今週の注目記事 第1位「週刊朝日新編集長が“セクハラ常習”で更迭」 (「週刊文春」10月17日号) 第2位「バラまかれた『復讐ポルノ』の残酷」 (「週刊ポスト」10月25日号) 第3位「飛鳥涼独占告白3時間」 (「週刊文春」10月17日号) 第4位「アメリカ発世界同時株安に気をつけよ」 (「週刊現代」10月26日号) 第5位「安倍政権が狙うクビ切り特区 ブラック企業『合法化』の恐怖」 (「週刊朝日」10月25日号) 週刊朝日が大変なことになっているが、それは後述するとして、朝日が、安倍首相が進めようとしている「クビ切り特区」はブラック企業を後押しする政策だと難じている。これが第5位。 日本の経営者側が、従業員を解雇しやすくしてほしい、そうでないと雇用の移動が円滑にできないし、これが経済成長を阻んでいるという“身勝手な”いい分を取り入れ、9月20日、安倍首相が産業競争力会議に指示した考えである。 ワーキンググループの八田達夫座長がこの会合に提出した資料によると、こうである。 「(1)有期契約で5年以上働いても、契約社員が無期契約になれる権利をあらかじめ放棄できる (2)入社時に解雇の要件や手続きを明確にする (3)一定の年収などがある人が希望すれば労働時間の規制を外せる」 こうした憲法違反とも思える特区を作り、全国へ拡げていこうというのが安倍首相の考えのようだが、こんなことが特区といえども許されていいはずはない。クビを切りやすくするすることが景気回復に役立つとでも思っているのだろうか。日本総研の山田久チーフエコノミストが批判する。 「雇用制度の変更は、労使の合意が前提でしょう。そのうえで政府が、企業側には産業振興、労働者側に賃上げと失業対策を講じる。この3点セットで議論しないと、日本経済は活力を取り戻しません」 その通りであろう。だが私は、この特区が成立する可能性はほとんどないと思う。それは反対する側のネーミングのうまさにある。「クビ切り特区」に賛成する議員は、次の選挙で選挙民から見放されるのは確実だからである。 お次は、アメリカが大変だというお話。国家のデフォルトとは、その政府が発行している国債などの借金を返せるなくなることだが、アメリカがその危機に直面しているのである。 現代でニューヨーク市立大学名誉教授霍見芳浩氏がこう言っている。 「もし米国がデフォルト(債務不履行)したら……。現在、10月20日前後が、米国政府のキャッシュフローが尽きる限界点だと言われています。デフォルトすれば、米国債の信用がガタ落ちして買い手が付かなくなるわけですから、一気に金利が上昇して大混乱に陥る。2008年はリーマンブラザーズの破綻によってウォール街が崩壊し、金融危機が起こりましたが、デフォルトはそれ以上の影響が出ることになります」 株式市場ではカタストローフィ(破滅)、ブラックオクトーバー(暗黒の10月)、ブラッドオクトーバー(血の10月)などの言葉が飛び交い始めたそうだ。 リーマンショックを振り返るまでもなく、アメリカの破綻は日本の破綻に結びつく。東京五輪で日本が復活すると騒いでいた現代の“迷走”は、日本の“迷走”の表れである。 ワシントン在住の金融アナリストの伊藤貫氏は、デフォルトの可能性は低いとしながら、現在の米国が抱える問題をこう語ってる。 「米国ではここ30年間で、高卒労働者の生活レベルが2割低下しています。米国の労働者のうち、高卒クラスは6割を占めます。つまり、おおよそ6割の米国人の収入や生活が2割悪化してるというわけで、大きな問題です。その一方で、米国のGDPは同じ期間で2倍になっています。経済規模が2倍になっているのに6割の人の生活が苦しくなっているのは、それだけごく一部の富裕層に富が偏重していることを示しています。この格差に対する国民の怒りは大きく、米国政府に反対する共和党の強硬派=ティーパーティが強気に出る背景になっている」 アメリカの新聞やテレビの報道では、ギリギリまで共和党側は延ばすだろうが、指導力の低下しているオバマ大統領がどこかで譲って決着するのではないか、という見方が多いようであるが。 現代は、米国プリンストン大学教授で、08年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏にインタビューしている。彼は安倍首相の「決める政治」を評価しているとして、こう話す。 「これまで、『金融緩和で日本経済を回復することは不可能だ』という議論が繰り返されてきました。もちろん、金融緩和がすべての問題を解決するわけではないのですが、一定の条件が満たされればインフレが起こり、望ましい状況がもたらされます。その条件とは、『国家の経済は将来的に落ち込まない』『中央銀行が実際に金融緩和を実現に移す』と人々が“信じ”、“期待する”ことです。(中略)一つだけ苦言を呈するのであれば、今回8%の消費増税を決定したことにはがっかりしました。もし私が安倍首相から相談されていたら、『もう少し待て』と言ったでしょうね。97年に消費税を3%から5%に上げた際、景気が後退したことはみなさん知っているでしょう。本来なら、デフレを完全に脱却してからやった方が安全です。いま、ちょうど光が見えかけていたのに、増税によって消費が落ち込む可能性がある。消費税が上がっても消費を落ち込ませないためには賃金アップが必要ですが、景気が良くなってもそれが賃金に反映されるのは最後の段階ですから。急速に少子高齢化が進んでいる日本では、今後さらに所得税よりも消費税のほうが重要になってくることは確かです。そうした状況を踏まえれば、たとえば一定年収以下の所得税を減らすことを提案したい。収入が一定以上ある世帯は、消費税が上がっても消費が極端に減ることはないので、消費が落ち込むこともないでしょう」 やはり、経済学の泰斗も消費税を上げたことには疑問を呈している。 「世界の多くの国が固唾を呑んでその行方を見守っている。いま、世界経済を救うために、日本が必要とされているのです」 こう氏は語るが、日本には重荷なのではないか。 「覚せい剤なんて、僕は一度もやったことはありませんよ。ずっと“無菌状態”で育っていますから。実は、僕が使っていたのはアンナカです。『安息香酸ナトリウムカフェイン』といって通称アンナカと言われる薬なんですけど、2000年頃から病院で処方されて飲んでいました。詞を書く時には本当に助かってる。今日は絶対に寝ちゃいけない時ってあるでしょ。眠かったり、ダルかったり。アンナカを一包飲むと、2~3時間は目が覚めるんですよ。(中略)昨年夏過ぎ、そんな話を山本にしたところ『アンナカなら手に入るよ』って言われたんです。その後、いきなり山本がアンナカをプレゼントで自宅に持ってきてくれて、『ちょうだい、ちょうだい』ってなったんです。どこから入手しているのかはわかりませんけどね。(中略)これが僕の認める唯一の汚点で、薬事法違反ですよね。そこに関しては認めます。でも、病院で処方してもらえる薬ですし、自分としてはそこまで罪悪感はなかった。しかも、毎月受け取っていたわけじゃない」 文春でこう語っているのは、人気大物デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA、飛鳥涼(55)である。 2カ月ほど前にここでも紹介した文春の記事「シャブ&飛鳥の衝撃 飛鳥涼は『覚せい剤吸引ビデオ』で暴力団に脅されていた!」は大きな話題を呼んだ。それから2カ月が過ぎた9月30日に、文春記者の携帯電話にASKAから突然電話がかかり、「男と男の話し合いをしよう」と言ってきたのだそうだ。 その夜、自宅に隣接するスタジオでASKA本人がインタビューに答えた。これが今週の第3位。 医者から処方されている合法的な薬だと説明するが、文春記者は納得できないようだ。ASKAの言うようにアンナカであったとしても、それにはこういう効用もあると、元覚せい剤中毒者が解説する。 「われわれの間では、アンナカはシャブの“混ぜ物”という認識。通常、シャブを使用すると男は性的不能になりますが、興奮剤のアンナカを混ぜることにより、勃起が促進され、ドラッグセックスが可能になる。闇ルートでは味の素で増量してある粗悪なジャブも出回っているので、アンナカ入りのものは“上物”とみなされています」 また「ASKAの主張通り、アンナカの吸引シーンを(山本から=筆者注)『覚せい剤吸引』と“捏造”され、多額の金銭を要求されたとすれば、これは悪質な恐喝以外の何物でもない。しかも、相手は小指が欠損した現役の暴力団組員である。しかし、ASKAは山本に対し、『悪い奴には思えない』『憎めない』と庇う様子すら見せるのだ」(文春) そこでASKAの友人が完全匿名を条件に、裏事情をこう明かしている。 「実は最近、ASKAは極秘裏に山本と“手打ち”をしたというのです。ASKAが言うように、そもそも山本とは共犯関係だから、本来ならば盗撮映像が世間に出ることはなかった。だが、山本サイドが映像をマスコミに売り歩き、情報をリークし、ASKAの“シャブ使用”が発覚。で、あの大騒動です。事が事だけに、もし逮捕されるような事態に発展すれば、双方が損をすることになる。しかしお互いが組んでしまえば、容易に言い逃れはできる。山本と話し合いがうまくいったASKAは、安心して『ドラッグをやってない』と声明文を出したのではないか」 なんのことはない、山本という暴力団員の思惑通り、文春を使ってASKAに脅しをかけ、それに震え上がったASKAが要求通りにカネを払ったという図式になるのではないか。 このインタビューで、ASKAの覚せい剤疑惑がすべて晴れたわけではなさそうである。ASKAは、こんな気になる発言もしている。 「クスリで唯一心当たりがあるとしたら、文春でも薬物疑惑が書かれたエイベックス社長の松浦(勝人)君。彼のパーティーなんかに呼ばれて行ったこともあるから、仲間だと思われたりしていたかもしれない。松浦君ともクスリの話はしたことはないけど、彼にそういう噂があるってことは知っていました。だから僕もその一派かと思われたのか、と思いますけど」 こうした芸能界の薬物汚染情報が次々に出てくるが、ASKAの場合も、麻薬取締官が事情聴取したという話は聞かない。事実無根なのか、現行犯逮捕でないと無理なので躊躇しているのだろうか。“火のないところに煙は立たない”のではないかと、私などは思うのだが。 東京・三鷹市でタレントの卵、鈴木沙彩さん(18)が殺された事件は、改めてストーカーからどうやって身を守ったらいいのかを考えさせることになった。現代も同じような視点で特集を組んでいるが、今週のポストは土曜日発売なので、ポストの早いもん勝ち。 ポストはストーカー殺人犯である池永チャールストーマス容疑者(21)が、鈴木さんにさらに卑劣なことをしていたと報じている。 「海外にサーバーが置かれている『ポルノ画像・動画投稿サイト』に10月2日、若い日本人女性の写真がアップされた。投稿したのは、女性の元交際相手。その数日後には、女性の動画も公開された。67枚の写真1つの動画。中には、一切の衣服を身につけていない女性の姿もあった」(ポスト) 事件が起きたのは10月8日16時50分頃、三鷹市の閑静な住宅街に住む私立高校3年の鈴木さんは、自宅内にいるところを、かつての交際相手だった池永容疑者に襲われた。 池永容疑者は昼ごろ、鍵のかかっていなかった2階の窓から鈴木さん宅に侵入、クローゼットに潜んでいた。 ポストで捜査関係者がこう明かす。 「池永容疑者は京都出身。フィリピン人の母親と日本人の父親をもつハーフで、日本国籍を持っている。(中略)身長は約180センチと大柄で、高校時代は柔道部に所属していた。沙彩さんは刃物で首や腹など4、5か所を刺され、首の動脈が斬られたことが致命傷になった。使用された凶器は、9月末に現場からほど近い吉祥寺の雑貨チェーン店『ロフト』で購入したベティナイフだったようだ。犯行は計画的で、残忍なメッタ刺しからは、強い殺意がうかがえる」 沙彩さんは、現代美術画家の母親と映像関係の仕事に携わる父親の一人娘。小学生の頃からタレントとして活動し、将来の夢は女優だった。3年前には映画『冷たい部屋』(平田大輔監督)でスクリーンデビューしている。大伯父は脚本家の倉本聡氏。 別の捜査関係者はこう言っている。 「沙彩さんは事件当日の朝、両親に伴われて悲壮な表情で地元の三鷹署を訪ねてきた。ストーカー被害の相談だった。本人の強い希望で、その場で警察官が署の電話から池永容疑者の携帯電話に連絡した。電話に出なかったので、“三鷹署まで連絡がほしい”と留守番電話を残した。その後、昼と夕方にも池永容疑者に連絡し、同様の留守電を残した」 三鷹署側は、対応に誤りはなかったと言いたいのだろうが、ストーカー被害を受けている若い女性を一人にしてはいけないのは常識であるのに、疑問も残る。 逮捕された池永容疑者は取り調べに対し「交際をめぐり恨んでいた。殺すつもりで刺した」と供述しているという。2人の間にどんなことがあったのか。 事件の6日前にインターネット上にばらまかれた写真は、沙彩さん自身の手で撮影されたものであるという。 「沙彩さんの自宅の部屋のなかで、ベッドの上や大きな鏡の前で撮られていた。背景に写っている壁には、画家である母親の作と思しき絵が飾られている。沙彩さんは、笑顔で、すましたような表情、時には恥ずかしそうな表情を浮かべて写っていた。(中略)いずれにせよ、誰かに見せるとしても、非常に親しい関係にある人にしか見せないようなものばかりだ。不特定多数に向かって写真が公開されるのは、沙彩さんへの脅迫が目的としか考えられない。(中略)さらにその2日後、同じユーザー名から沙彩さんが映る動画が投稿された。撮影された部屋は不明だが、ベッドの上だ。(中略)撮影者はその男だ。時折、男と笑顔を浮かべて会話してることからも、親しい関係がうかがわれる」(同) 池永容疑者は沙彩さんを刺殺し、逃走中の18時29分、ネット上の掲示板に画像のアドレスを掲載した上で、「被害者。無差別ではないです。恨みがありました。」と犯行動機の告白とも読める書き込みを行っていた。 振られた腹いせに元恋人の裸の写真や映像をネットに投稿する行為は「復讐ポルノ(リベンジポルノ)」といわれ、世界的な問題になっているようで、この10月、米カリフォルニア州議会では、嫌がらせを意図してヌード写真をネットに流通させた者には、最大で6カ月の禁固か1000ドルの罰金を科す法案を成立させたという。 桶川女子大生ストーカー殺人事件でストーカー法がつくられたが、その後もストーカー殺人は後を絶たない。法を生かす警察側の積極的な運用が必要なのではないか。 さて今週の第1位は、文春に掲載された朝日の記事である。 週刊朝日にまたまた不祥事が起こり、編集長が更迭されてしまったというのだ。それも文春が取材してから、慌てて処分を発表したのだから、朝日新聞のコンプライアンスはどうなっているのかと心配になる。 朝日は佐野眞一氏の「ハシシタ」で橋下徹大阪市長から猛烈な抗議を受け、当時の編集長が更迭され、朝日新聞出版社長が辞める大騒動になってしまった。 その立て直しを図るべく小境郁也氏が編集長になったが、その小境編集長が「セクハラ常習者」だったというのだから、お粗末すぎて開いた口が塞がらない。 朝日新聞出版関係者がこう話している。 「いまは朝日新聞社と朝日新聞出版に分社化されていますが、08年までは同じ会社だった。社員の行き来がある2つの会社のなかの何人かの女性が、小堺氏と関係を持っていたというのです。小境氏には妻子がいますが、長く別居していて現在は一人暮らし。ある女性記者と不倫関係にあったのは社内では有名だし、過去にも別の女性問題が取り沙汰されたこともありました」 別の朝日新聞出版関係者もこう語る。 「気に入っている女性がいると、『○○と飲んでるからおいでよ』と動誘いだし、女性が来ると同席していた人を帰らせて2人っきりになるのが常套パターン。酔った勢いで抱きついたり、いきなり胸を揉んだり無理やりチューしたり。テーブルの下で強引にスカート内に手を入れ、太ももの奥を触りまくることもありました」 今回はセクハラを受けていた女性が周囲の女性に相談し、これまで関係があった女性の名前などを書いた連判状のようなものを作り、朝日新聞本社に報告したという。 だが、文春の取材に対して朝日新聞側は「現在、事実関係を調査中」と悠長なことを言っていたのだが、文春が発売される前日に「週刊朝日編集長を懲戒解雇 重大な就業規則違反」と紙面で発表したのである。 「朝日新聞出版は、同社が発行する週刊朝日の小境郁也編集長(53)=朝日新聞社から出向=に重大な就業規則違反があったとして編集長を解任し、朝日新聞社は8日付で小境編集長を懲戒解雇処分にした。併せて朝日新聞出版は上司の監督責任を問い、9日付で青木康晋(やすゆき)社長を役員報酬減額、尾木和晴雑誌本部長を減給処分とする」 後任の編集長には、朝日新聞東京本社写真部の長友佐波子(ながとも・さはこ)フィーチャー写真担当部長が9日付で就いたという。女性ならセクハラはないだろうという朝日新聞らしい姑息な考えのように思えるのだが。 その長友新編集長は、今週号の挨拶でこう書いている。 「前編集長は重大な就業規則違反があり、8日付で懲戒解雇処分となりました。昨年、小誌は橋下大阪市長の差別記事を掲載した反省から『家庭で安心して読めるニュース週刊誌』を目指してスタートしたばかりでした。1年にも満たない時期での不祥事に読者の皆様の期待と信頼を再度裏切ることになりました。深くお詫びします。(中略)たいへん厳しい状況ではありますが、1922年発刊、92年目を迎えた週刊朝日が社会から信頼される雑誌となるために、編集部一同、初心に帰って努力していきたいと思います」 先週オフィスへ来た、AERAで働いたことのある人間がこう言っていた。 「小境編集長は以前から女性関係に問題のあることで有名でした。あんな人を橋下の不祥事のあった後に据えるのは問題だと言われていた。今度の長友編集長にも、そうした噂があると聞いています。なぜ朝日はそうした人を据えるのか。人材がいないのでしょうね」 次に何か起こせば確実に休刊となる。長友編集長には相当な覚悟で臨んでもらいたいものだ。それと、もっと面白い読みでのある雑誌にしてほしいと、お願いをしておく。 なんとか創刊100周年までは頑張れ! (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊文春」10月17日号 中吊広告より
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「まだ口に出していない秘密があるはず……」“闇の帝王”許永中出所で、政・財界人が震え上がる!?
