ハンバーガーショップの大手・マクドナルドで商品に人間の歯などが混入していたことで、異物混入騒動が拡大するばかり。コンビニエンスストアのセブン-イレブンの弁当にプラスチック片、ロッテのガムにハエなど、次から次へと報告されるようになっている。 この事態に厚生労働省が管理や指導の徹底を通達したが、同省関係者からは「メディアが大騒ぎしすぎ」とマスコミの過熱報道に批判が向いている。 「異物混入は今に始まったことではなく、以前から報告が続くもので、言わば“起こりうるトラブル”。多くのマスコミは毎年の報告例すら見ていないのでは。報告が遅かったと責めていた記者もいましたが、詳しい調査によって半年後の報告もあったりはする。それが今回、遅い遅いと叩かれたため、企業の調査途中での報告が相次ぐようになった。なるべく起きないように努力するのは当然ながら、過剰な批判が何を招いているかわかっているのか」(同) 1月8日発売の「週刊文春」(文藝春秋)でも、ワタミグループの宅配弁当「ワタミの宅食」で、過去に「弁当の中から金属製のネジなどの混入騒動が発生していた」と報じられたが、これも厚労省の関係者によると「過去のことまで引っ張り出すなら、それこそ食品医薬品安全庁に届いた報告例は山ほど。ワタミはブラック企業として叩かれている企業なので、読者が乗りやすいというミエミエの記事にも見える」とする。 一連の過熱報道には便乗するイタズラも続出しており、先日は店頭に陳列されているスナック菓子の箱につまようじを突き刺して入れる動画がYouTubeに投稿されたり、フジテレビのバラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(10日放送)では、餃子の王将から買ってきたチャーハンの中から金属製のチェーンを引っ張り出すパロディも放送された。 他局の制作会社プロデューサーからは「実はウチでも人気芸人の冠番組で、芸人のアイデアで、ホットドッグから生きた猫など、物理的にありえないものが次々に飛び出すコントの案が出されたけど、却下した」という話が聞かれた。 こうした騒動は飲食業界にとっては深刻で、ラーメンチェーンでは「13日に、騒動に便乗したトラブルも起こった」という。 「ラーメンに『陰毛が入っていた』と騒いだ客がいて、店内の防犯カメラを確認したら客自らが入れたものと判明。こういう嫌がらせが一番怖い。たまたまカメラに映っていたから運が良かったものの、そうでなければ返金はもちろん、菓子折りを持って謝罪に行かないとネット上で何を書かれるかわからない怖さがある。薄利多売で経営している店側にとっては非常につらい」(同社役員) 企業によっては現在、工場の稼働を一時停止して工程の見直しをしたり、監督者を増やすなどして防止策に大きな経費と労力を払う傾向が強まっており、その分の利益減の予測から「今年のボーナスは大幅カットになる」と嘆く社員も出てきている。異物混入を直接的に批判するだけの報道には、ネット上でも疑問視する声が増えている。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)
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鴨南蛮の中身はアヒル? 消費者庁によるメニュー表示厳格化に、食品業界から抵抗の声
近く、シャケ弁当が世の中から姿を消すことになるかもしれない。 相次ぐ食品の虚偽表示問題を受け、消費者庁は昨年12月、飲食店のメニュー表示のガイドライン案をまとめた。それによると、これまで慣習的だったシャケ弁当や寿司ネタのサーモンにニジマスを使用することや、ロブスターを伊勢エビとしてメニュー表示することは「景品表示法上、問題」としている。このまま施行されれば、シャケ弁当はニジマス弁当として販売されることになる。 しかし、これに対して異を唱えているのは外食産業界だ。消費者庁は1月27日、このガイドライン案に関する意見交換会を設けたが、外食産業界側の出席者からは、「食材の具体的な名前をすべて表示することは現実的ではない」「(すでに浸透している名称を)表示できなくなると、消費者を混乱させる」など、現状維持を望む声が相次いだ。「正直が一番」とは限らないというわけだ。 ガイドライン案で指摘されているもの以外にも、グレーなメニュー表示がまかり通っているものは少なくない。『中国『猛毒食品』に殺される』(扶桑社新書)の著者、奥窪優木氏は話す。 「例えば、日本で合鴨として売られているものは、ほぼ100%、アヒルです。そもそも合鴨とは真鴨と家鴨の交配種ですが、食肉業界では慣習的にアヒルのことを合鴨と呼んでいることから、飲食店もそうしている。本鴨と明記されていない限り、鴨鍋は『アヒル鍋』、鴨南蛮も正しくは『アヒル南蛮』となりますが、確かにこれではまったく食欲がそそられません。これまでグレーに運用されてきた景品表示法の厳格化は、一部の食品業者にとって死活問題となりかねず、抵抗は必至」 とはいえ、自分が何を食べているかくらいは、正確に把握しておきたいものである。 (文=牧野源)イメージ画像(「足成」より)
日本人が抱く、裸体への悲しき郷愁「女体盛り」の深すぎる歴史を探る!
【サイゾーpremium】より
――エロと日本の伝統が結びついた最高傑作「女体盛り」、そのルーツはどこにあるのか? 江戸期の艶本に描かれた吉原の遊び? それとも、戦後、マンガや映画の中で作られただけのもの? 近世以降の風俗史と食文化史とを横断し、女体盛りの深すぎる歴史に迫る!
雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円で読み放題! (バックナンバー含む)
2012年7月、食に関するイタリア・ローマ発のニュースが日本で話題となった。有名日本料理店「RISTORANTE YOSHI」において「BODY SUSHI」なる料理が供せられており、「日本のNYOTAIMORI」という説明が付されているという。NYOTAIMORIとは女性の裸体に刺身を盛り付けるあの「女体盛り」で、モデル代199ユーロのほか、ひとりの客につき別途59ユーロでオーダー可能(ちなみに男性モデルでも可)だという。これをイタリアの全国紙「コリエレ・デラ・セラ」が「日本の流行」として報じたからさあ大変。在イタリア日本大使館が「日本の伝統というのは商売目的ででっちあげられた迷信」として同店に抗議、さらにこれを受け、朝日新聞が日本国内でも報じたのである。 実は近年、女体盛りに関するこの手のニュースが増えている。アメリカ国内にも同種のレストランは存在するし、英国ロンドンでは女体盛りのケータリングも存在。04年には中国・昆明の日本料理店で女体盛りが提供され非難の的となり、11年には南アフリカで与党議員が女体盛りパーティーに出席、政界スキャンダルにまで発展した。 かの地の人々がどこまで信じているのかは定かでないが、いずれのケースにおいても説明書きとして付されているのは「日本の伝統」「日本の富裕層にのみ許されたエキゾチックな習慣」などの言葉の数々。しかし、一般の日本人からしてみれば、女体盛りなどマンガや映画の中でしか見たことがなく、ましてや日本料理店で提供されているなどにわかには信じられないことであろう。 では、女体盛りはどこにあるのか? というか、本当にあるのか? 富裕層のあやしいパーティーに行けば見られるのか? 本当に日本の伝統なのか? 本稿では、女体盛りなる存在の歴史について迫ってみたい。 まずは江戸期。戦乱のない安定した時代が長く続いたこともあり、江戸、そして大坂を中心に豊かな文化が開花、吉原などの遊里を中心に売買春のシステムも高度に発達したことは知られた事実だ。艶本(春本)、枕絵(春画)などの当時のエロ本から大名の娘の嫁入り用セックスガイドまで数多くの文献が残る中、遊女向け性技指南書『おさめかまいじょう』に、こんな一文がある。 「くせもんあり。はんばより、酒、さしみを取り食らうに、ぼぼあけさせ、ぼぼ水にワサビ付け、さしみを食らう(好色心の強い男に、女性器を開けさせ、その液につけて刺身を食べるヤツがいる)」 おお、これぞ女体盛りの起源? 「いやいや、江戸時代の衛生環境を考えると、生魚を体の上に載せて食べるなんて行為は考えにくいですね。海に近い江戸・深川の遊里では刺身のメニューもあったようですが、冷蔵・冷凍技術もない時代には、遊里に着いた時点ですでに多少は傷んでいたはず。体温で温められた刺身なんて、危なくて食べられたものではありませんよ」(時代小説家・評論家の永井義男氏) つまり、そもそも女体盛りに載せる刺身や寿司からして、今ほど一般的な食べ物ではなかったと。 「そう。刺身は海沿いの地域に限られた食べ物でしたし、寿司も初めはなれ寿司のように発酵させた保存食。江戸後期には生魚を酢飯に載せた握り寿司も食べられてはいましたが、最初は屋台で売られる庶民のファーストフード程度のものですからね」(同) とはいえ永井氏によれば、現代に比べればはるかに娯楽の少ない江戸期のこと、食と性という二大娯楽は分かちがたく結びついていたという。 「深川が典型的ですが、遊里では料理屋に上がって遊女を呼び、豪華な食事や酒に舌鼓を打ちつつ、奥の座敷でセックスをするまでが1セットとなっていました。いうなれば遊里は、質素で単調なケ(日常)に対するハレ(非日常)の場。食と性を同時に豪勢に楽しむという点では、女体盛りに通じる日本人の精神性はこの頃からあったのかもしれません」(同) さらに、女体盛りはなくともそれに類する行為はあったと話すのが、性風俗研究家の下川耿史氏だ。 「女体盛りと同じく女性の裸体を器に見立てるという意味では、足を閉じた女性の股間に酒を注いで飲む『ワカメ酒』があり、花街の遊びとして江戸時代の文献にもよく出てきます。ただ、ワカメ酒にしても、『おさめかまいじょう』に書かれた刺身の食べ方にしても、あくまでなじみ客と遊女との秘められた一対一の遊び。