出版不況下“ひとり勝ち”の宝島社から人材大量流出のワケとは?

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宝島社 公式サイトより
 日本出版販売株式会社が11月26日を「いいふろくの日」と発表するなど、すっかり市民権を得たグッズ付き雑誌。その先駆け的存在といえるのが、ブランドムックを多数販売する宝島社だ。今年の10月にはムック本の販売部数が累計7,000万部を突破したというから驚きだ。出版不況が叫ばれる中、ひとり勝ちを続ける宝島社に、今、ある異変が起こっているという。 「HPの採用情報を見てもらえればわかるのですが、どの雑誌も定期的に人員を募集しているんです。うちは基本的にファッション誌の会社ですから、ファッション誌をやりたいっていう強いあこがれを持った人が来るのですが、その仕事量の多さにみんな音を上げて、すぐに辞めていく人が多いんです。多いときは月に10人くらい辞めてますね」(宝島社関係者)  確かに、11月26日現在、確認できるだけでも「steady.」「MonoMax」「mini」と3誌も募集している。 「うちは、基本的に正社員と契約社員の差というのは、あまりないんです。契約でも保険も入ってくれますしね。ボーナスが違うくらいですかね。ただ、仕事量はまったく同じです(苦笑)」(同)  ここ数年、どの出版社もこの不況下で採用を縮小していく中、ファッション雑誌における市場占有率はもちろんのこと、雑誌全体においても市場占有率トップを誇る宝島社は、まったく違う路線を進んでいるという。 「宝島は、あまり新卒採用に重きを置いてないんです。中途採用のほうが多いんじゃないでしょうか。実際、契約から社員登用という形がかなり多いですね。アルバイトから契約、契約から社員になった人はたくさんいますよ。アルバイトから編集長まで上り詰めた人もいるくらいですからね。基本的なスタンスは『イヤなら辞めろ。代わりはいくらでもいる』です。最近だと、会社の売上が下がってきてるので、一人あたりの年間売上ノルマがあって、それを達成しないとボーナスが下がるという、完全歩合制みたいな形が導入されました。ただ、基本的に外注も使わない、自分で編集もライティングもやる会社なので、実力はかなりつくと思いますよ」(同)  先日、大手出版社のひとつ、小学館が大量に中途採用をしたが、やはり宝島社からの採用が複数人いたという。 「宝島社で数年仕事をしていたというのは、かなりの“ウリ”だと思いますよ。あそこは、本誌だけでなく何冊もムック本を同時進行してますからね。他社に行ったら、あまりにも仕事の“時間軸”が違いすぎて驚きました。とにかく立ち止まらない会社なので、常に新しいことをして、それについてこられない人は容赦なく切り捨てていくって感じですね」(元・宝島社編集スタッフ)  最近も佐賀県と共同事業を行ったり、ファッション雑誌「sweet」の公式ショッピングサイトをオープンさせたりと、手広く事業を拡大している感がある同社。その陰には、幾人もの編集者たちが去った形跡も確かにあった。

週刊新潮「24億円横領男」報道に見る、週刊誌というメディアの原点

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「週刊朝日」11月29日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位「『治安維持法』復活の危険性」 (「週刊朝日」11月29日号) 第2位「ラモス瑠偉と親しかった『24億円横領男』黄金の日々」 (「週刊新潮」11月21日号) 第3位「2013年版 警視庁『天下り』リスト」 (「週刊現代」11月30日号) 第4位「『細木数子』を恐怖していた『島倉千代子』」 (「週刊新潮」11月21日号) 第5位「原発メーカーに金を出させる『小泉純一郎元総理』の脱原発会見」 (「週刊新潮」11月21日号)  注目記事に入れなかったが、新潮に池田大作名誉会長(85)が「復活した」という記事が載っている。  この3年半ほど消息が伝えられなくて、相当重い病気ではないか、死亡説まで流れた池田名誉会長が、11月5日の総本部の「落慶入仏式」で導師を務める姿が、機関紙「聖教新聞」に掲載されたのである。  新潮が取材したところ、復活したのは間違いないとしている。しかも、池田氏の意向で、後継者と見られていた谷川佳樹事務総長が外れて、教団ナンバー3の正木正明理事長が次期後継者に指名されたというのである。  