
(C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
今週は、ミュージカル×映画、文学×映画という2パターンのコラボが楽しめる洋画と邦画の新作を紹介したい。
『ロック・オブ・エイジズ』(9月21日公開)は、80年代に大ヒットしたロックナンバーを中心に構成された人気ミュージカルの映画化。ロサンゼルスのライブハウス「バーボンルーム」で働くドリュー(ディエゴ・ボネータ)とシェリー(ジュリアン・ハフ)は、歌手になる夢を語り合ううち互いを意識するように。そんなバーボンルームに、カリスマロックスターのステイシー・ジャックス(トム・クルーズ)の出演が決まる。だが、酒と女におぼれ自堕落な生活を送るステイシーは、キャリアの曲がり角に立っていた……。
メガホンを取ったのは、やはりミュージカル映画の『ヘアスプレー』(07)やテレビドラマ『glee/グリー』のエピソードも手がけたアダム・シャンクマン監督。若い主役2人は日本ではまだ知名度が低いが、4オクターブの声域を持ちながら意外にも映画で歌うのは初めてというトム・クルーズの熱唱、熱演は必見だ。アレック・ボールドウィンやキャサリン・ゼタ=ジョーンズらベテラン勢も加わって、ジャーニー、ボン・ジョヴィ、スターシップといった80年代を代表するロックバンドの名曲をノリノリで披露。『glee/グリー』音楽総指揮のアダム・アンダースが本作でも音楽総指揮を務めており、“オトナ版グリー”といった趣もある。
一方、『BUNGO~ささやかな欲望~』(9月29日公開)は、昭和の文豪たちが残した傑作短編を、30~40代の気鋭の監督らが映像化したオムニバス作品。全6作品を3作品ずつ「見つめられる淑女たち」編と「告白する紳士たち」編に分け、2編はそれぞれ別料金で上映される。
「見つめられる淑女たち」編に含まれる『注文の多い料理店』は、宮沢賢治の有名な原作を『パビリオン山椒魚』(06)、『パンドラの匣』(10)の冨永昌敬監督が映画化。山で狩猟中に迷子になった藤子(石原さとみ)と左右吉(宮迫博之)は、山猫軒という西洋料理店を見つける。次々に出される奇妙な指示に従い、店の奥へと進んでいく2人だったが……。原作の若い紳士2人を不倫カップルに置き換えた脚本(菅野友恵)が、ストーリーの奥行きと陰影を深めた。冨永監督らしいユーモラスでシュールな世界観とこだわりの音響効果が絶妙だ。同時上映は『乳房』(三浦哲郎原作、西海謙一郎監督、水崎綾女ほか出演)と、『人妻』(永井荷風原作、熊切和嘉監督、谷村美月ほか出演)。
「告白する紳士たち」編に含まれる『握った手』は、坂口安吾の原作を『リアリズムの宿』(03)、『マイ・バック・ページ』(11)の山下敦弘監督が映画化。内気な大学生の松夫(山田孝之)は、映画館で衝動的にOL・綾子(黒木華)の手を握り、握り返されたことから綾子と付き合うことに。女性心理に不安を抱いた松夫は、心理学に詳しい女学生・由子(成海璃子)の手を唐突に握ってみるが……。山下監督の“ダメ男三部作”を彷彿とさせる松夫のキャラクターがいい味。山田と成海のシリアスな演技がじわじわと笑いを誘う。同時上映は『鮨』(岡本かの子原作、関根光才監督、橋本愛ほか出演)と、『幸福の彼方』(林芙美子原作、谷口正晃監督、波瑠ほか出演)。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『ロック・オブ・エイジズ』作品情報
<http://eiga.com/movie/56679/>
『BUNGO ささやかな欲望 注文の多い料理店』作品情報
<http://eiga.com/movie/77359/>
『BUNGO ささやかな欲望 握った手』作品情報
<http://eiga.com/movie/77357/>
日別アーカイブ: 2012年9月21日
DaiGo vs 藏本天外……「メンタリスト」争奪戦の行方

藏本天外事務所
藏本天外という人物を知っているだろうか? 彼の肩書は「ハイパーメンタリスト」。そう、今人気のメンタリストDaiGoと“カブっている”肩書なのだが、この藏本氏率いる日本メンタリスト協会なる団体が「メンタリスト」「メンタリズム」の商標を登録申請していたことから騒動が起きた。概要は8月に「NEWSポストセブン」が報じた通りだが(http://www.news-postseven.com/archives/20120806_135521.html)、場合によっては、DaiGoはメンタリストの肩書を使用できなくなるかもしれないという。
申請後の登録はまだのようだが、商標登録されると、知的財産権のひとつとして法律で保護され、映画やテレビ、書籍で使う場合は、使用料が発生したり、商標権者が第三者に使用禁止も求めたりできるようになってしまう。
だが、そもそも日本で「メンタリスト」「メンタリズム」という言葉が普及するようになったのは、DaiGoの活躍によるところが大きい。それなのに、この肩書が広まったところで、今年4月、横から突如出てきて藏本氏に、「メンタリスト」「メンタリズム」を商標登録申請されてしまったのだから、心中穏やかではないだろう。
では、法律上は“本家メンタリスト”となってしまうかもしれない藏本氏とは、どんな人物なのか?
同氏の公式ホームページにあるプロフィールによれば、藏本氏は1960年生まれの52歳。さらに「物理学の観点から心理学を解析した独自理論『物理性心理学』を確立。その理論を元に『天外メソッド』と呼ばれる先進的なメンタルケアメソッドを用いて、過去20年間で2万人を超えるカウンセリング、セラピーを行う」としている。「メンタルケア」をするから、「メンタリスト」ということなのだろうか?