今週の注目記事 第1位「久子さまと安倍首相 天皇が案じる『際どい決断』」 (「週刊文春」10月10日号) 第2位「“闇の帝王”許永中の独占肉声『日本で話をつけなあかん奴ら』がいる」 (「週刊ポスト」10月18日号) 第3位「11歳年下『内縁“夫”』とセレブ生活でも『三原じゅん子参議院議員』の身内が生活保護」 (「週刊新潮」10月10日号) 第4位「最後までペンを離さなかった山崎豊子さん」 (「週刊新潮」10月10日号) 第5位「JR北海道 社員の8割以上が『革マル系労組』所属」 (「週刊文春」10月10日号) 第6位「『年金詐欺10万人訴訟』を本誌は全面的に支持します」 (「週刊ポスト」10月18日号) 第7位「世界的科学者が目撃した『原発汚染水の海域』と『放射能汚染の実態』」 (「週刊現代」10月19日号) 第8位「徳洲会マネー100億円を貪る『わるいやつら』」 (「週刊文春」10月10日号) ガッカリである。フランスで行われた「凱旋門賞」のことだ。今度こそ日本の悲願を叶えてくれると思っていたオルフェーブルが、まさか大差の2着。キズナも4着に沈んだ。優勝したトレヴとの差は5馬身。決定的な差である。ゴール前、追い詰めるのではなく、差が開いてしまったのだから、トレヴの強さがわかろうというものだ。レース後、池江調教師が語ったように、凱旋門の扉は再び固く閉じてしまった。 「凱旋門賞」はハンデ戦に近い。オルフェが59.5キロ、勝ったトレヴは3歳牝馬だから54.5キロ。ハンデ差は実に5キロもある。しかもトレヴは4連勝中の3歳最強牝馬である。ハンデ1キロで1馬身の差が出るといわれる。5キロ差だから5馬身。オルフェとトレヴが同斤量だったら並んでいたと考えるのは、負け犬の遠吠えか。 しかし、ここ10年で見てみても、勝馬は3歳馬が圧倒的で、2007年に4歳牡馬のディラントーマス(59.5キロ)、2012年にオルフェを破った4歳牝馬ソレミア(58キロ)がいるだけである。競走馬にとって59.5キロを背負って走ることなどまれだ。伝統あるレースだが、この斤量を改正しないと、古馬が優勝するチャンスは極めて少ないと言わざるを得ない。 来年からは、オークスを勝った3歳牝馬を送り込むという案はどうだろう。ジェンティルドンナ、ウオッカ、ブエナビスタのクラスが出たらいい勝負になるはずだと思うのだが。 さあ、今週も質より量でいこう。まずは文春が先週の新潮とは違う視点で「徳洲会」を扱った記事。 先週新潮が、徳田毅自民党代議士(42)の選挙違反を捜査するために、東京地検特捜部が動き、100カ所近い捜索を始めたことを報じたと書いた。 その徳田氏の父親・虎雄氏(75)は巨大医療グループ「徳洲会」を一代で築き上げた人物だが、その大組織が大揺れに揺れている。 虎雄氏は十数年前にALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、眼だけしか動かせないが、その眼でプラスチックの文字盤を追い、意志を伝えている。 だが、その虎雄氏に取って代わろうという人物がいて、それとの間で内紛が起きていいると文春が報じている。 興味深いのは、内紛の中心人物は、虎雄氏の金庫番として長年支えた能宗克行氏(今年2月に解雇されている)と、新潮社の「週刊新潮」「フォーカス」の記者で、「徳洲新聞」の編集発行を請け負っていた久恒信夫氏だということだ。 「徳洲会の全てを知り尽くした能宗氏は解雇無効処分を求めて提訴するとともに、マスコミ対策に長けた久恒氏と親しい産経新聞の検察担当記者を通じて、徳洲会の内部資料をごっそり特捜部に持ち込んだのです。創価学会にせよ共産党にせよ、組織ぐるみ選挙は統制が取れているため、選挙違反の決定的な資料はそう簡単には出てこない。ところが徳洲会の場合、金庫番が体ごと飛び込んできた。検察にとってこれほど美味しい話はない。その“ご褒美”で産経は本件の特ダネを報じたのです」(社会部司法担当デスク) 文春は「100億円を貪る『わるいやつら』」とタイトルを打っているが、どっちもどっちではないのか。なるほど先週の新潮の記事が詳しかったのは、元記者からのタレコミのようだ。 今週の新潮は、この件に関してはコラムで小さく扱っただけ。そして最後にこう結ぶ。「大山鳴動してネズミが何匹ひっかかるやら?」。大山鳴動させたのは、新潮ではないのか。 この事件、スジが悪そうだから、政界を巻き込んだ贈収賄事件などにはならないかもしれない。 お次は、現代の原発汚染水の問題を扱った記事。 世界最大規模の独立系研究所である米国ウッズホール海洋研究所のケン・ベッセラー博士は福島近海の汚染状況について、こう語っている。 「私たちのチームはこれまで4度来日、原発から1kmの所まで近付いて海水などの調査をしていますが、汚染水は漏れ続けています。いくら海水で薄まっても、魚がいる場所としては、福島の沿岸は最悪の場所です。残念ながらいくつかのシーフードについては食べられるレベルではありません」 当然ながら、「汚染水はコントロールされている」と主張している安倍首相の発言には批判的である。 「海洋汚染はコントロールされているという安倍首相の発言は理解できません。私から見れば、全くコントロールされているようには見えない。海洋汚染自体は、人体のリスクという観点から言えば、水泳しても大丈夫でしょう。しかし、魚介類の汚染は、魚にガイガーカウンターを当てるだけで検知できるほど高いレベルです。これは、食べても安全とはとても言えないと考えています」 重要なことは、国際グループによる調査態勢を構築することだとベッセラー博士は言うが、海外に原発を売り込もうと躍起になっている安倍首相がやるはずはない。 現代は、このところ脱原発などと言い出している小泉純一郎元首相の講演会の全文を公開している。 私は、自己顕示欲の強いこの人の発言は、裏に何か意図があると思っているので信用してはいないが、一部だけ紹介しておこう。 「日本国民は、一つの大きな目標、これがいいなというモデルがあれば、実に積極的に官民一体となって協力する特質を持っていると思います。敗戦後も、日本人が掲げた大きな目標──二度と戦争をしないこと、長生きの国にすること、その二つをともに達成した。『原発をゼロにする』という方針を政府・自民党が打ち出せば、循環型社会を作る夢に向かって国民は結束できるんです。そうすれば世界が日本を手本にする。ピンチをチャンスに変える方針を決めるのが、政治の仕事なんです!」 みなさんはどう読むだろうか。 ポストは「10万人以上の年金受給者が国に年金減額の取り消しを求める行政不服審査請求申し立てに動き出した」ことに対して、全面的に支援すると打ち出した。 消費税を上げなくてはならないのは「高齢者が年金をもらいすぎているからだ」と批判して、現役世代の不満を高齢者に向けさせようとしているが、それは違うと、年金博士として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘している。 「団塊世代は年金に関して“勝ち逃げ世代”といわれるが、そうではない。年金制度はすでに破綻しているのに、なんとか年金を支払うことができるのは、高度成長期からバブル期にかけて団塊世代が中心になって貯めた積立金があるからなのです」 団塊世代は、現役の時は必要以上に保険料を払い、受給額は前の世代より大きく減らされているのだ。それが、これからは年金カットに加えて消費税増税、物価上昇という三重苦に見舞われるのである。 「家計調査(2012年平均)によると、世帯主が70歳以上の2人以上世帯はすでに昨年の時点で毎月の家計は赤字だ。具体的に見ると、収入は年金が19万5299円、その他の収入を合わせた月収22万2964円に対して、食費、光熱費、住居費、交通通信費などを合わせた支出合計は26万863円で、赤字の3万7899円は貯蓄の取り崩しなどでやりくりしていることが浮かび上がる。消費税が10%に上る2年後にはどうなるか。まず特例水準解消で年金が2.5%(4882円)カットされ、月収は21万8082円に減る。一方の消費支出は、政府目標の2%物価上昇が実現し、さらに政府の方針通り消費税分が価格に転嫁されると計算した。これに電気・ガス代の値上げ、年金から天引きされる介護保険や健康保険税の値上げを合わせると、支出合計は28万4537円に達する。新たに3万円近く負担が増え、1か月の赤字は6万6455円に膨れ上がる」(ポスト) 現在30代、40代の諸君は他人事のように思っているかもしれないが、すぐその時は来てしまう。この国の社会保障制度を政府や役人に任せておいたら、70過ぎたやつは姥捨山へ行けとなるに違いない。 列車火災に脱線事故、267カ所にも及ぶレール異常の放置と不祥事が頻発するJR北海道に何が起きているのか。 文春、新潮がともにやっているが、文春はその背景には「革マル系労組」があるというのだ。こちらを今週の第5位。 JR北海道の現役中堅社員が、こう話す。 「JR北海道の異常な企業体質が生まれた背景の一つに労使関係がある。一例を挙げれば、安全に関わることでも、労組の合意なしには義務化できなかったアル検(アルコール検査)問題があります。2008年、会社はアルコール検知器を導入し、全乗務員(運転士・車掌)に乗務前に各自で検査するよう呼びかけた。ところが組合は『アル検は強制ではない』として組織的に検査を拒否。09年には国交省の立ち入り検査で、札幌車掌所の十二人の車掌が導入時から一貫してアル検を拒否していることが発覚しました。そして、その全員が北鉄労の組合員でした」 北鉄労(北海道旅客鉄道労働組合)は、全社員約7000人のうち管理職を除く84%が加入するJR北海道の第一組合である。 11年の5月には、こんなことが起きているという。 「JR北海道は石勝線で特急列車が脱線した後、火災が発生、乗客39人が病院に搬送される事故を起こしている。その後も、居眠り運転など不祥事が相次ぎ、国交省から事業改善命令を受けたにもかかわらず、アル検は拒否されていたのだ。そして事故の4カ月後には、中島尚俊社長が『「お客様の安全を最優先にする」ということを常に考える社員になっていただきたい』と遺書を残して自殺する」 確かに北鉄労が所属するJR総連は、国会での警察庁警備局長答弁や政府答弁書などで、極左暴力集団である革マル派との関係が指摘されている。 だが、これだけがJR北海道に不祥事が頻発する理由のすべてではなかろう。赤字体質からの脱却など、やるべきことは山ほどあるはずである。北海道に住む人たちが安心して乗ることができる鉄道にするために、労使双方が徹底的に話し合うべきである。 「女性の読者の方から、なぜもっと、ベン・ケーシーのように正義感に満ちた医者を書かないのかと詰問された。(中略)しかし、権力と名声に包まれた財前教授のような医者の心の中にある醜い欲望や冷酷さは、小説という形の中でしか強烈に描き出せない。それで私の心の中にある主人公は、里見助教授でありながら、あえて財前五郎を強烈に描いたのですと、その女性読者に答えたことがある」(『山崎豊子 自作を語る2大阪づくし 私の産声』、小社刊) これは週刊新潮にある「『白い巨塔』を書き終えて」という中の一文である。作家・山崎豊子さんが亡くなった。享年88歳。『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など、今でいうノンフィクション・ノベルの大家である。 徹底的に取材をして、それをもとに書き上げるテーマは戦争、医療、新聞と幅広く深かった。 「私は取材魔といわれるくらい好きなんですね、資料読んで、問題点つかまえて聞いて、取材して歩くことが。また、取材している間にいろんなことが生まれてくるんです」 一冊書き上げるのに、300人以上の人を取材したという。 日系二世の悲劇を書いた『二つの祖国』についてこう語っている。 「結局、『二つの祖国』という小説は4つから成っているのです。強制収容所、太平洋戦争、広島の原爆、そして東京裁判です。この4つを上手く、ドラマチックにつなげられた場合にのみ、この小説は成功するのであって、収容所だけ、広島の原爆だけ、東京裁判だけでは幾多の名著が出ている。4つを一つのモチーフのもとに大きな環としてつなげられるか、つなげられないかが、小説の勝負どころだったんです」(『作家の使命 私の戦後』) 現在新潮に連載中の『約束の海』は第1部、20回分は書き終わっているが、その後はない。『暖簾』『ぼんち』に始まる山崎作品の新潮文庫の総計は、2000万部を超えるという。司馬遼太郎を失い、唯一人残った国民作家をまた失ってしまった。 次は第3位。新潮が今年5月、韓国クラブママの生活保護不正受給が発覚した際「絶対に許せない!」と叫んだ三原じゅん子自民党参議院議員(49)の身内に、生活保護受給者がいると報じている。 身内というのは、三原議員の公設秘書を務めていた山口智之氏(38)である。二人は事実上の夫婦であることがフライデーの報道でも明らかになっていると、新潮は書いている。 新潮も二人が仲睦まじく暮らしているところを、何度も目撃しているのだ。 しかも国会議員秘書給与法では、配偶者を公設秘書にすることを禁じている。事実婚だからとそのままにしてきたのを、三原議員はこの8月、当選以来3年間公設秘書として仕えてきた山口氏を私設秘書に切り替えた。さすがに政治家として道理が通らないことを自覚したのではなかったかと、新潮は追及している。 しかし、もっと深い事情があると、山口氏の実家のある神戸在住の知人がこう語る。 「実は地元にいる彼の妹さんが困窮状態にあり、この数年、生活保護受けとるんですわ。これが表に出たらまずいと思って、山口さんを切ったと聞きました。(中略)それに三原さんだって、実際にはカミさんのようなもんやし、議員という立場上も、彼に支援を促すのが筋とちゃいますか。彼女は昨年4月、神戸の中華屋で行われた山口さんの実家の法事に出席し、婚約者と紹介されてたんだから。山口家とは、もう身内の関係なんですよ」 民法には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」(第877条1項)とある。 「三原議員と山口氏が事実上、収入を一つにする世帯である事は明白ではないか」(新潮) 神戸市の生活保護の担当者も「うちは内縁関係も親族とみなします」と話している。 生活保護の不正受給を追及してきた三原議員はどう答えるのか。彼女の事務所が新潮編集部に、概ねこういう回答を寄せたという。 「山口秘書とは内縁関係にはありません。彼の妹の生活保護受給については、他人のプライバシーに関することなので、お答えい確かねます。議員はこの件を知りませんでした」 今月開かれる国会では、生活保護法の改正案が提出される予定で、そこには扶養義務者への支援要請の強化が盛り込まれるという。元女優の三原議員、どんな名演技でこの危機を乗り切るのか、見物である。 闇の帝王、裏社会の代理人、浪速の怪人などと、数々の異名を欲しいままにした許永中氏(66)が9月末、13年あまりの服役を経て出所した。 ポストは韓国のソウル市内にある「南部矯導所」を出所した直後を写真に撮り、肉声を伝えている。彼の出所で震え上がる政・財界人も多いのではないか。 許氏は大阪・北区中津に生まれた在日韓国人。彼は、1980年代前半のバブルの勃興期から絶頂期、そして崩壊を経て99年に身柄を拘束されるまで、裏社会との太いパイプを背景に政財界に深く食い込んだ。 政治家でいえば竹下登元首相、財界人でいえば太田清蔵・東邦生命元社長など各界の一流の人物たちとの人脈を築いた。 大阪の中堅商社・イトマンから3000億円に上る巨額資金を闇に流出させ、およそ360億円の損害を与えた特別背任の罪に問われ、逮捕された。 いまひとつは石油商社・石橋産業から手形180億円を騙し取ったとする事件の詐欺容疑で逮捕されているが、この事件には不可解なものがある。事件に関わった当事者の一人がこう話している。 「当時、石橋産業側は傘下の建設会社を同業他社と合併させるという許氏の事業プランに合意して協定書まで交わし、許氏に180億円の手形を出した。また、許氏には当時、銀行から同額の融資が見込めたので、返済能力もあった。騙す方も騙される方も、その意図がなかったのだから、詐欺罪が成立するのは不可能だ。では、なぜ事件になったのか。それは許氏のビジネスパートナーで、裏社会の大物の代理人として動いていたヤメ検弁護士の田中森一氏を検挙することが、当時の検察にとって至上命題だったからだ。だから、わざわざ田中氏が関与した無理筋の手形詐欺事件にした。言うなれば、許氏は巻き添えを喰った形だ」 許氏は日本のバブル前後の政治、経済を実際に裏で動かしてきた当事者である。あの政治家、あの大企業、あの事件の裏側で本当は何があったのか――それを身近に知る重要な「歴史の証言者」だから、当時の捜査関係者がこう言っている。 「イトマン事件で逮捕、保釈された後も竹下元首相が許氏と会っていたのは、取り調べで竹下氏に関することは一切、しゃべらなかったからだといわれた。まだ、知っていても口に出していない秘密があるはずだ」 ついに大物仕事師がシャバに戻った。まだ66歳である。最後の大仕事で、世間をアッといわせる時が来るかもしれないと、ポストは結んでいる。 許氏が真実を語るとすれば、ぜひ聞きたいものである。 週刊文春が、東京五輪招致や主権回復の日など、安倍首相の“皇室利用”が過ぎるのではないかという特集を組んでいる。これが今週の第1位。 06年に富田朝彦元宮内庁長官(故人)の手帳や日記の存在をスクープし、新聞協会賞を受賞した日本経済新聞の井上亮編集委員がこう解説している。 「今回の久子さまのIOC総会参加は、皇室を長年取材してきたベテランの記者は皆おかしいと思っています。憲法四条に『天皇は、国政に関する機能を有しない』と定められていますが、これは天皇陛下だけでなく他の皇族にも適用されます。そもそも、戦後皇室の象徴天皇制は『公平』を一番大切な不文律としてきました。国論が分かれるようなことや、利害関係が分かれるようなことには関与しないことを旨としてきたのです。宮家とはいえ久子さまがあの場に出られるなら、今度は皇太子殿下も、となりかねません。今回の一件を天皇陛下は相当憂慮されているのは間違いありません」 9月2日の記者会見で風岡典之宮内庁長官が、IOC総会での久子さまの出席を『苦渋の決断として、受け入れた』と語ったのは、天皇陛下のお気持ちを代弁したものだと宮内庁担当記者も語っている。 それに対して、菅義偉官房長官は「違和感を覚える」と批判した。だが井上氏は今年4月28日の主権回復式典でも一悶着あったという。 「主権回復式典に陛下の出席を促したのも、安倍政権の露骨な政治利用でした。(その日に主権回復をしていない)沖縄で反対運動があるのに、天皇陛下を引っ張り出してしまった。今回の久子さまの一件もそうですが、安倍政権の皇室利用の仕方は、行き過ぎではないかと思います」 こうした批判があるにもかかわらず、安倍首相は宮内庁“改革”も企んでいると、安倍首相に近い関係者はこんな秘話を明かしている。 「実は、第一次安倍政権の時に当時の羽毛田宮内庁長官を更迭しようと考えたことがありましたが、実現しませんでした。宮内庁ではまずナンバーツーの次長がブラックボックスの中で選ばれ、次長経験者が長官に上がるのが不文律になっている。今回、日銀総裁や内閣法制局長官の人事で霞ヶ関の不文律をぶっ壊した安倍首相にとっても、宮内庁だけは簡単に手が出せないのです。それでも、安倍首相はTPPや集団的自衛権などの懸案を処理した後、宮内庁の問題にも手をつけていこうと考えているのです」 今上陛下は即位後朝見の儀で「日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす」と述べている。従って、その憲法を改正しようともくろんでいる安倍首相には批判的だと思うのだが、安倍首相は気が付いていないようである。 (文=元木昌彦) (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊文春」10月10日号 中吊広告より