ドンの復活で創価学会がどう変わるのか、注視していきたい。  さて、このところ小泉純一郎元総理の「脱原発発言」が大きく取り上げられているが、新潮は「原発メーカーを連れたツアー」で脱原発とは片腹痛いと批判している。これが今週の5位。  小泉氏はフィンランドの高レベル核廃棄物最終処分場「オンカロ」を視察して、脱原発へと舵を切ったそうだが、同行したのは三菱重工、日立、東芝などの原発メーカーであった。  それは小泉氏が顧問を務める「国際公共政策研究センター」というのが、経団連の奥田碵元会長が呼びかけて、トヨタやキャノン、東電などが出資している団体で、その中に先の原発メーカーも入っているからだ。  原発メーカーに金を出してもらっているのに脱原発とはいかがなものかと言いたいのだろうが、私はそれでも、正しいことは正しいと言える小泉氏のほうを応援する。  だが、この人の難点は、ワンフレーズだけ言って、その後は知らん顔するところである。  新潮では、精神科医で京都大学非常勤講師の片田珠美氏がこう話す。 「昔のようにスポットライトが当たらなくなると、かつての成功が忘れられず、今度は脱原発という新しいワンフレーズでもう一度注目を浴びようとしているように思えます。 一般的にスポットライト症候群と言うのですが、これは常に注目を浴びていないと気が済まず、自己愛が異常に強いことが特徴です。よくあるのが芸能人ですが、このタイプの人が組織にいると、いわゆる“困った人”になるのです」  新潮の考え方は、日本経済のために原発再稼働やむなしというところにあるようだから、小泉氏の発言にケチをつけたいのだろうが、私は、小泉発言を支持したい。  だが、本気でそう考えるのなら、安倍晋三首相に直接会って彼の考えを伝えるべきであろう。安全なところにいて“遠吠え”するだけでは、みのもんたと同じスポットライト症候群だと言われても仕方ないところもある。  今週は、新潮の誌面がほかを圧倒している。お次も同誌の「島倉千代子が細木数子を恐れていた」という記事が面白い。  島倉が亡くなってしまった。享年75歳。彼女のデビュー曲「この世の花」を私は、中野駅近くの映画館で聞いた。1955年、この曲は大ヒットして200万枚を売上げ、同名の映画が作られたからだ。  「想うひとには嫁がれず 想わぬひとの言うまま気まま」という歌詞が、その意味もわからなかった小学生の私の心にとどまり、今も時々口をついて出てくる。  島倉とは何度か会っている。新潮が書いている、細木数子氏との絡みである。  実は、私と細木氏との付き合いはかなり古い。彼女が渋谷の道玄坂あたりでクラブをやっていた頃である。その後、彼女は新潮にあるように、赤坂にクラブ「艶歌」やディスコ「マンハッタン」を作る。そこへも何回か行ったことがある。  だが、経営はうまくいかなかったようで、その後、喫茶店のようになっていたと記憶しているが、定かではない。  当時、細木氏から、島倉の話を聞いた。彼女によれば、ある夜、彼女のマンション近くで島倉が裸足でフラフラしているのを見つけたので、家に連れてきて介抱してあげたという。島倉は精神的にも大きなダメージを負っていて、あのままだったら自殺したかもしれないとも言っていた。  その話を聞いて私は、島倉にインタビューを申し込み、確か細木氏のマンションで話を聞いたと思う。  そこには細木氏の彼氏、小金井一家の堀尾昌志総長も同席していたと記憶している。  島倉は、元阪神タイガースの藤本勝巳と結婚したが、夫婦で経営したクラブがうまくいかずに、6,000万円の借金を引き受けて離婚する。その後も、事務所を任せていた実弟がカネを使い込み、この時もその負債を引き受け、10歳年上の眼科医のところに走る。  彼女は62年にファンが投げたテープの芯が目に当たり重傷を負うが、その治療に当たったのがその眼科医だった。眼科医は、失明の恐れがあると脅し、公演から帰ってくると島倉を真っ黒なカーテンで締め切られた部屋に閉じこめた。その後、眼科医は不動産業に手を出し、手形を島倉に裏書きさせ、十数億円の手形を決済できずに破産し、失踪してしまう。  彼女にはまた3億円近い借財ができ、債権者に追われる身となってしまう。債権者たちが新宿コマ劇場まで押し寄せ、怒号が飛び交ったと新潮が書いている。追い詰められていたとき、島倉は細木と出会ったのである。当時の島倉は、細木さんがいなければどうなっていたかと、感謝の気持ちを私にも話してくれた。  「人生いろいろ」どころではない苦難の人生を歩んできた島倉だが、その表情にも歌う姿にも、そんな陰を見せることはなかった。  