「正しいパニックを起こそう」 未曾有の原発危機に広瀬隆氏が提言

asahi12434.jpg
「週刊朝日」3月25日号
第1位 「福島原発で本当に起きていること 広瀬隆」(「週刊朝日」3月25日号) 佳作 「伊集院静『被災地・宮城から見たこの国』」(「週刊現代」4月2日号)  先週末から関西へ疎開して、今朝(3月22日)東京に帰ってきた。疎開というのは嘘だが、よんどころない仕事があって京都へ行くことになり、それならばと、土曜日に東京を離れることにした。三連休に原発問題があるので、東海道新幹線のキップがとれるか心配したが、11時東京発の新幹線のぞみは空席が目立っていた。  疎開気分を味わおうとしたわけではないのだが、用事で外出した以外は部屋に閉じこもり、原稿を書いて、メシは旅館のすぐ近くの居酒屋とうどん屋で済ませた。  雨が降っていて、ホテルのすぐ裏が墓地ということもあるのだろう。三条京阪駅や先斗町も近いのだが、京都も町全体がどんよりして、活気や華やかさが感じられないような気がしたが、これはこちらの心象風景の投影だろうか。  その間に、新聞2紙と週刊誌2誌から電話があり、「日刊サイゾーを読んだが、地震が起きた日は中国・北京にいて、東京電力のえらいさんと一緒だったというのは本当なのか」と聞かれた。  こちらもメディアの端っこにいる人間だから、事実関係については話をした。この旅行は以前から決まっていた日中友好旅行で、われわれは上海、南京、北京と回ってきたのだが、彼らは北京で合流した。  地震が起こった3月11日、彼らも至急帰国しようとしたのだろうが、成田空港が封鎖され、関空に行っても新幹線は運休だから東京へ帰る術がなかった。そのため、翌日早朝の飛行機で帰ってきたようだ。  だが、「文春」によれば、東京電力・清水正孝社長も所用で名古屋にいて、ヘリで至急帰ろうとしたのだが、空港で止められ、仕方なく防衛省に頼み込んで、夜中に東京へ戻ったとある。  素人判断だが、原発事故で大事なのは、地震や津波による破損や障害の程度を把握して、即刻どうするかを決断する「初動」の速さであろう。  日本でもそうだったように、北京でも夜中まで携帯電話は繋がらなかった。瞬時に判断を下さなければいけないトップの人たちが東京にいなかったことは彼らにとっても不運だが、日本人にとっても不幸だったということにならなければいいのだが。  各誌総力戦で被災地を取材し多くの写真を掲載している。どれを見ても胸が張り裂けそうなものばかりだが、「現代」のカラーグラビアに目が止まった。「宮城県仙台市」とある。津波が引いたあと自宅の階段で発見された犠牲者の写真。逃れようとして階段を上がろうとしたところを津波にのみ込まれた老女だろうか。  今回の死者は2万人を超えるという報道もあるが、その犠牲者の多くが、津波によるものであろう。東海大地震が予想されているようだが、国が早急に進めなくてはいけないのは津波対策である。10メートル以上の津波に備える防波堤をつくることはできるのか。できないとすれば、海から何キロ以内には住んではいけないとする法律を作るのか。そんなことが可能なのか。島国日本の最重要課題である。  さて、被災地ルポも各誌力を入れているが、これはテレビには敵わない。週刊誌に望むのは、なぜ被災地に食料などが届かないのか、菅直人をはじめ枝野や仙谷は、なぜ十全な手を打たないのか、打てないのか、なぜ東京電力は原発の被害状況を正確に発表しないのかなど、国民の疑問を徹底取材し、読者に知らせることである。  有名人たちの手記がいくつか載っているが、中では、仙台在住で地震を体験した伊集院静氏のものが一番読み応えがあった。  地震の描写はさすが手馴れたものだが、それよりも興味深いのは、現地に住んでいる人ならではの怒りや悲しみが、よく伝わってくることだ。  たとえば、地震発生から4日目、ようやく電気が通じ、テレビを点けたときのことである。 「東日本の、被災した人々が共通して思ったこと。それは『この人たちは私たちを見捨てているのか』という驚きと失望ではなかったのか。テレビのキャスターの一人が、『あの波が押し寄せる光景はまるで映画を見ているようです』と口にした。(中略)君にとってこの惨事は劇場の椅子にふんぞり返って眺めるものなのか。言葉の間違いというより、人としての倫理観の欠落、無人格以外の何物でもなかろう。日本人はここまで落ち果てたか」 「唯一の被爆体験を持つ国の一企業が、その怠慢で事故の報告を曖昧にし、原発のことを何一つ勉強していない政治家が右往左往している現状。『計画停電』報道のこの無神経さは何だ? 被災地には夜に光さえない。少しは我慢できないのか。株を投げ売りし、コンビニに買い出しに殺到し、ガソリンも入れるだけ入れておこうとする日本人、いったいいつからこんな国民になりさがったのだ」  地震が起きた夜、彼が空を見上げると「驚くほど星があざやか」だったそうだ。  さて、福島原発の危機はいまだに去ったわけではない。東電の職員をはじめ、自衛隊員などが命がけで作業しているが、安心していい段階まで行くには、まだ時間がかかるはずだ。  関東でも野菜や牛乳に放射能が検知され、相当な放射線物質が空中に飛散していることは間違いない。  広瀬隆氏は、1970年代からずっと原発の危険を訴えてきた人である。私は、広瀬氏が原発の危機を強調したいがために、やや牽強付会なところも目立ったため、このところ、この人の本を読まなくなったのだが、今回のような未曾有の原発危機には、この人の言葉に耳を傾けないわけにはいかない。 ニュース専門チャンネル 「朝日ニュースター」でも広瀬氏がインタビューされているが、「正しいパニックを起こそう」という言葉が腹にしみ込んだ。政府や東電は本当のデータを公表したらパニックが起こることを心配している、という報道があるが、これは間違いだとして、いまは全部公開して、正しいパニックを起こすことが必要なところまできていると言い切る。  「朝日」でも、今回の事故は、炉心溶解が進行し、最後に燃料棒全部が溶け落ち、鋼鉄製の原子炉の容器を溶かしてしまう、いわゆる「チャイナ・シンドローム」が起きるのではないかと、悲観的にならざるを得ないと話している。  この談話は、IAEA(国際原子力機関)が、今回の事故をスリーマイル島の原発事故と同じレベル5に引き上げる前である。  彼は、このような大津波は予想していなかったという東電に、ほんの100年ほど前に明治三陸地震が起きていて、このとき岩手県沿岸の津波が38メートルを記録したとあるではないかと、批判する。  また、13日に、福島原発の周辺で1時間あたり1557.5マイクロシーベルトを記録したのに、枝野官房長官や専門家が、微量だから健康に影響はないといっているのは大嘘だと怒る。 「これに24時間と365日を掛けて年換算すると、通常の年間被爆量の1万3千倍を超えます。それで平気なのでしょうか。レントゲンや航空機に乗ったときの被爆と比較するのは犯罪です」  当然だが、彼も「何とかこの危機を回避してほしい」と願っている。全国にある54基の原発をやめても、電力量には支障ないという。「日本中にある工場の自家発電を全部動かせば、原発分の電気をまかなえるのです」と言い、テレビでも、いまの水力と火力で十分だと言っていた。  こうした彼の言い分も、今後、東電側にすべてデータを公表させた上で、国民が判断すべきことだろう。のど元過ぎれば熱さを忘れるのは、日本人の一番悪いところである。  原発はCO2を出さないから、世界に日本の原発を売り込みたいといった、鳩山由紀夫というアホな首相がいたことも決して忘れてはいけない。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
原子炉時限爆弾 みんなで考えよう。 amazon_associate_logo.jpg
元「FRIDAY」「週刊現代」編集長が提言「いま週刊誌がやるべきこと」とは カッコ良すぎ!! "セレブ外交官"ジョージ・クルーニーの生き様 還暦まであと5年 桑田佳祐の音楽はどこへ向かう?

