「GINGER」怒涛の300足越え靴特集!! 「LDK」化する誌面に見るアラサー読者の自意識

 「GINGER」5月号(幻冬舎)の特集テーマは「ゆずれない、『靴』だけは!」ということで、昨年10月号以来の「靴」特集です。反響が大きかったのでしょうか。前回は「運命の一足」と出逢うというテーマの元、“雰囲気オシャレコピー”で読者を煽りながら、クリスチャンルブタンを紹介しまくるという謎の誌面を展開し、「GINGER」の極端思考が悪い方向で発揮されていました。今回は「新しい一足」と出逢うために、なんと300足越え(途中、数えるのを諦めました)の靴を掲載! さすがにこれだけあれば「GINGER」の言う通り「人生の最高のパートナー」(=靴)を見つけられるかも!? 早速中身をチェックしていきましょう~!

<トピックス>
◎K.O.K[キング・オブ・神パンプス]はどれだ!?
◎GINGER Golf Team Journal
◎エディターNinaの取材メモ

読者への忖度がうまくなった「GINGER」

 冒頭でも述べた通り、5月号の「GINGER」は靴特集。著名スタイリストらが自身の靴への愛を語る「スタイリストたちの『春靴名品』」、今年のトレンドを紹介する「毎日履きたい! 派手可愛パンプス」、歌同様のしつこい語りに圧を感じる「JUJUが傾けるハイヒールへの情熱」、124足を誌面いっぱいに並べて通販カタログかと見間違うような「ZARAの春靴が欲しい!!」、ウォーキング法や足のお手入れ方法を指南する「“終日ヒール女子”の美脚宣言!」、そして用語辞典「靴にまつわる基礎用語2018」に、靴モチーフのアクセサリーや雑貨を紹介する「履けない靴も愛してる!」……と、靴! 靴!! 靴!!! のオンパレード。

 その中で今回筆者が気になったのは「GINGER」の恒例企画、「K.O.K[キング・オブ・神パンプス]はどれだ!?」です。これまでは読者審査員の声を元にランキングが発表されていましたが、今回からは審査方法を一新。靴職人・デザイナー、スタイリスト、そして靴修理でおなじみ「MISTER MINIT」の社員ら、靴のプロも審査員に加わり、「機能性」「デザイン」「素材・品質」「コスパ」「安定感」「クッション性」等の評価項目を点数化。もちろん「忖度NG」でスコアを開示します。また、ファッション雑誌ではなかなか見かけないような、かかと部分や靴底、中敷きの部分写真を掲載し、多角的に靴の構造を分析する徹底ぶり。ここまでやるのか「GINGER」! まるで徹底取材とテストでおなじみの女性誌「LDK」(晋遊舎)のようです!

 そして今回、堂々の第1位に輝いたのはオーソドックスな黒革パンプスが代名詞の「銀座かねまつ」。審査員たちも「華美なデザインに頼らない“作り”で勝負した一足」「革底、アッパーの質感に並々ならぬ上品さとこだわりを感じました」と大絶賛していました。バリバリのキャリア志向というわけではないものの、事務職OLタイプより、大手企業の総合職やマスコミ勤務など首都圏で働くアラサー女性を対象としている「GINGER」。ファッションにも安っぽすぎず、モードすぎず、流行も取り入れつつその他大勢と一緒は嫌! という絶妙なこだわりを常に感じます。そんな彼女たちの、ほんのちょっとだけ上等志向なプライドをくすぐりつつも、堅実なコスパ路線も両立できる今回のイイトコどり企画に、「うーん『GINGER』、読者への忖度がうまくなったわね……」と唸らずにはいられませんでした。

 続いて取り上げるのは連載企画「GINGER Golf Team Journal」です。そうなんです、実は「GINGER」にはゴルフ連載があったんです。もちろんゴルフウェアブランドとのタイアップ企画ではあるのですが、毎号2~6ページと、なかなかのページ数が割かれています。読者応募の中から選ばれた同企画への参加メンバーは3期生を迎え、現在は6月のコースデビューに向けて、月2回のスタジオレッスンに励んでいるそうです。

 ちなみに活動の様子は「#gingergolfteam」のタグで各メンバーの個人インスタグラムでも更新されていますが、会社帰りの自主練のほか、休日に1人でコースレッスンに繰り出すメンバーもいるなど、かなり精力的な様子がうかがえます。「可愛いゴルフウェアが着たい!」といった女性ファッション誌のゴルフ企画で見受けられるようなミーハー心や、「仕事の接待ゴルフのために渋々」といった消極的な動機を掲げるメンバーは見当たらないあたり、以前からたびたび指摘しているダイエット企画同様、「GINGER」女子たちの真面目さ、ストイックさにぴったりハマっているのかもしれません。

唐突なウエディングドレス特集にあ然

 最後に見ていくのは、こちらも連載企画「エディターNinaの取材メモ」です。「GINGER」モデルの伊藤ニーナがエディターとなり、今気になるモノやコトを取材するという企画なのですが、今回のテーマは「最新ウエディングドレス事情」です。恋愛・結婚に関する企画が極端に少ない「GINGER」で、いろんな過程をすっ飛ばしての突然のウエディングドレス特集!! 単なる世間話のようなノリで「GINGER世代といえば気になるウエディング情報。一世一代のドレスって、どうやって選ぶんだろう?」と無邪気な取材理由を挙げていますが、エディターNina……只者ではないな……。

 最近のトレンドに、ドレス選びのポイントや注意点をそつなく紹介する中、「最近は晩婚化の影響もあるのか、袖付きのデザインも人気」といったアラサー未婚が半数以上を占める「GINGER」読者を意識した情報もちらり。「ちなみに私の憧れは、絶景のオーシャンビューのお庭でガーデンウエディング(ハート)ドレスはヴィンテージ風。きっとあれこれこだわってしまう気がする」と、これまで「GINGER」で目にしたことのなかった“理想の結婚式妄想”に、読者の反応が気になるところです。今後の恋愛・結婚企画を検討するために編集部が仕組んだ軽いジャブ打ちみたいな感じだったのかなあ……。強気で攻めた靴特集の中、悪目立ちする謎企画でした。
(橘まり子)

「GINGER」小物特集でハイブランド連発も……アラサー女子の“情緒不安定さ”が垣間見えるワケ

 今月の「GINGER」(幻冬舎)は付録つき。「Odette e Odile」とコラボしたソックス2足セットなのですが、なんとなく既視感が……って! ちょうど1年前の2017年3月号の付録と同じでは? 前回は「NANO UNIVERSE」とのコラボというブランドの違いはあれど、シンプルだけどおしゃれなデザイン、さりげないラメに絶妙な丈感……ほぼ一緒です! ネタ切れ? 使い回し? それとも、1年たったということで、履き古した靴下の交換用にという編集部の親切心なのでしょうか。それでは、早速本誌もチェックしていきましょう~!

<トピックス>
◎鍛えろ、小物力!
◎小物収納達人の思考回路
◎“めぐりグセ”で自分らしくヤセる!

極端すぎるピンポイントなファッション特集

 今月のメイン特集は「鍛えろ、小物力!」です。バッグ、帽子、ベルト、アクセサリー、腕時計、メガネなどなど、徹底して小物にフィーチャーしています。「服を買わなくても、“いつもと違う”おしゃれが叶う」というキャッチの通り、まったく同じコーディネートに小物を変えただけの写真をひたすら何パターンも掲載していくという構成の誌面。もちろん受ける印象は変わりますし、3パターンくらいなら、「なるほどね~」と参考になるものの、“これでもか!”というほどに、ありとあらゆる小物づかいのパターンを提示してくるので、いや、普通に今春の流行コーディネートの着回し方法も教えてくれよ! という気持ちになります。別に、毎日同じ服着ないし! それに、そんなに「今日はグッチ♪」「明日はフェラガモ♪」って、ノリでハイブランドのバッグを何個も買えないし! あと50万円オーバーの腕時計も色違いでは買えませんよ! やはり「GINGER」、やることが極端で加減を知りません。

 以前からピンポイントすぎるファッション企画をぶっこんでくる「GINGER」。しかし、「白Tシャツ」や「ZARA」など“実用的でコスパ最高!”といった現実的な方向に振り切るときと、「靴」や今回の「小物」など“ハイブランド至上主義!”といったキラキラあこがれ方向に振り切るときの落差がすごい。まるで理想と現実の間で揺れ動くアラサー女子のようで、情緒不安定さが垣間見えてしまうんです。その中庸を採るという選択肢が、なぜ存在しないのかは気になるところです。

 ところで“小物力”というワードからして、若干引っかかっていたのですが、今回の特集には、「小物をコントロールする力」「小物の持つ特別な力」と、まるで小物に魔法が宿っているかのような言い回しが散見されるんです。

 「小物収納達人の思考回路」という企画も例に漏れず、登場する“小物収納達人”たちが、「この(収納)コーナーには私の世界観が集約されている」「見えないところまで美しく収納」などと語る語る。自分なりの哲学を持っており、収納とは、小物たちを大切に「休ませ」て「小物力を充電」させることなのだとか。難解!

