今度は本格サスペンス!“百合系ファンタジックムービー”の新境地『こたつと、みかんと、殺意と、ニャー。』

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 今年3月に公開され、“百合系ファンタジックムービー”という新たなジャンルを開拓した映画『こたつと、みかんと、ニャー。』に続編が誕生。『こたつと、みかんと、殺意と、ニャー。』が、11月30日(土)よりシネマート新宿で2週間限定公開となる。  前作で邦画界に“百合系旋風”を巻き起こした、自称「グラビアアイドルを女優として撮らせたら日本一」の梶野竜太郎が描き出す『こたつと、みかんと、殺意と、ニャー。』に込められた思いとは? そして、「今回は百合+サスペンスの破壊力!」と語るこの男のアイドル映画は、いったいどこへ向かうのだろうか……? ──3月に公開された『こたつと、みかんと、ニャー。』では、1週間限定の予定が“大入り”で公開が延長されました。公開当初、ここまでの反響は予想していましたか? 梶野竜太郎監督(以下、梶野) 「グラビアアイドル好き」と「百合系好き」という、男女それぞれにターゲットを絞っていたので、ハマればハマるだろうけど難易度は高いかな、と思っていました。今の映画業界って、広く浅くじゃなく、ニッチな方が面白いことになるという予感はあったので、予想外というより、“この細い穴に刺さったか!”という喜びがありましたね。 ──女性のお客さんも多かったと聞いています。 梶野 そうですね。映画館って、こんなにいい匂いしたっけ? っていう感じ(笑)。“かわいい女の子”が好きな女の子って多いじゃないですか。映画を観た女の子が「この監督の描く女の子はとにかくかわいい」と言ってくれたのは、すごく嬉しかったです。
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梶野竜太郎監督(左)
──その前作に続いて、主演は木嶋のりこさん。監督とは『ピョコタン・プロファイル』から数えて3作目のお仕事になりますが、成長を感じますか? 梶野 今回は、ラストが結構ぶっ壊す終わり方……これはネタバレじゃないけど、まあそういう終わり方なんで、その気配を前半から0.01%ほど出させました。彼女を信用しきった演出ですね。そのへんはもう、ツーカーってことで(笑)。 ──今回は南結衣さんと酒井蘭さんが共演ですが、2人は百合系、つまり「女の子とキスする」ということを、どんな風に受け止めたんでしょう。 梶野 意外にあっさりOKでしたね。偏見とか抵抗はないみたいです。とはいえ、本番中、特に最初はバクバクっぽかったですけど。 ──では、撮影は順調に? 梶野 酒井だけが川に入るシーンがあるんですが、川の水が思った以上に冷たかった! 男のスタッフでも数秒で出ちゃうくらいで……。あの子は根性あるんでズンズン入っていきましたけど「この冷水の恐怖は! 私しか! 知らないでしょ!」って叫んでました。 ──前作同様、今回も登場人物は3人だけです。難しさもあるのでは? 梶野 当たり前だけど、飽きさせないことは常に意識しますね。中華飯店に来て、ずーっとチャーハンだけ食べてる状態ですから。でも、美味しかったり、これなんだ? って思わせたり、いろいろな気持ちにさせることができれば問題ないわけですから。 0I0Z0403.jpg ──3人ともグラビアアイドルとして多くのDVDを出していますし、監督もイメージビデオを多数撮られてます。グラビア撮影とシリアスな芝居を撮るのと、共通点はあるんでしょうか。 梶野 結局、見ている人へ語りかける気持ちをどう撮るか、ということに尽きるわけです。対戦相手はカメラですからね。監督がちゃんと指示できてれば、グラビアの子の方が下手な女優さんよりしっかり芝居できますよ。グラビアと映画で違うのは、谷間と股間を攻めないことかな(笑)。 ──『魚介類 山岡マイコ』では制服を濡らしたり、前作では浴衣の女の子を畳に転がしたり、梶野映画といえば印象的な“衣装とシチュエーション”ですが、今回はどんなこだわりが? 梶野 女の子同士での“女の子Yシャツ”。女の子が友だちの家へ泊りに行って、遅くまでお菓子を食べながらペチャクチャとガールズトークしてるという、そういう無防備な雰囲気をファッショナブルに狙っている感じですね。 ──ストーリーについては、前作は謎を残して終わりましたが、その続きととらえて間違いありませんか? 梶野 そうです……フフフ。第2章ということで、もちろんお約束のシーンは押さえつつですが、「女の子同士がキスするシーンさえあればいい」みたいな安易なホンにはしたくなかったんですね。だから、ジャンルを変えてみました。今回は、本格サスペンスです。 ──前作を書いている時点で、この物語の構想があったということでしょうか。 梶野 それは、ぜんぜんないっす!(きっぱり) ──今回も、映画館で水着撮影会のような楽しい企画はあるんでしょうか。 梶野 もちろん! ぜひ劇場に遊びに来てください!! IMG_0703.jpg ●『こたつと、みかんと、殺意と、ニャー。』 出演:木嶋のりこ、南結衣、酒井蘭/監督・脚本:梶野竜太郎/製作:長田安正/撮影:荒木憲司/照明:下村芳樹/録音:田原イサヲ、植田中/編集:井上裕貴/音楽:Mai Allesklar/制作:ゴールデン・エンタテインメント/配給・宣伝:ユナイテッドエンタテインメント (c)「こたつとみかんとニャー」の会 公式サイト:http://www.kotamikanya.net/ ・撮影会付き初日舞台挨拶 《レア!!》グラビアアイドルの水着撮影会あり! 南結衣(2、3年ぶりの撮影会)&酒井蘭(グラビア卒業宣言後、初の撮影会) 日時:11月30日(土)15:30の回上映後 会場:シネマート新宿・スクリーン1(指定席) 登壇者(予定):木嶋のりこ、南結衣、酒井蘭、梶野竜太郎監督 料金:舞台挨拶&撮影会(水着)コース3,000円、舞台挨拶コース2,000円 販売方法:チケットぴあにて販売(購入枚数制限:お一人様4枚まで) http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1349718 Pコード:552-179 ★毎日会える★レイトショー 登壇者日替わりイベントスケジュール 公開中は毎日、出演者のどなたかが登壇!毎日何が起こるかわからないドキドキのレイトショー!お楽しみに! 日程:11月30日(土)~12月13日(金) 舞台挨拶:21時15分の回上映後 場所:シネマート新宿 スクリーン2 内容:出演者と梶野監督によるトーク+α 劇場ロビーではオリジナルグッズの販売を予定しています。 登壇者との交流(サインなど)もできるかも!? 1010_KotaMika_B5_s.jpg 登壇者: 11/30(土)木嶋のりこ 酒井蘭 12/ 1(日)木嶋のりこ 南結衣 12/ 2(月)木嶋のりこ 酒井蘭 12/ 3(火)木嶋のりこ 12/ 4(水)木嶋のりこ 南結衣 12/ 5(木)木嶋のりこ 酒井蘭 12/ 6(金)木嶋のりこ 南結衣 12/ 7(土)木嶋のりこ 12/ 8(日)木嶋のりこ 南結衣 12/ 9(月)木嶋のりこ 酒井蘭 12/10(火)木嶋のりこ 12/11(水)木嶋のりこ 南結衣 12/12(木)木嶋のりこ 酒井蘭 12/13(金)木嶋のりこ ※連日、梶野監督登壇! さらにまだまだゲスト追加予定! ・こたみか1 DVD発売記念イベント開催決定! 日時:12月8日(日) 登壇者:木嶋のりこ×福見真紀 内容:水着撮影会+トークショー そして第2章メンバーから、南結衣×酒井蘭も一緒にトークショー参戦! 夜は上映中の『こたみか2』を観て、こたみかスペシャルデーにしよう! 詳細は以下より http://www.kotamikanya.net/news/index.html#news23

