恋人発覚の石川遼 ついにステージパパと決別か!?

DSC_5171.jpg
「女性セブン」11月10日号より
第1位 「石川遼 確執中の父と豪邸に泊める同級生カノジョ婚約者」(「女性セブン」11月10日号) 第2位 「独裁者『橋下知事』出生の秘密」(「週刊新潮」11月3日号) 第3位 「『週刊現代』は『年金カットやむなし』と主張するのですね」(「週刊ポスト」11月11日号)  このところ「週刊現代」に対する風当たりが強いようだ。原発事故後の放射能汚染報道では、その危険性を毎週キャンペーンして、「週刊ポスト」や「週刊新潮」から「あおり過ぎる」と批判された。  私は、放射能に関しては、どこからが安全だという基準が専門家でさえ分からない現状では、少ない線量でも浴びない方がいいと考えるから、「現代」の立場に近い。  最近では、ノンフィクション・ライターの岩瀬達哉がグリコ森永事件を取材した連載「21面相は生きている」の中で、作家・黒川博行が「犯人と断定された」と憤り、「週刊文春」や「週刊朝日」で手記を発表して話題になっている。  これに対して「現代」側は、誌面を見る限り反論も謝罪もしていないが、講談社の人間に聞いたところ、黒川側と話をつけるべく水面下で動いているようだ。  ということは、「現代」側が非を認めて非公式に謝り、何らかの見返りを渡すということなのだろうか。もしそんなことをすれば、ノンフィクション界を背負って立っている岩瀬に傷が付かないだろうか。この騒動の行方を注視しなければいけない。  今週は「ポスト」が巻頭で、先週号の「現代」の記事「亡国の年金改悪『30年計画』を暴く」を真っ向から批判している。  「ポスト」の要旨はこうである。「現代」の記事は一見、厚労省OBが年金行政の暗部を暴露するかのような記事に思えるが、内容は「支給額を減らせ」「保険料を上げろ」と国民に負担を押し付け、年金役人を喜ばせることを是としているとしか読めない。  しかも、話を聞いているOBというのが、年金大改悪のスタートとなった1985年の制度改革を手がけ、その後、天下りや渡りでしこたま年金を喰ってきた「ザ・年金官僚」ともいうべき坪野剛司元厚労省年金局数理課長ではないか。  坪野は年金制度を立て直すには「支給額を下げる、保険料率を引き上げる、支給開始年齢を上げる。この3つしかない」と言い切っているが、これでは年金の賭け金をコツコツと数十年にわたりマジメに払い込んできた国民に、三重苦を強いるべきだと言っているのと同じで、「だまし討ち」ではないかと批判している。  さらに「現代」が使っている「年金を支給」は官僚側からの発想で、年金は国民が当然受ける権利があるのだから「受給」とすべきだとしている。  「これでは『年金役人の広報誌』に成り下がったと断じざるを得ない」とし、「ポスト」はあくまでも国民の側に立って、年金を官僚から取り戻す姿勢を貫くと高らかに宣言している。  先週号の「現代」を読み返してみた。全体の論調は、これだけ年金制度が破綻しかけているのだから、全国民で痛みを分かち合う覚悟を持つべきだというものだが、いささか官僚側の言い分に寄り過ぎている印象は受ける。  さて、名指しされた「現代」はどうする。これまでと同じように、我関せずを通すのか。だが、少なくとも「21面相」問題については何らかの見解を公表しないと、「現代」ばかりでなく週刊誌全体の不信感につながりかねない。  第2位は、「大阪都」構想を引っ提げて市長選に立候補した、橋下徹知事のプライバシーを明かした「新潮」の記事である。  「同和」「ヤクザ」「殺人」など刺激的な言葉が小見出しに入っている。「文春」も似たような企画をやっているが、「新潮」の方が質量ともに勝っている。  最近、週刊誌にこれほどの悪口を書かれた人物は思い浮かばないが、「朝日」によれば本人は堺市内のホテルでの講演会で「これは戦争ですから、週刊誌にいろいろ書かれていますが......。まあ、ほぼ事実です」と話しているという。  そもそも発端は、「新潮45」(11月号)で橋下の叔父がこう語ったことからであった。 「あいつのオヤジは、ヤクザの元組員で、同和や」  叔父も、橋下の父・之峯(ゆきみね)も博徒系ヤクザ「土井組」の組員で、之峯がハシシタという読み方をハシモトに変えたのだそうだ。父親は博打好きで、ヤクザに借りた借金が返せずに自殺したのだと、父親の知人が語っている。  橋下の従兄弟には殺人での逮捕歴がある。橋下は知事になって府の財政をすべて見直すといっていたのに「同和予算」だけは削らない。  若手弁護士時代、大阪きっての売春地帯・飛田遊郭の法律相談を引き受けていた。橋下の秘書が大阪ミナミのラブホテルの最上階で乱痴気パーティーをやっていた。  虎の威を借る「大阪維新の会」の面々の中には叩けば埃が出る者がいるなど、これでもかのえげつない橋下攻撃である。  それも彼の持つ人気とカリスマ性からのものだが、このところ翳りが出てきているという。楽勝かと思われていた平松邦夫市長との"決戦"でも危ういという見方が出ているし、知事選に送り出した「大阪維新の会」の松井一郎府議は知名度がなく苦戦が予想されている。  「朝日」によれば橋下陣営は、直前で知名度のある東国原英夫前宮崎県知事に入れ替えようという「ウルトラC」を企んでいるという情報もある。  確かに面白いが、この"大阪の乱"に目を向けているうちに、野田どじょう総理がTPP加入を「決断」しかねない。こちらも目を離したらアカン。  さて今週のグランプリは「女性セブン」のスクープ。いまや国民的なアイドルになった石川遼(20)に恋人がいるというのだ。  「セブン」と「ポスト」は同じ小学館である。「ポスト」に面白いことが出ている。「セブン」が出る10日ぐらい前、編集部に石川の父親・勝美が「怒気を露わに」して電話をかけてきたそうだ。  散々怒った揚げ句、勝美は電話を切ったが、「ポスト」編集部には何のことだか分からない。数日後、母親・由紀子が代表を務めるマネジメント会社の代理人から配達証明があった。「小学館の所属を名乗る記者が問題を起こしている。(石川の)取材をしているのかどうか伺いたい」という内容だった。  「セブン」が書くと分かってからは、父親は「セブン」のスクープを潰すため、発売前に大慌てでマスコミ各社に「石川に交際女性がいる」とFAXを送ったのだ。  子どもの心親知らず。最近の石川は、まだ海外メジャーで戦う実力にないと判断し「素人である父のコーチでは限界があると、ジュニア時代に指導を受けたプロコーチと契約を結んだ」そうで、最近では練習場で父のアドバイスを無視する光景が見られるという。  「セブン」はこう書いている。10月16日、埼玉県松伏町にある石川の大豪邸の駐車場に1台の軽自動車がとまっていた。まだ石川は帰ってこない。  翌17日、再び同じ軽自動車が駐車場に現れる。「白いシャツを羽織り、足下は黒のブーツ。女優の水川あさみ似のA子さんは、さらさらのセミロングヘアをポニーテールにしていた。その車の助手席に座っていたのは赤いチェックシャツ姿の石川だった。ふたりはそろって豪邸の中へと入っていった」(セブン)  ふたりは中学校の同級生で、家も近く家族ぐるみの付き合いだそうだ。 「出会って7年。ふたりで密かに育んできた純愛は、石川に、父親から離れ、自分の手で新しい家族を作るという未来図を見せていたのだろう」(同)  「現代」によると「見た人はみな感動する 石川遼の彼女は美しすぎる」そうである。誌面には中学時代の記念写真を掲載し、ふたりがそろって写っているが、残念ながら彼女には目線が入っていて、ハッキリとは分からない。こちらは小西真奈美似だとある。  ゴルファーは結婚すると活躍するというジンクスがある。今年の石川はいまひとつ勝ち切れないが、これをきっかけにもうひとつ上のステージを目指しほしいものだ。そのためにはステージパパの父親が、息子離れする必要があるのは言うまでもない。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
石川遼の育て方 夢に向かってまっすぐな子が育つ石川家のルール42 ある意味、まっすぐに育ったね。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 池田大作重病説は本当だった!? 元・看護師が明かす厳戒病室 高齢者獲得のためのあの手この手......これからのフーゾクの上得意は"年金族"? 「綾瀬はるかの顔の横にペニスがズラリ!?」ポスト渾身のセックス特集

