令和の時代、“女らしさ”は誰のため? 「VERY」の掲げる「ママこそリボン」「ママこそ女っぽい」に萎える

 子育て女性向け雑誌「VERY」(光文社)9月号が8月6日に発売されました。命の危機さえ感じる猛烈な暑さが続く毎日ですが、今号ではさっそく秋向けファッションも紹介されていますね。コロナ渦のなか、「VERY」はどんな内容を展開しているのか、チェックしてきましょう。

<トピックス>
◎今月の“いい妻”みっこ
◎子だくさんママが、女っぽい理由
◎11人ママカリスマ助産師HISAKOさんってどんな人?PART2 ママはもっとキレていきましょう!

Tシャツとインテリアでのろけるみっこ

 今号で5回目となるカバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ」。前半は矢野の“Tシャツ大好き”エピソード、後半は矢野家のインテリア事情について明かされますが、内容は相変わらず薄い。

 「私は大のTシャツ好き(ハート)なので旦那さんとの休日デートでもかなり出番の多いアイテムです」と話したり、「インテリアに関しては、100対0で私が選びます!(中略)旦那さんからNGと言われたことはほぼないです。諦められているのかもしれませんが……」「自分の好きなものに囲まれて生活するようになったら、家にいる時間が増えました」といった具合です。

 自宅のインテリアについて語るなら、近況報告がてら、ステイホームやおうち時間の過ごし方にも言及すると思ったのですが、見事にスルー。ひょっとして彼女は新型コロナのない異世界にでも住んでいるのでしょうか。なお、写真で紹介されているのは千駄ヶ谷で購入したオーダー家具だというドレッサーのみで、自宅のインテリアを拝むことはできません。「気になる人はYouTubeチャンネルまで見にきてね」ということ……?

“子だくさんママ”から“女らしさ”を学ぶ?

 続いて、タイトルからして違和感を覚えてしまった「子だくさんママが、女っぽい理由」。「子育てに奮闘しているとついつい女らしさが欠けてしまう……そんな思いを抱えているママも多いのでは? 同じように子育てに追われているのに決して女っぽさを忘れない、子だくさんママの女っぽさの秘訣を探りました」とのことですが、令和に突入しても「女っぽい」「女らしさ」という表現を多用していることに、まず驚きます。子持ちの女性向けファッション誌とはいえ、“ママだって女”“母親だからって女らしさを忘れちゃダメ”と煽っているようで、萎えます。

 内容はというと、“子だくさんママ”たちのファッションコーデや愛用アイテムの紹介ですが、「先輩ママたちの間でも浮かずに安心できるベーシックカラーがお守り」「ママこそ白! ママこそリボン(ハート)」「スカートを穿くだけで思考も女性らしくなれる」など、コンサバな言葉が並んでいるのみ。「VERY」の他企画でもよくある言葉ばかりで、“子だくさんママ”に特化した意味をあまり感じられないのです。

 ちなみに、関東・関西、合計で8人の“子だくさんママ”が登場しますが、子どもの人数はなぜか全員3人。子どもが4人以上のママは1人も登場しませんでした。

 今号ではもう一つ、“子だくさんママ”にまつわる企画「11人ママカリスマ助産師HISAKOさんってどんな人?」が用意されていました。11児の母で助産院を営む46歳のHISAKOさん。目下12人目の子を妊娠中だそうです。テレビに登場する大家族の母親って、竹を割ったような性格の人が多い気がしますが(少なくとも表向きには)、HISAKOさんも、やっぱりサバサバ系の印象。読者が抱える“子育てのモヤモヤ”に快刀乱麻を断つように回答しています。

 例えば、昨今の風潮「褒めて育てる」にモヤモヤするという相談には、「褒めたいなと思ったら思いっきり褒めてあげればいいし、褒めたくなかったらその感情を伝えたらいいと思います。(中略)褒めるにしても怒るにしても、努力しなければできないことをやっていると、それがぜ~んぶ子どもに伝わります」「お母さんは頑張らず自然体で、毎日子どもの健康と笑顔を願っているだけで十分です」とコメント。

 トイレトレーニングには、「11人子どもを育ててきましたが、一度もトイレトレーニングをしたことがありません。どうやったかというと、待つだけ(笑)」。子ども3人を育てているが波長が合わず苦手な子がいるという相談には、「私も合わない子、いますよ」。昔は合わない子が苦手だったが、今は合わない子のほうが「断然面白い」、「子どもとママは違う人間。自分の価値観を押し付けず、その子の意外性や個性を楽しむくらいの気持ちで接したらどうかな~」。 