 しかし次のページでは、“整理収納アドバイザー”が、収納とは「しまった状態の美しさ」よりも「保管のしやすさ」「取り出しやすさ」に重点を置くことが大事だという現実的なアドバイスでばっさり。自分の朝の動線にあった置き場所かどうかを確認したり、また「仕事」「休日」「パーティー」と用途別に分けることを推奨するなど、小物を使いやすくするための収納術をいくつも教えてくれました。

 正直、収納方法なんてその人個人の好みでいいとは思います。しかし、利便性優先と世界観優先という両極端な収納術を同時に見せてしまっては、読者も混乱必至では? それとも、毎号迷走しがちな「GINGER」女子に、“自分で選ぶ”という課題を与えているのでしょうか。

「GINGER」女子の輝ける場所がココにあり!

 最後に見ていくのは「“めぐりグセ”で自分らしくヤセる!」です。今回のダイエット企画では、ダイエット美容家・本島彩帆里さんが、糖質過多や運動不足などの“太りグセ”を改善して、体のめぐりをよくする“めぐりグセ”を提案しています。

 「全部やろうと思わなくてもOK」「自分の“太りグセ”を意識してやめていくこと」から始めましょうとのことで、ダイエットというより、“無理せずヤセやすい体に体質改善すること”を推奨しています。が、それが一番難しいのは自明のこと。「飲み会中も水分を摂り、おつまみは枝豆に」「小麦粉は避ける」「コーヒーは15時まで」「小腹がすいたら茹で卵でしのぐ」「カフェブレイクはハーブティーで」「夕食は消化によいものを就寝3時間前までに」などなど、わかっちゃいるけど実践するのは難しい“めぐりグセ”全23個が挙げられています。

 しかしモニターとして登場した4名の読者は、皆ここに挙げられている“めぐりグセ”のほか、週末にダンス部の活動にいそしんだり、1日1万歩以上を目標にウォーキングしたり、デスクワーク中に70~80℃のお湯をタンブラーに入れて足に挟むという荒技「タンブラー温灸」を日課にしたりとストイックさを見せ、中には2週間でウエスト-2.5センチという結果にコミットした人も!

 根が真面目なのでしょうか、オシャレや恋愛に関しては方向性のズレた努力や極端な思考で迷走しがちな「GINGER」女子ですが、明確な目標のあるダイエットや筋トレでは、まるで水を得た魚のように生き生きと輝いています。ダイエット企画はいつも巻末数ページの扱いではあるものの、いっそのことピンポイントにメイン特集としてみてはどうでしょうか。
(橘まり子)

「GINGER」、“女が惚れる女”のファッションで大迷走!? 「もはや仮装」のトホホな展開に

 ドラマ『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)の小悪魔ヒロイン・サエコさんを皮切りに、映画『シン・ゴジラ』ではバイリンガル米大統領特使カヨコ・アン・パタースン、ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール』(日本テレビ系)ではド派手ファッション女・河野悦子、そして現在放送中のドラマ『アンナチュラル』(TBS)では悲しい過去を持つ法医解剖医・三澄ミコトと、個性的で癖のある役柄を演じ続けているさとみ。

 どの役も高評価で、まさに今月号のインタビューページに添えられたキャッチコピー「変幻自在。いつも真新しい女(ひと)」通りの演技力に脱帽です。しかし、その姿を読者に対して「自由」で「媚びない」生き方として提示してしまうのは、ちょっと違う気もします。だって彼女は女優の仕事を全うしているだけだから……。もし職場に毎日まったく違うイメージの女がいたら、「自由でカッコイイ!」とあこがれるどころか、「情緒不安定なのかな?」「迷走してるのでは?」と心配になっちゃいますよね。それでは、早速中身を見ていきましょう~。

<トピックス>
◎強さと女っぽさのベストバランス
◎夏木マリという生き方
◎強運にのる9のアクション

■媚びたくないのに媚びてしまう

 最初に見ていくのはメインファッション企画「強さと女っぽさのベストバランス」です。こちらも今月の特集テーマを念頭に「同じ女性で惚れこんでしまうような、キレ味のいい女っぽさはどうすればいいの?」と始まります。「必要なのは、甘さ控えめな色っぽさ」だそうで、「メンズ風味な服をレディに着る」「色で少量のエッジを加える」「柄モノでも品をキープ」といったアドバイスは、まあ、わかります。ゆるいシルエットのカーゴパンツもアシンメトリーの小花柄ワンピースも、可愛い。

 しかし「プレーンな服に小物だけ超トレンド」「甘ディティールは“大袈裟”がルール」「セオリー度外視の自由なMIX感」あたりから、よくわからなくなってきます。紹介されている「コルセットベルト」「ジョッキー帽」「BIGボウ(ボウタイリボン)」といったアイテムは、一般人には使いこなすのが難しそう。一歩間違えば仮装アイテムです。でもオシャレに着こなせていれば女モテ……するのか? とりあえず、男モテは完全に捨ててそう。

 「GINGER」女子が恋愛下手なのは過去のさまざまな企画により明らかですが、ここにきて唐突な「女が惚れる女」特集。ついに恋愛を捨てたということなのでしょうか。まあ、恋愛なんてしたい人がすればいいわけで、趣味みたいなものですから、それは別にいいのです。ただ、やはり「GINGER」女子は「誰かにあこがれられたい」という欲求は捨てきれないものなのですね。もちろん「こんな人になりたい」という目標を立てるのは悪いことではありません。最初は真似をすることから始めるのもいいでしょう。しかし、もっと自由な気持ちで、自分が好きだったり似合う服を着たり、自分の好きなことをすることが、結果として周りの人々から好感を持たれるのではないか、と思わずにいられません。というか、他人に好かれるような服や行動を選択することは、それこそさとみに投影している「媚びない」イメージとは魔逆で、「媚びてる」ってことなのでは……。

 続いてインタビュー企画「夏木マリという生き方」を見ていきましょう。はい、出ました。「GINGER」お得意の極端すぎる企画。「女が惚れる女」の代表格として夏木マリを出してきました。いや、わかるけど! 間違ってないような気がするけど!! 大御所・夏木マリに出てこられた日にゃあ、もう誰も何も言えないじゃないですか!? 

 「私たちも夏木さんに惚れています!」とコメントを寄せているのはシシド・カフカ、LiLiCo、土屋アンナ、香里奈の4名。濃い……。そしてダメ押しの専属モデル・山田優との特別対談。いやもう、読む前からお腹いっぱいです。「この仕事を選んだ時点で普通じゃない満足しない、厄介な性分」「100を目指すから満足しない。一生、その繰り返しなのよ」と次から次へと繰り出す名言に平伏すことしかできませんが、「GINGER」読者へのメッセージが大変に勇気づけられるものでしたので、ご紹介しますね。

 「自分があって、らしく輝けるモノを着ることが一番大事。ただ、ここに来るまでは、私も散々失敗や無駄遣いをしました。失敗しないと本当に自分が好きなものはわからない。GINGER読者もまだまだ失敗していいんですよ」……いやあ、言葉っていうのは、何を言うかではなくて、誰が言うのかが大事なのだと実感しますね。もう、いっそ、夏木マリに「GINGER」の編集長になってもらえばいいのではないでしょうか。

■ゲッターズ飯田の無駄遣い

 最後に見ていくのは「強運にのる9のアクション」です。おなじみ「芸能界最強占い師・ゲッターズ飯田」が2018年上半期の開運のヒントを教えてくれるということで期待高まります。「2018年は、美人の年」ということで「老若男女、誰からも愛される女性を目指す」のが良いそうです。そのヒントはというと、「美人になれる香りを纏う」とのことでティファニー、シャネル、ディオールの新作香水が紹介されているほか、「メイクはポイント1点主義で」と、ローラ メルシエのアイライナーやスリーの口紅が、そして「上質なものを身の回りに置く」ということでSK‐Ⅱが……って、まさかの広告記事!? しまいには開運ヒント「ゴルフをはじめる」って、それ、「GINGER」にゴルフ連載があるからでは? “美人”は関係なくない? っていうか、ゲッターズ飯田必要だった??