YouTubeにアップされている、藏本氏主演の映画『メンタリスト響翔』の予告編を見ると、メンタリストとは「相手の意識をレベルアップする者。行動と感情をコントロール可能にさせるプロフェッショナル」という。ストーリーは、藏本氏演じる響が、心の病に苦しんでいる人々を救うというものだった。どうも、DaiGoの言うところの「メンタリスト」とは、少々趣が異なるよう。メンタリズムはイギリスが発祥で、20世紀半ば頃からエンタテインメント化し、今では、海外ではメジャーな娯楽として定着しているといわれる。こうした流れをベースに、DaiGoは独自に心理学や運動力学、言語学などをトリックに結びつけ、イチから日本向けのメンタリズム概念をつくったとしている。
一方、日本メンタリスト協会が設立されたのも、藏本氏の公式ホームページが立ち上がったのも、今年2月のこと。また、藏本氏が経営するシンビインターナショナルの2009年時点でのホームページの記録を調べてみると、藏本氏の肩書は「メンタルトレーナー」となっていた。
ハッキリ言って、最近になってDaiGoの人気が高まってきたことに便乗し、「メンタリスト」という言葉を使い始めたのではないかという疑惑が持ち上がるのだ。
さらに藏本氏について調べてみると、活動の幅がかなり広く、突っ込みどころも満載であることに気付く。
映画での演技も堂々たるもので、自身で主題歌も歌っているが、これも玄人はだし。松崎しげるや藤岡弘、を思わせる、濃いキャラクターである。
藏本氏の活動の拠点は名古屋のようだ。藏本天外はペンネームで、本名は藏本徹也というらしい。
プロフィールの情報によれば、テレビ、ラジオなどのメディア出演も地方局ばかりだが、それなりにあり、著書も多数出版している。その他、大企業での研修や講演など、さまざまな活動をしている。
では、藏本氏はどんな内容の話をするのか。YouTubeには藏本氏の過去の講演がアップロードされているのだが、その一部を引用しよう。
「36億年ぐらい前から人間っているのね。形状が違うだけ。最初の人類がどんな形をしていたかというと、龍みたいな形をしていたのね。だからしっぽの痕があるでしょ。本当にしっぽがあったのよ。人類。それが退化して、次は今度、四つんばいになったのよ、人間は。いろんなことを経験して遺伝子操作によって、この形になったわけ。これは普通の大学の教師が言えないだけのことなんです。……NASAでは当たり前のようになっている。本当の情報は出てこないの!」
「呪ってやるーっとか思うと、うわーとなるでしょう。簡単に言うと。アッアッアッアーて、あくびするとうつるでしょ。これは何かというと、このエネルギーなの。これ強烈な電磁波が出るわけ。電磁インパルスが」
「人間原理宇宙論というところの宇宙の元っていうのがあってね。それが銀河の中心点なんだけど……それとどこがつながっているかというと、脳の中枢部がつながっているのね」
……という具合で、相当、あっち側のお方のようなのだ。
映画『メンタリスト響翔』のストーリー紹介ページにはこうある。
「『科学で証明できないものは、信じないで下さい。物事はニュートラルです。』メンタリスト響翔(ひびきしょう)(藏本天外)は、霊感商法をする男に言い放つ。すると、会場にいた者達は目を覚まし、それが偽物だとわかる」
「実話を基に限りなくリアリティを追求した作品」とのことだが、藏本氏が講演でしているのは、科学で証明できるニュートラルな話のつもりなのだろう。
2ちゃんねるでは08年から藏本氏のスレッドが立っていたが、その中には藏本氏の経歴を紹介するYouTubeの書き起こしが掲載されていた。それによれば、藏本氏は5歳のときに母親が蒸発し、17歳で父親が割腹自殺(当時、三島由紀夫に次ぐ2人目とのこと)。夜間高校を卒業してから、たくさんのアルバイトを経験し、21歳のときに膵臓ガンで入院。その後、単身渡米したが、再び日本に戻った。2度の離婚など挫折の連続だったが、出会いと別れを経て、「少しは認めてもらえるようになった」という。
DaiGoとは異なり、なんともテレビでは扱いにくそうなキャラクターだ。
当のDaiGoは、「NEWSポストセブン」の記事では、特許庁に意見書を出す予定としていたが、現在は静観する構えに切り替えたようだ。同時に、「メンタリストDaiGo」という言葉で商標申請を始めている。
「日本に『メンタリズム』を普及させたのは自分だという自負はありますが、争ってまで商標を勝ち取ろうとは思っていませんので、特許庁に意見書は出しておりません。また、『メンタリスト』については、私がスペシャルサポーターをしている海外ドラマ『The Mentalist』もすでに普及しているくらいですので、天外氏が商標を取得するのは難しいのではないかと思っております」(DaiGo)
一方、前出のシンビインターナショナルの担当者は、こうコメントしている。
「藏本天外は30年ほど前から、メンタルトレーニングの活動を続けてきまして、メンタルトレーニングからメンタル、メンタリストということで、今回、映画を公開することになり、それに合わせて日本メンタリスト協会を設立することになりました。そのために商標登録を取得する必要が生まれたということです。DaiGoさんの主張について、われわれから対外的なコメントはしない方針です。藏本が使う『メンタリスト』という言葉ですが、文書に見える形で使い始めたのは今年に入ってからですが、セミナーなどでは十数年前から使っています」
どちらもガチンコ勝負は避けたいよう。人の心を操るプロフェッショナルであるメンタリスト。これも、なんらかの心理的作戦なのかもしれない。
(文=編集部)
高嶋政伸と美元の離婚裁判を、「生き恥大喜利」としての楽しむ方法

美元オフィシャルブログより
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎セカンドシーズンもヤバい!!!
