「ネコ」役・小松未可子をゲストに、アニメ『K』赤ワインありの小洒落た先行上映会+α!!

 8月28日夜22時という、やや深い時刻から、大掛かりなプロモーションとミステリアスな雰囲気で話題のアニメ『K』第一話の先行上映会がおこなわれた。  場所は、11月17日に移転オープンするアニメイト池袋本店新店舗のすぐ隣にある、アニメイトカフェ。品のいい内装の、落ち着いた店舗に、正装の給仕がてきぱきと動く。この場所柄もあってか、とても穏やかでゆるやかな空気のイベントとなり、ゲスト登壇の「みかこし」こと声優の小松未可子の舌もよく廻った。  高倍率の抽選を通り、着席できた幸運なファンは50人。赤ワイン(ノンアルコールも選べる)と食事が付いたトーク(+じゃんけんによるプレゼント大会)ののち、第一話の先行上映という構成だった。まだ放映開始前ということで、最大に盛り上がったカットで無情の「一時停止」。先日開催された制作発表会につづく寸止めに一同身悶える結果となったが、言い換えるとそれだけおもしろさが伝わったようでもあった。  男性キャストの豪華さから女性ファンが多い『K』だが、この日は男性ファンが大勢を占めているのが特徴的だった。トークではみかこし演ずるキャラクター「ネコ」の魅力もふんだんに語られ、男性ファン開拓の役に立ったかもしれない。  なおまだオンエア前だというのに会場内限定でのキャラクター人気投票がおこなわれたが、第一位は「ネコ」。空気を読んだ優しい会場でのひとときを過ごしたみかこしが、イベント終了後、報道陣の囲み取材に応えてくれた。その模様をお届けしよう。 ──「ネコ」役を演じた感想は? 小松未可子 ネコちゃんは、自分のなかでは一話から最終話まで、ずっと謎のキャラクターで。でもあきらかにされない分、彼女の抱えている寂しい部分だったり、シロに対する愛情がどこから生まれてくるのか、バックボーンを考えながら演じていました。  こういうかわいいキャラクターは初めてなんですよ。いままでは気が強い役や、少年役が多かったので、初めての挑戦というか。みんなから愛されるキャラクターづくりに苦戦しつつ、媚びないわけではないけれども、あざとくない、自然体でかわいらしいキャラクターにするにはどうしたらいいかを試行錯誤して演じました。 DSC_0018.jpg ──エンディングテーマ曲はどんな曲ですか? 小松 詞や曲調に、あまり本編では出ていなかったネコの内面がすごく現れていて。『K』の世界観がメロディに封じ込められているから。壮大な曲でもあり、寂しい曲でもあり。ネコ目線で『K』の世界観を歌った、という感じの曲ですね。 ──1話の映像を観てびっくりしたところは? 小松 いままでの出演作とはまた違った世界観だったり、物語もそうなんですけど、すごく映画的な撮り方をしているな、と。すごくリアルな、実際の人の視点から映しているというのが、驚いた部分ですね。あとは、アフレコの時点で絵がかなりできていたこと。絵が完成されていると、その分命を吹き込むことが難しくなるんですが、それだけにやりがいがあるというか。どう命を吹き込むか、苦戦しつつ色付けを楽しんでやっていた印象があります。 ──きょうは男性ファンがたくさん詰めかけていたんですけれども、男性に『K』のここを楽しんでよ! というのは、どんなところですか。 小松 そうですね、純粋に世界観に浸れる作品だと思うんですね。ひとつの物語をいろいろな角度から観られる作品なので、女性キャラクターにも魅力がありますけれども、戦う理由、それぞれの信念がいろいろな面から恰好よく描かれているところを、アクション込みで楽しんでいただきたいなと思います。お色気もありつつ、純粋に楽しんでいただけると思うので。あとは、自分のキャラクターになりますが、ネコちゃんの動きも楽しんでいただけたらな、と思います。 ──抜刀にまつわるエピソードを。 小松 意味は知っているんですけれども、アニメでもあまり聞かない言葉で。でもそれを掛け声にするのが、すごく恰好いいな、と。第一話では次々に「セプター4」が剣を抜いていき、最後に宗像礼司が「抜刀!」と言う、あの一連のシークエンスは観ていて締まる、恰好いい印象があります。  アフレコでは男性陣が、ふざけるのが大好きで、ラジオでもそうなんですけれども、みんな思い思いに抜刀という言葉を使っているんですよね。アニメにひとつ必ずある決めゼリフになりつつある、それくらい各キャストが大好きな言葉になっていますね。 ──ファンのみなさんにメッセージをお願いします。 小松 はい。Webラジオでご紹介していても、まだまだ謎が多く、上がっている設定資料を見ただけではわからない作品ですので、本編をご覧いただいて。いろいろと予想を裏切られつつ、楽しみつつ、奇想天外な展開になっていますので。ぜひオンエアを楽しみにしたいただけたらと思います。  アニメ『K』はMBSで10月4日、TBSで10月5日、AT-Xで10月13日から放送を開始する予定。男性向けの多い深夜帯で秋アニメに異色の空気をもたらすか、乞うご期待といったところだ。 (取材・文=後藤勝)