何度も遊女と逢瀬を繰り返して特別な関係を結んだからこそ可能だったことで、カネさえ払えば誰でも楽しめたということではないでしょう」 こうした事実は、明治期になっても基本的には変わらなかったようだ。性風俗研究者としても知られる国際日本文化研究センター副所長・井上章一が執筆・編集に携わった『性的なことば』(講談社現代新書)によれば、かの伊藤博文もワカメ酒の愛好家だったという説もあるそうで、やはりこの種の行為は、色街における秘め事としてのみ伝わっていたのだろう。 さらに時代が下ると、「花電車なるお座敷芸の存在が文献に現れる」(前出・下川氏)という。花電車とは、女性器に差し込んだ筆で文字を書いたり性器で碁石やコインを吸い上げたりするお座敷芸で、1920年頃から遊郭などで広がりだしていたとの話も。現在の東京・向島にあった色街・玉の井の森八重子という芸者の得意芸だったとの説が有力で、32年に記された『昭和奇観苦心探検 女魔の怪窟』では、その森八重子の芸のひとつとして、「皮をむいたバナナを女性器に挟み、力んで2つに折る」というものを紹介している。昭和期に入るとゆで卵を女性器で割ったりする芸者の記述もあったりするとかで、男の欲望の前で女性と食を同時に楽しむ、あるいは女性を食の器に見立てて楽しむといった文化は、連綿と続いていたようだ。 ■高度経済成長期の食と性の運命的な邂逅 一方食べ物としての刺身は、江戸末期以降、醤油の一般化などと共に徐々に広がりを見せていく。しかし、やはり遠方へ運ぶ場合には発酵させたりヅケにしたりが主流で、現在知られていているような刺身を楽しめたのは、比較的海沿いの地域に限られていた。水揚げ後、日がたった魚の肉を火を通さずに食すことが内陸部においても一般化してくるのは、技術の進歩によって漁獲高が飛躍的に増加し、さらに50年代後半に冷蔵庫が普及し始めてからである。 そして60年代、女体と刺身は、ある時代背景のもと運命的な邂逅を果たす。その時代背景とは、日本をイケイケへと駆り立てた高度経済成長、そして邂逅の場は、その時代を支えたサラリーマンたちが大挙して押し寄せた、地方の温泉街だ。『ヴァギナの文化史』『ペニスの文化史』(共に作品社)など性の文化史シリーズを手がけた同社編集者の内田眞人氏は語る。 「今知られているような女体盛りが発明され、普及したのは、間違いなく高度経済成長期でしょう。あの時代、モーレツ社員を企業がねぎらうため、地方の温泉地に社員をまとめて連れていく社員旅行の文化が生まれます。時代は右肩上がりの好景気ですから、迎える側の温泉地は客の取り合いで競争を迫られる。その頃の客は基本的に正社員の男性ばかりですから、競争道具としては性的サービスが手っ取り早い」 前出の下川氏も続ける。 「日本で初めて女体盛りを提供したのは、石川県の加賀温泉郷にある山中温泉だといわれています。近くの山代温泉も有名でした。といっても 皿 になったのは色街の芸者などではなく、多くはコンパニオンだったようですが。団体旅行が盛んだった頃の温泉街は歓楽街でもありましたから、箱根や熱海など、全国各地で似たサービスはあったのでは」 こうして女体盛りは、徐々に世間に知られていく。しかし、そこはやはり性なる秘め事。かかわる者たちがそのことを堂々とカミングアウトするようなものにはなり得なかったため、なかなか記録に残ることはなく、結果、門外漢にとっては「存在は知っているが、実際にどこでやっているかはよくわからない」といった、茫漠とした存在の域を出ることはなかった。そのことがのちに海外での誤解を生む遠因にもなっていくのだが、代わりに、実際に参加できない人々の好奇心を満たすべく積極的な役割を担っていくのが、男性誌や実話誌などの男性向けメディア、そしてマンガや映画などであった。 ■「三丁目の夕日」的な女体盛りが放つ郷愁江戸末期~明治の浮世絵師・月岡芳年が描いた風俗画『風俗三十二相』より。女性が持つ皿の上には刺身や煮物などが見える。(「国立国会図書館」ホームページより)
例えば、時代がバブルに突入していく83年に創刊された男性誌「GIGOLO」(平和出版)では、創刊号の巻頭で女体盛りが特集されている。「男の湯の町ロマン女体盛り」なるタイトルを付されたそのグラビアは5ページにわたって女体盛り写真を展開しているが、あくまでも編集部が用意したモデルに女体盛りを施したものであって、温泉地での 本物の 女体盛りを撮影したものではない。 時代は前後するが、団鬼六原作のにっかつロマンポルノ『奴隷妻』(76年)では、レイプに縛りと散々いたぶられた女性が、挙げ句の果てに焼きたてのステーキを盛り付けられるシーンが登場。作中での食のシーンが印象的な伊丹十三監督も、『タンポポ』(85年)で女体盛りの変型版を登場させている。 しかしその後バブル期を迎え日本が本格的に豊かになり、企業による社員旅行が忌避されるようになってくると、温泉地等での女体盛りサービスは陰りを見せ始める。個人旅行が好まれるようになり、宴会場でのバカ騒ぎは恥ずべき行為へと転落していくのである。 もちろん、女体盛りという行為自体が完全になくなってしまったわけではない。一部の温泉地では相変わらず続いていたであろうし、色街の名残りを残す料亭などでの密かな遊びとして、あるいはフェティッシュな好事家たちのショーの出し物としては供され続けていただろう。ただ、各地の温泉地で、社員旅行の幹事が旅館の担当者に耳打ちすればその準備をしてくれるという60~70年代的な状況は、収束を迎えていくのであった。 一方で女体盛りは、マンガや映画の中で、ある種のネタと化していく。日本がまだ豊かにはなりきらず、しかし勢いのあった高度経済成長期の象徴へと転化をしていくのである。例えばマンガ評論家の呉智英氏は、こう語る。 「マンガに登場する女体盛りとして真っ先に思い浮かぶのは、09年に映像化もされた『湯けむりスナイパー』。98年から『漫画サンデー』(実業之日本社)にて連載されたこの作品には、山岸トモヨという元ストリッパーが登場する。彼女は今ではすっかりおばちゃんなのですが、たまに旅館に呼ばればっちりメイクを施すと昔の妖艶な姿に逆戻り、団体客に向けて女体盛りサービスを提供し、男性客を大喜びさせます。同作の原作を担当するひじかた憂峰は、市井でしたたかに生きる庶民を好んで描いてきた人。今では酒浸りというこのトモヨにも、決して誰にでも自慢できるわけではない職業をきちんとやり遂げた女性という、どこか温かい視線が注がれています」 この「温かい視線」こそ、女体盛りに対してわれわれ日本人が抱く、『三丁目の夕日』にも似た、高度経済成長への郷愁だったのではないか。 さらにそのあと、2000年になって「週刊モーニング」(講談社)に連載された『リーマンギャンブラー マウス』になると、事情は異なってくる。ここで描かれる女体盛りは、家庭も顧みず社畜として働きながらギャンブルに狂ってしまったあるサラリーマンを鼓舞する存在である。全財産を投げ打つ恐怖を感じながらギャンブル場でサイコロを振る直前、「インドまぐろ子」の女体盛りを食らい彼女とまぐわった主人公のマウスは激しい精神の高揚を迎え、ギャンブルに勝つ。その過程は強烈なバカバカしさをもって描かれるが、これはそのまま、高度経済成長期のモーレツサラリーマンのバカバカしさを表現してはいまいか。00年代を迎え日本人は、高度経済成長期の日本を、そしてその象徴としての女体盛りを、単なる「良かった時代」としては眺められなくなってしまったのである。 さて、国内においてはこのように受容されていった女体盛りだが、海外においては、これとは違った形でネタ化して展開していく。それはまずバブル期において、ニューヨークのビルを買い漁るイエローモンキーの象徴として現れる。映画ライターのタダーヲ氏は語る。 「ジャパン・バッシングが色濃く感じられるアメリカ映画『リトルトウキョー殺人課』(91年)や『ライジング・サン』(93年)が象徴的です。この2作は共に日本のヤクザを扱っており、どちらにも当たり前のように女体盛りが登場しますが、すべてが フジヤマ、ハラキリ、ゲイシャ な世界観で描かれており、その勘違いっぷりはすさまじい」 前者では、灰色スーツの男たちが、横たわる金髪女性に盛り付けられた握り寿司や手巻き寿司をごく普通にパクついている。こうした世界観が、冒頭で述べた勘違いされた女体盛り受容につながっていくのだろう。 一方で、もう少し時代が下ると事情は変わってくる。B級映画マニアを喜ばせた『SUSHI GIRL』(11年)では、タランティーノの『キル・ビル』(03年、04年)のごとく、バカバカしくも忍者的な、完全なネタとしての女体盛りが描かれているのである。 さて、再度問おう。われわれ日本人はなぜ女体盛りを発明し、そして愛してきたのか。もちろんひとつには、「ハレの場において食と性を同時に楽しめる」という、地味な日常からの逸脱感があろう。しかし前出の呉智英氏は、さらにその背景に、東洋的な神秘思想の影響もあるのでは、と話す。 「支那に、病気の王が赤ん坊を食べて健康を取り戻すという故事があります。その根底には、人間の肉体を体内に取り込むことで生命力を鼓舞するという思想がある。一方でアジアには、性的なものを生命力の象徴と見る、西欧キリスト教的な世界観とは反対の思想があります。女体盛りには、これらの思想を同時に想起させるところがあるのかもしれない」 『癒しとイヤラシ エロスの文化人類学』(筑摩書房)の著者である京都大学教授の田中雅一氏も、このように語る。 「タブーを超越する行為は、秩序を揺るがす忌避すべき存在であると同時に、崇拝や畏敬の対象にもなり得ます。日常の常識を覆すワカメ酒や女体盛りという行為は、ハレの文化として崇高な意味を持っていたのかもしれません。だからこそ今後も、食の世界の秩序を壊し、これまでにはない領域を切り開くイノベーティブなものにもなり得ますよ。例えば、フルーツパーラーやアイスクリームメーカーが取り入れたりとかね!」 女体盛りは、秘められつつも創造的な、誇るべき日本の食文化、なのである。 (文/有馬ゆえ) 【「サイゾーpremium」では他にも食のタブーに迫る記事が満載です!】 ・サイゾー編集部が勝手に分析!「女体盛り」を成立せしめる6要素とは? ・女体盛りに300年の歴史あり!日本が、そして世界が描いてきた“女体盛り” ・超人気グルメコーナー「帰れま10」の“カネとヤラセ”をめぐる疑惑を追うアマゾンにて販売されている女体盛り皿、お値段は1260円です。(2013年5月現在)