池田大作重病説は本当だった!? 元・看護師が明かす厳戒病室

motoki1024.jpg
「週刊文春」10月27日号 中吊り広告より
第1位 「モノクログラビア 誕生日は、3月11日」(「週刊文春」10月27日号) 第2位 「池田大作『創価学会』名誉会長『厳戒病室』本当の病状」(「週刊文春」10月27日号) 第3位 「ミステリー作家黒川博行『怒りの独占手記』週刊現代デッチ上げで『かい人21面相』にされた私」(「週刊文春」10月27日号)  1週間の中国旅行から帰った金曜日の夜、家人に買っておいてもらった週刊誌を読む。面白い。新聞はiPadでチェックしていた。週刊誌は雑誌の中吊りアプリでタイトルは見てはいたが、内容を読めない欲求不満がたまっていたから貪るように読んだ。  厚生労働省が突然、年金部会に提示した「年金開始年齢を68~70歳で検討している。65歳に引き上げの前倒しもある」という理不尽な案に、当然ながら各誌が怒っている。だが、幾分不満なのは、ではどうすればいいのかという具体策について頷けるものはなかった。  「フライデー」の「宮崎あおい、夫・高岡蒼甫とついに別居!」は、宮崎が二人の愛の巣を出て東京都下のマンションで暮らし、すでに二人の仲は破局していることを丹念な取材で明らかにしている。  「週刊新潮」が東京都世田谷区の住宅街で発生した高い放射線量騒動を取り上げている。結果、放置された夜光塗料に使われていたラジウム226だったが「年間30ミリシーベルトを50年浴びた『女性』はガンになったか!」と、92歳の女性もその家族もガンでなくなった人はいないと、放射能にビクビクしている読者に、そう心配しなくていいのだといっている。  22日土曜日の夜、お茶の水の山の上ホテルで行きつけのバーの「5周年を祝う」会があった。そこで話題になっていたのが、3位に上げた黒川博行の手記である。  「週刊現代」でノンフィクション・ライターの岩瀬達哉が、時効になったグリコ森永事件を取材して連載した「スクープ直撃!あなたが『21面相』だ」の中で、仮名だが犯人と断定されたと怒っている。  前の週の「週刊朝日」が黒川の「現代」告発を取り上げているが、こちらはより詳しく伝えている。  事件当時、黒川はデビュー作が脅迫状の文面や身代金の受け渡し方法が酷似していたことで、兵庫県警に事情聴取されているが、その時点で疑いは晴れているとしている。岩瀬と編集者に3回取材されたが、「あなたが真犯人ではないのか」という質問はなかったという。  岩瀬が黒川を真犯人だと疑う根拠は、犯人とされる人間との身長と年齢が合致、犯行に使用された車と似た車に乗っていた、容易に青酸ソーダを入手できた、脅迫テープに言語障害を持つ子どもの声が録音されているが、黒川の妹の息子にも言語障害がある、犯行現場に土地勘がある、などである。  だが黒川は、妹に言語障害の息子はいない、土地勘はない、青酸ソーダを入手できるメッキ工場は親族が経営しているが、事件当時はプレス工場だったと3点は間違いだと主張している。  取材の際のやりとりのおかしさから、黒川が真犯人だという思いこみが前提にあったとも指摘している。  当然のことながら、岩瀬と「現代」に対して抗議したが誠意ある回答はないと憤る。今回「文春」も岩瀬と「現代」に取材しているが、コメントはない。  私は岩瀬を知っているが、地道に取材をするライターである。年金問題を暴いたことでも有名で、彼が単なる思いこみで書くとは思いにくいのだが。  「朝日」は今号でも、犯人らがグリコ社長拉致に使用した車について、岩瀬の重大な事実誤認があると批判している。「週刊ポスト」も、かつて犯人のキツネ目の男に酷似しいているといわれた作家の宮崎学を、この件でインタビューしている。宮崎は連載も読んでいないし、コメントのしようがないとつれないが。  仮名で書いたのだからという言い逃れはできない。「現代」と岩瀬側はどんな反論をするのかと期待して「現代」を読んでみたが、おいおい、一行も触れていないではないか。  2年前になるが、「新潮」で朝日新聞襲撃犯の手記を掲載し、それがまったくのウソだったことが朝日新聞や他誌の指摘で明らかになり、ついには告白した当人が「文春」などで、手記は「新潮」に強制されたと告白して、「新潮」は大失態を演じた。  そのこともあって「新潮」だけではなく、他の週刊誌も売上げが減少し、存亡の危機に立たされたことを思い出す。  その後、「現代」は鈴木章一編集長が「団塊向け週刊誌」という原点帰りをして部数を少しずつ戻し、東日本大震災や島田紳助スキャンダルで勢いをつけ、ナンバー1の「文春」に迫ろうかという時期に起きた大トラブルである。  岩瀬も「現代」編集部も、黒川の批判にきちっと答える義務がある。小沢一郎のカネの問題で説明責任を果たせと追及してきた「現代」が、この問題に説明責任を果たさなければ、小沢追及とはいったい何だったのかを問われるのは間違いない。次号でやらなければ時機を逸し、また週刊誌への不信が高まり、「新潮」の二の舞になる。岩瀬と鈴木「現代」編集長が記者会見を開いて、説明すべきだと思うが。  さて、池田大作創価学会名誉会長といえば、日本を牛耳るドンのナンバー1といってもいい人物である。その池田名誉会長が昨年5月中旬以降、公の場に姿を見せていないことから重病説もささやかれてきた。  83歳だから、失礼だが病気で伏せっていてもおかしくはないが、なにせ大組織・創価学会を率いる人だから、万が一のことがあれば、組織や公明党まで、大きな影響を及ぼす。  「文春」は、その池田名誉会長の病状を間近で見たというAさんから話を聞いている。これが今週の2位。  Aさんは東京信濃町にある創価学会の医療関連施設「南元センター」で看護師として勤務していたという。数カ月にわたり看護をしてきたAさんは、池田名誉会長の病状をこう語っている。 「先生の病気は、脳梗塞です。梗塞は2カ所にあり、もともと糖尿病という持病をお持ちなので、合併症を誘発する恐れもあります。自力で歩くことはできず、移動は車椅子でした」  聞き取りづらい部分はあったが、入院当初は会話はできていたという。しかし東日本大震災以降、他人の認識できないこともあり、咀嚼が困難になり、食事をきちんと摂れなくなったため、誤嚥性肺炎の恐れから1日3回、経管注入で栄養剤を入れているという。  なぜ彼女は神のように崇めていた人の病状を明らかにしたのか。 「(中略)幹部の方々は、心配する我々学会員に対して『先生は元気です』とアピールするばかりです。しかし、それは学会員を欺き、池田先生を冒涜しているのと同じではないでしょうか。末端の学会員にも先生の現状をお知らせして、先生のために大勤行会を開いた方がいいと思うのです」  私が読んだ印象では、この告白の信ぴょう性はかなり高いと思う。どちらにしても池田名誉会長の体調ははかばかしくなく、近い将来、後継者問題が表面化してくることは間違いない。次期リーダーに誰がなったとしても、彼ほどのカリスマ性を持ったリーダーにはなり得ないから、この大宗教団体の今後は波乱含みであろう。  東日本大震災の傷跡はまだそこかしこに残り、復旧、復興はかけ声ばかりで、政治も役人も心底から被災者のことを思ったいるのか疑問に思えてならない。  しかし、どんなに被害を受けようとも、新しい命が生まれ、育っていくことを、この「文春」のグラビア特集は気付かせてくれる。  ここには3月11日に被災地で誕生した11の新しい命が載っている。春晴(はるせ)、瑞萌(みづき)、輝道(てるみち)、陽生(はるき)など、被災した親の思いがこもっている名前が多い。  春晴ちゃんは「早朝、石巻の病院で生まれる。(中略)交通手段もなく、家族が全員で顔を合わすことができたのは、4月6日。『春晴という名のように、よく晴れた日で、一生忘れられないと思います』と父・健司さん」  輝道ちゃんは、母親が初乳をあげようとしていたとき地震に襲われた。母親はとっさに輝道ちゃんにおおいかぶさると、その上から助産婦もおおいかぶさってくれたという。  陽生ちゃんは地震の直後に生まれた。母親は福島県の病院の陣痛室でその時を迎えた。看護婦の誘導で、寒い中大きなお腹を抱えて病院の駐車場に移動し、彼女の父親の車のシートを倒して布団を敷き、そこで産んだ。  お湯は出なかったから沐浴はできず、出生時刻を忘れないようにと、生まれたばかりの陽生ちゃんの足にマジックで書いたという。  虎ちゃんが生まれたのは地震から40分後。仙台市内の病院の受付の奥にある簡易ベットだった。生まれたはいいが余震が続く。へその緒を切るはさみやタオルがなく、看護師が探してくれた。書くものがなかったので、生まれた時刻はその場にいたみんなで覚えた。父親は虎ちゃんが息をしていないことに気付く。看護師が管を見つけてきてくれて、虎ちゃんののどに入れ、吸引して泣き声が戻る。その後、外へ出ると、避難していた人たちが「良かったね」と拍手をしてくれたという。  凛ちゃんの母親は青森市内の病院の分娩室にいるときに震災が起き、停電になった。「部屋が暗くなっていくので、早く産まなくちゃと焦った」と母親は話している。その夜は懐中電灯一つで過ごした。「人の痛みが分かる優しい子に育ってほしいと」と父親が言っている。  「天から遣わされた」ような命がすくすくと育っていってほしいと思う。切った張ったばかりではなく、こうした目線が読む側をほのぼのと温かくしてくれる。これが今週のグランプリである。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
池田大作名言100選 沁みるっ!! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 高齢者獲得のためのあの手この手......これからのフーゾクの上得意は"年金族"? 「綾瀬はるかの顔の横にペニスがズラリ!?」ポスト渾身のセックス特集 19年前「私も一緒に焼いて!」と叫んで姿を消したちあきなおみ その消息

