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早慶明治も戦々恐々!? 中央大学都心回帰で他私大が大打撃? - Business Journal(9月5日)

中央大学多摩キャンパス。
(「ウィキペディア」より)
赤門の東大、稲門の早稲田と並び、白門の名で知られる私学の名門・中央大学(以下、中央)。
八王子市の多摩キャンパスに文系学部が移転して以降、受験生人気の離散、偏差値の停滞が続いてきたが、ここへきて問題の根源となっている多摩というロケーションから、法・経済・商の社会科学系3学部を都心に戻す、いわゆる都心回帰策が大学幹部の口から相次いで明らかにされ、学内はもちろん、競争関係にある他大学を含め波紋を広げつつある。
学外に向けて最初に口を開いたのは、福原紀彦総長兼学長(法学部教授)。
6月末に開かれた新聞記者との懇談会で、「中長期的には都心展開が大きな課題」と述べ、主要学部の都心回帰を検討しているとし、「今秋ごろには結論を出したい」と話したという(6月30日付朝日新聞武蔵野版)。経営を主導する久野修慈理事長も、最近記者の質問に対し、もう少し具体的に、
「法・経済・商の3学部の都心回帰を視野に入れる時が来た。5年のうち、あえて言えばそれより早くに方向を見出したい。10年も放置しておけば、(量質両面で大学間競争に敗れ、国際的評価も得られず)取り返しのつかないことになる。また都心回帰は(全学年ではなく)3学年以降という選択もありうる」
と答えている。学内では、このところ口を開けばそういう話題が出る模様で、最終合意に向け理解は広がっているようだ。
東京六大学へ参加さえしていれば……
中央大学は東京六大学創設の際、参加を断っていなければ、文句なく「早慶中」と併称されていたはずだといわれている。
中大OBの根拠のない母校自慢ではない。確かな実績がある。看板学部の法学部は、1978年の多摩キャンパス移転以前は、(旧)司法試験合格者数で東大とトップを競い、私大では早稲田と並び、SFC(湘南藤沢キャンパス)創設で人気化する以前の慶應義塾をはるか下に見下ろしていた。最近何かと話題の明治など、視野の外だったといっていい。
公認会計士試験、税理士試験でも他大学を寄せ付けなかった。当時は偏差値などあまり問題にされなかった時代だが、法学部は私大トップ級の超難関で、経済、商学部も明治と並ぶか、その上を行くレベルだった。法曹界はもちろん、政界、財界、ジャーナリズムに多くの人材を送り出していることは周知のとおりだ。
しかし多摩キャンパスは自然環境に恵まれ、のびのびと学生生活を送れるとともに、学問に打ち込めるメリットはあったが、都心からの通学に不便でアルバイトもしづらく、司法試験など受験指導をはじめとするOBとの交流も希薄化し、最近では父兄を含めて関心の高い、就職活動における会社訪問の不便さなどもあり、さまざまな社会環境面での課題から、深刻な受験生離れが起きていた。
中央は「日東駒専レベル」
結果、本来は早慶、あるいは上智レベルにあっていい大学が、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)の中に埋没しているばかりか、ここ数年は「日東駒専レベル」とまで揶揄されるに至っている。大手塾関係者は、最近の中央に関する受験生の総合的評価をこう語っている。
「法学部は中央が依然、立教、明治を引き離しているが、早慶とはやや差が開いた。他の文系学部について見ると、MARCHの中では立教が先頭に立ち、2位が明治、あとは学部により多少の異同はあるが、中央は青山学院などに置いていかれる傾向が見える」
そうした流れの中で、必然的に受験生を呼び込む大きな看板だった司法試験、公認会計士試験での実績が低下し始めていく。優秀な学生がライバル私大に流れていったからだ。特に慶應がかつての中央のように上記国家試験でぐんぐんのしてきた。
中央の下降局面転換の契機となったのは、会計(アカウンティング)、法科(ロー)、経営(マネジメント)の3専門職大学院の都心展開である。なかんずく司法試験の新制度移行に伴う法科大学院の設置だった。中央はこの時、都心の市ヶ谷に法科大学院を設置、地の利もあって最近では東大と競うところまで競争力を強化することに成功した。このことが結果的に、中央の経営/教学の幹部に、学部都心回帰という政策選択を急がせることになった。
ターニングポイントは法科大学院
先の懇談会で、福原学長は都心回帰を急ぐ理由として「法科大学院を都心に設置したところ、司法試験でいい実績を得られたからだ」と述べている。中央の財政状況は他校に比べ健全とはいうものの、余裕があるわけではない。多摩キャンパスの校舎も30年以上たち、手を入れる時期に来ている。しかし法科大学院が実績を上げ、学部もまた都心回帰すれば量質両面で受験生を集められ、その結果、さらに法科大学院の実績が上がる。とすれば成功確率は高いとの判断が強まり、投資に踏み切る構えに転じたのである。
久野理事長は、3学部の都心回帰は「専門職大学院と連動させた教育内容の充実」が大きな目的と語っているが、同時に学部と専門職大学院とを直結させ、経営的に苦境にあるとされる法科以外の専門職大学院を底上げする狙いもあるとみられる。
福原学長にしろ久野理事長にしろ、アメリカの大学の多くがそうであるように、郊外立地という過去の政策は必ずしも間違いではなく批判しがたいし、それが原因で受験生人気が遠のき、偏差値が下がったとは口が裂けても言えないところだろう。だから都心展開といっても多摩からの全面撤退ではない。
中央の停滞という指摘に関して、久野理事長は「(多摩移転で)教育・研究面がどうだったのか(おろそかになったのではないか)」と別の疑問を投げかける。俗な表現をすれば、教授陣が多摩移転に伴い、刺激を失いのんびりしすぎたのではないかというのだ。ある中大関係者はそれを補足するように、無念気味にこう語る。
「かつて法律問題がマスコミで話題になると、必ずうちの法学部教授がコメントを求められたが、最近は露出が極めて少ない。商学部や文学部にも名物教授がいたが、ほとんど姿を消してしまった。名門ということにあぐらをかき、中大モンロー主義でやってきたことのつけが出てきている」
他校に後れを取った経営
中央の停滞理由は、それだけではない。
91年の大学設置基準の大綱化に伴い、各大学が社会的ニーズ、ひいては受験生ニーズが高いと思われる学部の新設に動いた。代表が、前述の慶應SFCの総合政策、環境情報の2学部。この慶應の受験生、父兄間での人気上昇に刺激されたかのように、例えば明治は従来の7学部が9学部に、法政は6学部が15学部に、立教は6学部が10学部にと学部を急増させている。ところが中央は、93年に総合政策学部を新設したのみ。教育・研究面に遅滞が見られただけでなく、学校経営でも保守的だったと指摘されてもやむをえない。
前出の大学関係者は「既存学部の教授たちは、自分の弟子たちが教える学部の創設ならメリットがあり賛成するが、そうでないなら反対という立場。そうした保守性が、学部新設策にもろに出た」と教授陣を批判する。この点についても、久野氏は「学部をたくさん創ればいいというわけではない」としつつも、自分なりに新たな学部創設構想を視野に入れていると語っている。この点については、また何かの機会に紹介したいと考えている。
もっとも中央では既存学部の都心回帰、新学部の創設に先立ち、前述のように専門職大学院の都心展開をまず優先して行い、最近になって大学入試センター試験利用入試(併用方式・単独方式)や各学部統一入試の導入、地方試験会場の充実等、入試改革にも取り組んできたことも事実。法科大学院が順調に合格者を伸ばしているのと同様、入学志願者も12年度は絶対人数こそ1000人強減らしたが、志願者数ランキングは前年度の6位から5位にアップ。その意味で、主要学部の都心回帰という重大な改革に動き出す気運は、目立たないながら高まっていたのだと見ていい。
私大業界にとっては衝撃的
では中央の都心回帰というこの情報を、他大学関係者はどう見ているのか?
すでにライバル関係にあるMARCHクラスの大学はその情報をつかんでおり、中でもこのところ受験生人気を集めている明治、法政あたりは「けっこう気にしている」と、ある大学の教員は話す。
都心にキャンパスを持つ私立大学関係者は、「中央の都心回帰は業界にとって衝撃的」と前置きした上で、「うちは特に競合関係にないので問題はないが、ロケーションにもよるが、法学部であれば明治や法政を直撃するだろうし、早稲田、慶應だって大きな影響を受けるはずだ。経済、商学部では、やはりMARCHレベルの明治はもちろん、法政、青学、学習院あたりにかなりの影響を与えるのではないか。
いずれにしろ明治、法政の2校はここ数年、順調に受験者を増やし、偏差値も着実に上げてきたのだが、曲がり角に直面するかもしれない」と予測し、「ともかく各校とも、中央がいつ、どこへ、どんな形で都心回帰策を実行に移すのか、目を凝らして動向を注目しているはずだ」と話す。
早稲田にも大打撃?
早稲田の関係者は、
「うちの法科大学院は政府の方針に忠実に法律未修者を多く受け入れてきたが、そのことにより合格者も合格率も、既修者中心の他校より見劣りする事態に陥っている。ここへきて、既修者へ多少重心を移しつつあるが、中央が学部を都心展開し、学部と大学院とを連結させて司法試験シフトを強化することになると、法学志望の受験生は中央に集まり、法学部にとり極めて打撃は大きい。慶應もまた、うちほどではないが影響を受けるだろう」
と心配そうである。
大手塾関係者も、次のような予測を述べる。都心、特に駿河台近辺に立地した場合という前提だが、「法学部は早稲田並みにレベルアップするし、経済、商学部は、現在競争上では優位に立つ青学を再逆転し、引き離されつつある明治に肉薄する」。要するに首都圏有力私大の競争関係は、激変するというご託宣である。
18歳人口が減少し続ける中で、受験生を量的にも質的にもいかに確保するかが、各大学にとり経営上も、教学上も大きな課題となっており、上位私大はまた、国際競争を視野に入れた教育・研究レベルの強化も急務となっている。
中央の都心回帰策は、まだ具体的な時期やロケーションなど何も決まっていない段階であるが、そこに向かって急ぎ体制を整備しようという意思が経営、教学両サイドで固まりつつあることを明らかにするものだ。中央にとり問題は、資金、ロケーション、形態などで学内合意が遅れ、都心展開がずるずると遅れてしまい、現在の大学評価が受験生、父兄の間で定着してしまうことだ。決定は早いほどいい。
一方、これに対してライバル私大が、どういう対策を打ってくるのか。私立大学のより高レベルに向けての変身がなされるなら、日本の大学教育にとってこれ以上望ましいことはない。
(文=清丸恵三郎)
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