
陸上選手からモデルを経て、芸能界へ。熱血キャラと、頑丈な肉体を生かし、体を張ったバラエティをはじめ、戦隊ドラマや時代劇、育児情報番組のMCなど、タレント・俳優として幅広い活躍を見せる照英。
喜んだ時は雄叫び、感動した時はなりふり構わず思い切り泣く。そんな真っすぐすぎる男の著書『自分らしく媚びずに生きる 俺の自己啓発!』(アスコム)が発売された。
同書では、正義感にあふれ、妥協せず、決して後ろを振り向かないおなじみの姿がつづられる一方、自ら「照英は商品」と言い切り、意外にもビジネスの観点では冷静でやり手の一面も覗かせる。
彼は何を想い“照英”を演っているのか。自身が社長を務める所属事務所で、話を聞いた。
――新著『自分らしく媚びずに生きる 俺の自己啓発!』は、照英さんの軌跡や、信念などを探りつつ、読んでると前向きになれる本ですね。タレントでありながら自己啓発本を出すことに、迷いはありませんでしたか?
照英 物事をやっていく上で、迷いなんてないですね。芸能界自体が迷う世界ですから、こんなことで迷ってたら前に進めないですよ!!
――す、すみません(笑)。どんな方に読んでほしいですか?
照英 全員に読んでもらいたいです。日本を問わず、世界の方にも読んでもらいたいですし、みなさんに元気を与えたい。どんなことが照英を作り出したのか、僕のバックボーンを探りつつ、そこから読んだ方が一歩でも前向きになったり、自信につなげていただけたらうれしいですね。日本の自己啓発本、いやっ、世界の自己啓発本の中でナンバーワンの本だと思います!
――本では、照英さんの素の部分を、かなりぶっちゃけてますよね。
照英 裸になった感じはありますよね。ここまで奥底に秘めてる心中を言ったことはなかったので、テレビでの僕しか知らない人からしたら「何言ってるの?」と思うようなことも書いてあると思います。でも、テレビで出してるのって、基本的に商品としての照英像を作るためにやってますから。この本で、僕の奥底に秘めてる喜怒哀楽や、頑張るための原動力を知って、笑ってくれたらいいですね。
――バラエティで見せるような、猪突猛進なキャラができたきっかけはなんですか?
照英 バカさ加減を出していくことで、みんなが「あははは」って笑ってくれることが喜びに変わったんです。「俺の筋肉爆発するぞ!」とか言って、誰かが「照英アホだな」って笑ってくれて、「もっと照英が見たい」ってファンになってくれたら成功ですよね。
――芸能界における“照英”を、客観的に見ていらっしゃるんですね。
照英 20歳くらいからモデルの仕事を始めて、もう40歳になりますけど、照英というキャラクターがどうしたら伸びていくのか、興味を持たれるのか、ってことをずーっと考えてますからね。僕はこれまで、この本にも書けないほど怖い思いもしてるし、実は悪いこともいっぱいしてるんです。いろんなことを経験しているからこそ、今の強さに変わってるんだと思いますね。怖いものなんて何もないです。

――何に対してもとことんポジティブですが、それはいつ頃からなのでしょうか?
照英 子どもの頃はすごく内向的で、「お前はお姉ちゃんにいつもくっついてるから、ナヨナヨしてるんだ」って言われ続けていたんです。それがトラウマになっていたことと、中学1年くらいに陸上競技の先生に「お前はナヨナヨしてる性格を直さないと、上に行くことはできない」って言われて。その2つが発奮剤になって、うなぎ上りに負けず嫌いでポジティブな性格になりましたね。
――内向的だったとは意外ですね。
照英 もともとの僕は、メンタルが弱いんですよ。だからスポーツでも大事な大会の前にケガしちゃったり、オリンピックに行く手前で終わっちゃったりね。でも芸能界みたいなしっちゃかめっちゃかな世界にいたら、弱音なんて吐いてる時間はないですから。弱音吐いてたら「あの人は今」になっちゃいますよ。昔、一緒に飲んでた芸能界の友達も、ほとんどいないですから。今残ってるのは、有吉(弘行)とか、ビビる大木。役者陣だと、ケイン・コスギや、山本太郎くらいですかね。
――ケインさんや、山本さんなど、やはり昔から真っすぐな性格の方と親しくされてるんですね。
照英 やっぱり一生懸命何かを追っかけてる、真っすぐな人が好きですね。ヘラヘラ、ナヨナヨしてる人は嫌いです。僕が憧れてる藤岡弘、さんや、赤井英和さん、もちろん松岡修造さんも熱血の先輩ですから、かっこいいなあって思いますね。有吉だってあきらめないでずっとやってきたから、今また花が咲いてる。そういう人間って、根底に強さを持ってますよね。
――照英さんといえば“涙”のイメージが強いですが、泣くことについてどうお考えですか?
