
『はいたい七葉』公式サイト
さまざまな地方都市をアニメの舞台にすることで、聖地巡礼するアニメファンを観光客として呼び込む「ご当地アニメ」が認知されるようになって久しいが、それをさらに一歩推し進めた「ご当地アニメ」が今秋スタートする。
それが、10月6日より放送開始予定の『はいたい七葉(ななふぁ)』だ。
主人公の三姉妹が、かわいらしいキジムナーやシーサーの精霊と交流する中で不思議な騒動が巻き起こるという本作。監督に『NARUTO』シリーズの多くのエピソードで演出を手がけている木村寛、キャラクターデザインに『もえたん』シリーズのキャラクター原案のPOPなどが起用され、一見して多くの全国区アニメと大差がないように見えるが、キャストはほとんど沖縄県出身で、放送局も琉球朝日放送(QAB)のみ。現地での放送が終了する2013年からは、全国・海外での展開も計画されているという。
本作の総合プロデュースを手がけるのは、沖縄のローカルヒーロー『琉神マブヤー』を生み出した南西産業の畠中敏成社長だ。『マブヤー』は現在、地元・沖縄ではシーズン4まで番組を放送。全国各地でも、U局系列を中心にシーズン3までが放送されているほか、劇場版も昨年10月に沖縄で先行上映された後、今年1月には全国上映されるなどヒットコンテンツへと成長した。
『はいたい七葉』は登場する14人のキャラクターにそれぞれスポンサーを付ける優先キャラクター契約を募集している。現在、劇場版が公開中の『TIGER & BUNNY』でも注目を集めたプロダクトプレイスメントを積極的に取り入れ、作品を通じての広告収入も視野に入れているようだ。
ローカルヒーローとしては、異例の大ヒットを記録した『琉神マブヤー』に続いて、畠中社長は今度は萌えアニメで全国制覇を狙う。
本作のほかにも、近年、地方で企画・制作された「ご当地アニメ」がじわじわと現れつつある。例えば、佐賀県発のセル&クレイアニメ『河童五代目』は、クリエイターと地元学生のコラボレーション企画として誕生。現在第2シーズンまで制作され、海外展開もしている。
また「魅力発信!埼玉県観光アニメ制作事業」と称して、アニメを活用した県の観光資源PRを推進する埼玉県は、「アニメど埼玉」というサイトを立ち上げ、県在住のクリエイターや一般公募によって選ばれた声優を起用した作品を多数公開している。日常系アニメのオムニバス『The Four Seasons』や、美少女巫女の活躍を描く『観光大戦SAITAMA』などを見れば、地上波で放送されているアニメに見劣りしない作品の完成度に驚くことだろう。
特に3人の女子高校生が県のPRムービーを撮影する『埼玉高校放送部』は、出色の出来である。テンポのいい女子トークが繰り広げられ、思わず「もっと見たい!」と思わされること必至。声優は一般公募ということで若干棒くさいところもあるが、それが逆に味になっていると言えなくもない。『らき☆すた』で町興しを成功させた鷲宮という前例があるだけに、そのガチっぷりはほかの地方発「ご当地アニメ」の追随を許さない。さすがである。
これまで、首都圏から発信される作品が中心であった「ご当地アニメ」だが、今後は地方発信の「ご当地アニメ」も増えてくるのではないだろうか。人件費や制作に必要なコストなど、アニメ制作をする上でクリアしなければならないハードルは低くはないだろうが、より地方の魅力をふんだんに取り入れた上で「面白いアニメ」(ここが重要!)が生まれてくれることを願うばかりだ。
(文=龍崎珠樹)
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「元旦から聖地巡礼したことも」20年も巡礼し続ける「田切ネットワーク」の軌跡