日本最古のサッカー雑誌に何が……「サッカーマガジン」宮本恒靖編集長に広がる波紋

「サッカーマガジン 2013年 10/1号」
週刊誌の「死ぬまでSEX」特集に黄色信号か? 高齢者のHIV患者が激増中
今週の注目記事 第1位「『死ぬまでSEX』の危険」 (「AERA」10月7日号) 第2位「東京地検がメスを入れた『徳洲会』の巨大がん病巣」 (「週刊新潮」10月3日号) 第3位「【引退勧告スクープ】〈島田紳助と同罪〉みのもんた 黒すぎる過去」 (「週刊文春」10月3日号) 第4位「『消費税+法人減税=国民の収入アップ』→そんなの大嘘です!!」 (「週刊ポスト」10月11日号) 第5位「日本一幸せなVERY妻」 (「AERA」10月7日号) 第6位「マエケンが投げて『広島が日本一』という夢を見ようじゃないか」 (「週刊現代」10月12日号) 山崎豊子さんが亡くなった。享年88歳。『白い巨塔』や『大地の子』など、ノンフィクション・ノベルの金字塔を数々生み出した作家である。 妥協を許さない徹底した取材に、担当編集者は悲鳴を上げることたびたびだった。現在、新潮で『約束の海』を連載中で、20回分の原稿は上がっているというが、完結しないのが残念である。 さて、今週は意外と言っては失礼だが、AERAが健闘している。文春の「〈怒りの告発〉官邸ブレーンのセレブ教授は教え子を妊娠・堕胎させた」「『秘密保全法ハンタイ!』芸能界のドンも頭を抱える藤原紀香の“左傾化”」「ロンブー淳“できすぎた嫁”〈元カレが暴露〉『オレが浮気したら包丁で…』」なども候補には挙げていたのだが、今ひとつピントこなかったため落とした。まずは現代の記事からいこう。 球団史上初となるCS(クライマックスシリーズ)進出を決めた広島カープ。全国のカープファンが待ち望んだ、29年ぶりの日本一の気分が高まっているようだ。 私は親父から二代続く「由緒正しい巨人ファン」だが、このところシーズン中は野球を見る気がしない。 それはCSができたため、シーズン途中からは真剣味が薄れてしまうからだ。だが、CSと日本シリーズは毎年ほとんどの試合を見ている。今年はパリーグの楽天と広島がCSでどう戦うか、見物である。 下馬評では、広島と14勝7敗と有利な成績を残している巨人だが、阪神とのファーストステージで勝ち上がってきたら、広島にも勝機があるという見方もあるようだ。 広島の元エース・大野豊氏は、こう見ている。 「14敗のうち1点差負けが7試合、2点差が2試合と、9敗が僅差なんです。シーズン序盤はリリーフ陣が安定しなかったために負けがつきましたが、マエケン、バリントン、野村祐輔、大竹寛の先発4本柱は、巨人打線相手に決して負けていない」 広島のエースというより、いまや球界を代表する大投手になった前田健太は、巨人戦には4戦投げて3勝0敗、防御率0.96という素晴らしい成績。当然、マエケンをいつどう使うかが勝負の鍵になる。 広島OBたちは、巨人との決戦ではマエケンを第2戦の登板にするという読みが多いようだ。それは、阪神とのファーストステージの第一戦に先発すると、決戦の初戦登板では中3日になってしまうからだ。 中には、マエケンをリリーフでフル回転させてはどうかという、“奇策”を推す評論家もいる。 どちらにしても日本野球最大のイベントであるCSと日本シリーズは、電子レンジでチンした冷凍枝豆を肴にビールでテレビ観戦といきましょう。サッカーなんぞより、なんぼか面白いぜ! みなさんは「VERY」という雑誌を知っているだろうか? 光文社から出ている30代のセレブ主婦向けの雑誌である。 AERAによれば、雑誌が売れない中でVERYの勢いが止まらないそうである。いったん落ちた部数を2007年からじわじわ回復させ、いまや35万部超。ブランド広告の出稿量も膨大で、500ページ超、重さ2キロ近い号もあるそうだ。次号11月号は、VERY史上最高の37万部を刷るという。 こうした雑誌の売りは、「読モ」といわれる読者モデルの存在。VERYの専属モデル、滝沢眞規子さん(35)は渋谷区内の豪邸に住み、夫はアパレル会社経営、3人の子どもと暮らすセレブである。 家族で街を歩いているときにVERY編集部にスカウトされ、09年に読者モデルとして誌面に登場して以来、私服の問い合わせ率はナンバーワンだそうだ。 彼女のほぼ毎日更新するブログには、夕食の献立や家族旅行の様子が綴られ、定番の「今日のコーディネート」は、トップス:ドルチェ&ガッパーナ、スカート:ザラ、パンプス:ジミーチュウ、バッグ:フェンディ(私のほとんど知らないブランドばかりであるが)だそうである。 専属主婦から人気モデルへ、シンデレラの階段を駆け上がり、いまや主婦のカリスマだという。 VERYが提唱するのは「母でも妻でもない自分に戻る瞬間、シンデレラタイム」を持とうということだそうである。子どもを幼稚園に送った後、戻るまでの間、自分の好きな洋服に身を包み、趣味の時間を持つ。 編集部が調べた「VERY妻」の世帯年収は821万円。バッグに出してもいい金額は7万5,069円だという。家事や育児に協力的な夫を「イケダン」と命名したのもVERYだそうだ。 「VERYには、女性誌ではお約束の占いページもなければ、韓流スターやアイドルも登場しない。妄想とは無縁だ」(AERA) 華やかなファッションだけではなく、原発などのシリアスな記事も入っているという。VERYをネット上で論評している西森路代さんによると、この雑誌の魅力はこうだ。 「読者は『自分たちで主婦を肯定しちゃおうよ』というVERYのコンセプトに乗ると同時に、突っ込めるメタ視点も持っているから、面白がれる。憧れのA面とリアルなB面、両面を持つ雑誌は他にありません」 こうした雑誌コンセプトは「with」「FRaU」(ともに講談社)にもあったと思うが、これらの雑誌がふるわず、VERYが読まれているのはなぜか? 女性雑誌の編集者は、こぞってこの雑誌を研究しているのだろうな。 私には現代の「こんなに恐ろしい定年ビンボー」のほうが切実で、読み応えがあったが、やはり「売れる雑誌には理由がある」のだから、売れない売れないと嘆くより、売れる雑誌を生み出す努力をしなくては、編集者としての存在意義はないはずだ。 安倍首相が消費税8%に舵を切る。だが、間違いなく増税は景気も個人消費も凍えさせると、私は考える。 そんな私の考えを代弁してくれるのがポストの記事。これが今週の第4位。 安倍首相の言葉を式にすると、〈消費税増税+法人税減税=国民の収入アップ〉という不思議な等式になると、ポストはかみつく。 「法人税減税で給料上がるというのは真っ赤なウソだ。実は、日本の全法人約260万社のうち、75%の約195万社は赤字で法人税を払っていない。それらの企業は減税が実施されても収益は変わらないから、減税で給料上げることなどできない。仮に、残り25%の企業が減税分で賃上げをしたとしても、『国民全体の収入アップ』になる道理がないではないか。(中略) 厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、今年7月の全産業平均の月給は前年比で約1700円の減少。14か月の連続のマイナスである」 誰もがおかしいと思う「5兆円規模の景気対策で増税分を国民に還元する」という理屈にも、こう批判する。 「安倍内閣は今年1月にアベノミクスの第一弾として13兆円の景気対策を打ち出したが、潤っているのはゼネコンだけで、国民の賃金アップにはつながっていない。今回の5兆円景気対策も同じで国民の収入が増えるわけではありません。それなのに増税分を国民に還元するなんてよくいえるものです。 3%のうち2%分を還元する気があるなら、最初から1%増税にすればいいでしょう。小学生でもわかるようなまやかしをいっているのです」(埼玉学園大学経済経営学部教授・相沢幸悦氏) いくらウソをついても国民はバカだから何も言わないし、マスコミは物を言えないように飼育してある――安倍首相の腹の中は、こうなのではないか。こういうときこそ、週刊誌の出番だと思うのだが。 さて、その週刊誌では、みのもんた追及がますます過熱してきている。 文春は、みのもんたが文化放送『みのもんたのウィークエンドをつかまえろ』(9月21日放送)で、こう話したと書いている。 「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。暑さ寒さも彼岸まで。昨日、お墓参りをしてご先祖様に近況報告してまいりました。『大変、世間をお騒がせして申し訳ございません』とね。とはいえ、私は騒がしたつもりはまったくないんです。私は別に何をやったわけでもないもんですからね。お前の周りでそんなことが起きたから、お前はどうするんだと言われてもねえ。いろんな人がいろんなことをおっしゃってる。でも、皆さんにひと言いいたいのはね、あくまでもこれは他人のことですから。もしご自分が私の立場になったら、どうなのかなあ。そういうことを考えてからお喋りになった方がいいよ、と」 自宅前で謝罪したときとは、かなり変わってきているようだ。 新潮では、上智大学文学部の田島泰彦教授がこう断じている。 「みのは社会的問題を取り扱う番組に中心的立場で出演し、様々な事件や出来事を追及してきたのだから、自分の身内の問題についても説明責任がある。30歳を過ぎて独立しているのだから云々は、一般人の話。彼の立場なら、安全な場所にいるときは好き放題言って、自分の身に危険がおよぶと逃げるなど、許されるはずもありません」 みのの次男・御法川雄斗容疑者は窃盗容疑をいまだ否認し続けているが、警視庁は10月1日、彼を窃盗容疑で再逮捕した 人間、落ち目になりたくないものだと思うのは、案の定、みのも過去の古傷を暴かれているからだ。文春によれば、こうである。 島田紳助が暴力団との黒い交際で引退した頃、TBSに対し、ある人物から重要告発があったというのである。 「告発の内容は、みのが過去に右翼団体とトラブルになり、暴力団関係者が解決に動いたというものでした。03年頃、右翼の街宣活動の標的とされ、困り果てていたみのが、相談を持ちかけたのが、バーニングプロダクションの周防郁雄社長だった。その周防氏が、神戸に拠点をおく暴力団『松浦組』の民族派団体『大日本新政會』に救済を求め、話し合いの末に解決に至ったというのです。これが事実であれば、みのは周防氏を介して暴力団関係者にトラブル解決を依頼したことになる。TBSにとっては看過できない問題のはずでした」(事情を知る関係者) だが、この告発をTBSは黙殺したという。 周防氏が解決を依頼したのは、当時親しかった「大日本新政會」総裁の笠岡和雄氏である。当時、周防氏が所有する麻布のビルに東京事務所を構えていた笠岡氏は、周防氏の依頼を受けてたびたびトラブルの解決を請け負っていたという。 みのが右翼の攻撃対象となったのは、みのの父親が創設した水道メーター会社「ニッコク」が関わった談合事件だった。東京都への水道メーター納入業者を決める一般入札で談合を行ったとして、03年7月に「ニッコク」に東京地検特捜部の家宅捜索が入り、同月15日には公正取引委員会から排除勧告を受けている。 各テレビ局が無視を決め込んだこの談合事件に目をつけたのは、任侠系の政治団体だった。街宣車が港区にある「ニッコク」本社で激しい抗議活動をしたが、ある日ピタッと止まった。 笠岡氏がこう話している。 「厳しい抗議文が連日ファクスなどでもニッコクに送られていたようです。談合が明らかになった以上、テレビはやめろ、許さないと。周防氏がその抗議文を私のところに持ってきて、『なんとか、みのさんを助けてくれませんか』と。そういうことでした。私が解決に動いたことは、もちろんみのさんも知っているはずです」 これでは島田紳助の件と瓜二つではないかと、文春は難じている。 「紳助が闇社会との黒い交際を始めたのも、過去の番組での発言を咎められ、右翼団体の抗議を受け、その解決を頼むために渡辺二郎氏の仲介で山口組の幹部と知り合ったことからだった。みのも同じく、結果的に暴力団に仲介を頼んだことになる。まさしく紳助と“同罪”なのである」 みのは、散々悪口を書いた週刊誌に「100倍返し」してやると息巻いているようだが、これ以上旧悪を暴露されないように気をつけたほうがいい。 五輪招致、見せかけだけだが景気回復で、安倍首相は上機嫌のようだが、ここへ来て、安倍内閣にとって由々しき事態が起きている。 それは、徳田毅自民党代議士(42)の選挙違反を捜査するために、東京地検特捜部が動き、100カ所近い捜索を始めたからだ。 徳田氏の父親・虎雄氏(75)は、巨大医療グループ「徳洲会」を一代で築き上げた人物だが、この人のカネまみれ選挙は有名だった。その息子も父親ほどではないようだが、自由に使えるカネと人を注ぎ込んで政界に足場を築こうとしてきた人物である。 昨年12月の政治資金パーティには安倍首相も駆けつけ、「自民党のホープ」と持ち上げている。 この事件をきっかけに、政界のどこまで捜査の手が及ぶのか。安倍政権を揺るがす事件に発展するかもしれないのだ。 新潮によれば、昨年12月の総選挙で毅氏の選挙区である鹿児島2区に借り出された徳洲会の職員は、最低でも370人に上るという。徳洲会関係者によれば、こうである。 「傘下の病院から掻き集められた職員には、ビラ撒きや戸別訪問などが割り当てられました。しかも、公示後は欠勤扱いとして、引かれた給与分をボーナスに上乗せし、3000円の日当まで支給していたのです」 毅議員は絶体絶命のようだが、総帥の虎雄氏は徹底抗戦すると言っているそうだ。 十数年前にALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、眼だけしか動かせないが、その眼でプラスチックの文字盤を追い、意志を伝えている。 この人が繰り広げた鹿児島県徳之島でのすさまじい選挙戦は、今も語り草である。古参幹部がこう振り返る。 「当時は理事長(虎雄氏)が直接、地元に現ナマを運んでいました。ひとつの紙袋に1億円を詰め込んでね。空港の手荷物検査でX線にかけると、見たこともないような大量の札束が透けて見えるので、係員は驚きのあまり言葉が出ない」 地元入りした虎雄氏は選挙スタッフに、あの町に1,000万、こちらにも1,000万と、札束を手渡しながら指示を飛ばしたという。 「86年の選挙で徳田陣営は20億円落としたと聞いている。この選挙では徳田派24人が選挙違反で逮捕された」(鹿児島県警関係者) 選挙違反は徳田家のお家芸のようだ。全国に67の総合病院など約350もの関連施設を持つ徳洲会は、日本最大の医療法人グループである。そこから徳田ファミリーが吸い上げるカネもものすごい。 「カブトク」という会社がある。千代田区にある株式会社「徳洲会」のことだ。虎雄氏が全株を持ち、社長は長女の越澤徳美氏(49)。取締役にも次女のスターン美千代氏(46)をはじめ、虎雄氏の子どもが並ぶファミリー企業である。徳洲会の関係者が、こう語る。 「全国各地の徳洲会病院が薬や医療機器を調達する際、本部の指示でこの会社を間に挟むことが義務付けられる。その結果、カブトクには常に5~30%の仲介手数料が入ることになるのです。もちろん病院は直接業者から仕入れたほうが安く済むのですが、本部の意向に逆らえるハズもない。確かに医療法人には株式会社が必要なケースもありますが、このトンネル会社は、年間800億もの売り上げを誇り、ファミリーは多額の役員報酬を得てきました」 栄華を誇った徳田ファミリーも、落日の時を迎えるのか。