今号の「CLASSY.」(光文社)、特集は「骨格診断で夏のオシャレが劇的に変わる!」です。骨格診断とは「CLASSY.」が長く唱えている、生まれ持った骨の大きさや筋肉や脂肪の付き方で体形を判断するもの。「雑誌やネットにあふれるスタイルアップテクニック、自分にはどうもしっくりこないなと思ったことはありませんか? たぶんそれは骨格タイプが合っていなかったから」とはリードの弁。ファッション的に狭間の季節ならではの、ひねり企画です。ただ毎回思うのは、それぞれのタイプの特徴を読んでも、どれが自分に当てはまるのかわからない……。ただの肉付きがいいタイプがない……。
<トピックス>
◎特集 骨格診断で夏のオシャレが劇的に変わる!
◎Sサイズ名品で7月の着回しDiary
◎本当の幸せは40歳婚にある!?
■高いところにある資料は脚立で取れ
スタイルアップ特集の宿命ですが、元々スタイルがいいモデルさんが何を着ても「はぁぁ似合いますな」としかならず、かといって読者が出てくると急に現実に引き戻されてしまいます。ですので、この特集の正しい楽しみ方は、無理やりでも自分の骨格タイプを確定し、「あぁ私が何着ても似合わなかったのは、骨格タイプに合ってないものを着ていたからなのね……」とひとり自分を慰め、まだ見ぬ未来に希望を確保しておく……これではないでしょうか。
さて、今回拝見したいのは、久しぶりの着回し企画「Sサイズ名品で7月の着回しDiary」です。出た。出ました。「CLASSY.」のSサイズもてあそび企画。今月の主人公は「編集者に憧れて出版社に就職。この6月にファッション誌からスポーツ誌へ移動になり、プロバスケットボールのBリーグ担当に。ミーハーな性格で、話題のスポットやオシャレなものに目がない」29歳女性。Bリーグ注目選手の取材に出かけたら、そこにいたのは大学時代の同期SHOTA選手だった……と、もうここまで読んだだけで結末が見えてしまう。Sサイズ女子とバスケ選手のラブストーリーとは、「CLASSY.」名物“ベタの上塗り”ですね。
このタイプは、おそらくねぇ、「SHOTA選手の取材をしてから、合コンに行ってもなんか気乗りしなくてぇ……」とか言い出すんですよ。そしたらやっぱり、「定時で打刻して合コンへ。それなりにイケメン揃いなのに何だかテンションが上がらない……」と7日目にして言っていました。ほかにも、「おおよそ取材でもないのにスポーツドリンクの差し入れをする」とか、「遅くまで体育館の灯りがついてるから行ってみたらまだ練習していた」とか、「高い場所にある資料を取ろうと思ってもSサイズだから届かない」といった展開なんでしょ? と思ったら、もちろんそれら全部やってましたよ!
その後も、着回し企画定番の流れは続きます。“キレイな女の人と歩いているのを目撃”→“モヤモヤして仕事にも身が入らない”→“買い物で(orカラオケで)ストレス発散”→“もうあきらめよう”→“でもやっぱり……”という展開でだいたい5日分くらいを費やして、最終日に向こうから「付き合ってください」のオチ。主人公の「あの女性はショータのお姉さんだったことが判明。1人でやきもきしちゃって馬鹿みたいだったけど、嬉しいからもうなんでもいい!」という独白とともに、アイテム紹介でバーーーーーっと怒涛の帳尻合わせをしています。結局なんでもいいんかい!
着回し企画につっこむほど野暮なことはないと、このレビューでも散々申し上げておりますが、そろそろもっとこう、予測不能な一発がほしいなというのも正直なところです。アイテムが一切頭に入らない、キョーレツなやつこそ「CLASSY.」の着回し企画の神髄だと思っているのですが……。
続きましてご紹介するのは、巻末の読み物ページ「本当の幸せは40歳婚にある!?」です。なかなか衝撃的なタイトル。リードには「『婚活』という言葉に追い立てられ、早く結婚して35歳までに1人は子供を産みたいと焦る毎日…。何故そんなに35歳のリミットに追い詰められるのか。アラサー女性に立ちはだかる35歳の壁と、気持ちにゆとりが持てる幸せな『40歳婚』について考えてみました」とあります。
まず「35歳の壁」に悩む女性たちの心の叫びから。「『なんで結婚しないの?』友達の無邪気な質問が辛い(34歳・商社勤務)」「幸せに歳を重ねられない自分。SNSが苦痛になりました(35歳・メーカー勤務)」「『35歳までに子供を』という圧力に焦りまくりです!(33歳・秘書)」「自分らしくと始めた習い事。でもそれって本当にしたいこと?(34歳・金融関係勤務)」……etc。それぞれが異なる人生を歩み始める30代。“誰かができていて自分ができていないこと”が可視化されてしまい、それが35歳近辺の女性たちを悩ませているようです。もちろん“自分ができていて誰かができていないこと”もたくさんあるわけですが、そこには目が行きにくいというのもまた事実です。
それに対し、「35歳は18歳くらいの理想がストップ高を起こしている年齢。スペックじゃんけんで最強の人と結婚しても幸せにはなれません」「『型にはめていけば幸せになれる』という発想は女性ならではの思い込み。まずは落ち着いてください」「今のアラサー世代はなんでも計画的に進めたいという傾向が。『妊活』という言葉もしんどい理由です」など「35歳の壁」がしんどい理由を識者たちが解説していますが、う~ん。一般的に女性の妊娠期間には限度があると言われ、日々その“デッドライン”に近づいている実感はいかんともしがたいわけで、「焦るな」とか「落ち着け」とか言われても難しいものなのではないでしょうか。
ということで、それらの焦りやイライラを経て幸せをつかんだ「40歳婚をした人生の先輩たちに聞く『本当の幸せは40歳婚にある!』座談会」が次ページに続きます。「自立していて大人だからお互いの考えを尊重し合える」「経済力だけでなくどちらにも『生活力』があるのもポイント」「若い時だと今の主人の魅力には気づけなかったかも(笑)」など、40歳婚のメリットが語られております。偶然なのか必然なのか、座談会参加者(男性1人、女性2人)の、2人が会社経営、1人がMBA取得を目指す大学院生。なんというか、ご本人たち自身にも、そこはかとない余裕がおありになるんですよ。
人は40歳になって突然「人間的にも落ち着いて精神的にも経済的にも自立した」大人になるわけではない。ダメな35歳は、おそらくダメな40歳になる可能性が高いわけで、40歳婚が幸せなわけではなく「自分が40歳という年齢の分別がある人間になり、またそういう人と出会える」ことが幸せなのでしょう。あぁほんと、身も蓋もない話ですが。
(西澤千央)