「もうGLAYが本業かもしれない……」【栗田エリナ】座ってるだけのウィークエンド

 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の20回目です! 今回は、『はなかっぱ』のベーヤちゃんや、ももかっぱちゃんのお兄ちゃんでお馴染み栗田エリナさんが来てくれました! ちなみに妹のももかっぱちゃんを演じるのは宍戸留美さん……ももかっぱちゃんとお兄ちゃんのコラボですよー! ――はじめまして、今日はよろしくお願いします!  すみません、よろしくお願いします、すみません。 ――なぜ謝って……? 今までこういった取材や撮影の経験は?  あ、もう何もかも初めてです。まったく機会がなくて、撮影はプロフィールと、成人式とか。それっきりですね。 ――今日はがっつりよろしくお願いします! それにしても、容姿と声にギャップがありますね。昔から声優さんになろうと思っていたんですか?  そうですね。小ちゃい頃から夢でした。昔はアニメ自体がしゃべってたと思ってたんですけど、えーっと、年が軽くバレるんですけど、『セーラームーン』とか『幽☆遊☆白書』がボーンと流行った時に「中に人がいる……!」って事に気付いて(笑)。昔から学芸会とかで張り切るタイプだったんで、やってみたいと思って、大学の時から養成所に通って、最終的に居たのが今の事務所のワークショップで「東京に来ますか?」みたいな事を言われたんで、仕事を辞めて兵庫から東京に来ました。 ――東京はどうですか?  元々関西がすごく好きで、時間あったら帰るんですよ。だからいまだに東京よりもあっちの方が楽しいなって……。あんまり東京に友だちがいないんです。外にも積極的に出ないんで。 ――なるほど、肌の色もかなり白いですもんね。  そうなんですよ。これでもちょっと焼けてしまったんですけど。 ――何焼けですか?  GLAY焼けです。 ――えっ。そういえば、栗田さんのツイッターを見たら、わざわざGLAYのライブの前日にリハの音漏れだけを聞きに行ったりしてましたよね。GLAYの誰が好きなんですか?  TERUさん! もう日差しに負けながらうっすら聞こえる音で「あー早く明日になんないかなぁー」って思いながら。 ――あ、ライブにも行くのにリハも聞くんですね。それはもうなかなかハードな活動をされてますね。  はい。もう本業がGLAYかもしれない。 ――GLAYの他に、休みの日はどんなことされてるんですか?  ほぼ家で座ってます。 ――おおー。座ってるだけ偉いですね。だいたい横になっちゃいますもんね。  あ、そうですね。ちょっと盛り過ぎたかも。寝てます寝てます。 kuritaerina04.jpg ――なかなかダウナーな休日を過ごされてるんですね。でも、外出る方が気持ちが落ち込むこともありますしね。  そう、外でても特にする事がないなーって。 ――東京に来てからはよくおもちゃショーに行かれていると伺ったんですが、おもちゃが好きなんですか?  おもちゃが大好きだったんで、おもちゃショーに行くのが夢だったんです。あの広い国際展示場の中いっぱいにおもちゃが詰まってるって夢のような世界じゃないですか……! 学生時代におもちゃ屋さんでアルバイトしてて、店長さんがおもちゃショーのパンフレットをもらって帰ってくるんですけど、それをずーっと次のパンフレットが来るまでバァーっと見てました。小さい時から本当におもちゃへの執着が半端なかった。とにかくおもちゃが欲しかったけど、なかなか買ってもらえなかったから、百貨店とかスーパーのおもちゃ売り場の試供品で遊んだりとか友だちの家で遊んだり……あ、でもちゃんと買ってもらえてたっていうのも書いてもらわないと親に……最低限のものはちゃんと買ってもらえてました! ――あはは! そういう思いが強いと、大人になってから変に収集してしまったりしますよね。  そうなんですよ、収集癖もひどいですね~。最近はだいぶマシになったんですけど、やっぱり何かシリーズがあったら全部集めないと気がすまないタイプですね。 ――家がカオスになるんですよね。  本当に、もう、なんでこんなに物あるんだろうってくらい物に溢れてますね……。自分の生活圏が侵されていきますからね。それでも捨てられない。捨てようかなと思ったら、物が「やめてくれ」って言ってるみたいな。私、キティちゃんが好きで、妹が上京する時に大きいキティちゃんのクッションをくれたんですよ。使い勝手が良くってバンバン使ってたら、もう洗っても落ちないくらい汚れちゃったんですよ。なので、これはもう妹には申し訳ないけど、ほかそうって思ってゴミ袋にエイっと詰めたんですよ。そしたらクッションってフカフカだから、ボンって上がってくるんですよ。もうキティーちゃんがこっち見ながらどんどんどんどん「閉めないで閉めないで」って。「ごめん! ごめん!」て思いながら一生懸命ゴミ袋の口を縛った事が……。 ――ハートが痛くなるエピソードですね……目がついてる物は捨てづらいですよね、目が合うから……。  あと、ブライスっていう人形もめちゃくちゃ持ってるんですよ。実家に一学級くらいあるんですけど、それもそんなキレイに飾ったりできないんで……。 ――収集癖があるのにきれいに飾れないっていうのは、本当に残念な部屋になりますね。  そうです、ほんと残念なんです。さすがに一学級も東京に持って来たら私の寝る場所がなくなるんで、選抜して4~5人だけ連れて来て、後はもう実家にゴロゴロゴロって転がってるんですけど、『トイストーリー』とか見てて、あのブライスたちが命を持ったら真っ先に私を刺しにくるだろうな、と。だからもうダメだって思って……。 ――ブライスはリアルなんで、動いたら『チャイルド・プレイ』みたいで怖いですね……。あ、あと、写真も趣味なんですよね? ブログにピントの合ったハイクオリティな写真がたくさんあって綺麗でした。写真が趣味なんて良いじゃないですか!  ピントだけは合わせるのに命をかけてます。なんかもう、とにかくそういうもんで自分を目くらまししたい、みたいな。 ――目くらまし(笑)! いったい何をそんなに隠したいんですか?  何を隠したいんでしょうね。恥ずかしがり屋なんだと思います。 ――シャイだから、あえて派手な服を着たり、ごっついアクセサリーを付けるとか?  向かってくる目線を散らして散らして、でもちょっと目立ちたい、みたいな……。でも本当にすっごいシャイなんですよ。「ここだ!」って時は人よりも出ちゃうんですけど、そうじゃない時は全然目立たないところで気配を消すように生きています。 kuritaerina02.jpg ――そんな人が、なんでまた声優業界に!  はじめに思った事をずっと続ける性分みたいで……。“声優”っていうのも、やりたいなって思って、ずーっとじんわり夢を持ってそのままですし、GLAYもGLAYで、もう13~4年くらいずっとGLAYだけ好きなんですよ。 ――ちなみに、ご家族は今のお仕事は応援してくれてますか?  いやぁ、もう応援というか、心配しかしてないですね。大丈夫なのかって。 ――決して安定する業界ではないので、夢を続ける事も困難ですよね。「声優になる!」っていう事が目標なときとか、苦労のジャンルが違ってきそうです。  やっぱり実際なってみないと、そこは分からなかったところですね。もう、なれたらそれでパァーって毎日楽しい生活が待ってると思ってたら、別にそんなこともないっていうか、今までよりも地味になってるっていうか……。 ――将来とか、日々の生活に不安はありますか?  不安だらけですよ。2~3日先何してるかも分からない。 ――そういう時はどうされてますか? 不安の解消法というか。  そうですねー。同じ事しか言わないですけど、溜めて溜めてGLAYで発散みたいな。後はもう不安だなって思いながら、ただ転がってる。ただ「不安だなー」って転がりながら、『相棒』の再放送とか見て、「杉下右京の走り方は今日も面白いなぁー」と思ったり。朝、友だちにうっとしいメールを送りつけるとか。もう気が遠くなる。夢が見えない。先も夢も見えない。 ――あはは! 面白がってはいけないけれど、面白い!  それでも何か他に才能があればいいけど……写真も別に仕事になるわけでなく、知識もなく撮ってるだけですからね。だれもそんなの見たくないですよ。 ――なるほど、歌とかはどうですか?   今、ボイトレに……。私、本当に歌にコンプレックスがあって、去年『はなかっぱ』でストロベリーズってユニットをやったんですけど、その時も死ぬかと思ったんです。でも、バンドにはすっごい憧れてて、大学の時にちょっと中2病をこじらせて軽音のサークルに入ったんですよ。それで2回くらいサークルのライブに出て、歌とかギターとかやったけど、やっぱりあんまり上手くないっていうか……自分の好きな曲がキーが結構高めだけど、私こんな声なんで、高い声の出し方も分かんないから……。 ――好きと得意は別ジャンルですもんね。  そうそう。だから本当にやってても楽しいけど楽しくない……って感じでフェイドアウトして、カラオケも未だにすっごい苦手で、年に1回行けば「よく行ったなぁー!」って思う程度で。でも未だに「バンドがやってみたいなー!」って。でも何もできないから、誰も何も誘ってくれない。 ――そうとう現実と理想の差に喘いでますね。  そうなんですよ。もうほんとそれですよ。 ――しかしながら、今、小さい頃からなりたかった声優になってるわけじゃないですか。これからに自分はどのようになっていきたいですか?  ああ、なんか、すごい現実的な世界になってきたんで……この道を、今後、どうしていったらいいんだろう? ――今後の野望が疑問系って新しいですね。  皆さん、「何かその声でひとつ当たり役があったらいいよね」って言って下さるんですけど、それをもう10年近く聞いていて、今まで特に何もなく……。だから、誰か私を見つけて下さい。本当に色々回りの友だちとか親とかに迷惑かけまくってるので、みんなが喜んでくれるような未来が私に来たら。みなさんの幸せが私の幸せです(棒読み)。 kuritaerina01.jpg ――最後に、何か告知などあれば!  あ、本当に何もないです。『はなかっぱ』。『はなかっぱ』をくれぐれもよろしくお願いします。 ――今日はどうもありがとうございました! (撮影=宍戸留美/取材・構成=小明) ●くりた・えりな 誕生日: 9月14日生まれ 出身地: 兵庫県 身長: 153cm 血液型: B型 主な出演作品:『はなかっぱ』(ベーヤちゃん、ももかっぱちゃんのお兄さん、他 )『夢喰いメリー』『クイーンズブレイド』『クローザー4』他 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 http://rumi-shishido.com/ 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.19】「ずっと体育会系なんです!」【杜野まこ】私服ゼロだったスクールデイズ 【vol.18】「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

