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“恐竜ちゃん”と呼ばれたミドルティーン時代から、いまや超グラマラスボディに成長したハイパーポジティブガール・近野莉菜。胸の谷間もあらわな女スパイ衣装に挑み、彼女の親友である女優・武井咲に、セクシーさでは間違いなく勝ったといえるクオリティだ。対して、NMB48チームNで、AKB48チームB兼任として近野のチームメイトでもあるのが、“みるきー”渡辺美優紀。入浴を「ちゃぷちゃぷ」と表現し、その入浴音がシングル「ヴァージニティ」に収録されるまでに。今回はそのちゃぷちゃぷを思わせる衣装で参戦。だが、近野がチョキで勝利をさらった。ファンの心を巧みに操る“釣り師”みるきーも、じゃんけんの神を釣ることはできなかったようだ。
○阿部マリア vs 入山杏奈×
10期ラブラブ対決
10期の同期で、相思相愛な2人がガチンコ対決。長い手足を生かしたダンスのテクニックはAKB48屈指との呼び声高い阿部マリア。アニメ好きな美形少女で、女優としての才覚を発揮しつつある入山杏奈。「真夏のSounds good!」で選抜に初参加した点でも共通する2人の対決は、1回のパーでのあいこを経て、阿部がグーで勝利。そこから阿部は鈴木紫帆里との高身長対決を制した。「あんにん(入山)やしほりん(鈴木)の思いを背負って頑張りたいと思います」と負けた仲間の無念さを抱えながら、次の戦いに挑む決意を告白。普段は話し下手だが、ここ一番で彼女の胸にある熱い思いを吐露した。続いて、グラビアで新境地を見せつつあるSKE48・上野圭澄にも勝利。だが、トーナメントの番号でグループ名である48を引いていた横山由依に敗れ、結果6位となった。6位の位置で活躍すれば、阿部のダンスはさらに脚光を浴びることとなるだろう。
○柏木由紀 vs 肥川彩愛×
真のゆきりん決定戦
全世界待望の好カードが実現!! アイドルの申し子・柏木由紀と、彼女に憧れる“なんばのゆきりん”肥川彩愛が正面対決。肥川は、昨年のじゃんけん大会でNMB48でも入っていない選抜入りを経験。それ以降、グラビアでも注目され、チームMの「アイドルの夜明け」公演では柏木がかつて担当していたポジションを任され、「口移しのチョコレート」を披露している。
今回のじゃんけん大会も、NMB48の予備選を勝ち抜いて武道館に現れ、この日は水着姿に「エロい人」のたすきを着けて衝撃参戦。1回戦では、柏木の王子様・宮澤佐江と肥川の柏木をめぐる戦いに勝利し、いざご本尊と対戦。
自分を尊敬してくれるメンバーを「柏木チルドレン」として大切にする柏木だけに勝利を譲るかと思いきや、じゃんけんではチョキでのあいこを経て、再びチョキで肥川を下した。柏木は過去2回、1回戦で敗退しており、じゃんけん大会での勝利は今回が初で、自ら大いに目をひんむいて驚き、母親譲りのリアクション大魔王っぷりを発揮。柏木は事前に「ゆきりんは一人だということを証明したい」と語っており、“オリジナル”のアイデンティティにこだわる姿勢は揺るがなかった。
そこから、柏木は鈴木まりやとのチームB対決にも勝つも、新チーム体制で同チームとなる島崎遥香に敗れてしまった。大会終了後の会見で、柏木は「第1回優勝のうっちー(内田眞由美)もいるし、麻里子様(篠田麻里子)もいるし、センターがぱるる(島崎)で、今までで最強の選抜だと思います」と各媒体が見出しにしやすいキャッチーなコメントを即答。この頭の回転の速さこそが、彼女が握手会でファンから即座に振られた話題に的確に返答する“握手会の女王”として、君臨し続ける理由なのだ。
○中村麻里子 vs 松井珠理奈×
品行方正・生真面目対決