 「GINGER」のスピリチュアル企画が、割りといつも雑なのは、なぜなのでしょうか。読者が現実主義だからなのか、はたまた頭でっかちで考えすぎてしまうタイプのため「心で感じろ!」系の企画がウケないせいなのか……。アラサー女性はスピリチュアルが好きなんでしょ! という世間一般のイメージに媚びる必要ないし、ほかの女性誌がみんなやってるからって、自分が好きじゃないなら無理して企画しなくていいよ、と思う筆者でした。
(橘まり子)

「1人映画は恥ずかしい」炎上を経て……「GINGER」女子の“自意識過剰”が大暴走!!

 去る11月、とあるネット記事が炎上騒動を起こしたのを知っていますか? 「映画をひとりで観ても哀しくならないテクとは? ~独女時間の正しい過ごし方~」……そう、何を隠そう、我らが「GINGER」(幻冬舎)のwebサイト「GINGER web」の記事です!  1人で映画を見たいけれど、周囲の人々に「あの人さ、ひとりで観にきているんだね、えらいよね(=かわいそう)」と思われるのがイヤ! というなんとも自意識過剰な内容。「おひとりさま」と思われないように、「館内が薄暗くなった予告編の【途中】から他のお客さんの邪魔にならないように、そっと端っこの席に静かに座る」「3D眼鏡で周りの状況や視線をシャットアウト」「映画エンドロールの途中で、身をかがめてこっそり立ち去ろう」などなど、思わず「それ何の修行だよ?」とツッコミたくなるような「ひとり映画術」が紹介されています。

 もちろんネットでも「遅れて入って来たり、エンドロールの途中で帰るなんて迷惑」「そもそも映画館に来る人は、映画を見に来ているのであって、客席に誰がいるのかなんてことは気にしていない」「1人の何がいけないの? 1人=寂しい人みたいな考えがダサい」「いい歳して1人で行動もできないとか痛い」と批判コメントが噴出。以前から「GINGER」女子の“自分軸のなさ”は指摘していましたが、これほどまでだったとは頭を抱えてしまいました。今月の本誌はいかに!? 早速中身をチェックしていきましょう〜!

<トピックス>
◎贅沢は素敵だ!
◎お気に入りジュエリーがあれば、いつだって印象美人(ハート)
◎幸せのカタチと、見つけ方

■雰囲気ポエムで押し切る「贅沢」特集
 今月の「GINGER」のテーマは「贅沢は素敵だ!」ということで、「一生モノのコート」「一点豪華バッグ」「ダイヤモンド」などラグジュアリーな商品や、「美食」「自然」「旅」など「センスを刺激する『贅沢体験』」を紹介。「倹約は美徳」「ボーナスの使い道は貯金」と言った価値観を持つというアラサー読者に、「そんな生き方で、本当に幸せになれる?」と問いかけます。「『今』の投資が『未来』を変える」「価値ある贅は、女は美しく輝かせる」という編集部による煽りコピーもさることながら、この特集の何がすごいって、冒頭3ページが丸々全部、著名人たちによる格言(?)なんですね。

「私にとっての贅沢は、人との出会いがすべて。――女優 黒木瞳」「“お気に入り”とともに時を重ね、風合いを慈しむこと。――タレント・女優 MEGUMI」「何年経ってもすぐに蘇る、鮮烈な記憶。――タレント・モデル 田丸麻紀」「ものじゃない、心や五感で感じること。――アーティスト 清川あさみ」「心から満ち足りること。例えばショコラを口に含んだ瞬間。――フリーアナウンサー 田中みな実」「生きていることが、もうすでに贅沢。――歌手・モデル・女優 土屋アンナ」……

 一体これらの格言(?)から何を受け取るのが正解なのか。白背景にこれらの格言(?)がオシャレに配置されたせいで、“ほぼ空白”という贅沢な構成の誌面を見つめながら、しばしフリーズしてしまいました。これまで、このレビューで、「GINGER」女子は頭でっかちなところのある優等生女子で、コスパ重視の現実主義な部分が強めと何度か指摘しましたが、突然こういった「考えるよりも感じろ!」方向へ極端に振り切った企画を入れ込んでくるんですよね。そりゃ、こんなに振れ幅が大きかったら、読者も何が自分の軸なのか、いつまでたっても確立できないだろうよと思ってしまいました。

 続いて「お気に入りのジュエリーがあれば、いつだって印象美人(ハート)」を見ていきましょう。カルバン・クラインのジュエリーを纏ったアラサーOLの香里奈が、4つのシーンを演じます。シーン1では「付き合って2年目」の彼氏とカフェデート。「会うだけでドキドキする気持ちはなくなってきたけれど、一緒にいるとホッとできる、大切な人。」とのことで、「GINGER」を読んでいて初めて「安定した彼氏」という存在が出てきたような気がします。前号の“恋愛LINE企画”では、中学生レベルのコミュニケーション力を露呈していた「GINGER」女子だっただけに一安心。「今年の誕生日に彼が選んでくれた、特別なジュエリー」を身に着け、ゆったりとしたニットスタイルで穏やかな休日を演出します。

 しかしシーン2では一転、ドレスアップして夜の街へ繰り出す香里奈。「もうアラサーだし、合コン相手に過度な期待を持ったりはしない(笑)」「メイクアップのお直しとエレガントなジュエリーは最低限の女のたしなみ。第一印象はいい方がいいし、男の人だって一緒にごはんを食べるなら、きれいな女性と食べたいよね?」と、いざ「合コン」へ! シーン1とのテンションの落差に面食らいますが、結婚前のアラサー女子にとっては、どちらの立場も経験し、共感できる恋愛あるあるシーンなのでしょう。もしくは彼氏がいたとしても、まだ結婚の話が出ていない段階では合コンくらい行く……という“アラサー女子あるある”なのかもしれませんが。

 シーン3では、大学時代の親友たちと「毎月恒例のおしゃれ女子会」へ。「チェックの目が厳しい女友達だからファッションにも手は抜けない!」と気合を入れて、めかしこむ香里奈。そして最後のシーン4では、オフィスで「デスクワーク」。「恋人の存在や将来の結婚も大事だけれど、同じくらい大切なのは、仕事の充実。」「結婚しても子供を産んでも、働き続けていたいと思っている。」と急に熱く語り出します。「だから職場環境や人間関係には人一倍敏感」だそうで、同性の先輩が「それ素敵ね」とほめてくれたジュエリーは、「私を“デキる女”に見せてくれるお守り」と締めくくります。

 彼氏、合コン相手、女友達、職場の同性の先輩……一緒に過ごす相手や場面に合わせて、コーディネートや見せる自分を適宜変えられる姿は確かに“印象美人”なのでしょう。もちろんTPOに合った服装はマナーですし、相手への最低限の気遣いは必要だと思いますが、「相手にどう見られるか」「相手にどう見られたいか」「こうした方が相手も喜ぶはず」という意識ばかりが強くなり、ややひとりよがりな印象も受けました。本人は気を使っているつもりなのかもしれませんが、冒頭の炎上記事同様、自意識過剰と思われても仕方ないかも!?

 最後に見ていくのは「幸せのカタチと、見つけ方」です。またしても冒頭2ページを使って、精神科医の名越康文氏から、「なりたい自分になるため」の「ネガティブな思考をプラスに変換する8つの思考」が羅列されています。「期待を半分にすることが、自分らしく過ごす第一歩」「ありのままを認めて自分目線で考えよう」「未来を考えるのはポジティブなときだけ!」「ひとりの時間こそが逆に孤独感を解放させる」「世間的な基準よりも納得できる道を選ぶ勇気を持って」などなど、まあ、どこかで一度は聞いたことのあるような紋切り型のアドバイスばかり。というか、「GINGER」女子たちが、最初から「1人の時間」を楽しめるようなタイプだったら、1人で映画だって余裕で楽しめますからね!