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どん兵衛、サッポロ一番を特許侵害で提訴「また“お家芸”日清戦争」と業界は冷ややか
サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
■「Business Journal」人気記事(一部抜粋)
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どん兵衛、サッポロ一番を特許侵害で提訴「また“お家芸”日清戦争」と業界は冷ややか - Business Journal(5月6日)
今年1月、こんなニュースがかけめぐったのを覚えているだろうか。 「どん兵衛」が「サッポロ一番」を訴えた。 ストレート麺の製法をめぐって、日清食品が、「サッポロ一番」を販売するサンヨー食品の「麺の力」などの11商品が「日清の特許侵害にあたる」として、製造・販売の差し止めと、約2億7000万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したのだ。簡単に言うと、日清は「ウチのつくり方をパクりやがって」と怒っているわけだ。 日清の社員によると、「いきなり訴訟ということではなく、こちらもずいぶん前からずっと警告を送っていた。それをサンヨーさんが放置されてきたので、しかたなくこういうことになった」という。一方、サンヨーの関係者によると、「そもそもまったく違う製法なのに、なぜ日清さんがこんな言いがかりをつけてきたのかわからない、と社内ではかなり混乱していたようです」と、首をかしげている。 製造特許の世界は奥が深い。両者の主張は法廷でこれから明らかになるはずだが、「この“ラーメン戦争”の背景には、日清の焦りがある」と業界紙記者は分析をする。 「日清は国内では圧倒的ですが、実は海外展開がそれほどうまくいっていない。アメリカや南米では『maruchun』ブランドの東洋水産にボロ負けですし、中国はサンヨー食品が出資している中国メーカーが強い。サンヨーの新製品が展開されるのは脅威。とにかく、ここでブレーキをかけたいという狙いもあるのでは」(同) 同様の指摘は、食品業界からもあがっており、多くは日清の動きを冷ややかに見ている。食品大手幹部もこんなことを言う。 「業界的には『またか』という感じです。訴訟をふっかけて他社の進出を阻むという手法は日清さんのお家芸みたいなところがありますから、我々の間ではこういう訴訟戦を『日清戦争』と呼んでいます」 日清がライバルを訴える、というのは過去にもあった。例えば、1994年には東洋水産の「ホットヌードル・シーフード・北海道チャウダー」を不正競争防止法と商法違反で提訴したことがある。 ただ、意匠や製法がかぶっていれば、このような手法をとるのは、営利企業としては当たり前。にもかかわらず、なぜ「訴訟といえば日清」というイメージが業界で定着したのか。 ●日清、東洋にあいさつ料1億円を要求? それは過去の騒動のインパクトがあまりに大きかったからだ。 今でこそ東洋水産に抜かれてしまったが、大ヒット商品「カップヌードル」をひっさげて先にアメリカへ進出していたのは日清だった。 そこへ、後発の東洋水産が「maruchun」ブランドで進出をしようとしたら、某全国紙に奇妙な記事が出る。アメリカのインスタントラーメンの特許は日清がすべて握っているので、輸入差し止めもできるというのだ。 これはガセだった。なにやら不気味なものを感じながらアメリカ進出してみると、すぐに日清が特許侵害で訴えた。無論、東洋側はそんなものはないと反論。泥沼訴訟となる。 あまりに不毛な争いで両者が和解の道を模索していた時、業界にこんな噂がかけめぐった。日清側がこんな条件を提示する。東洋が、「あいさつ料」として日清に1億円を払う。 「アメリカで商売したければショバ代を払えということです。あまりに不当な要求に驚いた東洋水産が、その取引も含めてすべて公にしましょう、と言ったら慌てて引っ込めたそうです」(前出・食品大手幹部) 実はこうまでして東洋の勢いを止めなければいけない理由が、日清にはあった。 ちょうどこの時、日本では東洋水産が世界初のカップうどん「マルちゃんのカップうどんきつね」を開発し、バカ売れしていたのだ。ただ、すぐにこの「カップうどん」もライバル社がソックリ真似をして、追撃を始める。日清の「どん兵衛」もそのひとつだった。 製法から何まで真似しているわけだから、日清がサンヨーを訴えたように、東洋水産もパクリ組を訴えればいいじゃないかと思うかもしれないが、それはできなかった。 当時の社長・森和夫がいくらまわりにいわれても、意匠登録もインスタント油揚げの特許申請を行わなかった。「退職金が高過ぎる」といって7分の1しかもらわなかった逸話が残るように、この人はセコくなかった。 ●“盛られた”日清の美談 森氏のことは一般的にはあまり知られていないが、同じようなことをしたとして今でも神様のようにあがめたてられている人がいる。 日清創業者の安藤百福だ。諸説あるが、「インスタントラーメン」というものを世界で初めて発明したとされ、いちはやく「チキンラーメン」の製法の特許を所得した。だから他社が真似をしたら片っ端から警告書を出した。その数は113社にものぼったという。そんな状況だから当然、劣悪な商品も多い。これでは共倒れだということで、特許の抱え込みを断念した。 この安藤百福の「経営判断」は、時が流れて“やや盛った美談”に書きかえられている。例えば、横浜みなとみらいにある「カップヌードルミュージアム」では、創業者・安藤百福の像なんかも飾ってあって、「百福シアター」では、訪れた子どもたちにこんな話が語られる。 安藤百福は、「企業は野中の一本杉であるより、森として発展するほうがいい」という考えのもと、自らの利益のみを顧みることなく、インスタントラーメンの製法特許を独占せず、広く使用を許諾しました。 言っていることとやっていることが、ここまで違う会社も珍しい。 (文=一条茂) ■おすすめ記事 会社で女性を「ちゃん」付けはアウト?“異性”問題のトラブル回避法 テレビ局の電波利用料負担、携帯会社のわずか10分の1? テレビ局と総務省の利権か 本日オープン「ハフィントンポスト日本語版」、編集長「テーマは団塊ジュニア世代」 スキルの陳腐化…深刻な“仕事消失時代”に突入!? いま重宝されるポータブルスキルとは? なぜ、若者の間でノー“テレビ”ライフが広がるのか?テレビを捨てた人たちの本音日清食品の「どん兵衛」(「Wikipedia」より
/Corpse Reviver)
"トクホ"コーラのバカ売れに踊らされる消費者 無機能トクホブームの利権
【サイゾーpremium】より
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この健康志向時代において、新商品が発売されるたびにブームとなる特定保健用食品(トクホ)。12年に2社が発売したトクホコーラも1億本以上売り上げており、まさに現在、ブームの渦中にあるといえよう。だが一方で、トクホは数々の回収騒ぎや効果に対する疑問も指摘されており、イマイチ信頼性が薄い商品であるようだ。こうした怪しいトクホの実態とブームに群がり利権を貪る面々について追った──。 このところ「トクホ」が再びブームになっている。 これまで、1999年花王・食用油「エコナクッキングオイル」、03年花王「ヘルシア緑茶」、06年サントリー「黒烏龍茶」など、続々とトクホ商品がヒットを飛ばしてきたが、今回はコーラだ。 12年4月に発売された、キリンビバレッジの「メッツコーラ」は、発売から6カ月で550万ケース・1億3000万本の販売を記録。一部で生産が追いつかず、店頭で大幅な品不足となる事態にまで陥った。これはトクホ商品としては異例の480ml・150円の低価格ということもあって(ヘルシアの場合、350mlで1本180円~350円)、人気に火がつき「ヒット商品番付」(日経MJ)にも登場したほどだ。 このヒットに乗ってサントリーもトクホ商品「ペプシスペシャル」を11月に発売するや、わずか2週間でキリン「メッツコーラ」を上回るペースで130万ケースを販売した。3年後には年間1000万ケースまで売上規模を伸ばし、主力商品にする計画だという。こちらは490ml・158円だ。 これまでコーラは「若者の飲み物」というイメージがあったが、このトクホコーラは、30~40代の男性をターゲットにしているところが特徴だ。「メッツコーラ」はCMキャラクターに「あしたのジョー」を、「ペプシスペシャル」は俳優の織田裕二を起用し、「脂肪の吸収を抑える」効果をアピール。仕事で日中外に出て脂っこい食事が多く、健康にも気遣う30~40代男性の心をガッチリとつかんだ格好だ。 では、そもそもトクホとは、どんなものなのか? トクホ制度ができたきっかけは、84年に文部省(当時)が行った「食品機能の系統的解析と展開」という研究だ。この研究の中で、「食品には体調を調節する機能がある」という点に注目が集まり、産官学が一体になった「機能性食品」構想が持ち上がった。 その後、厚生労働省が主導し、制度化に当たっては、「機能性」から「特定保健用」に名称変更がなされ、91年に特定保健用食品、通称トクホ制度がスタート。