 なるほど、HISAKOさんの回答に「間違い」はないのですが、子育て中の身としては微妙に納得がいかないというか、それこそ“モヤモヤ”するんですよね。一言でいうと、泥臭さがない。子育てをしていると、「我が子にこう接したい」のに時間や心に余裕がなくて実践できなかったり、思わぬところで自分の本音やドロドロした感情を自覚させられたり、ジレンマやどうしようもなさを感じる場面が生じると思うのですが、HISAKOさんのポジティブな回答からは陰が感じられない。子育てで落ち込んでいる時には、読みたくないかも。

 あまり役に立ちそうにない企画をクローズアップしましたが、一方で今号の「VERY」には、「コロナ禍の2学期、気をつけたい子どもの心」「お金に弱い女子が可愛いなんて誰が決めた?」など、実生活に役立ちそうな知識や情報を得られる企画もありました。分厚い雑誌だけあって、玉石混交です。

「VERY」子育てに「信念」持つな、英才教育は「子どもを苦しめる」!? 令和の“子育て”論に衝撃

 5月7日に発売された「VERY」(光文社)は6月・7月合併号。分厚い雑誌で有名な「VERY」ですが、5月号よりページ数はやや少なく(それでも十分分厚い)、内容が変更になった企画もあるとか。一方で「変更できなかった」企画もあるとのことで、新型コロナウイルスの影響がファッション誌にも及んでいるわけですね。

<トピックス>
◎シェリーの「これってママギャップ?」
◎元自衛隊メンタル教官・下園壮太さんに訊く アフター・コロナの子どもたちへ 我慢させない・頑張らせない 逆転の子育て戦略
◎今月の“いい妻”みっこ(ハート)

子どもとのおうち時間についてぶっちゃけるSHELLY

 タレント・SHELLYによる連載コラム「これってママギャップ?」。SHELLYの子どもは4歳長女と1歳次女。昨年11月、夫との離婚を発表しています。外出自粛が続く昨今。SHELLYのコラムも「本当に本当に大変ですよね」の嘆きから始まります。4歳長女には「毎日ドアノブを拭く係」をしてもらっているといい、コロナについて説明したら「娘も責任重大だと思っているみたいで一生懸命」とのこと。うわぁ、頭が下がります。

 冒頭だけ読むと“意識高い系”にも感じます。しかしその後は、階下の方に子どもの足音で注意されたりもして、「正直すごくストレスが溜まっています(苦笑)」とぶっちゃけるなど、「おうち時間」やら「ステイホーム」の渦中にぶちこまれた親たちの心労を代弁するような言葉が続きます。

 SNSで、ママ友の「リア充なおうち生活」を見て劣等感を抱くこともあるそうですが、SNSは「一瞬を切り取ったもの」であり、そのママはSNS投稿がストレス発散なのではないか? と冷静に思いを馳せた上で、「できない自分と比べるんではなく俯瞰して見ることが今は特に必要かな」と語ります。良くも悪くも、いつだってそばにあるSNS。だからこそ距離感が大切ですね。

 ほかにも、「大掃除のチャンス」「子どもと向き合うチャンス」という世間の声に触れながら、「でもよく考えたら子どもがいないときじゃないと家は片付かない」「子どもと外で走り回るのは好きだけど、家でお絵描きしたり折り紙をちぎるような遊びは苦手」「子どもと遊ぶのは楽しい時もあるけど、正直つまらないときだってかなりある(笑)」なども、イチ・子育て中の親として激しく同意できる言葉。だって子どもに絵本の読み聞かせするより、自分の好きな本を読むほうが楽しいですから。

 ただ一点、気になったことが。SHELLYは以前、子どもたちの父親である元夫について「一生付き合って子育てをする仲間」だと語っていました。離婚後も交流があり、週1ペースで元夫に子どもたちを預けているとも。しかし今号のコラムでは、SHELLYが子どもたちとのおうち時間に奮闘する様子が生々しく浮かび上がってくる一方で、元夫との交流については一切触れられていません。緊急事態宣言、自粛要請を重んじて、直接的な交流は控えているのでしょうか……?

 続いて、「元自衛隊メンタル教官・下園壮太さんに訊く アフター・コロナの子どもたちへ 我慢させない・頑張らせない 逆転の子育て戦略」。『令和時代の子育て戦略』(講談社)の著者で、陸上自衛隊のメンタルヘルス教育を務めた経験のある下園壮太氏へのインタビュー記事なのですが、これが衝撃的かつ興味深い内容で、パンチが効いています!

