「東大生に50円の価値もない」月給1,500円!? 高野りょーすけが“日本の最高学府”東京大学を飛び出したワケ

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「おっさんレンタル」「レンタル彼女」……と物に限らずありとあらゆる体験が“レンタル”できるようになった昨今、インターネットやSNSを介して、自らの時間のレンタルを受け付ける人たちが出てきた。1日50円という労基署も真っ青な金額で、レンタルを受け付ける男がいる。なぜ、彼はフルタイムで働いても月給にして1,500円にしかならないこの生活を始めたのか? そんな「1日を50円で販売する」生活の中で出会った、さまざまな人々との交流をまとめた『現役東大生が1日を50円で売ってみたら』(KADOKAWA)を上梓した、著者の高野りょーすけ氏に話を聞いた。
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――1日を50円で売るきっかけは、そもそもどういった経緯だったんですか? 高野りょーすけ(以下、高野) 大学で留年してしまって、どうしようかなって思っていたら、「おっさんレンタル」とか「レンタル彼女」とか、自分の時間を売る方々を見つけたんですよ。自分もいろんな依頼に応えていけば、長所が見つかるのかもなって思ったんです。「おっさんレンタル」が1時間1,000円とか……「レンタル彼女」は、8,000円でしたかね。それで、この金額で売ったとしても、買ってくれるのかなって不安になっていたところ、その中で最安値だった50円で、やってみようかなというのが始まりです。 ――本書にも書いてありますけど、勉強が自分の長所だったけど東大に入ったらそうでもない。落胆した気持ちが強かったですか? 高野 勉強で1番にならなきゃってずっとやってきて、合格したんですけど入ってみたら周りもみんな勉強できる。その中で医者を目指す人だったり、弁護士になりたい人だったり、官僚になるぞ、みたいな人がうじゃうじゃいて、その人たちと比べて自分は取りえがあるわけでもないですし、将来これで食っていこうみたいなのもなくて。ある種のコンプレックスはありましたね。完全に埋もれて、やばいなって思いました。 ――1日って、24時間を50円で売っているんですか? 高野 泊りがけもありますけど、ほとんどが数時間ですね。午前中は、この人、午後はこの人って場合もあります。1日に3件と4件入る日とかもありますね。月給にすると1,500円、今月末に控えているのが、お話してください1件、仕事の相談1件、一緒にご飯食べてください1件とラジオ出演で1日に4件入っている日があります。 ――出会った人で、印象に残っている人っています? 高野 最近だと、不登校の小学生がいましたね。いじめで、小4から小6の2年間、学校に行けてなくて、お母様から「うちの子と遊んでほしい」って依頼。なんだろうな……まさに勉強が通じない世界というか、勉強がまったく役に立たないんですよ、その子と話していると。僕は東大入試をひいひい言いながら突破したけど、その能力じゃこの子を救ってあげることができないんだなって心の底から感じました。結局、その依頼は、2~3時間カードゲームとかして遊んで、話せば学校に行くきっかけの一つになるかなって思っていたんですけど、まだ学校に行けてないみたいで、役に立てたのかどうか。 ――依頼は、全部受けているんですか? それとも選んでいますか? 高野 基本的には受けます。だけど、「宿題をやってください」っていうのは、ちょっと無理だと。僕は全然やってもいいんですけど、それが大学にバレたらその頼んだ人も一緒に世間にさらされるかもしれないから、断っていますね。あとは、地方に住むお母様からご依頼がありまして、地方で情報もないから、勉強のコツとか、これから1年間どうやって計画を立てたらいいか、来年受験の息子のために教えてくださいって依頼がありました。それで「それって、息子さんは知っているんですか?」って聞いたんですよ。お母さんが僕のアドバイスを聞いて、それを息子さんに伝えたところで“やらせている感”が出るから、結局は息子さんにとってはいい選択なのかな? と思いまして。そしたら承諾しているけど、直接僕に聞くのが恥ずかしいから、お母様伝いで依頼してきたそうなんです。その後「いつでも相談にのるんで、その気になったら息子さんから連絡ください」ってLINE教えたんですけど、全然連絡ないですね。結構、悲しくなりました。
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――依頼を受けてきた中で、「これはいいことができたな」というのと「もうちょっと力になれたのかな」では、どちらが多いですか? 高野 それを聞かれると、すごく不安ですね。依頼が終わった後もTwitterやフェイスブックでつながっている人が多いです。この前、大学進学の相談の依頼を受けた女子高生から「あの後、第一志望が決まって、無事に合格しました」って連絡がきて、やっていてよかったと思いましたね。 ――外の世界を見てからだと、東大はどのように映りますか? 高野 よく、東大生は変わり種として紹介されますけど、どの大学にもそういう方っているじゃないですか。それに50円でお会いした方々も、良い意味でみなさん変わっていらっしゃいますし。東大だから〇〇っていうのは、思っているよりは少ないのかな、と。 ――あとがきで「東大生に50円の価値もない」という言葉が出てきますけど。 高野 すごく納得しました。もう終わったレースなので、そこで胸を張ってもしょうがないぞと。でも、なんだかんだこんなに依頼が来るのも東大生だから、というのもあると思うんです。東大なんて、とまでは言うつもりはないですし、東大に恩は感じています。 ――50円活動をする中で、自分の長所って見えてきました? 高野 僕の中には、特長みたいなものがないんだなって実感しましたね。当初は、依頼を受けていく中で自分に共通するものがあれば、それが自分の長所だろうって思っていたんですけど、ご依頼ごとに会う人も境遇も悩みも違う。この方には、自分はこういったことができる、あの人にはこういうことができるというふうに、その人との関係の中で、ようやく自分の長所ができるんだなと感じたんです。本書にも出てきますけど、発達障害の人には数学の話、不登校の小学生だったらカードゲームで遊んであげられるなという、依頼してくれた人と接する中で、出てくる。 ――50円活動を始めてから、社会に対するイメージって変わりました? 高野 変わりましたね。やっぱり、今まで接してきたタイプとは全く違う人たちで、本当に想像できないほどの数の人たちが社会をつくっているんだなと。 ――50円でいつまで売り続けるんですか? 高野 昨年も同じご質問をいただいて、そのときは100件越えたらやめますって言った気がします。今、200件くらいなので、わからないですけど、今年1年は頑張ろうって思っています。 (取材・文=編集部) ●高野りょーすけ(たかのりょーすけ) 1995年、茨城県生まれ。私立の中高一貫校に通うも部活に入らず、ゲームで知り合ったニートの人と遊びすぎて、成績が急降下。親の放任主義に見かねた兄にブチ切れられ、勉強を開始。成績が良ければモテるかなと思い、さらに勉強を積み重ねて学年1位をとるも、まったくモテず、せめて勉強だけはと、なんとか東京大学理科2類に現役合格。しかし、自分の取り柄がないことと将来に不安を覚えて、自主留年。留年が決まった翌年の2016年1月1日にブログを立ち上げ、同年3月から「東大生の1日を50円で買ってくれませんか」企画を始める。
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現役東大生が1日を50円で売ってみたら 学びはキャンパスの外へ 「東大生に50円の価値もない」月給1,500円!? 高野りょーすけが日本の最高学府東京大学を飛び出したワケの画像5