(90P年表参照) この制度では、当該商品が、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、整腸機能に役立つなど、特定の保健効果があることを証明するために、国による審査を受ける必要がある。 その審査には、ヒトを対象とした実験の結果を含めた「食品及び関与成分に係る保険の用途を医学的・栄養学的に明らかにした資料」の提出が義務付けられている。『消費者委員会』、『食品安全委員会』、『厚労省医薬食品局の審査、独立行政法人国立健康・栄養研究所』もしくは『登録試験機関』の分析を経て、許可に至るのだが、「この資料は医学・栄養学等の学術書、学術雑誌等に掲載された知見を含む」としていることから、実験結果は学術論文の形をとることが多い。 こうして認可を受けた製品は、"トクホマーク"を用いて、その効果を表示することができる。また、国が定めた栄養成分を1つでも含んでいれば、国の許可を得ることなく表示できる「栄養機能食品」と共に、トクホは「保健機能食品」というカテゴリに入る。 トクホは97年には許可品目が100品目に到達し、05年には500品目、12年5月に1000品目に到達するなど、飛躍的に増大してきた。市場規模も急拡大し、97年には1000億円程度だった市場が、07年には7000億円近くまで売り上げを伸ばした。厚労省をはじめとした産官学が作り上げたこのビジネスを、08年に同省が自らスタートしたメタボリックシンドローム検診の義務化などを追い風にして、消費者の健康志向の高まりが、トクホ市場の拡大を支えてきた。 しかし、2000年代後半は、逆風に見舞われることもしばしば。トクホ市場がピークだったのは07年で、年を追うごとに売り上げは低迷し、11年には5175億円まで下がってしまった。 09年9月には花王「健康エコナ」が、体内で発がん性物質に変わる可能性のある物質を、ほかの油よりも多く含んでいることが判明し発売中止になった「エコナショック」の直撃を受けた。 また、同年同月には消費者庁が設立され、トクホの制度が消費者庁の管轄に移行。消費者庁は10年に「健康食品の表示に関する検討会」による報告書をまとめ、トクホについて表示許可手続きの透明化など抜本的な見直しを提言した。厚労省時代に比べるとじっくりと審査されているためか、消費者庁によるトクホの許可手続きはスピードが落ちたという。 ■抑制効果がたったの1割 効果の薄いトクホ食品 とはいえ、いまだに5000億円規模の市場があるトクホ業界、12年のトクホコーラブームで、再び盛り上がりも見せている。こうした中で、トクホをめぐっては大きく分けて2つの批判が取り沙汰されてきた。まずは”効果”に関する疑惑である。 「脂肪の吸収を抑える」効果が実は眉ツバモノだという声は、03年にヘルシア緑茶が発売され、トクホ商品がブームになって以降、多くの専門家から噴出している。トクホの許可を受けるためには、申請する食品を用いたヒトに対する実験結果が必要となるが、このための試験には、効果が出やすい人を被験者としていることが多いという。 「例えば、トクホコーラではBMI(ボディマス指数:ヒトの肥満度を表す体格指数)が軽度肥満との境界線に近い30~40代が被験者になっています。これは、検査の基準の中に、全年齢を対象とする旨が盛り込まれていないからなのですが、これでは誰にでも効果があるかどうかわかりません」(科学ジャーナリスト) また、食品問題に詳しい専門家は、その効果の疑わしさを指摘する。 「トクホコーラの売りである『脂肪の吸収を抑える』のは、難消化性デキストリンが入っているためです。この成分が入っているコーラと入っていないコーラを比較したところ、血中中性脂肪の上昇はピーク時の4時間後に1割強抑制されますが、効果がこの程度であれば、トクホコーラを飲むよりも脂肪分の多い食事を抑制する方が、よっぽど肥満に対して効果があるでしょう」 この難消化性デキストリンは食物繊維の一種であり、科学的に整腸機能、食後血糖値・血中中性脂肪の上昇抑制機能が確認されている。難消化性デキストリンの含有量が一定の基準を満たしていれば、整腸機能、食後血糖値の上昇抑制機能についてはトクホの有効性試験を省略できるため、業界で人気の成分となっている。これまでに許可されたトクホ商品のうち約3割が、難消化性デキストリンを(トクホ許可に必要な関与)成分としているほどだ。(※トクホコーラの成分に関する詳細は92Pを参照) ■やっぱりオイシイトクホ利権 検査機関に厚労省OBが多数 そしてもうひとつの批判は、厚労省OBによる”天下り”問題だ。 「トクホは、いまや一大ビジネス。トクホ審査をするのは消費者庁ですが、有効性や安全性の分析を依頼するのは、『独立行政法人国立健康・栄養研究所』もしくは『登録試験機関』。一連の審査をサポートするのは、『公益財団法人日本健康・栄養食品協会』といった法人。トクホの商品が増えるほどに、当然、彼らにもお金が流れ込む。残念ながらというべきか、やはりというべきか、こういった法人の役員には、トクホ制度を立ち上げた厚労省のOBたちが名を連ねており、天下りとして問題視されてきました」(科学ジャーナリスト) 確かに、国立健康・栄養研究所の理事は厚労省の出向組であり、日本健康・栄養食品協会の理事長は「元厚労省健康局長」、評議員には「元厚労省大臣官房審議官」「元厚生省生活衛生局衛生課長」といった肩書が並ぶ、まさに天下り機関なのだ。 「特に日本健康・栄養食品協会は、正会員696社で、ほとんどの食品メーカーが名を連ねています。花王、サントリー、キリンビバレッジといったトクホビジネスで大儲けしている企業も正会員です。トクホの申請には『学術誌での発表』も求められていますが、この協会は『健康・栄養食品研究』という学術誌を発行していて、トクホ関係の論文も掲載しているのです。これではお手盛り論文になってしまい、また、審査をサポートする側、分析する側に厚労省人脈が入り込んでいることからも、適正な審査ができるか疑問です」(同) 効果が期待できず、企業と関連機関だけが潤っていく……。これでは、トクホ制度は、「トクホ」=健康というイメージを作り上げ、カネのなるブランドと、新たな天下り先を生み出しただけ、という謗りを受けても仕方がないだろう。企業と官僚がグルになって、健康志向の消費者を惑わそうとしているようにも見える。本特集では、2つの”批判”を再検証しつつ健康信仰をお金に変える錬金術について迫っていく。 (文/松井克明) 【今なら無料で読める!「サイゾーpremium」では他にもトクホ利権の裏側に迫った記事が満載です!】 ・ヤバイのはエコナだけじゃない!! トクホスキャンダル年鑑 ・トクホコーラの実態をサイエンスライターが解説 一週間毎日2本飲んでやっと効果が… ・精神科医・岩波明が注目する 閉鎖病棟独特の”閉塞感”をリアルに描いた映画トクホ商品は、ひとつヒットが出ると他メーカー
が追随する傾向にある。例えばお茶類でも、「ヘ
ルシア」や「黒烏龍茶」に続いて、類似商品が続
々登場している。
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放射線検査をしないコメが市場に流通──不安視される食品業界のタブー構造
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──福島県産農作物が売れているという。 原発事故の影響で、首都圏ではスーパーなどの小売店で福島県産農作物を見る機会はほとんどない。当然出荷量もガタ落ちのはず……と思いきや、日経新聞などの報道では2011年度のコメの出荷量は、例年の7割程度を確保しているという。店頭では見かけることがないのに、いったいどこに出荷しているのだろうか? 「福島県産米は、主に首都圏の外食店やせんべいなどの加工食品メーカーで使用されているんです」 と話すのは、ジャーナリストの吾妻博勝氏。『コメほど汚い世界はない』(宝島社)を執筆したコメ流通のエキスパートだ。 いまや日本では、手軽で安価な食品が氾濫している。オペレーションシステムの改善や人件費の削減などの企業努力で、1円でも商品の原価を切り詰め価格競争に立ち向かう食品産業にとって、味自体は問題がなく、値段も割安となった福島県産農作物は、まさに渡りに船。消費者としても、11年にはサンプリング調査だった放射性物質の検査が、全袋検査へと移行し、しっかりとした検査を行っているんだから大丈夫だと安心する向きもあるが、吾妻氏は「あれだけ検査の様子が報道されれば、すべてのコメが検査されていると〝誤解〟する方も多いのではないでしょうか」と話す。 「今年度米で全袋検査をしたのは、8月に収穫した早場米の一部だけ。さらに、9月下旬から収穫が始まる米で全袋検査されるのは、主としてJA経由の流通米のみです。農家が業者に直接販売する米は全体の5割以上にも上り、それらは検査もされずに流通するものが多い。業者が農家にトラックを横付けして直接買い取り、そのまま激安居酒屋や、加工食品業界へ出荷されるんです」(吾妻氏)と、非正規のルートでコメや農作物が流通しているというのだ。中間マージンを削るため、農家と直接契約を謳っている企業も多い。 「食の安全」が叫ばれて久しいが、O-157など頻発する食中毒や発がん性物質の混入など、消費者は食に対して疑心暗鬼にならざるを得ない状況が続いている。特に「デフレ食品」とさえ呼べる一連の激安フードは、その安さと引き換えに、こうした安全性が不透明な製品も使用されている。 例えば、かねてから発がん性物質などの危険性が指摘されている食品添加物は、激安フードにとってなくてはならない存在。ハムやベーコン、そしてハンバーグなどの加工食肉には保存料をふんだんに使用することで、流通経費や廃棄リスクを抑制し、合成着色料で新鮮な見た目を演出、化学調味料で味を調えている。合成甘味料のズルチンや合成保存料のフリルフラマイドなど、即座に健康に被害が及ぶものに対しては、厚生労働省も規制を行なってきたが、”ただちに健康に被害がない”ものには、審査も甘い。