元「FRIDAY」「週刊現代」編集長が提言「いま週刊誌がやるべきこと」とは

IMG_2399.jpg ※日刊サイゾーは省エネ運転中です。 ●第82回(特別版)  地震の報は旅行中の中国・北京で聞いた。外交部の副司長と面会に行くバスの中でiPadを開いた瞬間、東北地方でマグニチュード7.7の大地震が発生というニュースが目に飛び込んできた。  私は、すぐ後ろにいる二人に、そのニュースを見せた。その二人は、東京電力のトップである。  我々は一行は約20人、民間の日中友好団体で、上海、南京と周り、前日に北京へ来たのだ。  東電の二人は青ざめたが、停電の報がないのでやや安堵したようだ。しかし私は、ニュースの中に「九段会館の天井が崩れ負傷者が出ている」というニュースを見つけ、東北地方だけではない広範囲にわたる地震ではないかという予感がした。  日本語が堪能な副司長との面談も気がそぞろで、終わるや否や、全員が携帯でニュースを食い入るように見る。マグニチュードも8.8に引き上げられ、10メートルの大津波が沿岸を襲っているというニュースに、悲鳴のような声が上がった。  「福島原発はどうなるのか」という声も聞こえる。  各自、携帯で日本へ連絡するがまったく繋がらない。東電の二人は、日本へ戻る飛行機がないか秘書に探させているが、成田空港はすでに閉鎖されていて、関西空港へ出るしかない。だが、旅客機はもちろんのこと新幹線が動いていないから、東北へ行く交通手段はない。日本の事情を聞くためだろう、北京の東電支社へ行ために、あわただしくバスから降りていった。  訪中はだいぶ前から決まっていたことだが、彼らは、こんなとき日本に居られないことに、居ても立ってもいられなかったことだろう。  訪中団をガイドしている中国の人間から、北京空港などに連絡を取ったが、日本行きは全便ストップしていると伝えられる。明日は、成田空港が再開されれば帰国できるとは思うが、何時になるか分からない。そのため、できる限り早く北京空港へ行って待機してもらうと付け加えた。  その夜会った中国人の一人から、北京でも、その時間に揺れを感じたと聞かされた。どれほどの規模なのか? 想像もつかない巨大地震であることが、ネットを通じた日本の報道で次々に分かってくる。  体験してはいないが、揺れた瞬間の恐怖が、体の奥底からこみ上げてくるようだ。  団の中には、仙台に居を構えている者もいるが、いまだに携帯はつながらない。夜のスケジュールを終えると、全員一目散にホテルへ戻る。  ホテルでは、日本の放送を見ることができるからだ。テレビをつけるとNHKのBSだろう、地震の惨状をライブ中継している。映像は、想像を超えるすさまじさである。  食い入るように見つめながら、都内の家人にメールを打つ。すぐに返事があり、家ではなく駅近くのビルにいたが、揺れが激しく長かった。築40年になる家が潰れているのではないかと心配して戻ったが、本やCD、ファイルが崩れ落ちたぐらいで、大きな損傷はないことを伝えてきた。  次の朝、6時半に北京空港へ向かう。朝が早いことと、この時期、日本人の旅行客が少ないこともあるのだろう、空港内は予想外に閑散としていた。  予定通り、9時過ぎに飛行機は飛び立ち、1時半ごろ成田空港へ着陸。しかし、それからが大変だった。  電車のキップを買うために並んでいると、後ろの母娘が、「あと少しでオランダに行けたのにね」と話しているのが耳に入った。どうしたのかと聞いてみると、彼女たちは11日、午後2時45分の飛行機でオランダ旅行に出かける予定だった。やや出発が遅れたため地震が発生、飛行機は飛ばず、帰ることもできないため、空港近くのホテルに一泊したのだそうだ。  明るい二人は、「あと5分、地震が遅れてくれれば行けたのに」とは言いつつ、さばさばした表情で話してくれた。  JR成田エキスプレスはいつ動くか分からないし、高速道路は閉鎖。結局、京成の各駅停車で八千代台まで行き、上野行きに乗り換え、日暮里で山手線に乗り換えて帰ることになったが、乗客のほとんどが大きなバックを運んでいるため、社内は終戦直後の満員電車もかくやという大混雑。  駅で「文春」(文藝春秋)と「新潮」(新潮社)を買うが、もちろん地震情報はない。月曜日発売の「現代」(講談社)「ポスト」(小学館)も木曜日校了のため、菅直人総理批判や八百長の記事はあるが、地震情報はもちろんのこと、私が以前からい言っていたように、石原慎太郎氏の都知事選出馬表明も入っていない。  新聞社系の「朝日」(朝日新聞出版)と「毎日」(毎日新聞社)は普段ならギリギリ間に合ったはずだが、今号は恒例の「大学合格者高校ランキング」速報のため、先週土曜日発売だったからこれもダメ。かろうじて「AERA」(朝日新聞社)が「太平洋沖地震『想定外超巨大型』次は内陸が震源?」「ツイッターとコンビニだけが頼りになった」「東京23区『倒壊危険度』マップ」を掲載している。  中国旅行中、こんなこともあった。某月刊誌編集長と一緒だったのだが、7日(月曜日)だったと思うが、彼の携帯が何度か鳴った。  相手は、田母神俊雄元空幕長(62)か、その関係者のようだった。「新潮」にスキャンダルを書かれるがどうしようかというものだった。  彼によれば、田母神氏には若い彼女がおり、妻と離婚して、結婚したいそうだ。いい歳をしてとは言うまい。だが、彼女を講演先に同行し、妻だと紹介しているというのだから、バレるのは時間の問題だった。  たいした長い記事ではないが、「新潮」が「離婚前でもフィアンセを見つけた『田母神元空幕長』火宅的有事」で、その顛末が書いてあるが、田母神氏の細君は離婚を否定している。講演料50万円もふんだくる保守派論客の有事はまだまだ続きそうだが、ま、どうでもいい話しだ。  この原稿を、テレビの地震情報を流しながら書いているが、昨夜会った毎日新聞の朝比奈豊社長が言っていたように、死者が1万人以上になることは間違いないようだ。  さらに恐いのは、福島の原発が危険水域を越えそうなことである。枝野幸男官房長官が「格納容器の健全性は維持されている」といっても、国民を安心させるのは難しい。  14日の福島第一原発3号機の爆発で、専門家はこう言っている。 「技術評論家の桜井淳さんは『状況は非常によくない。これ以上怖いのは、3号機に冷却水を注入できなくなり、被覆管がボロボロになって圧力容器の底に落ちると、圧力容器が割れるかもしれない。格納容器まで破裂するかもしれない。そうすると、大量の放射能が環境中に放出される。スリーマイルよりひどい事態になるのでは』と推測する」(asahi.com3月14日より)  原発関係者が、これほどの大地震を想定していなかったなどと寝言をいっていたが、今後、徹底的に追及しなければいけない。原発の是非も、改めて国民的な議論をするべきである。原発の「安全神話」は完全に崩れたのだから。  戦後初めて直面する最大の国難をどう乗り切るのか。こうした未曾有の非常時に「空き菅」総理が居残っていたことは、この国の最大の不運だが、今さら嘆いてばかりいても仕方あるまい。国民一人ひとりが我がこととして、何をなすべきかを考えなくてはいけない。  原発情報の完全な透明性の確保。被災者への迅速で手厚い手当をして、二次災害を防ぐ。何よりもお粗末な、NTTを始めとする通信会社のインフラを早急に増強させ、速やかに携帯で安否確認ができるようにすること。  これから週刊誌がやらなければいけないことは、国や東電を始めとする電力会社が、重大な情報を隠していないか、復興のための膨大な費用をどのように捻出するのかを監視し、逐一伝えていくことだ。  新聞、テレビは、有事の際は国家の公報機関となってしまうこと、歴史が証明している。これからが週刊誌の力を示す正念場である。  今週は、当然ながらスクープ賞に値する記事はなかったため、私の中国旅行中の話を中心にまとめさせてもらった。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
HAPPY NEWS こういうときは。 amazon_associate_logo.jpg
カッコ良すぎ!! "セレブ外交官"ジョージ・クルーニーの生き様 還暦まであと5年 桑田佳祐の音楽はどこへ向かう? 大相撲の「八百長」をのさばらせてきた大マスコミ・司法の責を問う