闇の色は少女をキレイにする──『ボクが修学旅行に行けなかった理由』

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――アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『ボクが修学旅行に行けなかった理由』 監督:草野翔吾 女性出演:荻野可鈴、冨田真由、星名美津紀、増井みお他 <http://aliceinmovie.info/bokuga.html>
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『ボクが修学旅行に行けなかった理由』
ある私立学校の芸能コースに通いながらアイドル活動をしている4人組「P☆GIRLS」は、学校の修学旅行を欠席してライブハウスで公演をしていた。公演後、修学旅行欠席者に出された宿題を学校に忘れてきたことに気付いた4人は、夜の学校に忍び込むが……。女子高生アイドルたちの日常と非日常、輝かしいステージの裏に隠された葛藤などを描いた青春劇。『非公認戦隊アキバレンジャー』のアキバイエロー役で知られる若手女優の荻野可鈴、「シークレットガールズ」の冨田真由、『PASSPO☆』の増井みお、根岸愛らが出演。10月25日にDVDがセル・レンタルともにリリース予定。
 これほどまでに、「これ、売れなきゃダメだよ!」って思った作品も珍しい。  “アイドルを女優として撮る”というコンセプトを持つ私が、この作品をTwitterでベタ褒めしたら、配給会社さんから「監督! お株を奪われるようなこと書いちゃダメですよ!!」って、おいおい、自分の作品と比べてないですよ。ってか、そこは譲れませんなっ! でも、そんな誤解を招くくらい、絶賛してしまった。  わかりやすいキャッチをつけるとしたら、“現代の女子高版スタンド・バイ・ミー”。  この手の映画で一番嫌なのは、“現状の女子高生はこんなに悪いぜ!”みたいな、心のかわいさをすべて捨てた作品。その必要以上に汚らしい部分が、この映画にはない。あえて消しているのではなく、必要ない。なぜなら、表現することがほかにたくさんあるから。  今の女の子たちの、ピュアで頑張り屋で、でもワガママで~みたいな特徴をちゃんとつかんでいる、気持ちのいい物語になっている。  ある私立学校の芸能コースに通いながらアイドル活動をしている4人組「P☆GIRLS」は、学校の修学旅行を欠席してライブハウスで公演をしていた。公演後、修学旅行欠席者に出された宿題を学校に忘れてきたことに気付いた4人は、夜の学校に忍び込むが……。女子高生アイドルたちの日常と非日常、輝かしいステージの裏に隠された葛藤などを描いた青春劇。 UP_tomita.jpg  まず、シチュエーションが面白い。ターゲットとなるのは、私立校の芸能コースに通う女の子4人! しかも、地下アイドル的存在!  なんと平成2ケタ以降のお話ですね。同じ環境の女の子を応援するアキバ系のファンはみんな気持ちわかるし、芸能コースの女の子たちも「わかるわかる~」って共鳴するよ!  その平成アイドルガールズを演じるのは、荻野可鈴を筆頭に、グラビアもちゃんとやってくれるアイドルたち。そして!! いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの“ドロリッチ巨乳ロリ”星名美津紀! 正直に言おう。客寄せパンダだと思ってた! マジ!!  胸が大きい等身大の女の子だったからか、ものすごく“素”、気持ちいいくらい“素”。当然、アイドルムービーではないので、水着シーンも一回もない……というか、あってはいかん! この作品にはね!!  ここまで絶賛するのは、上記のこと以外に、「アイドル評」的な分析をするならば、「闇は女をキレイにする。それが女子高生だとしても!」ということなのだ。  これだけかわいいアイドルが揃ってるのに、たぶん87%以上は闇の中だと思う。ジョン・カーペンターの『ザ・フォッグ』のように!  例えば、グラビアアイドルDVDに闇のシーンってあります? ないですよね。なんでか? 簡単、太陽やキレイな光の中のほうが、かわいくキレイに撮れるから。あまりにも当たり前。なのにこの映画、ライブハウスで始まって、夜の学校で、ライブハウスで〆る。ね、闇っしょ! bokusyu_1.jpg  アイドルを撮るにはタブーなはずなのに、照明部さんがものすごく頑張ってて、月の光や、ほんのちょっとの蛍光灯の漏れが、10代の若い女の子たちの頬や太ももを舐める。特にキレイなのは、瞳。  ……瞳でイケますか!? イケるんですっ!!  夜は光と闇以外にも、何かいけないことをしている感がある、特に学校ね。女の子がいけない……昭和の書き方で表現すると、“イ・ケ・ナ・イ”ことをする時の顔って、ものすごく魅力的じゃないですか?  初めての夜遊びとか、初めてのベッドインとか、遊びで触り合ってたら感じてきちゃった女子2人とか、ちょっと中に入れてみたら気持ちよすぎてそれがデビューだったりとか、ペットのチョロをバター犬にさせてみたりとか……キリがない! それだけ「暗いところの女の子」は魅力的だってことです。  本当にいい女の子たちだけで構成されていて、ほとんどが暗い場所での撮影なのに、頑張ってるアイドルたちならではの傑作。ぜひ見てほしいですね。 kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 1964年東京生まれ。映画監督&脚本、タレントプロデューサー。短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルを女優として扱う映像が特徴的でファンを多くつかむ。11年に『魚介類 山岡マイコ』、13年に『こたつと、みかんと、ニャー。』を発表。アイドル映画という枠には収まらない、独特なファンタジーワールドを展開。新作もめじろ押し。木嶋のりこ等が所属するプロダクションを持っている。 ブログ <http://ameblo.jp/ryutarokajino/> ◆【アイドル映画評】過去記事はこちらから