 次ページからは、著名人のインタビュー。女優の安達祐実は、脚光を浴びた子役時代から、女優へのステップアップに苦労した20代の時期を経て、現在、公私共に充実した日々を送っている自身の半生について語っています。「彼に出会って、私の人生すべてが変わった」「(夫と)出会うまでは、自分を労らず、今考えるとめちゃくちゃな生活をしていました」「美味しいものを誰かと一緒に食べることがこんなにも幸せなんだって人生で初めて気がついたんです」「今は主人にとって私がいる意味があれば、それでOKかなって思うようになりました」とのこと。確かに“幸せ”をつかんではいると思うのですが、それって結局は、良きパートナーと巡り合えたおかげ? それはもはや運なのでは? とついつい穿った見方もしてしまいます。

 書籍の表紙を担当するなど、イラストレーターとして活躍する松尾たいこさんは、30代でイラストレーターに転身。それまでは「人の意見に流されるタイプ」で、なんとなく「地元の会社に勤めて」いたそうですが、「すごく仕事ができる先輩が会社を辞めた」ときに、人生を真剣に考え直し、以前から好きだった絵を本格的に学びたいと学校に通い始めたそう。最後に登場するのは、オグシオの愛称で親しまれたバドミントンの元オリンピック選手で、現在はインストラクターや解説者、タレントとしても活動している小椋久美子さん。「現役引退後、どん底まで落ちた」時期もあったけれど、「ある人に“頑張る努力を放棄している”と言われて目が覚めました」と語ります。そこから活動を再開し、現在のキャリアを築くまでになったそう。

 3人に共通するのは、自分らしく生きられるようになったきっかけは、自分の中ではなく、他人の言動にあったということです。「ありのままの自分を肯定しよう」「自分を好きになろう」「自信を持とう」と言葉で言うのは簡単ですが、もしかするとそれって、自分1人で考えても解決しない問題なのかもしれません。「GINGER」女子たちに必要なのは、他人にどう見られているかを気にして自意識過剰になったり、逆に相手に喜んでもらおうという気持ちから周囲に気を使うことではなく、ただ他人の声に耳を傾けて対話をする、ということなのかもしれないな、と思いました。
(橘まり子)

「1人映画は恥ずかしい」炎上を経て……「GINGER」女子の“自意識過剰”が大暴走!!

 去る11月、とあるネット記事が炎上騒動を起こしたのを知っていますか? 「映画をひとりで観ても哀しくならないテクとは? ~独女時間の正しい過ごし方~」……そう、何を隠そう、我らが「GINGER」(幻冬舎)のwebサイト「GINGER web」の記事です!  1人で映画を見たいけれど、周囲の人々に「あの人さ、ひとりで観にきているんだね、えらいよね(=かわいそう)」と思われるのがイヤ! というなんとも自意識過剰な内容。「おひとりさま」と思われないように、「館内が薄暗くなった予告編の【途中】から他のお客さんの邪魔にならないように、そっと端っこの席に静かに座る」「3D眼鏡で周りの状況や視線をシャットアウト」「映画エンドロールの途中で、身をかがめてこっそり立ち去ろう」などなど、思わず「それ何の修行だよ?」とツッコミたくなるような「ひとり映画術」が紹介されています。

 もちろんネットでも「遅れて入って来たり、エンドロールの途中で帰るなんて迷惑」「そもそも映画館に来る人は、映画を見に来ているのであって、客席に誰がいるのかなんてことは気にしていない」「1人の何がいけないの? 1人=寂しい人みたいな考えがダサい」「いい歳して1人で行動もできないとか痛い」と批判コメントが噴出。以前から「GINGER」女子の“自分軸のなさ”は指摘していましたが、これほどまでだったとは頭を抱えてしまいました。今月の本誌はいかに!? 早速中身をチェックしていきましょう〜!

<トピックス>
◎贅沢は素敵だ!
◎お気に入りジュエリーがあれば、いつだって印象美人(ハート)
◎幸せのカタチと、見つけ方

■雰囲気ポエムで押し切る「贅沢」特集
 今月の「GINGER」のテーマは「贅沢は素敵だ!」ということで、「一生モノのコート」「一点豪華バッグ」「ダイヤモンド」などラグジュアリーな商品や、「美食」「自然」「旅」など「センスを刺激する『贅沢体験』」を紹介。「倹約は美徳」「ボーナスの使い道は貯金」と言った価値観を持つというアラサー読者に、「そんな生き方で、本当に幸せになれる?」と問いかけます。「『今』の投資が『未来』を変える」「価値ある贅は、女は美しく輝かせる」という編集部による煽りコピーもさることながら、この特集の何がすごいって、冒頭3ページが丸々全部、著名人たちによる格言(?)なんですね。

「私にとっての贅沢は、人との出会いがすべて。――女優 黒木瞳」「“お気に入り”とともに時を重ね、風合いを慈しむこと。――タレント・女優 MEGUMI」「何年経ってもすぐに蘇る、鮮烈な記憶。――タレント・モデル 田丸麻紀」「ものじゃない、心や五感で感じること。――アーティスト 清川あさみ」「心から満ち足りること。例えばショコラを口に含んだ瞬間。――フリーアナウンサー 田中みな実」「生きていることが、もうすでに贅沢。――歌手・モデル・女優 土屋アンナ」……

 一体これらの格言(?)から何を受け取るのが正解なのか。白背景にこれらの格言(?)がオシャレに配置されたせいで、“ほぼ空白”という贅沢な構成の誌面を見つめながら、しばしフリーズしてしまいました。これまで、このレビューで、「GINGER」女子は頭でっかちなところのある優等生女子で、コスパ重視の現実主義な部分が強めと何度か指摘しましたが、突然こういった「考えるよりも感じろ!」方向へ極端に振り切った企画を入れ込んでくるんですよね。そりゃ、こんなに振れ幅が大きかったら、読者も何が自分の軸なのか、いつまでたっても確立できないだろうよと思ってしまいました。

 続いて「お気に入りのジュエリーがあれば、いつだって印象美人(ハート)」を見ていきましょう。カルバン・クラインのジュエリーを纏ったアラサーOLの香里奈が、4つのシーンを演じます。シーン1では「付き合って2年目」の彼氏とカフェデート。「会うだけでドキドキする気持ちはなくなってきたけれど、一緒にいるとホッとできる、大切な人。」とのことで、「GINGER」を読んでいて初めて「安定した彼氏」という存在が出てきたような気がします。前号の“恋愛LINE企画”では、中学生レベルのコミュニケーション力を露呈していた「GINGER」女子だっただけに一安心。「今年の誕生日に彼が選んでくれた、特別なジュエリー」を身に着け、ゆったりとしたニットスタイルで穏やかな休日を演出します。

 しかしシーン2では一転、ドレスアップして夜の街へ繰り出す香里奈。「もうアラサーだし、合コン相手に過度な期待を持ったりはしない(笑)」「メイクアップのお直しとエレガントなジュエリーは最低限の女のたしなみ。第一印象はいい方がいいし、男の人だって一緒にごはんを食べるなら、きれいな女性と食べたいよね?」と、いざ「合コン」へ! シーン1とのテンションの落差に面食らいますが、結婚前のアラサー女子にとっては、どちらの立場も経験し、共感できる恋愛あるあるシーンなのでしょう。もしくは彼氏がいたとしても、まだ結婚の話が出ていない段階では合コンくらい行く……という“アラサー女子あるある”なのかもしれませんが。

 シーン3では、大学時代の親友たちと「毎月恒例のおしゃれ女子会」へ。「チェックの目が厳しい女友達だからファッションにも手は抜けない!」と気合を入れて、めかしこむ香里奈。そして最後のシーン4では、オフィスで「デスクワーク」。「恋人の存在や将来の結婚も大事だけれど、同じくらい大切なのは、仕事の充実。」「結婚しても子供を産んでも、働き続けていたいと思っている。」と急に熱く語り出します。「だから職場環境や人間関係には人一倍敏感」だそうで、同性の先輩が「それ素敵ね」とほめてくれたジュエリーは、「私を“デキる女”に見せてくれるお守り」と締めくくります。

 彼氏、合コン相手、女友達、職場の同性の先輩……一緒に過ごす相手や場面に合わせて、コーディネートや見せる自分を適宜変えられる姿は確かに“印象美人”なのでしょう。もちろんTPOに合った服装はマナーですし、相手への最低限の気遣いは必要だと思いますが、「相手にどう見られるか」「相手にどう見られたいか」「こうした方が相手も喜ぶはず」という意識ばかりが強くなり、ややひとりよがりな印象も受けました。本人は気を使っているつもりなのかもしれませんが、冒頭の炎上記事同様、自意識過剰と思われても仕方ないかも!?