カッコ良すぎ!! "セレブ外交官"ジョージ・クルーニーの生き様

Newsweek0228.jpg
「ニューズウィーク日本版」3月2日号
●第81回(2月22日~2月28日発売号より) 第1位 「セレブ外交官、ジョージ・クルーニー」(「ニューズウィーク日本版」3月2日号) 第2位 「独占公開 佐藤寛子 封印されたヘアヌード」(「週刊現代」3月12日号) 第3位 「独占公開 小向美奈子 in MANILA」(「週刊ポスト」3月11日号)  朝、駅で、「現代」「ポスト」「朝日」「AERA」を買って、早稲田のオフィスへ行く。優れもののタイガー電気ケトルでお湯を沸かし、最近気に入っている伊藤園の「抹茶入り緑茶・プレミアムティーバッグ」で濃いめのお茶を飲み、日本橋錦豊琳の「ねぎみそかりんとう」をボリボリ食べながら、週刊誌を読む。  昔は、甘い物など口にしなかったが、年を取るにしたがって好きになった。ときどき、午後3時頃近くの喫茶店に入り、コーヒー・ケーキセットを食べながら、ぼんやり、早稲田大学の正門通りを闊歩していく大学生を見ている。これって呆けてきたということかな。  今週選んだ二つは、ともにグラビアである。要は、大相撲の八百長記事や菅直人首相への罵詈雑言も聞き飽きたし、他に見るべき記事がなかったためだが、この二本は必見である。  一本目は、フィリピンから帰国し、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された小向美奈子のマニラで撮られたカラー写真。  先週号で「ポスト」が「独占インタビュー」に成功したが、その際撮影したものである。最初に出てくる「ヤシの木の下に佇む」姿は、ポスト記者が「かつての姿とは別人といっても過言ではない」と"断言"するほど変わり果てた(失礼!)小向が写っている。  先週号のモノクログラビアで小向を見たとき、思わず「女相撲」と叫んでしまったが、カラーで見るとさらに迫力を増す。ポールダンスとかいうのだそうだが、天井から伸びたポールにしがみついている小向は、どう見てもダンスというより、ゴリラが木にぶら下がっている図である。  記者が今の心境について聞くと、「自分に一番腹が立つ」と小向は答えているが、己の姿に腹が立っていることだけは間違いなさそうである。これだけ豊満な彼女を見ていると、覚せい剤をやっていたなんて信じられないがね。  お次は現代の人気グラビアアイドル・佐藤寛子のヘアヌードである。もったいぶって袋とじにしてあるが、だいたい、たいした写真でないときに袋とじにしたがるもんだと、ブツブツいいながらハサミで切り、開いた。おやーッ、これはなかなかの迫力である。  映画『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』(石井隆監督)の中からのショットだが、26歳になる佐藤の迫力ある肢体とヘアがバッチリ写っている。  こういう写真を評する言葉を持ち合わせないが、久しぶりにそそられる淫猥な雰囲気の漂う写真である。  思わず、DVDを買ってみようかなと思わせるが、佐藤の絡みの相手が竹中直人では、やっぱりやめとこうか。  このところ、ヘアヌードとは名ばかりのグラビアが多くて欲求不満気味だったが、これは汚名返上。こうした、きれいで迫力のあるヘアヌードなら、まだまだ売り物になるはずだ。そう思わせてくれた「現代」に、応援のエールを送る意味で今週の準優勝。  今週のグランプリは久々に「ニューズウイーク」の記事。これはいい。表紙に「セレブは世界を救えるか」とある。俳優のジョージ・クルーニーがさまざまな支援活動をしているのは知っていたが、これほど熱心でスケールの大きなものだとは思わなかった。  ボノ、ショーン・ペン、ディカプリオ、アンジェリーナ・ジョリーをはじめ、多くのスターたちが紛争地や被災した現場に出向き、政治を動かし、社会貢献をしている。  クルーニーもそのひとりである。だが、父親が報道番組のアンカーマンをやっていたこともあるのだろう、彼と北アフリカ・スーダンとの関わり方は、並みの外交官など真似のできない誠意と情熱がある。  アフリカ最大の国スーダンは長い内戦状態を脱し、南部スーダンは住民投票でようやく独立を勝ち取ったが、1983年以来の内戦で200万人以上の命が失われたと言われる。  今でも南北境界線は緊迫し、中央政府は5万5,000人の兵士を派遣している。そこでクルーニーは、「自分で資金を出して監視用の人工衛星を手に入れ、誰でもアクセスできるように公開(http://www.satsentinel.org)した。この衛星は今、緊迫する南北境界線付近の軍隊の動きを上空から監視している。(中略)『俺は国連ともアメリカ政府とも関係なく活動している。そして俺は480マイル上空に監視カメラを据えた』とクルーニーは言う。『いわば反ジェノサイドのパパラッチだ』」  父親と初めてスーダンを訪れたとき、滞在した難民村に、井戸や住居、地域センターを造る資金を寄付したが、その1年後、水や住居を狙う近隣住民に襲われて、何人もが殺されてしまったという体験から、いくらカネをばらまいても問題の解決にはならないことを知ったという。  彼は、貧困にあえぐアフリカ諸国を救済するために、債務の免除を各国に訴え、ブッシュ政権にエイズ治療薬への資金援助を増やすよう働きかけ、成功した。 「商品を売り込む以外にも、セレブの使い道はあるんだ」(クルーニー)  彼は現地を訪れ、緊張が高まる近隣地域の首長と話し、紛争を食い止めようと努力したり、北部から帰還してきたキャンプ地に行き、救援ワーカーたちと一緒に簡易ベッドで寝る。  独立を決める住民投票はほぼ絶望的だと、南部スーダンの人々も思っていた。だが、あと100日まで迫った時点で、クルーニーがメディアを通じて強力なキャンペーンを開始すると、関心は一気に高まり、形勢は大逆転したのである。 「『ここに暮らし、妻子が虐殺されることを恐れている男の訴えを世界に届けることが俺の仕事だ』と、クルーニーはセレブの役割について熱く語る。『彼は山の上で叫びたいだろうが、彼には大きなメガホンもなく、高い山もない。俺にはメガホンもあれば、山もある。彼に自分の代わりに叫んでくれないかと頼まれたら、一も二もなく答えるさ。いいとも、俺が代わりに叫ぶよ、と』」  彼は政治家になる気はないそうだ。「女遊びもドラッグも、散々やってきた」から、何度か誘いはあったが断ってきた。  だが、もし候補者になったらこう言うそうだ。 「クスリをはじめ、悪いことは全部やってきた。隠すつもりはない。さあ、こんな話題はもう終わりだ。この国の問題について話そう」  本当の格好いい男とは彼のようなことをいうのだ。見せかけだけで中身のない、日本の"芸ノー人"たちとは決定的に違う。ますますクルーニーが好きになってきた。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 〈お知らせ〉ノンフィクション・ライター朝倉喬司さんを偲ぶ会を3月13日(日曜日)、午後5時から一ツ橋の「如水会館」で行います。問い合わせは、03-3261-0781『現代書館』村井まで。 
ニューズウィーク日本版2011年 3/2号 参りました。 amazon_associate_logo.jpg
還暦まであと5年 桑田佳祐の音楽はどこへ向かう? 大相撲の「八百長」をのさばらせてきた大マスコミ・司法の責を問う 「評価されすぎ!?」副知事辞任で見えた河村名古屋市長の実像と虚像

還暦まであと5年 桑田佳祐の音楽はどこへ向かう?

