ワーキングマザー向けにリニューアルされた「Domani」(小学館)の10・11月号が発売されました。独特の味がある文章を毎回楽しみにしていた高島彩さんの連載エッセイ「高島彩の『ママ時間』『ノーママ時間』」が、この号をもって終了という残念なお知らせはありましたが、ほかは通常運行です。
特集は「服は“たった5枚”あればいい(ハート)」。表紙には、実の娘を抱く“モデル兼エディター”という肩書の望月芹名が立て膝で鎮座し、「ワー/ママになって初めて私たち、スティーブ・ジョブズの気持ちがわかりました…!」とのキャッチフレーズがドーン! ジョブズが“効率を考えて常に同じコーディネート”だったという部分への共感なのですが、「ジョブズの気持ちがわかる」は少々大げさである気が。何ごとも盛って語りがちな「Domani」の癖が出ております。自分の名前が日本の女性ファッション誌の表紙を飾るとは、天国のジョブズも思っていなかったことでしょう。ジョブズもビックリな中身、早速、見ていきましょう!
<トピックス>
◎私たちが“新・ドマーニスト”33人です! 「ニッポンのワーキングマザーはかっこいい!」
◎服は“たった5枚”あればいい(ハート)
◎実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル「渋谷区の女」
読者モデル33人が多すぎる!
今号では、公募していた読者モデル「ドマーニスト」が発表になりました。「Domaniを象徴する存在」として誌面に登場していくという彼女たちは、総勢33人。その全員が巻頭の企画「私たちが“新・ドマーニスト”33人です! 『ニッポンのワーキングマザーはかっこいい!』」で紹介されています。
撮影は、写真家のレスリー・キー。みんな白いトップスにジーンズというファッションで、キメキメのヘアメイクを施され、風に吹かれながらポーズをとっていることもあって、よく似た雰囲気の女性ばかり33人も集めたなぁというのが第一印象です。
ワーママ向けの雑誌なので、当然みなさん子育てと仕事をする女性。プロフィール欄には自身の職業、年齢のほかに、子どもの性別と年齢、どのように仕事と育児に取り組んでいるかをアピールする紹介文も。なんでしょうか、この「素晴らしいですね」としか言わせないような圧……。素晴らしい、確かに素晴らしいのだけれど、読んでいると息苦しくなるのはなぜでしょう。「Domani」側の「普段は忙しくてボロボロのワーママたちをキレイに撮ってあげました!」感、「みなの者、これが目指すべきママ像だ! 彼女らに憧れろ!」感が漏れ出ているのも原因でしょうか。
それにしても33人は多すぎる。その後の誌面にも「ドマーニスト」がやたら出てきます。ですが皆さん似ているので見分けもつかず、「やけにたくさん人間が写ってるなあ」という感想しか浮かびません。いやしかし、育児と仕事とドマーニストの三足のわらじ、本当に素晴らしいです。
「ワー/ママになって初めて私たち、スティーブ・ジョブズの気持ちがわかりました!」と話すドマーニストたちの座談会から始まるのが、メイン特集「服は“たった5枚”あればいい(ハート)」。
忙しい朝の時短のため、“5枚の服での着回し”を勧めるこの特集。表紙モデルの望月が、ベーシックな5着で6通りの着こなしを披露しています。注目は、どのコーデも毎回違ったカバンやスカーフ、サングラス、アクセサリー等のさまざまな小物類を合わせ、ベーシックコーデにが華やかにアレンジされているところ。小物合わせって、最もセンスが必要で時間がかかってしまうところだと思うのですが……。「ジョブズの気持ちはわかっても、おしゃれにはやっぱり手を抜きたくない」という乙女心が感じられます。
またその後のページでは、望月が着こなした6コーデと同じコーデを、6人のドマーニストが披露しています。しかも、1コーデにつき1ページを丸々使う贅沢すぎるレイアウト。
なぜまったく同じコーデを、読者モデルのアップで「ドヤ!」と見せられているのか、しばし考えました。このページをドマーニストのお子さんたちが見たら喜ぶだろうと想像すると、「まあ、いいか」とも思えますが、どちらにせよ、ドマーニストによるドマーニストのための雑誌なのだなぁという疎外感は感じました。
最後は、毎号注目している連載読み物「実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル」。今回は渋谷区ママ編で、千駄ヶ谷、代々木上原、代官山などの高級住宅地にお住まいのワーママにインタビューしています。
「高島屋はご近所スーパー」「代々木公園や明治神宮は庭」「伊勢丹は目をつむってでもどこに何があるかわかる」など、この連載で前にも読んだようなセリフが渋谷区ママからも飛び出します。
さらに「(子どもたちは)みんなが並ぶタピオカやプリクラは空いてる時間にさっと行ってるし、芸能人のパパやママを普段から見てるからいちいち反応しない。ありがたみがないんですよ。好きな食べ物は? と聞かれて“テッサ”(註:ふぐ刺し)と答えたときには、なんかいろいろ考えちゃいました」と、自虐風自慢という技も披露。
中でも最もヒートアップしていたのが、子どもの教育の話題でした。Eさんが「半分くらいは私立小学校のお受験をするんじゃないかな。いちばん人気は青学」と言えば、息子が区立に通っているFさんは「お受験、一応するけど、いい区立があるから落ちてもいいやっていう力みすぎてないママが多いかも(笑)」とアピール。“(笑)”が余計、怖いです。Fさんがさらに、区立小が力を入れているIT教育について15行にわたって熱弁すると、Gさんも「うちの娘は区立の松濤中学校に通っているんですが、英語教育の重点校になって……(以下長いので略)」と校名を挙げてまで助太刀します。
そこにDさんが「各家庭で教育方針をしっかり考えている印象。中学受験をする家庭は、3年生くらいから有名塾に通わせています」と統括しようとすると、Cさんが「子どもは家から近いのが一番じゃない? 私も娘も区立に通ったし」と“子ども目線”を持ち出してきました。今までのどの区のママより、区立派の「私立には負けない!」アピールの熱量が高く、かえって私立コンプレックスを感じます。
渋谷というコンクリートジャングルで生き抜くには、自分の身を守る自虐風自慢、マウンティングをし返す話術といった、サバイバルスキルが必要なのかもしれないと思いました。
(島本有紀子)
「白髪」の話題が大好物な「Domani」(小学館)。カバーガールの小泉里子さんが白髪染めのCMに出ていることもあってか、「Domani読者の最大の悩み!」と思っているようでして、ちょいちょい顔出すテーマなんですよね。そして3月号にまたしても登場。「白髪のことを正しく知ろう」です。ん〜、もうおなかいっぱい! 白髪も気になりますが、「薄毛」「尿漏れ」「セックスレス」といったアラフォーの悩み3大巨頭(筆者調べ)について書いてくれませんかね……。