「君たちはどんなに頑張ってもリア充にはなれない」意識高い系は、なぜ面倒くさい? 文筆家・古谷経衡が暴く“承認欲求の怪物”の正体

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 SNSに毎日投稿し、土日は仲間たちとバーベキュー、せっせと自己啓発セミナーに足繁く通う若者を「意識高い系」と呼ぶ。時に炎上する彼ら「意識高い系」は、どこからやってきたのか。若手文筆家・古谷経衡が、このたび『「意識高い系」の研究』(文春新書)を上梓した。自身も「意識高い系」の一人だと自認する古谷に、世間をにぎわす彼らの実態について話を聞いてみた。
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――意識高い系は、「イライラする若者」ぐらいの捉えられ方だと思うんですけど、今回はそういうことではなくて、「こういう思考回路を持っている人」たちだと枠を広げたところが新鮮だと思いました。リア充になれない人たちが、意識高い系になるということですが、リア充にも意識高い系にもなれない人たちもいると思うんですね。 古谷経衡(以下、古谷) リア充でも意識高い系でもない人というのは、“見えない”んだと思うんです。要するに、本人も諦めちゃっているし、諦めているが故に承認される必要もない。たまたま知り合いにそういう人がいれば、見えますけど、大多数はそういう自己アピールをしないと思うので。ぶっちゃけて言うと、それが普通だと思うんですけどね。数的にも多いと思います。だって、普通は、インスタグラムなんかに毎日写真を上げないわけですから。20代とか30代でくくったときに、物言わぬ彼らのほうがマジョリティだと思うんです。彼らが意識高い系にならない理由は、そこまでものすごいコンプレックスを持っているわけではないからです。意識高い系が若者の実態だ、みたいなのは、上の世代によくある錯覚で、意識高い系の方がマイノリティでしょうね。 ――NHK『ねほりんぱほりん』で、大阪に住んでいるのに“六本木に勤めるOL“を偽装する「キラキラ系女子」が登場して驚いたんですけど、これも「意識高い系」になるんでしょうか? 古谷 僕も見たことありますよ、「この(SNSにアップしている)画像、海外のホテル予約サイトのあれでしょ」って。よくその嘘写真がネット上で検証されたりしていてね。偽装・偽証しておるんだったら、それはもはやキラキラ女子とか意識高い系ですらなくて、別のメンタルの問題なのではないかと思います。意識高い系によくある「バーベキュー行きました」アピールって、一応実際に行っているわけですから。大阪に住んでいるのに、六本木でOLしている設定って、全部嘘なワケですよね。詐術を弄しておるわけだ。 盛ることもしてないですよね、だって盛る基礎が0なんだから。10を14にしたり、10を17にしたりとか盛ることは、意識高い系の中ではよくあることですけど。あとは、自撮りの中からいいところ(奇跡の一枚)しかアップロードしなかったりだとか。日常生活や交友の良いところだけを針小棒大にアピールするのがキラキラ女子=意識高い系で、元々の事実を改ざんして詐術を弄するのは……また別次元ですね。 ――0に50を掛けるのは、意識高い系ではないということですね。 古谷 0に何を掛けても0ですからね(笑)。 ――偽物のブランド品を販売して逮捕された、「ばびろんまつこ」のように、法に抵触する行為が問題となっています。あれを見たときに、意識高い系は遠い世界の話ではなく、誰にとっても身近な問題なんだと思いました。 古谷 根本として、人間は他者から承認されたい気持ちが普遍的にある。仮にそれがリア充だとしても、薄いでしょうけど誰でも皆にあるものです。その中で“承認欲求の怪物”になったのが意識高い系。“ここではないどこかで羽ばたきたい”という欲求が全世界のある種の思春期の若者たちにあるのと同じように、たぶん承認欲求を根絶するのは不可能だと思うんです。でも、その欲求は少なくなっていった方が楽ですよね。だって、意識高い系はその承認欲求と対になった自己アピールが故に、生活水準を背伸びまでするから、それを維持できなくなって犯罪まで手を伸ばすのです。(ばびろんまつこの例=詐欺・商標法違反)。承認欲求の怪物、意識高い系は、根絶はできないけど、軽減させていくことはできます。もしかしたら僕も、ばびろんまつこのように九州の田舎に生まれて、ジャパネットたかたに入社して、都内でOLして、そこでも承認欲が満たされず悶々としていたら、もしかすると彼女のようになっていたかもしれない。だから、僕も同族なんです。半分否定はするけど、いなくなったほうがいいと言ってしまうのは酷。意識高い系は人間に普遍的にある承認欲求が肥大化しただけの存在なので、根っこのところはある意味凡庸で小心者なのです。意識高い系はその自己アピールのウザさ故に、ネット上で目立つから「意識高い系www」みたいなやり口で嘲笑されるわけですよね。
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――相手をバカにする言葉として扱われる傾向にあります。 古谷 なんか……そこまでバカにされると意識高い系の人々を抱き締めたくなってしまうんですよ。「もう頑張んなくていいよ。身の丈にあった生活をしなさい」と言いたい。だからといって彼らの承認欲求のコンプレックスがなくなるわけでもないし、地方から東京に出てくる人はいっぱいいる。東京の中でもスクールカーストに悩まされる人も、これから新しい学年になるたびに出てくる。そうすると、意識高い系が生まれる素地は温存された状態になる。じゃあ、そういった人が現出してきたときに「お前たちはいなくなれ」って言ってはいけないのではないか。本当に唾棄すべきなのは、この本書にも縷々書いてあるように「リア充」なんですよ。彼らは天然的に恵まれていて、天然的に強くて、土地を親から相続される「強者」なわけだ。時として彼らが学校空間の中で支配階級となり、加害者になってしまうことの自覚さえ持っていない。あるいは、忘れてしまっている。僕は意識高い系の人たちを教導するべきだと思うんです。「君たちはどんなに頑張ってもリア充にはなれないんだから、そこまで虚勢を張らなくてもよい。それより己のコンプレックスを直視して不断の努力で戦力を蓄え、共同戦線を張ってリア充と戦おうじゃないか!」ぐらいの方が、まだいいんじゃないかと。だって、意識高い系はリア充を目指し続ける青春時代の弱者なんですから。 ――「リア充」と「意識高い系」の線が曖昧だったと思うんですが、この本でそれがはっきりし、かついろんなタイプがいることがわかった気がします。 古谷 例えば『東京タラレバ娘』(講談社)が流行ってますけど、あれの主人公なんか典型的な意識高い系だと思うんです。地方から出てきて、東京で頑張っている。相応の実力もある。でも、すでに30を過ぎて路頭に迷う兆しがある。真に異性から承認されずに焦燥感ばかりが募り、苦悶している設定ですよね。僕は東村アキコ先生が大好きですけど、たぶん東村先生にもそういう意識が共感できる素地があるんだと思います。前提的なことから考えてみました。なんでこの物語の舞台は東京じゃないとダメなんだろう、と。これ、『金沢タラレバ娘』でもいいじゃんって僕は思ったんですけど、やっぱり、東京に自意識があるという地方上京組のキャリアウーマンの設定だからこそ東京を持ってくるわけです。それに比べて同じく東村先生の『ひまわりっ』は全く逆で、宮崎県が舞台の作品ですが。『タラレバ娘』の主要登場人物3名って、“東京で頑張っている私”の女性の話でしょ。でも、「地方から出てきて私頑張っているんだぜ」っていくら苦悶しても、元々東京にいるやつには敵わない。伊集院光さんとか石田衣良さんとか西村賢太さんには敵わないんですよ。元々の江戸っ子の余裕には、地方上京組は敵わないんですね。石田さんはともかくとして、伊集院さんや西村さんには気取ったところなんて何一つない。ラジオや本を読んでいると泥臭さの塊ですよね。東京の地元民だから東京という土地に自意識を持たないんですよ。東京にブランド意識を持っていて、東京という土地のブランドに固執するのは地方上京組の田舎者です。マンションデベロッパーの良い食い物ですよね。ニコタマとか吉祥寺とかベイエリアのブランドイメージだけで物件を高値掴みしてくれるんだから一番の上客ですね。その実勢より高く評価されたコンクリートの塊を、「東京のブランド」というイメージだけで、超長期25年間分割ローンで買ってくれるんだから、銀行にとってもこの上ない上客ですよ。こんなに良いお客さんはいない。  害悪だと思うのは自らを意識高い系とは自称しないが、「意識高い系の生き方はいいよ、意識高い系は最高だ」っていうニュアンスで抽象的な「働き方」とか「生き方」とかを提示して、そこに「ノマド」とか横文字をくっつけて“あるべき、都市的で洗練さえた生活スタイル”を先導しちゃう人ですな。これはいわば“意識高い系商法”ですね。いいわけないじゃないですか、そんなの。洗練には時間がかかるから東京の地元民のようにはなれない。一方、真に承認されたいなら「ノマド」がどうのとかではなくて、地道な努力しかない。世の起業家は、いちいち自分の起業過程を見せびらかしたりしませんから。でもそこをアピールしたい人は、「起業に向けて頑張っている自分」をアピールして承認されたいわけですよね。実は起業精神などどこにもなく、興味もない。好きなのは自分自身で、でも中身が空っぽだから精一杯虚勢を張ってSNSに自己アピールを投稿し、刹那の「いいね」承認に満足するのです。そんなことに何の意味がありますか。だから、身の丈に合った生活水準を堅持し、不言実行で努力し、それが成就した暁にこそ他者からの承認がなされるのですから、そんなに背伸びしなくてよいと思います。意識高い系は常に「頑張っている自分」をアピールしたがるが、本当に頑張っている人はその過程をいちいち他者に喧伝しない。いい加減自己矛盾に気がつき、不言実行の精神を涵養するべきです。それ以外に天然に強き者=リア充に対し、青春時代の弱者たる「意識高い系」が打ち勝つ方法はない。 (取材=綾門優季[青年団リンク キュイ]/文=編集部) ●古谷経衡(ふるやつねひら) 1982年札幌市生まれ。立命館大学文学部史学科(日本史)卒。文筆家。一般社団法人日本ペンクラブ正会員。NPO法人江東映像文化振興事業団理事長。インターネットとネット保守、若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行う一方、TOKYO FMやRKBラジオで番組コメンテイターも担当
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「意識高い系」の研究 (文春新書) 高く保つ 「君たちはどんなに頑張ってもリア充にはなれない」意識高い系は、なぜ面倒くさい? 文筆家・古谷経衡が暴く承認欲求の怪物の正体の画像5

パンクすぎ! 伝説のハガキ職人の挫折の日々と、妄信し続けた“才能”の終着点とは――

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著者のツチヤタカユキ氏。
「1日2000本のボケを考える」というノルマを自分に課すというクレイジーな生活を送り、『着信御礼!ケータイ大喜利』(NHK総合)でレジェンドの称号を獲得。  その後も、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)、『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)など、数々のラジオ番組や雑誌の投稿コーナーで常連となっていたハガキ職人・ツチヤタカユキ。  やがて、常連だったラジオ番組の芸人に誘われ、構成作家見習いとして上京。しかし「人間関係不得意」ということで、その道もあきらめ、地元に帰ってしまったことなどが番組で語られていたが、最近ではめっきりそんな話も出なくなって、ツチヤの行方を気にしていたリスナーも多いのではないだろうか。  そんなツチヤタカユキが突然、自伝的私小説『笑いのカイブツ』(文藝春秋)を上梓した。  投稿していたネタからはうかがい知れなかった、私生活を破滅させてまで「笑い」に突き進む自らの姿を描いた衝撃的な一冊だ。  シド・ヴィシャスやカート・コバーンのように若くして死にたいと思い、笑い以外のすべてをかなぐり捨ててきたヤバイ人が、まともにインタビューなんて受けるわけないと、ビクビクしながら取材場所に向かったのだが……。

■シド・ヴィシャスみたいに、21歳で死のうと思っていた

――どんなキチガイが来るのかと思ってたんですが、意外とまともそうですね。 ツチヤ 27歳でお笑いをやめて、そこで一回死んだと思って生きてるんで……。それまでは本当にヤバかったですよ。トンガリまくってて、こういう取材が来ても、あの頃だったら何もしゃべらんと、にらみつけてたと思います。 ――(そんな取材相手イヤだ……。)宣伝のためのインタビューなんか、やってられるかと。 ツチヤ 今は価値観が変わって、この本が売れることで関わったみんなが幸せになるなら、インタビューでもなんでも受けたろう、という気持ちです。 ――(よかった……!)お笑いにハマる前は、どんな人だったんですか? ツチヤ 漫画オタクでしたね。それからネトゲ廃人になって、メシ食う時にもコントローラー握ったままで、そのまま寝たりとか。 ――ああ、なんにでものめり込んじゃうタイプなんですね。お笑いにハマッたきっかけは? ツチヤ 中学生の頃、関西で『吉本超合金』(テレビ大阪)とか、ヤバイ深夜番組がいっぱいあったんですよ。それ見てハマりましたね。『M-1』が始まった頃だったし、お笑いブームが来てるぞと。 ――だったら、普通は芸人になろうと思うじゃないですか。 ツチヤ とにかく「ネタを作りたい!」という衝動が先行していたんですね。芸人って食レポとか、情報番組のMCとかもやらされるじゃないですか。僕はネタだけを作りたかったんですよ。芸人なっても、ネタだけでメシ食えないんじゃ意味ないなと。 ――その衝動が『ケータイ大喜利』に向かったんですかね。レジェンドになった先は、どうなろうと思っていたんですか? ツチヤ ゴールは見えてなかったですね。漠然と、コント番組のネタを書いたりしたいなとは思ってましたけど、どうやったらそうなれるかもわからなかったし。とにかくネタを作り続けて、衝動が尽きたらそこでおしまい。シド・ヴィシャスみたいに、21歳で死のうと思ってました。格好いいじゃないですか、死んで「伝説」って言われたら。 ――シド・ヴィシャスは死ぬまでに、世界的に有名になっていたから伝説になれたんですよ! ツチヤ 21までに、売れている予定だったんですよね。このスピード感でネタを作ってたら、当然クドカンさんレベルにはなるだろうと。……アホだったんですよ、衝動で何も考えんと、ネタだけ作っていたんです。 ――面白いネタさえ作っていれば、誰かが見つけてくれるんじゃないかと? ツチヤ 「打席にさえ立たせてくれたら、絶対にホームラン打ったる!」と思ってましたね。
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『笑いのカイブツ』(文藝春秋)

■オレ以外全員死ね!

――それから吉本の劇場に入り込むわけですが、そこでは「打席」に立てなかった? ツチヤ 劇場で作家としてネタを書かせてもらうためには、上に気に入られなきゃならなかったんですよね。「なんでオレにネタを作らさへんねん!」とか「お前らが使こうてる作家より、オレのほうが面白いのに!」なんてことばっかり思ってました。業界の仕組みもなんにもわかってなかったんです。 ――そこで周りと同じように媚びようとは思わなかった? ツチヤ ダサいじゃないですか。そんなことやるより、ハガキ職人になったら全部打席だから。 ――ああ、そっちにシフトするんですね。でも、ハガキ職人って、仕事ではないですよね? ツチヤ 仕事とか関係ないんですよ。自分の笑いを世に出せたらいい。「おもんない先輩作家がエライさんの肩を揉んで仕事取ってる間に、こっちはハガキ職人やって全部の打席で打ちまくって抜いたらぁ!」と思ってました。 ――ラジオは好きだったんですか? ツチヤ ハガキ職人になるまで、ほぼ聴いたことなかったですね。ラジオって、フリートークがメインじゃないですか。当時は作り込んだものが好きだったんで、フリートーク聴いてる時間があったら、コントのDVDを見まくろう、映画を見て吸収しようって思ってましたね。ハガキ職人やってる頃も、ハガキコーナーしか聴いてなかったですもん。 ――それじゃ、楽しんでラジオを聴けないでしょう? ツチヤ 完全に、表現の場所としか考えてなかったです。「こういうネタが採用されんのや」とか、ずっと分析しながら聴いてました。 ――ほかのハガキ職人のネタも分析したり? ツチヤ いや、「オレ以外全員死ね」と。全員事故って死んで、オレだけのネタで番組を埋めたいと思ってましたから。

■頭おかしいんか、オレ以外全員!?