「生き恥をさらす」というのは、まさにこういうことを言うんだろうな、という感も新たな「高嶋政伸・美元、離婚ドロ沼裁判セカンドシーズン」。ファーストシーズンは「証言編」であったが、今回は「証拠編」だ。お互いが必死に提出しあうこの証拠がまた。
「美元に恋人がいると報じた『女性自身』(光文社)」「キス写真&ビデオ」「美元の演技の先生による『家にゴミありました』説明」……。あー、生き恥。もう「ドロ沼」ですらない気がするのだが。どちらかというと「大喜利」に近い。
各証拠とも、大喜利としてかなりのレベルであるが、ズバ抜けていたのは、美元側提出の政伸の著書『何の因果で』(光文社)。1996年出版。自分と会うずっと前に書かれたこの本の、どこをどう証拠に。しかもこれ、もう絶版でどこにも売ってない。と、思ってたらアマゾンで突如オークションに。「本棚にあったの見っけ!ラッキー!」感丸出し。いろんな意味で、これがベストオブ「生き恥一本」!!
パリス・ヒルトン「ゲイは大半がエイズ持ち」発言で大バッシング

まず自分の顔の変化を確認しよう!
31歳になっても相変わらずハジけた生活を送っている、パリス・ヒルトン。お騒がせセレブ・クイーンの座はキム・カーダシアンに奪われてしまったが、バッシングの標的からは、まだまだ外されていないようである。パリスが、タクシーの中で友達と会話しているテープが流出したのだが、その中の彼女の発言がメディアから叩かれている。
20日に流出した問題のテープは、今月7日早朝、ニューヨーク・ファッション・ウィークが開催されているマンハッタンで、パリスが友人と共に乗り込んだタクシー内で録音されたもの。一緒にいた友人はゲイだとカミングアウトしている男性モデルで、パリスに“好奇心旺盛な男性のレーダースコープ”というキャッチフレーズで知られるアプリ「Grindr」について説明しているところからテープは始まる。
「だからぁ、『Grindr』にログインするじゃん。そしたら、自分が今いるビルの中で、すでに『Grindr』にログインしてる人がどこにいるのかを教えてくれるわけ」と説明する男性モデルに、パリスは「オェ~。ファックするために?」と質問。友人は続けて、「で、例えば6階にいる男に、“ねぇ、ファックしない?”ってメッセするのよ」と説明し、パリスは「ゲェ~。オェ~。ゲイって本当にムラムラしすぎ。世界で一番サカってる人たちよね」と率直な感想を述べている。
次に別の男性の声で、「ゲイってトゥー・マッチ。やりすぎだよね」という言葉が入り、続けてパリスが「本当、マジで気持ち悪い。ていうか、大半がエイズ持ちでしょ…… アタシがゲイだったら超おびえてるわ。エイズで死ぬんだから」と吐き捨てるように言ったのだ。
オモチャを入れたまま接客しろって……バイト先で変になっちゃう!
【作品名】『愛玩バニーガール・濡れるエロ開発恋愛』 【作者】清水沙斗子
【作品紹介】 バニーガール姿で接客するバーでバイトをしてるんだけど、私はマスターが大好き! 告白したら、「開発テストだ」って体をいじられちゃった! 玩具を入れられて、振動がどんどん激しくなってきて息が上がってきちゃう……もう立っていられない!!
【サイゾーウーマンリコメンド】マスターに告白するためにカナエちゃんはおめかししたって言うけど、その服装、全身ダイエーかしまむらって感じするわよ! マスターにもあっさりローターを入れられちゃうのも、きっと服がペラペラでお手軽だからよっ!(植松晃士風)
「AKB48じゃんけん大会」“名勝負数え唄”分析 対戦結果から見えたAKB48の未来

“恐竜ちゃん”と呼ばれたミドルティーン時代から、いまや超グラマラスボディに成長したハイパーポジティブガール・近野莉菜。胸の谷間もあらわな女スパイ衣装に挑み、彼女の親友である女優・武井咲に、セクシーさでは間違いなく勝ったといえるクオリティだ。対して、NMB48チームNで、AKB48チームB兼任として近野のチームメイトでもあるのが、“みるきー”渡辺美優紀。入浴を「ちゃぷちゃぷ」と表現し、その入浴音がシングル「ヴァージニティ」に収録されるまでに。今回はそのちゃぷちゃぷを思わせる衣装で参戦。だが、近野がチョキで勝利をさらった。ファンの心を巧みに操る“釣り師”みるきーも、じゃんけんの神を釣ることはできなかったようだ。
○阿部マリア vs 入山杏奈×
10期ラブラブ対決
10期の同期で、相思相愛な2人がガチンコ対決。長い手足を生かしたダンスのテクニックはAKB48屈指との呼び声高い阿部マリア。アニメ好きな美形少女で、女優としての才覚を発揮しつつある入山杏奈。「真夏のSounds good!」で選抜に初参加した点でも共通する2人の対決は、1回のパーでのあいこを経て、阿部がグーで勝利。そこから阿部は鈴木紫帆里との高身長対決を制した。「あんにん(入山)やしほりん(鈴木)の思いを背負って頑張りたいと思います」と負けた仲間の無念さを抱えながら、次の戦いに挑む決意を告白。普段は話し下手だが、ここ一番で彼女の胸にある熱い思いを吐露した。続いて、グラビアで新境地を見せつつあるSKE48・上野圭澄にも勝利。だが、トーナメントの番号でグループ名である48を引いていた横山由依に敗れ、結果6位となった。6位の位置で活躍すれば、阿部のダンスはさらに脚光を浴びることとなるだろう。
○柏木由紀 vs 肥川彩愛×
真のゆきりん決定戦
全世界待望の好カードが実現!! アイドルの申し子・柏木由紀と、彼女に憧れる“なんばのゆきりん”肥川彩愛が正面対決。肥川は、昨年のじゃんけん大会でNMB48でも入っていない選抜入りを経験。それ以降、グラビアでも注目され、チームMの「アイドルの夜明け」公演では柏木がかつて担当していたポジションを任され、「口移しのチョコレート」を披露している。