 最後に見ていくのは「幸せのカタチと、見つけ方」です。またしても冒頭2ページを使って、精神科医の名越康文氏から、「なりたい自分になるため」の「ネガティブな思考をプラスに変換する8つの思考」が羅列されています。「期待を半分にすることが、自分らしく過ごす第一歩」「ありのままを認めて自分目線で考えよう」「未来を考えるのはポジティブなときだけ!」「ひとりの時間こそが逆に孤独感を解放させる」「世間的な基準よりも納得できる道を選ぶ勇気を持って」などなど、まあ、どこかで一度は聞いたことのあるような紋切り型のアドバイスばかり。というか、「GINGER」女子たちが、最初から「1人の時間」を楽しめるようなタイプだったら、1人で映画だって余裕で楽しめますからね!

 次ページからは、著名人のインタビュー。女優の安達祐実は、脚光を浴びた子役時代から、女優へのステップアップに苦労した20代の時期を経て、現在、公私共に充実した日々を送っている自身の半生について語っています。「彼に出会って、私の人生すべてが変わった」「(夫と)出会うまでは、自分を労らず、今考えるとめちゃくちゃな生活をしていました」「美味しいものを誰かと一緒に食べることがこんなにも幸せなんだって人生で初めて気がついたんです」「今は主人にとって私がいる意味があれば、それでOKかなって思うようになりました」とのこと。確かに“幸せ”をつかんではいると思うのですが、それって結局は、良きパートナーと巡り合えたおかげ? それはもはや運なのでは? とついつい穿った見方もしてしまいます。

 書籍の表紙を担当するなど、イラストレーターとして活躍する松尾たいこさんは、30代でイラストレーターに転身。それまでは「人の意見に流されるタイプ」で、なんとなく「地元の会社に勤めて」いたそうですが、「すごく仕事ができる先輩が会社を辞めた」ときに、人生を真剣に考え直し、以前から好きだった絵を本格的に学びたいと学校に通い始めたそう。最後に登場するのは、オグシオの愛称で親しまれたバドミントンの元オリンピック選手で、現在はインストラクターや解説者、タレントとしても活動している小椋久美子さん。「現役引退後、どん底まで落ちた」時期もあったけれど、「ある人に“頑張る努力を放棄している”と言われて目が覚めました」と語ります。そこから活動を再開し、現在のキャリアを築くまでになったそう。

 3人に共通するのは、自分らしく生きられるようになったきっかけは、自分の中ではなく、他人の言動にあったということです。「ありのままの自分を肯定しよう」「自分を好きになろう」「自信を持とう」と言葉で言うのは簡単ですが、もしかするとそれって、自分1人で考えても解決しない問題なのかもしれません。「GINGER」女子たちに必要なのは、他人にどう見られているかを気にして自意識過剰になったり、逆に相手に喜んでもらおうという気持ちから周囲に気を使うことではなく、ただ他人の声に耳を傾けて対話をする、ということなのかもしれないな、と思いました。
(橘まり子)

男の“体目当て”をまったく見抜けない!? 「GINGER」アラサー向け片想い企画が「中学生レベル」

 「GINGER」(幻冬舎)12月号の付録は「IENA 大人の秋色ネイル4色セット」です。この秋冬にピッタリな「くすみベージュ」「くすみネイビー」「カーキ」「ボルドー」の大人色はネット上でも好評。さすが実益性という点においては右に出るものはない「GINGER」。こと付録に関しては毎回ハズレなしです! しかし本誌は相変わらず迷走続き……というか、毎号雑誌のコンセプトが変わりすぎて、パッと見では同じ雑誌とは思えません。固定読者がいるのかどうかも不安になってくる今日この頃です。

<トピックス>
◎恋もおしゃれも人生も! 最近、ドキドキしてますか?
◎LINEでドキドキする方法
◎美容資産の蓄え方

■突然のゆるふわフレーズで「ときめき」のリハビリ!?

 「GINGER」12月号のメイン特集は「恋もおしゃれも人生も! 最近、ドキドキしてますか?」。まず冒頭には、「本当に手に入れるべきものは、理屈なしに心が動く」「リップひとつで、女は生まれ変われる」「新しい私を楽しもう」といったふんわりポエムに、視線の定まらない柔らかな表情を浮かべた桐谷美玲の雰囲気写真で繰り広げられる“日常の小さな冒険”がテーマの着回しストーリーが登場しています。これまでの「GINGER」に見られた、文字情報びっしりで、所狭しと具体的なコーディネート写真が配置された、教科書のようなファッションページとは一転、まるでオシャレな写真集のようです。

 続く「大人が恋する冒険アイテム」では、なんと「着回し、コスパ、好感度……気づけば最近、頭で考えるファッションばかりに囚われていませんか? 今一度おしゃれの楽しさを取り戻すためには、ダイレクトに心を刺激する“冒険アイテム”が必要です!」と、これまでのリアル路線を一蹴。「キラキラとフワフワに心ときめく」「愛するモノに囲まれて、毎日満たされた気分に(ハート)」「女子は永遠にKawaiiものが好き(ハート)」といった、ゆるふわフレーズで彩られています。確かに可愛い誌面に気分は高まりますが、一体どうした「GINGER」!?

 さらに、レギュラーモデルの山田優ほか、ファッション通がひと目ボレ商品を紹介する「あの人をトリコにした名品リスト」、前田敦子やAAAの宇野実彩子など「GINGER」世代のタレントが趣味について語る「〇〇マニアなあなたを今、ときめかせているモノって何ですか?」といった企画でも、自分の直観や「好き」という気持ちを大事にしようと言っています。さらに、普段は男っ気ゼロ雑誌のくせに、瑛太、井浦新、菅田将暉、竹内涼真、賀来健人、そして嵐の二宮和也まで、ここぞとばかりに男性芸能人を投入しているのは、恋愛が苦手な「GINGER」女子に、まずは「ときめき」という感情そのものを思い出してもらおうという意図なのかもしれません……って、リハビリかよ!

 最後に見ていくのは「美容資産の蓄え方」です。美容業界で活躍する「年齢不詳のビューティエキスパート」たちが、その「キレイ」の秘密を大公開してくれます。「肌のポテンシャルが落ちても30代ならクリームで戻るし、自分の肌の潜在能力を知る目安にもなる。エイジング対策を考えるなら、クリームを必ず使ってほしい」「肌の調子がよくないときや、バリア機能が乱れる花粉症シーズンには積極的にタンパク質を補給」「お金をかける価値があるとすれば、美容液」などなど超具体的なアドバイスが淡々と語られています。これらの情報は、年齢不詳の美女たち(アラフォーに見えるアラ還女性など!)のお写真で、さらに説得力を増している気がします。

 商品の紹介も細かく、大変充実していて、ついついお勉強モードで読みふけってしまった同企画。「ときめき」要素はまったくないけど、めっちゃためになります。今を楽しむファッションや目の前の男性とのLINEのやりとりよりも、「30年後のお肌のために今できることを頑張ろう!」というストイック企画の方がなんとなく「GINGER」にハマっている気がするのは、筆者だけでしょうか。
(橘まり子)

男の“体目当て”をまったく見抜けない!? 「GINGER」アラサー向け片想い企画が「中学生レベル」

 「GINGER」(幻冬舎)12月号の付録は「IENA 大人の秋色ネイル4色セット」です。この秋冬にピッタリな「くすみベージュ」「くすみネイビー」「カーキ」「ボルドー」の大人色はネット上でも好評。さすが実益性という点においては右に出るものはない「GINGER」。こと付録に関しては毎回ハズレなしです! しかし本誌は相変わらず迷走続き……というか、毎号雑誌のコンセプトが変わりすぎて、パッと見では同じ雑誌とは思えません。固定読者がいるのかどうかも不安になってくる今日この頃です。

<トピックス>
◎恋もおしゃれも人生も! 最近、ドキドキしてますか?
◎LINEでドキドキする方法
◎美容資産の蓄え方

■突然のゆるふわフレーズで「ときめき」のリハビリ!?