東京地検が意気込んでいるのは、捜索で虎雄氏のパソコンが手に入ったことだという。ある地検関係者によれば、『〇〇に○千万円運べ』といった具体的な指令が、パソコンには保存されているという。 「特捜部の最終目標は、徳洲会から永田町の有力議員へ渡ったカネの流れを解明し、犯罪に問えるものがあれば、バッジ(議員)の身柄を取ること。今回の捜査は、地元の警察がやるような単なる選挙違反事件とはワケが違う。だからこそ、史上空前規模で捜査を行っている。そして、この前段階として、毅議員のほか、選挙の陣頭指揮を執った次女、選挙資金の供給源となった会社の代表取締役である長女の逮捕まで視野に入れています」(社会部キャップ) 今回の捜査は、威信の低下した特捜部の起死回生をかけるものになるというのである。 元特捜検事の郷原信郎氏も、こう言う。 「公職選法違反から入って、巨額の政治資金規制法違反や脱税などの罪状で、政界にどれだけ切れ込めるか、捜査を見守りたい」 成り行き次第では、安倍政権の致命傷になるかもしれない。 ポストは今週も「死ぬほどSEX 60歳から『現役復帰』のススメ」という特集を組んでいるが、思わぬところから矢が飛んできた。 AERAの記事を読んで青くなる中高年もいるのではないか。これが今週の第1位。AREAはこう書き出す。 「エイズが若者の問題だったのは、もはや昔の話らしい。厚生労働省の『エイズ動向委員会』は8月30日、今年4~6月に新たに報告されたエイズ発症患者は146人で、過去最多だったと発表した。そのうち50歳以上が58人と全体の4割近くを占めた。ここ数年、中高年の患者が急激に増えているという」 AERAは、最近の週刊誌は「死ぬまでセックス」「60歳からのセックス」(「現代」)、「死ぬほどSEX」(「ポスト」)など、不倫のススメから女性を喜ばせるマッサージ術、アダルトDVDの紹介まで、これでもか! という勢いで高齢者の性を特集していることが“影響”しているのではないかと問いかける。なぜなら、 「一方、今年の厚生労働白書『若者の意識を探る』によれば、18~39歳の未婚者を対象にした調査で、『異性の交際相手も友人もいない』と答えた男性は60.2%、女性は51.6%に上った。今なお盛んな中高年に比べ、若者は明らかに元気がない。どうやら性も高齢化が進んでいるようなのだ」 なぜ今、高齢者が性に貪欲なのか。 セックスセラピストで産婦人科医の早乙女智子さんは、「高齢者の性が注目を集め始めたというより、もともとセックスに積極的だった世代が高齢になってもアクティブなまま、ということでしょう」とそっけないが、その通りであろう。 トルコ(今のソープランド)やピンクサロンへ行くのが「男の遊び」だと、稼いだカネをせっせと注ぎ込んできた世代である。その上、今はインポになればED薬もある。「死ぬまでセックス」と考える高齢者人口は、間違いなく増えてきている。 だが、週刊誌で風俗情報が売り物にならなくなったのは「エイズ」の蔓延であった。 「日本で2012年に新たに報告されたHIV感染者の内訳をみると、男性954人に対し、女性は48人と、圧倒的に男性が多い。同性との性交渉で感染したケースは724人、異性間では180人。つまり、男性同性愛者が最も多い。だが、40代以上に限ってみると、男性の4割近くが異性とのセックスで感染している」(AERA) 国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨HIV/AIDS先端医療開発センター長は、中高年で発症者が急増する原因をこう指摘する。 「各地域の保健所では匿名で検査を受けられるにもかかわらず、実際に受けている人の多くが若者なんです。いくら啓発キャンペーンを行っても、エイズ発症が心配な、もっとも届いてほしい中高年層は当事者意識が薄く、危機感を抱いていない」 国を挙げてHIV対策に取り組む米国では、今年4月、どんな疾患であっても、15~65歳で病院に来た患者は全員HIV検査を行うよう、政府の予防医学作業部会が勧告を出したそうだ。 「発症前であれば、1日1~3錠の投薬治療で、血液中のウィルスを検出限界以下のレベルにまで抑えることができる」(同)という。 HIV感染者の数は発表数字の何倍かになるであろう。死ぬまでSEX、70、80でも頑張れ! と煽り続けている週刊誌にとって、高齢者のHIV患者激増の記事はショックではないか。これから現代、ポストがどうするのか、注目したい。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「AERA」10月7日号 中吊広告より
“奇跡の38歳”丸岡いずみが、うつ地獄を激白 「コイのように口をパクパクと……」
今週の注目記事 第1位 「『みのもんた』の背中が育てた『超バカ息子』全行状」(「週刊新潮」9月26日号) 「みのもんた『成金コネ一家』の崩壊」(「週刊文春」9月26日号) 第2位 「本当に消費税上げて大丈夫なのか!?『値上げ地獄』の秋がやってきた!」(「週刊ポスト」10月4日号) 第3位 「光GENJI山本淳一“結婚詐欺”人生 二股ヒモ生活の果てに温泉街のバーテンダー」(「週刊文春」9月26日号) 第4位「“奇跡の38歳”突如降板から2年 元日テレ 丸岡いずみ 衝撃告白 『うつ地獄』からこうして脱出した!」(「週刊文春」9月26日号) 第5位 「『原発汚染水』これが真相だ」(「週刊現代」10月5日号) 第6位 「私は見た! 中央大学『不正入試事件』」(「週刊現代」10月5日号) 第7位 「元『AKB48』逢坂はるな ついにAVデビュー!」(「週刊現代」10月5日号) 今週は質より量でいく。まずは軟派記事からだが、ポストは「動く女性器『診察』『触診』『性教育』『オーガズム指導』『整形手術』すべて無修正」と「楽して快感『ラブグッズ』性愛術」。動く女性器とは、YouTubeにアップされている動画の中に、性教育や手術のために、そのものズバリが映っているものがあるという紹介記事。 もう一本は大人のオモチャの紹介。失礼ながら、知恵はあまり使っていない企画である。 現代は東京・神楽坂の「風俗資料館」にある「淫靡と背徳のエロス」を紹介している。今ごろ淫靡などという字が読めるのかと心配になるが、たしかにこの字でなくては、この陳列物の“匂い”は表現できないかもしれない。 その中では、私は不案内だが、逢坂はるな(元は違う名前で出ていたそうだが)という元AKB48のメンバーで、09年に卒業してDVDなどで活動している彼女(20)のまだ初々しいヘア・ヌードが袋とじになっている現代をお薦めしたい。 どうしてどうして意外に豊かな胸と見事なヘアを堂々と見せている見開きなど、なかなかの迫力である。 お次はやや地味な大学だが、今でも法科は司法試験合格率の高さを誇る中央大学のもめ事を扱った現代の記事。 「わが母校中央大学は、いま混乱の真っただ中にあります。不正入試事件で『裏口入学』の口利きをした前理事長が、学内の要職に居座り続け、再び権力を振るおうと画策している」 昨年発覚した、同大学の附属校である横浜山手中学の不正入試事件。前理事長・久野修慈氏が動かした巨額のカネを巡って、学内の混乱が明るみに出ようとしているそうだ。 久野氏は、親しい知人から孫が横浜山手中学を受験するので入れてほしいと頼まれ、便宜を図ったというのである。 この受験生、一度は合格になり入学金の払い込みも済ませたが、入学式まであと1カ月となった3月8日、合格が取り消し処分となったのだ。有力OBがこう話す。 「横浜山手中学の副理事長から、不正入試のことが当時の中大総長・福原紀彦氏に伝わったといわれています。これで福原氏が事件の追及に乗り出した」 しかし、事件の全容解明のために大学が設置を決めた第三者委員会による調査は、いささか奇妙な展開を見せたという。 調査報告書には、久野氏ではなく、福原総長に厳しい言葉が並んだ。さらに福原氏が事件の処断に動いたことについて、総長は、本件不正入試情報を入手してから、この情報を自己のグループで独占し、大学全体の問題として取り扱っておらず、職務権限がないのに本件合格の取り消しを事実上示し、実行させたもので、軽率のそしりを免れないというのである。 結局、第三者委員会による報告を受け、福原氏は総長辞任に追い込まれてしまう。 象牙の塔のゴタゴタは、どこまで行っても藪の中である。しかし、この騒動が明るみに出て文科省が「内紛」と見なせば、年間約30億円の補助金が打ち切られるそうだ。どういう決着が図られるのだろうか? 現代は、日本経済にも2020年の五輪にも大きな影響を与える、原発汚染水問題の現実を伝えている。これが今週の5位。 安倍首相は五輪のプレゼンテーションでも福島第一原発の視察でも「汚染水は湾内でブロックされている」と主張しているが、原子力研究者のマイケル・シュナイダー氏は、こうした考えを一蹴した。 「福島原発に隣接する湾内にある海水の半分が、毎日外洋に流出しています。これは日本の海洋学者も、東電も認めている事実。つまり、事故発生後から今まで、いったいどれだけ放射性物質が太平洋に流出したか、見当がつかないのです」 政府はタンクを密閉性の高い溶接式に切り替え、故障している除染装置を再稼働させようとしているが、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏はその効果を疑問視している。 「地上タンクから漏れたとされる300トンの汚染水には、1リットル当たり8000万ベクレルのベータ線放出核種があると発表されました。その正体を私はストロンチウム90だとみています。このストロンチウム90を、規制値以下の濃度にするには30ベクレル、つまり、約300万分の1にしなくてはならない。それを汚染の激しい現場で達成することはとても難しいと思います」 さらに、欧州放射線リスク委員会のクリス・バズビー博士は恐ろしいシナリオを現代に示したという。 「タンクの周囲から17万ベクレルという超高濃度汚染水が検出されていますが、これは明らかにおかしい。タンク内の汚染水の濃度が急に上昇するはずがないからです。推測するに事故後の水素爆発で飛び散った燃料棒の1部が土中にあり、地下水を汚染してるのではないでしょうか。これは、言ってみれば土中に原子炉があるような状態です」 現代は「事故から2年半がたったが、福島原発事故は収束するどころか、汚染水まみれになり、事態は悪化の一途を辿っている。しかも、このような状態を廃炉まで何十年も続けていかなければいけないのだ」と書いているが、このままいけば五輪開催にも影響するはずである。とても五輪景気などに浮かれている場合ではない。 さらに、京都大学原子炉実験所の今中哲二助教が言うように、「耐震補強だといって支柱を入れたりしていますが、そもそも建屋自体がひどく損傷してるので根本的な対策は難しい。4号機のプールには大量の使用済み核燃料が入っているので、地震によってプールが崩壊したり、水がなくなったりしたら大変な事態になる」のである。 文春は元日テレの看板キャスターだったが3年前の夏、突然テレビから姿を消した丸岡いずみの「うつ病」告白を掲載しているが、読ませる。 彼女、キャスターの仕事と過酷な取材が重なりストレスが溜まっていたため、東日本大震災後にうつ病を発症してしまうのだ。 日本テレビの報道番組『news every.』のキャスターだった彼女は、2011年8月29日、本番が終了した後、上司に「私、もうダメです。徳島に帰らせてください」と訴え、故郷へ帰ってしまった。 その後のうつとの闘いは壮絶である。 「家の中でも一ヵ所にとどまることなく、常にウロウロと動き回るようになりました。しかし、頭は鉛のようなものが詰め込まれたようになり、手足は重い鎖を繋げられたように思いどおりに動かなくなっていました。階段は這って昇るようになり、お化粧はもちろん、お風呂に入る機会も少なくなりました。動物なら『お腹が空いた』『眠い』という欲があるのに、そのどちらもなかった。『過覚醒』という症状で、鳥のさえずりさえも不快な雑音に感じてしまう。きれいな風景写真を見ても何も感じず、読書好きだったのに本を読む気にもなれない。ただ息をしているだけで、『やりたい』と思うことが何ひとつない。それは真っ暗闇にいるのと同じことでした」 そして、もっと危険な状態になってしまう。 「11月終わりの頃でした。居間で横になっていて、突然、呼吸ができなくなったのです。エサを求めるコイのように、ただ口をパクパクと動かす姿を見た父は、私を精神科に運び込みました」 薬も満足に飲んでいなかった彼女は、与えられた薬がよく効いたという。 「薬を飲み続けて二週間で、劇的な変化が訪れました。『……お腹が空いた』お腹が鳴り始めたことに気がついたのです」 ここで何度か書いているが、今の女子アナは給料はそれほどでもないのに、仕事は増え、フジテレビのように“できる女子アナ”はどんどん辞めて結婚したり、フリーになっている。 症状がよくなり結婚もしたという彼女の話は、女子アナたちにもいい助言になるはずだ。 同じ文春に、元光GENJIの山本淳一(41)が「二股ヒモ生活の果てに温泉街のバーテンダー」という記事がある。これが今週の3位。 「アイドル全盛の80年代の中でも、ジャニーズ事務所が送り出した光GENJIは伝説の存在だ。ローラースケートを履いて歌い踊った7人組は社会現象となり、88年のオリコンチャートでシングル年間ベスト3を独占するなど数々の記録を打ち立てた。だが、光GENJIが95年に解散した後は、愛嬌のある笑顔で人気を集めた山本も仕事が激減」(文春) 女優と結婚したものの破局し、事務所も離れ、目立った活動もしなくなっていく。 そして、お決まりの女性とのトラブル。 語るのは、山本と今年6月まで交際を続けたという都内在住の郁子さん(仮名・38)である。 「4年にわたって交際し、3年間は一緒に暮らしていました。私と前夫との間の子供の父兄参観や運動会にも参加するなど、完全に夫のような振る舞いでした。その一方で別の女性にも結婚をほのめかし、お金を引き出していた。そうやって嘘を重ねて、私にバレると逃げてしまった」 別の彼女から郁子さんに電話がかかり、彼女は4年も付き合ってお金も注ぎ込み、夫と離婚もしたと話したというのである。 だがその後、彼女のほうは山本と四国・松山で一緒に暮らしているそうだ。 8月末に、文春の記者が松山の道後温泉を訪ねた。 「薄暗い小路に立つバーに、ガラスドアを拭く男性の姿があった。赤いTシャツにスニーカー、髪はサイドを刈り込んで顎ヒゲを生やす今時のスタイル。20代の若者にしか見えないが、それが現在の山本の姿だった」(同) 郁子さんはこう語る。 「結局、光GENJIの威光で女性を頼るしかない人なんです」 事務所にこき使われ、一世を風靡しても次のアイドルが出てくればお払い箱。芸能界で生き残るのは極々わずかだ。もの悲しい話である。 先の逢坂はるなには失礼だが、AKB48の娘たちの中で芸能界に残れるのが何人いるだろう。後はひっそりと引退するか、体を使って(春をひさぐという意味ではないが)稼ぐしかないのだ。 現代はアベノミクスを礼賛し、株が上がる上がると囃し立てたのに、暴落するとアベノミクスは終わった、もう株には手を出すなという特集をした。 だが、2020年の東京五輪が決定すると今週は「日本経済『黄金の7年』が始まる」という特集を組んでいる。いくら何でも変わり身が早すぎるのではと思わざるをえないが、こう書いている。 「一部のマーケット関係者の間では、人気ドラマ『半沢直樹』の名セリフをもじって『倍返し相場』が来ると語られる。五輪決定で沸き上がるマーケットが、昨年来のアベノミクス相場でつけた年初来高値1万5942円の『倍』、つまり3万円オーバーに向かって急上昇していくシナリオだ。武者リサーチの武者陵司代表がこう指摘する。『日本の資産時価総額(土地+株式)は、89年から11年の間に1600兆円も失われました。22年間に亘って資産価値が下落を続ける現象は世界に例がなく、この過度な土地と株の価格下落を引き起こしたのは、過度の悲観論、諦観論=アニマルスピリットの喪失でした。東京五輪はこうした悲観、諦観を一掃し、正当な株価と地価の実現をもたらすでしょう。その経済効果は計り知れません。2020年の日本経済が1990年の高度成長のピークを越えていくとすれば、日経平均は過去最高の4万円が視野に入ってくるでしょう』」 さらに、この7年の間には、アベノミクスでもいまだに達成できていない賃金の上昇がやってくるというのである。 SMBC日興証券の渡辺浩志エコノミストが、こう解説している。 「五輪開催で、15万人の雇用創出が見込まれています。現在は約300万人の失業者がいて、失業率は3.8パーセント。15万人の雇用が創出されると、失業率は約0.25%改善される計算です。これは数値としては大きくはありませんが、失業率の下限が3.5パーセントと言われている点にポイントがあります。失業率が下限に近づくと、労働マーケットは人手不足の状態になり、おのずと賃金が上がっていく。来年、賃金は1%程度伸びると考えていいと思います」 それでも、ちょっぴり不安材料も書いてはいる。 「夢の祭典が終わってしまえば、熱気も冷め、需要も落ち込み、『五輪ショック』が起きるのではと危惧する向きもあるだろう。実はその危険性は否定できない」 だが、そんなことは付け足しに過ぎない。証券アナリストの植木靖男氏にこうまで言わせているのだ。 「2020年から日本ではバブルが始まる。そうなれば、日経平均株価が10万円を目指す上昇基調が、おそらく2024年ごろまで続くでしょう」 なんと今度は10万円だ。現代は、日本経済はこれからとてつもない変動迎え、その幕開けの瞬間に、われわれは立ち会っているのであると結んでいるが、とても素面では読めない。 