motoki0221.jpg
「週刊ポスト」3月4日号
●第80回(2月15日~2月21日発売号より) 第1位 「完全独占告白 小向美奈子『覚醒剤と妊娠とイラン人』」(「週刊ポスト」3月4日号) 第2位 「今こそ世に問う元大鳴戸親方『怪死』マル秘メモ」(「週刊ポスト」3月4日号) 第3位 「大復帰インタビュー『桑田佳祐』と生きる」(「AERA」2月28日号)  講談社の社長交代が決まった。夫に早世され、主婦から社長に就任し20余年務めてきた野間佐和子氏が、息子の野間省伸副社長にその座を譲ることになった。  それに伴って、かなりの役員人事も行われるそうだ。1990年代の半ばに約2,000億円あった売上げが毎年のように減り続け、09年度は1300億円程度まで落ち込んだ。これを銀行員出身の彼が立て直せるのか、OBの一人として、大きな期待と少しの不安が入り交じる。  社長交代は2月の株主総会ではなく、4月になるそうだ。その理由は、占いか何かでその日がいいと(現社長の意向だと思われるが)決めたと聞いた。会社再建が神頼みだけにならないよう祈りたい。  さて、昨年7月に食道がんが見つかったが、幸い軽かったため、年末のNHK『紅白歌合戦』で元気な姿を見せた桑田佳祐(55)が、アルバムを発表したこともあるのだろう、引っ張りだこである。  「BRUTUS」3月1日号は「桑田佳祐」緊急特集を組み、「AERA」も巻頭インタビューしている。  それによれば、父も姉もがんで亡くしているがん家系で、「自分も可能性がなくはないな」と思っていたそうだ。がんだと知らされたとき、「呪いはしなかったけど、人生って不条理なもんだなあとは思いましたけどね」と、語っている。  入院中に聞いていたの「ボブ・ディランのテーマ・タイム・ラジオ・アワー」と小唄とジャズだったというのが面白い。  立川談志師匠も食道がんだったが、最悪の場合、声を失ったり声帯が傷つくことがある。もしそうなれば声を使う人間には致命的だが、幸い無事に手術を終えた。  術後、完成したアルバム『MUSICMAN』(ビクターエンタテイメント)にこんな歌詞がある。 「暗闇が目の前に迫り来る 生きるは寂しさを知るためか 涙こらえて口笛吹けば 星が瞬く空の下」(「グッバイ・ワルツ」より)  08年にサザンオールスターズの無期限活動中止を発表した心境をこう述べている。 「だんだん自分も年老いていくわけだし、いま主流の音楽と折り合いをつけるのはちょっと難しいなと思っていたんですね。(中略)周りを意識するほど、、時代とどうしてもすり合わせていこうとする。それで後悔していることもあるんですね。だからもう、年相応じゃないけど、楽になっちゃおうと思った」  桑田サザンと言えば砂浜と恋とサーフィン。だが、50代半ばになった桑田が紡ぎ出す音楽は、これからどこへ向かうのか。  湘南の海の男の象徴だった石原裕次郎は、そのイメージを残したまま52歳で亡くなった。同じイメージを持った加山雄三は70歳を過ぎても海の男を歌い続けている。5年後、60を過ぎた桑田は、どんな歌を歌うのだろうか。  今週の第2位は、数多ある大相撲八百長関連の中で、八百長追及の元祖・「ポスト」の記事にした。記事自体は今から15年ほど前に「ポスト」が書き立て、一部で騒ぎになったが、いまだに不可解な謎の多い「事件」として、私の記憶にも残っている。  当該の記事は96年2月にスタートした「元大鳴戸親方(元関脇・高鉄山)の告発手記」である。友人である橋本成一郎氏と二人で、詳細な八百長についての証言と、角界の薬物汚染や暴力団との交際など、タブーを洗いざらい暴露したのである。  今考えれば大変な重大証言だったが、いつも通り相撲協会も記者クラブも無視した。だが、日本外国特派員協会で講演することが決まり、二人は、これで角界浄化ができると喜んでいた矢先、突然二人とも亡くなってしまうのだ。それも同じ病院で、死因も同じ「重症肺炎」だった。  無念の2人が遺したメモが残っていて、そこにはこう書かれている。 「財団法人を隠れミノにしての脱税、ファンを裏切る八百長、暴力団との交際......。やっていることはデタラメばかり。これで人を殺せばオウム真理教と同じである。(中略)相撲を日本の文化とか国技というのはもってのほか。この世界は騙し合いと私利私欲の世界なのである」  「文春」がスクープした小向美奈子(25)の覚醒剤疑惑だが、今週は「ポスト」が、マニラで小向のインタビューに成功した。この記事が今週のグランプリ。  記事とは別にモノクログラビアで、2月10日に小向の友人が撮影した彼女の写真が載っているが、女相撲かと思うほどの膨れ方である。だが、インタビュー記事の彼女は、さほど太っていないように見えるから、ポールダンスとキャベツだけのダイエットが奏功したのだろうか。  ポスト誌記者は、今年1月4日に小向から電話をもらって、マニラへ行って英語とダンスの勉強をすると聞いていたから、逃亡ありきのフィリピン滞在ではないのではないかと、各メディアの報道に疑義を呈している。  それはともかく、逮捕された覚醒剤密売グループのイラン人が「小向に複数回、覚醒剤を販売していた」と供述したと伝えられていることに、大筋このように話している。  イラン人とは、彼女が付き合っていたシャブ中の彼氏からいわれて、その男のところへ覚醒剤を買いにいったことから始まった。  優しい男で、敬虔なイスラム教徒だから、親しいが小向と男女関係はないし、覚醒剤を買ったこともない。昨年夏前に、そのイラン人から「売人をやめたい」という相談があった。悩んでいる男を見ていて、そばにいずにはいられなかった。だが、親しかったイラン人が、彼女に覚醒剤を販売していたと話しているとすればショックだ。  そして、このことを「日本に戻ってきちんとありのままをお話しします。出頭します。逃げてるつもりなんてそもそもなかった。私はそもそも逃亡犯なんかじゃない」と、断言している。  しかし、グラビアを見る限り、太り方が尋常ではない。クスリを抜くためのマニラ行きだったのではないかという疑念は、インタビューを読んでも消えない。  小向は、10代半ばでグラビア・アイドルとして芸能界に入り、売春まがいの行為まで強要され、精神的に傷つき、シャブ中の男に溺れ、覚醒剤所持で逮捕される。絵に描いたような芸能界転落物語である。  もちろん本人の精神的な弱さが一番問題だが、彼女のような悲劇は枚挙に暇がない。芸能界という「魔界」に身を沈め、傷つき、どれだけ多くのタレントが消えていったことだろう。 「小向美奈子はバカな女だ」で済ましてはいけない。ジャリタレを食い物にしている悪徳プロダクション、暴力団が背後で操るクスリの密売組織などを徹底的に排除しなければ、小向のような悲劇はなくなりはしない。角界とほぼ同じ構造がここにもあるのだから。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 〈お知らせ〉ノンフィクション・ライター朝倉喬司さんを偲ぶ会を3月13日(日曜日)、午後5時から一ツ橋の「如水会館」で行います。問い合わせは、03-3261-0781『現代書館』村井まで。 
BRUTUS (ブルータス) 2011年 3/1号 国民みんながファンなわけではない。 amazon_associate_logo.jpg
大相撲の「八百長」をのさばらせてきた大マスコミ・司法の責を問う 「評価されすぎ!?」副知事辞任で見えた河村名古屋市長の実像と虚像 ターゲットは高齢者と富裕層 相続税増税で税率80%もあり得る!?

