
なんとこの店、ワシントンホテルの1階に入っている。
日本一アーバンな釣り堀だろう(たぶん)。
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。
やってみたいと思いつつも、手つかずになっているレジャーが、“釣り”だ。『糸井重里のバス釣りNo.1』や『牧場物語』シリーズ、『ぼくのなつやすみ』に『どうぶつの森』、『モンスターハンター』、思えばずいぶんたくさんのゲームでせっせと釣りをしてきた。だが、実際の釣りとなると、いかんせん朝が早い。言い換えれば、その程度の理由であきらめられるくらいにしか、釣りへの情熱がないということなのだが。ともかく、早起きしなくてもいい釣りじゃなきゃイヤだイヤだ、とワガママを言っていたら――あった。早起きどころか、電車でサクッと行けて、しかもその場で釣りたての魚を食べられる至れり尽くせりスポット、『釣船茶屋ざうお』だ。今回行ってきたのは、新宿店。この店の目玉は鯛で、ほかにアジやヒラメ、カサゴ、サザエやオマール海老、伊勢海老などが釣れるそう。庶民にとっての夢の食べ物・伊勢海老が、新宿でさらっと釣れちゃっていいの?
お店に着いてさっそく釣り道具を借り、魚の密集していそうなところに釣り糸を垂らすのだが、

餌はオキアミ。
……釣れない。

「全然釣れないですねぇ」と横にいた店長の鄭虹志さんにボヤいたら、「まだ2分しかたってないですよ! そんなに早く釣れるわけないよ(笑)」と一蹴されてしまった。ゲームだとせいぜい5秒くらいで釣れたのに、おかしいな……。
ピクリとも動かない釣り竿をボーっと眺めていたら、魚にしては大きい生き物が近くを横切った。

商売道具の魚を食い散らかすペット。
なんとこれ、この店のペットのサメらしい。しかも1匹だけではなく、よく見たら生け簀のあちこちで何匹ものサメが悠々と泳いでいた。当然、ほかの魚を食べてしまうようで、
「夜中に食べてるのか、朝来たらアジの頭だけが生け簀に浮かんでることもありましたね。たまに伊勢海老が狙われることもあるんですよ。でも、面白いから飼い続けてます」(店長)
という。大事な商売道具の魚が食いちぎられてしまっても、めげずにサメを飼うって。そんなんでいいのか。

海のギャング・ウツボも同様にペット。
待つこと20分。ちっとも釣れないので場所を変えるも、やはり釣れない。私の何が悪いのだろう。海や川にいる野生の魚よりも食いつきはいいはずが、釣り竿は無情にもだんまりを決め込んでいる。結構な数の魚がウヨウヨと泳いでいるのに、どいつもこいつも餌に見向きもしない……チッ。あまりに釣れない筆者を見かねた店長さんは、餌をオキアミからサーモンに変えてくれた。すると、

お……!?

鯛が釣れたーーーーー!!!!
釣れたらすかさず、店員さんが調理スペースへ持って行き、活き造りを作ってくれる。ちなみに活き造りは、釣り代と調理費込みで2,380円。そのほかの料理は、調理法によっては釣り代2,380円(魚によって異なる)に数百円加算されるという仕組みになっている。

飲食スペースは船の形。

この店で釣れるのは、「紀州 梅まだい」という
種類。言うまでもないが、ピチピチでおいしい。
釣らずに活き造りだけを注文する場合は3,200円。
釣ったほうがお得。
そして、せっかくなので伊勢海老釣りにも挑戦してみたのだが……これまた釣れない。

伊勢海老やオマール海老、貝類などを釣る場合は、餌はつけず、体に針を引っかけて釣る。が、針が水の中でふよふよと動き、思うように海老の体に引っかかってくれないのだ。海老のあれだけゴツゴツした体なら、どこかしらに引っかかりそうなものなのに、狙えば狙うほど釣れない。もはや手づかみした方が早いわ! とジリジリしていたら、「欲のない子どもたちは、伊勢海老をひょいひょい釣っていきますね。価値をわかっていない分、余計な力が入らないのかも」と店長さん。鯛たちにはことごとくフラれ、伊勢海老を狙って自分の欲深さを再認識させられ、なんだか自分という人間について考えさせられてしまった。魚にも選ぶ権利がある、そういうことだろうか。これ以上魚と己について思いをめぐらせても暗い気持ちになるだけなので、このへんにしておく。
海でも川でも新宿でも、釣りは人を哲学的にさせる。
●ゲーム度
★★★★★
ゴツゴツしたその体で釣れそうな誘惑をまき散らし、いざ釣ろうとすると、釣れそうで釣れない伊勢海老。この感覚は、UFOキャッチャーのそれと似ている。また、安いアジを釣りたかったのに(アジは釣り代+調理費680円~)、釣れたのは高い鯛だった! という、狙い通りに取れないところもまるでUFOキャッチャーのよう。子どもは価値も分からずに伊勢海老をひょいひょい釣るらしいが、その親のお財布事情がやや気になるところである。
(取材・文=朝井麻由美 撮影=田所英一郎)
●『釣船茶屋ざうお』
<
http://www.zauo.com/contents/zauo_top.html >
新宿店:新宿区西新宿3-2-9 新宿ワシントンホテル1F 電話:03-3343-6622
営業時間は、平日は11:30~14:00/17:00~23:00、土日祝は11:30~23:00
首都圏の他には、大阪、愛知、三重、福岡でチェーン展開。毎月第一木曜日の夜はマグロの解体ショーを見ることもできる。釣った魚を使ってお寿司作りを教われる「寿司職人体験教室」も随時開催中。
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