対照的に週刊ポストは、今年の秋に値上げ地獄がやってくると書いているが、こちらのほうが実感があるので2位に推す。 パン、牛乳、ハム・ソーセージからチーズ、冷凍食品など主要食品が10~11月に軒並み値上がりする。日本酒やワインも大手メーカーが横並びで1000品目以上の値上げ方針を打ち出し、ごま油などは今年2度目の値上げをするという。食品インフレだけではない。 「国民生活を背後から脅かすのが公共料金、年金・医療、教育費などの負担増だろう。厚生年金保険料は9月から年間約9千円引き上げられ、年金受給額は今後3年間で『6万8700円』減らされる。高齢者(70~74歳)の医療費窓口負担は来年4月から2倍になる」(ポスト) 経済ジャーナリストの荻原博子氏が、こう指摘する。 「庶民の家計は食料品だけで食費が1割近くアップ、電気・ガス・水道の光熱費も1割アップ、その他にも教育費が上がり、マイカーを持っている世帯は自賠責保険も上がります。政府の試算にはこれらが含まれていません。それを合わせると消費増税後に年収300万円世帯は年間40~60万円、500万円世帯なら年間60~70万円という、年収の2割近くに相当する負担増を迫られることになるはずです。住宅ローンなどが払えなくなる世帯が増えることも考えられます」 ポストのほうは、こう結んでいる。 「厚生労働省の毎月勤労統計によると、全産業平均の今年7月のボーナスは前年比でわずか2108円増えただけだった。しかも、定期給与は740円下がっているから、差し引きで手取り増は1368円にしかならない。それなのに物価上昇と増税などで2割近くも新たな負担が増えれば、よほど余裕のあるサラリーマンでない限り家計がパンクしてしまうのは火を見るより明らかだろう。『値上げ天国』は間違いなく、庶民に地獄をもたらす」 読者諸兄はポスト、現代、どちらの見通しを正しいと思うだろうか。 文春と新潮がみのもんたの次男逮捕の特集を組んでいるが、タイトルは新潮に軍配をあげるが、内容は文春に分あり。両誌を今週の第1位にした。 文春では社会部記者が、次男逮捕の経緯をこのように述べている。 「事件発生は逮捕の約1ヶ月前、8月13日の午前1時過ぎ。新橋の路上で泥酔していた40代男性に警官が声をかけたところ、近くにいた不審な男が逃げるように走り去った。男性はバッグを盗まれており、直後に任意で事情を聞かれたのが雄斗容疑者。 その日のうちに帰されたが、のちの捜査でコンビニの防犯カメラに、男性のカードでATMから現金を引き出そうとする容疑者の姿が写っていたことが判明した。映像が決め手となり、逮捕につながったのです」 みのもんたの次男で日本テレビ勤務の御法川(みのりかわ)雄斗(31)が窃盗未遂容疑で警視庁に逮捕されたのは9月11日であった。 新潮は、みのが2007年に上梓した『義理と人情』(幻冬舎)という新書の中で、いじめ問題に触れてこう書いているとしている。 「教育委員会がどうの、校長はどうの、教師がどうのと言う前に、子供をきちんと躾けることを問うべきだと思います」 次男も慶應幼稚舎から慶應大学で、相当なやんちゃなこともしたそうだ。日テレもコネ入社だといわれているそうである。しかも親の七光りがあると勘違いしていたのか、態度も悪かったと新潮で日テレ局員がこう話す。 「髪は長めで、ところどころ金色に染まっている部分があり、チャラいと思いましたが、それ以上に、他の新入社員とは態度が違った。普通は何でもがんばりますという態度で仕事に取り組むものですが、彼は“おはようございます”とか基本的なあいさつもできず、一切質問もしてこない。仏頂面で、真剣に仕事をしないので、こちらも何ひとつアドバイスをしなかった。どこの部署に行っても使いづらいだろうな、と思いましたね」 やはり、しつけが悪かったのか。だが、こうなった責任はみのを甘やかしたテレビ局にもありそうだ。 キー局関係者が、銀座のバーでのテレビ局トップの行状をこう言っている。 「みのさんに酒を勧められれば、局の上層部でも断れない。某局のトップなんか、べろべろに酔わされて、店の床柱を抱きかかえてミンミン鳴く“蝉の芸”をやらされたそうです」 TBSでは「毎朝9時になると、生放送を終えたみのを、幹部やスタッフが一列に並び、最敬礼で見送るという光景が繰り返されてきた」(文春)というのである。 白い巨塔の大名行列のようだ。これでつけ上がらないほうがおかしいのかもしれない。 文春によれば、「みのは『せがれとはしばらく会う機会がなかった』と話したが、これは真っ赤な嘘だ」と追及している。 「事件から10日後の8月23日、みのと雄斗は東京・銀座の超高級クラブ『B』で豪遊していたのだ。 居合わせた目撃者が言う。 『Bはみのが行きつけのクラブで、以前から次男やTBSにいる長男をよく連れてきていました。その日はみのの誕生日の翌日で、次男と、もう一人連れの男性がいた。いつものようにグラスにクラッシュアイスを敷き詰め、バランタインの30年ものをなみなみ注いだ“みのスペシャル”を一気飲み。次男も同じものを飲んでいた」 30を過ぎた息子が逮捕されようが、本来なら親とは関係ない。だが、テレビの司会者で、社会的な発言をしてきた人間が、自分の息子が警察に呼ばれたというのを知っていて、銀座で一緒にバカ騒ぎでは、親の責任はどうなるといわれても仕方あるまい。 看板番組『朝ズバッ!』(TBS系)を降ろそうという動きもあるようだが、そうなれば年間5億円といわれるギャラが吹っ飛ぶ。みの人生最大のピンチのようである。 この事件でも、いつも通り「親の責任論」がやかしい。現代がそれについて特集を組んでいるが、評論家の呉智英氏のコメントが一番面白かったので紹介しておこう。 「日本では家族主義、親族主義が強いため、『食卓のない家』(円地文子作=筆者注)で描かれたような議論は昔からありました。今回のみの氏とその息子の一件に関して言えば、みの氏が成人した子供の責任を負う必要はないと考えるなら、徹底して突っ張るべきだと思います。報道番組だろうと、バラエティ番組だろうと出演自粛などしなければいいのです。 みの氏が、『社会人として息子を罰すべきは、きちんと罰してください。私を罰すると言われても、私には責任がない』と断言したら、インパクトはあるでしょうね。それがプラスになるか、マイナスになるか。私は信念を持って毅然と言い切れば、最終的にはみの氏にとってもプラスになると考えます」 この意見を、みのもんたはどう聞くのだろうか。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊新潮」9月26日号 中吊広告より
南雲式ダイエット、脱シャンプー、炭水化物制限……その健康法、本当に信じられますか?
今週の注目記事1位 「逆転勝利『東京五輪』の非公式情報」 (「週刊新潮」9月19日号) 同2位「半沢直樹はどこにいる? 頼れる銀行 頼れない銀行」 (「週刊ダイヤモンド」(9月21日号) 同3位「大銀行に血祭りにされる『優良中小企業』破綻の修羅場」 (「週刊新潮」9月19日号) 同4位「『医学博士』が提唱する奇抜で突飛な『健康法』は信じられるか?」 (「週刊新潮」9月19日号) 今週は現代、ポストが合併号だったこともあり、文春が精彩を欠いていたため新潮の圧勝となった。文春には、東京五輪決定のような一斉イベントのとき、やや精彩を欠くところがある。切り口の差が出るのだが、その点、新潮は強い。 その前に、みのもんたの話をしよう。 父親になることは難しくないが、父親であることは極めて難しい。そんな言葉があった気がするが、司会者みのもんた(69)はこのことを身にしみて感じていることだろう。 みのの次男で日本テレビ勤務の御法川(みのりかわ)雄斗(31)が窃盗未遂容疑で警視庁に逮捕されたのは、9月11日であった。 フライデーの「みのもんた『日テレ社員次男』逮捕の深層」(9月27日号)で、民放テレビ局記者がこう語っている。 「8月13日に新橋の路上で泥酔していた40代会社員のカバンを盗み、入っていたキャッシュカードを使って、近くのコンビニでカネを下ろそうとしたんです。結局、暗証番号がわからなくて、未遂に終わりましたが(笑)。警視庁もみのさんの息子ということで慎重に任意で事情聴取をしていましたが、ATMの防犯カメラに写っていたことが決め手となって逮捕となりました」 雄斗容疑者は慶應義塾大学を卒業後、2006年に日本テレビに入社、営業部に勤務し、11年には結婚するなど順調な人生を送っていたという。 みのと親しい民法テレビ局社員の話として、長男は同じ慶応を出てTBSにいる、まじめでバラエティ担当のプロデューサーとして評判がいいようだが、次男のほうは昔からやんちゃで、附属高校時代は万引き事件のリーダー的存在。停学処分を受けたことがあるという。 みのは「忙しくて甘やかしすぎた」と漏らしていたというが、そんな次男が日本テレビに入れたのも「みののコネ」だといわれているそうである。 不可解なのは自分の職場近くで盗みをはたらき、しかも盗んだクレジットカードを近くのコンビニで暗証番号も知らずに下ろそうとしたことである。 事実だとすれば、出来心にしてもお粗末すぎる。それほどカネに困っていたのか。泥酔しての犯行ではないようだから、覚せい剤か何か“クスリ”の影響があったのかもしれない。 みのは、家の前に集まった報道陣に長い沈黙で答えた。そしてこう言ったという。 「花も花なれ 人も人なれ」 これは細川ガラシャの辞世の句。明智光秀の娘で、関ヶ原の戦いの際、石田三成から人質として大坂城に入ることを強要されたが承知せず、自害して細川家の面目を保ったといわれている。 「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」 花も人も、散り時を心得てこそ美しいという意である。妻にも死なれ、子どもにも裏切られた彼の「引退宣言」なのだろうか。 今、ちまたには奇妙奇天烈な健康法を記した本が数多ある。新潮はそうしたものが信じられるのかと、大いなる疑問を持った特集を組んだ。その結果やいかに。 「クリニック宇津木流」の宇津木龍一院長が書いた『シャンプーをやめると、髪が増える』(角川書店)はどうか。「おおもりクリニック」の大森喜太郎院長は、シャンプーが発明される前の江戸時代にハゲはいなかったのか? と疑問を呈し、シャンプーで傷むほど人間の頭皮はヤワじゃないとバッサリ。 だが、確か作家の五木寛之さんは、自分は髪をめったに洗わないから、この年でもふさふさの髪をしているのだと、あちこちで書いているが、これはどうなるのか? お次は一世を風靡した南雲式ダイエットはどうか。「ナグモクリニック」総院長の南雲吉則氏は、ダイエットするために「一日一食」を実行。当然ながら、体重はみるみるうちに減ったという。 愛知学院大の佐藤祐造客員教授は、数回に分けて食べるよりも一気にどか食いすると太りやすい。また1日1回の食事だと極端に血糖値が上がるため、インスリンの分泌量が増え、動脈硬化が進む恐れがあると、これもバッサリ。 では『油を断てばアトピーはここまで治る』(三笠書房)を出した下関市立市民病院小児科顧問の永田良隆医師についてはどうか。永田医師によると「肉、卵、牛乳、植物油といった高脂肪、高タンパクの食物を避け、白米、麦ごはん、魚介類、大豆製品、緑黄色野菜、根菜類、海草類、芋類などをとり、短期的にステロイド剤を併用すれば、アトピーを治せる」という。 これに対して「中山皮膚科クリニック院長」中山秀夫氏は、アトピー皮膚炎の重症患者を調べたところ、87%がダニに反応する抗体ができていて、正確なダニ対策で88%の人が治った。だから、食事療法は根本的な解決策ではないと反論している。 へー、ダニ対策をすればアトピーは治るのか? だからフトン掃除機のようなものが売れているのかと、なんとなく納得。 寄生虫の研究で有名な藤田紘一郎東京医科歯科大学名誉教授が著した『50歳からは「炭水化物」をやめなさい。』(大和書房)はどうか。 藤田名誉教授によると、炭水化物を摂らなければボケもしないというのだが、東京都健康長寿医療センター研究所の新開省二研究部長は、5年、10年にわたって影響を調べていないので、一般的に効果があるかどうかの根拠に欠けていると反論。炭水化物を摂らないのは栄養バランスがよくないので奨められないとしている。 この中で比較的高評価と思えるのが『病気にならない! たまねぎ氷健康法』(アスコム)だ。これは料理研究家・管理栄養士の村上祥子氏が著したものだが、たまねぎは血流をよくするので、一日50グラムを食べれば効果的だとし、たまねぎをピューレ状にして製氷皿で凍らせて食せば、血糖値は下がるし足のむくみなども解消されるという。 反論もあるが、それは一日に食べる量が少なすぎるというものだから、もっと食べればいいのだろう。強壮効果もあるというからやってみたいが、胸焼けがしそうだ。 ザッと見てくると、バランスのいい食事を摂り、身のまわりを清潔にしておくことが、健康でいるために必要なことだということはわかる。 私のように毎晩暴飲ばかりしているのは、緩慢な自殺だということもわかってはいるが、それでもやめられないのが人生ではある。 TBSの『半沢直樹』が依然絶好調である。「やられたら倍返し」という決めぜりふが小気味いいが、裏返せば、庶民の銀行に対する恨み辛みが根強くあるからに違いない。 しかし東京編になってから、「ご都合主義」が目立つ。貸出先の同族経営ホテルの窮地を救うために獅子奮迅の働きをするのはいいのだが、絶体絶命のピンチから脱出する設定が「そんなのあり?」と、思う場面が多すぎる。 たとえば金融庁の検査で、知られてはならない書類を自行の機械室に隠していたが、知られてしまい絶体絶命になる。だが、金融庁・黒崎が開けた箱にはイベントで使う衣装が入っているだけ。呆然とする黒崎。 半沢がこのことを見越して、積んである箱はおとりで、本物は部屋の隅にあったという仕掛けだが、誰も気づかないはずのところだと半沢が豪語していたのだから、ここまでやるだろうかと納得できなかった。 それ以外でも、半沢の親友が出向先で暴いた常務の迂回資金の証拠書類を、その常務の甘言で、表沙汰にしないことに同意してしまうシーンにも納得がいかない(もしかすると、次回では翻すのかもしれないが)。 原作者の池井戸潤氏は、週刊ダイヤモンドのインタビューでこう答えている。 「あれはマンガですよ。サラリーマンチャンバラ劇。そもそもリアルな銀行員には興味がありません。僕が描いているのは銀行を舞台にしたエンターテインメントです。リアリティを追求してるといっても、それは金融システムや銀行員の生態にリアリティを求めているわけではなく、人間ドラマとしてのリアリティーでしかない。小説には完全なファンタジーからノンフィクションに近いリアルなものまでありますが、半沢シリーズは真ん中よりもファンタジー寄りかもしれない」 確かにテレビドラマにリアリティを求めるのはちょっと違うのかもしれないが、それだけ見ている側に半沢のいる銀行という組織への反発が強いということであろう。 銀行に半沢なんか一人もいないと新潮が、銀行の血も情けもない非情ぶりを特集している。これが今週の第3位。 中でも、大阪の「第一メリヤス」という中小企業への仕打ちは、ドラマにしたくなるほどひどい。 「いつまで不況業種の最たる仕事をやっているのか。りそな銀行は今後一切、1円たりとも融資しない」 りそなの支店長は、声を荒げたという。 大阪枚方市にある「第一メリヤス」は年商1億7,000万円の老舗アパレル会社。同社に大和銀行(現・りそな銀行)の地元支店長からマンション建設の話が持ち込まれたのは99年のことだったという。 同社には枚方市のJR津田駅前に3,700坪の所有地があった。うち約500坪を使って6階建ての賃貸マンションを建設し、運営しろというのだ。建設には5億から6億円が必要なので、社長は断り続けたが、支店長がしつこく勧誘し、融資の大半を住宅金融公庫から35年ローンでつけるというので、呑んでしまったと、当時の社長の実弟・小久保貴光氏が話す。 それから2年半は何事もなく過ぎたが、その間に大和がりそな銀行になり、03年5月には一時国有化された。そして新支店長が来てこう言い放ったという。 「繊維に未来はない。これを機に本業を廃業しろ。軟着陸のための資金は協力する。たかがメリヤス屋の分際でマンションを建てること自体が分不相応なんだ」 当時の社長は、この言葉に大変なショックを受けたそうである。小久保氏はこう語る。 「“なぜですか。今まで、りそなさんに迷惑をかけたことは一度もない”と狼狽する兄に対し、支店長はさらに追い討ちをかけました。“今後、取引は停止。うちは貴社の債権を整理会社に移管する”と。兄が必死で“そんな無茶な”とすがると、彼は“貴社は『破綻懸念先』だから、こうせざるを得ない”と言った。 ここで初めて、うちが破綻懸念先に分類されてることを知った。支店長は廃業資金を貸す気などなく、廃業させた上で、マンションを売却するしかないように仕向け、融資資金の期限前返済を迫ったのです。卑劣で狡猾な貸し剥がしです」 結局、マンションを売却したが2,000万円を超える残債が残った。兄はその後、胃がんが見つかり、翌年に脳内出血で倒れ、「あれは銀行のあるべき姿ではない」と怨みながら60歳で亡くなったという。 岡山県にある「林原」が一昨年2月に会社更生法を申請して倒産したケースも取り上げられている。 「林原」は「夢の糖質」といわれたトレハロースの量産に成功し、抗がん剤のインターフェロンなどの生産も行い、年間600億円を売上げていたから、同社の破綻は大きな衝撃であった。 経済誌記者は、銀行のやり方に疑問を呈している。 「林原では、資産売却や会社そのものが700億もの金額で売れたこともあり、弁済率が93%という過去に例を見ない驚異的なものになった。