 下園氏は、「頑張らせる」「我慢させる」子育てをすることは危険であると、今の子育て世代に警笛を鳴らします。

 なぜならAI技術の発達によって、今の子どもたちは2割しかやりがいのある仕事に就けず、8割はマックジョブ(難易度も低く、やりがいもない、給料も低い仕事)になる可能性があるとのこと。「大多数なので自分の子どももそうなると思っていた方がいい」「2割を目指して英才教育を施すのは良いですが、一歩間違えると、それが余計に子どもを苦しめる」と、「VERY」読者の希望を容赦なく打ち砕いていきます。令和は「比較地獄」で「自分の理想や他人と比較して挫折を味わい続ける」とも……。

 下園氏によると、令和で幸せになれるは、「身の丈に合った人生」「自己満足が上手な人」で、好きなことに没頭できる「今でいうオタクのような存在」。だから親はなるべくこだわらず、最低限の躾は必要でも、子育てに「信念」や「自分の価値観」を持ち込まず、子どもに「好きなことをさせましょう」と語ります。そして、2割しか就けない“やりがいのある仕事”には楽しさ・美しさを追求する「感性」が求められるそう。令和は「感性・欲求」の時代だといい、そのような仕事に就けずとも「自分の気持ちを大切にできないと幸せになりにくい」。であれば、「我慢」「頑張る」は、これからの時代にはマッチしないということでしょう。

 これまでの子育ての“常識”を覆すような下園氏の「子育て戦略」インタビュー。「VERY」読者たちは、どのように受け止めたのでしょうか。子どもは親の教育のみで育つわけでなく、学校などでは「我慢できる人」が求められたりもするのが、難しいところです。

 なお、カバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」では、おうち時間が増えたという矢野が、「後回しにしてきたことや、自分を見つめ直す時間を持ち、家にいても心身をできるだけ充実させ、穏やかな気持ちで過ごせたらいいなぁと思っています」なんてのろけていますが、これもまた「VERY」読者への挑戦でしょうか? おうち時間が増えたところで家事・育児・仕事に追われ、「自分を見つめ直す時間」を持てず、「充実させる」「穏やかな気持ちで過ごす」なんて無理無理無理! な読者も少なくないのでは……。

「VERY」出産と女性へのメッセージを台無しにする、「ママになれた瞬間」企画の息苦しさ

 新型コロナウイルス一辺倒の世の中でも律儀に発行されるファッション誌。子育て中の女性をメインターゲットに置く「VERY」(光文社)も例外ではなく、発売されたばかりの5月号では、春のファッションをがっつり紹介しています。相変わらず広告量も多いのですが、目に留まったのはオンラインショップ「ロコンド」のページ。「子どもはもちろんママにとっても運動会は晴れ舞台!この日のためにいろいろ準備したい」との言葉に、端的に言って「怖い」と感じました。運動会は親のためにあるわけではない、のでは……?

<トピック>
◎吉川トリコさんにきく 令和のいま、女であること
◎私がママになれた、あの瞬間。
◎今月の“いい妻”みっこ

吉川トリコ氏、女性たちへ「今の自分を否定しないで」

 前置きが長くなってしまいましたが、今号の「VERY」では、ファッション企画よりも読み物ページが印象的です。

 「吉川トリコさんにきく 令和のいま、女であること」は、『マリー・アントワネットの日記』シリーズ(新潮社)の著者・吉川トリコ氏へのインタビュー。吉川氏は、Webマガジン「考える人」にて連載中のエッセイ「おんなのじかん」で、自らの不妊治療体験を明かしています。

 インタビューで吉川氏は、不妊治療がアンタッチャブルになっていること、毒親問題(マリー・アントワネットの母・マリアテレジアは娘への手紙に「妻たるもの夫に付き従え」「いつまでも可愛らしく愛される存在でいろ」と書いていた)に触れ、さらには、今もなお、この国には「子どもは早くたくさん産むのがよし」という風潮があると、とても的確に言及します。

「子どもを産むタイミングには、年齢や他の条件も関わってくるので、早いうちの情報収集をしておくに越したことはないと思います。でも、子どもが欲しいと思わない人も、欲しかったけれど授からなかった人も、今の自分を否定しないでほしい。この国は、表面だけ近代化しているように見せかけて、一皮剥いたら精神論やら家父長制やらでなんでも押し通そうとする『マジやばい後進国』なので、周囲からの価値観の押し付けにはどうか惑わされないでほしいです」