長期的に摂取し続けた場合や、ほかの添加物と混ぜ合わせた場合のリスクに関しては、安全性が疑問視されるデータが民間の機関から出ていても、そのままにされているものが多い。 また、いまだに安全性が疑問視される遺伝子組み換え農作物も、激安価格を実現するためには欠かせない。通常の作物よりも生命力が強靭で、収穫量も高いことから価格が安いのだが、その不信感は根強く、一部からはアレルギー、臓器異常、不妊、発がん性などの可能性も指摘されている。 遺伝子組み換え作物については、アメリカの農薬会社モンサントの日本進出が話題となっている。同社はすでに茨城県に実験農場を建設している。内部で見たことを口外しないという誓約書を書かされた上で、この農場を見学した人物は、その内部の様子を振り返った。 「周囲から完全に隔離された施設の内部には遺伝子組み換えの作物と、普通の作物が並んでいました。除草剤の効果で、普通の作物はほとんど枯れているのに対し、遺伝子組み換えのほうはピンピンしていた。『どうですか?』と自信満々に聞かれましたが、正直気持ちが悪かった」 作物が枯れてしまうほど強力な農薬が残っているかもしれないのに、本当に人体にとっても安全なのか、十分に議論・検証する必要があるだろう。また、現段階ではその多くに使用表示の義務があるので、日本人が直接口にすることは少ないように思えるが、実は、牛や豚などの家畜飼料として、大量に輸入されており、これらは表示義務がない。結果、我々も間接的にそれらを摂取しているのだ。 ■デフレ食品批判映画が圧力で潰された!? こうした「安さのヒミツ」は、一部の書籍や雑誌などで報道される程度にとどまっている。自らも製薬会社・食品メーカーで添加物の研究や食品の開発にかかわりながら、『食品業界は今日も、やりたい放題』(三五館)などの著書もある小薮浩二郎氏は、業界からの圧力を指摘する。 「味の素などの大手食品メーカーが加盟する『日本食品添加物協会』は、食品企業幹部や国立大教授などの退職後の受け皿として機能しています。食品添加物に否定的な書籍や記述に対しては強固に反論を行うんです。かつて、食品に関するある書籍が爆発的にヒットした際、同協会から相当強いクレームが飛んだことがあります」 大企業や食品会社を後ろ盾に持つ同協会は、厚生労働省や消費者庁にさえ抗議を行い、その力は「消費者庁が潰れても、添加物協会は潰れないと言われている」(同)ほど。そして、同協会に対して尻尾を振っているのが、添加物を監視・監督する立場にある厚労省だという。特に食品業界に対しては、国は消費者よりもメーカー保護の立場。森永ヒ素ミルク中毒事件やカネミ油症事件くらい重大なトラブルが起きない限り、国の機関でも添加物に対してネガティブな研究は行っていないのだという。 では、自由に研究ができそうな大学機関などでの研究は進んでいるのだろうか? 「現在、大学には『産学協同』の風潮があり、企業の論理にのっとった研究が奨励される傾向にあります。一方、製品の欠陥について研究すると、学生の就職に如実に影響があるので、理系大学生の就職先の多くを占める食品メーカーにとって不利益となる研究は、積極的には行いません」(同) このように産学官に守られ、食品会社は今日も我々に添加物満載の食品を提供しているのだ。 また、「食の安全」を脅かす彼らを無視し、自主規制を行うメディア側の弱腰姿勢も浮かび上がってくる。 『ありあまるごちそう』など、食の安全をテーマにしたドキュメンタリーを配給するアンプラグド代表取締役の加藤武史氏が『フード・インク』のキャンペーンの際に直面した事件は、この態度を端的に象徴したものだったという。 「普段エコやナチュラルフードを推進している、あるラジオ局に『フード・インク』のキャンペーンを手伝ってほしいという話を持っていったところ、DJの方々は非常に興味を持ってくれたのですが、局側は『一方的であり、応援をすることはもちろん、扱うこともできない』と激怒され、即却下されました。後日知ったところによると、この放送局の一番のスポンサーはコンビニとハンバーガーチェーンだった(笑)」 映画『スーパーサイズ・ミー』などでも描かれたように、マクドナルドやコカ・コーラには、人体に影響する物質が入っているなどとし、その安全性が疑問視されている。それらの企業が、安全でも割高になるナチュラルフードを推奨する映画に協力できないのは、なるほどと思うところがあるだろう。11年に食品業界がマスコミにばらまいた宣伝広告費は2660億円と、日本の広告費用における1割を占めている(電通「日本の広告費」)。大手食品メーカーの広告宣伝費にがんじがらめとなっている大手メディアもまた、食品業界の闇を告発することなどするはずもないだろう。 このような状況に「食品を取り巻く組織が硬直化している」と憤る加藤氏は、農林水産省から受けたある「圧力」も明かした。 「08年から農水省が主導した食料自給率アップを目指した『フード・アクション・ニッポン』というキャンペーンがあり、そのHP上に『フード・インク』の公開情報を掲載してもらうよう掛け合いました。運営を受託する電通とやりとりをし、情報を掲載してもらったのですが、その途端、農水省から『一方的で好ましくない』という圧力がかかり、ホームページから映画の情報を削除されそうになりました」 結局、この件は電通によって削除されずに済んだが、食に対して真摯に向き合ったドキュメンタリーを「好ましくない」の一言で排除する農水省の姿勢は、この国にはびこる食品事情を象徴している。 「食品の裏側を知ると、モノが売れなくなるという恐怖が、メーカー、小売店、外食チェーンにはあるのでしょう。冷静に考えたら、値段が安すぎる食品は多いし、お寿司やサラダが3日も日持ちするのもおかしい。そのような疑問の芽を、食品を取り巻く組織は必死で摘んでいくんです。『食品について何も考えるな』『黙って買え』というのが、彼らの本音ではないでしょうか」(加藤氏) 我々にとって身近な存在だからこそ、触れづらい食品業界。自主規制を撤廃し、不当な圧力を打ち消すといった努力がなされなければ、「食の安全」など、空虚なスローガンにすぎないのだろう。 (取材・文/萩原雄太) 【明日から食事をするのが怖くなる!? 「サイゾーpremium」では食品業界の闇に迫った記事が満載!】 ・観たら外食ができなくなる? 食の安全を追求する海外傑作ドキュメンタリー ・味の素や牛角に直撃!! “激安食品”にまつわる怪しい噂は本当か? ・郡司和夫氏が食品添加物から分析──ラーメンの"うま味"調味料が怖い『食品業界は今日も、やりたい放題』
(三五館)
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──福島県産農作物が売れているという。 原発事故の影響で、首都圏ではスーパーなどの小売店で福島県産農作物を見る機会はほとんどない。当然出荷量もガタ落ちのはず……と思いきや、日経新聞などの報道では2011年度のコメの出荷量は、例年の7割程度を確保しているという。店頭では見かけることがないのに、いったいどこに出荷しているのだろうか? 「福島県産米は、主に首都圏の外食店やせんべいなどの加工食品メーカーで使用されているんです」 と話すのは、ジャーナリストの吾妻博勝氏。『コメほど汚い世界はない』(宝島社)を執筆したコメ流通のエキスパートだ。 いまや日本では、手軽で安価な食品が氾濫している。オペレーションシステムの改善や人件費の削減などの企業努力で、1円でも商品の原価を切り詰め価格競争に立ち向かう食品産業にとって、味自体は問題がなく、値段も割安となった福島県産農作物は、まさに渡りに船。消費者としても、11年にはサンプリング調査だった放射性物質の検査が、全袋検査へと移行し、しっかりとした検査を行っているんだから大丈夫だと安心する向きもあるが、吾妻氏は「あれだけ検査の様子が報道されれば、すべてのコメが検査されていると〝誤解〟する方も多いのではないでしょうか」と話す。 「今年度米で全袋検査をしたのは、8月に収穫した早場米の一部だけ。さらに、9月下旬から収穫が始まる米で全袋検査されるのは、主としてJA経由の流通米のみです。農家が業者に直接販売する米は全体の5割以上にも上り、それらは検査もされずに流通するものが多い。業者が農家にトラックを横付けして直接買い取り、そのまま激安居酒屋や、加工食品業界へ出荷されるんです」(吾妻氏)と、非正規のルートでコメや農作物が流通しているというのだ。中間マージンを削るため、農家と直接契約を謳っている企業も多い。 「食の安全」が叫ばれて久しいが、O-157など頻発する食中毒や発がん性物質の混入など、消費者は食に対して疑心暗鬼にならざるを得ない状況が続いている。特に「デフレ食品」とさえ呼べる一連の激安フードは、その安さと引き換えに、こうした安全性が不透明な製品も使用されている。 例えば、かねてから発がん性物質などの危険性が指摘されている食品添加物は、激安フードにとってなくてはならない存在。ハムやベーコン、そしてハンバーグなどの加工食肉には保存料をふんだんに使用することで、流通経費や廃棄リスクを抑制し、合成着色料で新鮮な見た目を演出、化学調味料で味を調えている。合成甘味料のズルチンや合成保存料のフリルフラマイドなど、即座に健康に被害が及ぶものに対しては、厚生労働省も規制を行なってきたが、”ただちに健康に被害がない”ものには、審査も甘い。長期的に摂取し続けた場合や、ほかの添加物と混ぜ合わせた場合のリスクに関しては、安全性が疑問視されるデータが民間の機関から出ていても、そのままにされているものが多い。 また、いまだに安全性が疑問視される遺伝子組み換え農作物も、激安価格を実現するためには欠かせない。通常の作物よりも生命力が強靭で、収穫量も高いことから価格が安いのだが、その不信感は根強く、一部からはアレルギー、臓器異常、不妊、発がん性などの可能性も指摘されている。 