夫の暴力から逃げるため、息子の手を引き郊外のマンションへと引っ越してきた。裁判所の保護監視プログラムに従っての転居だった。母子2人で平和に暮らせると喜ぶアンナだが、保護監視員は息子を早くこちらの小学校に通わせろ、寝室は母と子で別々にしろ、と口うるさい。ひとりで寝ることになった息子をアンナは心配して、「チャイルドコール」という音声監視モニターを子ども部屋に設置することに。子ども部屋で異変が起きれば、飛んでいけばいい。その晩、このチャイルドコールから子どもの苦しげなうめき声が聞こえてくる。慌ててアンナは子ども部屋を覗くが、息子はすやすや眠っていた。不思議に思ったアンナがチャイルドコールを買い求めた家電店の親切な店員ヘルゲ(クリストファー・ヨーネル)に尋ねると、どうやらチャンネル設定を誤り、マンションの他のフロアの音声が混線してしまったらしい。この説明を聞いて、ゾッとするアンナ。アンナ親子にとって安住の地と思われた新しいマンションだが、他のフロアでは虐待に苦しんでいる子どもがいるかもしれないのだ。マンションに戻ってチャイルドコールのスイッチを入れると、やはり子どものうめく声が漏れてくる。悩み事を相談する相手のいないアンナの不安が日ごとに膨らんでいく……。  ノルウェーといえば、世界でもっとも男女間の社会格差がないことで知られる高い文化水準を誇る国。社会福祉制度も整っているが、女性の社会進出に伴って夫婦の離婚率も非常に高くなっている。社会制度が整えば整うほど、完備されたシステムと現実の生活との間に深い溝が生じてしまう。大人の都合で振り回される子どもたちがその犠牲となり、ぽっかり開いた溝へと落ち込んでしまうことが少なくない。チャイルドコールのチャンネルを回す度に、子どもたちの誰にも届かない叫び声、そして思い出したくない過去の自分の記憶と接続してしまうアンナ。彼女の顔は、ムンクの『叫び』のように歪んでいく。
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『チャイルドコール』と『隣人』を
撮ったポール・シュレットアウ
ネ監督。アルフレッド・ヒッチコ
ックやロマン・ポランスキーの影
響を受けたと語る。
 本作を撮ったのは、勤労意欲のまるでない郵便局員を主人公にした恋愛サスペンス『ジャンク・メール』(97)でカンヌ映画祭批評家週間最優秀賞を受賞したノルウェーの国際派ポール・シュレットアウネ監督。ユーモラスさを漂わせていたデビュー作『ジャンク・メール』と比べると、『チャイルドコール』はかなり鋭角な作風になった印象がある。2月9日、渋谷ユーロスペースで開催された「トーキョーノーザンライツフェスティバル」に参加するため来日したシュレットアウネ監督は、先行上映された本作のトークショーでこう語った。「チャイルドコールが他の家の電波と混線して、児童虐待が発覚したという事件の記事を読んだのが企画の発端。僕自身が子どもを持つ父親です。子どもに対する愛情は良いことだけれども、過剰な愛情は不安や恐怖を招くもの。本作で描かれる恐怖は、僕自身が体感したものでもあるんです」。
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官能ホラー『隣人 ネクストドア』。隣に住む美人姉妹の淫らな挑発に、
気の弱そうな主人公ヨーンは思わず乗ってしまう。快楽の後には恐怖が待っていた。
 『チャイルドコール』と共に気になるのが、同時レイトショー公開される『隣人 ネクストドア』。こちらはシュレットアウネ監督が2005年に撮った、エロティックサスペンスとなっている。本国ノルウェーでは17年ぶりとなるR18指定となったほどの生々しい性暴力シーンが描かれている。『チャイルドコール』と同様にマンションが舞台。同棲していた恋人に出ていかれて意気消沈している主人公ヨーンが職場からマンションに帰ってくると、初めて見る隣室の美しい女性アンネから「家具を動かすのを手伝ってほしい」と頼まれる。隣室を訪ねると、もう一人セクシーな若い女性キムがいた。どうやら2人は姉妹らしく、妖しい笑顔でヨーンを迎え入れる。  美人姉妹は「家具をドアの前に動かしてほしい」と頼む。そんなことをしたら、ドアが開かなくなってしまうではないか。しかも美人姉妹はヨーンが恋人に棄てられたことを知っていた。薄い壁を通して、ヨーンと恋人とのケンカの一部始終が聞かれていたのだ。