「もうGLAYが本業かもしれない……」【栗田エリナ】座ってるだけのウィークエンド

 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の20回目です! 今回は、『はなかっぱ』のベーヤちゃんや、ももかっぱちゃんのお兄ちゃんでお馴染み栗田エリナさんが来てくれました! ちなみに妹のももかっぱちゃんを演じるのは宍戸留美さん……ももかっぱちゃんとお兄ちゃんのコラボですよー! ――はじめまして、今日はよろしくお願いします!  すみません、よろしくお願いします、すみません。 ――なぜ謝って……? 今までこういった取材や撮影の経験は?  あ、もう何もかも初めてです。まったく機会がなくて、撮影はプロフィールと、成人式とか。それっきりですね。 ――今日はがっつりよろしくお願いします! それにしても、容姿と声にギャップがありますね。昔から声優さんになろうと思っていたんですか?  そうですね。小ちゃい頃から夢でした。昔はアニメ自体がしゃべってたと思ってたんですけど、えーっと、年が軽くバレるんですけど、『セーラームーン』とか『幽☆遊☆白書』がボーンと流行った時に「中に人がいる……!」って事に気付いて(笑)。昔から学芸会とかで張り切るタイプだったんで、やってみたいと思って、大学の時から養成所に通って、最終的に居たのが今の事務所のワークショップで「東京に来ますか?」みたいな事を言われたんで、仕事を辞めて兵庫から東京に来ました。 ――東京はどうですか?  元々関西がすごく好きで、時間あったら帰るんですよ。だからいまだに東京よりもあっちの方が楽しいなって……。あんまり東京に友だちがいないんです。外にも積極的に出ないんで。 ――なるほど、肌の色もかなり白いですもんね。  そうなんですよ。これでもちょっと焼けてしまったんですけど。 ――何焼けですか?  GLAY焼けです。 ――えっ。そういえば、栗田さんのツイッターを見たら、わざわざGLAYのライブの前日にリハの音漏れだけを聞きに行ったりしてましたよね。GLAYの誰が好きなんですか?  TERUさん! もう日差しに負けながらうっすら聞こえる音で「あー早く明日になんないかなぁー」って思いながら。 ――あ、ライブにも行くのにリハも聞くんですね。それはもうなかなかハードな活動をされてますね。  はい。もう本業がGLAYかもしれない。 ――GLAYの他に、休みの日はどんなことされてるんですか?  ほぼ家で座ってます。 ――おおー。座ってるだけ偉いですね。だいたい横になっちゃいますもんね。  あ、そうですね。ちょっと盛り過ぎたかも。寝てます寝てます。 kuritaerina04.jpg ――なかなかダウナーな休日を過ごされてるんですね。でも、外出る方が気持ちが落ち込むこともありますしね。  そう、外でても特にする事がないなーって。 ――東京に来てからはよくおもちゃショーに行かれていると伺ったんですが、おもちゃが好きなんですか?  おもちゃが大好きだったんで、おもちゃショーに行くのが夢だったんです。あの広い国際展示場の中いっぱいにおもちゃが詰まってるって夢のような世界じゃないですか……! 学生時代におもちゃ屋さんでアルバイトしてて、店長さんがおもちゃショーのパンフレットをもらって帰ってくるんですけど、それをずーっと次のパンフレットが来るまでバァーっと見てました。小さい時から本当におもちゃへの執着が半端なかった。とにかくおもちゃが欲しかったけど、なかなか買ってもらえなかったから、百貨店とかスーパーのおもちゃ売り場の試供品で遊んだりとか友だちの家で遊んだり……あ、でもちゃんと買ってもらえてたっていうのも書いてもらわないと親に……最低限のものはちゃんと買ってもらえてました! ――あはは! そういう思いが強いと、大人になってから変に収集してしまったりしますよね。  そうなんですよ、収集癖もひどいですね~。最近はだいぶマシになったんですけど、やっぱり何かシリーズがあったら全部集めないと気がすまないタイプですね。 ――家がカオスになるんですよね。  本当に、もう、なんでこんなに物あるんだろうってくらい物に溢れてますね……。自分の生活圏が侵されていきますからね。それでも捨てられない。捨てようかなと思ったら、物が「やめてくれ」って言ってるみたいな。私、キティちゃんが好きで、妹が上京する時に大きいキティちゃんのクッションをくれたんですよ。使い勝手が良くってバンバン使ってたら、もう洗っても落ちないくらい汚れちゃったんですよ。なので、これはもう妹には申し訳ないけど、ほかそうって思ってゴミ袋にエイっと詰めたんですよ。そしたらクッションってフカフカだから、ボンって上がってくるんですよ。もうキティーちゃんがこっち見ながらどんどんどんどん「閉めないで閉めないで」って。「ごめん! ごめん!」て思いながら一生懸命ゴミ袋の口を縛った事が……。 ――ハートが痛くなるエピソードですね……目がついてる物は捨てづらいですよね、目が合うから……。  あと、ブライスっていう人形もめちゃくちゃ持ってるんですよ。実家に一学級くらいあるんですけど、それもそんなキレイに飾ったりできないんで……。 ――収集癖があるのにきれいに飾れないっていうのは、本当に残念な部屋になりますね。  そうです、ほんと残念なんです。さすがに一学級も東京に持って来たら私の寝る場所がなくなるんで、選抜して4~5人だけ連れて来て、後はもう実家にゴロゴロゴロって転がってるんですけど、『トイストーリー』とか見てて、あのブライスたちが命を持ったら真っ先に私を刺しにくるだろうな、と。だからもうダメだって思って……。 ――ブライスはリアルなんで、動いたら『チャイルド・プレイ』みたいで怖いですね……。あ、あと、写真も趣味なんですよね? ブログにピントの合ったハイクオリティな写真がたくさんあって綺麗でした。写真が趣味なんて良いじゃないですか!  ピントだけは合わせるのに命をかけてます。なんかもう、とにかくそういうもんで自分を目くらまししたい、みたいな。 ――目くらまし(笑)! いったい何をそんなに隠したいんですか?  何を隠したいんでしょうね。恥ずかしがり屋なんだと思います。 ――シャイだから、あえて派手な服を着たり、ごっついアクセサリーを付けるとか?  向かってくる目線を散らして散らして、でもちょっと目立ちたい、みたいな……。でも本当にすっごいシャイなんですよ。「ここだ!」って時は人よりも出ちゃうんですけど、そうじゃない時は全然目立たないところで気配を消すように生きています。 kuritaerina02.jpg ――そんな人が、なんでまた声優業界に!  はじめに思った事をずっと続ける性分みたいで……。“声優”っていうのも、やりたいなって思って、ずーっとじんわり夢を持ってそのままですし、GLAYもGLAYで、もう13~4年くらいずっとGLAYだけ好きなんですよ。 ――ちなみに、ご家族は今のお仕事は応援してくれてますか?  いやぁ、もう応援というか、心配しかしてないですね。大丈夫なのかって。 ――決して安定する業界ではないので、夢を続ける事も困難ですよね。「声優になる!」っていう事が目標なときとか、苦労のジャンルが違ってきそうです。  やっぱり実際なってみないと、そこは分からなかったところですね。もう、なれたらそれでパァーって毎日楽しい生活が待ってると思ってたら、別にそんなこともないっていうか、今までよりも地味になってるっていうか……。 ――将来とか、日々の生活に不安はありますか?  不安だらけですよ。2~3日先何してるかも分からない。 ――そういう時はどうされてますか? 不安の解消法というか。  そうですねー。同じ事しか言わないですけど、溜めて溜めてGLAYで発散みたいな。後はもう不安だなって思いながら、ただ転がってる。ただ「不安だなー」って転がりながら、『相棒』の再放送とか見て、「杉下右京の走り方は今日も面白いなぁー」と思ったり。朝、友だちにうっとしいメールを送りつけるとか。もう気が遠くなる。夢が見えない。先も夢も見えない。 ――あはは! 面白がってはいけないけれど、面白い!  それでも何か他に才能があればいいけど……写真も別に仕事になるわけでなく、知識もなく撮ってるだけですからね。だれもそんなの見たくないですよ。 ――なるほど、歌とかはどうですか?   今、ボイトレに……。私、本当に歌にコンプレックスがあって、去年『はなかっぱ』でストロベリーズってユニットをやったんですけど、その時も死ぬかと思ったんです。でも、バンドにはすっごい憧れてて、大学の時にちょっと中2病をこじらせて軽音のサークルに入ったんですよ。それで2回くらいサークルのライブに出て、歌とかギターとかやったけど、やっぱりあんまり上手くないっていうか……自分の好きな曲がキーが結構高めだけど、私こんな声なんで、高い声の出し方も分かんないから……。 ――好きと得意は別ジャンルですもんね。  そうそう。だから本当にやってても楽しいけど楽しくない……って感じでフェイドアウトして、カラオケも未だにすっごい苦手で、年に1回行けば「よく行ったなぁー!」って思う程度で。でも未だに「バンドがやってみたいなー!」って。でも何もできないから、誰も何も誘ってくれない。 ――そうとう現実と理想の差に喘いでますね。  そうなんですよ。もうほんとそれですよ。 ――しかしながら、今、小さい頃からなりたかった声優になってるわけじゃないですか。これからに自分はどのようになっていきたいですか?  ああ、なんか、すごい現実的な世界になってきたんで……この道を、今後、どうしていったらいいんだろう? ――今後の野望が疑問系って新しいですね。  皆さん、「何かその声でひとつ当たり役があったらいいよね」って言って下さるんですけど、それをもう10年近く聞いていて、今まで特に何もなく……。だから、誰か私を見つけて下さい。本当に色々回りの友だちとか親とかに迷惑かけまくってるので、みんなが喜んでくれるような未来が私に来たら。みなさんの幸せが私の幸せです(棒読み)。 kuritaerina01.jpg ――最後に、何か告知などあれば!  あ、本当に何もないです。『はなかっぱ』。『はなかっぱ』をくれぐれもよろしくお願いします。 ――今日はどうもありがとうございました! (撮影=宍戸留美/取材・構成=小明) ●くりた・えりな 誕生日: 9月14日生まれ 出身地: 兵庫県 身長: 153cm 血液型: B型 主な出演作品:『はなかっぱ』(ベーヤちゃん、ももかっぱちゃんのお兄さん、他 )『夢喰いメリー』『クイーンズブレイド』『クローザー4』他 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 http://rumi-shishido.com/ 5/9NEWアルバム「女」発売! 2sd05qbe.jpg ※ニューアルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信!!