だが、だいぶ経ってから、島倉が細木の所を離れたと聞いた。  債権者を説き伏せて返済を引き延ばす一方で、細木氏は島倉の興行権を手に入れた。その後の経緯を、新潮はこう書いている。 「その興行権に、大いなる価値があったという。 『当時の島倉は日建ての稼ぎが800万円。私は松尾和子を扱ったことがあったが、半分の400万円。島倉の稼ぎは破格だった。細木はミュージックオフィスを作り、島倉のマネージャー兼プロダクション代表を務めたのだが、島倉が稼ぎまくる金を、借金の返済に積極的に回したという話を聞かないのは、どいうことだろうか』(ヤクザ組織に詳しい事情通) (中略)細木のことを無二の恩人だと語っていた島倉も、次第にこうこぼすようになったという。 『いくら働いても借金は減らないし、こんなに働いているのに、私には何も残らないのよ』」  新潮によれば、コロンビアレコードが、細木と堀尾側に“手切れ金”として1億数千万円を払って関係を断ち切らせたという。  以来、島倉は細木については自伝の中でも一切触れていないそうである。  文春では、島倉が幼い頃の輸血がもとでC型肝炎になり、子どもへの影響を考えて、子どもを産めなかったと書いている。その子どもが産まれたら「忍」という名前を付けたいと、かわいがっていた歌手の小林幸子に語っていたという。  彼女の墓石には「音の門」と彫られ、その横には「忍」と刻まれている。  戦後を代表する女性歌手といえば、美空ひばりと島倉千代子である。私生活では恵まれなかったところも共通している。幸少なく忍ぶことばかり多かった人生だったが、今度こそ島倉が安らかに眠れることを祈りたい。  警視庁幹部の最新天下りリストを現代が入手した。平成24年4月1日から25年3月31日までの1年間に、警視庁を退職した幹部の再就職先が記されている。  リストにある企業名は「みずほフィナンシャルグループ 上席審議役」「東京電力 部長」「住友不動産 嘱託」「野村證券 参与」「日本マクドナルド 法務部顧問」など、有名企業ばかりである。  公務員の天下りは規制が強まり、厳しく取り締まられているはずなのに、警視庁では人事課主導型の天下りがまかり通っているという。全国紙社会部記者がこう話す。 「確かに、国家公務員の天下りに関してはずいぶん厳しくなりました。しかし、警視庁は霞ヶ関にありながら、実は東京都の組織。そのため、盲点となってマスコミの批判を受けることもなく、今も天下りし放題なのです」  ある銀行に天下っている警視庁OBが、インタビューにこう答えている。 「一応は、コンプライアンス問題や、反社会的勢力の対応が私の主な任務ということになっています。ですがこれまで2年間在籍して、仕事はほとんどありませんでした。そもそも社内には専門の担当者がいるので、私の出番はないんです」  2名の警視庁OBがいる「みずほ」が暴力団への融資問題を起こして追及を受けているのを見れば、天下りは形だけだと思わざるを得ない。  もっと悪いのは、天下り警視庁OBの存在が捜査の中立性を妨げることもあると、ジャーナリストの大谷昭宏氏は言う。 「ある消費者金融には毎年のように警視庁から天下っていて、ついに元警視総監まで籍を置くようになった。その消費者金融に不祥事を持ち上がった際に、警視庁内から『大物OBに恥をかかせるわけにはいかない』という声が出て、なかなか捜査に着手できなかったということが実際にありました。天下りは、このような不正の温存にもつながりかねない」  東京電力は警視庁OBを受け入れてる理由を、こう答えている。 「電気事業を営んでいく上で、当社社員にない警察OBとしての豊富な経験や専門知識を有している者として採用している」  原発反対運動のデモを取り締まらせるつもりなのだろうか?  しかも、天下り警視庁OBの待遇は殊の外いいという。公益財団法人・東京タクシーセンターの担当者が明かしている。 「常勤の常務理事として来ていただいています。常勤の場合、週に3日以上の勤務と定めています。報酬は月額65万円でボーナスも出ます。年間の報酬は1100万円です」  先の大谷氏がこう続ける。 「彼らがどこに再就職しようと、能力を買われているなら構いません。問題なのは、警視庁側が事実上『おまえのところは何人引き受けろ』と、企業に採用枠を押しつける形なっている場合です。長年にわたる先輩からの申し送りで、ポストが指定席化しているのに、表向きは『企業側から強い要請があったため』と言ってごまかしている」  猪瀬直樹都知事はこの天下り問題をどう考えるのか。見解を聞いてみたいものである。  