ヨーンを挑発するように笑う美人姉妹。閉ざされた部屋の中に充満する淫らな空気。アンネが部屋を出た隙に、ノーブラでパンツ丸見え状態のキムがむちむちした若い肉体でヨーンににじり寄ってくる。頭の中が真っ白になったヨーンはズボンを降ろすと、キムの上にのしかかった。理性を失ったヨーンの意外な性癖があらわになっていく。  美人姉妹の妖艶な罠にハマっていくヨーンを演じたのは『チャイルドコール』で善人そうな家電店の店員を演じたクリストファー・ヨーネル。ノルウェー映画界きっての性格俳優で、ノルウェーに実在した監獄島で起きた暴動事件を描いた『孤島の王』(10)では陰湿な看守役で強烈なインパクトを残した。『隣人』では一見したところ優しそうに見える主人公ヨーンがマンション内の迷宮に迷い込み、精神を錯乱させていく姿を熱演している。こちらもマンション内での引きこもり、汚部屋、性的暴行……といった今日的な題材が盛り込まれた興味深い内容だ。シュレットアウネ監督には、垢抜けたマンション=システムの整った現代社会、と映っているらしい。いくら洗練されたマンションに暮らしていても、ドアを開けるとそこには人間のドロドロした心の闇が広がっている。  親子愛のねじれを描いた『チャイルドコール 呼声』と倒錯的な性愛と暴力を扱った『隣人 ネクストドア』。北欧から届いた2種類のマンション綺談。あなたはどちらを観る? childcall_sub_photo_04.jpg 『チャイルドコール 呼声』 監督・脚本/ポール・シュレットアウネ 出演/ノオミ・ラパス、クリストファー・ヨーネル、ヴェトレ・オーヴェンニル・ヴァリング、スティーグ・R・アンダム、マリア・ボッグ 配給/ミモザフィルムズ 3月30日(土)よりヒューマントラスト渋谷ほか全国順次ロードショー http://childcall.jp Nextdoor_sub_photo_03.jpg 『隣人 ネクストドア』 監督・脚本/ポール・シュレットアウネ 出演/クリストファー・ヨーネル、セシリエ・モリス、ユリア・シャクト、アンナ・バッハ=ウィーグ、ミカエル・ニクヴィスト  配給/ミモザフィルムズ 3月30日(土)よりヒューマントラスト渋谷ほか全国順次ロードショー http://www.rinjin-nextdoor.jp

残酷すぎる退屈な日常から生まれるドラマ アニメ『悪の華』第1回先行上映会レポート

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司会のニッポン放送・吉田アナウンサー(左)と長濱博史監督。
 3月21日、東京・科学技術館にてテレビアニメーション『悪の華』第1回先行上映会が行われた(この作品は、話数を「回」で数える)。上映の前後には長濱博史監督、出演者の植田慎一郎(春日高男役、第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストファイナリスト)、伊瀬茉莉也(仲村佐和役)、日笠陽子(佐伯奈々子役)が登壇してトークを繰り広げ、イベント終了後は報道陣の取材に応じた。  『悪の華』は「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の同名漫画(原作・押見修造)のアニメ化。4月から放映を開始する。  技術的には、ロトスコープを採用している点が大きな特徴だ。ロトスコープ自体は既存の手法だが、それを全編、テレビシリーズの頭から最後までやり通した例はほかにない。実写撮影→手描きでアニメ化→アフレコという過程を踏むのは当然として、全編がロトスコープであるため、まず原作者の生地であり、原作の舞台である群馬県桐生市で3カ月間に渡り、実写専門のキャストを起用しての撮影が行われた。その上でアニメの画として描き、音を響かせ、声を載せる。最終的に声優の声が載ると、それは実写でもアニメでもない何かになっていた。  上映前、壇上に立った長濱監督は「ちょっとポカン、としてしまうかもしれない。普通のアニメーションの映像とは違うので」と言った。  ちょっとどころではなかった。  「第1回」はボードレールに心酔する読書好きの少年、春日高男が登下校する何気ない様子に始まり、この物語の発端となる事件の直前までの「何も起こらない時間」を執拗に描いていく。  「うっせぇ クソムシが」。