胸元を美しくする照明技術『脱衣麻雀バトルロワイアル』

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――アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『脱衣麻雀バトルロワイアル』 監督:マック・P・フォーエヴァー 女性主演:Nina、佐々木杏、宇佐野瞳、東尾真子、霜月るな  ご無沙汰しております。私の新作『こたつと、みかんと、ニャー。』という作品の公開で、バタバタしておりました。
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『脱衣麻雀バトルロワイアル』
闇の組織が運営する番組
「ザ・脱衣麻雀」は、ワケあ
りの女たちが集められ、自ら
の衣服を賭けて対局に挑む
“リアル脱衣麻雀”。優勝者
には賞金一千万円が、全裸の
敗者は心も身体も犯された後
に死の制裁が下る。そして運
命の対局が始まった──。
(Amazonより引用)販売元:
アルバトロス/税込価格:
3,990円/(c)2011「脱衣麻雀
バトルロワイアル」製作委員会
 木嶋のりこ、福見真紀、鎌田紘子を主演に迎えた……いや、この3人しか出てこない百合物の映画を撮り、おかげさまで大好評でした。タイトルは、こたつ、みかん、ニャー(ネコ)という、冬の風物詩的な匂いをさせながら、こたつ=タチ、みかん=間、ニャー=ネコ、と、百合だからこその深い意味を隠し、タイトルだけでは内容がわからないようにしました。  冬の風物詩の中に隠されたメッセージ。タイトルだけではどんな内容なのかもわからない……。そして今回、そのまったく逆で、タイトルだけで、それこそ物語、内容、もしかしたらエンディングまで読めてしまう作品を見つけました!  それが、この『脱衣麻雀バトルロワイアル』……わかりやすい~~~!! 内容当てクイズやっても正解者99%でしょう!!  物語は、ワケありの女たちがリアル脱衣麻雀を繰り広げるスリラー。闇の組織が運営するネット番組『ザ・脱衣麻雀』に参加した女子高生アイドル・優花、エリート弁護士・葵ら4人の女たち。優勝者には賞金1,000万円、全裸の敗者には死の制裁が待っている!  うん! そのまんま!! 意外性、どんでん返し、まったなし!! わははははは!……いやいや、これでいい! これでいいのだ!  もともと「脱衣麻雀」とは、ゲームセンターの麻雀テレビゲームから出てきた。当時、シューティングやアクションばかりだったゲームセンターの中で産声を上げた麻雀ゲーム。それが「ジャンピュータ」。もーね、流行しすぎちゃって、ゲーセンに住んでたような人もいた。  このテレビゲームの麻雀の特徴。それは対局のみということ。4人いないのだ。(後に4人打ちも出てきます)  だとしたら、相手は女の子のほうがいいよね、ゲームだし。負けたら脱いでってほしいよね!! ゲームだしーーー! ってな感じ。
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 今思えば、よくもまぁ、マリオブラザーズくらいドットの粗い女の子のイラストで興奮したよな~~~~。「脱衣麻雀」とは男の永遠の夢……ドリーム・ギャンブルなのであります。そのVシネ化!!  解説に書いてあるように、プレイヤーはワケアリで一攫千金を狙う女ばかり。負けては命を奪われ、イカサマあり、友情あり、裏切りありの物語。4人は正直、芝居はうまくないが、そんなことはどうでもよい。  かわいい女の子がいろんなパターンで脱がされていく。ソフトSM、スパンキング、「ブラ一本釣り」(なんのこっちゃ)、「鉛筆最強」(もっとわからん)……and more.  芝居がヘタッピだからこそ、リアルすぎず笑えるエロ麻雀。楽しい♪  そんな中でも、この作品が“ただの脱衣”で終わらないところ。それが、ライティング。つまり照明。  ホラーではよくあるシチュエーション物、狭いひと空間で起こる物語っぽく作られているので、仄暗い雰囲気~なのだが、ここで照明さんが頑張っている。この仄暗い世界観の中、まるで『トロン』『トロン:レガシー』のような蛍光灯系のライトを使っている。それにより、仄暗い世界観の中にものすごくキレイな発色が生きている。  特に胸元! おっぱい近辺のこの発色は、自然光の次に好きかもしれない。  カメラがおっぱいに寄る時も、「おお~~~~。なんだ!? このキレイなおっぱいは……」光と闇の祭典におっぱい……それはまるで、デビルズタワーの上に降りてきた『未知との遭遇』のUFOの如く(オーバーだろ)。東京鼠ランドのデコレーションパレードの如く(夢も魔法もないよ!)。  ちょいエッチな気持ちを求めている時は、ものすごく楽しい。なんたってタイトルで物語のすべてがわかっちゃうんだから! なんて安心なVシネなんでしょ!! (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/ ●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第28回】AV女優、変幻自在! 男の勝手な妄想ムービー『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』 【第27回】ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

女子もグラビアを楽しむ時代!? ロリータはもはや男性だけのアイテムじゃない

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劇中のイメージそのままに浴衣姿の鎌田紘子、木嶋のりこ、福見真紀(左から)
 3月23日、新宿ロフトプラスワンで映画『こたつと、みかんと、ニャー。』の公開記念イベントが行われ、主演の木嶋のりこ、福見真紀、鎌田紘子が、「アイドル映画を語ろう」をテーマに、梶野竜太郎監督やアイドル評論家の北川昌弘、雑誌「クリーム」元編集部員の梨田梨子らと本音のアイドルトークを展開して盛り上がった。 「ここ最近、女の子がグラビアを見るという傾向がすごく強くなってきたと感じる」という梶野監督。『こたつと、みかんと、ニャー。』でも、女性からの視点を強く意識し、単なる男性向けお色気映画とは一線を画した新感覚の百合系ファンタジックムービーとして、男性層だけでなく女性層へも作品をアピールしている。
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おなじみマンボウ北川先生と梶野監督
 映画は、とある百合系SNSに同じ会社の先輩(木嶋のりこ)が登録しているのを知った経理部のOL(福見真紀)が、先輩と、別のSNS仲間(鎌田紘子)を誘い出して白馬へ温泉旅行に出かけ、そこで女性同士三角関係に陥って、それぞれの想いをぶつけあうという百合物語。劇中それぞれがSNSでのハンドルネームを名乗っており、木嶋は「ニャー」、福見は「こたつ」、鎌田は「みかん」の名前で登場する。  「単なる恋愛映画にしたくもないし、エロくも作りたくなかった。とにかく女の子の可愛さだけを追求してやりたかった」と話す梶野監督。この映画撮ると発言したとたん、Twitterで女性のフォロワーが増え、「みんな主演の3人のファンだと後で知った。それでこの映画は女の子にも見てほしいって思った。そんな気持ちで撮ったのは初めてだった」と女性からの反響に驚かされたことを明かす。
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グラスを手に和やかな雰囲気で。
 女性が女性アイドルを好きになる傾向は決して今に始まったことではないが、同席したアイドル評論家の北川は、堂々とグラビアまで楽しむようになった背景として、「音楽系のアイドルが元気になった頃に女性ファンがたくさん増え、そのアイドルたちがグラビアに移行していく中で、彼女らもグラビアときちんと向かい合えるように成長していったのでは」と分析する。  梶野監督もそういった傾向はAKB48の登場以降から強くなったと感じていたという。「モーニング娘。の時代は、つんくさんがなかなか彼女らを水着にさせようとしなかった。可愛いんだからどんどん水着も出すべきでしょうという考え方は、AKBの時代になって、秋元さんが浸透させた」と持論を展開。女性がグラビアを堂々と楽しめる時代になった背景に、今のAKB48の活躍が大きいと指摘した。  監督はさらに、「今はアイドルご本人たちも、同性のアイドルが好きだったりする」と指摘。この後、会場では出席者それぞれのお奨めアイドルグラビアビデオがダイジェストで上映されたが、監督の指摘通り、上映中は「可愛い!」「肌が奇麗!」「笑顔が可愛い」「妹にしてずっと側に置いておきたい」と、男性陣以上に木嶋、福見、鎌田の3人の方が大盛り上がりを見せ、会場を沸かせた。  ちなみに彼女らが選んだお奨めDVDはジュニア系アイドルのビデオが多数だった。福見は「ロリっぽい顔が好き」と後輩のイメージビデオを、また鎌田も着エロ系ロリータ路線のビデオを推奨するなど、男性が好きだというと毛嫌いされそうなロリータアイドルのビデオが、むしろ女性からは「可愛い」という視点で受け入れられていることも判明。
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 梶野監督は「こんなふうに、どこでも小中高生のグラビアを売っている国は日本だけ。ロリコン王国とか言われながらも、逆に言えば、SPEEDやモー娘。がそうだったように、小さい頃からアイドルとしてデビューできる環境があるので、アイドルをやりたい人にはいい状況なのでは」と肯定的。もっとも木嶋らは、アイドル側の立場として、女性から好かれるのは悪い気はしないようだ。「女の子に可愛いって言われたらむしろ嬉しい」と女性ファンからの反響はウェルカムだという。  イベントでは他に、グラビアを撮られる側の気持ちとして、鎌田がデビュー作のとき慣れてなくて、泣いてしまったエピソードを披露。「水着になる理由とかもよくわからなくて、確かトイレでトイレットペーパーでぐるぐる巻きになって放心状態になるというシーンを撮らされて、そのシーンが嫌で、泣いてしまった」と告白したり、木嶋が「ライバルにものすごい大胆な子がいて、その子に対して撮ってるカメラマンとかが横であからさまにいいなって言ってるのを聞いて、負けたくないって思って頑張ってた」と当時を回顧。福見も福見で男性の興味本位の視点から水着を撮られることに対し、「撮影中は余計なことは何も考えていないから平気。いろんな衣装を着れたりで嬉しい」と発言するなど、本音トークで最後まで盛り上がった。  映画『こたつと、みかんと、ニャー。』は3月30日よりシネマート新宿にて1週間限定レイトショー中。 (文・写真=名鹿祥史)