●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。 【声優 on FINDER!】バックナンバー 【vol.19】「ずっと体育会系なんです!」【杜野まこ】私服ゼロだったスクールデイズ 【vol.18】「ホラーの吹き替えは楽しいですよ!」【園崎未恵】15年目のメジャーシーン 【vol.17】「生きてるとすごいことがある」【ささきのぞみ】父と2人のキャッチボール 【vol.16】「私の前世はマイクかもしれないんです」【高本めぐみ】小6で描いたマイクロフォンの夢の中 【vol.15】「左手の薬指の爪にしか自信がなくて......」【山咲智美】100点満点少女のメランコリー 【vol.14】「ロングヘアーの男としか交際しない!?」【千葉千恵巳】犬1匹ネコ7匹とのおだやかでラジカルな日常 【vol.13】「今がいちばん精神状態が幼いかも(笑)」【吉田仁美】7歳でデビュー、逆行のライク・ア・チャイルド 【vol.12】「目立つの苦手、でもやっぱり歌って踊りたい」【水野愛日】12年ぶりのシングルリリース 【vol.11】「レトロな物が好きなんです」【井上直美】50年前のカブリオレを駆って 【vol.10】「あのころ、ネットがなくて本当によかった」【小明】中2のままのアイドルライフ 【vol.09】「悩んだら、バーッっときてグワーン!」【中川里江】1回泣いて全部忘れるヒロインサイド 【vol.08】「"声優"の仕事の幅広さにびっくり」【稲村優奈】10年に詰まったスクランブルデイズ 【vol.07】「ビキニを着たこともないんです」【蝦名恵】3カ月目のヴァージン・シュート 【vol.06】「生き急いだ分、戻ってやり直しができると思う」【江里夏】10歳で見たデイドリーム 【vol.05】「何でも出来るって、とりあえず言っちゃう」【矢野明日香】360度のワークフィールド 【vol.04】「考えてると、寝ちゃうんです......」【窪田涼子】東経135度のモラトリアム 【vol.03】「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド 【vol.02】「いつもどこかで、なんとかなるさ」【片岡あづさ】22歳のセカンドフェーズ 【vol.01】「Twitter始めるまで、いつも泣いてた」【宍戸留美】20年目のセルフポートレート

まるで電波少年!? 『ココロコネクト』ドッキリ事件が業界を巻き込み大炎上中!

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『ココロコネクト』公式サイトより
 「ドッキリ」というと、古くから存在するバラエティ番組の演出の一つである。仕掛け人やスタッフが事情を知らないターゲットのタレントに対して、ウソの番組企画やいたずらを仕掛けて、そのリアクションを視聴者が楽しむという「ドッキリ」は、タレントの素の表情やリアクションが飛び出し、予測不能の笑いを生むことから、バラエティ番組の定番企画となっている。  しかし、ドッキリを仕掛けられることでタレントのイメージが崩れることや、ドッキリ企画を受けた事務所やテレビ局とタレントの関係が悪化することも少なくないことから、近年はイジられてナンボのお笑いタレントが、そのターゲットとなることが多い。つまり「ドッキリ」はリスキーな企画でもあるのだ。  そんな「ドッキリ」に安易に手を出してしまい、ファンのみならずアニメ業界を巻き込む大炎上を引き起こしてしまったのが、アニメ『ココロコネクト』(TOKYO MXほか)である。  7月からスタートした『ココロコネクト』は、人間関係に重大な影響を及ぼす超常現象に巻き込まれた高校生の男女5人の姿を描く、日常系SF。人気ライトノベルのアニメ化作品ということで放送前から注目を集めていた話題作であった。しかし、6月24日に開催された第1話先行上映会で番組スタッフが一丸となって用意したドッキリ企画が、今になって大きな問題を呼んでいる。  このイベントは出演声優のほかに、シークレットゲストとして声優・市来光弘が出演。「アニメのオリジナル企画がある」と聞かされていた彼は、てっきり「アニメのオリジナルキャラ」を演じることが発表されると思っていたのだが、事態は思わぬ方向に。突然「宣伝部長」に任命され、『ココロコネクト』公式Twitterアカウントのフォロワーを2万人以上にすること、そして、キャンペーンカーに乗って全国各地に赴き、プロモーション活動することを命じられたのだ(当然、アニメ本編への出演はない)。  実はこの企画、オーディション段階からの仕込みだったらしく、現場ではオーディション会場で必死に演技をする市来の姿も上映された。オーディションを受けた上でイベントに呼ばれた市来は本気で「アニメに出演できるもの」と信じていた模様で、ショックのあまりその場で崩れ落ちてしまうも、その姿に他の出演者やスタッフは爆笑。その意味では「ドッキリ大成功」だったといえるだろう。  しかし、その後、市来は周囲のスタッフや同業者に、ダマされた怒りと屈辱を何度も吐露。先輩声優・杉田智和や今井麻美のラジオ番組に出演した際には、彼らから同情とともに慰めの言葉をかけられ、特に杉田に関しては「俺がやられたら、その場の人間の顔全員覚えて帰る」と、『ココロコネクト』スタッフに対して怒りをあらわにする始末。そのほか、事態を知った業界関係者がこの「事件」について、Twitterで続々と発言。その大半が市来を擁護するものであったが、中には放送作家・稲葉央明氏のように「イジメやタチの悪いイジリやハラスメント以外の何ものでもないと思う」とスタッフを断罪するコメントも。現在この件に関して、関係者および発売元のキングレコードは一切の沈黙を貫いてはいるが、日増しに周囲の批判の声は大きくなるばかり。  今回の企画に関わった関係者は、この事態をどう沈静化させるつもりなのだろうか。なお、この炎上を受けて制作会社シルバーリンク代表取締役・金子逸人氏は「市来さんは14話から出演が決定しております」「これは企画当時より決定しておりました」とTwitter上で発言するも、直後に削除。現場の混乱具合がうかがえる。  ちなみにこの炎上事件の発端となったのが、主題歌を歌うユニットeufoniusのコンポーザー・菊地創氏がTwitter上で、歌手の桃井はるこに暴言を吐いたという事件だ。この一件をきっかけに、菊地氏の過去の問題発言がアニメファンによって発掘され、そこから今回のドッキリ企画についての発言も発見。そこから芋づる式に、関係者の発言や先述の市来のツイートも発掘されたというわけである。  くしくもアニメ本編のように、現実世界でも人間関係に大きな問題を発生させてしまった『ココロコネクト』。願わくば、物語のようにハッピーエンドになってほしいものである。 (文=龍崎珠樹) ■バックナンバー 【第20回】新ジャンル? 「不憫萌え」の女王・高垣彩陽の演技が光る話題作『ソードアート・オンライン』 【第19回】「売りスレ」では計測不能!? アニメDVDの売り上げを陰で支えるレンタル市場 【第18回】「求められるのは声優ソングばかり……」表舞台を追われたアニソン歌手の現在 【第17回】美少女たちが追いつめられる姿にゾクゾク!? リアル系ロボットアニメ『トータル・イクリプス』 【第16回】夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線 【第15回】 キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い! 【第14回】「まるで90年代の夕方6時枠アニメ!?」『モーレツ宇宙海賊』の大器晩成ぶり 【第13回】もはや“声優アイドルフェス”!? アニソン重鎮不在の「アニサマ2012」に不安の声 【第12回】「期待外れ?」「これぞ京アニ?」 賛否両論『氷菓』の本当の見どころ 【第11回】「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』 【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号 【第9回】大コケの『機動戦士ガンダムAGE』を徹底検証! 求められる新たな「ガンダム像」とは? 【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情 【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー 【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!? 【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』 【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』 【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』 【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』 【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!