――常連だったラジオ番組の芸人さんに誘われて、東京で構成作家の見習いを始めるわけですが、普通に考えたら華々しいサクセスロードですよね。どうして続けていけなかったんですか? ツチヤ 作家の仕事をやるのにも人間関係っていうのが重要で、単純に仕事がまったくなかったんですよ。「これだけ毎日ネタを作って、100%努力しているのに認められないなんて、頭おかしいんか、オレ以外全員!?」と思ってました。 ――「もしかしたら、自分に才能がないのかも」というふうには思わなかったんですか? ツチヤ 現実問題として仕事が来ないということは、ビジネスとしてお笑いをやる才能がないんだなとは思いましたけどね。 ――でも、「面白さの才能」で負けていると思わない? ツチヤ 面白さで負けたと思ったことはないですね。当時は天才で、松本(人志)さんよりオレのほうがおもろいと思ってたんで! ――おお……。そう考えている人って、どんなスタンスでテレビのお笑い番組を見るんですか? ツチヤ 審査。 ――審査! ツチヤ 「なんや、このネタ。アドリブでやってるレベルやんけ」「金返せ、殺すぞ!」とか……そんなことをテレビに向かって言っていました。 ――そこまで自分に才能があると思いつつも構成作家をやめ、地元に帰ったわけですけど、バイト生活に戻るくらいなら、構成作家としてガマンして下積みしたほうがよくないですか? ツチヤ バイトのイヤさと、構成作家としての人間関係のイヤさは同じような感じでしたからね。どうせバイト中にもネタを書いてましたし、同じことですよ。 ――同じイヤだったら、構成作家をやっていたほうが、ネタも書きやすい環境じゃないですか。 ツチヤ バイト中にも普通にネタ書けてたんで、バイトの時間が無駄だっていう感覚もなかったですね。「クビにするならクビにしろ、オレは働かんと書いたらー!」と思ってました。 ――「バイト中にあえてそこんなことやってるオレ、格好いい」みたいな感覚もあった? ツチヤ 「特別だろオレは? お前ら凡人とは違う!」って、逆境にいることに酔ってましたね。岡本太郎さんが好きなんで、オレはあのイズムを継承しているなと。岡本太郎だって、虐げられてきた時代があったはずなんですよ。今のオレは、その時代の岡本太郎だと。
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■ダサくても、ジョン・ライドンのように生き残ったほうがいい

――やがて、それだけこだわってきた「ネタを書くこと」もやめてしまいます。 ツチヤ 地元に帰ってからもネタを書き続け、細々とお笑いの仕事を続けていたんですが、27歳で完全に心が折れたんですよ。そこで「お笑いにしがみつくのはやめて、もう死のう」と思ったんです。 ――どうして、その時に死ななかったんですか? ツチヤ ブログを始めて、これを書いてから死のうと思ったんです。遺書みたいなもんですよね。ここまでやってもダメだった。オレは負け犬だ。最後、負けをさらして死んでやる……という気持ちですね。  ブログにここまで書いたら、もうお笑いはできないでしょう。ここまで暗い生活を送ってきたヤツのネタなんて、笑えないですもん。そうやって、二度とお笑いができないようにしたかった。そうやって断ち切らないと、一生お笑いにしがみついてしまうんで。  そう考えた時に、いろんな価値観が全部ひっくり返ったんです。それまでずっとシド・ヴィシャスが好きで、バンドメンバーのジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)はダサいと思ってたんですよ。あんな生き永らえてデブなって……。でも、一回死んだ気になってみたら「格好悪いほうが格好いい」「ダサくても、ジョン・ライドンのように生き残ったほうがいい」って。 ――結果的に、そういう覚悟で書いたブログが、今回の本につながったわけですよね。 ツチヤ 最初の1カ月は読者もひとりとかしかいなかったんですけど、2カ月くらいした頃、急に「書籍化しませんか?」みたいなメールが何通も来て。同時期にcakesからも「連載しませんか?」って……でも、そんなのイタズラだと思ったんですよ。ただ、cakesだけは「ウソつくにしても、こんな誰も知らない無名の社名を出すかな?」と思って。 Cakes担当編集 ひどい(笑)。その時期に、出版界隈でツチヤさんのブログが軽くバズッたんですよね。僕も、Facebookで誰かが「ヤバイ」って書いてるのを見かけてメールしたんです。 ――それでcakesでの連載も決まったと。 ツチヤ いきなり書籍化するよりも、連載だったら日銭が入るんで……。タイミングもよかったですね。これ(ブログ)が全然認められてなかったら、本当に死んでたと思います。その連載が1年続く間に、またいろいろと書籍化の話が来て、今回の出版となりました。 ――ここまで自意識が強い人が、帯で「伝説のハガキ職人」とか書かれちゃうのって、イヤじゃなかったですか? ツチヤ イヤでしたね! このタイトルもイヤでしたもん。「自分で『笑いのカイブツ』言うてんで、メチャ痛いやんけ」って。でも今は、一周回って、かっこ悪いのがかっこいいと思えるようになりました。その上で、世間の評価なんてどうでもいいし、どう思われてもいいと考えられるようになりました。

■そのへんの小説家が書くような文章はいらん

――本のターゲットはどんな人? ツチヤ 27歳の頃の僕ですね。 ――心の中に「カイブツ」を抱えている人ということですね。そういう人たちを、この本で安心させたい? ツチヤ 安心……そうですね。僕が27歳の時にこういう本が読みたかった、こういう本があったら救われただろうというものを書きました。 ――当時は「自分みたいなヤツは、ほかにいないんじゃないか」と思っていた? ツチヤ 一般人にはいないと思っていました。かつてはいっぱいいたのかもしれないけど……岡本太郎とかゴッホとか。 ――そこと同列……! お笑いネタは膨大な数を書いてきましたけど、小説を書くに当たって、苦労はなかったですか? ツチヤ それまでお笑いに向けていた熱量を、小説にぶつけるという意味では同じでしたね。ノートやチラシの裏にバーッと書いたのをスマホで清書して。最初4万字書いたら、そこから4,000字だけ選抜してほかは捨てる――。ハガキ職人の頃に投稿するネタを選抜していたように、文章も選抜していきましたね。 ――急に話が飛んだり、説明が足りないんじゃないかなという部分があるのは、つまらない部分を削ったからなんですね。 ツチヤ 僕なら、ダラダラした説明があった時点で捨てますから、そんな本。常に「面白い」を与え続けないといけない。全ページ面白くしたかったですね。そのへんの小説家が書くような文章はいらんと。そいつらより絶対にすごいもん書いたるっていう気持ちはありました。 ――小説でも、上から目線になるんだ……。 ツチヤ 小説家なんて全員おもんないなと思ったからこそ、これを書いたわけなんで。 ――今後は、小説家として活動していくんですか? ツチヤ なんのこだわりもなく、依頼が来たヤツ全部やろうと思ってます。一回、死んだと思って生きてるんで。それで失敗して、バカにするならしたらいい。「AV出ろ」って言われたらイヤですけど。 ――それ、オファーするほうがどうかしてますけどね。今はバイトもしてない? ツチヤ 印税前借りしてるんで。それがなくなって食えなくなったら、「いつ死んでもいいやって。それは常に思ってますね。 ――それはまだ思ってるんだ……。 *** 『笑いのカイブツ』が出版されて以降、執筆の仕事だけでなく、お笑いの仕事依頼も次々舞い込んでいるというツチヤ。  一度はお笑いをあきらめたツチヤが、ここからスゴイ笑いを生み出してくれるのか、それともやっぱり「人間関係不得意」だからドロップアウトしてしまうのか?  停滞しているテレビの「お笑い」をぶっ壊してくれそうな存在であるツチヤの活動を、楽しみに見守りたい。 (取材・文=北村ヂン)

