
「週刊新潮」9月27日号 中吊り広告より
グランプリ
「新婚『松田聖子』と元愛人が『深夜のコンビニ』で買ったもの」(「週刊新潮」9月27日号)
佳作1
「橋下徹は日本の救世主か?」(「週刊新潮」9月27日号)
佳作2
「釈由美子は10年間GACKTの“通い妻”でした」(「週刊文春」9月27日号)
佳作3
「貫目が足りない『石原伸晃』おバカの伝説」(「週刊新潮」9月27日号)
PHP研究所へ、電子書籍の現状とこれからについて取材に行ってきた。角川書店や講談社と並んで電子書籍に熱心な出版社である。その中で、アマゾンとは契約内容の詰めを行っていて難しいところも残っているようだが、アマゾンの書籍専用端末「キンドル」がようやく10月上旬に日本でも発売されると示唆してくれた(同様のニュースは日経でも報じられている)。
だが、楽天の「kobo」がそうであるように、コンテンツの品揃えは充実したものとはいえないようだ。電子書籍に前向きな出版社がまだ少ないこと、著作隣接権などが認められないと出版社にハッキリしたメリットがないこと、プラットフォームをアマゾンに牛耳られることへの警戒感など、先行きは不透明である。ましてや出版社にとって電子書籍がビジネスになる日が来るのは、取材した感触では、まだまだ先のことのようだ。
今週は尖閣諸島をめぐる日中間の緊張が高まる中、中国の現地報告を含めて各誌大きく取り扱っている。「日本人よ、戦いますか 中国が攻めてくる」(現代)、「日中一触即発!」(文春)、「日中冷戦 経済戦争勃発」(週刊朝日)、「袋叩きにされる『日本人』現地報告」(新潮)、「中国政府が扇動する反日デモの『白髪三千丈』」(週刊ポスト)。どれも似たり寄ったりの情報で、代わり映えがしないが、朝日と現代は、下手をすると日本経済が破滅に向かう可能性があると書いている。
現代でビジネス・ブレークスルー大学の田代秀敏教授が、こう語っている。
「日本の不買運動だけでも、日本企業は恐ろしいほどの損害を被っています。たとえば中国側の発表によると、この8月の北京、上海、広州の3地点での日系企業のカラーテレビの売り上げは、前月比で東芝が40・3%減、三洋が44・3%減、パナソニックが23・4%減と著しく減少しました」
中国の日本法人が現地で部品を調達する割合は59・7%もあり、レアアースはほとんどを依存している。日中貿易の総額は約27兆円、全貿易量の約20%を占めている。このままの状態が続けばダメージは日本のほうが遙かに大きい。そう考えれば、日本が取るべき方法は自ずと決まってくるはずだと思うが。
同じ特集の中で、2週間にわたって姿を消していた習近平が、胡錦涛に「軟禁」されていたという情報を載せている。9月1日、「中央党校」という大学で行った習の挨拶が胡錦涛を怒らせたというのだ。
「中国共産党は、図らずも党の根本理論にそぐわない『失われた10年』を過ごしてしまったが、この秋からは正しい指針を持った新時代を迎えるであろう」
こう話したというのだ。つまり、胡錦涛政権時代を否定したのだから、逆鱗に触れてもおかしくはない。そのため、中南海で軟禁生活を余儀なくされていたというのである。中国内部の権力争いは、日本など及ぶところではない。これが事実だとすれば、これからも胡と習の暗闘は、江沢民と胡がそうであったように、長く陰湿に続いていくのであろう。
今週はグランプリが1本で、後はどんぐりの背比べなので、佳作3本を選んでみた。
自民党総裁選が大詰めを迎えているが、文春、新潮は石原伸晃が総裁に一番近いと考えたのか、同じようなタイトルでやっている。ちなみに、文春は「石原伸晃よ『軽くてパー』にもホドがある」。どちらも総理の器ではないという点で一致している。内容はほぼ同じだが、新潮のタイトルが優勢と見た。
パーだおバカだといわれる理由は、親と叔父・石原裕次郎の七光りのもと「他力本願」で生きてきたから哲学がない、決断ができないからだろう。