「分裂の危機を回避していきたい」ノイタミナ山本PがTAF問題に言及

taf200101.jpg
 東京都青少年健全育成条例(以下、都条例)改正に伴い、これに反発するコミック10社会が参加を取り止め、開催が危ぶまれていた東京国際アニメフェア(以下、TAF)2011だが、最終的には東日本大震災の影響により中止となった。TAFと同日に開催予定だったアニメコンテンツエキスポも中止となり、以後、この分裂状態は解消されていない。  イベントそのものが中止になってしまったため、TAF2011内で実施を予定していた「第10回 東京アニメアワードコンペティション」(以下、アニメアワード)の表彰式と「第7回 功労賞」の顕彰式も延期になっていたが、その式が10月10日、東京ビッグサイトで行われた。  この会場で一歩踏み込んだ勇気ある発言をしたのが、"ノイタミナ"の山本幸治プロデューサー(株式会社フジテレビジョンクリエイティブ事業局映像コンテンツ事業部)だった。ノミネート作品 テレビ部門 優秀作品賞に『四畳半神話大系』が選ばれ、受賞に際してコメントを発したときのことである。 「ノイタミナという放送枠を、もう7年くらいやっているんですが、『四畳半神話大系』という作品と湯浅政明という監督は圧倒的に個性的な人、作品でした。まさか、『ガンダム』(機動戦士ガンダムUC)や『けいおん!!』(2期)に並んで賞がいただけるとは思っていなかったですし、そんなアヴァンギャルドな作品に賞をくれるTAFのアワード、素敵じゃないか、と思っております。  ここからは個人的な話になるんですが、そんな作品やクリエイターを公に評価する、していただける場はなかなかありません。とても貴重な場だと思っておりますが、一連の都条例問題以降のゴタゴタは非常に残念で、力を合わせて、先ほど個人のクリエイターの方のおっしゃってきたように、"日本を元気にする"ため、分裂の危機を回避していきたいと思っております。我々も頑張ります」  公募作品で世界のクリエイターを、ノミネート作品で"アヴァンギャルド"なプロの制作者を、功労賞で道を切り拓いてきた先達を称え、あるいは奨励するアニメアワードは、山本プロデューサーがいうように貴重な場であることは間違いない。  今回、OVA部門では『機動戦士ガンダムUC』が優秀作品賞に輝いているが、同作品の小形尚弘プロデューサーが「なかなかこういった賞とはご縁のないロボットアニメなんですが、こだわりを持ってこれからも作っていきたい」と言うように、賞レース向きではないジャンルアニメに対しても優れた作品であればフェアに評価するという面を持っている。  しかし、それも片肺飛行では意義を失いかねない。TAF2012は来年3月22日から東京ビッグサイトで開催が決まっている。一方、アニメコンテンツエキスポに2回目があるかは未定だ。  統合か、それとも分裂か。あるいは片肺のままTAFだけが開催されるのか。この問題を決着させないとすっきりしない。いつまでも震災でうやむやにしておくわけにもいくまい。  功労賞の顕彰式は素晴らしかった。やはり長い人生を歩んできた人々の言葉は重く、そして深い。  『キューティーハニー』『魔女っ子メグちゃん』『ベルサイユのばら』『聖闘士星矢』で知られるアニメーター荒木伸吾のコメントに込められた思いは多くの制作者に共通するところかもしれない。 「私は約45年間アニメーションの原画を描いてきましたが、その中で自分が一番よかったなと思うのは、アニメを見て育った子どもたちが、私の絵を通して物語の中から素晴らしいものを夢描いてくれたことです。今になって本当に、アニメーションの原画を真剣に描いてきたことを、誇りに思います。アニメーターというのは非常に地味な存在で、でも一番肝心なところを受け持っている絵描きたちです。その人たちが、アニメーションの難しさの中で進んでいくには、目標が必要です。その目標を見失わないように、初めは苦しいんですが、目標に向かって自分を励ましながら描いていってほしいと、後輩たちに言いたいです。  私はこれからもアニメーションや漫画を描いて、その中から、自分としてここまでやってきたんだと、満足できるところまで......手が震えていますが(苦笑)、なんとか自分を励ましながらやっていきたいと思います。今日は本当に私だけじゃなく、アニメーターを代表してこの賞をいただいていきます」
taf201102.jpg
冨永みーなが永井一郎に顕彰状を渡す。
 今回は『サザエさん』の加藤みどり(フグ田サザエ役)、永井一郎(磯野波平役)、麻生美代子(磯野フネ役)、貴家堂子(フグ田タラオ役)が顕彰されている。サザエの弟、三代目磯野カツオ役を演じる冨永みーながサプライズゲストのプレゼンターとして呼ばれ、顕彰状を授与する際には、「ねえさん」である加藤みどりから笑いが漏れた。  日本の本格的な商業アニメには『鉄腕アトム』から数えて既に50年近い歴史がある。最大級の地震、津波、原発事故に襲われたことしがほぼ世紀の折り返し地点。ここからアニメをどうしていくのか。課題が突きつけられている。  受賞者と受賞作品は以下の通り。 ◆アニメアワード《公募作品》/応募396作品 公募作品グランプリ 『Trois Petits Points』(フランス) 一般部門 優秀作品賞 『Thought of You』(アメリカ合衆国)『フルーティー侍』(日本) 学生部門 優秀作品賞 『HONG』(中国)『MOBILE』(ドイツ) 特別賞 『くちゃお』(日本) 企業賞 東京ビッグサイト賞 『SWING』(台湾) CortoonsItalia 2011 『CHILDREN』(日本) 入選 『farm music』(日本)『ユートピアン』(日本) ◆アニメアワード《ノミネート作品》/415作品  アニメーション オブ ザ イヤー 『借りぐらしのアリエッティ』 テレビ部門 優秀作品賞 『けいおん!!』『四畳半神話大系』 国内劇場映画部門 優秀作品賞 『借りぐらしのアリエッティ』 海外劇場映画部門 優秀作品賞 『トイ・ストーリー3』 OVA部門 優秀作品賞 『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』 個人部門 監督賞:米林宏昌『借りぐらしのアリエッティ』、脚本賞:丸尾みほ『カラフル』、美術賞:武重洋二/吉田昇『借りぐらしのアリエッティ』、キャラクターデザイン賞:馬越嘉彦『ハートキャッチプリキュア!』、声優賞:豊崎愛生『けいおん!!』、音楽賞:CECIL CORBEL『借りぐらしのアリエッティ』 ◆第7回 功労賞 有賀健、荒木伸吾、小隅黎、勝間田具治、浦田又治、雪室俊一、神原広巳、千蔵豊、加藤みどり、永井一郎、麻生美代子、貴家堂子 (取材・文・写真=後藤勝)
四畳半神話大系 第1巻 おめでとうございます。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 マンガ・アニメの未来はどうなる? またまた浮上した児童ポルノ法改定問題の行方 「表現の自由」では許されない エロマンガ「自粛案」の顛末と、児童ポルノ法改定強化の危機 ついにロリマンガ消滅へ 業界団体が示した「自粛案」の苛烈さ

高齢者獲得のためのあの手この手……これからのフーゾクの上得意は"年金族"?

13119.jpg
「週刊朝日」10月21日号
第1位 「福島第一原発"最高幹部"がプルトニウム検出の真相を語る 調べればもっとひどい現実がわかる」(「週刊朝日」10月21日号)) 第2位 「『60歳以上向けフーゾク』行列のできる店」(「週刊ポスト」10月21日号) 第3位 「独占入手!島田紳助『山口組ナンバー2との親密写真』」(「フライデー」10月21日号)  アップルのS・ジョブズが死んでしまった。彼の有名な言葉「ハングリーであれ、愚かであれ」を思い出す。こうしたベンチャー企業で、トップが創業者から変わってうまくいっているところなんかあるのだろうか。スポーツの世界でもよくいわれる。長嶋と王のいない巨人の監督になった王は大変だったろうと。  さて、今週の第3位は「フライデー」のスクープ第2弾。  紳助が極心連合会の橋本弘文会長を上回る山口組の大幹部と同席していた写真や、どないや紳助、グーのネもでえへんやろう。  見開きでドーンと出てるがな。右におるのが山口組のナンバー2、弘道会・高山清司会長や。山口組のナンバー4とナンバー2の間に座ってる芸人なんて、フツー考えられんことやそうや。  兵庫県警の関係者が言うてはる。 「大きなシノギ(収入を得るための手段)について、話し合いをしていたのかもしれない。山口組内では、紳助はフロント(企業舎弟)として認識されているのかもしれません」  これで紳助も絶体絶命やな。だけどこの写真、どこかで見たんと違うか? あれっ、この間スクープした写真と同じやないか。あん時は高山会長のところだけカットして出して、今度は全部出したというこっちゃな。  1粒で2度おいしいグリコのようなことやるんやな。まあ、どっちゃにしても橋本会長と高山会長がOKしたというこっちゃな。やっぱり会見で紳助が、橋本会長とそんなに親しくないと言ったことで、2人を怒らせてしもうたんや。  紳助の持っとる不動産にも暴力団が絡んでるという話やし、まだまだ紳助がらみの悪い話はでてきそうやな。  第2位は軟派記事でこのところ気を吐く「ポスト」の記事。人生80歳時代。還暦なんかまだまだハナタレ小僧みたいなもんだ。  だいぶ前から年金支給日はソープランドやマッサージ、中にはデリヘル嬢をホテルに呼ぶ高齢者もいるといわれていた。  草食系といわれる若い男連中は風俗には来ない。やはり狙い目は若いころからフーゾクにどっぷり浸かったことのある団塊世代。そこで連中が考え出したのは高齢者獲得のためのあの手この手だ。  東京・吉原のソープ街では年金が支給される偶数月の15日からしばらくの間は高齢者の客が急増する。これを「吉原年金族」というとポストに書いてある。  30歳未満の客はお断りの池袋の派遣型アロマエステ。やはり客を30歳以上に限定している東急沿線のデリバリーヘルスでは、30代が90分コース2万5,000円で、ナイスミドル会員は2万4,000円、ナイスシニア会員だと2万3,000円と年齢が上がるほど安くなる。  完全予約制で"心のふれあい"を大事にしているという中高年専門の老舗・店舗型ヘルス「ナイスミドル」は高田馬場駅近く。11年前にオープンしたが、60歳代が客層の中心で、岡山、北海道からも来てくれる客がいるという。  ED(勃起不全)に悩む男にとって打ってつけなのが、池袋の派遣型回春マッサージ。ここは高齢者の場合、看護士の資格を持った女の子を派遣するようにしているそうだ。  障害者や高齢者専門のデリバリーヘルスが大阪にある。ここへ入店する娘には、体の起こし方や脱がせ方、あそこの洗い方、手動式人工呼吸器の使い方まで指導する。ここは会員になると70分1万8,000円と指名料2,000円と交通費がかかる。90分で1万5,000円の「プラトニックコース」もあるという。  コラムも面白い。鶯谷の熟女専門のデリヘルに82歳のフーゾク嬢がいるといううわさを聞いて探してみると実際にいて、大塚駅近くのラブホに来てもらった話が書いてある。お客さんは実母のように甘えてくるのがいたり、話し相手欲しさに来る客が多く、空襲や戦争体験を彼女に話すそうだ。  私が会社に入ったころ、渋谷に60歳を超えたトルコ嬢(今のソープランド嬢)がいて、尺八が上手いと評判で、夜な夜な通う先輩がいた。どうしてそんな婆さんがいいんですかと聞くと、歯が抜けていてほとんどない、だから何ともいい難い感触がいいんだと、ニヤニヤしながら教えてくれた。横浜にメリーという娼婦がいたことが話題になったことがある。映画まで作られたが、彼女も相当な歳だった。  これだけ高齢者が増えてきて、まだまだ下半身も元気な連中は、これからのフーゾクの上得意になること間違いない。そういう意味では「ポスト」は金鉱を掘り当てたのかもしれない。  第1位は地味な記事だが、内容はすごい「朝日」の記事。9月30日、文科省は原発80キロ圏でストロンチウムが検出され、さらに原発の北西部・飯舘村ではプルトニウムが検出されたと発表した。  こうした深刻で大事な話を、なぜ2ページしかやらないのか疑問はあるが、やらないだけましか。  フクイチの最高幹部は以前「原子炉から核燃料が飛び散った可能性がある」と話していたが、それが現実になったのである。  プルトニウムは重いし、3号機のプルトニウムは陶器のように焼いて固めてあるから、そう遠くまで飛散しないと思っていたそうだが違った。 「そう考えると、今回のプルトニウムの検出は、3号機の爆発がいかに大きかったかという裏付けになるでしょう」  爆発直後「プルトニウムは飛ばない」と言っていた御用学者を非難し、調査サンプルが十分でないと疑問を呈している。  特に警戒区域、計画的避難区域のサンプルが少ない。それに文科省は約3カ月前に調査していたのになぜこんなに発表が遅れたのか? その理由は調査グループのメンバーを見ればわかるという。 「今回の調査には、電気事業連合会(電事連)がサンプル採取にかかわったと聞いています。(中略)言うまでもなく、みんな、原発を持っていて、つぶしたくない人たち。公正さを考えれば、今後、調査方法は考え直す必要があります」  プルトニウムは長く残存するし、少々取り除いてもダメだという。 「それほど爆発の威力が大きかったということを認め、汚染地域の住民の皆さんの帰宅は再考する必要があります。いくら除染しても、すぐに放射線量が下がるとは限りません。除染に使った水などの処理はどうするのか。下水や地下に流れたり、地中にしみこんだりして、また汚染が広がってしまう」  「週刊文春」のモノクログラビア「飯舘村の叫び」と合わせて読んでもらうといい。 「今度のプルトニウムも東電は知っていて今頃出してきたんだ。次は何が出るんだか。我々をバカにしてんだべ。バーアンと爆発したとき、県や市のお偉いさんは我々を置いて逃げたんだって。知らなかったのは我々だけだ」  今も「見捨てられた村」に残って暮らす佐藤義明さん(60)の言葉である。  84歳になる佐藤強さん(84)は、今年は米作りはできなかったが、この時期は山にマツタケをとりに行くのが楽しみだという。「飯舘のマツタケは最高だ」「俺は自分で作ったものを食べているんだ。放射能なんか関係ねぇんだ」。  愛する家畜たちを守りながら生活している夫婦もいる。こうした村を捨てず共に生きる覚悟をもった人びとの声は、永田村で安穏と暮らしている政治屋や霞が関村の税金泥棒たちには届かない。  何度もいうが、もはや原発事故は収束したかのような政府の発表と、それを鵜呑みにする大新聞やテレビ報道にだまされてはいけない。  福島第一原発事故は次第にその大きさが分かってきた。最悪の事態は避けられたかもしれないが、まだ放射能が飛散していることは間違いない。私の友人が先日福島市に行ってきた。だいぶ前に測った高い放射線量が減少していないところがまだまだあるそうだ。  ということは、放射線が福島第一原発から出続けているということではないのか。原発事故はまだ終わっていないことを知らせるのは週刊誌しかないのだ。頑張れ! 週刊誌。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
シルバー世代のSEXライフ 愛情編 快楽編 タイトルとジャケのギャップがすごい。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「綾瀬はるかの顔の横にペニスがズラリ!?」ポスト渾身のセックス特集 19年前「私も一緒に焼いて!」と叫んで姿を消したちあきなおみ その消息 原発関連記事は激少傾向! いま問われる週刊誌ジャーナリズムの役割