今回のじゃんけん大会も、NMB48の予備選を勝ち抜いて武道館に現れ、この日は水着姿に「エロい人」のたすきを着けて衝撃参戦。1回戦では、柏木の王子様・宮澤佐江と肥川の柏木をめぐる戦いに勝利し、いざご本尊と対戦。
自分を尊敬してくれるメンバーを「柏木チルドレン」として大切にする柏木だけに勝利を譲るかと思いきや、じゃんけんではチョキでのあいこを経て、再びチョキで肥川を下した。柏木は過去2回、1回戦で敗退しており、じゃんけん大会での勝利は今回が初で、自ら大いに目をひんむいて驚き、母親譲りのリアクション大魔王っぷりを発揮。柏木は事前に「ゆきりんは一人だということを証明したい」と語っており、“オリジナル”のアイデンティティにこだわる姿勢は揺るがなかった。
そこから、柏木は鈴木まりやとのチームB対決にも勝つも、新チーム体制で同チームとなる島崎遥香に敗れてしまった。大会終了後の会見で、柏木は「第1回優勝のうっちー(内田眞由美)もいるし、麻里子様(篠田麻里子)もいるし、センターがぱるる(島崎)で、今までで最強の選抜だと思います」と各媒体が見出しにしやすいキャッチーなコメントを即答。この頭の回転の速さこそが、彼女が握手会でファンから即座に振られた話題に的確に返答する“握手会の女王”として、君臨し続ける理由なのだ。
○中村麻里子 vs 松井珠理奈×
品行方正・生真面目対決
チーム4のお母さん役でGoogle+で自分へのクレーム(ダメ出し)を求めるなど、向上心を持つ中村麻里子と、15歳にして何事にもブレないその圧倒的な存在感はもはや“1000年に一人の逸材”かもしれない松井珠理奈が対戦。SKE48加入と同時にセンターに抜擢された伝説の「大声ダイヤモンド」のブレザー衣装で、前髪も切って挑むが、パーのあいこが2度続き、珠理奈がグーに変えるが、中村はパーのままで勝ったのだった。やはり、珠理奈という人はじゃんけんでも、ブレてはいけないのだろう。だが、珠理奈は「やっぱり麻里子は強い」と、尊敬する篠田麻里子も絡めて、中村を絶賛。ステージから階段を下りる際には、互いに譲り合い、中村を先に行かせる器の大きさと気遣いを見せた。
中村は続いて、総監督・高橋みなみにも勝利し、初の選抜入りを果たすが、チーム4の仲間・島崎遥香の運には勝てず、結果8位となった。
<3回戦>
○梅田彩佳 vs 小嶋陽菜×
女神の記録を打ち破った“女・有吉”梅田彩佳
同学年で、新チーム体制でチームBになる2人の運命のバトル。インディーズデビュー曲「桜の花びらたち」から30枚連続で選抜入りというAKB48唯一の伝説を残してきた小嶋陽菜。過去の2回大会で、占い師のタパリヤ・ラムメスから赤い服を着ることを提案され、今回は自らプロデュースした赤のドレスに加え、セクシー伝道師・おかざきななから伝授されたセクシーじゃんけんも武器に参戦。1回戦で、サマンサタバサのゴルフウェアで参戦した“ごるふなでしこ”山内鈴蘭を破り、AKB48チームA兼任も決まった“なんばのヘタレ”NMB48・小谷里歩が、彼女の名言「囲まれてしまった」とばかりに武道館の雰囲気に圧倒される中、2度のあいこを経て小嶋が勝利。そしてコマを進めた選抜入りを決める3回戦で、梅田彩佳と対決。
梅田は足の骨折で地元・福岡での療養生活から復帰しながらも、AKB48冠番組には出られない日々があった。その分、公演を愛し、ファンを思い、地道に努力を続けてきた梅田。昨年の第3回総選挙で22位となり、アンダーガールズのセンターを担当。さらに勢いに乗り、今年の総選挙では16位で見事選抜入りを果たした。そんな梅田は1回戦は対戦相手のHKT48卒業に伴い、開催された敗者復活戦で勝ち残った下野由貴に勝利し、ついに小嶋と対戦。小嶋はドラマ『メグたんって魔法つかえるの?』(日本テレビ系)の衣装に着替えて参戦。同学年ながら歩んできた道の大きく異なる2人の戦いは、栄光をつかむがごとく開いた手のひらのようなパーで、梅田が勝利を手に入れたのだった。続いて、仁藤萌乃とのチームK対決には敗れたが、再び選抜入りを果たした梅田。『有吉AKB共和国』(TBS系)で、芸人・有吉弘行が、梅田が出るたびに「梅ちゃんじゃん」と親しげに話すことで知られているが、それは09年10月~10年3月放送の『崖っぷち』(同)で共演していた縁があっただけではない。実は梅田は“女・有吉”なのだ。有吉自身は猿岩石解散後、不遇の時代があり、“おしゃクソ事変”で再ブレイクし、今の地位を築いた。梅田も骨折と活動休止を経ながら、大好きなダンスで次第に道を固めてきた。2人とも、一度地獄を見てそこからはい上がってきた強さを持っており、その点に有吉がシンパシーを感じているのだろう。
<ベスト16>
○木本花音 vs 竹内美宥×
AKB48×SKE48『マジすか学園3』ギラギラ対決
SKE48チームEのエース・木本花音と、ドラマ『マジすか学園3』(テレビ東京系)で共演する竹内美宥の対決。同作ではチームハブとチームマングースの対抗組織に属しているが、対戦ではその戦いを思わせるギラギラした熱い瞳で木本は竹内を見つめ続けた。木本は、チームメイトの高木由麻奈を破って勝ち抜いており、その仲間の思いも背負うようなSKE48らしい熱い戦いだったが、残念ながら、木本は敗れ、竹内が7位となった。SKE48では玉のような汗をかくパフォーマンスで選抜常連の木本。じゃんけん大会での選抜入りを見事果たし、彼女が全国区で“いつかギラギラする日”も来るはずだ。
○篠田麻里子 vs 前田亜美×
チームAの最年長・最年少のモデル対決
チームAの最年長と最年少で、高身長の2人が対決。前回覇者の“上からマリコ”篠田麻里子は今回も強かった。1回戦では幼稚園児姿で現れた大家志津香と対戦し、同じ福岡出身で、かつて大家が研究生セレクションで落ちかけた際に、スタッフに大家の努力を伝え、残留させたというエピソードもある両者の関係。勝負は篠田はパーで一発勝ちとなった。続いて、篠田は、“ザ・負けず嫌い”田野優花にも勝利し、「ごめんね」とつぶやいた。