チーム4のお母さん役でGoogle+で自分へのクレーム(ダメ出し)を求めるなど、向上心を持つ中村麻里子と、15歳にして何事にもブレないその圧倒的な存在感はもはや“1000年に一人の逸材”かもしれない松井珠理奈が対戦。SKE48加入と同時にセンターに抜擢された伝説の「大声ダイヤモンド」のブレザー衣装で、前髪も切って挑むが、パーのあいこが2度続き、珠理奈がグーに変えるが、中村はパーのままで勝ったのだった。やはり、珠理奈という人はじゃんけんでも、ブレてはいけないのだろう。だが、珠理奈は「やっぱり麻里子は強い」と、尊敬する篠田麻里子も絡めて、中村を絶賛。ステージから階段を下りる際には、互いに譲り合い、中村を先に行かせる器の大きさと気遣いを見せた。
中村は続いて、総監督・高橋みなみにも勝利し、初の選抜入りを果たすが、チーム4の仲間・島崎遥香の運には勝てず、結果8位となった。
<3回戦>
○梅田彩佳 vs 小嶋陽菜×
女神の記録を打ち破った“女・有吉”梅田彩佳
同学年で、新チーム体制でチームBになる2人の運命のバトル。インディーズデビュー曲「桜の花びらたち」から30枚連続で選抜入りというAKB48唯一の伝説を残してきた小嶋陽菜。過去の2回大会で、占い師のタパリヤ・ラムメスから赤い服を着ることを提案され、今回は自らプロデュースした赤のドレスに加え、セクシー伝道師・おかざきななから伝授されたセクシーじゃんけんも武器に参戦。1回戦で、サマンサタバサのゴルフウェアで参戦した“ごるふなでしこ”山内鈴蘭を破り、AKB48チームA兼任も決まった“なんばのヘタレ”NMB48・小谷里歩が、彼女の名言「囲まれてしまった」とばかりに武道館の雰囲気に圧倒される中、2度のあいこを経て小嶋が勝利。そしてコマを進めた選抜入りを決める3回戦で、梅田彩佳と対決。
梅田は足の骨折で地元・福岡での療養生活から復帰しながらも、AKB48冠番組には出られない日々があった。その分、公演を愛し、ファンを思い、地道に努力を続けてきた梅田。昨年の第3回総選挙で22位となり、アンダーガールズのセンターを担当。さらに勢いに乗り、今年の総選挙では16位で見事選抜入りを果たした。そんな梅田は1回戦は対戦相手のHKT48卒業に伴い、開催された敗者復活戦で勝ち残った下野由貴に勝利し、ついに小嶋と対戦。小嶋はドラマ『メグたんって魔法つかえるの?』(日本テレビ系)の衣装に着替えて参戦。同学年ながら歩んできた道の大きく異なる2人の戦いは、栄光をつかむがごとく開いた手のひらのようなパーで、梅田が勝利を手に入れたのだった。続いて、仁藤萌乃とのチームK対決には敗れたが、再び選抜入りを果たした梅田。『有吉AKB共和国』(TBS系)で、芸人・有吉弘行が、梅田が出るたびに「梅ちゃんじゃん」と親しげに話すことで知られているが、それは09年10月~10年3月放送の『崖っぷち』(同)で共演していた縁があっただけではない。実は梅田は“女・有吉”なのだ。有吉自身は猿岩石解散後、不遇の時代があり、“おしゃクソ事変”で再ブレイクし、今の地位を築いた。梅田も骨折と活動休止を経ながら、大好きなダンスで次第に道を固めてきた。2人とも、一度地獄を見てそこからはい上がってきた強さを持っており、その点に有吉がシンパシーを感じているのだろう。
<ベスト16>
○木本花音 vs 竹内美宥×
AKB48×SKE48『マジすか学園3』ギラギラ対決
SKE48チームEのエース・木本花音と、ドラマ『マジすか学園3』(テレビ東京系)で共演する竹内美宥の対決。同作ではチームハブとチームマングースの対抗組織に属しているが、対戦ではその戦いを思わせるギラギラした熱い瞳で木本は竹内を見つめ続けた。木本は、チームメイトの高木由麻奈を破って勝ち抜いており、その仲間の思いも背負うようなSKE48らしい熱い戦いだったが、残念ながら、木本は敗れ、竹内が7位となった。SKE48では玉のような汗をかくパフォーマンスで選抜常連の木本。じゃんけん大会での選抜入りを見事果たし、彼女が全国区で“いつかギラギラする日”も来るはずだ。
○篠田麻里子 vs 前田亜美×
チームAの最年長・最年少のモデル対決