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熱を入れすぎてパブ嬢とデキちゃった!? 研究者失格の著者がのぞいた、フィリピンパブという社会の画像1
著者の中島弘象氏
 もはや、過去の遺産となりつつある「フィリピンパブ」。バブル期からその数は増え始め、ピーク時には年間8万人もの女性が、フィリピンパブで働くために来日していた。しかし、2017年の今、風前のともしびとなっている……。  そんなフィリピンパブの実態に迫る研究者、中島弘象氏が『フィリピンパブ嬢の社会学』(新潮新書)を上梓した。中部大学大学院でフィリピンについて研究をしていた彼は、ひょんなことからフィリピンパブの世界に足を踏み入れ、「ミカ」というホステスと恋仲に発展! ついには、結婚までしてしまったのだ。  いったい、フィリピンパブ嬢との愛を、どのように育んできたのか? そして、ミカさんとの恋愛を通じて見えてきたフィリピンパブの実態とは? *** ――そもそも、中島さんはなぜ、フィリピンパブを研究することになったんですか? 中島弘象(以下、中島) 学部生の頃からフィリピンを研究対象にしていて、日本に住んでいるフィリピン人のおばさんたちへの支援活動も行っていました。その過程で、彼女たちの多くは興行ビザで、エンターテイナーとして来日していたことがわかったんです。 ――80~90年代にかけて来日した女性の多くは、フィリピンパブで働いていたんですよね。 中島 けれども、2005年に興行ビザの適用が厳格化され、パブでの就労を目的とした新規の入国が難しくなり、若いフィリピン人女性の供給を断ち切られたパブは大打撃を受けた――。当時読んでいた論文にはそう書いてあったし、僕もその認識でした。ところが、大学院に入学した11年、先輩に連れられて初めてフィリピンパブに行ったところ、日本に来て数カ月という若い女性が数多く働いていたんです。 ――ビザの発給要件が厳しくなり、フィリピンからの出稼ぎは絶望的になっているはずなのに……。 中島 これは何かあるんじゃないかと思って調べたんですが、論文にも本にも書いていない。だったら、フィリピンパブに通って、女の子たちから直接話を聞こうと思ったんです。でも、彼女たちもそんなに簡単にはビザのことは教えてくれません。そんなときに出会ったのがミカなんです。意気投合し、プライベートでも親しくなるうちに、彼女たちが日本人ブローカーの仲介のもと、偽装結婚をして配偶者ビザを獲得しているという現実が見えてきました。 ――ミカさんと出会い、デートを重ねるうちに、2人は恋仲に発展していきます。いったい、何があったんですか? 中島 ある日のデートで、ミカから「付き合って」と言われました。ただ、向こうはフィリピンパブ嬢だし、偽装結婚もしている。お客さんの延長なのか、本気の恋愛なのかはわかりません……。だからこちらも、研究のために利用してやろうという気持ちがあったんです。ただ、付き合っていくうちに、本当に僕のことを思ってくれていると気づきまして。だんだんと研究対象としてではなく、彼女の人生に寄り添ってみたいと思うようになったんです。
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『フィリピンパブ嬢の社会学』 (新潮新書)
――本来、研究者としては、恋仲に発展することはNGですよね……。 中島 研究者としては失格です(笑)。大学の指導教官からも「早く別れなさい」と忠告されました。けれども、目の前で彼女が大変な状況に置かれているのに、研究なんかしてもしょうがない。研究は社会のためにはなりますが、知的好奇心の満足や論文の執筆など、いわば「自分のため」の要素が大部分。そうではなく、彼女のためにできることがあるなら、それをやるべきだと思ってしまったんです。 ――しかし、そんな「失格」の視点から見えてきたのは、客観的な場所からは知りようのない、彼女たちの現実でした。 中島 フィリピンパブの裏には暴力団関係者がいるし、休みは月に2回しかありません。逃亡しないようにいつも監視されていて、自由に遊びにいくこともできない。ミカも、偽装結婚相手と同居していました。ただ、そんな過酷な現実よりも驚いたのが、彼女たちにも「日常」があること。普通の人なら耐えられないような毎日を送っているはずなのに、僕らと変わらずにリラックスしたり、笑ったりしながら過ごしていたんです。 ――決して、過酷な生活に耐え忍んでいるだけではない、と。 中島 そう。僕自身も、ミカやその友達と生活を共にしていたのですが、初めは暴力団の影が怖くて脅えていたのに、だんだんとそれが日常になってしまいました。だから、本書を出版することが決まったときも、こんな普通の経験を誰が読むんだろう……と不安だったんです(笑)。 ――ミカさんのビザ契約をめぐるトラブルのために暴力団と交渉したり、全然、普通の経験じゃありません! 中島 もう二度としたくないですけどね(笑)。ミカは急に偽装結婚の解消を迫られ、離婚すれば配偶者ビザを失い、不法滞在になってしまうという切羽詰まった状況だったんです。彼女を助けられる人は、僕以外、誰もいなかった。正直、僕だって暴力団のところになんて行きたくなかったんですが、彼女と付き合いながらフィリピンパブを研究しようとしてるのだから、責任を持とうと腹を決めたんです。数発殴られるくらいで済めば……と。 ――イケメンすぎっ! ところで、純愛ノンフィクションのようにも読める本書ですが、フィリピンパブをめぐっては、入国制度や構造的な問題も浮き彫りになっていますね。 中島 さまざまな問題がありますが、不法入国で来日するフィリピンパブ嬢や、背後に暗躍する暴力団だけを糾弾すればいいという単純な話ではありません。そもそも、フィリピンパブという業態は、80年代に興行ビザが開放され、大量の女性が日本に送り込まれたことから生まれました。日本政府も、彼女たちが資格外活動していることを事実上黙認してきたんです。しかし、00年代に入って、アメリカから「性的搾取による人身売買」と指摘され、態度を一変させます。国では、この政策の変更を「効果的だった」と評価していますが、実態は偽装結婚や偽装パスポートでの入国など、地下に潜っているだけ。突然「受け入れません」と言われても、一度開放した流れは止まらないんです。 ――そもそも、このような実態を生み出したのは、過去の日本の政策なんですね。 中島 また、違法化されたために、ブローカーとの契約を終えても偽装結婚の相手とちゃんと離婚できない、離婚したらビザを失ってしまうといった問題が起こっています。彼女たちは、暴力団に苦しめられているだけでなく、法律の間で一番弱い立場に追い込まれてしまった。しかも、誰もケアをする人がいないんです。 ――フィリピンと日本との経済格差もまた、フィリピンパブ嬢を送り出す原因となっています。ミカさんの稼いだ金で、彼女の家族は貧困から抜け出し、フィリピンで裕福な暮らしを送っていますね。 中島 しかし、金を受け取っている家族には、フィリピンパブ嬢が日本でどういう思いで働いているかを理解していないことも多いんです。日本で働いているんだから無尽蔵に金を持っていて、いくらでも金をもらえると思っているし、お金がなくなると、急に家族が冷たくなってしまうという話も耳にします。それで関係がギクシャクし、本国の家族と疎遠になってしまうケースもあるんです。 ――本書にも、里帰りして数十万円分の現金を持ち帰ったミカさんにたかる家族の姿や、金がなくなると急に冷たくなる様子が描かれています。 中島 もちろん、それは日本人である僕の目線から見た姿です。ミカは、「自分が稼ぐお金で家族を助けたい」と納得しているんです。 ――日本の入国制度、フィリピンの貧困、暴力団との関係など、フィリピンパブをめぐっては、単純な善悪の問題では割り切れない、複雑な様相が横たわっているんですね。 中島 フィリピンパブには「売春」や「犯罪」というイメージが根強く、色眼鏡で見られてしまうことはしばしば。けど、フィリピンパブ嬢たちも、それぞれの立場で普通に生活し、彼女たちの日常を生きています。僕らだって、少し状況が変わったら、そのような立場に置かれてしまうかもしれませんよね。短絡的に、彼女たちを非難したり排除しようとするのではなく、寛容な心を持ちながら「なぜ、このような状況が生まれているのか」と、考えてほしいですね。 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン]) ●なかしま・こうしょう 1989年、愛知県春日井市生まれ。中部大学大学院修了(国際関係学専攻)。在学中より、フィリピン人女性と日本人男性の間に生まれた経済的に恵まれない日比国際児たちの支援活動に関わり、現在は比NGO組織「DAWN」と連携して活動している。

「さっさと帰りたい」TBS系『クレイジージャーニー』で話題の洞窟探検家・吉田勝次が覗いた“地下世界”とは

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 人気紀行テレビ番組『クレイジージャーニー』(TBS系)で、ダウンタウン松本人志に「変態ですよね。ある意味尊敬してますよ」と言わしめた洞窟探検家・吉田勝次。踏破した洞窟は1,000以上。日常のすべてを洞窟探検に費やし、“人類未踏”の洞窟の魅力に取り憑かれた吉田は、この度『洞窟ばか すきあらば、前人未踏の洞窟探検』(扶桑社)を上梓した。隙間さえあれば、所構わず頭を突っ込む変人を突き動かすのは一体なんなのか? 本人に話を聞いてみた。 ――『クレイジージャーニー』にご出演されたときに、吉田さんが「なんでみんなやらないんだろう」っておっしゃっていましたね。『洞窟ばか』を読むと、そう言いたくなる気持ちがわかります。RPGゲームによくあるような、ダンジョン探索をそのまま現実でやっているような感覚かもしれませんね。 吉田勝次(以下、吉田) なんだったかなあ……ドラクエ? やったことないですけど、そういう洞窟の場面があるらしいんですよね。それで、若い人から連絡をもらって連れて行ったことがありますよ、何回か。ふとリアルな洞窟ってどんなのかなって気になって、検索したら僕のことを見つけたみたいで。 ――20代後半から洞窟探検を始めたということですが、初めて洞窟に入った時の気持ちはどんなものでしたか? 吉田 先輩が連れて行ってくれたんですけど、ものすごいスピードで前に行っちゃうんですよ。俺置き去りじゃん!? みたいな。「うわ! こんなところ入っていた!」と思うような狭いところをスルッとすり抜けて消えちゃうわけですよ。たぶん、どこかで待っていてくれていると思うんですけど、こっちは怖いじゃないですか、初めてだし。無我夢中で。進むと急に狭いところから大きいところにパッと出たりして、「わーっすごい!」って感動したり。要するに自分が行ったものしか見れないんですよ、景色が。もう本当にドキドキワクワクの連続で、ファーストインパクトがそれだから、強烈だったんですよね。自分の頭の中がパーって開けた感じ。 ――運命の女性に出会ったようだったと、著書の中では言っていますね。 吉田 まあ、女の子の方がいいけどね(笑)。で、それが続いているんですよ。ドキドキワクワクが色褪せないというか。色褪せないというより、洞窟ごとに違うし。例えば、自分で見つけた洞窟ですごいものを見たら、これを最初に見つけたのは自分だって、その場に居合わせたことに感謝できる。実際に行って、見つけた人にしかわからないですけど、もうやめられないですよ。その衝撃を受けてしまうと。都会に戻れば、いろんな遊びがいっぱいあるし、そんな大変な思いしなくても楽しめると思うんですけど、一回衝撃受けちゃうとやっぱりそれも大事なんですよ。たしかに、実社会に戻ってきて、おいしいものを食べたり、友だちと遊んだり、楽しいことはいっぱいあるんだけど、それがないとダメ! みたいな。主軸なんです、洞窟が。洞窟の合間に、普通の人がやることをやればいい。 ――もう、切っても切れない関係ですね。 吉田 そう。切っても切れない。それがあるからこそ、自分の世界が広がるんですね。でも、行っている間のストレスもあるんですよ。出発する前から行きたくない、本当は。僕は洞窟のガイドもやっていますから、一般の人を連れて行くこともありますが、そうするとね、入ると「すごい! すごい!」って「すごい」を何百回とみんな口に出して言うんです。「すごい」しか言えないんですよ、非日常だから。それなのに、連れて行った人たちが、一番喜ぶ顔を見せるのはどこかって言われたら、洞窟から出た瞬間なんです。何千人と見てきましたが、やっぱり出た瞬間ですね、キモは。 ――探検なのに“出る”瞬間がキモ!? 吉田 出る瞬間っていうのは、洞窟のなかで新しい場所を見つけたあとだから、いろいろこみ上げてくるんです。すごい買い物をしたあとに「買っちゃったぞ!」って気が高ぶるみたいな。例えば僕らだったら撮ってきた写真とか、見つけた洞窟の情報とか、お土産満載で帰ってくるんですよ。今度は早く家に着いて広げたいじゃないですか。よく「洞窟に帰っていくんでしょ」って言われがちなんですけど、違います。さっさと帰りたい。だんだん洞窟の出口に近づいてきて、これ以上登らなくていいんだってなったときに、帰って来た感があるというか。一番感動するっていうか、なんとも言えない気分ですね。 ――二度と行きたくない洞窟ってありますか? 吉田 辛かったのは、岩塩の中にできた塩の洞窟。塩だから、いるだけで肌がヒリヒリするんですよ。中は32度もあって、暑くて熱中症にもなったし。頭痛を抱えながら進みましたね。でも、二度と行きたくないかって言ったら、もう一回行って写真を撮りたいですね。
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――洞窟で遺体に出会うことは、ありますか? 吉田 あります。その方は、亡くなった1年半後に僕らが見つけたんですけど、すぐ死んでないんですよね。僕らも探検しているんで、わかるんですけど、洞窟の中って目を閉じても開いても同じなんですね、暗闇なんで。それをその人は、何週間か、命が尽きるまでやったんだろうな、と。死んだのか生きてるのか、わからなかったと思いますよ。それがなんとなく想像できる。 ――探検には「探検」「測量」「撮影」があるということでしたが、測量をして図面に起こすと、気づかなかった部分が出てくるでしょうか? 吉田 出てきますね。方位とか、データを取りながらスケッチを書いていくんですけど、データが間違っていたらスケッチを見ればわかるし。スケッチが大事で、その図面を描き上げたときに、空白の場所があるんですよね。空白って言っても、こことここがつながっているんじゃないかっていう空白。 ――探検では気づかなかった箇所ですか? 吉田 そう。通路と通路が実は近かったということもあるし、この穴へつながるんじゃないかとか。あと、地下水の流れがこっちを向いているというのがわかって、入口はまだ見つかってないけど、こっちにすごい世界があるんじゃないかっていうのを、地図から読み取ったりする。地図を作ると探検した洞窟のジオラマを作るような感覚で、楽しいですね。二次的に還元できるんです。測量を終えるまで調査は終了しないので、測量している人間は見込みがなさそうな隙間も渋々行くんですよ。「めんどくさいな~」とか言って。あとは、仲間で体の小さいやつが「吉田さん、ここも行けるよ」って通路を見つけてきて「これ、お前は行けるけど俺は行けねえぞって、なんでこんなの見つけてくるんだ」ってマジで怒ることもある(笑)。行かなくちゃいけないから。 ――著書にも登場する、洞窟の国際大会とは、どんなことが行われるのでしょうか? 吉田 まず、学者が発表をするんです。どんな成果があったとか。例えば、こんな生物を見つけましたとか、こんな洞窟を探検しましたとか、ありとあらゆる学問的なことを。水文学、地質学、地理学、生物学、古生物学、人類学……あと何かな? それぐらいの学問プラス洞窟って感じ。人類学とか考古学って洞窟と関係ないと思われるかもしれませんが、洞窟の中で遺物が発見されたり、特殊な生き物を見つけたりとか、そういうのを研究者が発表する場であったりだとか、情報交換もします。また、洞窟には救助がつきものなので、それの講習会もやります。山岳救助隊みたいのがいないから、誰かがケガをしたりしても、出すまでは自分たちでやらなければならないので。あとは、スペレオオリンピックって言って、ロープを登る速さを競ったり、狭いところをどれだけ速く通れるとか、そういうのをやります。ほかには、物販ですね。いろんなメーカーが来て、新型の装備、機器をそこで展示して販売する。要するに、洞窟界の祭典みたいなものです。 ――今後の探検の予定はありますか? 吉田 今月21日から、去年に続いてラオスの大きな調査プロジェクトを開始します。洞窟探検ってヨーロッパの人がよくやるんですけど、先進国の人たちは、自分たちの国の洞窟は調べ尽くしているんですよ。登山と同じくらい盛んで、しょっちゅう海外遠征に行く。どこに行くかというと、東南アジアです。行きやすいし、洞窟もたくさんあるし。やっぱり、その国の人が洞窟に入ってないんですよ。入ったことはあったとしても、装備もなく、ちゃんと調べていないので。 ――洞窟探検以外で、これ面白そうだなって思うものってありますか? 吉田 あ~やっぱり宇宙だね。せめて月には降りたいなって。実際に月に洞窟が見つかっているんですよ、縦穴で。重力が地球の6分の1ですよね。ぴょーんって飛んだらいきなり飛び降りられるでしょ、縦穴に。地球で探検するより早そう。月にも行きたいし、月の洞窟には絶対入りたい。 (取材・文=編集部)
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「AVは覚悟のある人がやるべき」元カリスマ男優・加藤鷹、“クリーンになった”昨今のAV業界を斬る!