一方、3年連続の選抜入りを目指す前田亜美は灰をかぶったシンデレラ衣装で参加し、森川彩香、大島優子を打ち負かしてコマを進めた。第1回で前田敦子、第2回で大島、指原莉乃に勝ち、“太田プロキラー”ぶりは健在。そうして篠田と亜美が対峙するが、亜美は白いドレスにお直しし、灰かぶり姫からシンデレラガールにリニューアル。壇上までの道をランウェイかのように颯爽と現れた両者だが、篠田がこん身のパーで勝利をもぎ取った。
<ベスト8>
○仁藤萌乃 vs 篠田麻里子×
3代目チームAのキャプテン×現場監督対決
「やれって言われて、やらない人嫌いだから」を行動指針とし、先輩にもガツンとモノ申すメンタルの強さを持つ仁藤萌乃。消しゴムはんこの名人で書道4段、現在はミサンガ作りにハマり、ネイルやアクセサリーも自作するなど多彩な才能を持つ。じゃんけん大会では、2年連続初戦敗退だった仁藤だが、今回は1回戦で高城亜樹に勝つと勢いに乗り、仲川遥香、梅田彩佳に続き、篠田麻里子と対戦。篠田、仁藤といえば、『週刊AKB』(テレビ東京系)の「ドッキリ女学園」で波乱を呼んだ2人。だが、両者の仲は良好で、今回もベスト16の壇上で横になり、談笑を続けていた。そんな2人の戦いは互いに目を見つめ合う中、一瞬、仁藤が微笑むが、篠田はキリッと再び目ヂカラを強め、火花を散らした。
結果、仁藤がパーで一発で勝利をもぎ取り、両者は熱いハグを交わした。新体制の同じチームAになり、キャプテンになる篠田と、篠田、総監督・高橋みなみの不在の際には、“現場監督”として後輩をシゴくことになりそうな仁藤。2人はチームの大きな原動力となっていくはずだ。
<決勝戦>
○島崎遥香 vs 仁藤萌乃×
芸術家気質の天才×新世代ルーキー対決
『芸能界特技王決定戦TEPPEN』(フジテレビ系)で、芸能界書道ナンバー1に輝いた際の衣装で参戦した仁藤萌乃は、前回覇者・篠田麻里子、第1回優勝者で同期の内田眞由美も破り、5戦連続パーで一発勝利。ついに決勝戦までコマを進めた。
彼女が対戦するのは、次世代エース候補の島崎遥香。ダンスのキレもお辞儀の角度も甘く、“ぽんこつ”と評される。そんな彼女には苦い思いをした時期があり、当時研究生10人が出演したCMに自分は起用されず、軽度だが、円形脱毛になった過去を明かしている。一時は卒業も考えた島崎だが、同じアイドル好きの先輩・指原莉乃には悩みを打ち明け、「指原さんは私のすべて」とGoogle+で綴ったこともある。じゃんけん大会で島崎は、第1回は当時研究生で、予備選に敗れて不参加。第2回も初戦で敗れている。だが、今回は初戦でHKT48・中西智代梨に勝ち、続いて同期の永尾まりやのチーム4対決にも勝利し、選抜入りを確定。さらに新チームBで同じチームになる柏木由紀も負かし、同期の中村麻里子、横山由依も撃破し、決勝へ出陣。
前回、前々回の覇者を破った仁藤か? 同期を3人倒して、彼女たちの思いも背負う島崎か? ついに迎えた決勝戦では、仁藤は前方と後方にお辞儀をしてストイックに“闘拳台”へ向かったのに対して、島崎は笑顔を浮かべてトコトコと舞台へ。ずっとパーを出し続けてきた仁藤に対し、島崎は永尾との対戦以外チョキを出し続けており、決勝でも両者の姿勢はそのままで、島崎が優勝を手中に収めたのだった。次世代エース候補が見事、じゃんけんの神に選ばれるかのように、センターに立つことに決定した。
総括~運に選ばれた新エースと、タフネス“2等”萌乃……新旧世代の闘争から生まれる、新たなシナジー効果
同じグループで、1歳差ながら、まったく違う道を歩んできた島崎遥香と仁藤萌乃。9期の加入当初から「ヤングジャンプ」(集英社)の表紙に選抜常連メンバーと共に参加し、一時的に辛酸を舐めながらも、再び次世代エース候補となった島崎。一方、5期の中でも持ち前のタフネスはスタッフからの評価も高く、多彩な才能を開花させている仁藤。唯一起用されたシングル「涙サプライズ!」以来、実に3年ぶりの選抜入りとなった。クールな彼女だけに、この3年間はさまざまな葛藤もあったはずだが、今年はミュージカル『ピーターパン』に挑み、全力で演技と向き合い、あらためてステージに立つ喜びをかみしめた年でもあった。
両者の違いは、終了後の会見でも垣間見え、29thシングルについて聞かれると島崎は「普段、秋元(康)先生からも『ぽんこつ』と呼ばれているので、題名になりそう」とマイペースに答えると、ほかのメンバーから口々に「イヤだ~」とツッコまれた。すると、仁藤は「私はあんまりぱるるみたいにかわいいキャラじゃないので、アイドルっぽいのはキツいかな。大人っぽい曲がいいですね」と語り、両者の違いからどんな楽曲に昇華されるのか、新たな化学反応が起こりそうだ。あるいは、篠田麻里子、前田亜美、阿部マリアら高身長メンバーを生かした曲、板野友美、梅田彩佳、松原夏海らをフィーチャーしたダンスナンバーなど29thシングルはさまざまな可能性が想定できそうだ。