「綾瀬はるかの顔の横にペニスがズラリ!?」ポスト渾身のセックス特集

ranking111003.jpg
「週刊ポスト」10月14日号 中吊り広告より
第1位 「仰天!男の『サイズ』を測る女たち」(「週刊ポスト」10月14日号) 第2位 「雅子さま愛子さま校外学習に宮内庁記者が『税金泥棒』『異常な母子』」(「週刊文春」10月6日号) 第3位 「円高ユーロ安で得する法」(「週刊朝日」10月14日号)  光文社の写真週刊誌「フラッシュ」が相当厳しいようだ。東日本大震災や島田紳助騒動でやや持ち直したものの、それでも実売率は60%程度で普段は50%前後だという。実売も10万部ぐらいで人件費や経費を切り詰めてもギリギリ、いつ休刊になってもおかしくないようだ。  かつては「フォーカス」(新潮社)、「フライデー」(講談社)、「フラッシュ」など5誌で約600万部もあった写真週刊誌だが、いまや「フライデー」がやや健闘しているだけになってしまった。  紳助と暴力団組長の写真を「フライデー」がすっぱ抜いたように、まだまだ写真週刊誌がやれることはあるし、ものによっては写真の持つ力は活字よりも大きい。「フラッシュ」にも最後の踏ん張りを見せてほしいものだが。  さて、「週刊朝日」と「ポスト」が怒っている。先日の小沢一郎の秘書3人の判決に対してである。「朝日」は「裁判所の暴走」、「ポスト」は「小沢『抹殺裁判』」と、口を極めて「こんな判決がまかり通るのはおかしい」と、まるで小沢の機関紙のように批判している。  東京地裁登石郁朗裁判長は「水谷建設」からの裏献金について「合計1億円を小沢事務所が要求し、被告人石川と同大久保が受け取ったことは、合理的な疑いなく認められる」とし、犯行動機を「被告らはゼネコンとの癒着が公になることを恐れ、犯行におよんだ」と断定した。  また、小沢がこれまで曖昧な説明に終始していることに対しても「4億円を用意した小沢の供述も変遷を繰り返しており(中略)信用できない」と指摘し、「被告らは法の趣旨を踏みにじり、政治活動や政治資金に対する国民の不信を増大させた社会的影響を見過ごすことはできない。不合理な弁解を弄して責任を頑なに否認し、反省の姿勢をまったく示していない」として有罪判決を下した。  両誌の批判の要点は、裁判は法と証拠に基づいて進められるべきなのに、裁判官は初めから「推定有罪」という予断をもって判決を出したという点だ。  「裁判所は検察のメンツを立てたのです」(魚住昭=朝日)と、裁判官は常に検察の方に顔を向けているから無罪判決を出す勇気などないと断じる。  「この国が恐ろしいのは、すべての権力が同じ方向を向いて走り、正義よりも自分たちの足下ばかり気にしている点だ。(中略)このような裁判がまかり通り、誰も『おかしい』と口を開かなくなれば、小沢自身も『有罪確定』と見て間違いない」(ポスト)と、このままではこれから始まる小沢の裁判も有罪判決が出る可能性が高いと危惧している。  私も、この判決は「あまりにも政治的」で「検察不信を払拭しようという司法の巻き返し」という底意があるように思う。だが注目すべきは、これが小沢時代の崩壊が始まった中で出されたということである。もはやこの流れは止めようがない。  小沢の父・佐重喜は69歳で亡くなっているが、小沢も同じ年になった。角栄になれなかった男はどう自分の政治家人生を締めくくるのだろうか。私の関心はそこにある。  今週の3位は、世界第2次恐慌までささやかれる中、いささか脳天気な「朝日」の記事。たしかにユーロ危機は深刻だろうが、こちとらビンボー人には「資産はこうして守れ」と言われても守るべき資産などない。ならば円高、ユーロ安で何かいいことはないのか。  並行輸入ならブランド品が半年前の3割安で買えるという。6万円のカルティエの長財布が3万9,000円、12万円のグッチのトートバックが9万6,000円だそうだ。  大手スーパーでは差益還元セールをやっているし、楽天市場やヤフーショッピングでもやっているから、オリーブオイルや岩塩、バルサミコ酢がお買い得だという。高級ワインなども昨年に比べて1~2割安で、楽天のワインショップは「シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ」2万1,800円を1万9,800円に引き下げたというが、自慢じゃないがこちとらワインは2,000円以下のものしか飲まないから関係ないね。  旅行は、大手ツアー会社は半期に一度しか見直しをしないから安くなるのはまだ先。狙いは個人旅行で、日本語のページもある世界最大旅行予約サイト「エクスペディア」がお薦めだそうだ。  このままいくと、輸入牛肉を使っているであろう「すき家」の牛丼も200円になるかも。  第2位は皇室ものでは昔から定評のある「週刊文春」の雅子妃についての記事。  宮内庁記者会といえば"上品"な記者たちが毒にも薬にもならない質問でお茶を濁すと思っていたが、こと雅子妃に関してはそうではないようだ。  ことの発端は先日行われた学習院初等科2泊3日の山中湖校外学習。これに雅子妃が同行したいと言い出したため厳戒態勢がとられ、山梨県警数十名も動員された。その上、雅子妃は愛子さまを含めた児童が宿泊したホテルの「インペリアルスイート」(1泊12万円)に泊まったことだった。  「文春」によれば9月22日、怒気を含んだ記者の声が宮内庁の報道室に響き渡った。 「今回のお付き添いは、極めつけの茶番ですよ。皇室の尊厳もくそもない!」  また別のベテラン記者はこう言った。 「(中略)震災から半年、国民が大増税の時代を迎えようとしているその時期に妃殿下は校外学習でインペリアルスイートに泊まられた。常識的に考えられない出費。"税金泥棒"との批判を受けるかもしれません。それを許した(皇太子)殿下はどうお考えなのですか」  毎日のように通学に付き添い、別室で授業が終わるまで待機して一緒に帰る愛子さまと妃殿下に対して「異様な母子」という言葉まで飛び出したというのである。戦前だったら間違いなく不敬罪で逮捕だね。  羽毛田信吾宮内庁長官も定例会見でこうコメントしている。 「校外学習ができたのは良いのですが、通常の形でないのは心配している」  この発言の裏には、両陛下が雅子さまのやり方に疑義を持たれていることがあるのではないかといわれる。  これから年末にかけて皇后さま、愛子さま、雅子妃、天皇陛下の誕生日が続く。そのときの会見で天皇陛下から、愛子さまの教育方針についての"不信感"が発せられないかと周囲はハラハラしているようだ。  皇室は世の中を映す鏡であるが、世の中が大乱のときこそ泰然として、われわれを温かく見守ってほしいと思うのだが、なかなかそうもいかないようである。  今週のグランプリは「ポスト」のセックス特集。おそらく、こうした記事がトップになったのは初めてではないか。快挙である。  これを選んだ理由は2つある。ひとつはこの特集が、われわれの世代には懐かしい「微笑」や「新鮮」という雑誌を取り上げているからだ。  今ひとつは、このページの右に綾瀬はるかのカラーグラビア、それもかわいい~顔のアップがあるからだ。はるかの顔のアップとさまざまなペニスの写真が載っている「サイズを測る女たち」を左右に並べたレイアウトは素晴らしい。  祥伝社から出された「微笑」(隔週刊誌)と「新鮮」(月刊誌)は、1970年代前半から90年代半ばにかけて大きなセンセーションを巻き起こした女性誌である。まだ性に関しておおっぴらに話せる雰囲気ではなかった時代に「愛棒身悶えるナメ方研究」「膣圧時計」「ペニス勃起度ゲージ」という特集を「淑女」たちがこぞって読んだのだ。  ペニスはもちろんヴァギナ、オナニーという単語が誌面に躍り、性をエンターテインメント化したのである。  これを創刊したのは今年80歳を迎えた櫻井秀勲である。櫻井は光文社にいて「女性自身」を国民雑誌にまでした伝説の編集長である。私が講談社に入ったときは残念ながら光文社の労働争議で辞められた後だったが、私を含めて多くの編集者にとって編集のバイブルのような存在である。  記事の中に「女を濡らした傑作タイトル選」がある。これが素晴らしい。「未確認ぶら下がり物体 よい『KOGAN』を見分ける」「ほのぼのレイプ」「本格膣圧計・ペニス長大器プレゼントつき!名器・名刀づくりカード」「1日10分!『締まるワギナ』蘇生ヨガ」  櫻井インタビュー「毎号、牢獄に入る覚悟で作っていました」もすこぶる面白い。  「微笑」が発売されて女性が自分からセックスに興味があるといえる環境ができたが、女性を性に目覚めさせたのは「微笑」ではないという。はるか昔からそういう女性がいたことを松本清張の『菊枕』を読んで知ったそうだ。女流俳人・杉田久女をモデルにした作品だった。時代を問わず悶々と性に悩む女性を檻から解放したい、そうした思いで「微笑」を作ったのだと話す。  彼の雑誌を成功させる技術のひとつに「振り子理論」がある。 「右に90度振り切って、左にも90度振り切る。『名器になりたい! この膣鍛錬で』という企画をやる一方で、『女性差別の原風景』という特集も組む。この"振り幅"が大きければ大きいほど、雑誌はウケる」  私も週刊誌編集長時代に「ヘア・ヌード」と「小沢一郎批判キャンペーン」をやって成功したが、これも振り子理論に当てはまるのだろう。  編集者諸君! 編集の奥義の詰まったこの特集を大至急読むべし。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
an・an (アン・アン) 2011年 9/7号 ananのセックス特集なんて大したことない? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 19年前「私も一緒に焼いて!」と叫んで姿を消したちあきなおみ その消息 原発関連記事は激少傾向! いま問われる週刊誌ジャーナリズムの役割 SM、のぞき魔、露出狂まで!? 知ってびっくり世界の性教育

