辛口コーデかオバチャンか、「HERS」が五十路の“豹柄”問題に斬り込む

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「HERS」2012年12月/光文社

 なんと、今月の「HERS」(光文社)には、「女モテ」という文字がどどーんと踊っています。先月号の萬田久子さんのニューヨーク企画でクローズアップされた、「辛口スタイル」と「女から見てカッコいい人」という要素がミックスされ、今月号の特集「増えてます!女モテ『新・辛口』族」になったようです。萬田さんもアルマーニのパンツスーツを着たり、黒のドレスを着崩したりしています。

 その後も、「『新・辛口』族が同性ウケする理由」「少年風がモテる!」「関西読者の“ピリ辛化”現象をSNAP」などと、脱・可愛い系のキーワードが躍っています。

 そもそも、「女モテ」や「同性ウケ」は、女性誌全体の傾向としてはなんら珍しくはないのですが、50代向けの「HERS」は、バブル全盛期の人々が読者なので、あくまでも雑誌にはコミュニケーションの話題よりも物欲を刺激するものを求めてきました。そのため、昨今の若い女子たちが気にするほど、「HERS」読者は女目線を気にしない傾向があり、 女の友情についての特集はあっても、「女モテ」「女ウケ」に対しては、表立って取り上げたことはなかったように思われます。この「女モテ」という時代の流れを受け入れたというのは、結構な事件です。

<トピック>
◎増えてます!女モテ「新・辛口」族
◎愛される豹柄vsお出かけ迷彩
◎「4人組」なら一生つき合える

怖い、地味、保護者会風、詫びに行く人に見える、“黒”恐怖症に陥った「HERS」

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「HERS」11月号/光文社

 突然ですが、中山美穂主演映画『新しい靴を買わなくちゃ』はご覧になられたでしょうか。バブル時代に青春を送った女性たちの「キュートな私はどこにいても歓迎されるはず」という自信と、「そうは言っても実は年齢を重ねた自分に不安も感じている」という二項対立に揺れる乙女心が沁みる映画でしたが、今月の「HERS」にも同じような構図が見えてしまいました。

<トピック>
◎ブリュッセルには「女でよかった(はーと)」が詰まってる
◎「しなやかな黒」なら負けない!
◎「細すぎないスリム」でデニムスタイルを更新しよう!

「HERS」が到達した“嫌がられても、マドンナルックがしたい”という境地

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『HERS』2012年9月号(光文社)

 先日、熟女好きを公言しているピース・綾部祐二が、30歳年上の藤田紀子さんと熱愛しているという報道が話題を呼びました。実は「HERS」(光文社)では、2カ月にわたって綾部氏との誌上デート企画を行っていたんです。この企画を読んだ読者は妄想を掻き立てられたことでしょうが、実際に熱愛が報道されると、がぜん真実味を帯びてきて、読者の気持ちはさらに盛り上がったのでは。別にこういう話って、当事者の年代の人からしたら、事実がどうこうではなくって、そういう話が出るだけでも晴れがましいことだと思うんですよね。

<トピック>
◎萬50+4ダッ(ハート)スペシャル「ひとりで立っていられる自信があります」
◎[実例]嫌がられても着たい服
◎見つけました!「風通しのいい」先取り服

フェアトレードパンツを売って優雅さを得る! 「HERS」的労働の考え方

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「HERS」2012年8月号(光文社)

 今月は「HERS世代は、今も“成長期”なんです」ということで『3年前より「今の自分」が好き!』という大特集が組まれています。50代を過ぎても、昔の自分より今の自分の方が楽しいと思えるのは、経済的だったり、身体的に恵まれているということもあるでしょうけれど、もっと言うと、やっぱりHERS世代は「いい時代に生まれた人たち」なんだなと思わされます。これが、20代だったりすると、「今よりこれからの自分が不安」と感じるのでは……。

 この特集には、萬田久子さんと浅田美代子さんの対談が掲載されているのですが、「ずっと一人でいるとね、楽チンだからずっとこのままいちゃいそうで……」と萬田さんがこの先の恋についての話題を振ったところ、浅田さんが「私たちも、聖子ちゃんみたいに歯医者通っちゃう?(笑)」と時事ネタを投入。「HERS」のお気楽ぶりが垣間見えてしまいました。

<トピック>
◎3年前より「今の自分」が好き!
◎私が「期間限定活動」をする理由
◎湯山玲子の人生相談 かる~く五十路越え!

いよいよコンサバ文化が動く? 「HERS」にも押し寄せてきた辛口の波

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「HERS」2012年7月号(光文社)

 女性誌において、モノを通して自分を語る時代は終わったと感じることが多いのですが、「HERS」はまだまだ「良いものは自分の価値を高めてくれる!」という価値観が誌面からにじみ出てきます。以前も断捨離特集かと思ったら、新しいマンションを売って古いアパートを買い直してリノベーションするという、「結局モノ捨てて新しく買い直してるだけやないかーい!」状態でしたし、今月の萬田久子さんの連載コラム「萬50+4ダッ」のページにも、ある宝石店のパーティでジュエリーを身に着けた気分を「この“ぽっ”と心が躍る気分は、ちょっと恋ににているから。恋もジュエリーも女子を美しくさせるための媚薬だもの、どっちも欲しいわよ、ね!(笑) さあ、大人の女性の皆さん、輝きを手に入れるために、頑張りましょ!」とつづられていました。ま、人の価値観なんてそう変えられるもんではありませんし、まだまだ消費にも恋愛にも積極的な「HERS」の姿勢は、毎度のことながら頼もしいかぎりです。