遺伝子組み換え作物については、アメリカの農薬会社モンサントの日本進出が話題となっている。同社はすでに茨城県に実験農場を建設している。内部で見たことを口外しないという誓約書を書かされた上で、この農場を見学した人物は、その内部の様子を振り返った。 「周囲から完全に隔離された施設の内部には遺伝子組み換えの作物と、普通の作物が並んでいました。除草剤の効果で、普通の作物はほとんど枯れているのに対し、遺伝子組み換えのほうはピンピンしていた。『どうですか?』と自信満々に聞かれましたが、正直気持ちが悪かった」 作物が枯れてしまうほど強力な農薬が残っているかもしれないのに、本当に人体にとっても安全なのか、十分に議論・検証する必要があるだろう。また、現段階ではその多くに使用表示の義務があるので、日本人が直接口にすることは少ないように思えるが、実は、牛や豚などの家畜飼料として、大量に輸入されており、これらは表示義務がない。結果、我々も間接的にそれらを摂取しているのだ。 ■デフレ食品批判映画が圧力で潰された!? こうした「安さのヒミツ」は、一部の書籍や雑誌などで報道される程度にとどまっている。自らも製薬会社・食品メーカーで添加物の研究や食品の開発にかかわりながら、『食品業界は今日も、やりたい放題』(三五館)などの著書もある小薮浩二郎氏は、業界からの圧力を指摘する。 「味の素などの大手食品メーカーが加盟する『日本食品添加物協会』は、食品企業幹部や国立大教授などの退職後の受け皿として機能しています。食品添加物に否定的な書籍や記述に対しては強固に反論を行うんです。かつて、食品に関するある書籍が爆発的にヒットした際、同協会から相当強いクレームが飛んだことがあります」 大企業や食品会社を後ろ盾に持つ同協会は、厚生労働省や消費者庁にさえ抗議を行い、その力は「消費者庁が潰れても、添加物協会は潰れないと言われている」(同)ほど。そして、同協会に対して尻尾を振っているのが、添加物を監視・監督する立場にある厚労省だという。特に食品業界に対しては、国は消費者よりもメーカー保護の立場。森永ヒ素ミルク中毒事件やカネミ油症事件くらい重大なトラブルが起きない限り、国の機関でも添加物に対してネガティブな研究は行っていないのだという。 では、自由に研究ができそうな大学機関などでの研究は進んでいるのだろうか? 「現在、大学には『産学協同』の風潮があり、企業の論理にのっとった研究が奨励される傾向にあります。一方、製品の欠陥について研究すると、学生の就職に如実に影響があるので、理系大学生の就職先の多くを占める食品メーカーにとって不利益となる研究は、積極的には行いません」(同) このように産学官に守られ、食品会社は今日も我々に添加物満載の食品を提供しているのだ。 また、「食の安全」を脅かす彼らを無視し、自主規制を行うメディア側の弱腰姿勢も浮かび上がってくる。 『ありあまるごちそう』など、食の安全をテーマにしたドキュメンタリーを配給するアンプラグド代表取締役の加藤武史氏が『フード・インク』のキャンペーンの際に直面した事件は、この態度を端的に象徴したものだったという。 「普段エコやナチュラルフードを推進している、あるラジオ局に『フード・インク』のキャンペーンを手伝ってほしいという話を持っていったところ、DJの方々は非常に興味を持ってくれたのですが、局側は『一方的であり、応援をすることはもちろん、扱うこともできない』と激怒され、即却下されました。後日知ったところによると、この放送局の一番のスポンサーはコンビニとハンバーガーチェーンだった(笑)」 映画『スーパーサイズ・ミー』などでも描かれたように、マクドナルドやコカ・コーラには、人体に影響する物質が入っているなどとし、その安全性が疑問視されている。それらの企業が、安全でも割高になるナチュラルフードを推奨する映画に協力できないのは、なるほどと思うところがあるだろう。11年に食品業界がマスコミにばらまいた宣伝広告費は2660億円と、日本の広告費用における1割を占めている(電通「日本の広告費」)。大手食品メーカーの広告宣伝費にがんじがらめとなっている大手メディアもまた、食品業界の闇を告発することなどするはずもないだろう。 このような状況に「食品を取り巻く組織が硬直化している」と憤る加藤氏は、農林水産省から受けたある「圧力」も明かした。 「08年から農水省が主導した食料自給率アップを目指した『フード・アクション・ニッポン』というキャンペーンがあり、そのHP上に『フード・インク』の公開情報を掲載してもらうよう掛け合いました。運営を受託する電通とやりとりをし、情報を掲載してもらったのですが、その途端、農水省から『一方的で好ましくない』という圧力がかかり、ホームページから映画の情報を削除されそうになりました」 結局、この件は電通によって削除されずに済んだが、食に対して真摯に向き合ったドキュメンタリーを「好ましくない」の一言で排除する農水省の姿勢は、この国にはびこる食品事情を象徴している。 「食品の裏側を知ると、モノが売れなくなるという恐怖が、メーカー、小売店、外食チェーンにはあるのでしょう。冷静に考えたら、値段が安すぎる食品は多いし、お寿司やサラダが3日も日持ちするのもおかしい。そのような疑問の芽を、食品を取り巻く組織は必死で摘んでいくんです。『食品について何も考えるな』『黙って買え』というのが、彼らの本音ではないでしょうか」(加藤氏) 我々にとって身近な存在だからこそ、触れづらい食品業界。自主規制を撤廃し、不当な圧力を打ち消すといった努力がなされなければ、「食の安全」など、空虚なスローガンにすぎないのだろう。 (取材・文/萩原雄太) 【明日から食事をするのが怖くなる!? 「サイゾーpremium」では食品業界の闇に迫った記事が満載!】 ・観たら外食ができなくなる? 食の安全を追求する海外傑作ドキュメンタリー ・味の素や牛角に直撃!! “激安食品”にまつわる怪しい噂は本当か? ・郡司和夫氏が食品添加物から分析──ラーメンの"うま味"調味料が怖い『食品業界は今日も、やりたい放題』
(三五館)
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──福島県産農作物が売れているという。 原発事故の影響で、首都圏ではスーパーなどの小売店で福島県産農作物を見る機会はほとんどない。当然出荷量もガタ落ちのはず……と思いきや、日経新聞などの報道では2011年度のコメの出荷量は、例年の7割程度を確保しているという。店頭では見かけることがないのに、いったいどこに出荷しているのだろうか? 「福島県産米は、主に首都圏の外食店やせんべいなどの加工食品メーカーで使用されているんです」 と話すのは、ジャーナリストの吾妻博勝氏。『コメほど汚い世界はない』(宝島社)を執筆したコメ流通のエキスパートだ。 いまや日本では、手軽で安価な食品が氾濫している。オペレーションシステムの改善や人件費の削減などの企業努力で、1円でも商品の原価を切り詰め価格競争に立ち向かう食品産業にとって、味自体は問題がなく、値段も割安となった福島県産農作物は、まさに渡りに船。消費者としても、11年にはサンプリング調査だった放射性物質の検査が、全袋検査へと移行し、しっかりとした検査を行っているんだから大丈夫だと安心する向きもあるが、吾妻氏は「あれだけ検査の様子が報道されれば、すべてのコメが検査されていると〝誤解〟する方も多いのではないでしょうか」と話す。 「今年度米で全袋検査をしたのは、8月に収穫した早場米の一部だけ。さらに、9月下旬から収穫が始まる米で全袋検査されるのは、主としてJA経由の流通米のみです。農家が業者に直接販売する米は全体の5割以上にも上り、それらは検査もされずに流通するものが多い。業者が農家にトラックを横付けして直接買い取り、そのまま激安居酒屋や、加工食品業界へ出荷されるんです」(吾妻氏)と、非正規のルートでコメや農作物が流通しているというのだ。中間マージンを削るため、農家と直接契約を謳っている企業も多い。 「食の安全」が叫ばれて久しいが、O-157など頻発する食中毒や発がん性物質の混入など、消費者は食に対して疑心暗鬼にならざるを得ない状況が続いている。特に「デフレ食品」とさえ呼べる一連の激安フードは、その安さと引き換えに、こうした安全性が不透明な製品も使用されている。 例えば、かねてから発がん性物質などの危険性が指摘されている食品添加物は、激安フードにとってなくてはならない存在。ハムやベーコン、そしてハンバーグなどの加工食肉には保存料をふんだんに使用することで、流通経費や廃棄リスクを抑制し、合成着色料で新鮮な見た目を演出、化学調味料で味を調えている。合成甘味料のズルチンや合成保存料のフリルフラマイドなど、即座に健康に被害が及ぶものに対しては、厚生労働省も規制を行なってきたが、”ただちに健康に被害がない”ものには、審査も甘い。長期的に摂取し続けた場合や、ほかの添加物と混ぜ合わせた場合のリスクに関しては、安全性が疑問視されるデータが民間の機関から出ていても、そのままにされているものが多い。 また、いまだに安全性が疑問視される遺伝子組み換え農作物も、激安価格を実現するためには欠かせない。通常の作物よりも生命力が強靭で、収穫量も高いことから価格が安いのだが、その不信感は根強く、一部からはアレルギー、臓器異常、不妊、発がん性などの可能性も指摘されている。 遺伝子組み換え作物については、アメリカの農薬会社モンサントの日本進出が話題となっている。同社はすでに茨城県に実験農場を建設している。内部で見たことを口外しないという誓約書を書かされた上で、この農場を見学した人物は、その内部の様子を振り返った。 「周囲から完全に隔離された施設の内部には遺伝子組み換えの作物と、普通の作物が並んでいました。除草剤の効果で、普通の作物はほとんど枯れているのに対し、遺伝子組み換えのほうはピンピンしていた。