
『ペディキュアday』(ERJ)
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!
100社以上の芸能事務所が加盟する業界団体「日本音楽事業者協会」(音事協)の会長・尾木徹氏。彼が社長を務める芸能事務所「プロダクション尾木」に、右翼の街宣車が抗議行動を仕掛けているという情報が筆者に寄せられたのは、3月中旬だった。情報によれば、4年ほど前に尾木社長が、ある女性への性的犯罪行為で、逮捕はされなかったものの、警察沙汰になったという。右翼は、この件を攻撃材料にしているとのことだった。
プロダクション尾木は、小嶋陽菜や高橋みなみ、峯岸みなみなど、多くのAKB48メンバーが所属している大手芸能プロ。街宣活動の内容が事実であれば、芸能界全体が激震する事件だ。
ところが取材を進めていくと、街宣は別の理由で行われており、尾木社長の名誉を傷つける、根も葉もないデタラメなものであることが明らかなった。しかも、その情報の背景には、近々行われる音事協の会長選挙が絡んでいるようなのだ。
3月中旬、東日本大震災の復興支援プロジェクトを行ってきたAKB48の義援金が約13億円に達したと発表された直後に、右翼がプロダクション尾木に街宣をかけ始めたという。これは前述したような内容ではなく、ファンから徹底的にカネを搾り取ろうとする“AKB商法”や、AKBメンバーである少女たちに過酷な労働を強いる姿勢に疑問を持っていた右翼が、AKB48の実質的オーナーで、運営会社「AKS」の窪田康志社長に抗議行動を起こそうとしたが、事務所移転で同社の所在地がわからず。そのため、主だったAKBメンバーが所属する太田プロダクション、ホリプロ、それにプロダクション尾木に街宣をかけたというのが真相のようだ。
ところが、それがいつの間にか、尾木社長の根も葉もない性犯罪疑惑として、まことしやかに業界に流れ出し、主要スポーツ紙や芸能プロ関係者の間に広まってしまったのだ。そして、今でもこの街宣の情報を真実だと思っている人も多いようだ。
尾木社長と親しい音楽関係者は「尾木さんは音事協会長選挙への出馬を明らかにしている。“尾木潰し”のために業界の人間が、根も葉もない情報を流したんです。尾木社長本人は、怒りを通り越して呆れていますよ」と言う。
尾木社長は音事協の会長に選ばれる前から、芸能界の実力者といわれている芸能プロオーナーの腹心といわれていた。しかし、尾木社長が、K-POPの日本での活動に力を入れたことで、意見が対立。3年前くらいから関係がギクシャクし始めたという。
この実力者は、次の音事協会長選挙に、現在音事協の副会長を務めているホリプロの代表取締役会長兼社長の堀義貴氏をプッシユしているらしい。業界関係者の間では、堀氏はまだ若いこともあって、尾木社長と比べて、まださほど人望がないといわれている。それだけに尾木社長の2選を支持する芸能関係者は多い。
あらぬ情報は、尾木潰しのために流された可能性を捨てきれない。芸能界も、政治の世界と同じように魑魅魍魎が跋扈しているのだと、あらためて思い知らされた。
(文=本多圭)