同時期に潰れた武富士などわずか3.3%ですよ。そういう会社を大騒ぎして血祭りに上げ、潰す必要が本当にあったのか、疑問でなりません」 半沢直樹にこんな言葉が出てくる。「銀行は、晴れた日には傘を差し出し、雨の日には傘を取り上げる」。こんな銀行ならいらないと思うのは、私だけではないはずだ。だから『半沢直樹』が多くの人に見られるのだ。 お次の第2位もダイヤモンドの銀行の話。 ダイヤモンドは、頼れる銀行はどこなのかを金融業を除く上場企業3,359社を対象にアンケート調査を行い、362社から回答を得たという。 「付き合いたい銀行」としてトップに立ったのは、103社から支持を得た三菱東京UFJ銀行。 「『国内最大規模の銀行で、安定した融資力や、多岐にわたるニーズへの対応力がある』(不動産)、『これから事業をグローバルに展開、強化していく上で、海外全般にネットワークがある』(製造業)と、国内トップバンクとしての安定感、そして、充実した海外網が評価された格好だ。票数でも他の銀行を圧倒した。みずほ銀行が66社で続いた。『昔に比べて対応が軟化した。目先の小さな利益は追わず、ある程度のリスクを取り、大胆に行動するようになった』(製造業)など、最近の変化を前向きに評価する声があった。 一方、『付き合いたくない銀行』のワースト1位に選ばれたのは、三井住友銀行だった。『組織的な営業力は特筆すべきものがあるが、時に顧客のニーズからかけ離れた、銀行都合の営業活動をしてくる』(製造業)、『全般的に住友カラーが前面に出て、よきにつけあしきにつけ、銀行というよりは“商売”の感覚を強く感じる』(建設)などの意見が出た」(ダイヤモンド) その他にも三井住友には「行員の態度が横柄」(小売業)、「経営が悪化した際の金融支援に消極的になった」(製造業)などの声があるそうである。 出世や給与面の考察もあるが、興味深いのは「金融女子が語る」というコラム。 「C子さん(メガ総合職)の証言 お金に細かい人が多いですね。1000円とか、そのくらいごちそうになっただけでも、『あのときおごってやった。お前には目をかけてやってる』って言われ続けたりするんです。 D子さんの証言(メガ総合職) 男尊女卑の傾向はあるよ。だって銀行ってそういうとこ。 B子さんの証言(メガ一般職) 不倫? 普通にあるよ。支店だと2年くらいで転勤になるじゃん? だからかえって後腐れなく遊べるって考える人もいるみたいで。堅いっていわれる銀行も、普通の企業と変わらないんだなって洗礼を受けたよ」 現場の銀行員たちはどういう思いで半沢を見ているのだろうか。半沢のようなサラリーマンはどこの企業にだっていない。だからファンタジーなのだ。 今週は東京五輪についての特集ばかりで、私のように関心のない人間には読むところがなくて困るのだが、そうは言っても挙げざるを得まい。 文春は「新聞・テレビが報じない東京五輪10大ドラマ」というタイトル。読めないことはないが、私には新潮のほうが読み応えがあったので、こちらを今週の第1位に推す。 9月7日(日本時間8日)、2020年五輪開催国に東京が決まってしまった。マドリード、イスタンブールとの争いだったが、第1回目の投票でマドリードが落ち、イスタンブールと東京の決選投票の結果、東京が60票を獲得して36票のイスタンブールに圧勝したのである。 新潮で元JOCの国際業務部参事の春日良一氏が、IOC(国際オリンピック委員会)総会での最終決戦の日本票をこのように分析している。 「60票の内訳を推測すると、ポイントとなるのは最終決戦で中国が東京を後押ししたということ。現在、日中関係は良くないですけれど、ピンポン外交などスポーツ界の交流は長いのです。となれば、中国が経済援助で影響力を持つアフリカも連動し、最大12票が獲得できた。さらにヨーロッパ44票のうち、半数以上は東京支持に回って、アラブ票を握るクウェートのアマハド王子も味方についたと見られる。この3つが勝因です」 今回の3都市にはそれぞれ重大なマイナス点があった。マドリードは経済問題、イスタンブールは政情不安、東京には福島第一原発事故による放射能汚染水漏れ。中でもIOC総会の直前に発覚した汚染水漏れは、世界中のメディアが大きく報じ、最終プレゼンテーションでも委員から質問が出たほどで、直前予想ではマドリード優勢かと思われていただけに、東京決定に会場内はどよめいた。 一部に政治利用ではないかという批判もあった高円宮妃久子さんの“奇跡のスピーチ”(文春)や、流ちょうなフランス語で聴衆を沸かせた滝川クリステル、練習の成果が出た安倍首相のパフォーマンス英語などが評価されたが、猪瀬都知事のスピーチは“絶望的英語”(新潮)と酷評された。 他に楽しいことがないのか、テレビのワイドショーは連日祝賀ムードだが、諸手を挙げてバンザイ三唱できるのだろうか。 難問の第1は、安倍首相がプレゼンテーションで「国が責任を持ってやるから大丈夫」と宣言した汚染水漏れだ。 先週のニューズウィーク日本版は、国がこれから作ると言っている、地盤を凍らせて地下水や汚染物質の侵入、または侵出を遮断する「凍土壁造成計画」に大きな難題があると報じていた。 凍土壁造成技術に詳しいアークティック・ファウンデーションズ社のエド・ヤーマク社長が、こう言っている。 「ヤーマクによると、放射性物質を封じ込めるために行われたオークリッジの工事で最も苦労したのは、作業員の安全確保と汚染拡大の防止だった。汚染された土壌に雨水が浸透するのを防ぐため、現場にはアスファルトが敷設されたが、作業員はそこから一歩も出てはならなかった。(中略)周辺の木々は放射能に汚染された水を吸っていたから、落ち葉も汚染されている。ヤーマクは毎朝リーフブロワー(落ち葉を吹き飛ばす機械)を持っていき、現場や機械から落ち葉を取り除かねばならなかった。凍結管を打ち込む穴を掘るときは、掘り出した土をそのまま密封容器に入れ、密閉された区域に運び込まなければならない。ドリルの排気もフィルターでろ過する必要があった。『技術的には福島(での凍土壁造成)はそんなに大変じゃない』とヤーマクは言う。『大変なのはそれを安全にやり遂げることだ』」 東京電力の相沢善吾副社長が9月11日の記者会見で「事故を起こした福島第一原発について『まだ野戦病院のような状態が続いている』と述べた」とasahi.comが報じている。 安倍晋三首相が『状況はコントロールされており、東京にダメージは与えない』と、IOC総会で演説したことについて相沢副社長は、「『安倍総理がどういうご趣旨で発言されたかを国に確認したところ、外洋に影響がないのでそう話したと。さらにコントロールしていきたい』と述べた。首相と現場との認識の違いが、垣間見える」とも報じている。 汚染水問題は、一朝一夕に解決するはずはないのだ。 五輪招致が決まったことで、ほとんどのメディアが「これで消費税増税は決まり」だと書いているが、景気回復はうまくいくのだろうか。 7年は長い。その間に天災が襲わないとも限らない。東海大地震がいつ起きても不思議ではないといわれ、富士山の噴火も懸念されている。決まったはいいが、無事に迎えられるかどうかわからないと、主催者なら心配になるのではと思うのだが、猪瀬都知事は脳天気なのか、お台場をカジノにして稼ごうとしていると新潮が書いている。 カジノに詳しい、大阪商業大学アミューズメント産業研究所の藤本光太郎研究員がこう話す。 「お台場カジノの経済効果は、3兆円といわれる東京五輪の比ではありません。20兆円産業のパチンコを粗利に換算すると約3兆円。カジノは売上げ(客の負け分)イコール粗利となり、お台場の試算は年間1兆円ですが、建設や雇用など波及効果を含めれば、さらに膨大な額が見込めます」 ちなみに、世界第一位のマカオは年3兆8,000億円の売り上げ(粗利)だという。 これには法改正が不可欠。だが、早ければ2年ほどでできるというが、五輪便乗の誹りは免れまい。 新潮では「それでも『オリンピックは不要』という勇気ある論客」という1章を設け、評論家の大宅昌子氏がこう言っている。 「どうせやるなら、せめて景観を美しくするようなオリンピックであってほしいと願います。でも無理でしょうね……。前回の五輪は17、18歳の若いお嬢さんが綺麗に着飾った状態だった。でも、今の日本は80のおばあちゃん。厚化粧したって、ちっとも色っぽくないでしょうから」 私がその時まだ生きていたら、五輪開催中は海外へ逃れて、自然の豊かなホテルでテレビ観戦しようと決めている。 蛇足。ダイヤモンドはドコモがiPhoneを取り扱うことを決めたが、それはドコモの「戦略矛盾」で、これがドコモの首を締めかねないと指摘している。 「今ドコモは、インターネット通販の『dマーケット』や動画配信サービス『dビデオ』といったサービス提供に力を入れており、購入時からすぐに使えるような端末仕様やセット契約を結んでいる。2015年度までに、こうした新規領域で1兆円の売上高を目指し、企業買収を続けている。これまでiPhoneを導入しなかったのは通信回線の提供だけをする『土管化』を避ける狙いもあった。(中略)当然、ドコモはIDを付与してアプリ等でサービスを使えるように進めているはずだが、わざわざドコモのサービスが選ばれるかといえば疑問符がつく。スマホ初心者向けとなるiPhoneの投入は、ドコモに戦略見直しを迫る“劇薬”となるかもしれない」 顧客流出が止まらないドコモの苦肉の策が、吉と出るか凶と出るのか。予断は許さないようである。 (文=元木昌彦)「週刊新潮」9月19日号 中吊広告より
「公園や車は当たり前」「公衆トイレは鉄板」ピッチピチJKの最新SEX事情
祝・東京オリン○ック開催決定!(まんま書くと、JOCに怒られるらしいので)
オリンピック開催期間中は、コンビニからエロ本が撤去されるんじゃないか……なんてことも言われていますが、メンズファッション誌は大丈夫なんですかね? 結構な確率でドエロ企画ページが含有していますし、乳首丸出しのほぼエロ本状態なグラビアも載っていたりするし……。
まあ、7年後まで生きてるかどうかも分からないし、どーでもいいか。……というわけで、今月もメンズファッション誌に載っている、どーかしている企画ページを見ていきましょう。
【8月のメンズファッション誌・激ヤバ企画ランキング】
1位「神マンアーカイブス~今、JKがヤバいっ!」(「men's egg」9月号)
2位「エロトーーク」(「MEN'S KNUCKLE」10月号)
3位「週刊・鼠ジャーナル」(「BITTER」Vol.9)
■メンエグが大人になると……
さて早速ですが、今回新たに発掘したメンズファッション誌があります。それが「BITTER」。これまでも本屋で見かけていたような気はするものの、妙にアダルティな雰囲気(エロという意味ではなく)を放っていたため手に取ることのなかった「BITTER」ですが、よくよく見たら本連載において不動の帝王として君臨している「men's egg」の増刊だったんですよね。ほほーっ、知らなかった。
雑誌名の上に「センスと色気を求める、すべての男たちへ――」なーんて書かれているように、メンエグよりは若干大人向け。ギャル男を卒業した大人な男性の、ちょっとSEXYなファッションを紹介している雑誌なのです。
とはいえ、メンエグの増刊と聞けば、やはり期待してしまうのはエロバカ企画! エロバカ全開だったギャル男が大人になったら、一体どんなことになってしまうのか!? ワクワクしながらページをめくるものの、チョロッとキャバクラ嬢のインタビューが載っているくらいで、エロバカな企画ページは皆無。メンエグでは「マンカス最高!」とか言ってたのに、ちょっと大人になったら脱エロかよ!
……ということで、ファッション誌としては至極真っ当なんでしょうが、ボク的には読み甲斐がほとんどないこの「BITTER」。唯一気になったのは、鼠先輩の不定期連載「週刊・鼠ジャーナル」くらいでしょうか。雑誌自体が週刊ではない上に、不定期連載なのに「週刊」ってところからして不思議だし、どうして今さら鼠先輩なのかも謎すぎるこの連載。毎回、ゲストを招いて鼠先輩と対談しているようなのですが、今回のゲストはあのビッグダディこと林下清志!
下世話感あふれるビッグダディに対して、鼠先輩も「けっこうな収入になったんじゃないの?」「美奈子サンがAVに出るって言ったらどうします?」などと、ゲスい質問を連発しています。ちなみに、美奈子AVに関しては「もちろん、買うでしょ!」とのことです。買うのか!
さらに、『痛快!ビッグダディ』の続編の放送予定があるらしいんですが、美奈子はタレント事務所に所属してしまったため、出演はたぶん不可能らしいという情報も。美奈子……そこに出ずして、どんなタレント活動をしていくつもりなのだ!?
さて、この「BITTER」は次号から月刊化スタートするらしいのですが、月刊化したらぜひとも「men's egg」的なエロバカ企画もやってほしいものです。
■「まぁいっか」で放尿&脱糞
チャラいメンズファッション誌のパイオニアとして、数々のエロバカ企画を生み出してきたものの、最近は若干エロ度抑えめになっていた「MEN'S KNUCKLE」が、今月号ではかなり直球なエロ企画を掲載しています。その名も「エロトーーク」(アメトーーク風のロゴで)……ホント、ストレートだなぁー。
タイトルも直球ですが、内容も負けずにド直球で、メンナク男子大好きなギャルたちが自分のエロ武勇伝を紹介してしまうという、非常に分かりやすいエロ企画です。
とはいえ、さすがメンナク。安直な企画ながら、その内容はすさまじくレベルが高い……。見出しだけ見ていっても「カラオケ退室5分前で前戯ナシの生挿入とかイミフ(はーと)」「犬の散歩中、カレシに全裸にされて騎乗位(はーと)」「LINEの男友達にアナル掘られた件」「土下座でフェラを強要するドS彼は小学校の先生です(はーと)」……などなど。
高校時代を童貞のニオイでむせ返るような男子校で過ごしたボクにとっては、どれもこれもファンタジーとしか思えないような話ばかりですが、最近のギャルたちはこんな性生活を送っているみたいですよ。実にうらやま……ケシカランことです。
中でも衝撃的だった武勇伝が「ウンチを自分の体に塗りたくって、オヤジがナメナメ」というもの。もう、完全にイヤな予感しかしませんが、おそらくアナタの予感は的中しています。
ベロベロに酔っぱらって58歳のオヤジにホテルに連れ込まれた挙げ句、「オシッコ飲ませてくれ」「ウンチしてくれ」と懇願されたギャル(23)は「まぁいっかと思って」放尿&脱糞。さらに自らのウンコを全身に塗りたくられて、オヤジにペロペロなめられたんだとか。
うーん……100歩譲って放尿&脱糞までは「MAICCA~まいっか」(EAST END×YURI)で済ませちゃったとしても、さらにウンコを体に塗りたくられそうになったらさすがに抵抗しようよ。ギャルたちの性はここまでフリーダムになっているのかっ!
ちなみに問題のオヤジは、ウンコをなめながら「美味、美味」とカンゲキしていたそうです。
■渋谷の公衆トイレは、セックス待ちでいっぱい!?
一方、現代のエロバカ・メンズファッション誌の帝王として君臨している「men's egg」のほうも負けてません。神のようなマ○コを持つ女の子たちを紹介する連載「神マンアーカイブス」では、「今、JKがヤバいっ!」ということで、女子高生の最新マ○コ事情を紹介しています。
こちらもやはり、かなりハイレベルな内容でして……たとえば「オナニーの相棒はケータイ!(バイブ機能でオナニーするんですね)イケメンから電話がかかってくると、まずアソコに当ててから会話するんだ~」くらいは序の口。「チンコの裏スジを下から覗くのが好き」だの「失神しちゃうんじゃないかってくらいに首を絞められるのが好き」という窒息マニアの女子高生や、「乳首を食いちぎられちゃうんじゃないかというくらい噛まれるのが好き」というドM女子高生。さらには「アナルの匂いを嗅ぐのにハマッている」なんていう女子高生まで……。「アナルは汗の匂いとは違うけど、それがまた格別」って、それ拭き残したウンコの匂いだよッ!
まだまだ人生長いのに、高校生のうちからそんなにハイレベルなエロをしていたらどーなってしまうことやら……。
さらに「ピッチピチJKが大暴露・真夏の性事情Talking!」(「ピッチピチ」というあたり、おっさんライターが書いてるんだろうなぁ……と感じてしまうのが悲しいですが)では、「お金がないからラブホテルなんか使えない」女子高生たちが、それぞれのフェイバリット・セックス場所について熱く語っています。
「公園の茂み」や「カーSEX」なんてのは当たり前(車を買う金あるなら、ラブホくらい行けという気もしますが)。「海開き初日で人がミッシリ状態な海の中で」とか「花火を見上げながらの野外SEX」(回りは花火に夢中だから気付かれない!)、さらには「公衆トイレは鉄板」なんて意見まで。「いついかなる時もヤレちゃうのが、個室トイレの強み」じゃないだろう!
なんでも渋谷の公衆トイレは、時間帯によってはセックス待ちが多すぎて使えないこともあるとかないとか……。自分がウンコ漏れ寸前で切羽詰まっている時に、そんなセックス待ちでいっぱいの公衆便所に当たってしまったら、ホント、火ィつけてやりたいよッ!(泣)
ところで、本連載でも毎回気にしている、エロバカ企画で大活躍していた変態読モ「たあはむ」ですが、今月号でもちょろっとしか登場していません……。たあはむ時代、終わってもうたの?
先月号では、ストリートスナップのモデル名のところに「ドタキャンクソ野郎」と書かれていて「たあはむ、何かやらかしたの?」と心配していましたが、今月号では職業欄が「ちんちん」になっていました。……ホント、メンエグ編集部内で「たあはむ」の扱いはどういうことになってしまっているのでしょうか!?