『どうですか?』と自信満々に聞かれましたが、正直気持ちが悪かった」 作物が枯れてしまうほど強力な農薬が残っているかもしれないのに、本当に人体にとっても安全なのか、十分に議論・検証する必要があるだろう。また、現段階ではその多くに使用表示の義務があるので、日本人が直接口にすることは少ないように思えるが、実は、牛や豚などの家畜飼料として、大量に輸入されており、これらは表示義務がない。結果、我々も間接的にそれらを摂取しているのだ。 ■デフレ食品批判映画が圧力で潰された!? こうした「安さのヒミツ」は、一部の書籍や雑誌などで報道される程度にとどまっている。自らも製薬会社・食品メーカーで添加物の研究や食品の開発にかかわりながら、『食品業界は今日も、やりたい放題』(三五館)などの著書もある小薮浩二郎氏は、業界からの圧力を指摘する。 「味の素などの大手食品メーカーが加盟する『日本食品添加物協会』は、食品企業幹部や国立大教授などの退職後の受け皿として機能しています。食品添加物に否定的な書籍や記述に対しては強固に反論を行うんです。かつて、食品に関するある書籍が爆発的にヒットした際、同協会から相当強いクレームが飛んだことがあります」 大企業や食品会社を後ろ盾に持つ同協会は、厚生労働省や消費者庁にさえ抗議を行い、その力は「消費者庁が潰れても、添加物協会は潰れないと言われている」(同)ほど。そして、同協会に対して尻尾を振っているのが、添加物を監視・監督する立場にある厚労省だという。特に食品業界に対しては、国は消費者よりもメーカー保護の立場。森永ヒ素ミルク中毒事件やカネミ油症事件くらい重大なトラブルが起きない限り、国の機関でも添加物に対してネガティブな研究は行っていないのだという。 では、自由に研究ができそうな大学機関などでの研究は進んでいるのだろうか? 「現在、大学には『産学協同』の風潮があり、企業の論理にのっとった研究が奨励される傾向にあります。一方、製品の欠陥について研究すると、学生の就職に如実に影響があるので、理系大学生の就職先の多くを占める食品メーカーにとって不利益となる研究は、積極的には行いません」(同) このように産学官に守られ、食品会社は今日も我々に添加物満載の食品を提供しているのだ。 また、「食の安全」を脅かす彼らを無視し、自主規制を行うメディア側の弱腰姿勢も浮かび上がってくる。 『ありあまるごちそう』など、食の安全をテーマにしたドキュメンタリーを配給するアンプラグド代表取締役の加藤武史氏が『フード・インク』のキャンペーンの際に直面した事件は、この態度を端的に象徴したものだったという。 「普段エコやナチュラルフードを推進している、あるラジオ局に『フード・インク』のキャンペーンを手伝ってほしいという話を持っていったところ、DJの方々は非常に興味を持ってくれたのですが、局側は『一方的であり、応援をすることはもちろん、扱うこともできない』と激怒され、即却下されました。後日知ったところによると、この放送局の一番のスポンサーはコンビニとハンバーガーチェーンだった(笑)」 映画『スーパーサイズ・ミー』などでも描かれたように、マクドナルドやコカ・コーラには、人体に影響する物質が入っているなどとし、その安全性が疑問視されている。それらの企業が、安全でも割高になるナチュラルフードを推奨する映画に協力できないのは、なるほどと思うところがあるだろう。11年に食品業界がマスコミにばらまいた宣伝広告費は2660億円と、日本の広告費用における1割を占めている(電通「日本の広告費」)。大手食品メーカーの広告宣伝費にがんじがらめとなっている大手メディアもまた、食品業界の闇を告発することなどするはずもないだろう。 このような状況に「食品を取り巻く組織が硬直化している」と憤る加藤氏は、農林水産省から受けたある「圧力」も明かした。 「08年から農水省が主導した食料自給率アップを目指した『フード・アクション・ニッポン』というキャンペーンがあり、そのHP上に『フード・インク』の公開情報を掲載してもらうよう掛け合いました。運営を受託する電通とやりとりをし、情報を掲載してもらったのですが、その途端、農水省から『一方的で好ましくない』という圧力がかかり、ホームページから映画の情報を削除されそうになりました」 結局、この件は電通によって削除されずに済んだが、食に対して真摯に向き合ったドキュメンタリーを「好ましくない」の一言で排除する農水省の姿勢は、この国にはびこる食品事情を象徴している。 「食品の裏側を知ると、モノが売れなくなるという恐怖が、メーカー、小売店、外食チェーンにはあるのでしょう。冷静に考えたら、値段が安すぎる食品は多いし、お寿司やサラダが3日も日持ちするのもおかしい。そのような疑問の芽を、食品を取り巻く組織は必死で摘んでいくんです。『食品について何も考えるな』『黙って買え』というのが、彼らの本音ではないでしょうか」(加藤氏) 我々にとって身近な存在だからこそ、触れづらい食品業界。自主規制を撤廃し、不当な圧力を打ち消すといった努力がなされなければ、「食の安全」など、空虚なスローガンにすぎないのだろう。 (取材・文/萩原雄太) 【明日から食事をするのが怖くなる!? 「サイゾーpremium」では食品業界の闇に迫った記事が満載!】 ・観たら外食ができなくなる? 食の安全を追求する海外傑作ドキュメンタリー ・味の素や牛角に直撃!! “激安食品”にまつわる怪しい噂は本当か? ・郡司和夫氏が食品添加物から分析──ラーメンの"うま味"調味料が怖い『食品業界は今日も、やりたい放題』
(三五館)
■「サイゾーpremium」とは? 雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
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放射線検査をしないコメが市場に流通──不安視される食品業界のタブー構造
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──福島県産農作物が売れているという。 原発事故の影響で、首都圏ではスーパーなどの小売店で福島県産農作物を見る機会はほとんどない。当然出荷量もガタ落ちのはず……と思いきや、日経新聞などの報道では2011年度のコメの出荷量は、例年の7割程度を確保しているという。店頭では見かけることがないのに、いったいどこに出荷しているのだろうか? 「福島県産米は、主に首都圏の外食店やせんべいなどの加工食品メーカーで使用されているんです」 と話すのは、ジャーナリストの吾妻博勝氏。『コメほど汚い世界はない』(宝島社)を執筆したコメ流通のエキスパートだ。 いまや日本では、手軽で安価な食品が氾濫している。オペレーションシステムの改善や人件費の削減などの企業努力で、1円でも商品の原価を切り詰め価格競争に立ち向かう食品産業にとって、味自体は問題がなく、値段も割安となった福島県産農作物は、まさに渡りに船。消費者としても、11年にはサンプリング調査だった放射性物質の検査が、全袋検査へと移行し、しっかりとした検査を行っているんだから大丈夫だと安心する向きもあるが、吾妻氏は「あれだけ検査の様子が報道されれば、すべてのコメが検査されていると〝誤解〟する方も多いのではないでしょうか」と話す。 「今年度米で全袋検査をしたのは、8月に収穫した早場米の一部だけ。さらに、9月下旬から収穫が始まる米で全袋検査されるのは、主としてJA経由の流通米のみです。農家が業者に直接販売する米は全体の5割以上にも上り、それらは検査もされずに流通するものが多い。業者が農家にトラックを横付けして直接買い取り、そのまま激安居酒屋や、加工食品業界へ出荷されるんです」(吾妻氏)と、非正規のルートでコメや農作物が流通しているというのだ。中間マージンを削るため、農家と直接契約を謳っている企業も多い。 「食の安全」が叫ばれて久しいが、O-157など頻発する食中毒や発がん性物質の混入など、消費者は食に対して疑心暗鬼にならざるを得ない状況が続いている。特に「デフレ食品」とさえ呼べる一連の激安フードは、その安さと引き換えに、こうした安全性が不透明な製品も使用されている。 例えば、かねてから発がん性物質などの危険性が指摘されている食品添加物は、激安フードにとってなくてはならない存在。ハムやベーコン、そしてハンバーグなどの加工食肉には保存料をふんだんに使用することで、流通経費や廃棄リスクを抑制し、合成着色料で新鮮な見た目を演出、化学調味料で味を調えている。合成甘味料のズルチンや合成保存料のフリルフラマイドなど、即座に健康に被害が及ぶものに対しては、厚生労働省も規制を行なってきたが、”ただちに健康に被害がない”ものには、審査も甘い。長期的に摂取し続けた場合や、ほかの添加物と混ぜ合わせた場合のリスクに関しては、安全性が疑問視されるデータが民間の機関から出ていても、そのままにされているものが多い。 また、いまだに安全性が疑問視される遺伝子組み換え農作物も、激安価格を実現するためには欠かせない。通常の作物よりも生命力が強靭で、収穫量も高いことから価格が安いのだが、その不信感は根強く、一部からはアレルギー、臓器異常、不妊、発がん性などの可能性も指摘されている。 遺伝子組み換え作物については、アメリカの農薬会社モンサントの日本進出が話題となっている。同社はすでに茨城県に実験農場を建設している。内部で見たことを口外しないという誓約書を書かされた上で、この農場を見学した人物は、その内部の様子を振り返った。 「周囲から完全に隔離された施設の内部には遺伝子組み換えの作物と、普通の作物が並んでいました。除草剤の効果で、普通の作物はほとんど枯れているのに対し、遺伝子組み換えのほうはピンピンしていた。『どうですか?』と自信満々に聞かれましたが、正直気持ちが悪かった」 作物が枯れてしまうほど強力な農薬が残っているかもしれないのに、本当に人体にとっても安全なのか、十分に議論・検証する必要があるだろう。