 「GINGER」12月号のメイン特集は「恋もおしゃれも人生も! 最近、ドキドキしてますか?」。まず冒頭には、「本当に手に入れるべきものは、理屈なしに心が動く」「リップひとつで、女は生まれ変われる」「新しい私を楽しもう」といったふんわりポエムに、視線の定まらない柔らかな表情を浮かべた桐谷美玲の雰囲気写真で繰り広げられる“日常の小さな冒険”がテーマの着回しストーリーが登場しています。これまでの「GINGER」に見られた、文字情報びっしりで、所狭しと具体的なコーディネート写真が配置された、教科書のようなファッションページとは一転、まるでオシャレな写真集のようです。

 続く「大人が恋する冒険アイテム」では、なんと「着回し、コスパ、好感度……気づけば最近、頭で考えるファッションばかりに囚われていませんか? 今一度おしゃれの楽しさを取り戻すためには、ダイレクトに心を刺激する“冒険アイテム”が必要です!」と、これまでのリアル路線を一蹴。「キラキラとフワフワに心ときめく」「愛するモノに囲まれて、毎日満たされた気分に(ハート)」「女子は永遠にKawaiiものが好き(ハート)」といった、ゆるふわフレーズで彩られています。確かに可愛い誌面に気分は高まりますが、一体どうした「GINGER」!?

 さらに、レギュラーモデルの山田優ほか、ファッション通がひと目ボレ商品を紹介する「あの人をトリコにした名品リスト」、前田敦子やAAAの宇野実彩子など「GINGER」世代のタレントが趣味について語る「〇〇マニアなあなたを今、ときめかせているモノって何ですか?」といった企画でも、自分の直観や「好き」という気持ちを大事にしようと言っています。さらに、普段は男っ気ゼロ雑誌のくせに、瑛太、井浦新、菅田将暉、竹内涼真、賀来健人、そして嵐の二宮和也まで、ここぞとばかりに男性芸能人を投入しているのは、恋愛が苦手な「GINGER」女子に、まずは「ときめき」という感情そのものを思い出してもらおうという意図なのかもしれません……って、リハビリかよ!

 最後に見ていくのは「美容資産の蓄え方」です。美容業界で活躍する「年齢不詳のビューティエキスパート」たちが、その「キレイ」の秘密を大公開してくれます。「肌のポテンシャルが落ちても30代ならクリームで戻るし、自分の肌の潜在能力を知る目安にもなる。エイジング対策を考えるなら、クリームを必ず使ってほしい」「肌の調子がよくないときや、バリア機能が乱れる花粉症シーズンには積極的にタンパク質を補給」「お金をかける価値があるとすれば、美容液」などなど超具体的なアドバイスが淡々と語られています。これらの情報は、年齢不詳の美女たち(アラフォーに見えるアラ還女性など!)のお写真で、さらに説得力を増している気がします。

 商品の紹介も細かく、大変充実していて、ついついお勉強モードで読みふけってしまった同企画。「ときめき」要素はまったくないけど、めっちゃためになります。今を楽しむファッションや目の前の男性とのLINEのやりとりよりも、「30年後のお肌のために今できることを頑張ろう!」というストイック企画の方がなんとなく「GINGER」にハマっている気がするのは、筆者だけでしょうか。
(橘まり子)

田中みな実の“アラサー独女自虐”が浮き彫りにする、「GINGER」女子の生きづらさ

 今月の「GINGER」(幻冬舎)の表紙は、グレンチェックのスーツスタイルに、おしゃれなデザインの縁あり眼鏡をかけた綾瀬はるか。この秋流行の「オジ柄ファッション」ではあるものの、一般人が真似すると、ただのオジサンになってしまう危険性を孕んでいます。「#おしゃれに働く」というハッシュタグ風のコピーが今号のテーマなのですが、ファッションページをパラパラめくると、「ゆるシルエットの羽織りワンピース」「こっくりカラーのマーメイドスカート」「地面スレスレ丈のタックワイドパンツ」と、これまた難易度高めのアイテムがズラリ。いくら「通勤服はもっと遊べる!」と言ったって、さすがにこんな、どぎつい紫のパフスリーブ風ブラウスで出社したら、ハロウィンの仮装か何かと勘違いされてしまうんじゃないでしょうか? まあ、「GINGER」のやることが極端すぎるのにも、もう慣れてきましたけどね……。それでは、中身を見ていきましょう~。

<トピックス>
◎おしゃれに働く現場から
◎フリーアナウンサー 田中みな実のここだけの話(ハート)
◎GINGER世代の恋愛観・結婚観

■田中みな実と「GINGER」女子の共通点

 まずは、さまざまな職に就く7人の女性の、とある1日を密着取材した「おしゃれに働く現場から」を見ていきましょう。トップバッターは、フリーアナウンサーの田中みな実です。「何で田中みな実?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、局アナ時代はぶりっこキャラで、嫌いな女子アナランキングの常連だった田中ですが、フリーになってからは元カレであるオリエンタルラジオ・藤森との過去をネタにしたりと、ぶっちゃけキャラに路線変更。レギュラー番組も堅調に増え、アラサー女子からも一定の支持を得ています。

 そんな彼女は、実は「GINGER」の顔とも言える存在です。「田中みな実のここだけの話(ハート)」という連載エッセイを持ち、モデルやタレントたちと並んでたびたび誌面でも特集されることもあります。むしろ身長が153センチと低くてコーディネートに悩んでいるところや、エッセイで飛び出す独身アラサーとしての自虐ネタ、デパコスからプチプラまで網羅するコスメオタクの一面など等身大の姿が、香里奈、山田優、長谷川潤などオーラ強めのレギュラーモデル陣より読者の共感を呼んでいるのかも。

 早速、田中の1日を見てみると、レギュラー番組の生放送、ラジオ収録、雑誌の取材とスケジュールがびっしり。仕事終わりにはジムへ行き、その後は寄り道せずに帰宅。翌日に備えて24時前には必ず寝るなど、プロ意識の高さも伺えます。

 一方、今月の「ここだけの話(ハート)」では、これまで好きなタイプは「甘えられる年上男性」と言ってきたけれど、最近では「自分を頼ってくれる年下男子」をカワイイと思えるようになってきたという話題を出し、「30で切羽詰まって守備範囲を広げようと画策しているわけではなくて(笑)、これがいわゆる“母性”ってやつではないか」と語っています。そして、これまでは「私の場合、赤ちゃんや子供に『カワイイ~』と近づくと、あざとさ満点に見えてしまうことを自覚しているから意図して子供を遠ざけてきた」と、なんともこじらせた一面を暴露。「この行き場のない母性を男性に向けたくなる」けれど「なんか方向性違くない!?」と締めくくっていますが、何もそこまで自虐に走らなくてもいいのに……と思ってしまいます。

 田中は間違いなく美人な部類に入りますし、さらに女子アナというブランドがあるのですから、黙っていても恋愛のチャンスがやってくるのは当然です。何だか無理やり自分を「独身アラサー女子」の代表に追いこんでしまっている気がしてなりません。以前のぶりっこキャラもそうでしたが、田中は、周囲から期待される役割に全力で応えてしまうタイプなのではないでしょうか。バラエティ番組での受け応えや芸人からのいじりへの切り替えしなどを見ても、頭の回転の早さは一目瞭然。その場で求められる対応を瞬時に察し、さらに応えられるだけの高い能力を持ち合わせているように思います。

 もしかすると、職場における「GINGER」読者たちも同じなのかもしれません。今月号で田中と同じ企画で密着取材されていたのは、レコード会社のプランナー、大手メーカーの研究員、IT企業の社長秘書など、一般職OLとは一線を画す専門的な職業ばかり。恐らく、彼女たちは、目標に向かって学生時代から努力を積み重ねてきた優等生タイプなのではないか……その真面目さから、職場で求められる役割をまっとうしているのではないか……そんなことを思ってしまいました。そのうえ「#おしゃれに働く」なんて意識の高いことを求めるなんて、「GIGER」編集部、鬼畜すぎ! 普通に働いてるだけで、みんな十分偉いですよ!