大相撲の「八百長」をのさばらせてきた大マスコミ・司法の責を問う

shincho0214.jpg
「週刊新潮」2月17日号中吊り
●第79回(2月8日~2月14日発売号より) 第1位 「八百長裁判『巨額賠償』で週刊誌を萎縮させた『司法』の暗愚」(「週刊新潮」2月17日号) 第2位 「小向美奈子にまた『逮捕状』!」(「週刊文春」2月17日号) 第3位 「交際2年!『SMAP』稲垣吾郎『スレンダー美女とお泊まり愛』撮った!」(「フライデー」2月25日号)  4月に東京都知事選が行われる。石原慎太郎氏の4選出馬か、蓮舫、東国原、舛添氏らも取り沙汰されている。  今週のポスト「シリーズ 天下の極論」に石原氏の持論が載っている。いつもの「日本はアメリカの妾」論から、日本の現状を「これは平和の毒です。あまりにも長く緊張感のない時代が続いたために、国家としての我欲が張り、社会が堕落してしまったのです」と嘆く。  「無駄に爆発するエネルギーさえ失ってしまった」日本の若者と韓国の若者を比べ、彼の国の若者が人生に対して積極的なのは"徴兵制"があるためだとして、日本の若者にも「自分の生命、存在が脅かされる経験」をさせるために、「高校を卒業した年齢の子供は、1年間か2年間、軍隊か警察か消防に入る義務を課すべき」だと説く。  こうした考えを持つ人物が、首都の顔であり続けることがいいのかどうか、私も都民の一人として、じっくり考えてみたい。  さて、今週の第3位は「SMAP」稲垣吾郎の熱愛をスクープ撮した「フライデー」の記事。  菅野美穂との破局から2年ほど経った稲垣が、「昨年末まで大手芸能プロダクションに所属」していたロングヘアのスレンダー美女と、1月中旬、目黒区の焼き肉店でデートした後、別々にタクシーに乗って、稲垣のマンションへ「お泊まり愛」したという。  翌週も、件の美女が稲垣のマンション近くでタクシーを降り、反対側の路地で佇む彼女を、稲垣がわざわざクルマで迎えに行き、すぐ前のマンションの駐車場に消えていった。  芸能プロ関係者が、「二人とも真剣で、すでにお互いの両親にも紹介済み」だと話している。  オフの日なのだろう。彼女と別れた後、稲垣がゴルフの打ちっ放しで汗を流すショットもあるから、じっくり張り込み取材を続けていたことがわかる。  やや人気に翳りが出てきた「SMAP」とはいえ、「嵐」など人気グループがいるジャニーズ事務所の嫌がる記事をやるには、ある程度の覚悟がいったはずだ。  芸能活動をこれから再開するという彼女の名前や、事務所のコメントがないのを、何らかの事務所側とのやり取りの「痕跡」と見るのは穿ちすぎだろうか。  第2位は、ワイドショーなどがフィリピン・マニラまで追いかけて、バカ騒ぎをしているが、そのきっかけをつくった「小向美奈子に逮捕状が出た」とスクープした「文春」の記事。  新聞、テレビでこの件が報道されたのは8日の火曜日。「文春」が発売されたのは9日、水曜日だが、校了は7日の月曜日、たぶん夕方だろう。おそらく他のメディアは、「文春」の新聞広告を事前に入手して事件を知り、あわてて取材に走ったはずだ。  だが、ちょい気になるのは、記事中で全国紙社会部記者が、小向が付き合っていたイラン人が所属している覚せい剤密売組織が、警視庁に摘発され、小向に逮捕状が出されたと話していることだ。それだけ知っていれば、自分のところの紙面で書けばよかったと思うのだが、ブン屋サンのやることは不可解である。ちなみに「文春」の誌面に載っている「覚せい剤密売9容疑者逮捕」という記事は朝日新聞である。  ともあれ、小向は09年に覚せい剤取締で逮捕され、現在執行猶予中だ。再犯となれば実刑もありうる。ストリッパーとして注目され、ようやくタレント活動も再開の目処が立ったところだった。  覚せい剤犯の再犯率は5割を超えるという。そういえば、最近、本を出したのりピーこと酒井法子は大丈夫なのだろうか。  八百長問題に早くけりをつけたい相撲協会だが、そうは問屋が卸しそうにない。これまで、八百長はない、聞いたことさえもないと言い張ってきたのだから、「ポスト」「現代」の怒りもヒートアップするばかりだ。  「ポスト」が30年も八百長を追及し続けてきたと「本家」を誇れば、「現代」は、うちは59年4月12日号の創刊号で「八百長はやめてくれ」という記事を掲載しているから、52年になるぞと胸を張る。  「現代」は、なにしろ八百長の記事で相撲協会などから訴えられ、総額4,785万円を払えという判決が確定し、その上、昨年の11月27日号で、記事取り消し広告まで掲載したから、はらわたが煮えくりかえっている。  今週号では、「本誌は相撲協会理事長と八百長力士を『詐欺罪』で警視庁に告訴する」と、巻頭で告知し、先の裁判で提出した「八百長を証明する『陳述書』」、「朝青龍と北の湖親方の法廷証言」も公開している。記事中には、朝青龍と北の湖の「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りのないことを誓います」という宣誓書への署名まで載っている。  八百長関連では、群を抜く怒りとページ数だが、今週は、「新潮」の記事に軍配をあげたい。以前から裁判所攻撃では定評があった「新潮」だが、八百長裁判で最高裁までが出した高額賠償判決は、裁判官の世間知のなさを明るみに出したばかりでなく、週刊誌を萎縮させた「愚行」であったことは間違いない。 「八百長を知っていて書かない、正確に言えば、相撲協会が恐くて書けない大マスコミ。八百長が相撲界で放置されてきた一因は、ここにあろう」(「新潮」)  この問題を取り上げるのは週刊誌だけだと思われていたのに、その足を引っ張ったのが司法だったのだ。  私も名誉毀損で訴えられ、法廷に出たことがあるが、私が裁判官から受けた第一印象は、「週刊誌は悪」だという先入観を持っている人間だというものだった。  週刊誌は嘘ばかり書く。国技といわれ、裸一貫で頑張っている相撲取りを侮辱するような記事は許さん。そうした"偏見"から出されたのが、5,000万円近い賠償金の支払いと、行き過ぎた「記事取り消し」広告の掲載である。  しかも、権力ベッタリの大新聞は、「現代」への一審判決が出たとき、「取材は杜撰」と斬って捨てたのだ。それがいまは、八百長は昔からあったのではないかと、世迷い言を連日書いている。  相撲協会とメディアの癒着を、私の経験から話してみたい。「フライデー」編集長のときは、若貴全盛時代だった。今からは信じられないが、館の前には多くのダフ屋がいて、法外な値段で呼びかけていた。  「フライデー」は記者席に入れないため、仕方なく、高額なカネを出してダフ屋からチケットを買うこともあった。ようやく入っても、遠くからではいい写真を撮ることができないため、通路で、観客の邪魔にならないように写真を撮っていた。  毎号毎号、若貴の写真を掲載していると、相撲協会から何度か撮影をやめるよう申し入れがあった。だが、その代わりに席を用意してくれるわけではないから、何とか算段して、見つからないよう用心して写真を撮っていた。だが、相撲協会の人間が寄ってきて、カメラマンが問答無用で外に放り出されてしまうことが何度かあった。  後で調べてみると、協会にご注進していたのは、新聞やテレビの記者たちだったことがわかった。  体制にベッタリと寄り添い、自分たちだけの特権に胡座をかき、他のメディアを排斥する体質が、八百長問題だけでなく、大相撲改革を遅らせてきた大きな元凶の一つだということに、裁判所だけではなく、新聞、テレビの人間も気付くべきだ。 (文=元木昌彦)
八百長―相撲協会一刀両断 元大鳴門親方はこの本の出版直後に謎の"病死"。 amazon_associate_logo.jpg
ターゲットは高齢者と富裕層 相続税増税で税率80%もあり得る!? 「ポスト」のエロ度がエスカレート! "エロ検定"、あなたは何問正解できる? 「評価されすぎ!?」副知事辞任で見えた河村名古屋市長の実像と虚像

出版不況、ここに極まる……パチンコメーカーが光文社を買収するって!?