旅行し、消費し、夫も捨てる! 今月も「HERS」読者は天真爛漫

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「HERS」5月号(光文社)

 今売りの女性誌は5月号ですが、直前過ぎるということもあってゴールデンウィークを意識した企画はなかなかありませんよね。そんな中、「HERS」だけはさりげなく青山の地図とともに、「青山の歩き方を変えました!」という特集があったり、広告ページでもリゾートを意識したものが多かったり、またモロッコを訪れるページなどもあり、買い物したり旅行したり楽しみまくるぞ! というこの年代特有の景気の良さや欲張り感が誌面から感じられました。昔っからクリスマスなどの年中行事が大好きだった世代ですしね!

<トピックス>
◎伊勢で感動 志摩でリフレッシュ
◎さよならが喜びの始まり
◎ピース綾部が読者とデートに出かけたら

腰回りがもたない……ネガティブ起因の「HERS」ファッションページに好感

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「HERS」4月号(光文社)

 「HERS」の女性たちのパワフルさには毎月のように驚かされていますが、今月も萬田久子さんの連載「萬50+3ダッ」にも驚きのエピソードがあったのでご紹介しましょう。萬田さんは50代を中心とした大人たちが集うパーティ「クラブ・ウィルビー」に参加したそうです。そこに集まったのは、このクラブを立ち上げた本人でもある出版・イベントプロデューサーの残間里江子さんに、キャスターの安藤優子さんら。会場は熱気むんむんで、「マイクの握る人々は『日本を変えるのは、私たち世代だ!』とパワー全開。今の若いコにはない、尽きないパワーを持っている私たち。そう勝負はまだこれからです」と、萬田さんも興奮気味に書かれていました。こっちがのぼせそうなほどの元気さです。

<トピック>
◎萬50+3ダッ
◎今日は私の彼でいて(はーと)
◎堂々と『シンプル服』で行く!

古き良き時代のモテ技を語る、萬田久子及び「HERS」世代

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「HERS」3月号(光文社)

 毎回不況にあえぐ時代の空気とは無縁で、いまも右肩上がりの時代を生きているかのような「HERS」ですが、今月も萬田久子さんコラム「萬50+3ダッ」にはそんな空気が凝縮されています。

 萬田さんは、近頃あった女子会(ここで何かを言いたくなる気持ちはもう慣れっこなので抑えるとして)で、テレビやCMでスタイリングを手掛ける女性がプロデュースした和食屋に行ったそうです。その女性は京都の旅館の一人娘で、大学時代には嵐山の吉兆で修業もした後、好きなことをしたいと上京。それから30年あまりたち、子どもも成長したことだし本業の傍ら「やりたいことをやらなくちゃ!」とこの和食屋をオープンしたそう。

毎号コンサバの扱いに迷う「HERS」、"頭にグラサン"問題はどうする?

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「HERS」2月号(光文社)

 先月号では「私が華でいることが(社会への)恩返し」......と言っていた「HERS」ですが、今月号も特集で「自分を可愛がる人が美しい」と、またまた自画自賛街道まっしぐらです。

 この特集のプロローグに、「HERS」でモデルも務める伊藤明子さんのインタビューが掲載されています。伊藤さんは、2011年は知人の死、自身の母の介護や体調不良など大変なことが続き、それをきっかけに「自分に対してちょっと甘くなった」から、いろんなことがやり過ごせるようになったそうです。ところが、どう甘くなったのかと思いきや、20年休んだことのなかった自分の手掛けるセレクトショップを週に1回休むことにしたとか、週に1回思いっきり走ってテニスをしているなど、恐ろしいほどタフ。伊藤さんの60代のテニス仲間はこう言っているそうです。「今が一番自由よ!」と。「世代間格差」という言葉を知っているのかと疑いたくなるほど、口ぶりが頼もしすぎます。

<トピック>
◎「自分を可愛がる」人が美しい!
◎オシャレ読者の冬のヒットアイテム着こなし比べ
◎関西読者の「えっ?冬なのに」スタイルがカッコいい

私が「華」でいることが恩返し……「HERS」のカン違いにノーセンキュー!

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「HERS」1月号(光文社)

 20代、30代向けの雑誌を定点観測していると、どんなに華やかなページを演出していても、世相でしょうか、ふとしたところに堅実さや世知辛さを感じることが必ずあるのですが、「HERS」だけはずっと優雅。メインモデル・萬田久子の連載コラム「萬50+3ダッ」では、中田英寿が主催するチャリティーイベントが取り上げられています。そこに出てくる名前もNIGO(R)だの蜷川実花だのBoys II Menだので、今とは違う時間軸で行われているイベントもあるんだな~と。そんな中、萬田さんは、「中田さんはピッチ上より大きく見えました!」と無邪気におっしゃってますが、ふたりの2ショット、萬田さんが大きすぎてぜんぜん中田氏が大きく見えないんですけども......。優雅とは天然をも生み出す、そう確信した次第です。

<トピック>
◎萬50+3ダッ
◎いい女はファッションで見得を切る!
◎リトルサイズ流トラッドスタイル