新潮によれば、1981年に慶応大学を卒業して日本テレビ報道局で記者をしていたが、当時の同僚に「仕事に対する熱意やガッツがまったくなかった」と酷評されている。運輸省(当時)を担当していた時代に驚くべきことがあったと、別の同僚が語る。
「85年8月に日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落した際のこと。伸晃君は休暇中の連絡先を知らせずにイタリア旅行中で、僕らは八方手を尽くして、やっと連絡をつけたのですが、彼は“あとはよろしくお願いします”と電話で答え、旅行を続けたんです。これは今もなお、日本テレビ報道局史上に残る致命的失態といわれています」
こんな人間がトップになって原発事故でも起きたら、小沢一郎のように自分だけさっさと逃げかねない。人材不足ここに極まれり。いやはや困ったものである。
佳作2は、文春が火をつけたミュージシャン&俳優GACKTの連続追及第3弾である。
もともとGACKTのファンだった釈由美子は、紹介者を入れて食事をし、早速意気投合して懇ろになったようだ。定期的に釈がGACKTの家を訪ねる“通い婚”。だが時には、運転手つきの愛車の中で、後部座席は暗幕で仕切られていたとはいえ、釈がGACKTの膝の上で○○○(本文にはハッキリ書いてある)っていた」と事務所関係者が証言している。
地下2階にはプレイルームがあり、そこで頻繁に釈を目撃したという。
「びっくりするほどいやらしいカラダをしていた」(事務所関係者)
プレイルームのテーブルにはアダルトグッズ一式が並んでいたという。その上、
「実は国税に押収されたパソコンの中には、十八歳未満の少女とハメ撮りをした動画があり、本人はそれを一番心配しています」(GACKTの知人)
ここまで醜聞がダダ漏れするのは、身近にいた人間が離れ、取材に答えているからであろう。GACKTのタレント生命は絶体絶命のようだ。
連載といえば、新潮の「秋元康研究」第2弾は、秋元の想像を絶するギャンブル好きに焦点を当てている。ルーレットに、一度に300万円賭けるそうだ。秋元の仕事仲間は「ラスベガスでトータル15億円も負けた」と、10年ほど前に秋元が漏らしていたと話している。そうした「疑惑」に対して秋元は、15億円なんてないと否定している。だが、一ケタの億単位で負けたことはあるのではないかと聞かれ、こう答えている。
「それは……累積だったらあるかも知れない。ただ、それも、金額とかは言いたくないんですよ。書き方や読み手によっては、すごい湯水の如くお金を使う人にも見えてしまうでしょうし……」
どう言い訳しても、そう見えてしまうのは当然であろう。少女たちから吸い上げた大金がギャンブル場に吸い込まれていくというのは、何か一幕ものの喜劇を見ているようで、もの悲しい。
橋下徹大阪市長の「日本維新の会」はまだそれなりの人気を保っているようだが、現代を除いては、多くの週刊誌が反橋下のようだ。今週は文春でもやっているが、これも新潮のほうが性根が据わっている。
新潮では、橋下が司法修習生を終え「イソ弁」として所属していた事務所の樺島正弁護士が、橋下のことをこう語っている。
「橋下は本質的には弁護士という職業を嫌っていたと思います。彼は弱い者の側に立つのが嫌いです。(中略)彼は、弱い人間を見ると腹が立つのだと思います。自分はそういう苦境から這い上がってきた。だから、負けたままの人間には虫唾が走るのでしょう」
また、「日本維新の会」が経済だけでなく、教育などあらゆる分野で競争を加速させると言っていることに、榊原英資元大蔵省財務官はこう批判する。
「話が逆。いま、日本に限らず、世界の政治家がやらなければならないことは、先ほども触れた格差是正なんです。非正規雇用者をどう減らすかといった課題が政治に託された大きな責務なのに、競争を煽り、格差を拡大させてどうするんですか。総じて『維新八策』は、各論なき総論でスローガンの羅列。いくら総論を訴え続けても、各論がなければ実現まで辿り着けません」