「一人はモー娘。一人は宝塚女優……」“女を運んだ”当事者が明かすバーニング肉弾接待の実情

「週刊文春」9月12日号
汚染水地獄に、首都直下型地震の可能性も……2020年五輪東京開催は茨の道
今週の注目記事 1「『東京五輪』を脅かすフクシマ『ダダ漏れ汚染水地獄』」 (「サンデー毎日」9月15日号) 2「藤圭子自殺 実兄藤三郎独占告白『家族をバラバラにした宇多田照實を許さない』」 (「週刊文春」9月5日号) 3「ジャレド・ダイアモンド『なぜ人間は60歳になってもセックスがしたいのか』」 (「週刊現代」9月14日号) 4「『秋田書店』に何が起きている」 (「サンデー毎日」9月15日号) 今週のワースト記事 「あなたの会社にいる『中国スパイ』」 (「週刊現代」9月14日号) NHKの朝ドラ『あまちゃん』がいよいよ3.11東日本大震災に入ってきた。宮藤官九郎がどういう描き方をするのか、ラストまで目が離せない。 TBSの『半沢直樹』も好調だ。9月2日のasahi.comがこう伝えている。 「1日に放送されたTBS系のドラマ『半沢直樹』の視聴率は、関東地区で30.0%、関西地区で31.2%、北部九州地区23.1%で、名古屋地区で29.2%だった」 劇画調、都合のいいストーリーの作り方に、面白いが違和感がある。このドラマが受けているのは、日頃からの銀行への鬱憤が背景にあることは間違いない。 アサヒ芸能(9月5日号)の「井筒監督の毒舌ストレート時評 アホか、お前ら!」を愛読しているが、今週の彼の言うとおりである。 「銀行というのは世界でいちばんの悪行や。どうして自分の貯金を下ろすだけで手数料を払わなあかんのか。ペテンもいいとこ。こちら金貸してやってるんやぞって。何が“お手数”じゃバカタレが。人様からむしり取った金を人に貸し付けて食ってけつかる集団や。ヤツらは元から悪知恵だけしか働かない。で、『半沢直樹』か。社会派でチョー面白い? 誰が言うとんねん。あのドラマのどの辺が社会をエグってるねん? どんなピンチになろうが毎回助かって、あぁよかった? ワルが土下座して善が勝つ? オマエら初めから全員ワルやないか! 何が『倍返し』や、子供にアホな言葉覚えさせるな!」 さて、今週は月曜日発売組の圧勝で、文春・新潮には精彩がなかった。 だが、ワーストも現代の記事。要は中国政府の指示で、日本の企業に入りこんだ中国人従業員が、その会社の企業秘密を盗み出しているから気をつけろというのであるが、一歩間違えれば、中国人差別につながりかねない“危ない”記事だと思う。 現代はこう書いている。 「法務省によれば、11年には5344人の中国人留学生が、留学終了後、本国へ帰らずに、日本企業に就職している。だがこうした優秀な中国人社員たちが、中国当局に、次々にピックアップされていっているのである。これまで発覚したケースから推定すると、最初はカネをチラつかせ、それでも動かないと、今度は法治国家では考えられない社会主義国家特有の脅しに出るというパターンだ。こうした硬軟両用の手法によって、中国人社員たちは、いとも簡単に『転ぶ』というわけだ」 スパイ活動をしている人間が皆無だとはいわないが、日本語を学び、日本人より優秀な多くの中国人が日本で一生懸命働いているのに、周囲にいるバカどもから「スパイ」呼ばわりされたらどう思うか。そういうことを考慮に入れたら、こういう記事は作れないと思うのだが。 秋田書店といえば、「少年チャンピオン」を出している老舗漫画出版社である。そこが「読者プレゼントの当選者を水増ししていた」ことが、元女性社員の告発によって明らかになった。 だが、会社側は、不正を止めるよう訴えていた社員を、逆に解雇してしまったのである。その上、「元社員は、あたかも社内の不正を指摘し、改善を訴えたために解雇されたなどと主張しておりますが、解雇の理由は、元社員が賞品をほしいままに不法に窃取したことによるものです。また、元社員は業務上ではなく、私傷病による休職です」と開き直っている。 こうした問題を出版社系週刊誌は、自分のところも脛に疵を持つからか扱わない。 毎日が短い記事だがこう書いている。 「この女性や女性が加入する労働組合『首都圏青年ユニオン』によれば、景品を盗んでいたどころか、不正をやめるように上司に訴えていたというのだ。上司は『この会社にいたかったら、文句を言わずに黙って仕事をしろ』と言い放ったという。 その後もパワハラは続き、睡眠障害などを発症した女性は11年9月から休職。懲戒解雇は休職中に行われた。同ユニオンの神戸紅事務局次長は『不正を強制されたのに、それに抗議した彼女に罪をなすりつけた。許されない』と憤る。(中略) 消費者庁の指摘に同社も不正を認めた期間に注目すると、女性が担当していた『ボニータ』では、11年2月号から12年5月号までとある。11年9月に彼女が休職した後も延々と複数媒体で不正が続いている。そのことへの説明はない。(中略) 消費者庁幹部は記者会見で『個人の不正ではない。会社が組織ぐるみで行ったもの』と明言した」 凋落の出版界に、さらに追い打ちをかけるような恥さらしな“事件”である。こんなことは日常茶飯事なのかもしれない。次に出てくるのはどこだろうかと、出版社の経営者たちは戦々恐々なのであろう。 今週も現代は「『昭和のSEX』全公開」、ポストは「60歳からの『アダルトビデオ』」をやっている。実用という点ではポストに軍配をあげるが、強く勧める気にはならない。 ポストはポスト「YURI」にしようというのだろうか、「台湾からやってきた謎の美女『U』」というカラーグラビアをやっている。確かにかわいいが、ただそれだけ。YURIを超える娘ではない。 読める軟派記事といっては失礼だろうか。現代で始まった「『世界の知性』に聞く」で『続・病原菌・鉄』の著者・ジャレド・ダイアモンドUCLA教授にセックスについて聞いているが、こちらのほうが面白いので紹介しよう。 日本で高齢者がセックスに積極的になっている(実態は現代とポストが煽っているだけではないか?)ことについて聞かれ、こう答えている。 「(中略)多くのアメリカ人高齢者はセックスに興味持っています。面白いのは、高齢者が伴侶を亡くした際、よく聞く再婚の理由が『セックスのため』というものです。50年前には、こんなことは恥ずかしくて口に出せなかった。『高齢者はセックスをしないものだ』『80歳でセックスなんて気持ち悪い』と考えていたんです。でも今はそうではありません」 興味深いのは、昔々、女性が排卵日を隠すというのは生物学的に意味があったというのである。 「われわれの祖先の猿人の女性たちは、排卵日を隠すことによって、多くの男性たちが持つ敵意を抑えることができるようになったのです。どういうことかと言うと、それまで男性は、周囲にいる自分の遺伝子を持っていない子供、つまりライバルの子を平気で殺していました。しかし女性が排卵日を隠せば、目の前の子は自分とセックスして生まれた子かもしれないので、男性側はその子供に危害を加えることができないのです。 そしてまた、人間の女性は、排卵日以外にも男性にセックスさせることによって、男性を自分のもとにとどめておくことができるようになったのです。人間の女性は、妊娠期や出産期、子育て期に男性に庇護してもらう必要があるからです」 父母がセックスして自分がこの世に生を受けた意味については、こう考えているという。 「人間の存在というのは、自然淘汰の法則の結果、あなたの父母が性欲を得てあなたに遺伝子を残した。生物学的進化論の結果として、あなたが存在しているということです。それは犬や猫がこの世に存在していることと同じです」 したがって人生の意味については、こう考えたらいいという。 「自分の有限の人生を、存分に楽しめばよいのです。伴侶や子供、友人など愛する周囲の人々に満足感を与え、未来の世界の人々の満足度を増やすように生きていけばいい。自分の生が遺伝子の引き継ぎでしかないと知ってこそ、人生の楽しみ愛する人の大切さが分かってきます。 生物学的進化の結果ということで言えばセックスも同じで、先ほど排卵日の隠蔽の話をしましたが、これによってヒトは一夫一妻制というスタイルに変わり、『受精』という呪縛を超えた、『楽しみのためのセックス』を手に入れました。(中略) 私たちは一夫一妻制という夫婦関係がどれほど安寧をもたらしてくれるのか、また、セックスがどんなに楽しいものかを知っているのです。そして私は、それはとても素晴らしいことだと思うのです」 世界の知性がセックスについて語ると、何やらありがたくなるから不思議である。このダイアモンド氏、37年生まれだから75歳ぐらい。まだセックスのほうも現役なのだろうか。 “怨歌歌手”藤圭子の死は週刊誌も挙って取り上げている。文春と現代が実兄の藤三郎氏のインタビューを掲載しているが、発売日の関係で文春のほうを注目記事にした。 三郎氏はこう語っている。 「22日の午前中に、ある方から『圭子ちゃんが飛び降りた!』という一報を聞きました。翌日、遺体が安置されている新宿署に駆けつけました。『実の兄です』と言ったら、警察は慇懃な感じで『証明書を見せろ』という。証明書を見せて、『遺体と面会したい』と言っても、のらりくらりと拒否をするのです。 そして『もし、娘の宇多田ヒカルさんが遺体を引き取れないということがあるなら、私が引き取りますと申し出たら、警察は『それは100%ありえません』と断言するのです。 おかしいのは遺体の身元引き受け人が宇多田(照實)君だということなんです。圭子は宇多田君とは離婚して籍が抜けているし、他人なのです。 せめて面会だけでもと思い、警察に電話番号を渡して、『宇多田君に電話をくれるように伝えてくれ』と言いました。しかし、連絡は一切ありません。彼には圭子を私に会わせるつもりがないのでしょう。 宇多田君はこれまでも圭子と家族を切り離し、会わせないようにしてきました。圭子が死んでもなお、同じことを続けるのかと絶望的な気持ちになりました」 離婚している元夫の宇多田照實氏が葬儀を取り仕切り、ほとんど人を寄せ付けないやり方に、藤の親族からも、後援者からも不満が出ているようである。 三郎氏は藤と宇多田の結婚生活をこう語る。 「圭子と宇多田君は、六、七回くらい離婚と再婚を繰り返していますよね。そのうち何回かは、宇多田君が勝手に籍を入れていたこともあった。圭子が宇多田君と上手くいかなくて、おふくろのところに逃げ帰ってきたことがあったんです。その後、圭子は体調を崩して入院した。そこに宇多田君が現れて、連れていこうとしたけど、離婚して身内じゃないんだからと追い返されたんです。そうしたら、今度は勝手に籍を入れた上で、『亭主だから』と圭子を病院から連れだしアメリカに帰ってしまったのです。二人は何回も離婚をするけど、すぐに宇多田君がお金に困り圭子のところに戻ってくる。それの繰り返しだった」 ヒットを次々に飛ばす藤は、安保闘争で挫折した若者たちの熱烈な支持を受け社会現象にまでなったが、デビューのときの“貧しい17歳の少女”というキャッチは、売り出すために作られたと、三郎氏は話している。 「赤貧の中で育った、みたいなことをデビューしてから言われていましたが、あの頃はみんな貧しかったのですからね。両親からは運動会の時にバナナを買ってもらったり、正月に新しい洋服を買ってもらったりしていました。同級生に比べて特に貧しかったということはないと思いますよ。赤貧、というのは芸能界で売り出すためのストーリーだったのでしょう。 彼女のキャッチフレーズは『演歌の星を背負った宿命の少女』。少女で18歳というのも何だかなということで、1つ年をごまかして17歳ということにしたんですね」 人気絶頂の19歳で歌手の前川清と結婚したが1年で破綻している。 79年、28歳のとき突然引退を発表してアメリカへ居を移し、82年に宇多田氏と結婚、83年に長女・光(宇多田ヒカル)を出産するのだ。 新潮(9月5日号)は前川との離婚の原因は性の不一致だったと、前川の告白を紹介している。 「『僕らには夫婦生活と呼べる期間があったのですかね。いや、なんというか……とにかく、セックスがなかったのですよ、ぼくらには、ホント。/初夜だけだった、といって間違いないところだなあ。一回だけですよ』(『週刊現代』72年8月31日号)」 推測するに、ヒカルが生まれた頃からヒカルが歌手デビューするまでの間が、藤の人生の中で一番平穏なときではなかっただろうか。 娘が莫大なカネをもたらし、それが三人の中を引き裂いていったようだ。 三郎氏は藤の金遣いの荒さについて、こういう見方をしている。 「圭子はもともと麻雀や競馬もしていましたが、お金には無頓着でした。カジノで五億円を散財するみたいな異常な使い方をしていると聞いたとき、圭子はお金に復讐をしているのではないかと感じました。人間を狂わせ、愛娘のヒカルを遠ざけてしまったもの。そのお金を無駄に使うことで、ヒカルちゃんを母親へと振り向かせたかった。そんな思いがあったのではないでしょうか」 娘・ヒカルも結婚・離婚を経験し、3年前に母親同様、突然無期限の音楽活動休止を宣言し、今は8歳年上の福田天人氏とロンドンに暮らしているという。 「二人が同棲を始めてからのことです。ある夜、突然、藤さんがいらっしゃったんだそうです」と語るのは福田氏の祖母である。 恋人の母親の急な来訪。当然、福田氏は驚いた。そんな彼の困惑をよそに、こう藤は告げたそうだ。 「娘を、よろしくお願いします」 これだけ言うと、藤は帰っていった。 藤圭子の家系は目が弱く、母親も盲目で長年付き人と生活を共にしていた。兄の三郎氏も加齢とともに視力が弱くなったといい、藤圭子も同様だった。宇多田ヒカルの『光』という名前は、圭子が娘の目にいつまでも光があるようにとの願いを込めて付けたものだという。 三郎氏の宇多田氏を恨む口調は弱まることがない。 「彼が苦しむ圭子の傍らに最後までいてくれた人間だったら私は何も言いません。でも離婚して、娘とも会えず、圭子は孤独と絶望の淵に追いやられていた。そして死んでもなお、彼女は孤独のままなのです。 宇多田君は藤圭子を四十年来応援してきた後援者の前で彼女のことを説明できるのか。天国のおふくろに顔向け出来るのでしょうか。そして、亡くなった圭子の顔をまともに見ることができたのでしょうか。彼には真実を話して欲しい。このままでは圭子は成仏できません──」 藤圭子が誰にも知られず西新宿で過ごしていた日々。ある知人は彼女のこんな言葉を聞いて、絶句したという。 「日本は自由に見えるけど、厚いガラスの壁に囲まれた国よ。寂しい。毎日が辛い。誰も話す人がいないの」 命までもと好いた男に捨てられても、京都から博多まで追っていく“バカな女”の怨み節は、他人から押し付けられた「借り着」だったのだろう。それを脱ぎ捨てたくてアメリカまで逃げていったのに、彼女が普通の女に戻ることは叶わなかった。 娘の歌手としての成功は、彼女の中にかつての“悪夢”を甦らせたのかもしれない。そんな自分と葛藤している間に夫と娘は離れていってしまった。 さすらい流れた果てに、彼女は新宿へ戻ってきて自死を選んだ。娘・ヒカルが藤の亡骸と対面したのは彼女の死から6日後である。ヒカルは自分のブログにこう書いた。 「彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」 “彼女”といういい方が二人の距離を表しているようで、哀れである。 9月7日(日本時間8日の朝)に2020年のオリンピック開催国が決まる。それを各誌取り上げているが、内容的には五十歩百歩である。 ポストによれば現在の「票読み」はこうなっているという。 「●東京…東アジア、オセアニアを中心とした約3割前後 ●マドリード…欧州と南米を中心とした約4割強 ●イスタンブール…北アフリカや中東などイスラム圏を中心に約2割強」 1回目の投票で過半数を取る国はないだろうから、東京としては2・3位連合を画策して、招致を決めたいと、猪瀬都知事ばかりでなく、安倍首相も精力的に動いているようだ。 だが「東京決定」に大きな壁になるのが福島第一原発の「汚染水地獄」だと、毎日が巻頭特集を組んでいる。これが今週の第1位。毎日はこう書いている。 「安倍首相自ら先頭に立つ五輪招致も、ここへきて『黄色信号』(超党派の五輪招致議連の自民党議員)が灯っている。その原因は、東京電力福島第一原発の放射能汚染水事故を巡るつたなさだ。原子力規制委員会は8月28日、汚染水の国際原子力事象評価尺度の暫定評価を『レベル3』(重大な異常事態)に引き上げた」 原発問題への関心は、海外で非常に高い。 「たとえば、米紙『ウォールストリート・ジャーナル』は『汚染水をコントロールできない』と痛烈に批判、英紙『インディペンデント』も『事故は収束できるのか』と疑問を呈した。また米CNNや英BBCなどの報道番組も専門家のインタビューなどをまじえ、『技術的、政治的に解決は困難』と報じている」(毎日) 外務省OBもこうも話している。 「海外の反応が高まり始めたのは、7月22日に東電が発表した“汚染水が海に流れた”という時点から。東日本大震災の瓦礫が太平洋を越えて米国にも流れ着いた。潮の流れや海産物には国境がない。そこへきてダダ漏れタンクの問題も発覚した。東電がやったこと、と釈明しても海外から見れば、すべて『日本政府の責任』になるのは当然です」 それなのに安倍首相には危機感がないと、政治ジャーナリストの角谷浩一氏は語っている。 「福島第1原発からの汚染水漏れが明らかになった8月20日、安倍首相は山梨県のゴルフ場で山本有二衆院予算委員長らとゴルフに興じていた。汚染水問題に危機感が足りないのではないか。10月の臨時国会は間違いなく“汚染水国会”になる」 その上、2020年に首都直下型地震が東京を襲う危険があると、ポストが書いている。 防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏がこう話す。 「貞観地震の9年後に、関東大震災クラスの南関東地震が起きている。史実は、震災の9年後にあたる2020年に首都直下型の地震が起きる可能性を示しているのです」 放射能に大地震の危険のある都市に五輪をやらせるのか? 私は難しいと思う。 ポストは開催が決まっても、放射能問題に敏感な外国人選手の多くが来ないこともあり得るとしているが、汚染水問題が処理できなければ、そうした声も上がるはずである。 五輪招致国はもうすぐ決まるが、もし東京に決まったとしても“茨の道”はその後も続くことになる。五輪よりも被災地の復旧・復興、原発事故の収束をこそ急がなければならないこと、言うまでもないはずである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊文春」9月5日号 中吊広告より
「フクイチ汚染水漏れ」を扱うのは週刊朝日のみ……週刊誌ジャ-ナリズムは崩壊寸前?