 「VERY」読者たちの中にも、「子どもは早くたくさん産むのがよし」の風潮に苦しめられた、あるいは今も苦しめられている人がいるかもしれません。妊娠や出産や育児にまつわる知識や情報は持っておくべきだと思いますが、実際にどうしたいのか、どうするのかは自分が決めればいい。それなのに、「子どもがいないなんてかわいそう」「少子化問題に貢献していない」などと勝手に後ろ指を指したがる人間も世の中にはいます。

 保守的な土地柄で育ったという吉川氏は、インタビューの最後、自身が10〜20代の頃は「このまま妊娠して結婚してもいいや」という少し投げやりな空気感があった(女は仕事でキャリアを積めないというあきらめによるもの)と振り返った後、「今、10代の女の子たちには、抜け出すチャンスがないなんて思わないで、と小説やエッセイを通して伝え続けたいと思います」と語ります。そのメッセージには心強いものを感じました。

 吉川氏のインタビューから数ページ進んだ先にある企画「私がママになれた、あの瞬間。」を見てみましょう。リードには、「出産した瞬間から『ママ』の肩書を授けられるのに、なかなか自分の気持ちがそれについていかない……。そんなギャップを感じている人は意外と多いようです。『ママ』になるってどういうこと?」との説明があり、実際に0~4歳の子を持つ読者たちの“ママになれた瞬間”エピソードが紹介されています。

 独身時代は面白いと思わなかった『はじめてのおつかい』(日本テレビ系)を見て毎回号泣、2歳娘からの「ママごはんおいしかったありがとう」に泣けた、自分が抱っこするとピタッと泣きやんだ、目に映る全ての子どもが可愛いと思える、一人時間に子ども服を買い漁った、などなど。

 登場するママたちのエピソードや気持ちを否定するつもりはありませんが、ただ、これらのエピソードって“ママになれたあの瞬間”という言葉でしか表現できないものなのでしょうか? 同じようなエピソードや気持ちを持つ“パパ”がいても、おかしくないのでは? という疑問も湧きます。

 筆者(5歳児の母)も出産後、感傷的になることはあったし、出産前と考え方が変化した部分もあるように思います。ただ、それらが “ママになれたあの瞬間”だったかというと、正直よくわかりません。そもそも“ママになれたあの瞬間”なるものが自分にあったのかどうかも、あやふやです。

 小児科で「お母さん」と呼ばれ、「ああやっぱそういうふうに呼ばれるんだ」と思ったことは覚えているけど、それは “ママになれたあの瞬間”というわけではないような……。子どもが不慮の事故で亡くなったニュースに悲しみを感じ、「もし自分の子だったら」と考えてゾッとするようになったけど、そのことを“パパ”になった男友達に話したらめちゃくちゃ共感されたから、“ママ”限定の話ではなさそう……。

 と、こんな具合です。産んだら育てるしかないですし、365日顔を合わせるので、我が子に対する“責任”や“愛着”はありますが……。

 3名の有識者たち(宋美玄氏、黒川伊保子氏、Lily氏)による、それぞれの見解も紹介されています。見出しの「産んだその日から、すぐにママになれるなんて幻想です!」という言葉に安心感を覚える読者もいるでしょう。しかし、3名の見解を読んでいくと、むしろ息苦しさを感じる人もいるのでは? と不安がよぎります。

 例えば、産婦人科医の宋氏は「一人で背負いこまず父親としっかり分担し、『母親』以外の自分の顔も大切にして、気楽に育児してくださいね。いつか『私もお母さんになったなあ』と思える日は必ず来ますので」と語ります。無論、一人で背負い込まず気楽に育児ができるのはいいことでしょう(それが可能な環境の人ばかりではありませんが)。しかし、「母親」の肩書に気持ちがついていけず苦悩している人にとっては、「必ず来ます」と言われても気が遠くなりそうな……? 

 大前提として、「『私もお母さんになったなあ』と思える日」、すなわち“ママになれた、あの瞬間”は、育児に必要不可欠なものなのでしょうか? そんな疑問が拭えませんでした。

 さて、「VERY」では先月号から、カバーモデル・矢野未希子による連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」がスタート。夫との出会いと馴れ初めがつらつら綴られているという、読み応えのないエピソードに終始した先月号と同様、今号もまた、夫から2度プロポーズをもらったというエピソードがつらつら。期待を上回るほどのどうでもよさに、逆に衝撃を受けました。
(中崎亜衣)

「VERY」教育虐待・不妊を語るウラで、カバーモデル・矢野未希子の“いい妻”連載がツラすぎる!