アイドル映画監督・梶野竜太郎×ミス東スポ・木嶋のりこ「私って、こんなにかわいかったっけ?(笑)」

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 『ピョコタン・プロファイル』や『魚介類 山岡マイコ』など、あふれんばかりのアイドル愛とニッチさで、アイドルファンはもとより映画マニアの心をくすぐる映画監督・梶野竜太郎。芸能事務所のプロデューサーとしてアイドルを育てつつ、プライベートではアイドルDVDを買いあさる……公私にわたってアイドル三昧な日々を送る梶野監督の最新作『こたつと、みかんと、ニャー。』が、3月30日よりシネマート新宿にて、1週間限定でレイトショー上映される。  百合系SNSで知り合ったこたつ(福見真紀/風男塾)とニャー(木嶋のりこ/ミス東スポ2012)、そしてニャーの彼女・みかん(鎌田紘子/アイドルプロデューサー)の恋愛模様を描いたこの作品だが、いわゆる“百合モノ”とは少し趣が異なる。“百合系ファンタジックムービー”という新たな領域へ踏み込んだ本作の見どころを、梶野監督と主演を務めた木嶋のりこに訊いた。 ――この映画は「アイドルに、女の子同士の恋愛でしか見ることができない顔をさせてみたい」という一念で生まれた企画だそうですが、もともと百合には興味があったんですか? 梶野 百合というか、女の子自体に興味がありますからね。作品としてもビジュアルとしても、この世で一番美しいものは女性ですから。それがダブルですよ? いいに決まってるじゃないですか! 女の子が2人並んでいると、友達同士だけど軽く手を握ったり、何げない仕草に“今、一瞬ドキッとしましたね!”“今の顔、本音が隠れてる!”って勘ぐっちゃうんですよね。そういうところがたまらないっ! 女の子って、男の子に恋している時は弱々しくてかわいらしい目をするけど、相手が女の子になった時、絶対に男に見せない顔するんですよ! 見たいじゃないですか! その後に濡れ場があろうがなかろうが、どっちでもいいんです。女の子が女の子を愛する、という男には開放しない顔とピュアなところを徹底追求したかったんです。 木嶋 もちろん監督のそういう思いは事前に聞いていたんですが、わたしは、こたつ(福見)、みかん(鎌田)が好きという気持ちで、男とか女とかは意識していませんでした。でも、完成版を見て“私って、女の子に対してこんな目をするんだ”という発見がありましたね。監督が言ってたことはコレなのか! と。 IMG_2969_.jpg ――今回は木嶋さんありきで脚本を書き、その後、福見さん、鎌田さんをキャスティングされたそうですね。 梶野 演技がそこそこできる木嶋を中心に、まず、演技よりも自分のキャラを表に出せる子ということで鎌田をキャスティングしました。演技派と勢いがある子、ここに、言い方は悪いんですが、芝居慣れしていない、素でしゃべれる子が欲しいなと思って福見を置きました。全員芝居50、素50ができる子で固めた。やっぱり百合モノなので、芝居で女の子を見つめたってウソだとバレる。だったら、本当の顔ができる女の子を追求したいなって思ったんです。 ――『ピョコタン』では裸足にセーラー服、『マイコ』では制服を濡らすといった、衣装に対しても並々ならぬこだわりを持っている梶野監督ですが、今回もこだわりはあったんですか? 梶野 めちゃくちゃありますよ! 浴衣ですからね。超かわいいじゃないですか!? 鎖骨、うなじ……360度、捨て駒なしで、どこから見ても楽しめる。浴衣って、日本人の体形に一番合ってるんですよね~。まず、女の子同士なら3Pがいいだろうというのが先にあって、そこから、なんとなく和のイメージができてきて、「浴衣脱がせてぇ~!」って。 ――こたつの中で3人の生足が絡み合うオープニング映像は、かなりエロくて興奮しましたが、木嶋さんのお気に入りのシーンは? 木嶋 脱衣所で、まきち(福見)演じるこたつが、「ニャー来てくれた」って、わたしに思いを伝えてくれるシーンが大好きです。本当にまっすぐな視線で、吸い込まれそうになっちゃいました。まきちの声だけが響く心地よい空間で、あのまま押し倒さなくてよかった(笑)。あともう一つ、過去のシーンでひろぴょん(鎌田)演じるみかんとイチャイチャするシーン。全体を通して、みかんって自分のペースを崩さないんですが、それをわたしが“こっち向いて”と一生懸命にやっているところで、そこにこたつとみかんのキャラクターが強く出ていると思います。 ――鎌田さんとのキスシーンはどうでしたか? 木嶋 ひろぴょんとは以前から何度もお仕事をしていたので、「嫌われたくない」とか「大事にしてあげたい」「この子を壊さないようにしなきゃ」っていう気持ちもあって、本番前は緊張や不安でドキドキでした。でも、すごく長い時間カメラを回していたので、だんだん「あれ、私たち、ずっと前からこんなことしてなかったっけ?」という気になっちゃいましたね(笑)。
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(c)2013 SAMOVAR
――ちなみに、プライベートでの百合経験は……? 木嶋 それは常に……。アイドル好きというか女の子が好きなので、お店でかわいい店員さんを探しちゃいます。いまお気に入りの子が3人いるんですが、仕事帰りに寄って癒やされてます♪ 今は見ているだけで十分だけど……いつか触れてみたいなって(笑)。アイドルだったら、乃木坂46の白石麻衣ちゃんとしてみたいですね。お人形さんみたいですっごくかわいくて……それを私が壊したい! 普段はしない顔をさせてみたい。私、基本的にMなんですが、女の子に対してはSっぽくなるみたいです。 梶野 俺は川口春奈とNMBの山本彩だな。ロングとショート、巨乳と普通。美少女系と元気系……そのギャップがいい。その2人撮れるなら、俺がギャラ払ってもいいや(笑)。 ――どちらも見てみたい組み合わせですね。さて、お2人は『ピョコタン~』以来のお仕事となるわけですが、監督から見て映画女優・木嶋のりこは、どんなところが成長したと思いますか? 梶野 気の抜き方がうまくなったかな。一生懸命さが売りではあるけど、ふわっと抜けるようになった。木嶋が成長しているということは認めてたから書いた台本だし、信用しているからこそのシーンもたくさんあった。ただ今後の課題という意味では、“もっと揉まれてこい”とは思いました。木嶋って、等身大のキャラクターを演じることが多いんですが、時代劇とか弁護士役とか殺人鬼役とか、ぜんぜん関係ないのをやってこい、と。俺自身、木嶋の芝居に慣れちゃっているところもあるから、次に撮るときに、ちょっと違う木嶋のりこを見たいな。 木嶋 殺人鬼かぁ(笑)。私としては、『ピョコタン』撮影時よりも、作品の世界と現実の世界の行き来ができて、課題がたくさん見えました。今までは作品の中の役として生きることに一生懸命になっていたんですが、見てくださる方がいるということをもっと意識できたら変わるのかなー、というのは感じましたね。 IMG_2998_.jpg ――木嶋さんから見て、梶野監督はどんな監督ですか? 木嶋 とにかく優しいんですよ。監督いわく「ピリピリした現場で、女の子のいい表情が撮れるはずがない」って。とにかく現場をいい空気にするために、女の子にもスタッフさんにも優しいんです。あと、もうひとつは『ピョコタン』を撮ってもらっていたときに感じたことなんですが、“あれ、私こんなにかわいかったんだ!”って(笑)。あの頃、私の顔がまん丸だったんですけど、それでもこんなふうに撮ってくれるんだなって。梶野監督の手にかかったら、女の子はかわいくなる。『マイコ』の時の佐武宇綺ちゃん(9nine)のかわいさっていったら、もう~!! 抱きしめたくなるくらい! 「女の子をどれだけかわいく撮れるかグランプリ」があったら絶対1位ですね。 梶野 本当に!? めちゃくちゃうれしいっ! ここ、太字でお願いします!! 怒らないっていうのは、コメディとかやるときって、あれやれこれやれって怒鳴ったら、いくら芝居がうまくたって、絶対役者の目の奥に出るから。芝居でいい顔してるっていうんじゃなくて、和気あいあいとした雰囲気の中から、自然と生まれていく表情を撮りたいんです。 ――それでは最後に、映画のPRをお願いします。 梶野 「こたつ」と「みかん」と「ニャー」ってタイトルは、冬の風物詩をまとめたという表向きの面と、実はスラングで「タチ」(こたつ)と「ネコ」(ニャー)という意味が隠されているんです。みかんのかんは“間”を取るって意味だし。オープニングの映像にも、ちゃんと意味があるんです。そういう仕掛けが随所にちりばめられているので、一度とは言わず、二度三度見ていただけると、“こういうことだったのか”と楽しんでいただけるかと。公開初日には3人の舞台挨拶付き水着撮影会があるので、ぜひお越しください! (取材・文=編集部) sub4s_large.jpg ●『こたつと、みかんと、ニャー。』 出演:木嶋のりこ、福見真紀、鎌田紘子/監督・脚本:梶野竜太郎/製作:村田亮/撮影:西村博光/編集:細野優理子/音楽:コマイヌ、Mai Allesklar 配給・宣伝:ユナイテッド エンタテインメント 2013年/日本語/65分 (c)2013 SAMOVAR <http://www.kotamikanya.net/> 3月30日(土)よりシネマート新宿にて、1週間限定レイトショー ●『こたつと、みかんと、ニャー。』公開記念イベント「アイドル映画を語ろう!」 【日時】3月23日(土)OPEN 12:30 / START 13:00 【場所】新宿ロフトプラスワン 【出演】梶野竜太郎(監督)、北川昌弘(アイドル評論家)、梨田梨子(元「クリーム」編集部員) 【Guest】木嶋のりこ、福見真紀、鎌田紘子 【チケット】前売¥1500 / 当日¥2000(共に飲食代別) ※前売券は2/28(木)10:00よりe+にて発売! イープラスチケット購入(サイトには2/28 0:00より反映されます)