 そういえば田中みな実、先月の「an・an」(マガジンハウス)で手ブラ姿を披露してましたよね。いや、ほんと、求められたからって脱がなくていいよ!! どうかあふれ出る母性を他者ではなく自分自身に向けてほしいと願います。

 続いて「GINGER世代の恋愛観・結婚観」を見ていきましょう。いや~、待ってましたよ。筆者が一番知りたかった! 基本的には恋愛企画が少なく、あったと思ったら、突然のモテ企画が微妙な出来だったり、唐突に「愛」について語り始めたりと迷走気味な「GINGER」。読者も、おしゃれや仕事に関しては勉強と努力で平均点以上を取れるものの、こと「恋愛」については苦手意識を感じていそうです。

 未婚読者9,000人へのアンケート結果を見ていくと、彼氏がいない率が53%と半数を超えています。結婚に対しても、「キャリアを潰したくない」「仕事と両立できるか不安」と、まだ彼氏もいない段階から悩むという頭でっかちさを見せています。アドバイザーとして登場した、メディアにも引っ張りだこのトレンダーズ社長・経沢香保子さんは「私の感覚では、目標さえしっかりしていればほぼキャリアはつぶれない時代です。周囲と協力体制を整え、時間配分さえきちんとしていればどうにかなるもの」と彼女たちをバッサリ。実際、3人の子育てをしながら社長としてバリバリ働いている経沢さんが言うのだから、ぐうの音も出ません。

 また、婚活をしていない理由は、「ガツガツしていると見られたくない」という意見が大半を占めており、「GINGER」読者たちはややプライドが高いのかも? 仕事のことはあくまでも言い訳、勉強や努力でどうにかなるわけではない「恋愛」や「結婚」に対して、どう取り組んでいけばいいのかわからず、不安を抱いている一面も垣間見えます。

 さらに、アンケートから「(結婚は)いつかはしたい」と漠然と考えている人が多いことも気になりました。結婚は、「絶対したい」「したくない」と決めつけるものでもありませんが、経沢さんが言うように「自分がどう生きたいかがわかっていない」ので、結婚は、当然いつかはするもの、とぼんやり思い込んでいるのかもしれません。やっぱり「GINGER」女子が迷走しがちなのは、自分の軸がなく他者目線で生きているから……仕事でも恋愛でもおしゃれでも、周囲の期待とか世間体とか流行とか、どんどん裏切っていいじゃん! それに手ブラはしなくていいよ!! と伝えたくなりました。
(橘まり子)

田中みな実の“アラサー独女自虐”が浮き彫りにする、「GINGER」女子の生きづらさ

 今月の「GINGER」(幻冬舎)の表紙は、グレンチェックのスーツスタイルに、おしゃれなデザインの縁あり眼鏡をかけた綾瀬はるか。この秋流行の「オジ柄ファッション」ではあるものの、一般人が真似すると、ただのオジサンになってしまう危険性を孕んでいます。「#おしゃれに働く」というハッシュタグ風のコピーが今号のテーマなのですが、ファッションページをパラパラめくると、「ゆるシルエットの羽織りワンピース」「こっくりカラーのマーメイドスカート」「地面スレスレ丈のタックワイドパンツ」と、これまた難易度高めのアイテムがズラリ。いくら「通勤服はもっと遊べる!」と言ったって、さすがにこんな、どぎつい紫のパフスリーブ風ブラウスで出社したら、ハロウィンの仮装か何かと勘違いされてしまうんじゃないでしょうか? まあ、「GINGER」のやることが極端すぎるのにも、もう慣れてきましたけどね……。それでは、中身を見ていきましょう~。

<トピックス>
◎おしゃれに働く現場から
◎フリーアナウンサー 田中みな実のここだけの話(ハート)
◎GINGER世代の恋愛観・結婚観

■田中みな実と「GINGER」女子の共通点

 まずは、さまざまな職に就く7人の女性の、とある1日を密着取材した「おしゃれに働く現場から」を見ていきましょう。トップバッターは、フリーアナウンサーの田中みな実です。「何で田中みな実?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、局アナ時代はぶりっこキャラで、嫌いな女子アナランキングの常連だった田中ですが、フリーになってからは元カレであるオリエンタルラジオ・藤森との過去をネタにしたりと、ぶっちゃけキャラに路線変更。レギュラー番組も堅調に増え、アラサー女子からも一定の支持を得ています。

 そんな彼女は、実は「GINGER」の顔とも言える存在です。「田中みな実のここだけの話(ハート)」という連載エッセイを持ち、モデルやタレントたちと並んでたびたび誌面でも特集されることもあります。むしろ身長が153センチと低くてコーディネートに悩んでいるところや、エッセイで飛び出す独身アラサーとしての自虐ネタ、デパコスからプチプラまで網羅するコスメオタクの一面など等身大の姿が、香里奈、山田優、長谷川潤などオーラ強めのレギュラーモデル陣より読者の共感を呼んでいるのかも。

 早速、田中の1日を見てみると、レギュラー番組の生放送、ラジオ収録、雑誌の取材とスケジュールがびっしり。仕事終わりにはジムへ行き、その後は寄り道せずに帰宅。翌日に備えて24時前には必ず寝るなど、プロ意識の高さも伺えます。

 一方、今月の「ここだけの話(ハート)」では、これまで好きなタイプは「甘えられる年上男性」と言ってきたけれど、最近では「自分を頼ってくれる年下男子」をカワイイと思えるようになってきたという話題を出し、「30で切羽詰まって守備範囲を広げようと画策しているわけではなくて(笑)、これがいわゆる“母性”ってやつではないか」と語っています。そして、これまでは「私の場合、赤ちゃんや子供に『カワイイ~』と近づくと、あざとさ満点に見えてしまうことを自覚しているから意図して子供を遠ざけてきた」と、なんともこじらせた一面を暴露。「この行き場のない母性を男性に向けたくなる」けれど「なんか方向性違くない!?」と締めくくっていますが、何もそこまで自虐に走らなくてもいいのに……と思ってしまいます。

 田中は間違いなく美人な部類に入りますし、さらに女子アナというブランドがあるのですから、黙っていても恋愛のチャンスがやってくるのは当然です。何だか無理やり自分を「独身アラサー女子」の代表に追いこんでしまっている気がしてなりません。以前のぶりっこキャラもそうでしたが、田中は、周囲から期待される役割に全力で応えてしまうタイプなのではないでしょうか。バラエティ番組での受け応えや芸人からのいじりへの切り替えしなどを見ても、頭の回転の早さは一目瞭然。その場で求められる対応を瞬時に察し、さらに応えられるだけの高い能力を持ち合わせているように思います。

 もしかすると、職場における「GINGER」読者たちも同じなのかもしれません。今月号で田中と同じ企画で密着取材されていたのは、レコード会社のプランナー、大手メーカーの研究員、IT企業の社長秘書など、一般職OLとは一線を画す専門的な職業ばかり。恐らく、彼女たちは、目標に向かって学生時代から努力を積み重ねてきた優等生タイプなのではないか……その真面目さから、職場で求められる役割をまっとうしているのではないか……そんなことを思ってしまいました。そのうえ「#おしゃれに働く」なんて意識の高いことを求めるなんて、「GIGER」編集部、鬼畜すぎ! 普通に働いてるだけで、みんな十分偉いですよ!