大会の前に披露されたのが10月31日発売の28thシングル「UZA」。「RIVER」「Beginner」「風は吹いている」とチャレンジングな曲に挑んできた秋のシングルの流れをくみ、今回の「UZA」はレディー・ガガにも通じるエレクトロニカ、あるいはエレクトロ・ポップサウンドで、AKB48史上最高難度のダンスにもチャレンジした。歌詞は前3作のメッセージソングとは違い、「最初にキスをしよう」とモラルに縛られずキスから恋を始める、情熱的で革新に満ちた恋愛を描いている。今回の披露では、間奏でストリートダンスコンテスト「JAPAN DANCE DELIGHT」の2011年度チャンピオンでもある男性7人組・Beat Buddy Boiとのコラボで、ダンスバトルのパフォーマンスも行った。曲のセンターは大島優子、松井珠理奈の“Wセンター”方式。だが、今回、前田敦子卒業後のポストエースは、明言されていない。そういう意味では、まだメンバー全員に可能性があると表現していいだろう。実力者をエースとするのか、成長をテーマとするAKB48だけに10代や研究生を起用するのか? あるいはアニメ『AKB0048』のようにセンターノヴァ(不動のエース制度)はやめ、曲ごとにセンターを変える方式になるのか? 2013年の話だが、記念すべき30thシングルに今から注目だ。
新旧世代の闘争と、海外グループへの移籍、再組閣による3代目チームの発足など、過渡期の真っただ中にいるAKB48グループ。政情不安の世の中だからこそ、人々がエンタテインメントに求める期待も大きいはずだ。総監督・高橋みなみは9月2日の劇場公演で現在のAKB48をルービックキューブに例え、「色が揃うと壊したくなりませんか? 色をグチャグチャにして、もう1回やり直したくなる、そんな気持ちです」と語った。一度組み上がったキューブをバラし、今、AKB48は新たな色を付けて、新たな組み替えを行おうとしている。その組み替えるプロセスも含めて、エンタテインメントなのだ。このキューブが次はどんな形に仕上がっていくのか? その過程で彼女たちは何を学ぶのか? おそらく多くの汗と涙を流し、痛みも伴う分、多くのものが得られるはずだ。今のAKB48に、そして今の時代にこの言葉を贈ろう。「No pain,No gain(痛みなくして、得られるものはない)」。
(文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>)
やっぱり家族もの? 米人気リアリティ番組のすごい内容

『Here Comes Honey Boo Boo』より
90年代後半からリアリティ番組ブームを迎えたアメリカのテレビ業界。低予算で一定の視聴率が稼げることから、現在も数多くの番組が放送されている。リアリティ番組のカメラは、出演者に密着し、彼らの目線で撮影を行う。そのため出演者の感情がダイレクトに伝わり、視聴者は感情投入しやすくなる。爆発的な人気を誇る『アメリカン・アイドル』『Xファクター』などのオーディション系も、ジャンルはリアリティ番組。出場者のバックグラウンドをドキュメンタリータッチで紹介し、甘口、辛口、さまざまな審査員のアドバイスで見る者の感情をわしづかみにして、高視聴率を獲得しているのだ。
今回は、数多くあるアメリカのリアリティ番組の中から、「今、アメリカで人気のリアリティ番組」を選出してみた。
『ガレキ』──日本を席巻した200日の瓦礫問題が投げかけた震災後の「当事者性」【後編】
前編はこちらから
■データ開示と議論の客観性
丸山 被災した自治体の方でも、できる限り自分たちで瓦礫を処理しようとしていたのと、想定よりも瓦礫の量が少なかった地域もあったので、当初予定していた県外受け入れが不要になったケースも出てきました。そうなると反対運動は、結果的に右往左往しただけで終わったものもある。その時に、反対運動が正しかったと考えている人もいれば、反対の声を上げたことをなかったことにしているような人も見受けられました。一過性の祭というか、声を上げることに意義を見出したような感じの人もいる。そうした人たちの中には、大飯原発再稼働反対など、別の市民運動に行動を移していった人もいます。
萱野 やはり広域処理反対派だった人たちは、再稼働反対、反原発といった立場の人が多いのでしょうか。
丸山 そういう印象を受けました。とはいっても、瓦礫処理のプロセス、行政、民間の携わる範囲を把握して反対活動をしている人は少ないです。ピックアップしてくる情報に偏りが生じてしまうことも多い。
萱野 政府に対して情報を隠しているんじゃないかという批判の声があがる一方で、都合のいい情報を共有する空間がメディアの中に生まれてしまったりする。そうなると客観性も損なわれてしまいますね。
丸山 各首長に話を聞くと、政府についてはともかく各自治体レベルではもう持っているデータは開示しきっているといいます。そうしたデータは「県政だより」のような媒体で公表している。県知事の名前で出したデータで県民に不利益が出るようなことがあれば、当然県が補償をすることになります。各首長はその覚悟でデータ開示をしている。そうである以上、データ開示や信憑性に関しては落ち着いて受け止めてもいいのではないかと思います。
■ケガレとしての「ガレキ」
丸山 本書の中では震災瓦礫を“ガレキ”とカタカナで表記しています。一連の広域処理問題の中で、瓦礫という言葉には「ケガレ」の意識が含まれるようになってきたと捉えているためです。それはイメージの中で作られた「ガレキ」、イメージの中で作られた「放射能」です。実態と離れた「ガレキ」はケガレの概念が生み出した産物となってしまい、それゆえに感情的な拒絶に繋がってしまっている。
萱野 人間は日々暮らしている中で、それほどクリーンな存在でいられるわけではありません。生活習慣にせよ摂取するものにせよ、日々健康を侵すようなリスクを気にしないで生きていたりする。いわばケガレた存在であるとも言えるわけです。体に良くないものも食べるし、酔っ払って街を歩きもする。それらにだって充分リスクがある。けれども放射性物質の一点にだけ過剰に注目し、さらにその過剰な反応が道徳的に正当化されてしまっているところがありますね。
丸山 リスクの点で言えば、福島第一原発で働くような場合は別にして、多くの人にとっては放射線の問題で懸念されるのは発がんのおそれですよね。がんであれば初期段階ならば対応できるものも少なくない。そう考えると、転居を繰り返すよりも、定住していた方が、医療ケアなど自治体からの補償も求めやすいのではないかと思います。