 今年で創刊25周年となる「VERY」(光文社)。25年といえば四半世紀ですから、今や創刊当時の読者の娘たちが、「VERY」の読者世代に突入していることでしょう。子育て中の女性をメインターゲットに置く「VERY」は、とにかく分厚い雑誌です。ファッション、ヘアメイク、仕事・育児・家事、夫婦関係……。「VERY」でクローズアップされるテーマは多岐に渡っており、現代の子育て女性のありとあらゆる関心ごと、全てを対象にしているのかもしれません。そんな「VERY」4月号を見ていきます!

<トピックス>
◎選びひとつで、楽にも自由にもなれちゃう! 最近、オシャレは“バッグ頼み”な私たち
◎受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?/シンマイさんと学ぶVERY世代と卵子凍結
◎今月の“いい妻”みっこ

自由どころか不自由しかない!?

 今号の大特集は「選びひとつで、楽にも自由にもなれちゃう! 最近、オシャレは“バッグ頼み”な私たち」。ママが“楽”や“自由”、そして“オシャレ”になるための必需アイテムとして、バッグが列挙されています。

 育児中のママにとってバッグ選びが重要という点に異論はありませんが、「VERY」では、“楽”とか“自由”と謳っているわりに、他人から「どう見えるか」をかなり意識していて、読んでいるとむしろ“不自由”が感じられるのです。顕著なのが「Part2 カジュアルすぎず、主張しすぎず、ちょうどいいラインが知りたい! コンサバ園ママのための、春のはじめましてQ&A ~バッグ編~」。コンサバ園ママが抱えるであろう悩みに答える形式でバッグが紹介されていきますが、バッグひとつとて「こう見られたい!」という複雑な自意識が感じられます。

 例えば、「Q.クラスの懇談会ランチの日にオシャレするなら?」――懇親会ではとにかく話しかけやすい雰囲気が大事! 今の気分が詰まったバッグなら、コミュニケーションにつながる、と解説します。また、「Q.入園式で、悪目立ちしないきちんとバッグは?」――ブランドが前面に出たものより、等身大のかっちりバッグ。目立ちすぎず凛とした母っぽさを大事にしたいママが増えている、といった具合です。“コンサバ園ママのため”という括りも関係しているのかもしれませんが、話しかけやすく見られたい、凛とした母に見られたいと、「どう見えるか」をかなり意識しています。

 別の企画「タイプ別着映える好感度ワンピを探せ」でも、“好感度”と銘打っているだけあって、「通勤姿もドラマチックに見える」「撥刺ヘルシー見えで先生ウケよし!」など、「どう見えるか」は重大事項。ただし、「楽してきちんと見えたい産後復帰ママは」というフレーズは正直でよろしい。「VERY」はママが“楽”すること自体は推奨しているようですね。 

 どうやら「VERY」におけるファッションとは、最終的に他人に“どう見えるか”が核になっているようです。もちろん、“どう見えるか”が重要という価値観が悪いわけではないですし、実際、“どう見えるか”によって承認欲求や自己顕示欲が満たされることもあるでしょうが、それって楽で自由なのでしょうか。

 ただファッションを提示するだけではないのが「VERY」の大きな特徴で、近年は社会問題を頻繁に特集しています。今号で取り上げているのは、卵子凍結、教育虐待について。

「受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?」では“教育虐待”について、専門家からの解説とアドバイス。「子どもを周りと比較し、親としての自分にも優劣をつける考え方を変えてください」「親の期待で何かを強いるのはスタートとしては好ましくありません」といった“正しいこと”が的確に書かれています。ただ、その“正しいこと”がどうしてもできず、苦しんでいる親もいるのでは……。しかし次のページでは、教育虐待の概念を提唱した臨床心理士・武田信子氏のインタビューが掲載されており、武田氏は「教育虐待は親の責任ではなく、日本の社会や学校教育を含めたこの国の現状が原因」ときっぱり語っていて、「いいね!」を押したくなりました。

 たとえば“ほかの子と比べるのはよくない”はよく言われますが、ではなぜ親がほかの子と比べてしまうのかといえば、おそらく社会の構造や価値観とは無関係ではなく、教育虐待は親を責めるだけでは解決しない問題であることは、子育て世代が知っておくべき情報ではないでしょうか。

VERYモデルたちのノロケ連載

 「VERY」では、モデルによるコラムが複数ありますが、なかには毒にも薬にもならぬ内容も混ざっています。

 最も不可解なのは、2020年1月号から「VERY」カバーモデルを務めている矢野未希子の新連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」。夫との出会いや、付き合って1週間後に夫の髪形やファッションを自分好みにイメチェンさせたことについて、「ハート」や「(笑)」を多用しながら記されているのですが、この連載、「VERY」に必要……? 女性の生き方や子育てについて意識の高い「VERY」だけに、読み物ページで読者が求めているのは、一人の女性がさまざまな選択をしながら生きていく上で生じる迷いや葛藤、それらをどう乗り越えたか、あるいはどう折り合いをつけたかとか、生々しさや人間味、はたまた社会への問題提起を伴ったエピソードではないでしょうか。