「AVは覚悟のある人だけやればいい」元カリスマ男優・加藤鷹、クリーンになった昨今のAV業界を斬る!の画像1
 出演したAVは1万5,000本。AV業界で初めて「潮吹き」というジャンルを確立し、「ゴールドフィンガー」でその名をはせた、元カリスマAV男優の加藤鷹氏(57歳)。現在は株式会社加藤鷹商店を設立し、講演・セミナー・メディア出演などを行っているが、そんな彼に、ちまたで話題となっているAV出演強要問題について話を聞いてみた。 *** ――鷹さんはこれまで、出演強要されている女優に出会ったことはありますか? 加藤鷹氏(以下、加藤) 強要されていたかどうかはわからないけど、好きでやっていないだろうなぁという女優はたくさんいたよね。「有名になって頑張ろうね」って声をかけると、「3本で辞めるんです」って答えが返ってきたこともあった。大人の事情でやっていたんだろうな。でもさ、この業界、やる気満々の子が売れるとも限らないし、長く続くとも限らない。最初は嫌々やっている子が、のちに大女優になったケースだってあるよ。やっていく中で、人間の思考って変わったりするんだよね。 ――とはいえ、やる気のない子がAV女優をやる――ということ自体、問題があるようにも思えますが……。 加藤 でもさ、そんなこと言ったら、世の中“この仕事、嫌だなあ”と思いながらやっている人って、いっぱいいるわけじゃん。“これ我慢しなきゃ、給料もらえないしなぁ”とか、“こいつ嫌いだけど、付き合っていかなきゃいけないなぁ”とか、そうやってみんな生きている。そりゃ何もしなくてお金になるんだったら、そのほうがいいよ。嫌なこともやるから、お金になるんじゃん。AVだけ特別扱いするのはどうなんだろうな。 ――例えば、違約金を理由に、無理やり出演させられたという被害報告があります。そういったケースについては、どう思われますか? 加藤 日本は法治国家なんだから、被害に遭った女の子は、法に訴えればいいんだよ。辞める方法なんていくらでもあるんだから。某企業の自殺もそうだけど、自殺するぐらいなら辞めちゃえばいいんだと思う。そこで犯人探しが始まるのが、俺としてはいい風潮じゃないと思うな。 ――実際、出演の契約書は結んでいても、裁判で争ったところ、違約金を払わなくて済んだという事例は数多くあります。法で争うとなると、どうしてもAV制作側は分が悪いですね。 加藤 ただ、法と精神の部分は別物だからね。俺は、そういう子に「あなたに落ち度はなかったんですか?」って聞いてみたい。事務所に洗脳されたっていっても、そもそも自分が足を踏み入れないと起こらないことだったはずだから。
「AVは覚悟のある人だけやればいい」元カリスマ男優・加藤鷹、クリーンになった昨今のAV業界を斬る!の画像2
――「アイドルになれる」とか、「パーツモデルになれる」といった具合に、偽りの文句で誘われ、足を踏み入れる被害事例も挙がっています。 加藤 でも、途中でAVだってわかるでしょ? もう大人なんだから、AVが嫌だったらすぐに辞めて、それでも違約金と言われるなら訴えればいいんだよ。今は支援団体もあるけど、「助けてほしい」と言ってきた女の子は助けてあげればいいと思う。でも、声を上げていない女の子たちに対して、「助けてあげます」と声をかけるのは余計なお世話だと思うから、もしもそういうことやっているなら、やめてほしいな。 ――「ポルノ被害と性暴力を考える会」(PAPS)などの支援団体の人たちに話を聞くと、すでに対処できないぐらい、相談の電話がかかってきているようです。ただ、お金になると思って、被害に遭っていない女優さんにも声をかけている輩がいるという話は聞いたことがあります。今後、鷹さんとしては、出演強要問題を解決する上で、どうすればいいと思いますか? 加藤 俺が業界に入ったときはね、AVなんていかがわしい世界だと思ったよ。その世界に自分から足を踏み入れて、辞めようなんて言おうものなら、パンチパーマのおっさんが10人ぐらい出てきて「何言っているんだ、てめぇ!」って怒鳴られると思ってた。そのリスクを天秤にかけて、覚悟を決めて入っていったんだよ。 ――実際、昔はヤクザまがいの人たちがたくさんいましたよね。 加藤 そう。でもさ、今はもうAV業界が生まれて36~37年かな? 途中から「AVはクリーンです」みたいな感じで押し出してきたわけじゃん。それがよくなかったんだよ。今の子たちは、警戒心もないし、AVをやる上でのハードルも低くて、抵抗なくやってしまう。AV制作側はもうちょっと「うちの業界、いかがわしいですよ。気をつけてくださいね」っていう雰囲気を出さなきゃいけないんだと思うな。女の子たちが「AVってヤバいんじゃないの?」って心配になるぐらいにね。 ――恵比寿★マスカッツをはじめ、AV女優たちが表に出すぎたのがよくなかったんでしょうか? 小室友里さんをはじめ、往年のAV女優さんに話を聞いてみると、「AVはグレーで、その覚悟がない人はやっちゃいけない」って、はっきり言うんですよね。でも、最近のAV女優さんに話を聞いてみると、芸能感覚で入ってきている子が多い。女優さんの世代によって意識の差は感じます。 加藤 友里ちゃんがそう言っていたの? やっぱり、ちゃんとわかっているよね(笑)。いくらAV業界の人たちがみんな「クリーンです」なんて言っても、いくらでも問題は起こるわけだから。最初から、いかがわしい世界のままでよかったんだよ。覚悟のある人だけでやっていればいいと思うよ。 (取材・文=井川楊枝)

「AVは覚悟のある人がやるべき」元カリスマ男優・加藤鷹、“クリーンになった”昨今のAV業界を斬る!

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 出演したAVは1万5,000本。AV業界で初めて「潮吹き」というジャンルを確立し、「ゴールドフィンガー」でその名をはせた、元カリスマAV男優の加藤鷹氏(57歳)。現在は株式会社加藤鷹商店を設立し、講演・セミナー・メディア出演などを行っているが、そんな彼に、ちまたで話題となっているAV出演強要問題について話を聞いてみた。 *** ――鷹さんはこれまで、出演強要されている女優に出会ったことはありますか? 加藤鷹氏(以下、加藤) 強要されていたかどうかはわからないけど、好きでやっていないだろうなぁという女優はたくさんいたよね。「有名になって頑張ろうね」って声をかけると、「3本で辞めるんです」って答えが返ってきたこともあった。大人の事情でやっていたんだろうな。でもさ、この業界、やる気満々の子が売れるとも限らないし、長く続くとも限らない。最初は嫌々やっている子が、のちに大女優になったケースだってあるよ。やっていく中で、人間の思考って変わったりするんだよね。 ――とはいえ、やる気のない子がAV女優をやる――ということ自体、問題があるようにも思えますが……。 加藤 でもさ、そんなこと言ったら、世の中“この仕事、嫌だなあ”と思いながらやっている人って、いっぱいいるわけじゃん。“これ我慢しなきゃ、給料もらえないしなぁ”とか、“こいつ嫌いだけど、付き合っていかなきゃいけないなぁ”とか、そうやってみんな生きている。そりゃ何もしなくてお金になるんだったら、そのほうがいいよ。嫌なこともやるから、お金になるんじゃん。AVだけ特別扱いするのはどうなんだろうな。 ――例えば、違約金を理由に、無理やり出演させられたという被害報告があります。そういったケースについては、どう思われますか? 加藤 日本は法治国家なんだから、被害に遭った女の子は、法に訴えればいいんだよ。辞める方法なんていくらでもあるんだから。某企業の自殺もそうだけど、自殺するぐらいなら辞めちゃえばいいんだと思う。そこで犯人探しが始まるのが、俺としてはいい風潮じゃないと思うな。 ――実際、出演の契約書は結んでいても、裁判で争ったところ、違約金を払わなくて済んだという事例は数多くあります。法で争うとなると、どうしてもAV制作側は分が悪いですね。 加藤 ただ、法と精神の部分は別物だからね。俺は、そういう子に「あなたに落ち度はなかったんですか?」って聞いてみたい。事務所に洗脳されたっていっても、そもそも自分が足を踏み入れないと起こらないことだったはずだから。
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――「アイドルになれる」とか、「パーツモデルになれる」といった具合に、偽りの文句で誘われ、足を踏み入れる被害事例も挙がっています。 加藤 でも、途中でAVだってわかるでしょ? もう大人なんだから、AVが嫌だったらすぐに辞めて、それでも違約金と言われるなら訴えればいいんだよ。今は支援団体もあるけど、「助けてほしい」と言ってきた女の子は助けてあげればいいと思う。でも、声を上げていない女の子たちに対して、「助けてあげます」と声をかけるのは余計なお世話だと思うから、もしもそういうことやっているなら、やめてほしいな。 ――「ポルノ被害と性暴力を考える会」(PAPS)などの支援団体の人たちに話を聞くと、すでに対処できないぐらい、相談の電話がかかってきているようです。ただ、お金になると思って、被害に遭っていない女優さんにも声をかけている輩がいるという話は聞いたことがあります。今後、鷹さんとしては、出演強要問題を解決する上で、どうすればいいと思いますか? 加藤 俺が業界に入ったときはね、AVなんていかがわしい世界だと思ったよ。その世界に自分から足を踏み入れて、辞めようなんて言おうものなら、パンチパーマのおっさんが10人ぐらい出てきて「何言っているんだ、てめぇ!」って怒鳴られると思ってた。そのリスクを天秤にかけて、覚悟を決めて入っていったんだよ。 ――実際、昔はヤクザまがいの人たちがたくさんいましたよね。 加藤 そう。でもさ、今はもうAV業界が生まれて36~37年かな? 途中から「AVはクリーンです」みたいな感じで押し出してきたわけじゃん。それがよくなかったんだよ。今の子たちは、警戒心もないし、AVをやる上でのハードルも低くて、抵抗なくやってしまう。AV制作側はもうちょっと「うちの業界、いかがわしいですよ。気をつけてくださいね」っていう雰囲気を出さなきゃいけないんだと思うな。女の子たちが「AVってヤバいんじゃないの?」って心配になるぐらいにね。 ――恵比寿★マスカッツをはじめ、AV女優たちが表に出すぎたのがよくなかったんでしょうか? 小室友里さんをはじめ、往年のAV女優さんに話を聞いてみると、「AVはグレーで、その覚悟がない人はやっちゃいけない」って、はっきり言うんですよね。でも、最近のAV女優さんに話を聞いてみると、芸能感覚で入ってきている子が多い。女優さんの世代によって意識の差は感じます。 加藤 友里ちゃんがそう言っていたの? やっぱり、ちゃんとわかっているよね(笑)。いくらAV業界の人たちがみんな「クリーンです」なんて言っても、いくらでも問題は起こるわけだから。最初から、いかがわしい世界のままでよかったんだよ。覚悟のある人だけでやっていればいいと思うよ。 (取材・文=井川楊枝)