AV女優、変幻自在! 男の勝手な妄想ムービー『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』

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アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』 監督:友松直之 女性主演:吉沢明歩、鈴木杏里、里見瑶子、山口真里  名作である。数ある“命を与えられた人形”系の作品の中ではダントツの出来。あ、殺人人形チャッキーの『チャイルド・プレイ』は別ね。出演者の見事な脱ぎっぷりから、ジャンル的にアダルトコーナーに置かれそうだけど、過去のどの“人形映画”よりも、深く、熱く、もっともっとヒットせにゃならんっ! っていう作品である。
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『AI高感度センサー搭載 メイド
ロイド』

20XX年。マリアが上野の家にやっ
てきたのは、彼がまだ子どもの頃。
メイドロイド開発メーカーに勤務
する多忙な両親が、彼の世話をさ
せるために連れてきた社内モニタ
ー用のドジッ娘プログラム機体だ
った……。
 男の虚しさ、しゃべれない人形の哀しさ、女の儚さ、すべてが1つの映像、1つのおっぱいの中に詰め込まれている。ここまでメッセージ性の強い脚本! ここまで見事な脱ぎっぷり! なのに、安っぽくない! ここまで演じたAV女優! ここまで切ない男優たち! 拍手喝采の65分。男側の言い分を吐き出しまくった妄想作品。とことん分析してみようと思う。  物語は20XX年。メイドロイド「マリア」が彼の家にやってきたのは、まだ子どもの頃のお話。  メイドロイド開発メーカーに勤務する多忙な両親が、彼の世話をさせるために連れてきた社内モニター用のドジッ娘プログラムのメイドロイドだった。両親は中学生になった彼を残して他界。マリアと二人きりの生活は両親の他界後もずっと続き、大人になった彼は当然ながらマリアにセックス機能を搭載しようとするが、モニター用試作機なのでまったく対応できない。深く愛し合いながらも抱き合えない切なさを抱えたまま数十年の月日が流れ、年老いた彼はバッテリー切れで機能停止したマリアを前に、独り思い出話を語りかける日々を送っていた。  こんな空しさと寂しさの世界観の中なのに、同時進行で、レイプマシンによる連続強姦事件の物語が進行。  おいおい『空気人形』(2009)と『デモン・シード』(※コンピュータが人間の女性を妊娠させちゃう映画/1977)を、一緒に見てるようなもんだ~~と言いながらも、展開のリズムがものすごくいいので、全然違和感なし。 DSC09347.jpg  この映画は、吉沢姉さんが主役って時点で、脱ぎっぷりや、おっぱいについて申し分ないのは言うまでもないが、ものすごくお勧めしたいポイントの1つに、現在社会の性状況を引っ掛けたブラックなセリフが満載だということがある。  いくつか引用させてもらうと、 「それに生身の女は裏切るからね。その点、メイドロイドは大丈夫。メイドロイドの恋愛は永遠なの」 「もうね、やめようよ、生身にこだわるの。結局、恋愛妄想を押し付けてるだけじゃん」 「化粧だって工業製品じゃん。美容整形もそうだけど、結局、工業製品が作り出した架空のイメージに欲情してるわけだよね」 「だったらいいじゃん。工業製品オンリーで。メイドロイドと幸せな恋愛しようって」  メイドロイドの販売員のセリフ1つ取っても、男と女が生きていく上での根本を覆した感じがものすごくいい。この世界がこうなって、性というものが歪んできた状況をしっかりユーザーに植え付けている。お見事ですよ。 DSC09360.jpg  でもって、そのメイドロイド役の方々なのですが、吉沢姉さんはじめ、ちゃんと“機械+人間”という微妙なさじ加減がうまくて、スイッチの切り替えによって、いろんなところのサイズが変わったり(いろんなところね)、いろんな液体も選べたり(いろんな液体ね)、いろんな回転や、ねじれや、ひねりや、もがきや、くねりや……(字では限界)ちゃんと切り替わった時の動きや顔、も~~~~~うまいうまい♪ さすがAV女優っ!!  カメラワークというより、画像演出(文字やハメコミの画像の出方とかね)等のタイミングや、先ほども書いたセリフの見事さが女の子……いや、メイドロイドたちをよりいい女にさせている。そうそう! SEも! SEも思いっきり女を感じさせまくってます!  ものすごいCGや、金をかけたA級感はないけど、逆にあったら成立していない作品。安っぽさが未来の崩れ具合にリンクしている。AV女優の名演技と、物語の切なさと、この手のジャンルではダントツNo1の世界観を十分に楽しんでほしいです。  なんか、今回はネタもなく、まじめに語ってしまった。いやいや、それほどの深い作品ですぞ! (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/ ●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第27回】ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

AV女優、変幻自在! 男の勝手な妄想ムービー『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』

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アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『AI高感度センサー搭載 メイドロイド』 監督:友松直之 女性主演:吉沢明歩、鈴木杏里、里見瑶子、山口真里  名作である。数ある“命を与えられた人形”系の作品の中ではダントツの出来。あ、殺人人形チャッキーの『チャイルド・プレイ』は別ね。出演者の見事な脱ぎっぷりから、ジャンル的にアダルトコーナーに置かれそうだけど、過去のどの“人形映画”よりも、深く、熱く、もっともっとヒットせにゃならんっ! っていう作品である。
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『AI高感度センサー搭載 メイド
ロイド』