あのゲーム『人狼』が著名声優大集結でドラマCD化! 過去最大のブームに乗り遅れるな!?

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 『人狼』というパーティーゲームをご存じの方も多いかもしれない。人間の村に人狼が忍び込み、村人を殺めていく。昼フェイズでは村人たちが人狼をあぶり出すために誰かを「吊り」、狩人による護衛以外に村人の防御手段がない夜フェイズには人狼が誰かを「噛む」。この繰り返しで数を減らしていき、人狼が全滅するか、村人の数が人狼の数を下回れば勝敗が決着する。プレーヤーが各自に与えられた役割をCO(カミングアウト)しないかぎり正体はわからず、そのCOも信用できるかどうかはわからない。誰が本当のことを言っているのかを探る心理戦が醍醐味だ。言うなれば、かなり手の込んだ「本物は誰だ」。推理のスリルを押し出したゲーム性の塊のようなこの『人狼』が、今ブームになっているという。 「んん? 人狼? 前にもブームになったのでは?」  その通り、このゲームルールは前世紀から存在しているし、代名詞ともなっている輸入カードセット『汝は人狼なりや?』(原題『Are You a Werewolf?』、Looney Labs.)のアメリカ発売は2001年だ。今ではBBS、チャット、Skypeを駆使したネット人狼もあるし、iPhoneアプリにもなっている。しかし、そうした諸々をひっくるめ、『人狼』は過去何度目かのブームを迎えている。各種の媒体で紹介されるケースが増えていることにお気づきだろうか?  となれば、メディアが活気づかないわけがなく、この度『人狼 -Chaotic Time-』と題したドラマCDが株式会社MFSよりリリースされることが決定した。9月26日からの一般発売に先駆け、8月10日~12日のコミックマーケット82で先行販売する。  なぜ、今ブームなのか。自身も愛好者である、『人狼 -Chaotic Time-』の脚本を執筆した酒井啓之氏に訊いた。 ──この盛り上がりを、どうご覧になっていますか? 酒井 そうですね、今までも何度か『人狼』ブームが来ていたのですが、今回のブームは特に大きな波が来ていると感じます。個人的には、昨今の電力不足から来る非電源系ゲームの見直し、そして推理ブームと重なっていることも後押しになっているのではないかと……。この機会に、より多くの方に『人狼』というゲームを知っていただけるといいですね。 ──その答えと関連してきそうですが、ドラマ化の狙いはどの辺りに? 酒井 『人狼』は初めてプレーする人にとって、決して敷居が低いゲームではありません。長きにわたってプレーされてきたことによるセオリーの確立や、熟練プレーヤーと初心者の壁など、プレー人口の増加にストップをかけている要因はいくつもあります。しかし、ゲーム自体は人が集まらないと成り立たないという矛盾……。今までのブームはこのこともあり、波が収まっていったように思えます。僕らは、今回のドラマCDを通じて、まだ『人狼』という素晴らしいゲームを知らない人たちに、このゲームの楽しさを広めるとともに、熟練プレーヤーの方々に対しても、もう一度『人狼』というゲームを見つめ直していただける機会になればと考えています。 ***  オーディオドラマを盛り上げる声優陣は、豪華のひとことに尽きる。小野友樹、江口拓也、岡本信彦、小林直人、三森すずこ、東山奈央、茅野愛衣、日高里菜、たみやすともえ、小松未可子など、人気声優が集結した。  ストーリーの詳細は公表されていないが、ユウキ役を演ずる小野友樹の以下の自己紹介コメントからすると、この方が主役のような気も。
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ユウキ役の小野友樹。
「ユウキ役をやらせていただいた小野友樹です。名前が一緒ですが、性格も似ているかというと、正義感が強くて、リーダーシップを発揮していたので……似てる……かな?(笑) 全体の進行役を買って出たりして、みんなを引っ張っていく位置にいるキャラクターです。時にはちょっと残酷に見える部分も……」  プライベートで小野とともに『人狼』をプレーしたことがあるという江口拓也(信頼厚い神父モリソン役)と岡本信彦(自分を守る発言をしない青年ライル役)は、それぞれ『人狼 -Chaotic Time-』の作品性をこう語っている。 「台本を読んで、『人狼』をオーバーに表現すると、こういうふうになるんだなと思いました。ストーリーはとても『人狼』らしくて、『ザ・人狼』と言えるんじゃないでしょうか」(江口) 「人狼は難しいので、知らない人が聞いてどこまでわかってもらえるか心配ではあるんですが、音声化の難しい作品をここまで作ったことにはびっくりしています」(岡本)  パーティーゲームである『人狼』には芝居にも似たライヴ感があり、たとえば東山奈央の経験談からは、ゲームの経験が今回の出演に役立っていそうなニュアンスも伝わってくる。 「演劇部の友人に誘われて、一度混ぜてもらったことがあります。当時はルールがわからなくて、見学しようと思っていたら、『やっているうちにわかるから!』と言われて参加することに。村人だったのですが、周りの空気に合わせてウソをつきまくった結果、人狼と間違われて殺されてしまいました(笑)。黙っていればよかったです……(笑)」  一方、「今回収録をしてみて、実際にゲームをやるなら、やってみたい役職はありますか?」と問われた小野は、次のように答えている。 「人狼ですね。普段はウソをついたりしないので……だからこそ、ゲームではほかのプレーヤーをダマせる自信があります。以前プレーしたときに、人狼をやっていて、隣の人が自分のことをひたすら信じてくれているのに、ほかの人狼と、『この人どうする?』みたいなやりとりをしたことがありました。今回のドラマCDをやったことで、ひとりひとりを掘り下げていくと、それぞれにドラマがあることがわかったので、次にやるときは発言だけでなく、態度に注目したいと思います」  うーん、恐ろしい! 日本的儒教的な善悪観だけでは測りきれない心理戦の果てに、生き残るのは誰か。このドラマCDを聞いてからゲームをやったほうが、生存率が上がるかもしれない。 (取材・構成=後藤勝) ●自己紹介キャストコメント たみやすともえ/アニー役 アニー役をやらせていただきました。アニーちゃんは15歳の女の子なんですが、感情的にならないよう、冷静に演じさせていただきました。年齢のわりに鋭い発言をぼそっと言うところがあります。また、人狼退治経験があるという裏設定があるので、ほかの人に比べて、今回の事態に慣れている感じがあります。 小松未可子/ソフィア役 ソフィア・ハイン役で出演しました。ソフィアは親が人狼に殺されていて、人狼をすごく憎んでいます。人の意見にわりと左右されやすいのですが、まっすぐな部分もあり、気の強い女の子です。 東山奈央/ステイシー役 ステイシー役の東山奈央です。ステイシーは、お兄ちゃんのライルのことが好きな女の子です。病弱なのですが、だからといって引っ込み思案ではなく、明るい子です。周りの人たちに愛されて育ってきました。 小林直人/ファン役 今回、ファン・ユージスを担当させていただきました。一番最初は目立たないのですが……。 三森すずこ/メイ役 私の演じるメイちゃんは、14歳なのに雑貨屋を営んでいる経営者であるという、若いながらもしっかりしている女の子です。話し合いの時は、いろんな人に話を振ったりしていて、仕切りたがり屋な一面も。まだ子どもらしいところもあったりする、かわいい子です。 江口拓也/モリソン役 神父をやらせていただきました。モリソンはみんなから信頼されていて、ユウキの次くらいに作品を引っ張っているんじゃないかと思います。 日高里菜/サーシャ役 サーシャ役をやらせていただきました。サーシャは優しい男の子です。人が死ぬシーンでは相手を思いやっていて、優しい子だなって思いました。今まで男の子をやったこともなく、オーディションを受けたこともなかったので、演じることができてうれしいです。 岡本信彦/ライル役 ライル役を演じさせていただきました。ライルはぶっきらぼうというか、自分を保守するような発言をあまりしない、ある意味率直な青年です。 茅野愛衣/アロナ役 アロナ役をやらせていただきました。普段、話をしている感じを取り入れつつ、大人の人を意識して演じました。寡黙なキャラクターだと思っていたら、結構意見をしっかり言っていて認識が変わりました。 コミックマーケット82(8月10日~12日)では企業ブース内ブースNo.421「音泉」とブースNo.633「株式会社sunset creative」にて販売。 キャストなど作品の情報は< http://www.koepota.jp/wearwolf/ >まで。