チームAの最年長と最年少で、高身長の2人が対決。前回覇者の“上からマリコ”篠田麻里子は今回も強かった。1回戦では幼稚園児姿で現れた大家志津香と対戦し、同じ福岡出身で、かつて大家が研究生セレクションで落ちかけた際に、スタッフに大家の努力を伝え、残留させたというエピソードもある両者の関係。勝負は篠田はパーで一発勝ちとなった。続いて、篠田は、“ザ・負けず嫌い”田野優花にも勝利し、「ごめんね」とつぶやいた。
一方、3年連続の選抜入りを目指す前田亜美は灰をかぶったシンデレラ衣装で参加し、森川彩香、大島優子を打ち負かしてコマを進めた。第1回で前田敦子、第2回で大島、指原莉乃に勝ち、“太田プロキラー”ぶりは健在。そうして篠田と亜美が対峙するが、亜美は白いドレスにお直しし、灰かぶり姫からシンデレラガールにリニューアル。壇上までの道をランウェイかのように颯爽と現れた両者だが、篠田がこん身のパーで勝利をもぎ取った。
<ベスト8>
○仁藤萌乃 vs 篠田麻里子×
3代目チームAのキャプテン×現場監督対決
「やれって言われて、やらない人嫌いだから」を行動指針とし、先輩にもガツンとモノ申すメンタルの強さを持つ仁藤萌乃。消しゴムはんこの名人で書道4段、現在はミサンガ作りにハマり、ネイルやアクセサリーも自作するなど多彩な才能を持つ。じゃんけん大会では、2年連続初戦敗退だった仁藤だが、今回は1回戦で高城亜樹に勝つと勢いに乗り、仲川遥香、梅田彩佳に続き、篠田麻里子と対戦。篠田、仁藤といえば、『週刊AKB』(テレビ東京系)の「ドッキリ女学園」で波乱を呼んだ2人。だが、両者の仲は良好で、今回もベスト16の壇上で横になり、談笑を続けていた。そんな2人の戦いは互いに目を見つめ合う中、一瞬、仁藤が微笑むが、篠田はキリッと再び目ヂカラを強め、火花を散らした。
結果、仁藤がパーで一発で勝利をもぎ取り、両者は熱いハグを交わした。新体制の同じチームAになり、キャプテンになる篠田と、篠田、総監督・高橋みなみの不在の際には、“現場監督”として後輩をシゴくことになりそうな仁藤。2人はチームの大きな原動力となっていくはずだ。
<決勝戦>
○島崎遥香 vs 仁藤萌乃×
芸術家気質の天才×新世代ルーキー対決
『芸能界特技王決定戦TEPPEN』(フジテレビ系)で、芸能界書道ナンバー1に輝いた際の衣装で参戦した仁藤萌乃は、前回覇者・篠田麻里子、第1回優勝者で同期の内田眞由美も破り、5戦連続パーで一発勝利。ついに決勝戦までコマを進めた。
彼女が対戦するのは、次世代エース候補の島崎遥香。ダンスのキレもお辞儀の角度も甘く、“ぽんこつ”と評される。そんな彼女には苦い思いをした時期があり、当時研究生10人が出演したCMに自分は起用されず、軽度だが、円形脱毛になった過去を明かしている。一時は卒業も考えた島崎だが、同じアイドル好きの先輩・指原莉乃には悩みを打ち明け、「指原さんは私のすべて」とGoogle+で綴ったこともある。じゃんけん大会で島崎は、第1回は当時研究生で、予備選に敗れて不参加。第2回も初戦で敗れている。だが、今回は初戦でHKT48・中西智代梨に勝ち、続いて同期の永尾まりやのチーム4対決にも勝利し、選抜入りを確定。さらに新チームBで同じチームになる柏木由紀も負かし、同期の中村麻里子、横山由依も撃破し、決勝へ出陣。
前回、前々回の覇者を破った仁藤か? 同期を3人倒して、彼女たちの思いも背負う島崎か? ついに迎えた決勝戦では、仁藤は前方と後方にお辞儀をしてストイックに“闘拳台”へ向かったのに対して、島崎は笑顔を浮かべてトコトコと舞台へ。ずっとパーを出し続けてきた仁藤に対し、島崎は永尾との対戦以外チョキを出し続けており、決勝でも両者の姿勢はそのままで、島崎が優勝を手中に収めたのだった。次世代エース候補が見事、じゃんけんの神に選ばれるかのように、センターに立つことに決定した。
総括~運に選ばれた新エースと、タフネス“2等”萌乃……新旧世代の闘争から生まれる、新たなシナジー効果