19年前「私も一緒に焼いて!」と叫んで姿を消したちあきなおみ その消息

shincho0927.jpg
「週刊新潮」9月29日号(新潮社)
第1位 「『ちあきなおみ』と刑務所暮らしの実父の物語」(「週刊新潮」9月29日号) 第2位 「ビートたけし『暴力団との交際』すべて語った」(「週刊文春」9月29日号) 第3位 「大阪府知事橋下独裁ハシズム」(「サンデー毎日」10月9日号) 「小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体『陸山会』をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪に問われた衆院議員・石川知裕被告(38)ら元秘書3人を有罪とした26日の東京地裁判決。登石郁朗裁判長は判決理由の中で、小沢事務所がゼネコンと癒着して政治資金を集めていた実態を指摘し、裏金受領の事実まで明確に認めた」(9月27日asahi.comより)  顔を引きつらせる小沢一郎元民主党代表と小沢派の面々。ほくそ笑む野田佳彦総理や前原誠司政調会長、仙谷由人政調会長代行という構図になろうか。  「週刊朝日」は「陸山会事件ついに判決 小沢一郎『最後の戦い』」、「サンデー毎日」は「秘書『判決』が決起の狼煙 小沢私塾130人秋の陣」と、どちらも「無罪判決」を想定していたような内容であるが、判決は「裏金の事実」まで認めた想定外のものだった。  小沢自身の裁判が10月に始まるが、この決着がつくまでジッと我慢が続き、小沢の力はいま以上に落ちていくことは間違いない。  だが、野田政権が安泰かというとそうではない。「週刊現代」が「どじょう野田を操る『本当の総理』勝栄二郎の正体」、「週刊ポスト」が「徹底解剖財務省の研究」でやっているように、財務省の首領・勝事務次官が着々と増税のために布石を打ってきていて、野田総理をはじめ閣僚たちはその手のひらの上でいいように踊らされているだけのようだ。  その手のひらには当然ながらマスメディアも乗って「増税必要論」を声高に叫ばされているのだが、そのきっかけになったのは国税の税務調査だったとポストは書いている。 「朝日新聞は09年2月に東京国税局の税務調査で京都総局のカラ出張による架空経理の計上など約5億1800万円の申告漏れを指摘され、(中略)同年5月には、読売新聞東京本社も東京国税局の税務査察で推定2億7000万円の申告漏れを指摘されている。その前には日テレ、フジテレビ、NHKも申告漏れを指摘された」  読売はその後、丹呉泰健・前財務事務次官を社外監査役に迎え、朝日新聞も「増税礼賛」の論調を強めていったとしている。  私の現役時代にも経験があるが、メディア企業にとっても恐ろしいのは国税の税務査察である。根こそぎ経理資料を持って行かれ徹底的に調べられれば、ホコリの2つや3つでない企業などまずない。それをちらつかせながら都合の悪い記事は止めさせ、都合のいい記事だけを書かせるなど、彼らにとっては朝飯前である。  野田総理が財務省のいいなりに増税路線を突っ走っている。これを止められるのは小沢一郎を中心とする反主流派であったが、それも今回の判決で士気をそがれ、多少の修正はあるにしても自民党を巻き込んで成立する可能性が高い。そして原発再稼働、電力料金値上げ、それでも足りなければ消費税値上げと、国民にとって最悪のシナリオが着々と進んでいくのを手をこまねいて見ているだけでいいのか。増税するか否かは国民に信を問うべきである。これだけは譲ってはいけない。  さて、一時は絶大な人気を誇った橋下大阪府知事だったが、そのやり方に「ハシズム」だという批判が巻き起こっている。  批判の声がこれほどまでに大きくなったのは「君が代起立斉唱条例」を強引に押し切って可決したあたりからだろう。  「毎日」は山口二郎、内田樹、佐藤優らに橋下の独善的なやり方を批判させている。山口は9月17日に大阪市で開かれたシンポジウム「『橋下』主義(ハシズム)を斬る」でこう語っている。 「維新の会の政策に反対するやつは"改革の敵"とレッテルを貼って退ける。この危うさを何とか食い止めなければと考え、大阪にやって来ました。ハシズムとは政治ではなく、権力による支配です」  佐藤優はこう批判する。 「代表を送り出す者(大衆)と代表にされる者(政治家)の利益がズレているにもかかわらず、代表しているというイメージをつくり出すことは歴史上、珍しくない。(中略)最近では、小泉元首相がそうです。規制緩和で得をしたのは大資本でした。圧倒的に支持した一般の働く国民はどうなったのか。選挙だけの民主主義は民主主義ではない。自由のない民主主義は独裁です」  内田樹が最も懸念するのは橋下の教育への政治介入だという。 「橋下氏は、教育現場を上意下達的なシステムに変えて、教師を規格化し、点数や進学率などの数値的な成果に基づいて格付けすることを目指していますが、これは教育の破壊以外のなにものでもないと思います」  11月27日の大阪府知事・市長のダブル選挙を仕掛け、「大阪都構想」の実現を目指す橋下知事だが、大阪の民意はどういう判決を下すのか。この結果如何では永田町にも飛び火すること間違いない。いまこそ週刊誌は挙って「橋下大研究」をするべきときだと思う。  第2位は「週刊文春」のビートたけしインタビュー。島田紳助引退騒動以降、芸能界と暴力団との癒着が騒がれている中で、絶好のタイミングでこの大物芸人を引っ張り出したのはお手柄である。  たけしには以前から暴力団との関係がウワサされてきた。たけし軍団を率いてフライデー編集部に殴り込んだ事件もあり、彼が作る映画の多くがヤクザを主役に据えたノワールものである。  実際に右翼の街宣活動を何度も受け、稲川会の稲川聖城総裁と「新潮45」(02年5月号)で対談をしている。  そうした多くの疑惑に対して、オレは紳助とは違うと、以下のように答えている。 「これまで何度も右翼団体から街宣活動かけられたことがあったけど、オイラは紳助と違う。ヤクザに仲介なんて頼んだことない。最初はフライデー事件の後、日本青年社に『復帰が早すぎる』と街宣をかけられたときだな。一人で住吉の堀さん(政夫氏、当時・住吉連合会会長)のところへ行って、土下座して謝ったの。その後、右翼の幹部にも会って、それで終わりだよ。ヤクザを頼ったとか、カネ払ったとか噂されたけど、一切ない。タレントとしてそういういのを上手くやって逃げるのも本人の"芸"だっていっているんだけど、紳助は"芸"がなかったな」  暴力団の親分の娘が「たけしに会いたい」とねだったため、強引に連れていかれたこと、山口組渡辺芳則五代目組長と無理やり引き会わされたこと、たけし軍団には親父がヤクザという芸人がいる、暴力を扱った映画がなぜ多いのかについてよくしゃべっている。  10月1日から東京でも施行される「暴力団排除条例」については、これからはその条例を盾に暴力団の誘いを断れるから助かると話している。  紳助の過ちは「一番肝心な『ヤクザにモノを頼む』っていう大失敗をしでかしたこと」だと総括する。  だが、たけしがどう言い募ろうと、過去には多くの暴力団と"関係"があったことは間違いないし、いまでも続いているのではという疑惑は消えない。  はじめに引用したたけしのコメントにあるように、フライデー事件の後、ヤクザの親分のところへ行って土下座までしたのは、頼んだことにならないのだろうか。たけしは「謝っただけで頼んだんじゃない」と反論するかもしれないが、世間ではこういうことを「頭を下げて頼んだ」というのだ。  ところで昨夜、北千住の居酒屋「千住の永見」で名物の千住揚げを食べながら一杯やっていると声をかけられた。昔、文化放送の偉いさんだった男だ。話し込むうち、彼がいま一番知りたいのが原節子と阿部定(生きていれば100歳を超える)とちあきなおみの消息であるという。  いま出ている「週刊新潮」にちあきの近況がグラビアとともに出ていると話すと、慌ててコンビニに走って行った。  伝説の歌姫ちあきなおみが表舞台から姿を消して19年が流れた。最愛の夫・郷鍈治(享年55)の死がきっかけだった。火葬場で棺にすがって「私も一緒に焼いて!」と叫んだ話は有名である。その後、幾度も「復帰説」が流れたが幻に終わった。  ちあきが郷の命日にあたる9月11日に墓参した姿を「週刊新潮」が撮影に成功した。これが今週のグランプリ! 「花束と線香を静かに置いた彼女は、墓石の掃除を終えると、買ってきた大きな花束を地面に広げた。(中略)やがて、墓に眠る郷に向かって、何かを語りかけるかのように、静かな墓地に小さく嗚咽を響かせたのだった」(新潮)  喪服姿で花を花立てに挿しながら、いまにも泣き崩れようとしているちあきの姿が切なくて思わずもらい泣き。  「新潮」によると、ちあきが引退した理由はもう一つ別にあるという。それは彼女がかつて「私が13歳の時、病気で死んだ」と周囲に語っていた実父の存在だ。  ちあきは東京・板橋で三人姉妹の三女として生まれた。父親は定職をもたず母親が働いて一家の糊口を凌いでいた。  父親もかつては歌手を目指したほど歌が好きで、ちあきに幼いころからタップダンスを習わせ、米軍基地のステージに立たせた。  しかし父親は若い女に惚れてちあきたちを捨て去った。二度目の妻が語っている。彼女も働きのない男に苦労させられ、夜の店で働いて生まれた子ども2人を育てたそうだ。  甲斐性がないその上に、この男には窃盗癖があり前科十犯を優に超え、刑務所と娑婆の間をいったり来たりする人生を送ったのである。80歳を超えてもスーパーで盗みを働き交番に突き出されたこともあったそうだ。  二番目の妻は離婚しようと思ったが男のほうが同意せず、ようやく離婚できても行き場のない男の面倒を見ざるを得なかった。07年11月、病院で息を引き取ったときも彼女が看取った。  ちあきにとって記憶から消し去ってしまいたいほど憎かった父親だったのだろう。だが、父親の方は出所すると決まってちあきの居場所を探し当て、たびたび訪ねていたそうである。  父親のカネの無心から彼女を守ってくれたのが夫の郷だった。郷の死で、ちあきは最愛の夫と自分を守ってくれる防波堤を同時に失ってしまった。  犯罪常習者の父親のスキャンダルが明るみに出るかも知れないと怯え、それもあいまって引退を決意したのではないか、そう二番目の妻は推測している。 「喝采」でレコード大賞を受賞した後も、彼女に張り付いた暗さは消えることがなかったように思う。  彼女が唄う歌には、実父への恨みや子どものころの恵まれなかった日々が色濃く反映しているのかも知れない。「ねぇあんた」や「紅とんぼ」が無性に聞きたくなった。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
喝采 歌は鳴りつづける。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 原発関連記事は激少傾向! いま問われる週刊誌ジャーナリズムの役割 SM、のぞき魔、露出狂まで!? 知ってびっくり世界の性教育 「紳助はスケープゴート」暴力団との不適切な関係は吉本の体質だった!?

