美魔女になりたくない「Domani」、最優先は“仕事ができる女”感

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「Domani」2013年1月号(小学館)

 先月号の「Domani」(小学館)のレビューで、読者モデルによる座談会連載において40代への漠然とした不安がトピックに挙がり、「もう、自分たちが家庭をもっても仕事を続ける先駆者になるしかない」とロールモデル宣言ともいうべき発言が出たことをお伝えしました。それを受けてか、今月号の「Domani」の特集は、30代女性に向けた新たな提案「2013年は“まあるい女”でいこう!」。2012年も「まちゃあきパンツ」「ハブ女」「地味美人」など新語を生み出してはまったく根付かなかった「Domani」だけに不安を感じるのですが、2013年こそは大丈夫??

<トピック>
◎まあるい服に、バッグと靴だけは、とんがっていこう!
◎男だらけの“オンナの下着”覆面座談会
◎新連載 堂本剛の“上から目線”“下から目線”

「Domani」が提唱する地味美人は、欲望を禁じさせた社会の産物

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「Domani」2012年12月号(小学館)

 「いつも心に『寅さん』を!」「華麗なる貧乏で行こう!」「まちゃあきパンツ」……これまで「Domani」がうんうん唸りながら生み出し、世間がスルーしてきた言葉はいくつあったでしょう。そんな中、今月「Domani」意気揚々とぶつけてきたのは、「地味美人」。今月号の特集は「“派手キレイ”より“地味キレイ”の時代です」。そしてこの地味美人という言葉の裏には、社会に抑圧された欲望のカタチが見え隠れしたと実感した次第でございます。それでは早速中身にレッツラゴー!

<トピック>
◎会って5秒で決まる…! “地味美人”vs“派手美人”ってこういうことです!
◎バブラー上司&ゆとらー部下の取扱説明書
◎産む? 産まない? する? しない?

「Domani」の新語「ハブ女」、それはとても悲しい生き物……

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「Domani」2012年11月号(小学館)

 今月号の「Domani」、はじめに真面目な話を。今号には「味噌汁は“飲む”点滴です!」という美容・健康情報企画があります。味噌汁の効能とレシピが紹介されているのですが、問題は皮膚科医・内科医でテレビのコメンテーターの友利新医師による効能説明の箇所。「がん予防」「老化防止」「美白効果」「脳の新陳代謝UP」の後に書かれているのは「放射線障害の軽減」。詳細を見てみると、「原爆の後遺症調査の中に『味噌を食べていたので原爆後遺症が少なくて済んだという話が。味噌に含まれるジピコリン酸という物質に、放射性物質を排出する作用があるのだとか。チェルノブイリ原発事故の直後には、味噌の輸出量が2トンから14トンに急増したそう!」とオール伝聞口調で、かなり明るく書かれています。

 あの「3月11日」以降、被災した人と、それ以外の人の時間が流れる速度が異なることも仕方がないことだ思います。それにしても、「美白効果」「老化防止」と並列で「放射線障害の軽減」を語るべきなんでしょうか。友利医師は福島に行って、「味噌汁は美白と老化防止と放射線障害の軽減に効果があるようですよ!」と言えるんでしょうか。徒に過敏になることは不要ですが、社会的な問題であるはずの放射線問題を、実証もせずに医師の伝聞だけでお手軽に話題にした「Domani」の罪も軽くはないはずです。

<トピック>
◎味噌汁は“飲む”点滴です
◎連載「産む? 産まない? する? しない?」
◎大人の女には“つながり”がある! 『職場で、流行ってること』連絡網(つながり)BOOK

「Domani」における世界レベルの「仕事ができる女」気取りは本物?

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「Domani」2012年10月号(小学館)

 このところの「Domani」は、「35歳、おしゃれも、人生も断捨っていこう!」とか「“きちんといい女系”ナナvs“こなれたいい女系”佳子のSMB5着回し対決」とか、とりあえず5アイテムでワンシーズンを着こなせという無理難題を押しつけてきます。今月号も特集は「秋の始まりは、たった5枚の服で、“きちんといい女”“こなれたいい女”」。「いい女」シリーズは近年の「Domani」でずっと主題にしているテーマなんですが、今月号では「仕事ができるのにオシャレで女らしい」「仕事ができるのにオシャレでかっこいい」というフレーズまでつきました。キャリア志向女性を取り込もうとキャッチーにしたのはいいのですが、下衆な筆者は「Domani」読者は本当に仕事できるのかな、と疑問に思いました。バリキャリ志向の1/3は、実は「自称・仕事のできる女」ですからね。口は動いても、手は動かさない。おいしいところだけかっさらっていくタイプも少なくないですし、本当に仕事できる人はファッション誌もパラパラめくるだけですから。ま、そんな意地悪な視点は捨てて、「Domani」を読んでみましょう。今月もブッ飛ばしてますよ~~!