作家の佐藤優は、韓国大統領の竹島上陸にからんで、慰安婦問題にも言及したことを、こう難じている。
「慰安婦問題で、韓国に向けて『論戦したらいい』と言い放ちましたが、そんなことを始めたら収拾がつかなくなります。また、『強制連行があったかどうかの確たる証拠はなかったというのが日本の考え方だ』とも述べていますが、日本政府の考え方、すなわち河野談話では、強制を認めている。聞きかじりの耳学問で、外交ブレーンがいないのでしょう」
さらに、3ページにわたって橋下全語録をやっている。尊敬しているのが、ゴキブリなんだそうだ。
「僕が虫の中で一番尊敬しているのはゴキブリ。新聞紙を丸めたら後ろにパッと逃げる。危機感がすごい」
だが、不思議なことに現代でも取り上げていたテレビタレント時代の発言、「徴兵制賛成」「核兵器を持て」という重大なものが抜けているが、どうしたのだろうか? もしかして、新潮はそれについては賛成なのだろうか。
今週の栄えあるグランプリに輝いたのは、あの松田聖子を徹底して追いかけた新潮の記事。書き出しはこうである。
「9月9日、日曜日。東京・有楽町の『東京国際フォーラム』では、熱いステージが繰り広げられていた。米ジャズ界の大御所として知られるボブ・ジェームスがメインを務めた『東京JAZZ』。その終盤、スペシャルゲストとして松田聖子(50)が登場したのだ。そして1時間あまり、純白のマーメイドドレスでジャズナンバーを熱唱。左手薬指には、大きなシルバーリングが光っていた。
終演後、都心のホテルで関係者と会合をし、日付が変わった午前1時前。後部座席に聖子、助手席に男性マネジャーを乗せた迎えのワンボックスカーは、自宅のある世田谷区成城方面に走り出す。(中略)
が、車は何故か自宅近くのコンビニ駐車場に吸い込まれていく。(中略)大きなマスクで口を覆ってはいるが、紛れもない聖子本人だ。そして助手席のマネジャーを従えて、店内に入っていく。(中略)2人はカップの冷やし中華などが並ぶ棚の前で立ち止まり、しばし思案……。
すると今度は、お隣のおにぎり棚に移動し、再び思案。(中略)傍から見ている限り、まるで恋人同士かおしどり夫婦にしか見えない。(中略)結局、カゴには冷やし中華とおにぎりが2個ずつ」
天下の聖子が新しい夫のために買ったのがこれか? だが、事実は小説より奇なり。その後、2人は聖子の自宅である豪邸へ帰り、聖子はその中へ入り、マネジャーは隣の2階建ての民家に入る。な~んだ、それだけか。
ところが新潮によれば、この2つの建物は奥で行き来できるようになっていて、「その夜、両方の電気はそのまま消えた」というのである。意味深な書き方である。
聖子が慶応大学病院歯科・口腔外科の河奈裕正准教授と3度目の結婚をしたのは6月。 仲睦まじく冷やし中華とおにぎりを食べたのかと思いきや、自宅には夫の影が見えないというのだ。しかも、コンビニへついていったマネジャーは8年越しの聖子の愛人で、結婚するのは彼とだろうと周囲で思われていた人物なのだ。
「結婚してみたものの、マネジャーと聖子の関係にも頭を痛め、早くも別居しているのではという見方すらある」(芸能デスク)
河奈准教授はもともとプライベートなことは明かさないタイプだったそうであるが、それにしても新妻を放っておいて、どこへ隠れているのだろう。
さらに河奈の父親は取材に対し、聖子が夫の実家に挨拶にも来ていないことを認めている。奇妙な夫婦生活だが、松田聖子らしいともいえる。グラビアに写っているコンビニでの2人の仲睦まじい姿を見ていると、恋多き女の面目躍如である。
彼女のような「自立した女」を女房にするには、よほど寛容で剛胆な男でないと務まらないだろうが、これまで彼女が相手にしてきたのはそれとは正反対の男たちである。オスを食ってさらなる高みを目指すからこそ、中年のオンナたちにはたまらない格好いい存在なのだろう。聖子、健在である。
(文=元木昌彦)

1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか




