
『初めての…』(堂本烈、二見書房)
■今回の官能小説
『初めての…』堂本烈
誰しも愛する人ができると、相手の過去や現在までも自分色に染めたくなり、自分自身も相手の色に染まりたくなる。けれど、現実にはそうもいかない。今まで蓄積して来た遍歴を経て今の恋愛をしている自分があり、そんな自分に相応しい相手が存在しているのだ。
つまりは相手が歩んで来たセックス遍歴も含めて受け入れなければならない……けれど、頭では理解しつつも理性が追いつかないのが人間のエゴというもの。相手が白紙ならば、自らの手でいかようにでも染められる。しかし、真っ白な相手に対して薄汚れた過去を持っているとしたら、どうだろう? 不可能だと知りつつも、必死に己の過去を消しゴムで消そうとするのではないだろうか。