原発関連記事は激少傾向! いま問われる週刊誌ジャーナリズムの役割

motoki110921.jpg
「フライデー」9月30日号
第1位 「スミで146行塗り潰し!東電が隠す『事故手順書』」 「福島の農業『セシウム汚染放射能と共存するしかない』」 「福島第一原発作業員の告白『いまだ1万ミリシーベルト検出!作業拒否が続出』」(「フライデー」9月30日号) 第2位 「独占袋とじ企画 小向美奈子 誌上AV連続写真」(「週刊ポスト」9月30日号) 第3位 「鉢呂前経産相が語った失言騒動の一部始終」(「週刊朝日」9月30日号)  ジャーナリスト歴75年になる、むのたけじは『希望は絶望のど真ん中に』(岩波書店)の中で、ジャーナリズムについてこう書いている。 「私の考えでは民衆生活の朝夕の相談相手ですな。(中略)世の中の続発する動態についてその原因と過程と結果を明らかにして、さらに一つの結果が次の新しい原因となる筋道を明らかにする作業」  そうした任務をするべきジャーナリズムがおかしくなってきていると、むのは指摘する。  さて、福島第一原発周辺を視察した後の感想で「死の町」と表現し、前日の囲み取材では記者に「放射能つけちゃうぞ」と発言したとして辞任に追い込まれた鉢呂吉雄前経産相のケースは、バカな奴が大臣になっただけということで片がついたようだが、「週刊朝日」が検証してみると、事実関係がだいぶ違うというのだ。  まず「死の町」という表現は不適切なのか。当の鉢呂は、そう新聞に書かれたことを驚いたと話している。  元共同通信論説副委員長・藤田博司は、そう感じるのは自然だと弁護し、ノンフィクション・ライターの吉岡忍も、3月下旬に原発から半径20キロ圏内に入ったとき、まさにそこは「死の町」だったという。  「放射能つけちゃうぞ」発言は、鉢呂はまったく記憶にないという。先の藤田は、当事者である毎日新聞の記者が「『放射能をつけたぞ』という趣旨の発言をした」と書いているのは不自然だとし、表現も各社まちまちで鉢呂に真意を確認した形跡もないと断じる。この程度の事実で閣僚の進退や責任を問うのはおかしいともいう。  吉岡は、今回の報道の背景には被災者たちを弱者とみなす裏返しの差別を感じるという。 「そうなった理由には、遺体を報じられなかったメディアの形式主義があると思う。この震災では多くの被災者ががれきの下などに無惨に横たわる遺体を見ている。だから悲しみも大きいんです」  そういう現実から目をそむけたメディアは被災の残酷さを浅くしか理解しなかったため、今回のような見当外れの報道に陥ったのではないかと指摘する。  鉢呂は経産省の「総合資源エネルギー調査会」の委員を原発推進派が多数を占めていたため、それを半分にしようと予定していたのが、経産省にしてみれば煙たかったのではないかと語っている。  マスメディアがろくな検証もせず大声で触れ回れば、大衆は何の疑問も挟まず、けしからん辞任させろと大合唱する。今回のケースもそうではなかったのか。新聞、テレビ、週刊誌は今一度検証してみる必要がある。  第2位は「週刊ポスト」の袋とじ企画。クスリ疑惑騒動もあり、フィリピンに逃げていたとき撮られた醜く太った小向美奈子の姿に、これではカムバックは難しいのではないかと思っていたが、このグラビアで見る限り、彼女の愛らしとセクシーさがよく出ている。  今アイドルになるための道はいろいろあるようで、飯島愛のようにAV女優からアイドルを目指す子も多くいるようである。  小向は逆のケースだが、この胸の大きさと愛らしさがあればAV界のスターになれるかもしれない。つまらない男やクスリに走らず頑張れと声援を送りたくなるが、無理だろうな~。  今週のグランプリは「フライデー」の原発3連発に贈る。まだあの原発事故から半年しか過ぎていないというのに、メディアから原発記事が消えかかっているのは、おかしくないか。  あれほど放射能は危険だ危険だと大騒ぎしてきた「週刊現代」も、今週ザッと見る限り原発関連記事はゼロである。  ジャーナリズムの役割を忘れかけている週刊誌の中で、3本もやっているのは見事である。  「スミで146行塗り潰し!東電が隠す『事故手順書』」では、原発事故の原因を検証するために衆議院側が求め、9月7日にようやく東電側が出してきた「事故時運転操作手順書」は、12ページ分、全159行のうちスミが塗られていないのは13行だけだったと告発している。  東電側は知的財産や、開示することで原子力安全確保上の問題が生じるためだと弁解しているが、ふざけるな! である。「フライデー」は「福島第一原発事故が『人災』であることを示す決定的な証拠がそこに記載されている」ためではないかと書く。  地震直後、1号機原子炉内の圧力が急激に低下したが、これは揺れによって配管損傷が起きた証拠ではないかと指摘されてきた。東電と保安院側は圧力低下の理由を「非常用復水器が作動したため」としているが、それがわずか11分で停止されているのはつじつまが合わないではないかという厳しい批判もある。  もし非常用復水器が作動していれば、メルトダウンから水素爆発までの時間を稼ぐことができ、事故を回避できた可能性もあったのに、作業員の手によって「手動」で停止されてしまったのはなぜなのか。  ここで、私が事故直後の3月13日に公表した「地震のとき中国・北京で勝俣東電会長と一緒にいた」という事実をもう一度書いておきたい。  あとになって清水社長も奈良方面にいたことが判明するが、東電の決定権を持つトップ2人が震源地から遠く離れ、東電本社で2人がそろったのは、どう考えても地震が起きてから丸一日近くが経っていたはずである。原発事故の収束は現場だけで判断できるはずがない。廃炉にするかどうかも含めてトップの決断がなければ、現場は動きがとれなかったはずである。  私は、東電の不幸が日本人全体の不幸になってしまうのではないか、そこのところをしっかり検証してくれと、新聞を含めたメディアに話をしたのだが、どこのメディアも検証した形跡はない。  この記事を読んで、東電側が隠したかったのは、非常時には現場はもちろんだが、トップが即断するべきこともこと細かく書かれているのではないかと思った。しかし、そのトップ2人とは満足に連絡さえ取れなかったのである。そのことを含めて東電側は隠ぺいしたいのではないのか。この私の推測はそれほど間違っていないと、掲載されている勝俣東電会長が自宅から出てくる写真を見ながら、私は考えるのだが。  2番目の記事は、チェルノブイリ原発のその後をたどって、放射能とどう付き合ったらいいのかを考えるルポである。  86年4月の原発事故直後に政府は広範囲の線量マップを作り、高線量の放射能が確認された地域では、農業や酪農を停止し、中程度の地域では乳牛の飼育を禁じた。また汚染されていないエサを与え、家畜の体内の汚染量を下げる対策を取ったというのだ。  日本政府より対応がはるかに速い。  90年代になると「プルシアンブルー」という薬品が使われた。これは牛に飲ませるとセシウム結合体を体外に放出させる効果がある。  そうしたことを試みながら「放射線量を何とか基準値以下に抑えこんで農作物を作り続けようという発想」で、流通も販売も「放射能汚染ありき」の態勢をとっているというのだ。  しかし福島の農家は、農作物が基準値より大幅に低くても、1ベクレルでも検出されれば消費者は買ってはくれないと嘆く。これだけ大量にばらまかれた放射能から逃げて暮らすことはできはしない。それは日本から離れても同じである。原発から出される人工放射能から逃れられないならば、どこで折り合いをつけて生きていくのかが、われわれ全員に問われているのだ。  3本目は福島第一原発の作業現場ではいまだに大変な事態が解消されてはいないという現場ルポ。  ベテラン作業員は「死地に行くようなもんだ」と仕事を拒否する者が多く、そのために人手が足りず、最近では原発で仕事をしたことがない素人でも大量に採用されている。しかし低賃金、保険未加入、契約書もない不当な雇用条件はおかしいと告発する作業員も出てきていて、現場では不満が鬱積してきている。そのため作業ははかどらず、東電が発表している「安定した状態」などウソっぱちだと作業員が語っている。  8月1日には1号機と2号機の原子炉建屋の間にある排気筒近くで「毎時1万ミリシーベルト」という、信じられない高い線量が検出されている。  浄化システムを構築したり原子炉建屋をカバーで覆っても、しょせんは応急措置をしているだけで、溶解した核燃料を取り除くためには格納容器近くに作業員が入らなければならない。だが、そうした作業はほぼ不可能だと、東芝で原子炉格納容器を設計した後藤政志は分析している。彼は「福島第一は手のつけられない状況にあるんです」と警鐘を鳴らす。  東電や政府が情報を出さなくなったときこそ危ないのである。メディアはどんな小さなことでもいいから、福島第一原発から目を離してはいけない。 (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
希望は絶望のど真ん中に そう信じたい。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 SM、のぞき魔、露出狂まで!? 知ってびっくり世界の性教育 「紳助はスケープゴート」暴力団との不適切な関係は吉本の体質だった!? 「心を許せる友は暴力団関係者だけだった」島田紳助"黒い携帯メール"