20年目のまさに手作り感あふれる同窓会だ

予想を遙かに超えて自転車で、電車で次々と訪問者がやってくる

店の向かいの日陰が休憩ポイントになり。訪れた人々との談笑の場となっていた

参加者ならではのやり方で、交流を深める

こちらが、今では秘蔵の品となっている「田切のたぬきである」

かつてのイベント列車の際につくられたTシャツ。一番右のは折しもオウム事件の頃で大変なことに……

メンバーらが制作した数々の同人誌も、並んだ

次々とやってくる見学者で店内は大混雑に

とりあえず、これを展示しておかなければ始まらないという品もちゃんと準備されていた

こちらには「元・下村酒店」さんの制作した、、あ~るが並んでいる

なんだかわからんが、やたらと女子の参加率が高く驚く。20代も多かったし……

この日ばかりは、押し放題のスタンプも大盛況だ
「元旦から聖地巡礼したことも」20年も巡礼し続ける「田切ネットワーク」の軌跡

20年目のまさに手作り感あふれる同窓会だ

予想を遙かに超えて自転車で、電車で次々と訪問者がやってくる

店の向かいの日陰が休憩ポイントになり。訪れた人々との談笑の場となっていた

参加者ならではのやり方で、交流を深める

こちらが、今では秘蔵の品となっている「田切のたぬきである」

かつてのイベント列車の際につくられたTシャツ。一番右のは折しもオウム事件の頃で大変なことに……

メンバーらが制作した数々の同人誌も、並んだ

次々とやってくる見学者で店内は大混雑に

とりあえず、これを展示しておかなければ始まらないという品もちゃんと準備されていた

こちらには「元・下村酒店」さんの制作した、、あ~るが並んでいる

なんだかわからんが、やたらと女子の参加率が高く驚く。20代も多かったし……

この日ばかりは、押し放題のスタンプも大盛況だ
本物の<聖地巡礼>を見せてやる! 『究極超人あ~る』の聖地で“轟天号”を追いかけてきた!!

早朝の東京駅から荷物を抱えてヨロヨロと乗車。
日頃の運動不足を実感する汽車旅だ
日頃の運動不足を実感する汽車旅だ

豊橋駅といえば「壺屋」のきしめんである。
壺屋の本業は駅弁屋で、いなり寿司がオススメだ
壺屋の本業は駅弁屋で、いなり寿司がオススメだ

「飯田線のバラード」が似合う風景が見えてきても、まだまだ先は長い……

伊那は馬肉の産地でもある。「いたや」の馬肉料理は、ご飯がいくらでもすすむね

余裕をかまして寄り道をしていたら、次第にジリジリと日に焼かれていくことに

穏やかな天竜川の河畔。こんな風景が見られるなら多少の苦労も仕方ないよね

交通量の少ない旧道は、ほぼ独り占め。思いの外、自販機もあるので熱中症の心配もなさそう

店ごとに工夫を凝らす、駒ヶ根市のソースカツ丼。全店を制覇するのは、いつの日になるだろうか

こんなノスタルジックな店もちらほらと

駒ヶ根市を抜けて、飯田線の跨線橋を越えて、田切駅は、もうちょい先だ

田切駅前に、こんなに大勢の人が集結するなんて誰が予測しただろうか

電車が到着するたびに続々と、あ~るファンが降りてくる。ん、ホームのハジに妙な人が

田切の集落も、大勢の人で混雑。なお、今は集落には自動販売機が一台あるだけ

作品世界を再現すべくリュックまで用意する完璧さ。これが本物の<聖地巡礼>だ

まさか、世界征服を企む博士が再び田切にやってくるなんて。この水鉄砲は危険すぎる!

やる気の参加者かと思いきやキャリアに積まれているのは、おひつ……

この自転車でも、ちゃんと完走できたんだから恐るべしファン魂だ!

まさかのママチャリ参加者。なお、筆者はこのママチャリの人にも追い抜かれました……

実は、伊那はこの作品の聖地でもあったんだね……。と、気づくまでちょっと時間がかかった

飯島町のゆるキャラ・いいちゃんは地元のお祭りが重なり多忙な中駆けつけてくれたぞ

ガラス戸をぶち破られる危険を回避すべく、西園寺ツーリスト伊那市支店は屋外に設置

閉会式会場は、コスプレ撮影会へ。やばい、あ~るのカメラは危険すぎるぞ!