 来月はプロポーズについて語るとのことで、「次号もお楽しみに(ハート)」と終えていますが、矢野の連載を楽しみにしている読者がどれだけいるのか、心配になった次第です。
(中崎亜衣)

「VERY」滝沢眞規子が出張回転寿司で炎上、ビッグダディはAVデビュー! 親心いろいろ

編集G もうすぐ夏休みは終わり。秋になるといよいよお受験本番ね。子どものころ勉強してなさそうでも、子どもの教育となると必死になるのが芸能人。紗栄子は子どもをイギリスのセレブ校に入寮させるために、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ社長・前澤友作氏と別れて渡英するっていうし。

しいちゃん 2015年からハワイに住んでいる梨花も、8月15日、インスタグラムでお受験を話題にしてたね。いわく「今日から現地校の新しいschoolが始まりました 2年前にHawaiiに来た時から通わせたいなって思ったところなんです でも途中色々な情報や知識が増えほんの少し迷いましたがやっぱりここが彼には合っていると」「#母ちゃん初めてのお受験モード#結構厳しくしたことありました#そのくせ私が辛くて泣いてやっぱりお受験辞めようと彼に言った時があった#そしたら僕頑張ると言った時の事母ちゃん忘れない#何故なら彼の本心ではないとわかったから#だからその時の事は忘れない#その時から彼の未来の見据え方変わりました#受験というものを通して本当に色々な事を学んだ気がした」と書き綴った梨花。

編集G ハッシュタグの使い方からしてウザめ。かつては下品&おバカキャラだった梨花が、いまやセレブな教育ママとは隔世の感があるわね。

しいちゃん 「女性自身」17年9月5日号(光文社)では、梨花の20年来の親友Aさんがコメントしてる。記事によると、梨花は以前、ハワイで一番難しい名門校を目指し、自身も完璧なママになろうとしていたそう。ところがある日、「名門校に入れたいというのは親のエゴなのかもしれない」と言って、“子ども第一”をモットーに掲げる私立校に志望校を変えたのだとか。受験のことだけ考えるため、ネイルやエステのお店にも行かないようになった、とも。

編集G 親友がベラベラしゃべってる時点で、梨花が「こういう情報を流してほしい」と希望しているのが明らかよね~。受験のことだけ考えた結果が、ネイルやエステに行かないって、そこかよ! ってウケるわ。神田うのは、長女のバイオリン合宿へヘリコプターで送っていったって報道されていたね。セレブの“親心”は庶民にはわからない!

しいちゃん “親心”といえば、「VERY」(光文社)のモデル“タキマキ”こと滝沢眞規子が炎上中。8月20日のインスタグラムで、「長女の14歳の誕生日会でいまから可愛いかわいいお友達がきます お寿司に綿菓子にたこ焼きだよ〜」「手間ひまかけず、ワイワイ楽しんでもらうのがテーマ」と、たこ焼き器や綿菓子機、大きなバルーンで飾り付けした自宅の写真を投稿。そのひとつに出張回転寿司の写真があっため、「やりすぎ」「セレブは誕生日パーティーも大変ですね。親近感は去っていく」「手間暇かけないでお金かけてどうするんですか!」「子どもの時から贅沢させてどうするの?」「中学生でこんな贅沢覚えちゃって、一生苦労するでしょうね」といった批判コメントが寄せられたの。

編集G セレブがホームパーティで板前を呼ぶって話はよく聞くけど、回転寿司も呼べるとは知らなかったわ。

しいちゃん 某有名寿司店の出張回転寿司は、基本料金(2時間、職人2名)で一般家庭1万8,000円、プラスお寿司代1人3,000円~、総額6万円以上から承るとのこと。つまり最低でも6万円以上かかってるってことね。タキマキは、その前週に家族でハワイ旅行をしていて16日に帰国したばかり。17日のインスタグラムで「楽しかった旅行から帰ってきて一夜明け。朝から和食をしっかり食べて。どんなご馳走よりも適当に自分で作ったごはんが一番いけてる。やっぱり日本って最高だな。日常が素晴らしいと確認」と書いていたばかりなのに。