おそらく仲村佐和のその言葉以外は、何も起こらない日常を映しているだけなのに、不吉な音楽、音響と共に、緊迫した濃密な時間が続く。エンドロールでようやく解放されると、ほっとすると同時に、その20数分への充足感も生まれ、早く次を見たいという気にさせられる。  スクールカーストを頭で捉えた程度のものではなく、リアルな学生生活の今、あるいは記憶を、そのまま呼び起こされるような完璧な生々しさがある。放映開始前から問題作と言ってもいいかもしれない。間違いなく、新しい何かを提起している。  すべてにおいてテンションが高い映像の中で、特に光っていたのは実写と声の演技の両方で主人公の春日高男を演じた植田慎一郎の芝居だ。その貢献は、作品が完結していない現時点でも称賛に値する。  この先、春日高男は密かに想い焦がれる佐伯奈々子の体操着に手をかけたところを仲村佐和に目撃され、心の闇を共有する間柄になっていく。そして「いい子」を演じ続けることに違和感を覚える佐伯も、次第に春日に惹かれていく。3人の関係はどうなるのか。この世界の圧力はどこまで高まるのか――。  上映後に再び登壇した長濱監督は最初「原作と一緒です。漫画と一緒です。それしか言わないです(笑)」と言っていたが、徐々に言葉の洪水が止まらなくなっていく。 「(ロトスコープは)コントロールが利かないんですよね。髪の毛とか。服のシワとか。コントロールしようとすればするほど、記号に落ち着けようとすればするほど、ウソになっていく。どこまでやっていくかを一話で感じ取り、模索して、方向性が見えてきている」 「これ以降、どんどん色が変わっていく。カテゴライズされたくないんですとにかく。『悪の華』はなんとかいうジャンルです、とか、あれみたいだとならないようにしようと」 「アニメになりすまそうとしているんです。スターチャイルドから普通のアニメとしてリリースしようとしている」 「桐生の試写会でも司会の松崎(克俊、山田役)さんから、犯行声明みたいだと言われたんですが」 「アニメの世界にしか存在しない仲村とか佐伯にしたかった。原作のキャラクターをそのまま出しても。原作を読めばいいんですよね。そういう意味では原作に戻れるつくりになっている」  そして植田慎一郎、伊瀬茉莉也、日笠陽子が登壇。ここからおよそ1時間、熱の入ったトークが続く。 「2回目すごいですよ。放送を見てほしいですね。1回見ると画に慣れるので」(植田)
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「アフレコをしているときは、いわゆる外画の吹き替えをやっているような感覚だったんですが、これを見たときに“あ、やっぱりアニメだ”と。でも滑らかに動くし、なんだろう、これは。ジャンルがない」(伊瀬) 「私はいい作品やいい曲に出逢うと、胸がキュン♪ とする性癖の持ち主なんですが、これを見た瞬間はキュンとしなかったんですよ。ギューっとして、ずっとざわざわ、ざわざわしているんですよ。なんか、すっごくて……(長濱「要領得ないな、あなたは(笑)」)そうなの、今日はうまく言えないの、衝撃が大きすぎて」(日笠)  あまりに長尺の会話ゆえにそのすべてを起こすことは差し控えるが、異様にも映ったのは、登壇者の姿勢だ。明らかに「お仕事」の域を脱していた。商業用に体裁を整えよう、時間内に収めようといった調整の意識は最低限にとどめ、飾り気のない言葉で熱く語り続ける。心の底から作品に共感し、情熱を持って取り組んでいる様子が伝わってきた。上映後のトークは最初の質問の時点で残りわずかとなっていて、当然、終了予定時刻を大幅に超過する。それを一向に意に介さなかったことからも、『悪の華』が特別な何かであるということはわかる。
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 アフレコの現場はガンマイクが上方から垂らされるように役者に向かってセッティングされ、声優は本を持たずに、実写のように演技をしていた。役に入り込んだ伊瀬と日笠の間には、劇中の仲村と佐伯の間に漂うのに似た空気が張り詰めるのだという。その芝居の迫力は、確かに映像に乗り移っていた。  登壇者4人はイベント終了後も約45分間の囲み取材に応じた。テンションはまったく落ちず、じっくりとわれわれ報道陣に付き合ってくれた。その一部をご紹介しよう。  イベントを終えての感想を問われると、各々、次のように答えた。 