「お前ら許さんぞ!」“性の喜びおじさん”、YouTuberと若者にモノ申す!!

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「性の喜びを知りやがって、許さんぞ!」 「自分たちばっかし、俺にもさせろよ!」 ……などと電車の中で叫びまくる動画がネットにアップされ、一躍人気者(?)となった「性の喜びおじさん」。
YouTube「JAPAN NEWS」より
 確かに、見ていると目が離せなくなってしまう衝(笑)撃的な内容なのだが、わざと撮影させてネットで話題になろうとしたのか? 本当にヤバイ人を盗撮したものなのか? いろいろと謎が多い動画でもあるのだ。  そんな性の喜びおじさんが、サイゾー編集部のある渋谷にやたら出没しているというウワサを聞きつけたので、編集部・K女史に「性の喜びおじさんを見かけたら、取材オファーしておいて!」と頼んだら、本当にオファー成功!  サイゾー編集部にやってきた性の喜びおじさんは、いきなりメチャクチャ酒臭い状態……。  不安いっぱい、気になることいっぱいのまま、突撃取材スタート!
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■TSUTAYAの前で「I want to make love」って声をかけている

――まず聞きたいんですけど、例のネットに上がっている動画って、誰かに撮ってもらったものなんですか? それとも盗撮? おじさん 盗撮だよ、許さんぞ! 撮られていることも知らなかったし、動画自体、この間のテレビ(BSスカパー!『BAZOOKA!!!』)に出たときに初めて見せてもらったもん。あれヤバイな、ガッハッハ! ――ヤバイですよ(笑)。わざとやっていたんじゃないとしたら、電車の中で、なぜあんなことを? おじさん 酒を飲んで独り言をブツブツ言ってるのを、撮られちゃったんだろうな。全然記憶にないけどさぁ~。23年間決まった恋人がいないと、いろいろと鬱憤がたまって、ああいう言葉が出きちゃうわけだよ。 ――独り言にしては、声がデカすぎますけどね。外が明るかったですけど、飲んだ帰りの朝とか? おじさん さすがに朝まで飲まないよ、ヤバイいじゃん。俺は昼間しか飲まないんだから! ――昼間のほうがヤバイですよ! あの動画が話題になって、外ですごく声をかけられるようになったんじゃないですか? おじさん でも、声かけられるだけだもん、写真撮っておしまい。要するに、珍獣見てるようなもんでしょ? 迷惑とまでいかないけど、面倒くさいだけだよね。 ――「センター街でよく見かける」って目撃情報があったから、わざわざ声をかけられようと繁華街に行ってるのかと思ってたんですけど。 おじさん それ以前から、渋谷にはしょっちゅう来てるよ。学生時代に渋谷で遊んでたから、安心できるんだよね。それに今、仕事もしてないからヒマじゃん? ――渋谷で何してるんですか? おじさん TSUTAYAの前に立って、声かけてる。「I want to make love」とか「I want to feel extasy」「long long ago no make love」(いずれも、おじさんなりの英語)とかね。 ――……なぜ英語で? おじさん 日本語でそんなこと言ってたらヤバイじゃん! だから、あの動画では日本語で偉そうなこと言ってるから恥ずかしいんだよ! ――どっちもどっちだけどなぁ……。
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■連絡先を聞きたくて、20数万円の洋服を買ってあげた

――長年、彼女がいないということですけど、好みの女性はどんなタイプなんですか? 例えば、芸能人でいうと……。 おじさん 芸能人はなぁ……最近は女優さんでも、卓越した人って少ないよね。グラドルだったらいるんだけど。篠崎愛ちゃんね。ポッチャリしてて、顔はロリでさぁ。体つきがいやらしいよね。 ――巨乳好きなんですか? おじさん まあ、グラマラスなほうが好きですね。今の子は、みんなスレンダーでしょ? 別にダメなわけじゃないけど、ポッチャリ体形のほうがそそりますよね。だから、ビヨンセとかマライヤ・キャリーとか。……マライヤの体って、いやらしいよね! ――マライヤをそんな目で見ている人、初めて会いましたよ! でもおじさん、顔の彫りが深いし、若い頃はモテてたようにも見えますけどね。 おじさん いや、全然。高校時代は女性と付き合ったことないもん。文学少年で、休み時間も文庫本読んでるような、おとなしいタイプだったから。今はずうずうしいおっさんになっちゃったけどさぁ、ワッハッハ! 俺って、好きになりすぎてヤバイ系なんだよ。自分から好きにならないとダメなんだけど、好きになるとヤバイ! ――どうなるんですか? おじさん 緊張して話せなくなる。だから、脈絡なく、いきなり「愛してるんだ」とか言っちゃって、「何この人」って顔されてたよ。今でこそ、こんなにベラベラしゃべれるけどさ、学生時代これくらいしゃべれたらねー……。友達とは話せたけど、女性には弱かったね。 ――今はメチャクチャしゃべれてますけど、それでも、彼女は作れませんか? おじさん 2年くらい前だけど……声をかけた女性とデートしたら、だまされたんだよ。20数万取られちゃった。例のごとくTSUTAYA前で声かけて、ソフトクリーム店さんに行ったり、食事したりしてさぁ。 ――これはもうヤレるんじゃないかと! おじさん いや、いきなりヤルなんて……連絡先だけでも交換できれば、って思ってたのよ。 ――あ、そこはピュアなんですね。 おじさん それから、神南のあたりにファッションの路面店があるでしょ? そこに行ったら、女性が試着を始めたんだよ。もちろん自分から「買ってくれ」とは言わんわけよ、試着をして「これいいよねー」とか言うだけで。……そういう作戦じゃん。俺もその時は、オヤジの遺産でもらった株を売ったりとかして金持ってたからさ、つい口をすべらして「買ってあげるから、名前と連絡先教えて」って言っちゃったわけよ。そしたら5着か6着で、20数万円して! ……仕方なく払いましたよ。 ――思い切りましたねー。結局、連絡先は聞けたんですか? おじさん 聞けた。それで「これから恵比寿に行く」って言うから駅で別れて、後で電話かけてみたら……出ないの。 ――あー……。やっぱりおじさん、純情ですよね。普通、そんなの引っかからないですよ。 おじさん 警察にも相談したんだけど、「これは詐欺的ではあるけれど、詐欺にはなりませんね。相手の連絡先を聞きたいがために、買ってあげただけでしょ?」って言われたんですよ。ずっと恋愛してないんで、そういう駆け引きみたいなものがわからないんだよね。俺が、おとなしめで従順な女性よりは、ちょっとわがままな、小悪魔的な女性が好きっていうのもあって、痛い目に遭うのかもしれないけど。それは俺の性分だから仕方ないよね。
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■だんまりスケベのほうがヤバイ! 俺は正直に言う!

――そういう経験がたまりにたまって、電車の中での「性の喜びを知りやがって、許さんぞ! 自分たちばっかり……」とか叫んじゃったんですかね? おじさん たまってるよ、鬱憤も性欲も! そりゃそうだよ。風俗は恋愛じゃないでしょ? 彼女がいないから、しょうがなく行っとるんだから。できれば風俗なんて行きたくないよ、恋人がいれば。  今の若い子たちってさ、どういうことでそういう関係になるのかワケわからんね。この間、テレビで「セックスの相手には困らない」みたいなことを言ってるヤツがいたけどさ。俺の世代にも、そういうのはいたけど、それは完全にワンナイトラブ的なことだったんだよ。でも、今の若いヤツはもっとカジュアルに、友達ともセックスしたりしてるんでしょ? どういうことですか!? ――俺に怒られても困りますよ! おじさん そういう気持ちがたまってるから、ああいうこと言っちゃうわけですよ。世に言うだんまりスケベ――本当はスケベなのに、ひた隠しにしているような人間じゃないんだ俺は。正直に言うわけだ! ――言うにしても、声が大きすぎますよ! おじさん 言うことによって解消できるんだよ、少しは。だんまりスケベのほうがヤバイでしょ? まあ、真の意味で相思相愛の恋愛をしたことがないのが、コンプレックスなんだろうな。車だって、女性を乗せたことがないもん。 ――今回わかったのは、おじさんが求めているのは「ヤリたい」じゃなくて「彼女が欲しい、結婚したい」という、結構ピュアな方向性だったということですね。 おじさん ヤリたいはヤリたいですけど、それ以上に恋愛したいんですよ。でも、仕事とかスポーツって、自分が努力すればある程度、成果出るけど、恋愛は相手があることだから難しいよね。
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■基本的に、言ってることは正論!