萱野 低線量被曝についてはわかっていないことも多いですが、低線量であるぶん、事後対策に費用や時間をかけることが建設的でしょう。今後の長期的な健康診断などを整備する方が、リスクのことを考えるならばよっぽどいいはずです。
■問われたのは自分自身だった
丸山 市民が声を上げることにはもちろん意味があります。ただそうした声には代案が伴わないことが多い。脱原発、クリーンエネルギーへの移行を唱えつつ、同時に不景気を拒否し、生活レベルの維持を求めていては、リスクも背負わず代案も提示しない文句になってしまう。
萱野 文句を言うだけの立場は政策決定に責任をとらなくていい。しかし決定をする側に立つと、自分がクリーンな立場にいられるかどうかだけでは物事が進められません。責任を負うには、あっちを立てればこっちが立たずという中で、ベターな道を選んでいくしかない。
丸山 陸前高田市の戸羽太市長は、市長選に当選して一ヶ月後に震災に遭い、ご夫人も行方不明になってしまいました。取材でお会いした時には、ご夫人のことは整理がついたと仰っていました。それでも、お子さんたちに何もしてあげられていないということについて、何度か涙ぐまれていました。お子さんたちが市長の苦悩を悟って我慢している姿を見た時に、情けなくてしょうがなかったとも仰られていました。そういうことも抱えながら責任を持ち決定する任にあたっている。「何かあった際に責任をとるといっても、職を辞するだけだろう」などとよく言われますが、当人のその後の人生を考えたら、責任をとって公の職を辞めるというのは結構なダメージであるはずです。
萱野 いろんなことを背負いながら任務にあたっている人たちがいます。福島の遺体捜索が遅れた地域でも最後まで捜索にあたったのは、現地の警察官。彼らは被曝するのを覚悟の上で、身を呈して活動している。
丸山 今回の本では求職中の若者にもインタビューしています。はたから見れば無職の青年ですが、彼は被災時には臨時職員として働いていました。身分としてはアルバイトになるわけですが、職員と同じように働いて、それこそ遺体をケアしたり避難所の運営にあたったりしていました。自分の家も被災した状況でそういうことをやっている。それだけ公に尽くした果てに、今は無職なわけです。そういった人たちの声がもっと届けられていいはずなのですが、瓦礫の受け入れや原発再稼働に反対するような大きな運動の声の方ばかりに注目がいってしまう。
萱野 震災瓦礫の危険性に過剰反応してしまうとそれしか見えなくなって、冷静になれずに声を上げてしまう。瓦礫受け入れ反対の運動が、被災地に心理的なダメージを与えていることに思い至らない。そしてそのことが“クリーンな言葉”で正当化されてゆく。客観的に測れないのがリスクなので、それぞれの反応が主観的な要素に左右されてしまうのは仕方がありません。けれども主観的なものが入るだけに、そこには各人の人間性などが反映されることになります。
丸山 震災瓦礫問題で問われたのは、自分自身でもあったということですね。浮き彫りになった自分を見つめることは大事です。それが、どんな姿であっても変えることはできませんから。最後に被災地の取材をするたびに思うことがあります。離れていて、どんなことを言っても、しょせん他人事だと思ってもいいから、震災に無関心になることだけは避けて欲しい。極端かもしれませんが、それだけは本当に強く思います。
(取材・構成=香月孝史 http://katzki.blog65.fc2.com/)
●まるやま・ゆうすけ
ジャーナリスト、ノンフィクション作家。1977年宮城県仙台市生まれ。考古学を専攻し國學院大學大学院修了後、日雇いや派遣労働などを経てビジネス書出版社に勤務。その後、フリージャーナリストとなる。裏社会の要人や犯罪者へのインタビュー、国内外の危険地帯への潜入取材を得意とし、これまで週刊SPA!、週刊現代、FLASH、週刊アサヒ芸能、日刊サイゾーなどの各媒体で北九州連続企業テロ事件、東日本大震災の火力発電所原油流出事故、避難所の性問題、福島原発5km圏内の被災動物などのルポを発表している。
●かやの・としひと
1970年、愛知県生まれ。03年、パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。哲学博士。津田塾大学准教授。主な著書に『国家とはなにか』(以文社)、『カネと暴力の系譜学』(河出書房新社)、『権力の読みかた』(青土社)など。近著に『最新日本言論知図』(東京書籍)、『新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか』(NHK出版新書)など。
アップルから大量の個人情報が流出!? というデマの真相
FBIがiPhone、iPadユーザーの情報を集めている? 9月3日。国際的ハッカー集団として著名な「アノニマス」の一派が、米連邦捜査局(FBI)の捜査員のノートPCに不正侵入し、アップルのiPhoneやiPadに紐付いた約1200万台分の個人情報(端末固有番号、ユーザー名、端末名、端末の種類、郵便番号、携帯電話番号、住所など)を入手したという声明が出された。 この発表はTwitterで行われ、インターネット上に掲載された声明では、この情報のうち、個人情報を削除した形で100万件を公開し、この理由について「FBIがアップルの情報を元に個人ユーザーの行動を密かに監視していることを知らしめるためにやった」としている。 このニュースは即座にアメリカのメディアによって伝えられ、日本でもNHKニュースや新聞社系メディア、IT系メディアなどで大々的に報じられた。