20XX年。マリアが上野の家にやっ
てきたのは、彼がまだ子どもの頃。
メイドロイド開発メーカーに勤務
する多忙な両親が、彼の世話をさ
せるために連れてきた社内モニタ
ー用のドジッ娘プログラム機体だ
った……。
 男の虚しさ、しゃべれない人形の哀しさ、女の儚さ、すべてが1つの映像、1つのおっぱいの中に詰め込まれている。ここまでメッセージ性の強い脚本! ここまで見事な脱ぎっぷり! なのに、安っぽくない! ここまで演じたAV女優! ここまで切ない男優たち! 拍手喝采の65分。男側の言い分を吐き出しまくった妄想作品。とことん分析してみようと思う。  物語は20XX年。メイドロイド「マリア」が彼の家にやってきたのは、まだ子どもの頃のお話。  メイドロイド開発メーカーに勤務する多忙な両親が、彼の世話をさせるために連れてきた社内モニター用のドジッ娘プログラムのメイドロイドだった。両親は中学生になった彼を残して他界。マリアと二人きりの生活は両親の他界後もずっと続き、大人になった彼は当然ながらマリアにセックス機能を搭載しようとするが、モニター用試作機なのでまったく対応できない。深く愛し合いながらも抱き合えない切なさを抱えたまま数十年の月日が流れ、年老いた彼はバッテリー切れで機能停止したマリアを前に、独り思い出話を語りかける日々を送っていた。  こんな空しさと寂しさの世界観の中なのに、同時進行で、レイプマシンによる連続強姦事件の物語が進行。  おいおい『空気人形』(2009)と『デモン・シード』(※コンピュータが人間の女性を妊娠させちゃう映画/1977)を、一緒に見てるようなもんだ~~と言いながらも、展開のリズムがものすごくいいので、全然違和感なし。 DSC09347.jpg  この映画は、吉沢姉さんが主役って時点で、脱ぎっぷりや、おっぱいについて申し分ないのは言うまでもないが、ものすごくお勧めしたいポイントの1つに、現在社会の性状況を引っ掛けたブラックなセリフが満載だということがある。  いくつか引用させてもらうと、 「それに生身の女は裏切るからね。その点、メイドロイドは大丈夫。メイドロイドの恋愛は永遠なの」 「もうね、やめようよ、生身にこだわるの。結局、恋愛妄想を押し付けてるだけじゃん」 「化粧だって工業製品じゃん。美容整形もそうだけど、結局、工業製品が作り出した架空のイメージに欲情してるわけだよね」 「だったらいいじゃん。工業製品オンリーで。メイドロイドと幸せな恋愛しようって」  メイドロイドの販売員のセリフ1つ取っても、男と女が生きていく上での根本を覆した感じがものすごくいい。この世界がこうなって、性というものが歪んできた状況をしっかりユーザーに植え付けている。お見事ですよ。 DSC09360.jpg  でもって、そのメイドロイド役の方々なのですが、吉沢姉さんはじめ、ちゃんと“機械+人間”という微妙なさじ加減がうまくて、スイッチの切り替えによって、いろんなところのサイズが変わったり(いろんなところね)、いろんな液体も選べたり(いろんな液体ね)、いろんな回転や、ねじれや、ひねりや、もがきや、くねりや……(字では限界)ちゃんと切り替わった時の動きや顔、も~~~~~うまいうまい♪ さすがAV女優っ!!  カメラワークというより、画像演出(文字やハメコミの画像の出方とかね)等のタイミングや、先ほども書いたセリフの見事さが女の子……いや、メイドロイドたちをよりいい女にさせている。そうそう! SEも! SEも思いっきり女を感じさせまくってます!  ものすごいCGや、金をかけたA級感はないけど、逆にあったら成立していない作品。安っぽさが未来の崩れ具合にリンクしている。AV女優の名演技と、物語の切なさと、この手のジャンルではダントツNo1の世界観を十分に楽しんでほしいです。  なんか、今回はネタもなく、まじめに語ってしまった。いやいや、それほどの深い作品ですぞ! (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/ ●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第27回】ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』

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アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『実写版 マイコうそみたい!』 監督:Yosshi.com 女性主演:小林万桜、愛川萌、朝倉みかん、倉田みな、日美野梓、片岡さき  日本は世界に誇るロリコン王国である。ロリコンといっても、犯罪的なほうではなく、ジュニアアイドルの女の子たちがグラビアなどで活躍することを世間がちゃんと認めている王国なのである。
81lacL+d1wL._AA1441_.jpg
『実写版 マイコうそみたい!』
バトミントン部に所属する中学3年
生のマイコは夏の合宿へ来ていた。
昼はライバルと競い合い、夜は肝
だめし大会に怪談話と盛り上がる。
しかしそんな中、マイコに驚愕の
事実が襲い掛かる...。
(Amazonより引用)
DVD発売中/3,990円(税込)
 確かにコンビニに行けば、中高生のアイドルが水着で表紙を飾るマンガ誌や、情報誌が普通に置いてある。今人気の大物若手女優の方々もジュニアアイドル時代はグラビアをガンガンやってますし、モー娘。も、SPEEDも、デビューは小学生。子どものころから芸能界を目指す女の子たちにとっては、日本は最高のエンタメ王国なのである。  お菓子系(ブルセラ専門)雑誌や、女子中学生専門グラビア誌が定着し、市場も一息ついた2000年代。ジュニアアイドルたちを使ったオリジナル・ビデオ・シネマもたくさん発売された。その中で、U-15サポーターからすると夢のような共演......いや、言いすぎた。何でもミックスしちゃえ~~~的なキャスティングで、ちょっと話題になった(私の周りではね)作品が今回の『実写版 マイコうそみたい!』である。  物語はというと、アキバ中学3年生の真地マイコは、クラスの人気者。だけど、ちょっぴりドジな女の子。バドミントン部に所属するマイコの目標は、インターハイへの出場だ。そんなバドミントン部の夏合宿が始まった。ライバルの妙子をはじめ、美佳や、和美や、ハルと腕の競い合いに張り切るマイコ。夜は、テニス部の伝統の肝だめし大会。2人1組になって、キャーキャー叫びながら怖がる部員たち。怪談話大会には、なぜか旅館の番頭の太郎も参加する。彼が語る「本当にあった恐い話」とは? そして、マイコに襲いかかる驚愕の事実とは!? 「も~、マイコうそみた~い!!」 maikousomitai02.jpg  もー、ものすごい作品でした。全体のセリフの70%はアドリブ......いや、アドリブとはいわないな、キャーキャー遊んでるだけだもんな。要は30%しか台本がないと思っていい。4人の女の子たちは本気で戯れ、本気で叫び、本気で笑い、本気で楽しむ。  セリフとフリートークの境界線もしっかりわかる。肝だめしや、怪談のシーンの驚きはマジ。ちょっと引いちゃうナレーションが結構入り、ツッコミだけをする。でも、物語は存在し、ちゃんと進んでいく。  つなぎは粗いし、大きく遅刻してきた女の子に遅刻理由も聞かず、普通に溶け込んでたり(マジの遅刻っぽいな、たぶん)「うそみた~~~~い!」はこっちのセリフじゃ~~~~い!......って叫びたくなる作品なのに、最後まで見てしまう大きなポイントがある。それは、制服パンチラ? スク水? ブルマ? それもあるが、台本のセリフ以外のシーン、すべてにおいて、カメラ目線がひとつもないことなのだ! maikousomitai03.jpg  例えば、制服から水着への展開(脱衣のこと。業界用語です)シーンを4人一挙にしてくれるシーンも、一切カメラ目線なし。女の子たちはペチャクチャ喋りながら、徐々に脱いでいく。ひとりは大胆に、ひとりは隠しながら、ひとりは喋りに夢中~といった具合に。  それを誰一人としてカメラを見ない。そこだけはプロ! カメラを見ないってことは、こっちの存在感がない。つまり! ヘルスの女の子選びマジックミラールームの様!! それのジュニアアイドル版!(例えがあぶねーな)  例えば、風呂場での掃除のシーンは、みんなスク水(スクール水着のこと)なんですが、狭い温泉でスク水でキャッキャする画って素晴らしすぎるじゃないですか。お互いで泡を塗り合ったり、お尻をブラシでこすったり、男の存在がなく、ガールズトーク、いや、ガールズ・ボディランゲージが繰り広げられていく......それはまるで、ペットショップの子イヌをガラス越しに好き勝手に見ているのと一緒!! スク水パラダイス!! maikousomitai01.jpg  カメラを意識しないから、ヘタな芝居も、"安っぽさ"ではなく、"かわいいお遊戯"に、変わる。ここの境界線は大きい。そして、一番効果的なシーンが、物語の中でうれしいくらい数多くあるパンチラ......いや、そんなレベルじゃないな、パンモロシーンの数々だ。カメラマンが、ちょっとしたチャンスがあると、すぐ下からあおったアングルになる。スカートの中のパンツがチラリ~ではなく、スカートの中に入りたいんじゃーい!! どりゃ!! って感じ。そんなムチャパン撮影にも、女の子たちはカメラを意識しない。お見事! この作品で、女の子のことを褒めると思ってなかったよ。  そんなポイントが楽しい作品なんだけど、1つだけ『シックス・センス』を彷彿させる(言いすぎか?)物語が仕込んである。ありきたりといえば、ありきたりなんだけど、ありきたりじゃないお遊戯作品なだけに、ほほーって終われるところも面白ポイントとしてお勧めしたい。  まー最後に文句で〆るとしたら......「DVDのパッケージがカッコよすぎだろー! 騙されるじゃーん! うそみた~~~い!」 (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
実写版 マイコうそみたい! うっそ~ん! amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