「求められるのは声優ソングばかり……」表舞台を追われたアニソン歌手の現在

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「Animelo Summer Live」公式サイトより
 アニメファン、アニメソングファンにはお待ちかねの8月がやってきた。今年も例年通り、毎週のように全国各地でアニソン系のイベントやライブが行われる予定だ。中でもとくに注目を集めているのが、埼玉県のさいたまスーパーアリーナにて2日間にわたって開催される日本最大のアニソンフェス「Animelo Summer Live 2012」(アニサマ)だが、今年は“声優フェス”と揶揄されるほど、そのラインナップは声優で占められていることは既報の通り(※記事参照)。  もう一つの目玉イベントが、8月3日から5日かけて大阪で開催される「nonstop アニソントレイン 祭 2012 in 大阪」である。こちらは、徹底的にアニソン歌手にこだわったラインナップとなっており、アニソン原理主義なファンからは「こちらのほうがアニソンフェスとしては正しいのではないか」という意見も飛び出している一方、「人が来るのか?」「ガラガラじゃね?」と集客を不安視する声もネット上では上がっている。その答えは「アニソントレイン」が終わってみないとなんとも言えないところではあるが、実際のところ、現代はアニソン歌手にとって非常に厳しい時代のようだ。 「最近のアニソンは、タイアップ曲か声優ソングが大半で、アニソン歌手の出番はますます減ってきています」  このように語るのは、アニソン業界に携わるA氏だ。A氏もまた、楽曲制作やコーラスなど、多くのアニソンに関わっている人物だが、年を追うごとにアニソンシンガーの現場は減っていく一方だという。 「今はアイドルが求められる時代ですからね。職人気質の裏方的存在であるアニソン歌手よりも、アイドル性の強い声優のほうがお金になるんでしょう」  では、仕事の場を奪われたアニソン歌手は、どこで活動しているのだろうか? 「仕事がないアニソン歌手は、イメージソングを集めたアルバムに参加したり、小さいライブハウスでファン向けのイベントを自主企画したりと、地道な活動を数多くこなしていますね。曲や詞を書ける人は、作家としてアニソンに携わったり、地下アイドルのプロデュースをするなど、裏方として活躍していることも少なくないです。あとは表のメディアで活躍する名前とは別の名義を使ったりして、パソコンのアダルトゲームの主題歌を歌う人もいますね」  華やかな声優アイドルとは違い、このようにアニソン歌手は日々涙ぐましい地道な活動を積み重ねているのだ。アニソン界の帝王こと水木一郎も、アニソン歌手デビュー当初は悲惨な扱いに歯を食いしばりつつ、地道なドサ回りを繰り返してきたことは、彼自身がさまざまなメディアで語っている。 「子どもたちに夢を与えるアニソンをやれるなら、どんなことでもやりますよ」  そうA氏が語るように、アニソンに携わるプロたちは、今日も夢を歌に託して歌い続ける。アニソンを歌い続けることをなりわいとする彼らが正当に評価され、より多くの活躍の場が与えられることを願うばかりである。(文=龍崎珠樹) ■バックナンバー 【第17回】美少女たちが追いつめられる姿にゾクゾク!? リアル系ロボットアニメ『トータル・イクリプス』 【第16回】夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線 【第15回】 キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い! 【第14回】「まるで90年代の夕方6時枠アニメ!?」『モーレツ宇宙海賊』の大器晩成ぶり 【第13回】もはや“声優アイドルフェス”!? アニソン重鎮不在の「アニサマ2012」に不安の声 【第12回】「期待外れ?」「これぞ京アニ?」 賛否両論『氷菓』の本当の見どころ 【第11回】「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』 【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号 【第9回】大コケの『機動戦士ガンダムAGE』を徹底検証! 求められる新たな「ガンダム像」とは? 【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情 【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー 【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!? 【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』 【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』 【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』 【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』 【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!