編集G なんだ、出張回転寿司ってスシローが来るわけじゃないの!? 庶民風をアピールしたりセレブをアピールしたり、緩急つけるのがうまいわね。夫は、90年代に大人気だった裏原系ブランド「NEIGHBORHOOD」のデザイナー兼代表の滝沢伸介氏だよね? TOKIO・長瀬智也とも仲良しの。自宅は渋谷区富ヶ谷の高級住宅街の大豪邸。服屋ってそんなに儲かるんだね。

しいちゃん いろんな子育てがあるわけだけど、子育てのベテランといえば、バツ7、実子10人の“ビッグダディ”こと林下清志でしょ! 8月18日に都内で会見して、10月13日発売の『教えてビッグダディ!!林下清志のHow to SEX!!』でセクシービデオデビューすることを発表したよ。女優との絡みはないものの、主演・監修・脚本を務めているんだって。今は沖縄でジンギスカン店を経営しているダディは、40代のOLと1年半にわたってプラトニック恋愛中。今回の出演にあたっては彼女の許可を得たとのこと。出演理由について「週刊ポスト」17年9月1日号(小学館)で、「これまでは男優として出演してほしいとか、俺のテクを披露しろだとか、そんな依頼がほとんど。けどマンコがどうしたら気持ち良くなるかみたいな情報は世の中に溢れてるし、俺がやってもしょうがない。今回は俺の経験や実績を元に“セックスってこんなにイイもんなんだ”ってことを伝える、俺流ハウトゥーSEXの依頼だったので“これは面白そうだ”と誘いに乗った感じです」と語ってる。

編集G ダディは、実際会ってみると本当にイイ男だよ。根拠のない安心感があるね。まったく根拠はないんだけどね!

しいちゃん 8月21日放送の『バラいろダンディ』(TOKYO MX)では、コメンテーターとして出演している遠野なぎこが「ただただ気持ちが悪い。これはハンパじゃない嫌悪感を持ってます、私。このニュース開けなかったもん。全く受け付けない」とコメントしてたよ。一部報道では、AVデビューによって、06年から13年まで放送されていた『痛快!ビッグダディ』シリーズ(テレビ朝日系)の再放送は、CMスポンサーに気兼ねして難しくなるとも伝えられてる。

編集G ダディがすごいのは、定期的にこうしたくだらない話題をきちんと提供してくれることだね。子育ての原点は子作りにあり。ダディのビデオ、期待しているわ!

 

OLには許されず、ママには許される!?  「VERY」に見る“自分へのご褒美”観

<p> ここ数カ月「VERY」(光文社)の読み物ページばかりに焦点を当ててレビューを書いてきましたが、今回は、まずファッション特集に注目してみたいと思います。第1特集は、「私たちには、夕方から着る服がある!」。夏の夕暮れに一度汗を流して、服を着替えてみようと提案をしている企画です。服を着替えて、何を楽しむかといえば、「実家に子どもを預けてビールを飲む」「子どもと夏祭りに行く」「スーパーに行く」「夕方に近所のママと集合する」などなど。言うなれば、「VERY」版“なんでもない日常を楽しく生きよう”企画のようです。</p>

子育ては「観察」「トライ&エラー」!?「VERY」が、意識の高い“理系ママ”を取り上げるワケ

<p> 「意識高い系」という言葉は、日常的にネットを使う層ならば、かなりの人が知っているかと思います。自分の努力や能力、経歴、人脈を過剰に演出・アピールする人物を指す「意識高い系」は、ネット上では、ある意味皮肉のこもった言葉として使われますが、「VERY」(光文社)をはじめとする女性誌においては、決して悪いこととしては扱われません。今月の「VERY」の「理系ママに学ぶ ちょっぴり差がつく子育て新視点」という企画には、まさに“意識の高い”理系ママさんが登場していました。</p>

“頑張るママ”にモヤモヤ!? 「VERY」のスケジュール特集に感じた余裕のなさ

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「VERY」2016年5月号(光文社)

 つい先日、NHKの『あさイチ』で、「のぞいてみました!“あの人のタイムスケジュール”」という特集が放送されたのはご存じでしょうか? この日のゲストは、坂下千里子さん、そして「VERY」(光文社)モデルの滝沢眞規子さんでした。それぞれが、時間のやりくりについて答えていたのですが、滝沢さんが朝の4時45分に起きて家事を済ませ、お弁当や朝ごはんを作り、掃除もしてから7時半には家を出るというのに対し、坂下さんは調理時間2分の朝食を披露し、「朝からこんなにキビキビ動けない」「一本筋の通ったぐうたら」と等身大の発言をしていました。この放送で、主婦層からの支持を得たのは圧倒的に坂下さんだったようです。この反応を見て、滝沢さんは、「VERY」読者にはウケても、『あさイチ』視聴者にはウケないのだなと実感しました。

<トピック>
◎「WWW4W」素敵の真逆で過ごす術
◎忙しさはいろいろ!新生活ママのための、スケジュールやりくり術
◎Tシャツをキレイめに着るアイテムが欲しい!