SM、のぞき魔、露出狂まで!? 知ってびっくり世界の性教育

motoki110912.jpg
「フライデー」9月23日号 中吊り広告より
第1位 「やっぱりあった独占入手!島田紳助『極心連合会橋本会長との親密写真』」(「フライデー」9月23日号) 第2位 「ケーススタディ『暴力団排除条例』」(「週刊新潮」9月15日号) 第3位 「日本の性教育は世界の非常識!」(「週刊朝日」9月23日号)    不謹慎な言い方になるが、今年で10年を迎えたアメリカの9月11日は、予想外に平穏に過ぎていった。テロの首謀者と言われるビンラディンがアメリカの手によって射殺され、式典にはブッシュとオバマが出席した。  憎悪の連鎖が断ち切られ、真の平和が成し遂げられたわけではないが、ひとまずホッとした一日だった。  ここに電気事業連合会が作成した「Enelog Vol.1」という薄い小雑誌がある。Enelog というのはEnergyとDialogueとの造語で、今後のエネルギーについて考える一助になればと創刊したと、八木誠会長名で書いてある。4月15日に会長になった八木誠は関西電力社長で、電事連は言わずと知れた原発推進の牙城である。  しかし3・11以降脱原発の流れが進み、これまでのようなあからさまな原発擁護論はないだろうと思って読んでみたが、どうもそうではない。  まず、厳しかった今年の電力事情と題して、原発再開が地元の理解を得られず、今年の夏は全国で電力が不足することとなりましたと、まるで原発がなければ電力はなくなるがそれでもいいのかと言わんばかりで、原発事故についての反省の言葉などない。  また低線量被ばくの"不確実性"と宇宙の"超越性"という訳の分からない題で、東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一なる人物が、100ミリシーベルト以下の低線量被ばくでがんが増えるかどうか分からないとして、喫煙や飲酒、野菜嫌いや運動不足の方が、がんになるリスクは放射線とは比べものにならないほど高いと書いている。  喫煙でがんによる死亡率は16倍に増えるが、これは2,000ミリシーベルトの被ばくに相当すると、持論を展開している。  さらに驚くのは、自然被ばくや医療被ばくが存在する以上、どんな人もグレーゾーンにいることになり"純白"は存在しないから、白か黒かのデジタル式二元主義がグレーを受け入れる妨げになっているとまで言うのである。 「福島第一原発事故で、発がんの増加は検出できないと私は思っています」とまで言い切る。  これこそ電力会社にからめ捕られた御用学者の戯言だが、こうした見解を載せる電事連の裏には東電や関電がいる。これを読むと、彼らが今回の原発事故でもまったく反省していないことがよく分かる。  さて、今週の第3位、「週刊朝日」の記事からいこう。よくある性教育ものではあるが、随所に「ヘー」と思わせる数字がある。  例えば、2008年に行われた東京都の児童・生徒の性意識調査では、中学3年生の性交経験率は男子5.5%、女子8.3%だが、高校1年では男子が24.5%、女子では24.3%にもなる。  日本の性教育が遅れているのはよく指摘されるが、オランダは一番進歩的なのだそうだ。同性結婚、マリファナ、セックスワーカーが合法で、お互いの合意があれば12歳以上でのセックスが認められている。  小学校高学年ではバナナにコンドームをかぶせる実習を行う学校もあるそうだ。そのためか、オランダの10代後半の少女の出産・中絶率はアメリカやイギリスよりも低い。  アメリカは宗教的背景があり性教育事情はかなり複雑で、禁欲教育と中絶、同性愛、避妊も教える総合的教育が混在している。  そのアメリカは先進国の中でも10代後半での出産率が飛び抜けて高く、10代後半の女性1,000人あたりの出産率はオランダが4人、日本が5人なのにアメリカは36人にもなる。ブッシュ前大統領のお膝元テキサスは絶対禁欲教育が行われているが、10代の妊娠率と性感染症感染率が全米一高いとされる町ラボックがある。  北欧では高校生に男装、女装、SM、のぞき魔、露出狂まで教えるそうである。性教育の比較研究で知られる女子栄養大学の橋本紀子教授はこう言っている。 「フィンランドの性教育は主に『生物』と『健康教育』の授業で行います。ヨーロッパ諸国では生物ではまず、"人間"を教えるんです。でも日本の高校は生物の教科書で"人間"はほとんど扱わないですし、あっても参考程度です」  確かに性教育からその国が見えてくる。  私もいくつかの大学で教えているが、少し前、ある大学の生徒から誘われて呑み会に行った。そこには男女4人ずつ来ていたが、彼らから、私たちはゲイとレズなのだといわれた。そのあっけらかんとした言い方も好ましかったが、彼らはネットで各大学にいるゲイやレズたちとのネットワークを作り、月に何度か集まっているというのだ。彼らは楽しそうに話し合っていたが、私には関心を示してくれないので、早々に退散した。だが、時代は確実に変わってきていることを実感させられた一夜だった。  第2位は、島田紳助問題でクローズアップされている「暴力団排除条例」についてタイミングよく解説している「週刊新潮」の記事。  10月1日から東京都や沖縄で施行され、全国で出そろう「暴力団排除条例」だが、一般市民も対象とされているため、相手が暴力団だと知らなくても密接交際者とみなされれば、金融機関との取引はストップされ、公共事業の入札参加資格は取り消され、企業は倒産の危機に陥りかねないのだ。  先に施行されている福岡県では、県内の建設業者70社が集まって定期的にゴルフコンペを開催していたが、そこに山口組系組長や指定暴力団・道仁会系の組長が参加していたため、暴力団との関係が深いと判断された9社の名前が県警のホームページで公表された。  そのために下水工事を請け負っていた河野組は、県や福岡市の公共工事から締め出され、資金繰りが悪化して2カ月後に倒産してしまった。  飲食店が暴力団の息がかかっている業者からオシボリの納入を受けている場合も、暴力団の資金源になっているから条例に抵触する。葬儀場や結婚式場についても、他の団体なども参列する大規模な組葬に場所を貸せば条例違反。結婚式も同じ。  この条例は、暴力団員への電気・ガス・水道の供給事業者は引っかからないのか? 暴力団員個人の生活の場ではなく、組事務所ならば条例の趣旨から供給をストップさせることも可能だそうだ。  もし東京電力が暴力団事務所だと知りながら電力を供給していた場合、勧告が行われてもなお供給を続けていた場合は、社名を公表、社員が逮捕されることも考えられなくはないという。  確かに自営業者、工務店、飲食店経営者は必読である。しかしこうした条例ができたために、「暴力団が地下組織に変貌したり、窮屈な警察国家が誕生したりせぬよう」(新潮)にしたいものである。  今週のグランプリは「フライデー」のスクープで決まり。島田紳助問題の核心、山口組ナンバー4で極心連合会橋本弘文会長(64)とのツーショット写真の独占公開である。  この写真は、フライデーの記事を写して「週刊現代」でも小さく掲載しているが、迫力が違う。  紳助は8月23日に開いた引退記者会見でこう豪語していた。 「手紙を送ったとか、写真があるとか。僕の関係者のとことか行って、探し回ったんでしょうね。あるわけないですから」  そのあるわけない写真をみごとに「フライデー」が見つけ出し、紳助のウソを満天下に暴いて見せたのだ。この写真は、05年に大阪府警が橋本会長の自宅をガサ入れしたとき発見した写真とは違うもののようだ。  どこかの料亭だろうか。右に紳助、左に橋本会長。橋本会長は意外なほど優しい顔をしている。二人の前に置かれたワインは残り少なくなっている。ビールグラスのようなものもあるから、たまたま出会って記念写真を撮ったのではないことが見て取れる。  肩がくっついているところを見ても、二人の親しさが伝わってくる。  紳助はやや緊張気味。二人の間の後方にもうひとりいるが、顔はモザイクで隠されている。  橋本会長の顔をモロに出しているということは、本人が了解したのだろうか。こうした写真を出す時、編集部が一番気を遣うのは橋本会長の顔を出すかどうかの判断である。  おそらく橋本会長の暗黙の了解があったのではないか。または橋本会長筋から直接、写真提供があったのではないだろうか。  だとすれば、紳助の記者会見での「交際とか交流という認識はなかった」という言い方が、橋本会長側の気に障ったのかも知れない。  この写真流失をきっかけに、紳助と暴力団の癒着問題はさらなる展開を迎えることになる予感がする。百聞は一見にしかず。写真の持つ力は強い! (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
30歳の保健体育 こじらすと大変です。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「紳助はスケープゴート」暴力団との不適切な関係は吉本の体質だった!? 「心を許せる友は暴力団関係者だけだった」島田紳助"黒い携帯メール" 阪神金本、"黒すぎる交際"で今後の野球人生が絶望的!?

「紳助はスケープゴート」暴力団との不適切な関係は吉本の体質だった!?