キワモノ転じて功を成す!?  『じょしらく』2代目襲名記者会レポ

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 「このアニメは女の子のかわいさをお楽しみ頂くため、 邪魔にならない程度の差し障りのない会話をお楽しみ頂く番組です」という公式サイトの文言、権利関係的に危険なにおいが漂うキャラクター名、原作があの『さよなら絶望先生』の久米田康治(作画:ヤス)、監督がヒット作・問題作多数の水島努……という、何が起こるかわからない予感から、ファンがいい意味で戦々兢々の夏アニメ『じょしらく』(MBS、TBSほか)。その放送開始を記念し、7月4日、東京・講談社にて『じょしらく』2代目襲名披露記者会見が行われた。  なぜ、2代目なのか? 実は『じょしらく』は以前、単行本の特典としてドラマCDが付属したことがあり、そのときのキャストを初代に、今回のアニメ化にあたって配役されたメインキャストを2代目に見立て、襲名の決意を語ってもらおうという趣旨の会見だったのだ。  『じょしらく』は、女子の落語家が楽屋で繰り広げるゆるいトークを主題としたガールズ落語家マンガが原作であり、あくまでも落語家が2代目を襲名するという体を貫き通したのも、この会見の肝だった。  登壇したのは蕪羅亭魔梨威(ぶらてい まりい)役の佐倉綾音、防波亭手寅(ぼうはてい てとら)役の山本希望、波浪浮亭木胡桃(はろうきてい きぐるみ)役の小岩井ことり、空琉美遊亭丸京(くうるびゆうてい がんきょう)役の南條愛乃、そしてメインキャストの中で唯一、ドラマCDから引き続き同一キャラクターを演じる「初代」暗落亭苦来(あんらくてい くくる)役の後藤沙緒里の5名。司会はニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが務めた。  会見は、落語家の振る舞いに必須の深々としたお辞儀でスタート。続いて、2代目襲名に当たっての意気込みを述べる「口上」、三本締め、質疑応答、フォトセッションの順に進んでいった。  眼鏡をかけた南條愛乃は「クールビューティであることに加え、すぐに手が出るキャラクターで、一部では『バイオレンスメガネ』と呼ばれています」と、自らが演じる空琉美遊亭丸京を解説。「私も普段からこのような眼鏡をかけておりますので、ビビっとくるものがありまして」と、是が非でも演じたいという思いが、このキャスティングにつながったようだ。
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 佐倉綾音は「言葉を選ばずに言わせていただければ、大ヒットするように願っております」、小岩井ことりは「(役名が)『はろうきてい』なので、その辺、お間違えなきようお願いいたします」、山本希望は「5人の中で一番普通の女の子役なんですが、普通ってなんだろう、という壁にぶち当たりました」と、それぞれ切実な思いを表明。  しかし、なぜか山本のところでどんどん話が脱線。小学校2年か3年のときに好きな男の子ができ、告白をしようと思い、某番組の人気コーナー『未成年の主張』よろしく、学校でモーニング娘。の「抱いてHOLD ON ME!」を歌ったところ、見事にふられてしまったとカミングアウト。小学生の男子に聴かせるにしては歌詞の刺激が強すぎたのだろうか? 「今は二次元のキャラクターで十分です」という、山本のアニメ人生を予見していたかのような出来事の告白に、場内はカオスな空気に包まれた。 DSC_0319_b.jpg  最後に、後藤沙緒里が「(暗落亭)苦来とは2年以上のお付き合い、また携わらせていただけてうれしいなと思い、今後『じょしらく』に尽くしていく所存です」と決意を述べると、次は質疑応答コーナー。  「過去の自分から返してほしいものは何か?」という質問には、キャストの大半が「青春」と回答。なにやら、その楽しい怨念が劇中のトークに反映されそうな気がする。  また「2代目襲名にあたり、どんな噺家になっていきたいか?」という質問には、佐倉綾音が「『じょしらく』に関わるにあたって、初めて聴いた落語が桂枝雀さん。あの方のような、いつまでも新しい落語に触れたいなと思いました」と、意外にも本格的な答えが返ってきた。    果たして、ガールズトークに落語の持つ深みが表れるのだろうか? キワモノが転じて本物の風刺表現に化けそうな気配を漂わせながら、あっという間に45分は過ぎていった。  なお『じょしらく』はMBS(毎週木曜深夜26時25分)、TBS(毎週金曜深夜26時25分)、CBC(7月12日から毎週木曜深夜27時05分)BS-TBS(7月14日から毎週土曜深夜24時30分)の各局にて放映される。

キワモノ転じて功を成す!?  『じょしらく』2代目襲名記者会レポ

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 「このアニメは女の子のかわいさをお楽しみ頂くため、 邪魔にならない程度の差し障りのない会話をお楽しみ頂く番組です」という公式サイトの文言、権利関係的に危険なにおいが漂うキャラクター名、原作があの『さよなら絶望先生』の久米田康治(作画:ヤス)、監督がヒット作・問題作多数の水島努……という、何が起こるかわからない予感から、ファンがいい意味で戦々兢々の夏アニメ『じょしらく』(MBS、TBSほか)。その放送開始を記念し、7月4日、東京・講談社にて『じょしらく』2代目襲名披露記者会見が行われた。  なぜ、2代目なのか? 実は『じょしらく』は以前、単行本の特典としてドラマCDが付属したことがあり、そのときのキャストを初代に、今回のアニメ化にあたって配役されたメインキャストを2代目に見立て、襲名の決意を語ってもらおうという趣旨の会見だったのだ。  『じょしらく』は、女子の落語家が楽屋で繰り広げるゆるいトークを主題としたガールズ落語家マンガが原作であり、あくまでも落語家が2代目を襲名するという体を貫き通したのも、この会見の肝だった。  登壇したのは蕪羅亭魔梨威(ぶらてい まりい)役の佐倉綾音、防波亭手寅(ぼうはてい てとら)役の山本希望、波浪浮亭木胡桃(はろうきてい きぐるみ)役の小岩井ことり、空琉美遊亭丸京(くうるびゆうてい がんきょう)役の南條愛乃、そしてメインキャストの中で唯一、ドラマCDから引き続き同一キャラクターを演じる「初代」暗落亭苦来(あんらくてい くくる)役の後藤沙緒里の5名。司会はニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが務めた。  会見は、落語家の振る舞いに必須の深々としたお辞儀でスタート。続いて、2代目襲名に当たっての意気込みを述べる「口上」、三本締め、質疑応答、フォトセッションの順に進んでいった。  眼鏡をかけた南條愛乃は「クールビューティであることに加え、すぐに手が出るキャラクターで、一部では『バイオレンスメガネ』と呼ばれています」と、自らが演じる空琉美遊亭丸京を解説。「私も普段からこのような眼鏡をかけておりますので、ビビっとくるものがありまして」と、是が非でも演じたいという思いが、このキャスティングにつながったようだ。
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 佐倉綾音は「言葉を選ばずに言わせていただければ、大ヒットするように願っております」、小岩井ことりは「(役名が)『はろうきてい』なので、その辺、お間違えなきようお願いいたします」、山本希望は「5人の中で一番普通の女の子役なんですが、普通ってなんだろう、という壁にぶち当たりました」と、それぞれ切実な思いを表明。  しかし、なぜか山本のところでどんどん話が脱線。小学校2年か3年のときに好きな男の子ができ、告白をしようと思い、某番組の人気コーナー『未成年の主張』よろしく、学校でモーニング娘。の「抱いてHOLD ON ME!」を歌ったところ、見事にふられてしまったとカミングアウト。小学生の男子に聴かせるにしては歌詞の刺激が強すぎたのだろうか? 「今は二次元のキャラクターで十分です」という、山本のアニメ人生を予見していたかのような出来事の告白に、場内はカオスな空気に包まれた。 DSC_0319_b.jpg  最後に、後藤沙緒里が「(暗落亭)苦来とは2年以上のお付き合い、また携わらせていただけてうれしいなと思い、今後『じょしらく』に尽くしていく所存です」と決意を述べると、次は質疑応答コーナー。  「過去の自分から返してほしいものは何か?」という質問には、キャストの大半が「青春」と回答。なにやら、その楽しい怨念が劇中のトークに反映されそうな気がする。  また「2代目襲名にあたり、どんな噺家になっていきたいか?」という質問には、佐倉綾音が「『じょしらく』に関わるにあたって、初めて聴いた落語が桂枝雀さん。あの方のような、いつまでも新しい落語に触れたいなと思いました」と、意外にも本格的な答えが返ってきた。    果たして、ガールズトークに落語の持つ深みが表れるのだろうか? キワモノが転じて本物の風刺表現に化けそうな気配を漂わせながら、あっという間に45分は過ぎていった。  なお『じょしらく』はMBS(毎週木曜深夜26時25分)、TBS(毎週金曜深夜26時25分)、CBC(7月12日から毎週木曜深夜27時05分)BS-TBS(7月14日から毎週土曜深夜24時30分)の各局にて放映される。