kbn.jpg
光文社HPより
伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ギョーカイの内部情報を拾い上げ、磨きをかけた秘話&提言。  出版界では、昨年からの投資ファンドのイザベル・リミテッドによる幻冬舎株の買占めが話題になっている。確かに幻冬舎は、出版不況の中にあって、2月8日に発表された2010年4~12月期連結決算が前年同期比26%増の7億7,300万円という優良企業。だが、人脈が生命線ともいえる出版社を買収してどうするつもりなのかと、その思惑に首をかしげる向きが多い。  そんな出版業界にあって、"非優良"出版社に仰天の買収説が浮上している。 「その出版社は、中堅の光文社です。某パチンコメーカーが光文社を買収するという噂が昨年末頃から流れたのです」(出版事情に詳しいジャーナリスト)  光文社と言えばメインバンクから「破たん懸念先」との烙印を押され、昨年リストラで40人以上もの早期退職者を出して話題になった出版社だ。とはいえ、なぜパチンコ業者の名前が浮上したのか。前出ジャーナリストはその仰天裏事情をこう解説する。 「名前の挙がったパチンコ業者とは、女優の伊東美咲の夫が社長を務める京楽産業だというんです。この京楽産業と光文社はAKB48ビジネスでの繋がりが深い。京楽産業は新機種『CRびっくりぱちんこ銭形平次 With チームZ』にAKB48の限定ユニットを登場させ話題になっています。一方の光文社も『フラッシュ』編集長だったA氏が、AKB48へのあまりもの思い入れの強さから"AKB48専属編集"になり、いまや写真集や公式ガイドブックづくりに全力を注いでいます。その関係から、京楽産業の名前が挙がったのです」  AKB繋がり――ホンマかいな!? にわかには信じがたい話である。しかし、それほどに光文社の経営状況が危機的にあるという証拠でもあろう。ある光文社関係者が嘆いていた。 「経営難のため、以前は夜も開いていた社内食堂が夕方になると閉まってしまう。その代わりに弁当が出るんですが、それが悲しくて......」  ダメだ、こりゃ。 (文=神林広恵)
リストラなう! 沈みゆく船......。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 業界大注目! 「リストラなう」日記が完全暴露する総合出版社・光文社の内情 リストラ暴露ブログ「リストラなう」がコメントの著作権をめぐって大混乱 祝・講談社100周年! 76億円の赤字でも予算を垂れ流し続ける記念企画の怪

ターゲットは高齢者と富裕層 相続税増税で税率80%もあり得る!?

motoki0207.jpg
「週刊現代」2月19日号 中吊り広告より
●第78回(2月2日~2月7日発売号より) 第1位 「大相撲と八百長」(「週刊現代」2月19日号) 第2位 「相続税は80%になる」(「週刊現代」2月19日号) 第3位 「現代の肖像 阿武野勝彦」(「AERA」2月14日号)  「元連合赤軍最高幹部の永田洋子(ひろこ)死刑囚が5日午後、東京・小菅の東京拘置所で多臓器不全のため亡くなった。65歳だった」(2月7日のasahi.comより)  私と同年である。私は大学時代、バーテン稼業のノンポリだったが、彼女は薬科大生のときから革命運動に走り、過激派の指導者となっていった。1972年、山岳ベースで総括と称して仲間12人をリンチで殺した首謀者として逮捕される。  革命という言葉が夢物語ではないかもしれない、そう思えた時代だった。その後の人生を、彼女は裁判と獄中で過ごし、私は雑誌屋稼業を細々と続けてきた。  若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(08年公開)を見ても、彼女たちの"狂気"は理解しがたい。だが、主義主張は別にして、青春を燃焼し尽くせる時代が確かにあったことを、甘酸っぱい感傷とともに思い出させる、彼女の死だった。  今週の3位は「東海テレビ」のプロデューサー阿武野氏を取り上げた「AERA」の「現代の肖像」。80年代初め、訓練生の死亡や行方不明事件で世間を騒がせた戸塚ヨットスクールの軌跡と現在を追ったドキュメンタリー『平成ジレンマ』が、劇場でも公開されて話題になっている。  戸塚ヨットスクール校長の戸塚宏氏とは、私も一時期お付き合いした。嵐のような世の批判を受けながらも、自分の信念を貫く生き方に、会うほどに魅せられた一人である。  行き過ぎた「体罰」の問題はあるが、こうした厳しい訓練で立ち直っていった非行や不登校の若者がいたことも事実である。  阿武野氏は多くの優れたテレビ・ドキュメンタリーを作っている。私も、裁判官の本音を語らせた『裁判長のお弁当』や、光市母子殺人事件の弁護団を、内部から撮った『光と影~光市母子殺人事件 弁護団の300日~』を見ている。  『光と影』は、彼に東京にきてもらって、ドキュメンタリー上映後にシンポジウムをやった。弁護団が日本中から叩かれているとき、弁護団側にカメラを据えて撮り続けることは、相当な覚悟が必要だっただろうが、ご本人は構えたところのない物静かな人だった。  この記事を読むと、こうした社会問題を、一商業テレビで撮り続けることの難しさに直面し、突然左遷されたこともあったという。  いまやドキュメンタリーの主戦場は映画ではなく、テレビに移っている。それも東京キー局ではなく、地方のテレビ局からいい作品が多く生み出されている。 『平成ジレンマ』は現在、名古屋シネマテークや東京・東中野ポレポレ座で上映中。これを書き終えたら見に行ってみよう。  2位は「相続税が80パーセントになる」という「現代」の記事。  私の年下の友人が訪ねてきて、90を超える祖父が先日亡くなったと聞いた。連れ合いはだいぶ前にいないというから、残された家屋とお金をどう分けるのか、なかなか大変なようだ。その上、相続税の控除額が変わるそうだから、その前に遺産分けをやらなくてはならないと、ため息をついていた。  どちらかの親が健在ならば、大きな問題にならないが、両方が亡くなると、兄弟は他人の始まりである。親が見たら嘆くだろうなというほどの醜い遺産をめぐる争いは、私の周りでも多くある。  「現代」によれば、現在の税制が作られたのは占領下、米国のシャウプ博士を中心とする7人の税制使節団が「世界で最も優れた税制」を目指して作ったそうだ。  中でも、冨の集中排除を目指して作られた相続税は「相続税論のテキストブック」と呼ばれている。それが、平成23年度税制改正大綱では、富裕層をターゲットにする「相続税の大増税」が打ち出されたのだ。  今回の相続税のポイントは、最高税率を50%から55%に引き上げることと、基礎控除と呼ばれる非課税枠を4割ほど縮小させたことである。その上、さらなる相続税増税が控えていて、その率は80%にまでなるかもしれないというのだ。 「日本国民が保有する金融資産1,400兆円のうち、その6割ほどは60歳以上の高齢者が持っている。あらゆる控除をなくして、相続税を10%かけただけでも、単純計算で毎年40兆円の税収となる。消費税、所得税をあげるには反発が大きい。そこで政権は大声を出さない高齢者と富裕層をターゲットにしているというわけです」(民間シンクタンクのエコノミスト)  残しておくより使ってしまえと、年寄りのフトコロからカネを吐き出させて、景気を刺激しようなんて、役人の考えそうなことだ。そういえば、麻生元総理も自著の中で、お年寄りからカネをふんだくれと書いていたな。  さて、大相撲春場所を中止にまで追い込んだ八百長問題は、どこまで広がるのか予断を許さない。「大相撲に八百長あり」とキャンペーンをはり続けてきた「ポスト」と「現代」が、どういう切り口でやってくるか楽しみにしていた。  「ポスト」は「角界よ、大新聞、テレビよ、片腹痛いわ!『週刊ポスト』は大相撲八百長を30年間こう報じてきた」と老舗らしく歴史を誇り、2月2日毎日新聞のスクープ「力士が八百長メール」報道など、「何を今さら」とハナで笑う。  「ポスト」が「角界浄化キャンペーン」を始めたのは80年からで、その後、元大鳴戸親方の告発や元小結・板井圭介氏の実名証言など、「国技のタブーに正面から斬り込んできたメディアは本誌だけといっていい」と豪語するが、掲載は後ろのページで4ページ、内容も今ひとつである。  では、「現代」はどうか。さすがに巻頭で10ページの「ぶち抜き大特集」である。内容は、「八百長力士はまだいくらでもいる」「『八百長メール』原資料を公開する」「『八百長』を見て見ぬふりをした相撲ムラのインサイダーたち」「『八百長報道』本誌と相撲協会の1500日戦争」「腐れ相撲協会はさっさと自主解散すべし」と、盛りだくさんである。  中でも、朝青龍や協会などが束になって訴えてきて、最高裁で上告棄却され、4,785万円の賠償金と記事取り消しの広告掲載が確定した、裁判所への恨み辛みが興味深い。裁判所から、取り消し広告には、記事は十分な裏付けを欠くもので、これを取り消しますと書けと求められたそうだが、これってどうなるのかね。このまま出したら、かえって面白いと思うのだが。  朝青龍の八百長告発では、朝青龍が法廷で、八百長など見たことも聞いたこともないと証言したはずだが、これって偽証罪にならないの? 北の湖理事長(当時)も「相撲に八百長なんかない」といい続けていたが、こういう連中を国会喚問したらどうかね。  この記事を、当時の編集長・加藤晴之氏に書いてもらいたかったと思うのは、私だけではないはずだ。そうすれば「本誌は裁判には敗訴したが、『八百長相撲の蔓延』という重要事実を、正確に伝えたと自負している」というような表現にはならず、怒りに充ち満ちた原稿になったはずなのに。  ともあれ、大相撲の八百長問題をときの横綱・朝青龍に結びつけ、読者の関心を引き付けたことや、元序ノ口・時太山が親方や先輩力士の暴力で稽古中に急死したことを告発するなど、相撲界浄化に大きな役割を果たした「現代」に敬意を表して、今週のスクープ賞を与えたい。  それにしても、野球賭博問題や八百長問題を知る立場にいた新聞やテレビの記者たちの「責任」は、もっと追及されてもいいはずである。 (文=元木昌彦)
働かざるもの、飢えるべからず。 そろそろ本気でベーシックインカム。 amazon_associate_logo.jpg
「ポスト」のエロ度がエスカレート! "エロ検定"、あなたは何問正解できる? 「評価されすぎ!?」副知事辞任で見えた河村名古屋市長の実像と虚像 "シンブンキシャ"の思考は停止中? なぜ日本の新聞はダメなのか