<トピック>
◎“きちんと系”なら「アンジー」タイトvs“こなれた系”なら「マチャアキ」パンツ
◎「きちんと母娘」vs「こなれた母娘」家族の肖像
◎“BAG&SHOES”Domani

読者座談会連載で「Domani」が面目躍如! 女・妻・母の人生を考える

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「Domani」2012年8月号(小学館)

 今月号の「Domani」の大特集は、「35歳、おしゃれも、人生も断捨っていこう!」です。ファッションだけじゃなく、人生まで俎上にあげてきました。どんな壮大な記事になるかと思えば、相変わらずな感じです。同誌表紙モデルの知花くららが8ページにわたって語っている「知花くららの現在を生きるファッション“断捨リズム”論」もタイトルからダジャレかよと思いつつ読み始めてみると、「断捨リ・ジャーニー」とか「“ワクワクで選び抜かれたクローゼット」といった言葉が出てきたかと思えば、いきなりハリー・ポッターの話が出てきたり、耳掃除タイムのお供にさっと目を通すぐらいの内容です。ただ一点評価したいのは、意味もなくカッコよく撮られたモノクロ写真。中でも、Tシャツとパンツという非常にシンプルなカッコで闊歩する知花が、ふとカメラに顔を向けた瞬間を撮った1枚。髪の毛が顔の半分を隠し、髪の毛の隙間から知花のくっきりした目が見え隠れし、ものすごい迫力となっています。2012年、今ここに与謝野晶子を越えたみだれ髪が誕生したことをご報告します。

<トピック>
◎35歳、おしゃれも、人生も断捨っていこう!
◎知花くららの現在を生きるファッション“断捨リズム”論
◎連載座談会「産む? 産まない? する? しない?」

“ネタ”を消費し合う女性誌のなかで、「Domani」が苦戦する理由

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「Domani」2012年7月号(小学館)

 先月号はファッションはもちろん、「ベージュ旅」「ベージュごはん」とベージュベージュ騒がしかった「Domani」。今月号は「35歳、おしゃれも、人生も白黒ハッキリつけます」と、モノトーン推し。その名も「PANDA Domani」ですって。コンセプトページでは、知花くららと漫画『やさぐれぱんだ』がコラボしています。一般人には着こなしが難しそうなつま先まですっぽり隠れるエルメスの真っ白のワンピースを着て「オシャレすぎるキリスト」みたいになっている知花の傍らにパンダ、歯科医師みたいな微妙な丈のトップスを着た知花の傍らにもパンダ……。今月も「Domani」は頑張ってるけど不発弾、といった様相が見てとれます。しかーし、我々も重箱の隅をつついているだけなんてもってのほか。雑誌は読者が育てている、という一面もあるんです。というわけでみなさん、大学野球の総当たり戦を終えた後のエール交換のように、「Domani」の健闘を讃えましょう!

<トピック>
◎“きちんといい女系”ナナvs“こなれたいい女系”佳子のSMB5着回し対決
◎35歳からの『黒髪』&『白髪』を考える
◎潔白『白』ワンピースvs腹黒『黒』ワンピース

どうした、「Domani」! ベージュ特集に「おばあちゃんのベージュごはん」

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「Domani」6月号(小学館)

 交際&妊娠発覚(?)という2階級制覇で話題となっている長谷川理恵。「Domani」の連載では冒頭のわずか2文で「マラソンをするようになってから、食生活にお酢を取り入れるようになりました。そのことから『季節の野菜と一緒にとるのがてっとり早い』と自家製ピクルスをつくり置きしています」と自分の売りである、"マラソン”と"野菜ソムリエ”を匂わす発言をしています。さすが、自分を売るプロですね。長谷川の妊娠・出産コラムも期待したいところですが、「Domani」では昨年10月に出産した、モデル・SHIHOのコラムが始まったばかり。今月号のSHIHOのコラムを見てみると、全裸に薄いブランケットを載せて横たわっているSHIHO&ベイビーがドーン。話の方もヨガやら気やらバランスやらを語り、最後には「人を幸せにできる人になれるように毎日が勉強ですね」という壮大な一言で締めています。いやいや、この席はなかなか空きそうにありませんぞ。長谷川も「ママランナー」とかなんかテキトーに新しい横文字をくっつけてビルトアップしてください。