みかこし、七夕に浴衣姿を初披露! ミニアルバム『cosmic EXPO』発売記念フリーイベント

DSC_0225.jpg  BDセールスが好調、原作小説も売上増、今春のヒットアニメとなった『モーレツ宇宙海賊』のヒロイン加藤茉莉香役を演じている声優の小松未可子が、ミニアルバム『cosmic EXPO』の発売(7月11日)を記念し、7月7日、東京・東武百貨店池袋店8F屋上スカイデッキ広場にてフリーイベント「七夕祭り~星に願いを乗せて…~」を開催した。  メインのフリーライヴに先行して実施された物販には、雨天にかかわらず関係者の予想を遙かに超える長蛇の列ができ、最終的に集まったファンは800人を数えた。  たまたま現場に居合わせた一般客が、デパートの店員に事情を訊ねては「人気があるのねぇ」と感心した様子でしげしげと眺める光景が散見され、デッキ上層部分から見下ろすオーディエンスも出現するほどの盛況ぶり。 DSC_0592.jpg  階下がおもちゃ売り場ということもあり、タテノリ・飛び跳ね禁止となったが、ぎりぎりのラインで盛り上がった。ライヴのセットリストは以下のとおり。 1.Black Holy(デビューシングル) 2.M from(自作の詞) 3.未來航路(『モーレツ宇宙海賊』最終話EDに使用されたイメージソング) <MC> 4.ユメノアリカ もしくは 透明な夜空 ~瞬く星に包まれて~ 宇宙の海 ver.  大勢のファンが詰めかけた影響で物販が予定時間内に終わらず、若干押してスタートしたライヴは、小松が「蒸し暑さではなく、みんなの熱気で熱い!」というほどの熱に包まれた。  4曲目は会場に集まったファンの希望が多いほうを歌う予定だったが、採決を取る間もなく「両方! 両方!」というコールに包まれ、「どっちか悩んだ意味がない~」と苦笑しつつ、2曲とも歌うことに決めた。 DSC_0440.jpg  アーティストデビューから数カ月で、MCもパフォーマンスも板についてきた小松。圧倒的な声量を生かした歌唱はやはり魅力で、きちんと合いの手を入れて激しくノリつつも聴き惚れてしまうという不思議な満足感は健在だった。母のものだという浴衣に身を包んだ小松にファンはうっとり。およそ40分、わずか5曲とは思えない充実のライヴとなった。  冒頭には、ピンク色のニンテンドー3DSを取り出すと「私用なんですけど、いまポケモンの『ブラック2・ホワイト2』をやっていまして。せっかくなので、すれ違いたいなと思って。わたしはトレーナーだと『みかこし』なんですけど、さっき『みかこし』さんとすれ違ったんですよね。この中に、私じゃない『みかこし』さんがいる!」と発言。人となりを伝えるほんわかとしたMCのせいか、ほどよい距離感に会場の雰囲気が和む。 DSC_0664.jpg  自身の出演するラジオ番組の収録日がここ3カ月、雨か曇天という雨女ぶりにたたられていたが、この日はライヴ直前、奇跡的に雨がぴたりとやんだ。終了直後には、それを見届けるかのように本降りとなったが、ファンは傘を差し、うちわにサインをもらうサイン会に列をなして行儀よく順番を待った。  デビューシングル「Black Holy」がセールス2万枚を超え、『モーレツ宇宙海賊』の劇場版制作が決定するなど順風満帆の小松だが、8月19日には初のワンマンライヴも決定した。その名も「全曲EXPO」。Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて行われるこのライヴは、その名のとおりの「持ち歌全曲ライヴ」。  『モーパイ』の成功とともに勢いにのる彼女がどんなステージングを見せてくれるのか、期待は高まる。 (取材・文=後藤勝)

谷川俊太郎meetsニャル子さん!? 朗読イベント「こえサイファー」で現代詩と声優が邂逅

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「緊張感があった」と語った作家・朝吹真理子。
 去る6月10日、現代詩の朗読イベント「こえサイファー vol.1」が、文京区シヴィックホールで開催された。出演者は、声優の阿澄佳奈、後藤沙緒里、ニコニコ動画などで人気の“歌い手”miko、ななひら、音楽家の吉田アミ、大谷能生、詩人・谷川俊太郎(ビデオ出演)、小説家の朝吹真理子。イベントのメインは、阿澄佳奈、後藤沙緒里、miko、ななひらによる詩の朗読だ。作品は詩歌の投稿SNS「しいか.com」で公募され、文芸批評家の坂上秋成、小説家の間宮緑らが選定。投稿者は4人の中から朗読してほしい人を選べるシステムで、彼女たちのファンからの応募も多かったのではないだろうか。公募作品のほかには、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」などの歴史的名作の朗読も行われた。  ちなみに、イベント名にも入っている「サイファー」とは、ラッパー数人が集まって路上で輪になり、フリースタイルでラップをし合う行為のことだ。そのヒップホップの「サイファー」を詩歌の世界に持ち込み、活動を広めているのが、第45回現代詩手帖賞を受賞した現代詩人の佐藤雄一。2010年4月からこの活動を開始し、これまでに国内15都市超、国外14カ国超で開催されているという(『しいか.com』より)。
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明るいキャラのイメージが強い阿澄佳奈が、
この日はしっとり朗読。
 メインの公募作品の朗読は、薄暗い舞台上に置かれたマイクスタンドにスポットライトが当てられ、一作品ずつ丁寧に行われた。声フェチの筆者は4人の声にまず注目していたが、読み上げられる作品はどれも個性的で、気づいたら読み手のことも忘れて聞き入っていた。作品ごとに、MCの武田俊(『KAI-YOU』代表)が選者の解説を読み上げ、詩に馴染みのない来場者でもじっくりと堪能することができたのではないだろうか。  音楽家の吉田アミと大谷能生による書き下ろし作品の朗読では、60分の作品のうち冒頭の6分ほどが披露された。2人が朗読を始めると、低く渋い声と艶っぽい声が、重なったり、微妙にずれたりと、まさに楽器のセッションのように絶妙なハーモニーを奏でていた。  以前、代々木公園で開催されたサイファーにも参加していた芥川賞作家の朝吹真理子は、吉増剛造の詩を朗読。「透明に、叙情が入らないように詠みました」と、終演後に振り返ったが、朗読前には不安もあったという。 「声優さんのファンがその声を聞きに来ていて、ほかの方の朗読は聞きたくないのかな、と不安でした。ところが、それぞれみんながいろんな人のことばを聞こうとしていて、声が届いている、響いている感じがしました。普段は声優さんも詩の朗読をすることはあまりないと思うので、全員がアウェイの中、緊張感を持って朗読するという今回のイベントは、とても勉強になりました」
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後藤沙緒里。黒髪ロングのメガネ姿に、
ファンは静かに高まった。
 谷川俊太郎はビデオ出演だったが、サイファーに参加した動機を「閉じられた空間でなく、公園みたいな広々したところで、ルーズな感じでできるのが面白い。現代詩でないいろんな人がいるのがいいなと思いました」と語った。その後、鉄腕アトムの挿入歌で自身が作詞した『ロボット・マーチ』を朗読。途中、「なんだかバカみたいな話だねぇ。なつかしい」とツッコミを入れると、会場からも笑いがおきた。サイファーについては、「活字は反応がない。朗読会に出れば目の前にいる30人とかが、つまらなかったらざわめくし、面白ければ拍手が起きる。フィードバックがあるのは、健康にすごくいいという感じがしました。つまらなかったら正直に帰ってしまう。こういうことが詩には必要」と、朗読に対して意欲をみせた。  また谷川は、阿澄佳奈が主演を務めるアニメ『這いよれ!ニャル子さん』をニコニコ動画で見ていることも明かし、会場を驚かせた。後藤沙緒里は「後藤が出演しているアニメ作品もぜひ観てください」とアピール。当の阿澄佳奈は「ビックリなのと、なぜそれだったのかなぁと」と戸惑っていたが、司会から「詩人や歌人で『ニャル子さん』を観ている人は多いらしいですよ」と伝えられ、さらに驚いていた。  イベントの最後には、阿澄佳奈、後藤沙緒里、miko、ななひらの4人による自作の詩が朗読された。披露された作品は、阿澄佳奈『あなたへ』、後藤沙緒里『憧れ』、miko『はばたき』、ななひら『すべての“あなた”へ』。会場に多数いたであろうファンたちは、長時間のイベントのラストにもかかわらず、この日一番の集中力で聞きいっていた。  Twitterなどでは、毎日のように詩のような投稿を見かける。ソーシャルメディアが普及し、ことばが以前よりも流通し、インタラクティブな創作活動も可能となった今、詩はいつ、どこででも生まれているのだ。『しいか.com』は、「<あなた>を詩人にする言葉が詩です」とうたっている。これを機に、「徹夜なう」などつぶやいていないで、詩を詠んでみたいと思う。 (取材・文=林健太/画像提供=しいか.com)