格闘技団体SRC「雑誌のせいで」大会中止に見る格闘技興行の窮状と疲弊する現場

gonkaku201103.jpg
SRCを痛烈批判した「ゴング格闘技」
2011年3月号(イースト・プレス)
 前代未聞の大会中止だ。以前は「戦極」の名称で大会を開催していた総合格闘技団体SRCが、専門誌の記事に抗議、4月23日に予定されていた有明コロシアム大会を"白紙撤回"と発表したのだ。  問題となったのは専門誌「ゴング格闘技」(イースト・プレス)が掲載した、昨年12月大会への批判記事だ。 『SRCのあの日のイベントは、プロモーションとして問題点がありすぎました。実際、試合当日になって契約を結ぶような試合があったようですし、勝負論の掛かった試合と、勝負論からかけ離れた顔見せマッチが入り混じっていました』(一部抜粋)  SRCを主催するワールドビクトリーロード社は、公式ホームページで、この記事により「設立以来最大の窮地に立たされております」とコメント。試合当日に契約を結んだということを事実無根とし「訂正、謝罪を強く求める」としている。  通常なら記事に対する抗議は、編集部との直接対話で解決されるだけのことだが、SRC側はスポンサー企業のドン・キホーテから「こうした偏った論調が堂々と大手をふるうようなら、すべての支援活動からの撤退も辞さない」(原文ママ)と通達されたことを明かし、この件で大会中止となったとしている。  過去、週刊誌の告発記事が発端で、人気団体PRIDEが、暴力団との癒着が疑われた末にテレビ契約を失い消滅した事態はあったが、今回の記事は批判の内容に具体性もなく、大きな社会的ダメージがあるとも考えにくい。別の格闘技雑誌のフリーライターも「大会を中止するほどの内容だろうか」と首を傾げている。 「ただ、記事を書いたライターの高島学氏はやたら大手団体に厳しい論調が目立つ人で、関係者でも嫌っている人は少なくありません。少し前に高島氏を嫌う格闘技関係者がSRCの協力者となったので、その影響とも考えられます」(同ライター)  しかし、個人的な感情でのものならば、当の高島氏を取材拒否にすればいいだけの話という感じもする。当のSRCに関わってきた選手関係者に聞いてみたところ「スタッフが業界の冷たい空気に疲れきっていることも理解してあげてほしい」と内情を明かす。 「興行の収支は赤字覚悟。そうなると収益よりも将来につながるクオリティの格闘技イベントにしているかどうかが焦点なんです。そうなると雑誌記事を判断材料にされることもあります。もちろん、SRCはまだ若い団体で、スタッフが手慣れていない部分はありますが、何か決定的な落ち度があるなら直接指摘してくればいいこと。それを現場では何も取材してこないまま、後で鬼の首を取ったように"問題点がありすぎた"などと一方的に書かれれば、スポンサーからも"ちゃんとやっていないのか"と言われる。板挟みとなるスタッフは疲弊する一方で、大会の準備どころじゃなくなります。こんな厄介な世界だと格闘技界にお金を落とす企業もいずれなくなりますよ」(同関係者)  こうした小競り合いにはの根源は「格闘技興行自体が苦しいこと」と前出ライター。 「スポンサー頼みの苦しい状況ということが一番の問題で、このままでは、来年までに大手団体がサッパリ消えてなくなるということもあるでしょう。大晦日の『DYNAMITE!!』も今年は開催されない方向で動いていると聞きましたし」(同)  それこそ主催者と記者がケンカしている場合ではないのではないか。
GONG (ゴング) 格闘技 2011年 03月号 格闘技界も出版界もたいへんです。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「ファイトマネー未払い!」格闘技K-1が資金難で身売りへ!? PRIDE消滅の二の舞か ボブ・サップ 試合ドタキャンの真相は「プロレスだと聞いていたのに......!?」 反則乱発&失神KO負けの青木真也 それでも格闘技界から"ヨイショ"殺到の裏事情