同じグループで、1歳差ながら、まったく違う道を歩んできた島崎遥香と仁藤萌乃。9期の加入当初から「ヤングジャンプ」(集英社)の表紙に選抜常連メンバーと共に参加し、一時的に辛酸を舐めながらも、再び次世代エース候補となった島崎。一方、5期の中でも持ち前のタフネスはスタッフからの評価も高く、多彩な才能を開花させている仁藤。唯一起用されたシングル「涙サプライズ!」以来、実に3年ぶりの選抜入りとなった。クールな彼女だけに、この3年間はさまざまな葛藤もあったはずだが、今年はミュージカル『ピーターパン』に挑み、全力で演技と向き合い、あらためてステージに立つ喜びをかみしめた年でもあった。
両者の違いは、終了後の会見でも垣間見え、29thシングルについて聞かれると島崎は「普段、秋元(康)先生からも『ぽんこつ』と呼ばれているので、題名になりそう」とマイペースに答えると、ほかのメンバーから口々に「イヤだ~」とツッコまれた。すると、仁藤は「私はあんまりぱるるみたいにかわいいキャラじゃないので、アイドルっぽいのはキツいかな。大人っぽい曲がいいですね」と語り、両者の違いからどんな楽曲に昇華されるのか、新たな化学反応が起こりそうだ。あるいは、篠田麻里子、前田亜美、阿部マリアら高身長メンバーを生かした曲、板野友美、梅田彩佳、松原夏海らをフィーチャーしたダンスナンバーなど29thシングルはさまざまな可能性が想定できそうだ。
大会の前に披露されたのが10月31日発売の28thシングル「UZA」。「RIVER」「Beginner」「風は吹いている」とチャレンジングな曲に挑んできた秋のシングルの流れをくみ、今回の「UZA」はレディー・ガガにも通じるエレクトロニカ、あるいはエレクトロ・ポップサウンドで、AKB48史上最高難度のダンスにもチャレンジした。歌詞は前3作のメッセージソングとは違い、「最初にキスをしよう」とモラルに縛られずキスから恋を始める、情熱的で革新に満ちた恋愛を描いている。今回の披露では、間奏でストリートダンスコンテスト「JAPAN DANCE DELIGHT」の2011年度チャンピオンでもある男性7人組・Beat Buddy Boiとのコラボで、ダンスバトルのパフォーマンスも行った。曲のセンターは大島優子、松井珠理奈の“Wセンター”方式。だが、今回、前田敦子卒業後のポストエースは、明言されていない。そういう意味では、まだメンバー全員に可能性があると表現していいだろう。実力者をエースとするのか、成長をテーマとするAKB48だけに10代や研究生を起用するのか? あるいはアニメ『AKB0048』のようにセンターノヴァ(不動のエース制度)はやめ、曲ごとにセンターを変える方式になるのか? 2013年の話だが、記念すべき30thシングルに今から注目だ。
新旧世代の闘争と、海外グループへの移籍、再組閣による3代目チームの発足など、過渡期の真っただ中にいるAKB48グループ。政情不安の世の中だからこそ、人々がエンタテインメントに求める期待も大きいはずだ。総監督・高橋みなみは9月2日の劇場公演で現在のAKB48をルービックキューブに例え、「色が揃うと壊したくなりませんか? 色をグチャグチャにして、もう1回やり直したくなる、そんな気持ちです」と語った。一度組み上がったキューブをバラし、今、AKB48は新たな色を付けて、新たな組み替えを行おうとしている。その組み替えるプロセスも含めて、エンタテインメントなのだ。このキューブが次はどんな形に仕上がっていくのか? その過程で彼女たちは何を学ぶのか? おそらく多くの汗と涙を流し、痛みも伴う分、多くのものが得られるはずだ。今のAKB48に、そして今の時代にこの言葉を贈ろう。「No pain,No gain(痛みなくして、得られるものはない)」。
(文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>)