ジュニアアイドル・ワールドへようこそ!『実写版 マイコうそみたい!』

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アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『実写版 マイコうそみたい!』 監督:Yosshi.com 女性主演:小林万桜、愛川萌、朝倉みかん、倉田みな、日美野梓、片岡さき  日本は世界に誇るロリコン王国である。ロリコンといっても、犯罪的なほうではなく、ジュニアアイドルの女の子たちがグラビアなどで活躍することを世間がちゃんと認めている王国なのである。
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『実写版 マイコうそみたい!』
バトミントン部に所属する中学3年
生のマイコは夏の合宿へ来ていた。
昼はライバルと競い合い、夜は肝
だめし大会に怪談話と盛り上がる。
しかしそんな中、マイコに驚愕の
事実が襲い掛かる...。
(Amazonより引用)
DVD発売中/3,990円(税込)
 確かにコンビニに行けば、中高生のアイドルが水着で表紙を飾るマンガ誌や、情報誌が普通に置いてある。今人気の大物若手女優の方々もジュニアアイドル時代はグラビアをガンガンやってますし、モー娘。も、SPEEDも、デビューは小学生。子どものころから芸能界を目指す女の子たちにとっては、日本は最高のエンタメ王国なのである。  お菓子系(ブルセラ専門)雑誌や、女子中学生専門グラビア誌が定着し、市場も一息ついた2000年代。ジュニアアイドルたちを使ったオリジナル・ビデオ・シネマもたくさん発売された。その中で、U-15サポーターからすると夢のような共演......いや、言いすぎた。何でもミックスしちゃえ~~~的なキャスティングで、ちょっと話題になった(私の周りではね)作品が今回の『実写版 マイコうそみたい!』である。  物語はというと、アキバ中学3年生の真地マイコは、クラスの人気者。だけど、ちょっぴりドジな女の子。バドミントン部に所属するマイコの目標は、インターハイへの出場だ。そんなバドミントン部の夏合宿が始まった。ライバルの妙子をはじめ、美佳や、和美や、ハルと腕の競い合いに張り切るマイコ。夜は、テニス部の伝統の肝だめし大会。2人1組になって、キャーキャー叫びながら怖がる部員たち。怪談話大会には、なぜか旅館の番頭の太郎も参加する。彼が語る「本当にあった恐い話」とは? そして、マイコに襲いかかる驚愕の事実とは!? 「も~、マイコうそみた~い!!」 maikousomitai02.jpg  もー、ものすごい作品でした。全体のセリフの70%はアドリブ......いや、アドリブとはいわないな、キャーキャー遊んでるだけだもんな。要は30%しか台本がないと思っていい。4人の女の子たちは本気で戯れ、本気で叫び、本気で笑い、本気で楽しむ。  セリフとフリートークの境界線もしっかりわかる。肝だめしや、怪談のシーンの驚きはマジ。ちょっと引いちゃうナレーションが結構入り、ツッコミだけをする。でも、物語は存在し、ちゃんと進んでいく。  つなぎは粗いし、大きく遅刻してきた女の子に遅刻理由も聞かず、普通に溶け込んでたり(マジの遅刻っぽいな、たぶん)「うそみた~~~~い!」はこっちのセリフじゃ~~~~い!......って叫びたくなる作品なのに、最後まで見てしまう大きなポイントがある。それは、制服パンチラ? スク水? ブルマ? それもあるが、台本のセリフ以外のシーン、すべてにおいて、カメラ目線がひとつもないことなのだ! maikousomitai03.jpg  例えば、制服から水着への展開(脱衣のこと。業界用語です)シーンを4人一挙にしてくれるシーンも、一切カメラ目線なし。女の子たちはペチャクチャ喋りながら、徐々に脱いでいく。ひとりは大胆に、ひとりは隠しながら、ひとりは喋りに夢中~といった具合に。  それを誰一人としてカメラを見ない。そこだけはプロ! カメラを見ないってことは、こっちの存在感がない。つまり! ヘルスの女の子選びマジックミラールームの様!! それのジュニアアイドル版!(例えがあぶねーな)  例えば、風呂場での掃除のシーンは、みんなスク水(スクール水着のこと)なんですが、狭い温泉でスク水でキャッキャする画って素晴らしすぎるじゃないですか。お互いで泡を塗り合ったり、お尻をブラシでこすったり、男の存在がなく、ガールズトーク、いや、ガールズ・ボディランゲージが繰り広げられていく......それはまるで、ペットショップの子イヌをガラス越しに好き勝手に見ているのと一緒!! スク水パラダイス!! maikousomitai01.jpg  カメラを意識しないから、ヘタな芝居も、"安っぽさ"ではなく、"かわいいお遊戯"に、変わる。ここの境界線は大きい。そして、一番効果的なシーンが、物語の中でうれしいくらい数多くあるパンチラ......いや、そんなレベルじゃないな、パンモロシーンの数々だ。カメラマンが、ちょっとしたチャンスがあると、すぐ下からあおったアングルになる。スカートの中のパンツがチラリ~ではなく、スカートの中に入りたいんじゃーい!! どりゃ!! って感じ。そんなムチャパン撮影にも、女の子たちはカメラを意識しない。お見事! この作品で、女の子のことを褒めると思ってなかったよ。  そんなポイントが楽しい作品なんだけど、1つだけ『シックス・センス』を彷彿させる(言いすぎか?)物語が仕込んである。ありきたりといえば、ありきたりなんだけど、ありきたりじゃないお遊戯作品なだけに、ほほーって終われるところも面白ポイントとしてお勧めしたい。  まー最後に文句で〆るとしたら......「DVDのパッケージがカッコよすぎだろー! 騙されるじゃーん! うそみた~~~い!」 (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
実写版 マイコうそみたい! うっそ~ん! amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第26回】AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点