また、現段階ではその多くに使用表示の義務があるので、日本人が直接口にすることは少ないように思えるが、実は、牛や豚などの家畜飼料として、大量に輸入されており、これらは表示義務がない。結果、我々も間接的にそれらを摂取しているのだ。 ■デフレ食品批判映画が圧力で潰された!? こうした「安さのヒミツ」は、一部の書籍や雑誌などで報道される程度にとどまっている。自らも製薬会社・食品メーカーで添加物の研究や食品の開発にかかわりながら、『食品業界は今日も、やりたい放題』(三五館)などの著書もある小薮浩二郎氏は、業界からの圧力を指摘する。 「味の素などの大手食品メーカーが加盟する『日本食品添加物協会』は、食品企業幹部や国立大教授などの退職後の受け皿として機能しています。食品添加物に否定的な書籍や記述に対しては強固に反論を行うんです。かつて、食品に関するある書籍が爆発的にヒットした際、同協会から相当強いクレームが飛んだことがあります」 大企業や食品会社を後ろ盾に持つ同協会は、厚生労働省や消費者庁にさえ抗議を行い、その力は「消費者庁が潰れても、添加物協会は潰れないと言われている」(同)ほど。そして、同協会に対して尻尾を振っているのが、添加物を監視・監督する立場にある厚労省だという。特に食品業界に対しては、国は消費者よりもメーカー保護の立場。森永ヒ素ミルク中毒事件やカネミ油症事件くらい重大なトラブルが起きない限り、国の機関でも添加物に対してネガティブな研究は行っていないのだという。 では、自由に研究ができそうな大学機関などでの研究は進んでいるのだろうか? 「現在、大学には『産学協同』の風潮があり、企業の論理にのっとった研究が奨励される傾向にあります。一方、製品の欠陥について研究すると、学生の就職に如実に影響があるので、理系大学生の就職先の多くを占める食品メーカーにとって不利益となる研究は、積極的には行いません」(同) このように産学官に守られ、食品会社は今日も我々に添加物満載の食品を提供しているのだ。 また、「食の安全」を脅かす彼らを無視し、自主規制を行うメディア側の弱腰姿勢も浮かび上がってくる。 『ありあまるごちそう』など、食の安全をテーマにしたドキュメンタリーを配給するアンプラグド代表取締役の加藤武史氏が『フード・インク』のキャンペーンの際に直面した事件は、この態度を端的に象徴したものだったという。 「普段エコやナチュラルフードを推進している、あるラジオ局に『フード・インク』のキャンペーンを手伝ってほしいという話を持っていったところ、DJの方々は非常に興味を持ってくれたのですが、局側は『一方的であり、応援をすることはもちろん、扱うこともできない』と激怒され、即却下されました。後日知ったところによると、この放送局の一番のスポンサーはコンビニとハンバーガーチェーンだった(笑)」 映画『スーパーサイズ・ミー』などでも描かれたように、マクドナルドやコカ・コーラには、人体に影響する物質が入っているなどとし、その安全性が疑問視されている。それらの企業が、安全でも割高になるナチュラルフードを推奨する映画に協力できないのは、なるほどと思うところがあるだろう。11年に食品業界がマスコミにばらまいた宣伝広告費は2660億円と、日本の広告費用における1割を占めている(電通「日本の広告費」)。大手食品メーカーの広告宣伝費にがんじがらめとなっている大手メディアもまた、食品業界の闇を告発することなどするはずもないだろう。 このような状況に「食品を取り巻く組織が硬直化している」と憤る加藤氏は、農林水産省から受けたある「圧力」も明かした。 「08年から農水省が主導した食料自給率アップを目指した『フード・アクション・ニッポン』というキャンペーンがあり、そのHP上に『フード・インク』の公開情報を掲載してもらうよう掛け合いました。運営を受託する電通とやりとりをし、情報を掲載してもらったのですが、その途端、農水省から『一方的で好ましくない』という圧力がかかり、ホームページから映画の情報を削除されそうになりました」 結局、この件は電通によって削除されずに済んだが、食に対して真摯に向き合ったドキュメンタリーを「好ましくない」の一言で排除する農水省の姿勢は、この国にはびこる食品事情を象徴している。 「食品の裏側を知ると、モノが売れなくなるという恐怖が、メーカー、小売店、外食チェーンにはあるのでしょう。冷静に考えたら、値段が安すぎる食品は多いし、お寿司やサラダが3日も日持ちするのもおかしい。そのような疑問の芽を、食品を取り巻く組織は必死で摘んでいくんです。『食品について何も考えるな』『黙って買え』というのが、彼らの本音ではないでしょうか」(加藤氏) 我々にとって身近な存在だからこそ、触れづらい食品業界。自主規制を撤廃し、不当な圧力を打ち消すといった努力がなされなければ、「食の安全」など、空虚なスローガンにすぎないのだろう。 (取材・文/萩原雄太) 【明日から食事をするのが怖くなる!? 「サイゾーpremium」では食品業界の闇に迫った記事が満載!】 ・観たら外食ができなくなる? 食の安全を追求する海外傑作ドキュメンタリー ・味の素や牛角に直撃!! “激安食品”にまつわる怪しい噂は本当か? ・郡司和夫氏が食品添加物から分析──ラーメンの"うま味"調味料が怖い『食品業界は今日も、やりたい放題』
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"殺人ユッケ"に放射能汚染……"食の安全"の裏にある食品業界の闇
──「日刊サイゾー」で話題のあの記事をただ読む以上に、さらなる知識を知りたいそんなアナタのために、話が100倍(当社比)膨らむ" プレミアム"な記事をサイゾー目線で厳選レビュー! 先月中旬より焼肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で提供されたユッケがもととなり、4人が死亡する集団食中毒事件が発生。このいわゆる"殺人ユッケ"事件を受けて今月10日、蓮舫消費者担当相は「生食」の表示基準を厳格化する方針を明らかにしました。この事件では、集団食中毒の恐ろしさとともに、流通している牛肉、豚肉、鶏肉において生食用というものは存在せず、各店舗が独自の判断で「ユッケ」や「鶏わさ」などを提供していたことを多くの人が知るところとなり、大きな話題となりました。 また、同日、福島原発事故による食品への放射能汚染を危惧した消費者が、神奈川県横浜市の学校給食委員会に問い合わせをしたことにより、同会は給食用物資の産地をまとめた資料を公表。一般市民が積極的に食品の情報公開を求めるといった事例が散見される中で、特に注目を集めています。 このように、現在日本国内では"食の安全"に対する関心が急上昇中。上記の問題に加え、食品偽装や添加物など、"食の安全"にまつわるトピックは数多くあります。そこで、今回のレベルアップ案内では"食の安全"をテーマとした記事をピックアップ。コンビニのサラダが変色しない理由から外食産業でまかり通る食品偽装、さらには表に出ない大規模な食中毒の現場の話まで――日本列島を揺るがした"殺人ユッケ"から、食品業界のヤバい裏側が見えてくる!? 【日刊Pick Up記事】 「昔から社内で泣いたりわめいたり......」食中毒「焼肉酒家えびす」勘坂社長の奇行癖 (2011年5月11日付) 日本中が注目する"食の安全"は今、どうなっている!? プレミアムな記事紹介はこちら↓ 【プレミアムな関連記事】 [レベル1:身近な食品の知られざる裏側] なぜコンビニのサラダのレタスの断面は、変色しないんですか? 2011年2月号(プレミアサイゾー) セブン-イレブンのお客様相談室が激白!! 肉の消費期限はお店が勝手に決める!? 秋山成勲が語る精肉販売のカラクリ 2011年1月号(プレミアサイゾー) (なぜか)希代の格闘家が語る、お肉業界の真実。 発がん性だけじゃなかった! 「健康エコナ」が"不健康"な理由 2009年11月号(プレミアサイゾー) 「特定保健用食品」も金次第? 嘘かホントか? ラーメンと犯罪の"密接な"カンケイとは? 2010年5月号(プレミアサイゾー) 「ラーメンは犯罪を助長する」はトンデモ論なのか!? 町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 病気・肥満・貧困を生む食ビジネスの"負の連鎖" 2009年8月号(プレミアサイゾー) 肥満大国のつくり方。 [レベル2:絶えることのない食品偽装の実情] 数グラム足りずに32万個廃棄 食品偽装のもったいない結末 2007年12月6日付(日刊サイゾー) 法律は市民感覚とかけ離れている? ニワトリのエサが飲食店に流通!? 表面化しにくい外食産業"偽装の闇" 2009年2月号(プレミアサイゾー) 食材だけじゃなく、おしぼりまでもが危険だとは......。 [レベル3:深刻な食中毒の現場] 歯医者にかかるまで半年!? 塀の向こう側の不条理な生活 2010年11月9日付(日刊サイゾー) 食中毒が蔓延する刑務所という地獄。 [レベル4:食に気を付けなきゃいけないのは人間だけにあらず] 有害添加物、野生動物の死骸......"完全栄養食"ペットフードの罠 2008年9月号(プレミアサイゾー) "家族"が食べるものにどれだけ気を使っていますか? [レベル5:注目食材のポテンシャルを探る] 食虫本、食虫イベント、食虫アイドル......今"食虫"がブームって本当!? 2009年4月30日付(日刊サイゾー) 栄養満点の虫は、宇宙食にもぴったり! プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/ 『食品のカラクリ』 あなたの知らない食品の世界。食品業界の知られざる裏側に迫った
『食品のカラクリ』(宝島社)。