女性誌のサブリミナル効果が結実した、「Domani」の“働くいい女”像

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「Domani」5月号(小学館)

 今月号の「Domani」、同誌カバーモデルの知花くららの30歳誕生日特集にページが割かれています。今まで散々「35歳・夏は“気持ちいい”私!」「35歳・モテ期説は本当だった!?」という特集を組んでメインターゲットの「35歳」を煽ってきたのに、知花は20代だったの? と白目ひんむいた人も多いことでしょう。でもよくよく思い出してください。いまはもう休刊した「NIKITA」(主婦と生活社)はあれだけ30歳以上の艶女(アデージョ)推しだったにも関わらず、カバーモデルは10代の外国人モデルでした。「年齢に縛られない美しさを」「エイジレスな私」を謳う女性誌こそが、「若さ至上主義」の権化であるということを感じさせられます。渡辺えりや瀬戸内寂聴を表紙にする「婦人公論」がいかに誠実か! まあ、そうはいってもファッション誌とライフスタイル誌の違い。ファッション誌における「若さ・顔面至上主義」の鎧は固いッス。

<トピック>
◎「女」「妻」「母」3人の35歳
◎「知花くらら、30歳になりました」
◎春は、大人かわいい“まあるい髪”でいこう!

女性誌の禁句「美人じゃない」を使っても、出オチ感が否めない「Domani」

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「Domani」4月号(小学館)

 今月から新連載がスタートしました。モデルのSHIHOプレゼンツ"私の日々語り"、タイトルは「mothermoon」。タイトルもベタですが、リードもスゴイです。「SHIHO―女として、妻として、母として..."私たち、いつだって、あなたの生き方が大好きです!"」。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いと申しますが、その反対で「SHIHOが好きなら生き方まで大好き」ということでしょうか。「ヨガを初めてから、そして子供を授かってからというもの、ますます体の感覚に敏感になってきた私がいます」という書き出しで始まり、終始「育児を通じて自分が高められる」というママタレントのキラーフレーズを連発。「娘と出会って知った、心から溢れる愛を周りにいてくれるすべての人にも向けて、育み育まれ、一生懸命生きていきたい」と締めくくっておられました。ご神託ですか。

 SHIHOといえば、シレっとカリスマモデルを語り、ギラっとした夫と結婚したくらいの認識が一般的。「35歳、『仕事』も『女』も、これからがもっと楽しい!」という「Domani」にあって、SHIHOはまさにドンピシャの世代(1976年生まれ)であり、これくらいのウットリは必要悪なのかもしれません。ただ「聞いて......育児ってね、神様からのご褒美なの」という話を、読者層である三十路をとうに超えた女たちが聞いて喜ぶのかっていう疑問が付いて回るのです。

<トピックス>
◎2012年・春の"きちんといい女系"vs"こなれたいい女"系はこうなる!
◎"美人じゃないけど、努力とセンスだけでここまでできる!"BOOK
◎川越達也の男時間

夢を見させるという役を果たした、「Domani」の着回しコーデ企画

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「Domani」1月号(小学館)

 今月号の「Domani」を触った瞬間、「薄っ!!」と衝撃を受けてしまいました。12月号と比べたら、何と約90ページ減。これまで寅さん特集、華麗なる貧乏特集と耳目を集める特集を続けていたのですが、今月号は「2012年これが30代(オトナ)の"リアル"です!」と平凡な企画で広告が集まらなかったのでしょうか?

 ちなみに「30代のリアル」特集は箸にも棒にもかからない特集。ハイライトはお馴染みの「Domani」うっとりポエムです。30代のオトナを演出するアイテムを一つひとつ紹介していますが、「テーラードジャケット」の文章にしびれました。

「細身のジャケットを着たら大人になれる気がしていたあのころ、思い描いていた"オトナ(30代)"にいつの間にやらなっていた。背伸びのためから、等身大のアイテムへ。Not真面目に、But気楽に。着こなす気分に進化を感じる」