「主演は小栗旬? 水嶋ヒロ?」テレ朝の"市橋達也逃亡劇ドラマ化"は実現するか

ichihashitaiho.jpg
『逮捕されるまで~空白の2年7カ月の記録』
(幻冬舎)
 やはりテレビドラマ化なのか。  2007年3月、千葉県市川市のマンションで英国人の英会話講師、リンゼイ・アン・ホーカーさんが他殺体で見つかった事件を、テレビ朝日がドラマ化に向け動いているという話が聞こえている。  同事件では殺人罪などで起訴されている市橋達也被告が先ごろ、手記『逮捕されるまで~空白の2年7カ月の記録』(幻冬舎)を出版したが、テレ朝のディレクターによると「本の発売前、幻冬舎の役員が、以前から親しくしている局のプロデューサーらに刷り上がったばかりの本を持参して相談していた」というのだ。  同書で市橋被告は、これまで謎だった逃亡ルートや潜伏生活について明かしているが、沖縄の離島でヘビなどを食べるサバイバル生活をしていたことなど、映画さながらの内容で、ドラマの題材としてはこの上ないものだ。  実際、テレ朝では同書の発売直後、夜のニュース番組『報道ステーション』で潜伏先の離島での現地リポートを放送。被告の遺留品が押収される前の生々しい様子を独占キャッチできており、これは幻冬舎との連携だったと見られている。  「プロジェクトと呼ぶほどまでの制作グループが作られているわけではないですが、企画は着々と進んでいる様子」と前出ディレクター。  ドラマ化するとなれば当然、市橋被告の足取りが主体となる。これまで実在の犯罪者を描いた映画やドラマにはヒット作も多く、殺人罪で指名手配されながら逃亡を続け15年の時効寸前に逮捕された福田和子も、本人の手記をもとにフジテレビが02年にドラマ化、20%以上の視聴率となった。 「主役の本命には小栗旬の名前が挙がっていて、水嶋ヒロもどうかという案もあったそうです」(同ディレクター)  ただ、実現までには高いハードルがあるという。 「殺害されたリンゼイさんの遺族は手記の出版にも猛反対の姿勢を示していて、映像化の噂にも激怒していたというんです」(同)  前述の福田和子のドラマ制作に関わったフジテレビ関係者も「まず難しいのではないか」と話す。 「福田和子の場合は事件がかなり昔の話だったことが大きく、関係者の反対もなかった。でも、市橋被告の場合は記憶も新しく遺族感情も高いでしょう。何より市橋自身が起訴内容を一部否認し、争う姿勢を示してもいるのですから。さらに被害者が外国人となれば、国際問題への発展も懸念されます」  整形しながら全国津々浦々を逃亡、視聴率稼ぎに躍起なテレビ局にとっては垂涎の題材だろうが、現状でのドラマ化には人道的な疑問符がつくのは確かだ。 (文=鈴木雅久)
逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録 彼は悲劇のヒーローではない。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「遺族は強い嫌悪感」市橋逃亡手記のテレ朝独占映像はドラマ化への布石か TBSスタッフ逮捕! またも『朝ズバッ!』か!? 過熱する"市橋報道"への報復説 事態急転!「リンゼイさん殺害事件」市橋達也整形術前後の写真入手で逮捕秒読み!?

トークライブで対決実現? 都条例をめぐる猪瀬直樹副知事の夕張雪かき騒動が新局面に

inose0203.jpg
雪かきも出来ない夕張市の市街(上)と
ちゃんと雪かきもされている室蘭市(下)。
 「ネトウヨは財政破綻した夕張を助けに行け。雪かきして来い」。昨年、東京都の猪瀬直樹副知事のTwitterでのつぶやきから、始まった「夕張雪かき騒動」が新たな展開を見せている。  この騒動、発端は、マンガ・アニメの規制を巡って対立した東京都青少年健全育成条例改定案だ。この最中の昨年12月5日、猪瀬副知事がTwitterで「表現規制ではない。デマゴーグに踊らせられているだけ」とつぶやいたところ、この問題を取材しているジャーナリストの昼間たかし氏が「ならば、その旨を取材させて下さい」と返答、すると猪瀬副知事が取材に応じる条件として、財政破綻で苦しむ夕張市での雪かきを提示したのだ。  これに、昼間氏と共に応じたのが、マンガ家の浦嶋嶺至氏。浦嶋氏は、一足先に今年1月21日に夕張を訪問し同市の社会福祉協議会の案内で雪かきを完了。取材の方法について猪瀬副知事と折衝を始めている。  昼間氏も、今月24日より開催される「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2011」に併せて、夕張を訪問し雪かきを行うことを表明。 「日本国内のみならず、海外からも注目される国際映画祭の開催中に、雪かきを行うことで海外の方々や、マンガ・アニメファンに限らない多くの人に、この問題を考えてもらいたい」(昼間氏)  単に取材しながらアピールするのかと思いきや、昼間氏は、映画祭の「スペシャルプログラム」として出品されている映画「彗星の降る夜に -バイオ・サバイバル@JK-」(監督:やなぎさわやすひこ)には出演者として名を連ねている。  この映画祭は夕張市はもとより、周辺地域の市民も参加し協力する、人の繋がりの濃いもの。猪瀬副知事が繰り返し賛辞を送っている元都庁職員で、夕張市長選に立候補を表明している鈴木直道氏も映画祭に参加するそうで、出演者自ら、雪かきをしながら問題をアピールするインパクトは大きい。  なにより、都条例のインタビューを通して脚光を浴びていることに、地元の人々が、どのような反応を示すかも、目が離せない。 ■公開インタビュー実現に向け支援イベントも決定  様々な方向に飛び火し始めた、この騒動。ここに、新たな支援を表明したのがトークライブハウス・ロフトプラスワンをはじめとする「ライブハウスロフトグループ」席亭・平野悠氏だ。  平野氏は2月2日、「プラスワンで猪瀬副知事の公開インタビューをしたいと思っている。中継も行うつもりだ」と表明。早速、昼間氏がTwitterで「猪瀬直樹氏を、お招きしてロフトプラスワンにてトークライブを開催するプロジェクト始動」とつぶやいたところ、猪瀬副知事は即座に「勝手に決めても行きません」と反応。これに対して、平野氏は「それは猪瀬さん。上から目線過ぎませんかね?ミカドの肖像が泣きまする。あっ朝まで文化人でしたか?」と、反応するなど、騒動の加熱はもはや止めることができない。  平野氏は01年2月、当時ワイドショーでバッシングされていた野村沙知代氏が、新宿LOFTで「ニューロティカとサッチーの逆襲」というイベントに出演した際、キャスターの小倉智昭氏がフジテレビの番組『とくダネ!』で「この若者達は、いくらもらって来たの?」と客をサクラ扱いした発言に憤慨。「小倉あやまれ友の会」を結成しフジテレビの前をデモ行進。さらに、フジ株主総会に乱入するなど、フジテレビ役員から謝罪文を勝ち取るまで戦った「戦歴」の持ち主。  そんな熱い人物の参戦に加えて、昼間氏も「行きません」という猪瀬副知事に「ならば、雪かき後に提案する」と返答しており、トークライブでの公開インタビューは着実に実現の方向へと動いているようだ。  こうした熱いエールを受けて2月5日(土)と2月12日(土)には、イベント開催も決定。  トークライブの実現を支援するためにも、多くの人の参加が期待されている。 ◆緊急決定!-浦嶋嶺至プロデュース- 「猪瀬副知事が『夕張で雪かきして来い、それなら会う。』と言うので雪かきしてきました。報告会」 ▼日程 2月5日(土) OPEN 11:30 / START 12:30 OPEN 12:30 / START 13:00 時間が変更になっています。ご注意ください。 ▼会場 ロフトプラスワン 新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/ ▼出演 浦嶋嶺至(漫画家)、他ゲスト未定 <聞き手> 山本夜羽音(漫画家、北海道出身) 予約 / 当日 ¥600(飲食代別) ※予約はプラスワンHPより受付中! <http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/reservation◆映画「おやすみアンモナイト」アンコール上映 マンガ論争なう 昼間たかしの逆襲!! ※都条例、雪かき問題に加えて2009年のゆうばり映画祭にてフォーラムシアター部門招待作に選ばれた昼間たかし脚本作『おやすみアンモナイト 貧乏人抹殺篇/貧乏人逆襲篇』(監督: 増田俊樹)を上映。 ▼日程 2月12日(土) OPEN 11:30 / START 12:30 ▼会場 阿佐ヶ谷ロフトA 東京都杉並区阿佐谷南1-36-16-B1 <http://www.loft-prj.co.jp/lofta/index.html> ▼出演 昼間たかし(ジャーナリスト/脚本家) <ゲスト> 永山薫(批評家) 増田俊樹(映画監督) 赤木智弘(フリーライター) 辻岡正人(映画監督) やなぎさわやすひこ(映画監督)他 前売¥1,500/当日¥1,800(共に飲食代別) ※前売りチケットは当店のウェブ&電話にて予約受付中!! 03-5929-3445(阿佐ヶ谷ロフトA) <http://www.loft-prj.co.jp/lofta/reservation/reservation.php?show_number=593※これらのイベントには猪瀬さんは来ません。
マンガ論争4 よろしくです。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 青少年課長も「前と言っていることは変わらない」と認める『新・健全育成条例改定案』の中身 18禁ロリマンガはどう使われた? 東京都青少年課が行った情報隠蔽工作とは 【速報】角川書店に続き、集英社・小学館・講談社もアニメフェアをボイコットへ!