照英 涙は宝物。一人の涙で多くの人間の共感を得るし、パワーを与える。涙って、言葉より本音で語り合えるから好きですね。僕は、泣けない人間ほどかわいそうな人間はいないって思ってるんです。涙こそ、言葉のいらない語り部ですよ。よく我慢する人がいるけど、その人には「我慢する理由がどこにあるの!? 恥ずかしいの!?」って言ってるんです。きっとその人の周りに「恥ずかしい」と思わせた誰かがいたから泣けなくなったんでしょうね。自分を大切に思っていれば、泣けないことは絶対ない! 泣けない人たちにこそ、僕のことを見て、涙を感じてほしい。自分の表現能力を、みんなに分けてあげたい。そう思いますね。
――プライベートでも泣くことはありますか?
照英 もうしょっちゅうだね。最近だと、昨日! スタジオ収録の出番直前に、楽屋ですごい感動するウィンドサーファーのドキュメンタリー番組を見ちゃって。もうボロッボロ。僕、司会だったんだけど、目真っ赤にしたまま本番に入っちゃいました。人間の頑張ってる心を描いたものを観ると、ジーンときちゃうなあ。
――ちなみにこの本を読む限り、正義感も強くて、家族愛にあふれていて最高の父親だなあと思うんですが。実は家族から直してほしいと言われてるところはありますか?
照英 「パンツ一丁でいるのをやめて」って言われるね(笑)。僕が家に帰るとボクサーパンツ一丁でテレビ見たり、ご飯食べたりするから、子どもたち(長男5歳、長女2歳)も帰ってきたら脱ぐようになっちゃって。もうジャングルですよ(笑)。女房だけが洋服着てる。あとは細かすぎるところ。バッグの中身も細かく整理してるし、洋服も毎回クリーニングに出して、Yシャツもデニムもピタッと畳んでお店みたいに置いてる。食器が出しっぱなしだと、「俺が風呂入るまでに片付けて」とか言うし、嫌がられてる(笑)。でも、旅行に行く時は、旅のしおりを作るくらい段取りが細かいから、女房からしたら、お姫様になれるっていうのはあると思いますね。昔から、サプライズで喜ばせたり、指輪あげる時のシチュエーション考えたり、っていう段取りはやってきてます。

――もっと豪快な方なのかと思ってました。
照英 この仕事をして、細かくなっちゃいましたね。生放送では失敗できない、ナレーションはかんだらいけない、司会だったら自分を暴発しちゃいけない……いつも「失敗したら、あとの照英はない」って思ってるから。「大丈夫」って言葉が得意じゃないんですよ。絶対、大丈夫なんてないんだから、用意周到にしないとって感覚があるんです。だから、その反動で、家で脱いじゃうようになっちゃって(笑)。
――ところで、ネット界では照英さんのコラ画像(有名人などの顔を、別の画像と合成加工した画像)が一大ブームとなり、今もなお作り続けられているようですが。
照英 いや~、ありがたいですよ。1年くらい前にマネジャーから「すごいことになってますよ」って言われて。見てみたら僕がEXILEをおんぶしてたり、ストーブ持ちながら爆破から走って逃げてたり、髪が長くてすごい巨乳になってたり。その巨乳のコラ画像は、いとこのおばさんにそっくりなんだけど(笑)、そういうのを見てたら「面白いなあ!」と思って。僕はネットがよく分からないし、「2ちゃんねる」も見たことがないので、メッセージを送る方法が分からないんだけど、いつか「みなさんのゴールはどこですか?」「照英を、どこまで成長させてもらえるんですか?」っていう2つは聞きたいですね。
――やめてほしいという気持ちは、まったくないんですか?
照英 もっとやってほしいですね! だって、自分ができないことをやってくれてるんだから。えっと、作ってくれる人のこと、なんていうんでしたっけ。
――コラ職人ですか?
照英 そうそう、コラ職人! 本当は作ってくれた全員に「ありがとう、感謝してる」って伝えたいんですよ。あ、ネットできる人にうちの社員になってもらって、給料払うからみんなに恩返しをしてもらいたいなあ。サイゾーさんで募集してもらってもいいですか?
――コラ職人にお礼を言う芸能人なんて、聞いたことないですよ(笑)。
照英 やっぱり礼儀ですから。芸能事務所ってネットを遠ざける風潮があるけど、もっとみなさんと密接になって、ネットの世界の人にかわいがってもらって、ほかの芸能人がやってないような新たなジャンルに入っていけたら面白いですよね。みなさんのおかげで僕は開花できたと思ってるので、逆に僕が応援団長として、コラ職人の方々に声援を送り続けたいなと思います。
(取材・文=林タモツ/撮影=岡崎隆夫)
●しょうえい
1974年、埼玉県生まれ。学生時代は陸上競技・投てき競技の選手として活躍。93年の関東学生選手権大会・やり投げで優勝、96年やり投げ全日本ランキング3位の経歴を持つが、肩の故障が原因で卒業後は競技生活を断念し、恵まれた体躯を生かしてモデルとして活動。念願であったジョルジオ・アルマーニのコレクション出演を果たしたのを機に、俳優業に挑戦。また、筋力を生かして『スポーツマンNo.1決定戦シリーズ』『筋肉番付』などで脚光を浴びる。