shugen0908.jpg
「週刊現代」9月17日号
第1位 「山口組元幹部が実名ですべて明かす『紳助に頼まれて処理したこと、紳助邸でのバーベキューパーティ、そして浜田のこと』」(「週刊現代」9月17日号) 第2位 「加藤シルビア『みのもんたも知らないラブラブ(ハートマークです)半同棲生活』」(「フライデー」9月16日号) 第3位 「徹底研究 がん保険 損か得か」(「週刊現代」9月17日号)  「週刊現代」の編集部の人間と話した。東日本大震災と原発・放射能の記事で落ちかけていた部数が戻り、右肩上がりになったが、どこでも放射線量を測りだし、ネットでもどんどん流れるようになって、部数はまたきつくなってきていたそうだ。  そんなところに島田紳助の引退スキャンダルが起き、干天の慈雨でどこも完売に近かったようだ。だが、これ以上新たなスキャンダルが出て来ないと、これからが大変だと話してくれた。  好調と言われている「現代」でさえきついという言葉が出てくるのだから、他誌はもっと大変だろう。昔は、部数はともかく広告だけは常にトップを走っていた「週刊文春」も、広告が入らないと嘆いているようだ。  その中で"孤高""唯我独尊"の「週刊ポスト」だが、今週の巻頭特集に「天皇家の健康法」をもってきたのには首を傾げざるをえない。なんでこれが「全国民必読!」なのであろう。  昭和天皇がお気に入りだった「カルグルト」という乳酸飲料を紹介している。脱脂乳を濃縮したものを殺菌し、乳酸菌を加えて発酵させ、その後、香料と砂糖シロップを加え攪拌してつくるらしい。なるほど体によさそうではあるが、そもそも天皇が食べるものは栃木県の「御料牧場」で生産され、厳重に管理されているのだから、素材からして、われわれ庶民の口に入るものとは違うし、健康状態についても主治医が常にチェックしているのだから、歴代天皇が長寿なのはご同慶の至りではあるが、庶民の健康法にどう取り入れていいのか、読み終わって困惑するだけである。  「ポスト」の目次の右トップは櫻井よしこの「外交無策と日本の孤立」、その横には小林よしのりの「国を想い、国を守る真の保守とは何か」がある。「ポスト」を発行している小学館には「SAPIO」という隔週刊誌がある。同じような論調の雑誌が2誌はいらないと、私は思うのだが。  このところ「がんブーム」と言っていいほど、毎週各誌こぞってがんについての特集を組んでいる。今週も「『がん治療実績』完全データの正しい読み方」(「ポスト」)、「食道癌で旅立った『団鬼六』の『手術は、しません』」(「週刊新潮」)、「現代」は「がん保険 損か得か」、がんで亡くなった「わが父 原田芳雄の生と死」、「男女別 治りにくいがんランキング」と三本もある。  放射線被曝でがんが増えるという恐怖心から、がんに対する関心が高まっているとも考えられるが、それにしても最近、どうしてこれほど多いのだろうか。がんを含めた「いい病院のみつけ方」なる企画は「週刊朝日」の売り物企画だが、他誌も負けじと力を入れてきている。  自分ががんだと分かった時、治るかどうかが最大の関心事ではあるが、がんと診断されてからすぐに出てくる問題は治療費であろう。そこで転ばぬ先の杖の「がん保険」に加入しておこうと探してみると、「診断給付金」「手術給付金」「入院給付金」「抗がん剤治療特約」など保障が細分化されていて、どれに入ったらいいのか分からない。  最近は、保険の加入や取りやめの相談に無料で乗ってくれるところもある。私も先日、駅前にある相談所に行ったが、予約を取るのが大変なことと、最初の相談だけで2時間以上かかることから、時間の余裕をもって行かなくてはならない。  相談員に、どうして無料でできるのかと聞いたところ、一部の保険会社が出資しているのと、相談に来た人が保険に加入してくれれば、その会社から手数料をもらえるのだという。  話は戻るが、最近は高齢化とがん検診の精度が高まったため、保険会社もなるべく払わなくていいようにいろいろ"細工"をしているから気をつけたほうがいい、と警告している。  ある例では、がんと分かったとき400万円の給付金が出る保険に入っていたのに、上皮内がん(早期がん)だったため出なかったそうである。  それに厚労省の医療費抑制政策のため、入院期間は短縮されてきていて、入院1日あたりいくらという保障は意味がなくなってきているそうだ。私が聞いた相談員も、今は一般的に2週間ぐらいで病院から出されてしまうと言われた。  また先進医療特約というのも、実際に使われているのは0.006%に過ぎないそうだ。なぜなら医者が説明しなかったり、入っていることを忘れてしまったりしている人が多いからなのだ。  それではどんながん保険がいいかと言うと、「がんになったときにまとまったおカネをくれる保険が一番いい」(保険コンサルタント後田亨氏)そうである。つまりシンプルに診断給付金をもらえる保険がいいのだ。  今は早期がんでも対象になり、診断されれば何度でも給付金が払われるという保険商品がいくつも出てきている。誌面の中でも紹介しているから、どうしようかと考えている人は読んでみるといいだろう。  第2位はTBSの朝の顔、みのもんたの『朝ズバ!ッ』を入社3年で射止めたシンデレラアナ・加藤シルビアに半同棲しているカレがいるという「フライデー」の記事。  読む限り、ふたりはこそこそ隠れて会っているわけではないようだ。カレは同じTBS社員で30代前半の向井理似のイケメン。  シルビアはカレのマンションからほど近いところに住み、チャリンコをこいで行き来しているのがほほえましい。腕を組んで歩いたり、スーパーで買い物をしたりと甘い時間を謳歌しているようだ。このまま結婚へゴールインすることは間違いないと思われるが、日本中で一番注目される女子アナという職業ゆえに、これまでも「悲恋」は掃いて捨てるほどあった。この恋の結末がハッピーエンドで終わるのか、まだまだ目が離せないようである。  紳助騒動は、本人が姿を見せないために、取材する側はネタ探しに四苦八苦だ。今の段階で、暴力団との不適切な関係に絞られ、中でも紳助の所有している不動産取引に暴力団が関係していたのではないか、その際、カネが暴力団側に流れていないかが焦点になってきているようだ。  今回、「現代」がインタビューしたのは片岡昭生元山口組山健組本部長。彼が山健組のナンバー3だったとき、紳助と親しい極心連合会の橋本弘文会長がナンバー2にいて、親しかった。  話はそれるが、昨夜(9月5日)講談社ノンフィクション賞の授賞式があり、その後、銀座のイタメシ屋で2次会が行われた。  私はそっちの方へ出席したが、今回の受賞作は、角岡伸彦氏の『カニは横に歩く 自律障害者たちの半世紀』(講談社)と森達也氏の『A3』(集英社インターナショナル)である。角岡氏は神戸新聞を経てフリーになった。森氏は元々テレビのドキュメンタリー出身のノンフィクション・ライターで、今回は、長年追いかけているオウム真理教の集大成とも言える本で、教祖麻原彰晃の裁判についての疑問と批判を込めた力作である。  この話を持ち出したのは、この記事の筆者が角岡氏だからだ。元々被差別問題に詳しいライターだが、そのつながりからこのスクープにつながったのだろうか。  片岡本部長は、10数年前に橋本会長から頼まれ、紳助が右翼団体と揉めて困っている件を解決したというのだ。  その後、紳助から誘いがあり、自宅のバーベキューパーティーに呼ばれて風呂にも入った。  その片岡本部長は今回の引退に関してこう言っている。 「もともと極心の会長(橋本会長のこと=筆者注)は吉本が好きや。お笑いが。紳助と極真の会長の関係を示す写真や手紙があるということがマスコミで報じられてますが、身近におったからわかる。あれ、嘘やおまへんわ。事実やと思う」  したがって、紳助が会見で「これぐらいはセーフやと思った」発言には「マンガやね」と一笑に付す。  注目は、吉本の人気お笑い芸人ダウンタウンの浜田雅功のトラブルも収めたと発言していることだ。  2006年6月26日、フジテレビ制作の『HEY! HEY! HEY!』で、司会の浜田がゲストの宇多田ヒカルに対して、倉木麻衣は宇多田のパクリではないかという趣旨の発言をしたらしい。それに対して倉木の所属事務所はもちろんのこと、右翼団体もテレビ局周辺に押しかけ抗議して騒動になった。  吉本から暴力団関係者とみられるイベント会社の社長に話があり、その社長から聞いて、片岡本部長がその件も収めたのだという。しばらくたってから吉本の林裕章社長(当時)から招待があって、神戸のクラブで一対一で会ったという。  この記事の核になるところはその程度だ。羊頭狗肉の感なきにしもあらずだが、このインタビューをするのに相当な苦労があったことを「現代」の関係者から聞いているから、まあいいか。  この証言から浮かび上がってくるのは、私が前々から言っているように、紳助だけではなく、暴力団との不適切な関係は吉本興業全体の体質の問題であることが、透けて見えることだ。  これこそ紳助騒動の裏にある核心である。そのところをどこまで追及できるか。テレビ・新聞にできないことをやる週刊誌の取材に期待するところ大である。期待感も含めてこの記事を今週のグランプリ! (文=元木昌彦)
motokikinnei.jpg
撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
delicious way 倉木麻衣と右翼のカンケイの方が気になるけど。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「心を許せる友は暴力団関係者だけだった」島田紳助"黒い携帯メール" 阪神金本、"黒すぎる交際"で今後の野球人生が絶望的!? 政界スキャンダルからカルーセル麻紀まで "ワイド特集の元祖"「新潮」の底力

マンガ・アニメの未来はどうなる? またまた浮上した児童ポルノ法改定問題の行方

DSC_8070.jpg
25日に開催された院内集会の登壇者。
(撮影=永山薫)
 民主党代表選は野田佳彦氏の勝利に終わり、9月初めに臨時国会で新首相に就任する見通しだ。補正予算や関連法案の審議など、震災対応の課題が山積する臨時国会の中でマンガ・アニメファンから動向が注目されているのが、再び持ち上がった児童ポルノ法改定をめぐる審議である。  2009年6月、当時の与党だった自民・公明両党と民主党との間で一時は改定が合意された児童ポルノ法だが、この時の改定案は会期末の時間切れで廃案、直後の衆院選で規制に慎重な議員が多くを占める民主党が政権を得たことから、改定議論の再浮上はなかった。だが、今年6月になり、改定を求める与野党各党の議員らが改定と規制強化を求める院内集会を開催し、議論が再浮上してきたのだ。  これを経て、8月には自公両党と民主党がそれぞれ改定案を提出し、国会への審議がスタート。8月中には議論はまとまらず、次期国会での継続審議となっている。  2つの案の隔たりは大きい。自公両党は、児童ポルノの所持自体を禁止する「単純所持」規制の導入を柱に、マンガやアニメなどが児童ポルノが絡む犯罪の要因となっていることを重視し、政府による調査・研究も求めている。対して、民主案では「有償かつ反復の取得」を違法とした上で「専ら医学その他の学術研究の用に供するもの」に対する適用除外を明記するなど、犯罪となる基準を厳密にしようとする意思がみられる。また「この法律のいかなる規定も、架空のものを描写した漫画、アニメーション、コンピュータゲーム等を規制するものと解釈してはならない」と、マンガ・アニメへの規制を容認していない。  臨時国会での審議入りを前に、8月25日には規制強化に反対する立場から表現の自由の問題取り上げてきた市民団体・コンテンツ文化研究会主催による「児童ポルノ禁止法改正を考える院内集会」が開催された。平日の10時30分開会という時間設定にもかかわらず、70名あまりの一般参加者を得て開催されたこの集会、発言した上智大学文学部新聞学科の田島泰彦教授は民主案を評価しながらも、問題点を指摘した。田島教授が問題点として指摘したのは、民主案が自公案よりましながら、09年の案よりも後退していることだ。09年の民主案では、誤解を招きやすい「児童ポルノ」という用語についても「児童性行為等姿態描写物」への変更を求めていた。さらに「性欲を興奮させ又は刺激するもの」「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態」等の曖昧な定義の改定もなされていたが、今回の案では手がつけられていない。そのため、田島教授は「自公両党との修正協議が心配である」と不安の色を隠さない。  続いて発言した、児童の人権保護に取り組む弁護士で、子どものためのシェルターを運営する「カリヨン子どもセンター」理事長の坪井節子氏は、単純所持の前にやるべきことがあると指摘。実際の性犯罪の被害の現場では、捜査機関が被害児童に対して「気持ちよかったか?」などと平気で聞くような現状があること、性的虐待を受けた子どもが生きていくために援助交際をし、さらに性的搾取されている構造があることなどを述べた。  また、日本インターネットプロバイダー協会の立石聡明氏からは、インターネットでの自主規制の努力が報告された。  さて、この集会は児童ポルノ法の「改悪」を防ぐ上で効果があったのか。 主催者であるコンテンツ文化研究会の代表・杉野直也氏は「議員に事務所関係者を合わせれば、2ケタは参加しているので、関心があることは間違いないでしょう」と話す。  その上で改定は避けられないが最悪の状況を避けなければならないと杉野さんは語る。 「児童ポルノ法を、一度の改定で理想的なものにするのは困難です。現行法でも"3年に1度の見直し"が定められているわけですし、ちょっとずつ理想の方向に持って行きたいと考えています」  多くの人が動向を見守る児童ポルノ法改定の行方だが、実際にできることは少ない。 「規制に慎重な議員の方々は、既に意思表明をしてくれているわけだから、今さらメールや手紙を送っても効果は薄いと思います。できることがあるとすれば、集会の際に坪井さんも話していたように、対策の遅れている実際に性虐待の被害にあっている児童の保護などの問題に(寄付をするなりの行動で)眼を向けることではないでしょうか」  昨年、「非実在青少年」の言葉が象徴となった東京都青少年健全育成条例改定問題では、議員へのメールや手紙は非常に効果があった。ところが、児童ポルノ法改定問題では、事情が違うことは明らかだ。お手軽な方法だけでは、問題は解決できない。 (文=昼間たかし)
ヒューマン・モーション〈1〉赤ん坊・幼児・少年少女 これはセーフ? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「表現の自由」では許されない エロマンガ「自粛案」の顛末と、児童ポルノ法改定強化の危機 ついにロリマンガ消滅へ 業界団体が示した「自粛案」の苛烈さ 18禁ロリマンガはどう使われた? 東京都青少年課が行った情報隠蔽工作とは