今週の注目記事 1「故・吉田元所長の“遺言”を無視した東電の大罪」(「週刊朝日」9月6日号) 2「エイベックス松浦勝人社長『女とクスリ』」(「週刊文春」8月29日号) 3「馬券裁判男が使った『馬王』データ大公開」(「週刊アサヒ芸能」8月29日号) 4「知られざるニッポンの《公的差別》一覧」(「週刊ポスト」9月6日号) 5「消費税はやっぱり上げない? 安倍総理が財務省幹部に『君たちは切腹しろ』」(「週刊文春」8月29日号) 6「藤圭子さん 壮絶死の真相」(「週刊朝日」9月6日号) 7「IOC委員98人の票読み! さあ困った! 五輪が東京にやってくる!」(「週刊新潮」8月29日号) 8「美しすぎる『ファーストレディ』のゴルフスイング」(「週刊新潮」8月29日号) ルポライターの日名子暁さんが亡くなった。体調が悪いとは聞いていたが、早すぎる死だ。 今井照容責任編集の「文徒」(2013年8月26日)で今井氏がこう書いている。 「日名子暁、言うまでもなく週刊誌ジャーナリズムの黎明期を支えたトップ屋である。特に創刊直後の『週刊ポスト』には『週刊現代』から移籍して深く関わった。別冊宝島の黄金時代でも活躍した。そうえいば、大学を中退しマナセプロで坂本九のマネジャーをしていた時代もある。南米、ジャパゆき、パクリ屋、パチンコ、裏社会など。ひたすら権威や権力とは無関係な方向にフィールドを求めたのが矜持だった。 そんな日名子暁さんが亡くなった。もしかすると、ルポライターという言葉がこれから死語になるかもしれない」 今週のグラビアで一番“衝撃的”だったのは、安倍晋三首相・夫人“アッキー”こと昭恵さんの写真だ。新潮のモノクログラビアにドライバーをトップに構えた写真が載っているが、このフォームがスゴイ。 私のようなヘタなゴルファーから見ても、素晴らしいのがよくわかる。プロゴルファーの沼沢聖一氏がこう評している。 「上半身がしっかりと捩れているのは下半身が安定しているから。ボールを左目で見る顔の角度も完璧です。素人の女性でここまで美しいトップを取れる人はいませんよ。90点は上げても良いですね」 安倍首相は口だけではなく、ゴルフでも妻には勝てないようである。 先日は現代が2020年の五輪開催は東京に決まったという“スクープ”を特集したが、今週は新潮が、どうやら東京になりそうだと報じている。これが注目記事の7。 だが現代のようにバンザイではなく、「さあ困った!」と喜んではいない。 スポーツ紙の五輪担当記者が、こう票読みをする。 「イスタンブールは、評価委員会の評価報告書でもかなり厳しく書かれ、まだ“時期尚早”と読み取れる。何より、5月末から続いている反政府デモの影響が大きい。第1回の投票では、イスタンブールが最下位。東京とマドリードの決戦投票になるという見方が圧倒的に多いですね」 「ズバリ、東京はマドリードに6割の確率で勝てると見ています」と話すのは、五輪招致委員会の幹部。 「IOC委員が最も多いのは欧州で40名超。欧州諸国はマドリード支持が多いと思われがちですが、東京は欧州票をかなり固めています。まず、24年に五輪招致を目指しているフランス(3名)とイタリア(3名)は、確実に東京に投票してくれる。マドリードで五輪が開催されれば、次は同じヨーロッパの可能性は低くなる。敵の敵は味方の論理です」 だがアジア票の中国(3名)、韓国(2名)、北朝鮮(1名)は見込めないし、中国の影響の強いアフリカ票(12名)も期待できないから、まだまだ予断を許さないようである。 新潮の言うように「百害あって利は僅少」の五輪よりも、震災復興、景気回復を急がなくてはいけないはずである。私は今でもマドリードが有力だと思っているのだが。 次は、藤圭子(62)の飛び降り自殺についての記事。69年に「新宿の女」でデビューし、70年には「女のブルース」「圭子の夢は夜ひらく」が大ヒットした。作家の五木寛之氏が彼女の歌を評して、彼女の歌は「演歌」ではなく怨みの歌「怨歌」であるといったことで、70年安保で挫折し、先に希望の見えなかった私のような若者たちに熱狂的に迎えられた。 「15、16、17と、私の人生暗かった~」と歌う彼女の「夢は夜ひらく」は、まだ青線の名残のある新宿ゴールデン街によく似合った。 自殺のニュースが流れたのが先週木曜日だから、現代、ポストはギリギリ突っ込んだはずだが、現代はかなり突っ込んだ取材をしている。だが、時間的な余裕のあった週刊朝日のほうが読み応えがある。 目の不自由な母親の手を引きながら、浅草、錦糸町を流していた藤の子ども時代を、芸能レポーターの石川敏男氏はこう語っている。 「藤が『ジャムパンを食べたい』というのを映画で共演した女優が聞いて買ってあげたところ、藤は『子どものころ、ずっと食べたかったけれど、食べられなかった』と言って泣きだした。夜になると藤がその女優のホテルの部屋に『寂しいから一緒にいて』と訪ねてきて、一晩中、それまでの苦労話を語ったそうです」 「藤が世に出るきっかけになった「新宿の女」の作詞をした石坂まさを氏は著書で、藤が売れ出した直後、両親がカネを無心しに来た話を明かしている。藤は両親から逃れるように、人気絶頂の71年、歌手の前川清と結婚。これを境に、芸能生活が暗転していく。『夫婦仲はすぐ冷め、前川は家で水槽の鯉をじっと眺めているばかりで、藤はその横でよそを向いている、などと言われました』」 その前川とは1年で離婚。28歳で芸能界引退を表明し、渡米する。82年にアメリカで知り合った宇多田照實氏と結婚。ヒカルが生まれる。 ヒカルは15歳でデビューするといきなり800万枚を売上げ大スターになっていくが、夫や娘との距離は次第に離れていってしまったそうである。 そして06年3月、JFK空港で米司法省麻薬取締官が藤が持ち込もうとした現金約4900万円相当を差し押さえる。麻薬への関与はなかったという主張は認められ、カネは返却されたが「異常な金銭感覚が世に知られることになった」(同) その後も離婚を繰り返し、実の母とも疎遠になり、娘とも離れて東京へ戻り、人知れず新宿のマンションで30代の男と暮らしていたという。 06年に藤自らが電話して出演したというテレビ朝日のインタビューで、藤はこう話している。 「私はもう藤圭子でもなんでもない。(藤圭子は)お金もうけのために、人からもらった歌を歌って、喜びも悲しみもわかちあって、10年で幕を閉じた」 元夫の照實氏はTwitterで、4月に自殺した牧伸二についてこうつぶやいている。「福島被災者慰問で彼(牧)は『やんなっちゃった』って50年も言ってると本当にやになっちゃった。藤圭子も言ってます。救いのない歌詞を長年歌っていると何だか人生救いが無くなるって」 彼女の人生が、彼女の歌っていた歌詞の通りでいいはずはない。だが、彼女の訃報を聞いて、彼女らしい人生の閉じ方をしたのかもしれないと、思ったのも事実である。 宇多田ヒカルが公式サイトで、こうコメントしている。 「彼女はとても長い間、精神の病に苦しめられていました」「母が長年の苦しみから解放されたことを願う」「彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」「悲しい記憶が多いのに、母を思う時心に浮かぶのは、笑っている彼女です。母の娘であることを誇りに思います」 藤が生きているとき聞かせてあげればよかったのにと、思わざるを得ない。 安倍首相が8月15日に靖国神社へ参拝しなかったことが、さまざまな臆測、批判を呼んでいるが、来年4月に8%にアップする消費税も、どうやら上げない方向に舵を切ったらしいというのが、週刊誌大方の見方のようである。 文春は11日間に及ぶ長い夏休みを取った安倍首相が、「消費税3%に懸念を表明している内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大教授とゴルフをしたり、慎重派の中川秀直元幹事長と食事をしたりするなど、(財務省の=筆者注)規定方針通りにはいかせないことを匂わせている」(政治部デスク)と報じている。 このところ読売新聞の渡邊恒雄主筆が、消費増税に反対の態度を取り始めていることに自信を深め、ブレーンの高橋洋一嘉悦大学教授も「凍結を判断すれば支持率が上がり、政治的にもスーパーパワーを持つことが出来る。悲願の憲法改正も近づくことになる」といっている。 スーパーパワーを持つかどうかはわからない。株は1万3,000円台をうろうろし、円高も思ったほど進まない。一方で輸入品の値段は上がり続け給与は上がらないのでは、増税凍結は当然の帰結であろう。 注目記事の4はポストの記事。来年度から70歳になる人の医療負担が2倍になったり、43歳以上の女性は「出産不適格」とみなされ、不妊治療の助成を制限する。1961年4月生まれ以降は、それ以前に生まれた人と比べると大幅に年金が減額されるなど「公的差別」が甚だしいと怒っている。 ポストの言い分はこうである。 「見落とせないのは、国家が『格差』をつくり出す背景に、国民の不安を分散させる『分断統治』の状態をつくり出す狙いがあることだ。 年金でいえば、政府があえて『得する世代』と『損する世代』という世代間格差を作ることで、すでに年金を受給している60歳以上の3000万人は、現役世代の負担がどんどん増えても“得させてもらっている”という負い目から政府を批判できない。健康保険料の地域格差も同じ構造だ。 そうやって社会保障制度に対する矛盾や不満から国民が結束することを防ぎ、真綿で首を絞めるように負担を増やしていく。『格差を是正するのは国民のため』といいながら、本当は官僚や政治家に都合のいいシステムを維持するために社会に官製差別がつくられ、上塗りされているのである。 たとえ国民はそれに気づいても、容易には変えることができない。 官僚が心血を注いで築いたこの差別のメカニズムこそ〈国民を不幸にする日本というシステム〉の根底にある病巣なのだ」 世代間格差などという、官僚や政治家たちの悪巧みに乗せられてはいけないこと、言うまでもない。 アサヒ芸能に、競馬ソフトを駆使して約5億7,000万円の払い戻しを受けていたことを「脱税」とされ、裁判を受けたA氏の馬券戦術のことが載っている。判決では外れ馬券も経費と認められ、脱税額は5,000万円に減額された。 競馬ファンには参考になるはずだ。 「被告人は回収率に影響を与え得るファクターについて、それが回収率と普遍的な傾向が認められるか否かを、予想ソフトの機能を用いて検証した。その結果、回収率との関係に明確・普遍的な傾向が見出せないファクターについては、ユーザー得点(独自の設定により導き出された出走馬の得点)に反映させなかった。前走着順、競走馬の血統、騎手、枠順、性別及び負担重量など、最終的に約40のファクターを採用した」(判決文より一部要約) A氏は競馬のさまざまな予想ファクターの一つ一つを検証して、回収率を高めることができるデータに着目し、出走馬に独自の得点を定めていたというのだ。 A氏が使っていた競馬ソフトは、JRA-VAN(JRAの競馬予想サービス)のビッグデータを取り込める予想ソフト「馬王」である。それに「JRDB社」のデータも使用していたという。「JRDB社」の奥野憲一氏がこう話す。 「的中率軽視で回収率に注目した結果、約5レースに一回当たれば利益が得られるような馬券購入スタイルを構築したわけです」 さらに奥野氏は、こう続ける。 「A氏は持ち時計やコース実績など、数値化できる予想ファクターを吟味していたと思います。逆に、当日のパドックや返し馬といった、具体的な数値に置き換えられないファクターは無視していたようです。また、裁判でも明らかになっていたようですが、新馬戦や障害戦を買わなかったのは、実力判断におけるデータが不足していることと、落馬や気性的なトラブルによる不測の事態を懸念してのことでしょう。そのわりに1番人気の勝率が高いわけですから、理想的回収率の妨げになる。購入しなかったのは当然の策でしょうね」 競馬ライターの後藤豊氏も、こう言う。 「A氏の狙いはオッズ5~7番人気の馬だったようです。また、穴馬を見つけた場合、普通は総流しをかけたくなりますが、A氏は購入馬を予想ソフトで得点の高い5~6頭にしぼり、馬連や馬単など複数の買い方をしていたのです」 また、馬単で断然の人気馬を1着固定で流しても、馬連と配当は変わらず、妙味がない。逆に、人気馬の、いわゆる“ウラ目”買いは、馬連の3~4倍になることもよくあるから、妙味ありだという。 それでもA氏の07~09年の3年間の回収率は104%である。これほどの知識や実践力があっても、競馬で儲けるのは至難の技であると、アサ芸は結んでいる。 よくわかるな~、その気持ち。 芸能界のスキャンダルをやらせたら文春に敵うところはどこにもないだろう。その文春が今週は芸能界の雄・エイベックスの松浦勝人社長に噛みついている。 「EXILE、浜崎あゆみ、安室奈美恵、倖田來未ら多くの人気アーティストを抱えるエイベックス(エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社を持ち株会社とするエイベックス・グループ。以下同)は、一九八八年に松浦氏らによって設立された。貸しレコード屋のアルバイトから始め、同社を東証1部上場の日本を代表するエンタテインメント企業に成長させた松浦氏は、若手起業家の鏡として経済誌にも取り上げられる。創業からちょうど四半世紀を超えた今、二〇十三年三月期決算では売上高一千三百八十七億円、営業利益は百四十億円、ともに過去最高を達成した。今では『夢を実現したカリスマ経営者』『クリエイティビティの天才』と称賛される」(文春) そのカリスマが女性好きで、クスリにも手を出しているというのだ。松浦氏の自宅パーティによく出ていたという常連が、こう語っている。 「地下一階は完璧なダンスクラブになっていて、DJブースと大きなソファが四つ並んでいました。中央にミラーボールが煌めいていて、参加者や社員が踊り狂うんです。松浦さんはそこで酒を飲むと、エレベーターで2階に上がり、そこは八十インチ以上もあるテレビがあって、大音量で音楽を流していました。 中央に彼の特等席のソファ、右側に三つのベッドルームがありました。連れてきた女の子をそこに連れ込んで、セックスをする。で、ことが終わると、ニヤニヤしながら戻ってきて、大麻を吸うんです。それがパーティーのパターンでした」 松浦氏の友人もこう話す。 「長い間、大麻とコカインは常習していましたね。あとMDMA(合成麻薬)が好きで、懇意にしているヤクザにそういった薬物の調達を頼んでいました」 今をときめく芸能界のカリスマに薬物疑惑。だが以前にも、文春がやった沢尻エリカの薬物疑惑の際、彼女に松浦氏が「ドラッグならいつでも用意できる」という発言をしたと報じたが、エイベックス側は「事実無根」だと回答するだけで、名誉毀損で訴えたりはしていないようである。 今回の記事に対して、松浦氏はどういう反応をするのだろうか? このところの週刊誌に抱いてる私の不満は、大事なことに目をつぶり、どうでもいいことばかりにページを割いていることだ。 たとえば、秘密保全法案がそれである。朝日新聞(8月24日付朝刊)でこう報じている。 「安倍政権は秋の臨時国会に提出する秘密保全法案で、国の機密情報を漏らした公務員らへの罰則を最長で懲役10年とする方針を固めた。対象となる情報は防衛や外交など安全保障に関する4分野で『特定秘密』と指定されたもの。同盟国の米国などと情報共有を進める必要があるため、漏洩(ろうえい)に対して厳罰化を図る」 告発サイト「ウィキリークス」に米外交公電などを流出させてスパイ罪などに問われたブラッドリー・マニング上等兵(25)に、禁錮35年の判決が言い渡されたが、アメリカ・オバマ大統領が、機密漏洩に対して厳罰化で臨んでいるのと同じ流れにある。 国家の秘密を漏洩した者は許さないという「脅し」をかけて、自分たちのやっている悪事を国民に知らせないという企みは、国民の知る権利に抵触し、憲法違反にもなるはずである。 こんな法律ができたら、メディアに情報を漏らす公務員はいなくなる。新聞はもっと反対キャンペーンをやらなくてはいけないのに、個人情報保護法の時と同じように、動きが鈍く、まるで当事者意識がない。週刊誌には残念ながらもっとない。 福島第一原発の汚染水たれ流しは由々しき事態であるが、ほとんどの週刊誌が触れようともしないのは、雑誌ジャ-ナリズムの死を予感させる。 特集で扱っているのは、朝日だけというていたらく。「冷やし中華大研究」(ポスト)に割く5分の1でもこの問題に触れるべきではないか。そこで今週は朝日を1位に推す。 フクイチ幹部が、吉田昌郎元所長(享年58)がこう語っていたと話す。 「吉田氏は病床でも汚染水の問題を気にしていて、『一歩間違えると取り返しのつかない惨事になる』『レベル3や4の事故が再び起きてもおかしくない』と語っていたんです」 その言葉通り、東電は8月21日までに汚染水が地下水を通じて海に漏れ出していたことをようやく発表し、漏れ出した放射性ストロンチウムが最大10兆ベクレル、セシウムは最大20兆ベクレルという天文学的な数値を公表したのである。 言うまでもなく、東電のずさんな汚染処理への対応とコストをケチったことが、これほどの深刻な事態を招いているのだ。 これから周囲の土地を凍らせて原子炉建屋への地下水の流入を防ぐ「凍土方式」の遮水壁を建設するというが、その効果は未知数だという。 京大原子炉実験所の小出裕章助教がこう語る。 「原子炉が冷えるまでには、あと何十年もかかる。遮水壁でせき止め続けると、行き場を失った地下水の水位が上昇し、周囲はいずれ汚染水の沼地になってしまう。貯水タンクを置く場所も早晩、足りなくなる。水での冷却を続ける限りトラブルは止まらず、いたちごっこになるでしょう」 いまだに有効な手を打てない東電と安倍政権には期待しても仕方ないが、吉田元所長のこんな予言が実際のものになるとしたら、福島周辺はもちろん、日本の周辺海域が放射能汚染水で死の海になってしまうかもしれないのだ。 「一つがダメになると、連鎖的に瓦解する。原発が次々と爆発したように……」 「福島第一原発の危機は終わっていない」「国民の知る権利を封じる秘密保全法案に反対」という特集が載る日を、心待ちにしているのだが。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊朝日」9月6日号 中吊広告より