――ネットに上げられている写真なんかを見ると、かわいい子とも一緒に写真撮ってるじゃないですか。そこから恋愛には発展しない? おじさん いや、かわいいとかそういうことじゃなくてさ、ある程度話してみないとわからないでしょ、内面は。恋愛するって、そういうことだから。 ――まっとうな意見! それじゃ、この間の『BAZOOKA!!!』で「このおじさん、面白いからコーナー持たせよう」みたいなことを言われていましたけど、タレント的な活動には興味ないんですか? ちょうど仕事もしていないし、モテそうじゃないですか。 おじさん 興味なくはないけどさぁ……。テレビというのは、要するに使い捨てでしょ? 日本エレキテル連合とか、もう見ないじゃん。ギター侍も、本人が残念になっちゃってるしさ。ピコ太郎もすぐ消えるでしょ? エド・はるみなんてさぁ……小池百合子の政治塾に行ってるんだよ。選挙出たいの? ふざけなさんな! 「グー! グー!」言ってるだけのおばさんが。 ――ホント、言うことが基本的に正論ですよね。 おじさん 俺なんかもYouTubeで火がついて、若い子から「おじさんはいいですね、有名になって」なんて言われるけど、うれしくもなんともないもんな。有名になれればなんでもいいっていう考えはおかしい。だから、おでんをつんつんしたり、ドローン飛ばしたりするヤツがいるんだよ。スポーツなり仕事なりをやり続けて、それで有名になるんだったらいいよ。でも、そういう裏付けもなく、ただ有名になったって意味ないでしょ? ――ザ・正論! でも、おじさんも頼まれたらテレビに出たり取材受けたりはしちゃうという……出たがりなのか、出たがりじゃないのかが、よく分からないですよ。 おじさん それはね、会話に飢えてるんだよ。女にも飢えてるけど、会話にも飢えてるんだよ! だから、この間もニコニコ動画をやっているっていうヤツに「話を聞かせてください」って声かけられて一緒にカラオケに行ったんだけど、それを隠し撮りしてネットに上げられてたんだよ。許さんぞ! ――おじさんよりも、それを隠し撮りして勝手にネットにアップしてるヤツのほうがまずいですよね。 ***  取材スタート時は、メチャクチャ酒臭くて少々ヤバイ状態だったおじさんだが、取材が進むにつれ(3時間しゃべりっぱなし!)酔いも覚めたのか、すんごくまっとうなことばっかり言うように。  たぶん、酔っぱらってさえなければ、すごく真面目でいい人なんだろうなぁ~……。もう、酒飲んで電車乗らないほうがいいよ!  そして盗撮はダメ、絶対!
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(取材・文・イラスト=北村ヂン) 『突撃取材野郎!』過去記事はこちらから

“ドッキリ芸人”小峠&アントニー「TBS藤井健太郎、ハゲ=面白いと思ってる説」

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撮影=尾藤能暢
 世の中に潜むさまざまな「説」を、アカデミックかつシュールかつ執拗に検証する『水曜日のダウンタウン』(TBS系)。斬新な切り口と抜群のくだらなさで確固たる地位を築いたこちらの番組で、たびたびドッキリを仕掛けられているのがこの2人、バイきんぐ・小峠英二とマテンロウ・アントニーである。渦中の芸人にとって、この『水曜日のダウンタウン』は、どのような番組なのだろうか? そして、番組の仕掛け人である演出家・藤井健太郎の素顔とは? DVD6巻「ドッキリSP!」、7巻「松野明美SP!」巻発売記念のスペシャルインタビュー! *** ――小峠さんとアントニーさん……ちょっと不思議な組み合わせですね。 マテンロウ・アントニー(以下、アントニー) 小峠さんとは以前、別の番組で、一緒にずっとドミノ並べてましたよね。 バイきんぐ・小峠英二(以下、小峠) 丸2日間泊まり込みでね。最下層のロケだね。 アントニー 最下層(笑)。もう二度とやりたくない。スタッフさんに「アントニーは手も指もデカくて(こういうのが)苦手なのわかっててオファーしてるから。たくさん先輩に迷惑かけるところ見たいんだよ」って言われて……。本当につらかったです。 小峠 実際、迷惑かけたしね(笑)。最後のほうは、みんな「またアントニーかよ!」ってなってたし。 アントニー 思い出しただけでも胃が痛くなります。夢も、ずっとドミノでしたもん。 小峠 あの後は、しばらくみんなドミノの夢見てたらしいよ。 ――そのドミノのロケに比べたら、『水曜日のダウンタウン』の企画は、だいぶ優しい……? アントニー ジャンルが違いますね。また違うエグさが。こんなこと言ったらあれですけど「いま一番好きな番組が『水曜日のダウンタウン』」っていう人、性格悪そうですよね。 小峠 ちょっと信用できないね。 ――一体全体、ほかの番組と、どういうところが違うのでしょうか? 『水曜日のダウンタウン』は。 小峠 よくもまぁ、こんなに変なこと考えつくよなって思いますね。企画会議とか、どうなってるんだろう? たぶん、めちゃくちゃ出してると思うんですよ、ネタを。それを削って削って残った……って感じじゃないですか? とんでもないアイデアが飛び交ってると思う。 アントニー ボツになった案、見てみたいですよね(笑)。 小峠 「それはマジで死んじゃうね」「あぁ、死ぬね」みたいなやつがあると思うよ。 アントニー 死んじゃうからボツ(笑)。 ――めちゃくちゃオーソドックスなネタも、ボツになってそうですね。「いやいや、こっちでよかったんじゃ……」っていう。 アントニー 「自分の家を開けたら人がいる」(※「『開けたら人がいる』が結局一番怖い説」)って、相当ギリギリだと思うんですよ(笑)。 小峠 カメラ回ってなかったら、普通に犯罪だからね。 アントニー 芸人だったら何やってもいいと思っているのか、とにかくダメですよ。またいつかあるんじゃないかと思うと、おちおち寝てもいられない。AVも見られない。自分の家が自分の家じゃないみたい。住み心地がすごく悪くなりました。
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――テレビのドッキリをかなりの数こなされているお2人でも、やっぱり慣れませんか? アントニー というか、普通の番組のドッキリとは全然違うので。 小峠 異質だね。予告ドッキリとか。「ドッキリをやります」ってことだけ知らせておいて、後で答え合わせをするという。そんなの、見たことも聞いたこともない。斬新な切り口ですよ。 アントニー 『有吉弘行のドッ喜利王』(TBS系)って覚えてます? 藤井(健太郎)さん演出の。自分が大喜利で答えた現象が、後日、本当に起きるというドッキリ。あれとか無茶苦茶ですよ。 小峠 あれ、何やられたの? アントニー 僕は「タクシーに知らない黒人が乗ってくる」(笑)。小峠さんはアレですよね。かみつかれて……。 小峠 そう、「病院で看護師さんがかみついて採血する」(笑)。 アントニー あと、これはドッキリじゃないですけど、やっぱり松野明美さんシリーズはすごい。DVD7巻の「松野明美SP!」に収められているやつ。「未来の自分からの電話信じてるやつ」(※「松野明美、何でも信じる説」)とか、たまらなかった。マジで、日本一ピュアな人なんじゃないですか? 小峠 この前やった、「足に鉄球つけられたことある日本人まだギリいる説」っていうのも、はっきり言って「何それ?」だよね。それを「おお!」と思う? 足に鉄球つけてるやつ「おお!」って思う? アントニー なんないっすね(笑)。 小峠 なんて言ったらいいかな、そう言われればそんなこともあったな、映画のワンシーンで見たことあったなレベルのものを、あんだけ広げるっていうのは……すごいよね。 アントニー 誰が最初にその企画を口にするのか(笑)。マジで勇気要りますよね。「何言ってんの?」ってなりますよね、普通。 小峠 「足に鉄球つけてる人なんですけど……」とか言うわけでしょ。会議とかで(笑)。『クイズ☆タレント名鑑』(同)の松島トモ子さんとかもそう。よく掘り起こしてきたなと思いますよ。よく思いついたな、そのキャスティングっていう(笑)。 アントニー あと、『水曜日のダウンタウン』はタブーに触れることが多い。僕、これは完全にタブーだと思ったのが「事故物件に霊媒師を集めてどんな事故があったか当てる」(※「事故物件 霊能者なら部屋に入るだけで何があったか分かる説」)っていうやつ。 小峠 あったね~。 アントニー 呼ぶまではいいんですよ。それ、全部外すんですよ。ダメでしょ、その人たち、仕事なくなっちゃうでしょ(笑)。面白かったですけど、外したときの霊媒師さんたちの表情が忘れられない。自信満々で「首吊りです」って答えて、正解が「病死」とか。 小峠 俺はね、意外と食べる企画が多くて。相方と2人で、西村は食べ続ける、俺は食べられないっていう企画とか。あと食べ物に名前が入っている有名人と会えばそれが食べられる、それ以外は食べられないっていうやつ。もう、わけがわからない。サンドウィッチマンだったらいいですけど、メイプル超合金でメイプルシロップもらってもね……。 アントニー 結局、どっちが勝ったんでしたっけ? 小峠 あれは俺(食べないほう)が勝った(笑)。最初はスゲェ腹減るんだけど、途中からさ、平気になるんだよね。腹減ったという感覚が底までくると、そこから何も感じなくなる。俺はそれを「空腹の向こう側」と呼んでいる。 アントニー 空腹の向こう側(笑)。
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――『水曜日のダウンタウン』の影響力って、感じますか? アントニー 街中で、ちょっとヤバそうな人に声かけられるようになりました。キャップを目深にかぶってマスクして若干前かがみで歩いている人から、ものすごいちっちゃい声で「……『水曜日のダウンタウン』見てます」って(笑)。支持層が独特……。 小峠 周りの人からしたら、ヤベェやつがヤベェやつに声かけてるように見えるだろうね(笑)。俺はプレゼンテーターのほうで呼んでもらうことも多いんですけど、出るたびに松本(人志)さんが、俺のことを「ちんちん」「ちんちん」言うから、一時期「ちんちん」のウィキペディアに名前載ってたんですよ(笑)。 ――ちんちんのウィキペディア!! 小峠 俺、衝撃のあまりスクショしたよ。ほら。 ――……これ「あなたの探しているちんちんはどれですか?」のページですよね(笑)。 アントニー だから「ウィキペディアを編集する人たち」っていうのが、この番組を見ている層なんですよ。 小峠 まずさ、ちんちんのウィキペディアを探そうっていう時点でイカれてる(笑)。結構面倒くさい作業をしてまで、俺の名前をちんちんのページに載せたい。そんな人たちに支持されている番組ということですね。 ――視聴者が、作り手に引っ張られている(笑)。 小峠 スタジオ行くと、藤井さんがいるわけじゃないですか。何考えてるかわからない目ぇしてるもんな。 アントニー 不気味ですよね。『DEATH NOTE』のLと同じ目をしてる。 小峠 めちゃくちゃ笑うわけでもなく。叩けばなんか出るだろう、あの人(笑)。 アントニー さらに、そこにダウンタウンさんがいらっしゃるわけで。結局、藤井さんがダウンタウンさんをバックにつけて好き勝手やってるっていう構図ですよね。 小峠 確かにね(笑)。まぁでも、結局、芸人冥利に尽きるというか、やっぱりそうやって面白い、斬新なお笑いの企画に参加させていただけるっていうのは名誉なことだよね。 アントニー あんまり自分の努力や能力に限らず面白くしてもらえるので、僕は結構ありがたい。 小峠 ありがたいよね。ポテンシャル以上のものを引き出してもらえるもん。 ――最後に、『水曜日のダウンタウン』には、どんな芸人さんが向いていると思いますか? アントニー それはアレです。丸坊主の芸人(笑)。 小峠 あばれる君、クロちゃん、アントニー、俺……なぜかハゲが多い。 アントニー これはもう、藤井さんの趣味嗜好でしょう。 小峠 あんだけの奇才なのに、「ハゲ=面白い」っていうベタな方程式が、どっかにあるんだろうね(笑)。スーパーベタな。 (取材・文=西澤千央)
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『水曜日のダウンタウン6』
●DVD『水曜日のダウンタウン6』 <ドッキリSP!>どっきりかけられ王、バイきんぐ・小峠英二が大活躍!? ・2014年一番ドッキリにかけられたの俺説 ・2015年一番ドッキリにかけられたの俺説 ・どんなにバレバレのダメドッキリでも芸人ならつい乗っかっちゃう説 ・「お会計はもう頂いております」のやつ、毎食続いたらめちゃくちゃ怖い説 ・逆ドッキリ、逆逆逆くらいまでいくと疑心暗鬼になる説 ・「開けたら人がいる」が結局一番怖い説 【未公開】バイきんぐ小峠への予告ドッキリ未公開集
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『水曜日のダウンタウン7』
●DVD『水曜日のダウンタウン7』 <松野明美SP!>女王、松野明美を超える仕掛け人はいるのか? ・アスリートが仕掛け人のドッキリ、大根すぎて逆に面白いんじゃないか説 ・松野明美を超える大根などいない説 ・有名人の身内、気をつけないと悪いモノマネ芸人にオレオレ詐欺で騙される説 ・モノマネオレオレ電話 第2弾 ・松野明美、何でも信じる説 【未公開】ガチっぷりが伝わる松野明美のオフショット 価格 2,700円(税込) 発売元 TBS/よしもとアール・アンド・シー

「切り身を投げようよ、ファンの人に」アイドルグループ・つりビット“世界を釣り上げる”日がやってきた!