■“ぐうたら”を説き始めた「VERY」

 今月号の「VERY」を開いてみたら、クリス‐ウェブ佳子さんのコラム「WWW4W」の冒頭に、「『オンの日とオフの日、それぞれの一日の時間割を教えてください』――そうアンケートで尋ねられるたびに、いつもこう思ってしまう。『本当に知りたい?』って」と、タイムスケジュールについての話題が上がっていました。

 クリスさんは、一応アンケートに答えようと机に向かうものも、こうしたタイムスケジュールに関して、「非の打ちどころのない時間割を目にしたところで、私には胸のざわつきしか残らない」と感じるそう。そして、「もっとこう、怠惰な誰かさんの怠惰な一日の怠惰なスケジュールが見てみたい」というのです。

 ちなみにクリスさん自身のオフの時間は、とにかくゴロゴロして、だらだら本を読んだりテレビを見て、「仕方なく着替え、仕方なく掃除と選択をし、仕方なく夕飯の支度を始める」とのこと。

 このコラムを読んで、もしもこの調子でクリスさんが『あさイチ』に出演していたら、坂下さんのように、お茶の間の主婦層からの好感度が一気に上がっていたのでは? と思わずにはいられませんでした。

 ちょっと前までの「VERY」では、こうした怠惰な1日を肯定するような内容は見当たらなかったですし、なんだかんだで「お母さんは自己犠牲で頑張っている、それでもおしゃれがしたい!」という“頑張るママの私”を肯定する切り口の企画が特集されていました。きっとその方が読者のウケがよかったのでしょうが、ここに来て「VERY」が世のママたちに「そこまで頑張らないでいいんだよ、怠惰でいいんだよ」というメッセージを発信するつもりになっているのではと感じました。もちろんこれはクリスさん個人の価値観ではありますが、そうした波が来ているのかもしれません。

■“頑張っている他人”へのモヤモヤ

 しかし、なぜ私たち(「VERY」読者も、サイゾーウーマン読者も筆者も含む)は、忙しい時間をやりくりする人を見るのがしんどくなってきたのでしょうか。その答えは、この「VERY」の「忙しさはいろいろ!新生活ママのための、スケジュールやりくり術」にあるように思えました。

 このページには、3人のママが登場して、1日の過ごし方や、スケジュールのやりくりを語っています。まず、兄妹2人を別々の学校に入れ、5つの習い事に通わせている専業主婦(もうこの説明だけでおなかいっぱいですが……)の方は、「複数の習い事を掛け持ちするのは大変ですが、子供たちが自分の好きなものを見つけるきっかけになったり、インター以外にも世界を広げてあげたい」と語ります。

 また、2年前に職場復帰してフルタイムで働くママは、旦那が保育園へお迎えにいく「パパデー」を作ったとのこと。しかし実際にやってみると、「パパデー」の日程変更をしなければいけない場合が出てきたことから、夫婦の予定を「Googleカレンダー」で調整するようにしたそうです。そのおかげで、夫婦が険悪なムードにならずに済んだというエピソードを紹介していました。

 最後に登場する、食育インストラクターとして3児のママは、忙しい中でも、「食事は家族でしっかり」「仕事は9時半から17時半まで」と優先順位を決めているそう。「私にとって一番の仕事は“お母さん”」と明確になったことで、仕事にも育児にも、前より良い距離感を持てるようになったといいます。

 彼女たちの「忙しいけれど充実している」また「そんな自分を肯定している」様子を見ると、距離を感じてしまいます。別に他人をうらやましがったり、責めたりすることはないとは思いつつも、ここまで強烈な自己肯定感を目の当たりにすると、「彼女たちが正しくて、自分は間違っている」ような気がして、劣等感を募らせてしまうこともあるのではないでしょうか。

 人それぞれ、頑張っている、苦労していることはあるはずです。余裕があれば、彼女たちのような“他人”をお手本にすることもできるのでしょう。しかし、クリスさんのコラムからも察するように、「VERY」読者ですらそういった余裕の持てない時代になりつつあるのではないでしょうか。“頑張ってる誰か”を見て勇気づけられるよりも、“頑張りすぎていない誰か”を見て共感することの方が、時代には合っているのかもしれません。
(芹沢芳子)

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