無事にイベントを終えて捧剛太館長もほっと一息。
しかし、3000円の中古ロードマンはかなりキツかったとか
しかし、3000円の中古ロードマンはかなりキツかったとか

まずは「うしお」にてローメン分を補給。もちろん、超々大盛りで。名物のトーフ汁がサービスだった
警察まで巻き込み……『あの花』聖地巡礼で盛り上がる秩父市の"仕掛け"

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』
アニメ公式サイトより
埼玉・秩父の町のあちこちに今、あるアニメのキャラクターグッズが溢れているのをご存じだろうか。
今年4月から6月まで放送され、再放送が10月初旬に4夜連続全話一挙放送されたフジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』だ。
西武秩父駅周辺の土産物売り場の店頭は今、通称『あの花』のグッズだらけ。駅周辺にはコスプレをしている人など、「聖地巡礼」者の姿が多数見られる。
この作品の異質なところは原作がなく、アニメオリジナルにもかかわらず、アニメ放送中から「聖地巡礼」する多数の人が町を訪れ、9月末からは西武秩父駅限定で記念切符発売と、いろいろ展開が早過ぎること。
西武秩父駅によると、第1弾の記念切符5,000セットはすでに完売し、第2弾も、5,000セットのうち西武秩父駅取扱い分3,000セットはすでに残り3セットとなっているという(10月26日現在)。
さらに放送中の5月には、『あの花』のキャラクター「めんま」が呼び掛けるポスターが、警察署の名前で貼り出されていた。
たとえば、『新世紀エヴァンゲリオン』グッズが大人気となっている箱根などは、放送終了後10年も経ってからのグッズ化&町おこしだったわけだが、『あの花』の異様な展開の早さはなぜなのか。
秩父アニメツーリズム実行委員会に聞いた。
「聖地巡礼の人は、早くはアニメ放送開始前から来始めてましたよ」
原作なしのオリジナルアニメなのに、放送前からとはどういうことなのだろうか。
「よく、『地域おこしのためにアニメを作ったのではないか』と言われるのですが、そうではなく、『放送が終わるまではアニメをじっくり楽しんでほしい』という制作会社の希望もあり、作品内で地名を出さなかったんですよ。我々は当然アニメに協力していますので秩父をPRするタイミングを見計らっていたのですが、放送が始まるなり、第1話でキービジュアルとなっている橋がどこなのかと話題になり、ファンの方の間で旧秩父橋と特定され、注目を集めたようです」
アニメ放送中に警察まで巻き込むPRとなった理由については?
「アニメのキャラクター『めんま』が橋の欄干に立つキービジュアルがあるのですが、ファンの人がもしマネをして事故が起こると放送ができなくなるので、注意喚起の貼り紙をしようということになりました。でも、単に『欄干に上るのはやめよう』ではファンの心をつかめないのでと、制作会社のOKをもらい、アニメキャラに呼びかけてもらう形にし、また、警察署長さんにもOKをもらって文言を入れたんです」
それにしても、一部で大人気のアニメとはいえ、一般知名度はそこまででもない気がするのに、こんなにも騒動になるとは......。
「我々も分からなかったんですよ。制作会社の方に『アニメが始まると、(作品内で溜まり場として登場する札所)17番というお寺はすごいことになるよ』と言われていたんですが、正直、ここまでは予想つきませんでした。監督が長井龍雪さん、脚本を岡田麿里さん、キャラクターデザインを田中将賀さんが務めており(テレビアニメ『とらドラ!』と同一スタッフ)、その3人だったら必ずヒットすると確信していたようです」
秩父アニメツーリズム実行委員会は、昨年、スタンプラリーなどを行った「銀河鉄道999in秩父」のために立ち上げたものだそう。
「来年どうしようかね、という話をしつつ、題材を探していたときに、ちょうど『あの花』の話がきたんです」
ちなみに埼玉といえば、最近では『らき☆すた』アニメ版の舞台が鷲宮町(現・久喜市)や幸手市、春日部市であることから、神社への聖地巡礼・町おこしイベントなどで盛り上がったこともあり、それがヒントになったところも大きいようだが、アニメ放送とほぼ同時進行に進んだ、早過ぎる町おこし&ブーム。
アニメ放送前からすでに聖地巡礼の人が来ていたという事実から考えても、背景には、広告代理店やテレビ局、制作会社などが一丸となった"仕掛け"があったのではないだろうか。