日笠 「ちょーお楽しかったです! いつもアフレコが終わると呑み会をするんですけど、今日は(伊瀬)茉莉也がそういう感じで行こうと言っていて。むき出しにしないと『悪の華』に対する思いは伝わらないから、できるだけ変なベールを被せるのはやめようとやっていたら、素で楽しくなっちゃって。でもでも全然しゃべり足りなくて、3時間でも足りないんじゃないかと思っています。会場の様子がわからないほど作品にすい込まれていました」 伊瀬 「しゃべり足りないですね。短いな~! と思いました。だいぶオーバーしてるんだけど、それでもしゃべり足りないということは……いや、もちろん、どの作品にも愛情を持って全力投球なんですよ。だけど、この『悪の華』は特別なんですよね。そう思わせられる原作の力と、監督の熱意と……美術さんだったり音響さんだったり、プロフェッショナルな方々が一切手を抜かないんですよね。だから、私たちキャスト陣も絶対に手を抜けない。ちょっとでも手を抜いた瞬間に負ける気がするので、監督の熱意、画、音、すべてに負けないように立ち向かっていかないと、この作品の本当の意図する、一番奥の深い深い伝えたいところが伝わらないんじゃないかと思うので。それ……ですね……何言いたかったんだろう。(長濱監督「感想だよ(笑)」)感想か。そういう思いで望んでいるので、やっぱりそれは伝えきれない! 短いから。(上映中)後ろで見させてもらったときは、もう映画を見ているような感覚になっちゃって。(日笠「かっこいい~もう」)かっこいい。センスがいい。面白い!(日笠「天才だって!」)それに尽きます」 植田 「ずっと言っているんですけど(トークショー中でも言及した)、2回目を見ると本当にすごい。1度目は「こんな動き方をするんだ」とか画のほうに集中するんですけど、2回目以降だと自然に見ることができて、話がすっと入ってくる。ロトスコープという手法で去年の夏に撮影して、暑い中、実写キャストみんなで必死に頑張りました。声優キャストも合わせて作品に向き合い、全力でぶつかってきたことがこういう形で見られると、間違っていなかったんだという思いで、本当に幸せです。  2人(日笠、伊瀬)から聴く話はすべて刺激になります。こういう言い方をするとよくないのかもしれないけれど、すごい声優さんたちもこんなに悩んで作品に取り組んでいる姿を見ると、自分には今まで(声優経験は)何もないので、全力でぶつかっていくしかない。全力でぶつかっていかないと、関わったみなさんに悪いと思って……話がずれてしまいましたが、(共演が)この2人で本当によかったです。 長濱監督 「たくさんの方と一緒に見られたことが、すごくうれしかったです。先生(押見修造)や、実写キャストのみなさん、声優さん、たくさん来てくださって。みんな「すごかった」と言ってくれました。今まで映像を見ていないので、今日見て『すごかった』と言ってくれたことが、何よりうれしい。みんなが、自分がやった役、自分が参加した作品がどうなるのかを、ここで見てもらえたことと。それに関わった役者の口から、この作品に命をかけているとか、けっこうウソの話も出てきたんですが、死ぬ死なないとか。ただ、そのくらいの気持ちで、わたしたちはこの作品に関わったのだ、ということを、それこそ伊瀬茉莉也や日笠陽子の口から聞けたら、現場のスタッフはますますやらないといけないな、と思うし。  伊瀬がさっき、みんなすごいプロフェッショナルだと言っていたけれども、そのひとりですからね、あなたも。あなた方はその一部なんだから。あなたたちの芝居を見て、だからこそ画を起こしているアニメーターは、佐伯奈々子の顔がぐちゃぐちゃになっちゃいけない、かわいくないように見えてはいけない、と思うし。仲村のちょっとした鋭い視線や立ち居振る舞いというものに、ブレがあってはならないとみんなが思って、つくり上げている、そのピースのひとつなので。植田くんもそうですけれどもね。そういう意味では、みんなが志を同じくするというか、角合わせをする時期だったと思うんですね。ずっと積み重ねてきたものはあったんですけど、ピシっと形を一回合わせる意味でも、今日の試写会はとんとん、と角を合わせて『あー、きれいに揃ってるね。こんなんなっちゃってる』と、一度みんなで再確認できた、素晴らしいイベントだと思います。ありがとうございます」 DSC_0073.jpg  この発言を受けて、長濱監督に質問した。 ――基準を合わせるという意味では、主人公がひとつの基準になると思います。春日の春日らしさ、あるいは、思い返すと決して学校って楽しいことばかりじゃない、学生らしさ、学生の会話のレベルみたいなもののライヴ感を出すにあたり、ちょっと難しいとは思うんですが、実写と声の両方で春日を演じた植田さんへの評価は? 長濱監督 「植田くんの評価ですか。相当難しいですが。植田くんのやった役、春日高男のなんでもないことを追体験するところから始めているんです、1話は。だから何も起こらない。わざわざ2回、同じ登校シーンを繰り返すんですよ。でも見ていただけるとわかるんですが、背景美術は別の日なので、微妙に光の感じも雲の感じも天気も違うんですね。その中で、だけど見ている人間にとっては『同じ日じゃん。同じ画をくり返しているんじゃないの?』と見えてほしかったんです。そのくらい退屈なんです、たぶん。春日にとっては当たり前の生活で、それを、その桐生というところで生きている中学生『春日高男』を、まず知るところから始めないと、春日が仲村と出逢ってどう変わっていくのか、どうしてこうなったんだろうという感情が生まれづらくなるので。そこに持っていくために今回、1話をていねいに、何も起こらない日常をずっとやった。その中で、つくり笑いをしたり、話を合わせたりする春日高男というのは、みんな誰もが身に覚えのある瞬間だったりするし。友だちがいないわけでもない。いじめられているわけでもない。優等生でもない。なんの変哲もないことがどれだけ残酷かものなのか、自分というのはいったいなんなのか、というのをどこに求めていくかと言ったら、本しかなかった。それをずっと見せていき、描きたいことを描こうとしていた一話なんですが、原作には描かれていない、前日談みたいなものを描いているんですけれども。植田くんがやはり、ちゃんと春日高男というキャラクターに寄り添って、春日高男に向き合ったからこそあの表情が出てくるし、あの世界で春日高男がどんな笑い方をして、どんなクラスに、どんなふうに座っているのか。みたいなことを彼がまず1話で示してくれたことで、今後の展開に大きく影響を及ぼしてくる。  全力でぶつかってくれた植田慎一郎という人間は、素晴らしかった……というチープな言い方しかできないですが、素晴らしかったですね。撮影は本当に過酷だったので。参加してくれた役者さんたちはみんな大変な思いをしたんですね、夏の陽射しのもとを歩いたりとか。その先頭を引っ張っていたのが、経験値もなんにもない、ジュノンボーイで、春日高男とはまったく正反対のリア充真っ盛りみたいなね、やつなんじゃないかと言われている植田くんが、いちばん春日高男になっていたという。あの瞬間は、なんだろうな、役者って面白いいな、と思うんですね。自分は役者ではないですけれど、役者という仕事は面白いいな、彼が春日になれるんだものな、と。サッカーをやっていた人間が、本しか読まない、なんの変哲もないやつになれるんだよな、と思って。それを彼は愛しいと思っていると思うんですよ、きっと。一生自分のものだと思って手放したくないと思う(だろう)し。役者はみんな、この役を誰にも渡したくないと思うだろう。春日高男というキャラクターが、そこでやっと人になり、生きているのだと思うと、感慨深いですよね。それにちょっとでも関われたのは、幸せですね」  この上映会と付随する取材だけで、とにかくすごいということはわかった。しかし、まだ本放映が始まったわけでもない。最後まで見届けたい作品になりそうな予感がする。 (取材・文=後藤勝)

史上最低視聴率の剛力、嵐・相葉も『はらちゃん』も大苦戦! 1月期ドラマ視聴率

『ラストホープ』公式サイトより

 2013年1月期の民放の連続ドラマ(午後8~10時台)が、それぞれ最終回を迎えた。今回は全話の平均視聴率を元に、ベスト3位&ワースト3位のランキングを発表する。

 ベスト1位は、やはり初回視聴率でもトップの17.0%(ビデオリサーチ調べ、 関東地区/以下同)だった内野聖陽、佐藤健出演の『とんび』(TBS系)。4話から5週ほど12%台に低下したものの、9話で18.3%に復活。3月17日放送の最終回では、下位を圧倒的に引き離す20.3%を獲得し、有終の美を飾った。

 2位は沢口靖子主演の『科捜研の女』(テレビ朝日系)。1999年から続く人気シリーズは安定した人気を得ており、最終回は同ドラマ今期最高の14.2%を記録。