しかし、ITセキュリティやアノニマスなどの動向にさほど詳しくない一般の読者には、単に「アップルの顧客情報が流出した」と受け止められてしまうことが多かった。 しかし、この事件は世間によくありがち(ありがちでは困るのだが)な企業の情報漏えい事件ではなく、あくまで、アノニマスの関連組織「AntiSec」がFBIのコンピュータに侵入して、情報を盗み出した、ということであった。 FBI陰謀説? には謎が多かった 本当にFBIがアップルのiPhoneやiPadの情報を集めていたのか? このニュースが流れると、セキュリティ専門家の間では疑問の声が少なからず上がった。 1つは、iPhoneやiPadに付加されている端末固有ID、「UDID(Unique Device ID)」とそれに紐付いた個人情報をなんのためにFBIが保有していたのかが不明確な点だ。 ちなみに、UDIDとは、iPhone、iPadの機器に埋め込まれた固有の情報で、任意の英数文字で成り立っている。この情報は端末を特定するために利用されるが、個人情報は一切含まれていない匿名情報であり、この情報だけではその端末の所有者の情報を知ることはできない。 それではなぜ、UDIDとそれに対応する個人情報が紐付けられてしまうのだろうか? 可能性として考えられるのは、携帯電話会社(販売店)の情報だ。携帯電話会社では、UDIDと、それを購入した顧客の情報を1つのレコードとして記録している。この情報を不正に入手すれば情報を得られる。もちろん、これはれっきとした犯罪である。 また、別の方法もある。たとえば、オンラインショッピングなどのWebサービスを運営する会社で、iPhoneやiPadでアクセスして会員登録させるような仕組みをつくればいい。デバイスのWebブラウザー画面で個人情報を入力して送信すれば、Webサービス側ではUDIDと個人情報を紐付けられた形で入手でき、それ以降は、UDIDをトラッキングすれば、特定の個人のWeb上での行動を追跡できるのだ。 事実、UDIDをマーケティング情報として個人情報と紐付けて利用している企業は多く、オンラインショッピングサイトへのアクセスを行うアプリなど、さまざまなアプリがUDIDをインターネット経由で送信している例が急増した。このような状況が続けば深刻なプライバシー侵害につながり、ユーザーにとってもアップルにとっても不利益となる。 そこで、2011年、アップルはすでにUDIDを将来的に廃止することを明らかにし、開発者やサービス運営会社に対して、端末を特定するのにUDIDを使わない仕組みに移行するよう求めている。すでに、iPhone、iPad向けアプリの中には、アップルがUDIDの問題で公開を拒否したものもたくさんある。 このように、将来UDIDがなくなることがはっきりしているのに、なぜFBIがUDIDの情報を利用しているのかは疑問である。また、UDIDはインターネットにアクセスする際に必ず送信される情報ではなく、UDIDを知っているからといって個人のネット上の活動を監視することは不可能だ。 それに、犯罪捜査でもないのに星の数ほどあろうかというWebサービス会社に乗り込んで縄を張り、UDIDを使って個人をトラッキングすることなど、到底現実的ではない。このように、FBI陰謀説にはかなり無理がある。 真実は一人のセキュリティ専門家によって明らかに そんな中、9月11日に新しいニュースが世界を巡った。UDIDとそれに紐付いた個人情報の流出元は、アメリカのBlueToad社というデジタルコンテンツ配信企業だったのだ。この情報漏えい元はセキュリティ専門家であるDavid Schuetz氏によって突き止められた。 公開された漏えいデータの中に、社内のデバイスと思われるBlueToad社の名前が頻出したことが理由だという。BlueToad社は、自社のコンピュータがハッキングの被害を受け、顧客リストが流出したことを公に認めた。一時は、FBIの国家的な確信犯罪と大々的に報じられたこの事件は、一人のエンジニアによって、単なる企業の情報漏えい事件に落ち着いたわけだ。 BlueToad社によれば、かつてはiOSデバイス名やUDID、個人情報を収集しており、流出したデータは今年3月以前に作成されたものだが、アップルからの勧告により、現在はUDIDの収集を中止しているという。 そもそもこの事件の発端は、アノニマスの関連組織が発したTwitterのツイートがきっかけだった。折しも、犯行声明を出したのは、アップルが新しいiPhoneを発表するというスペシャルイベントが開催された9月12日の直前で、あまりにタイミングが絶妙だ。裏でアップルを快く思わない企業や団体などが動いたのでは…と勘ぐりたくなるが、なぜAntiSecがそのような行動に出たのか。真実は闇の中だ。 国家挙げてのユーザー追跡といったスパイ映画さながらの驚愕の事実はなかったが、UDIDに限らず、iPhoneやiPad、スマホを使う限りプライバシー流出の懸念はまだまだ残っている。自衛が難しい問題も多いが、今後もさまざまな情報を得るためにアンテナを張り巡らせ、何が起こっているのかしっかりと知ることが重要だろう。 (文=池田冬彦) ※Business Journal(9月20日) ■おすすめ記事 アップルの大量発注と値切り…iPhone部品メーカーの嘆き 結局、iPhone 5は買うべきか否か? 朝日新聞、消費増税翼賛で読者離れが止まらない!? シャープ、ホンハイとの出資交渉迷走の背景にある「傀儡経営」 小泉・竹中政権が産んだ負の遺産 銀行利権・日本振興銀行解散 4時間半も空港に足止め……格安旅行パックでハワイに行ってみた本文の事件発生は、折しも新型iPhone発表
の直前時期であった。(「Apple HP」より)
