
『ギャルと不思議ちゃん論: 女の子た
ちの三十年戦争』(原書房)
バブル時代のボディコンギャルや90年代のコギャル、2000年代のエビちゃんOL、森ガールなど、途切れることなく盛り上がり続けている女性カルチャー。『ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争』(原書房)は、文字通り「ギャル」と「不思議ちゃん」という、日本だけでなく海外からも「GYARU(渋谷)」「Kawaii(原宿)」として注目される現代女性カルチャーの二大陣営の成り立ちとその背景を追っていき、そこから見える女性と社会の関わりとその変化を丁寧に綴っています。
本書では、雑誌「CUTiE」(宝島社)や「egg」(大洋図書)、「東京ストリートニュース!」(現・学研ホールディングス)、「アウフォト」(新潮社)、「CanCam」(小学館)、「小悪魔ageha」(インフォレスト・パブリッシング)、映画『桜の園』『下妻物語』、マンガ『ホットロード』(紡木たく/集英社)、『ヘルタースケルター』(岡崎京子/祥伝社)、『天使なんかじゃない』『NANA』(矢沢あい/集英社)、『致死量ドーリス』(楠本まき/祥伝社)などを通して、近代の「少女」という概念から、差異化競争の果てに生まれた現代の「ギャル」「不思議ちゃん」についての分析を試みています。男性による女性カルチャー論というと、「女性の理解者になりたい」という欲求が行間からうかがえたり、単純に萌え萌えしていたりというケースが割りと見受けられますが、本書は対象と距離を置いた冷静な筆致です。