AVの焼き直しがこんなピュアな作品に!?『平成百合族 ある愛の詩』

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アイドル映画をこよなく愛する「アイドル映画専門」映画監督が、カントク視点でオススメのアイドル映画を、アノ手コノ手で解説します。 ●今回のお題 『平成百合族 ある愛の詩』 監督:大寺俊吾 女性主演:今野由愛、椎名りく  今回はあえて、映画という文化を「娯楽」と言い切り、「それは真の"作品"ではないだろう」というカテゴリーに入りそうな作品をレビューしてみようと思う。『平成百合族 ある愛の詩』タイトル通り、百合系の物語であります。
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平成百合族 ある愛の詩
互いに孤独の由愛とりく。りくは
由愛に寄り添おうとするが、由愛
は昔りくに因縁を付け性的虐待を
行ったことを気にしており......。
(Amazonより引用)
DVD発売中/2,940円(税込)
 先日、『魚介類 山岡マイコ』のインタビュー(※記事参照)の最中にアイドル論になったとき、「最近の女の子はアイドルのグラビアを見る子が多いですよね」って話をしたら、ライターの女性が「女の子は基本、バイなんですよ」って......そりゃそーだ。頭では分かっていたけど、露骨に言葉で言われてなるほどって思った。  女の子同士で、手をつなぎ合う子、抱きつく子、イチャイチャする子。普通にどこでもいる。男の場合は、"そっち"の方々じゃない限り、そんな奴はいない。  まー女の子の場合、それがキレイだからいいんだけどね。そんな作品で最近面白かったのが、この『平成百合族 ある愛の詩』です。  物語は以下のようなもの。  登校拒否の由愛は、教師と援助交際をしていた。由愛がひさしぶりに学校へ行くと、そこには病気で登校拒否のりくがいた。  最初は由愛によるイジメに遭っていたりくだが、ふたりは徐々に惹かれ合っていく。ふたりは愛を育んでいくが、実は、りくが大きな病に侵されていることを由愛は知る......。
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 短い物語説明ですが、それで十分~ってくらい、分かりやすいエロ&涙の物語。学生が3人しか出てこない学園もの。  で、なんで冒頭で「こりゃ映画じゃないよ!」なんて言ったかといいますと、実はこの作品、『放課後レズビアン 思春期のビラビラ』というAVの、U15発売可能焼き直し作品なのである。  思春期のビラビラ!! ものすごいタイトルだなー、ビラビラ! 自分のタイトルにも使おうかな『魚介類 山岡ビラビラ』......意味分からん。  AVって私の中では"見たいとこだけ映像"という認識があり、ロマンポルノが777のパチンコ台だとしたら、AVは玉が入るまでの工程を端折ったパチスロかなと。  そんな"見たいとこだけ映像"から、U15発売可能焼き直しってことは......ほとんど中身なくね? とか思ったし、だいたい焼き直すってことは、AVによくある手法で、ひとつ撮ったんでタイトル変えてちょい編集してもう1回売っちゃおうぜ~ウッシッシみたいな感じなので、まーそこまで悪意はないにしても、作品魂よりも、商売魂重視なタイトルであることには変わりないわけです。  そのような作品なのに、あえて、どうして、アイドル映画評で、取り上げたのか。あえて取り上げる魅力があったのか?  あった。あったんです。ずばり、女の子たちの眼です。ピュアなんですよ! なぜか! この作品は添い寝をしているシーンが多いのですが、その時のふたりの眼の優しさに撃たれました。病気が原因で友達ができなかったりくと、りくにイジメ行為をしたことで心を開いた由愛、このふたりの添い寝しているときの優しい眼は、レズシーンにもかかわらず、変にふたりを見守ってあげたくなる感覚に変化していきます。 yuri003.jpg  基本はAVのカメラワークなのですが、ふたりの会話の最中のちょっと素人臭いかわいらしさと、添い寝中も教室内のふたりのシーンも、本当に温かく「最後は死んじゃうのかな......」という先入観もあいまって、1分でも長くふたりを一緒にいさせてあげたいと思ってしまいます。  どうしてそのような空気がこの映像の中から生まれたのか。エロ先行なのに、この温かさは......? この作品、気持ちよく見るには、絶対の条件があります。 【1】『放課後レズビアン 思春期のビラビラ』を見たことない人。 【2】あくまでも、ヌくこと前提ではなく、物語として見れる人。  この2つの要点から生まれた効果は、 【1】モザイクが入るような股間中心な映像をCUTしたことにより、エロさがモロではなく、ピュアに変わった。 【2】AV女優なので、褒められるような芝居ではない演技が、本番でごまかしてないため、ピュアな芝居に変わった。  この思いもよらない科学変化! 「メインデイッシュのハンバーグがなくなったらOUTなはずなのに、添え物のポテトがおいしかった!」とか、「レッドカードでワントップのフォワードが居なくなったから生まれた、残り10人の予想以上の力!!」とか!! そんな予想不可のピュアレズ女の子同性愛作品『平成百合族 ある愛の詩』、この手の棚ぼた作品は、作りたくても作れないんじゃないでしょうかね~。 (文=梶野竜太郎) kajinoryutaroprof.jpg ●かじの・りゅうたろう 映画監督・マルチプランナー。1964年東京生まれ。 短編『ロボ子のやり方』で、東京国際ファンタスティック映画祭の部門グランプリを受賞。08年に長編『ピョコタン・プロファイル』でメジャーデビュー。アイドルをちゃんと女優として扱う映像が特徴的でカルトなファンを多く掴む。11年に『魚介類 山岡マイコ』を公開し、アイドルものとしてもファンタジーとしても好評価を得る。同映画のアニメ版、マンガ版等、マルチコンテンツとして世に出す等、プロデュースも行う。 詳しくは→http://mentaiman.com/ ブログは→http://ameblo.jp/mentaiman1964/
平成百合族 ある愛の詩 美しい......。 amazon_associate_logo.jpg
●アイドル映画監督梶野竜太郎の【アイドル映画評】INDEX 【第25回】すべてが中途半端! だがそれが美学!!『後ろから前から』 【第24回】なんでこの娘が主演なんだ? 田代さやか、徹底追求!『18倫』 【第23回】覗きを越えた見せたがる演出『Oh!透明人間』 【第22回】バレない浮気の疑似体験MOVIE『セブンカラーズ』 【第21回】『巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5』思い切りさらけ出す演出と"AV女優"の必然 【第20回】『ラブファイト』──北乃きいを5倍堪能する方法。 【第19回】男装女子から漏れる少女の可愛さ『1999年の夏休み』 【第18回】無気力露出系マニア必見! ペ・ドゥナをとことん味わう『空気人形』 【第17回】ヴァーチャル監督視線体験ムービー『テレビばかり見てると馬鹿になる』 【第16回】メイキングDVD希望! アイドル映画の死角"鎖骨"全開の『笑う大天使(ミカエル)』 【第15回】女子高生の体育の時間を、遠くから眺めていたあの頃......『平凡ポンチ』 【第14回】「君はどうしてダメ男ばかり好きになる!?」堕ちてゆく女の美学『ララピポ』 【第13回】あの堀越のりだからできた変身願望映画の傑作!!『特命女子アナ 並野容子』 【第12回】セルフアフレコの美学『カンフーシェフ』加護亜依フォーエヴァー! 【第11回】鈴木美生ちゃんの真の萌声(もえごえ)が男の脳髄直撃!『机のなかみ』 【第10回】バカエロ映画の極×2『まぼろしパンティ VS へんちんポコイダー』 【第9回】「電車男」でカニバリズムで格闘映画の傑作『カクトウ便 VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 【第8回】トップアイドルの制服(もちろんミニ)とM男君の快感『ときめきメモリアル』 【第7回】知的に低脳な『秘密潜入捜査官 ワイルドキャッツ in ストリップ ロワイアル』 【第6回】『インストール』──女の子が部屋でひとり。何をしているのか、見たくないか? 【第5回】『お姉チャンバラ THE MOVIE』──ビキニvsセーラー服の恍惚 【第4回】『デコトラ・ギャル奈美』──古きよき時代のロマンポルノ・リターンズ 【第3回】『リンダ リンダ リンダ』──王道的傑作に潜む"多角的フェチズム" 【第2回】『妄想少女オタク系』──初心者歓迎!? BLの世界へご案内 【第1回】『すんドめ』──オナニー禁止とチラリズムの限界点