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 TBS系『櫻井・有吉THE夜会』で、俳優の山田孝之もおすすめするアイドルとして、業界内外から注目されるアイドルグループがいる。  そのアイドルは、2012年に結成された、“釣り”をテーマにしたアイドルグループ「つりビット」。山下達郎の「踊ろよ、フィッシュ」をカバーするなど、個性的な展開を見せる彼女たちは、来る2月26日に赤坂ブリッツでワンマンライブ「赤坂サカナ!~みんなで釣ろう赤坂BLITZ~」を控えている。  すでにチケットは完売。“いつか世界を釣り上げます!”をキャッチフレーズに掲げる彼女たちに、話を聞いてみた。 ――結成当時から伺っていきたいんですけど、そのときは、みなさんおいくつでしたか? 長谷川瑞(以下、長谷川) 私が中3で。 安藤咲桜(以下、安藤) 聞間、竹内、安藤が小6で、小西が小5です。
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竹内夏紀(なっちゃん)
――お互いの第一印象ってあります? 安藤 すごい覚えてる(笑)。なつ(竹内夏紀)は、茶色いランドセル背負っていたんですよ。 長谷川 茶色いランドセル(笑)。 安藤 その時点で、「あ、一軍だ」と思って(笑)。もう、怖くて怖くて。 竹内夏紀(以下、竹内) いやいや、そんなそんな。 長谷川 私、オーディションの時に、私の次がなつだったんですよ。それで、なつが私のオーディションのずっと見てて。で、茶色いランドセルで。「最近の小学生……すげえ!」って思って。
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安藤咲桜(さくちん)
――では、順番に、安藤さんの第一印象はどんな感じでしたか? 聞間彩(以下、聞間) すごいおとなしそうだった。 長谷川 顔合わせのときにさ、「なにか質問ありますか?」ってプロデューサーさんに言われて、一人だけ手を挙げて質問してたんですよ。だから、積極的だなあって思って。 聞間 私も思った。それ、記憶にある。 安藤 なんか言ったっけ? 覚えてない(笑)。 長谷川 なんか言ってたんだよ。みんな挙げないで「ないです」って感じだったのに、「はぁい!」って。 安藤 空気読めない人じゃん、それ(笑)。
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聞間彩(ちゃんあや)
――聞間さんの印象、どうでした? 竹内 GAPのパーカー着てたイメージしかないんだけど(笑)。 長谷川 そうそう! 聞間 ちょうど、顔合わせのちょっと前にGAPのパーカーを買ってもらって、新しいから気合入れて、これ着ていこうって思って。 長谷川 “GAPの子”であやちゃんのこと、覚えちゃったから私。みんなの名前覚えるときに、“GAPあや”って書いて(笑)。
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長谷川瑞(みーちゃん)
――続いて、長谷川さん。 安藤 一番年下かと思ったんです。 聞間 声が高くてびっくりした! 竹内 私、こんな声の高い人が人類にいるんだと思って。 長谷川 ひどいよ〜人類だよ〜! ずっとこんなだよねえ。
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小西杏優(あゆたん)
――小西さんの第一印象はどうでしたか? 最年少ということですけど。 聞間 なんか、ミニーちゃんのセットアップ?着てたよね(笑) 小西杏優(以下、小西) 恥ずかしいんで、やめてください(笑)。 聞間 水玉の。この子、ミニーマウスなのかなって。 安藤 すごいハキハキしてたから、滑舌もすごいよくて。笑顔もぱあってしてたから。すごい慣れてる子なんだなって。
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――その後、レッスンが始まるんですよね。 小西 ストレッチをしたり、それこそAKBさんの曲とかを使って、違う振り付けをつけてもらって、練習とかしましたね。ダンスやってない子もいたんで、ストレッチとかはやったよね。 安藤 そのころはまだ、打ち解けてなくて。休憩時間も、みんな無言でお水飲んでいるみたいな。 長谷川 みんな人見知りなんで、もうね、全然ね。 ――打ち解けるきっかけってなんだったんですか? 竹内 交換日記をはじめたんですよ。「最終手段だ!」みたいな。言えないことは書けたりするし、紙面で。 聞間 あと、あれやらなかった?プロフィールの渡し合いっこみたいなの。 長谷川 した! 書いたよね。 安藤 懐かしい。今あるのかな? 竹内 あるんじゃない? ――デビュー曲「真夏の天体観測」が、2013年7月に発売されます。 安藤 代表曲になってますし。つりビットといえば、盛り上がる曲といえば、この曲ってなっているので。本当に大事な曲です。 長谷川 いろんな方が、この曲は聞いたことがあるって言ってくださって。対バンとかでやるとね、「おー!」ってなってくれるんですよ。爽やかなんですけど、私たちの年齢からすると、ちょっと背伸びした歌詞になっているので、それを私たちが歌うってことで、その年のころにしかできなかった感じ? 雰囲気? が楽曲の中に込められているのかなって思って。今歌ってもそれは出ないもんね。 安藤 出ない。「ロマンスを閉じ込めて」ってなんだろうって。 長谷川 でも、今はまた別の意味で、意味がわかった上で歌えるよね。 ――アイドルさんって、再録とかすると声が変わっているって言いますよね。 安藤 そうなんです! 長谷川 全然違うよね。「真夏の天体観測」は、再録したよね、前。 安藤 アルバムの時にアレンジしたバージョンを録ったんですけど、聞き比べると声が。 聞間 低くなったよね、まず。 長谷川 若さが違う。フレッシュさがどこかへ行ってしまった!
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――これまで出演したライブで、印象的だったことはありますか? 長谷川 はじめてのワンマン(2014年6月14日)が、正直ボロボロだったんですよ。結構怒られちゃって、終わった後に。自分たちは満足しちゃっていたんですけど。「はじめてのワンマンよくできたな」って思っていて。でもやっぱり、客観的に見るとそうじゃないというのをそこで知れて。パフォーマンスしっかりしなきゃって、すごい印象に残ってます。 ――逆に、よくできたなって思えるライブはありますか? 聞間 こぶしファクトリーさんとの2マンライブ(2016年3月15日)をさせていただいた時に、ちょうどレコード大賞新人賞にこぶしファクトリーさんが選ばれてて、すごい方たちなんだなって。それで、みんな気合が入ってたというか、負けられないねって。こんなに頑張ったことなかったなって思えるぐらい一致団結して、パフォーマンスは、自分たちで言うのはあれなんですけど、本当にいいパフォーマンスできたのかなって思いましたね。終わったあとの握手会でも、ファンの方から「今日、本当かっこよかった」って言ってもらえて、すごいうれしくて印象に残ってます。 ――つりビットは、“かっこいい”と“かわいい”だと、どちらがうれしいですか? 安藤 “かっこいい”は言われたことないなあ(笑)。かっこいいパフォーマンス……したいね。 長谷川 かっこいいパフォーマンスしたいなあ。 安藤 かわいい曲が多いからね。 ――本人たちとしては、どちらを目指しているんでしょう? 竹内 「おもしろい」かな! 長谷川 私たちは、アイドルらしい曲と釣りやお魚をテーマにしたはっちゃけた曲みたいなのが2つあって楽しめるから、「楽しい」「おもしろい」って思ってくれたほうがね、うれしいよね。 竹内 総合的に評価してもらえると嬉しいです。「楽しい」とか「おもしろい」とか。 安藤 全然「かわいい」じゃないからね、もう年がね(笑)。 竹内 私たちよりも若いアイドル、いっぱいいるからね、今ね。 ――今回、赤坂ブリッツに向けて、動画をツイッターに上げていますよね。部活みたいだなと思って。どんなことをやっていますか? 安藤 やってますね。レッスン場を飛び出して、近くの公園まで走って、階段昇り降りしたりとか、公園で腕立てやったり、スクワットやったりとか。 ――アイドルになる時、そういう部活みたいなことをするって思ってました? 長谷川 なんか、ニコニコして歌って踊ってっていうのがアイドルだと思ってたから、裏でこんなに厳しいことたくさんあると思ってなくて。最初のころはね、やばかったよね。 安藤 私、運動音痴なんですよ、だから、その分みんなについていけないし、ダンスもできないから、覚えるのも遅いしっていうのですごい大変でした。筋肉も柔軟性もないので。ダンス未経験だったんですよ。 ――最後に、赤坂ブリッツへの意気込みを聞きたいと思います。ところで、ブリッツのステージに立ったことはありますか? 安藤 対バンライブとかではあります。 長谷川 とても大きなライブハウスだから、どうしよう!って思って。埋めるなら1,000人以上とかになっちゃうんだよね。 安藤 あやちゃんが言ってたんだっけ? いつも、赤坂でお仕事することが多くて、赤坂ブリッツを通るたびに並んでる人が多くて、「どこのアーティストさんなんだろう? 誰がライブするんだろうね」って話をしてたんですよ。それが私たちになる。だから、すごいうれしい。 長谷川 デビューライブも赤坂でやったんですよ。だから、赤坂はね、すごい思い入れのある土地なので。そこでね、憧れのブリッツでできる。 ――4年間でケタを変えて帰ってきましたね! ずばり、これからのつりビットの野望は? 長谷川 みんなで言ってるのはあるよね。夢は大きい方がいいから、いずれはドームツアーができるくらいになりたい。 安藤 世界を釣り上げなきゃいけないからね(笑)。 長谷川 じゃあ、マグロさばきますか。そこで。 安藤 じゃあさ、切り身投げようよファンの人に。 聞間 くさいくさい(笑)。 安藤 マグロ解体して、切り身を投げるの。それがつりビットだよ(笑)。 (取材=MC内郷丸)
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ワンマンライブ「赤坂サカナ!~みんなで釣ろう赤坂BLITZ~」 【日程】2017年2月26日(日) 【会場】赤坂BLITZ (〒107-0052 東京都港区赤坂5-3-2 赤坂サカス) 【開場/開演】 15:00 / 16:00   【入場料金】前売り 1,000円 【お問い合わせ】オデッセー 03-5444-6966(平日11:00~18:00) ●つりビット つりビットとは、釣りとビット(小さな一片や最小単位などの意)を掛け合わせた造語であり、釣りというレジャー&スポーツに打ち込むこ とを誓った少女たちで構成されるアイドルユニット。2013年5月デビュー。前作『Chuしたい』はオリコンウィークリーランキングで5位にランクイン!最近ではTBS「櫻井・有吉THE夜会」に出演するなど、今注目の歌って釣りもする王道アイドルユニットです! オフィシャルwebサイト:http://www.tsuribit.com/ オフィシャルTwitter:@tsuri_bit