 そういえば田中みな実、先月の「an・an」(マガジンハウス)で手ブラ姿を披露してましたよね。いや、ほんと、求められたからって脱がなくていいよ!! どうかあふれ出る母性を他者ではなく自分自身に向けてほしいと願います。

 続いて「GINGER世代の恋愛観・結婚観」を見ていきましょう。いや~、待ってましたよ。筆者が一番知りたかった! 基本的には恋愛企画が少なく、あったと思ったら、突然のモテ企画が微妙な出来だったり、唐突に「愛」について語り始めたりと迷走気味な「GINGER」。読者も、おしゃれや仕事に関しては勉強と努力で平均点以上を取れるものの、こと「恋愛」については苦手意識を感じていそうです。

 未婚読者9,000人へのアンケート結果を見ていくと、彼氏がいない率が53%と半数を超えています。結婚に対しても、「キャリアを潰したくない」「仕事と両立できるか不安」と、まだ彼氏もいない段階から悩むという頭でっかちさを見せています。アドバイザーとして登場した、メディアにも引っ張りだこのトレンダーズ社長・経沢香保子さんは「私の感覚では、目標さえしっかりしていればほぼキャリアはつぶれない時代です。周囲と協力体制を整え、時間配分さえきちんとしていればどうにかなるもの」と彼女たちをバッサリ。実際、3人の子育てをしながら社長としてバリバリ働いている経沢さんが言うのだから、ぐうの音も出ません。

 また、婚活をしていない理由は、「ガツガツしていると見られたくない」という意見が大半を占めており、「GINGER」読者たちはややプライドが高いのかも? 仕事のことはあくまでも言い訳、勉強や努力でどうにかなるわけではない「恋愛」や「結婚」に対して、どう取り組んでいけばいいのかわからず、不安を抱いている一面も垣間見えます。

 さらに、アンケートから「(結婚は)いつかはしたい」と漠然と考えている人が多いことも気になりました。結婚は、「絶対したい」「したくない」と決めつけるものでもありませんが、経沢さんが言うように「自分がどう生きたいかがわかっていない」ので、結婚は、当然いつかはするもの、とぼんやり思い込んでいるのかもしれません。やっぱり「GINGER」女子が迷走しがちなのは、自分の軸がなく他者目線で生きているから……仕事でも恋愛でもおしゃれでも、周囲の期待とか世間体とか流行とか、どんどん裏切っていいじゃん! それに手ブラはしなくていいよ!! と伝えたくなりました。
(橘まり子)

“ルブタン特集”で読者をマウンティング!? 「GINGER」の突然変異に募る不安

 今月の「GINGER」(幻冬舎)の表紙は長澤まさみ。「靴特集」ということもあり、10cmは優に超えるピンヒールを履いた脚を魅せるため、床に着けた尻と肘でバランスを取りながら脚を頭上まで高く上げるという、まるでヨガのようなポーズをとらされています。せっかくの美脚も、無理やり表紙サイズに収めるために折りたたまれており、腹筋に力を入れているせいか、なんだか顔も強張っているような……? 「女は『靴』をあきらめない」という赤字で記されたコピーも、“雰囲気重視”で浮ついているようにも感じます。前号では、丸々1冊、タレントたちに“愛”を語らせるという特集を組み、ファッション誌から自己啓発本への大胆なイメチェンをした「GINGER」だけに、もはや何が正解なのかわかりませんが……。早速、中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎なぜ、私たちはルブタンに惹かれてしまうのか?
◎モデルたちの“きれいの秘密”はヘルシーな習慣にあり!
◎“職場の困ったさん”注意報、発令中!

■ルブタンを鼻息荒く語る山田優に思うこと

 今月の「GINGER」は、「女は『靴』をあきらめない」という大テーマの元、靴フェチ芸能人たちが、お気に入りの私物の靴を紹介する「私が靴を愛するワケ」、今年の秋のトレンドシューズをお得意の参考書スタイルで解説してくれる「靴からはじめる秋スタイル」、履き心地・クッション性・デザイン・柔らかさ・コストパフォーマンス・安定感の全6項目を評価した「通勤OLをすくう、神パンプスはどれだ?」、ボリュームファー・キラキラヒール・レースアップ・スパンコールなど、とにかく見た目に“トキメキ”要素のある靴をひたすら並べた「ハートを射抜く、フォトジェニックな靴」……と、ひたすら「靴」企画が続きます。

 前号では、「自分の軸を持て」という説教メッセージを読者にかましてきたにもかかわらず、中身をくまなく読んでも、それを実現する方法がどこにも書かれていなかった「GINGER」。唯一、芸能人たちが趣味を紹介していたページを読んで、筆者は、要するに「自分の“好き”を大事にすることから始めなさい」ということかなと、察しました。その流れで今月号を読むと、「GINGER」編集部は読者に、“靴”という趣味を提案しているのではと受け取れるのですが、靴を趣味にするって、ハードル高くないか!? 「印象も、履き心地も、こだわり続ける。運命の一足と出合うまで――」という特集冒頭のポエムが示す通り、こだわればキリがない“靴”の沼はかなり深いと思います。アラサー女子が、“カネの面”でハマると危険な趣味としては、“着物”の次にヤバイんじゃないですかね? 

 だって見てください。紹介されているハイブランドシューズの数々。「¥106,000/ジミー チュウ」「¥147,000/グッチ」「¥155,000/ジュゼッペ ザノッティ」……たぶん「GINGER」読者の家賃より高いですよね? もちろん通勤用パンプスや、デイリー使いの3万円以内のトレンド靴、ファストファッションのプチプラ靴も紹介されていますし、「やっぱりスニーカーが好き」といった現実的な特集も組まれています。しかし「靴は、その人自身を映し出す鏡」「だから、私たちは靴に妥協できない」と読者を煽った上で、満を持して始まるのが、クリスチャン ルブタン特集「なぜ、私たちはルブタンに惹かれてしまうのか?」なんです……。

 日比谷の交差点ですれ違ったクリスチャン ルブタンの「8.5cmヒール(いい女のアイコン)」を履いた女性に「圧倒的な敗北感」を感じ、「上質な艶を湛えた極上の女」になるために「これからはせめて週1回、パンプスを履こう」と決めた……そんなファッションエディター・古泉洋子のショートエッセイから始まるこの企画。ナビゲーターは、ルブタンの靴を60足持っているという山田優です。それにしても60足って、安く見積もって1足10万円だとしても、600万円は超える計算。「極論、履かなくたっていい!」「見ているだけで、特別な気持ちにさせてくれる」と鼻息語る様子からも、ルブタン沼の闇深さを感じます。

 これまで、現実路線で、いまいち読者の気持ちが上がらなそうなファッション特集ばかり組んでいた「GINGER」が、突然華やかな世界からのマウンティングを読者に仕掛けてきたのには驚きました。ルブタン氏とプライベートディナーをする仲だという山田を、一般人が真似ることはできないので心配ないとは思いますが、真面目な「GINGER」女子が、うっかりそのマウンティングに対抗してルブタンを買ってしまい、自意識にがんじがらめにされないか、気が気でなりません。

■「GINGER」流ダイエットはストイック

 続いて「アラサー女子のヘルシーアップな毎日。」という特集の中にある「モデルたちの“きれいの秘密”はヘルシーな習慣にあり!」を見ていきましょう。以前からちょいちょいダイエット特集はありましたが、そのたびに紹介されるのは、筋トレや食事制限などストイックな方法。真面目かつ努力家な「GINGER」女子と相性がいいのでしょう。今回も「小さな努力の積み重ねが、大きな美につながるのです(はぁと)」というキャッチの通り、「毎朝コップに半分甘酒を飲む」「自宅リビングでストレッチボール」「夜は炭水化物を一切摂らない」「自分でお灸や円皮鍼をする」「アミノ酸をサプリで摂取」など、モデルたちがストイックな努力の裏側を披露しくれます。

 特に印象的だったのは、ゴルフにハマッて10年の三枝こころが、日焼け対策のためにフェイスカバー、レッグウォーマー、スパッツという「誰だかわからないくらいの完全ガード」姿でゴルフをしている写真です。先ほどのルブタン特集の山田も突き抜けていましたが、「GINGER」が読者に提示する価値観って、ちょっと極端すぎます。前号でも理想の結婚をテーマに、「ぺこ&りゅうちぇる」にインタビューしていたし、そもそも全編インタビューという雑誌の構成自体がやりすぎでしたよね……。

■結局、「GINGER」女子は困ったさんなのか?

 最後にチェックするのは「“職場の困ったさん”注意報、発令中!」です。「デキると思って全部ひとりで抱え込む」「“男に負けたくない!”というプライド」「自分で作った“自分ルール”を押し付けてくる」などが、同僚や先輩の困ったエピソードとして挙げられ、“困ったさん”にならないようにと注意喚起をしています。“困ったさん”になってしまう原因は「一生懸命ゆえに、逆にそのやる気が空回り」しているせいだと心理カウンセラー・塚越友子さんは分析。「自分にも他人にも、要求する水準が高い完璧主義な人は要注意」「頑張りすぎそうになったら、あえてブレーキをかけてほしい」とアドバイスしています。

 散々ストイックな努力を称賛しときながら、最後は「GINGER」読者を“困ったさん”予備軍として扱うなんて、衝撃的な展開! 「GINGER」女子たちが「自分の軸」を持てる日はやって来るのでしょうか。
(橘まり子)