週刊誌が事件を追いかけなくなってしまった。金がかかる割りには読者受けがよくない、部数に結びつかないということなのだろう。だが、事件を取材しない週刊誌などメディアと呼べないと、私は思っている。  今週の新潮の事件報道を、編集者はよく読むべきである。週刊誌の原点がここにある。これが今週の2位だ。 「“車が欲しい”と言われればポンと買ってあげるし。“家具が欲しい”と言う子には、平気で海外の800万円もする家具一式を買ってあげたりとかね。今は閉店しているけど、六本木にお店をオープンさせてあげたこともあったそうよ。女に貢ぐ額が一桁違うの。一度でもセックスできると、一人当たり軽く1000万円は貢いでいたと思う。そういう具合で、好きな女の子一人に入れ込むタイプではなく、常時3、4人の女の子と付き合っていて、私が知る限り二十数人の子と関係を持っていた」  新潮で、長野県建設業厚生年金基金元事務局長・坂本芳信(56)容疑者の、かつての酒池肉林の遊びっぷりを語るのは、坂本がよく来ていた銀座クラブのママ、エリ(仮名)さんである。  それにしてもよく見つからずに、これだけの大金を横領できたものだ。気づかなかった年金基金側にも大いに責任ありだが、新潮の記事は、そこには踏み込んでいないのがいささか物足りない。  だが、長野市内の家賃5万5,000円の家に家族と暮らし、週に何日かは東京で豪遊していた坂本を、エリさんは、新橋にある投資ファンドの社長だと信じて疑わなかったという。  200~300万はするオーダースーツを着こなし、時計は1,500万円の海外ブランド品。店を終わって女の子を連れて行く店は、銀座の高級寿司屋「久兵衛」。  エリさんにいわせると、私のような年増は相手にせず、21~25歳ぐらいまでの、銀座ズレしていない女性が好みだったという。20人の女性に1,000万円ずつ貢いだとして、それだけで2億円が消えた計算になると、新潮はいらぬお世話の算術をしてみせる。  エリさんと坂本が出会ったのは六本木のクラブだったが、それから坂本がポンとカネを出して銀座のポルシェビルに「ピノ」というクラブを08年11月に開く。保証金や内装費、スタッフの支度金合わせ1億円はかかったという。  その当時、元Jリーガーのラモスとも知り合い意気投合した。社員旅行はハワイで、ラモスも同行、「久兵衛」の社長らと職人を連れて行き、プールの傍のダイニングキッチンで寿司を握らせたという。  しかし10年9月に事件が発覚し、坂本はタイに逃亡する。そこでも残っていたカネを湯水のように使って遊んでいたそうだが、最後は愛人に家賃を無心して通報されお縄になる。逮捕されたときの所持金は1万円と少しだった。  横領男が女性に貢いでいた事件では、青森県住宅供給公社の経理を担当していた男が14億円以上を横領して逮捕されたが、男がカネのほとんどを貢いでいたのがチリ人の人妻・アニータさんだったことが話題になった。  今回は、坂本が貢いだカネの大半は日本女性らしいが、大枚を払ってセックスしても、女性たちには次々に去られてしまったと、先のエリさんが話している。  約5年間で24億円だから、1年で約5億円、1日で140万円ぐらい使える。オレだったら何に使うだろう。貢ぐ相手はいないし、酒もそんなには飲み切れないし……、とりあえず貯金しておこうか。  貧乏が染みついた身には、空想の世界でも大金の使い道に困るのである。  さて、安倍晋三首相は、なんとしてでも特定秘密保護法を通すつもりである。民主党が修正案を出すと言っているのに無視して、“強行採決”する腹づもりのようだ。  だが、一部の新聞を除いて、この法案に反対を表明しているところは少ない。週刊誌などは、俺たちに国家機密など関係ないと言わんばかり、この問題に触れることもしないのが大半である。もはや、メディアの末期症状と言わないわけにはいかない。  ごく少ない「反対を表明している週刊誌」である朝日は、今週は「ツワネ原則」というものを引き合いに出し、特定秘密保護法がこの原則に違反しているかを報じている。これが今週の第1位だ!  ツワネ原則とは、秘密保護法制の作成の際にどこの国でも問題となる「安全保障のための秘密保護」と「知る権利の確保」という対立する2つの課題の両立を図るための原則のものである。 「例えば、ツワネ原則(第47)では『ジャーナリストや市民が秘密を入手し、公開しても罰せられるべきではない』と規定されているが、政府の法案は真逆だ。特定秘密保護法案では『ジャーナリストや市民が特定秘密を不当な方法で入手しようと共謀(相談)をしたり、教唆(そそのかし)をしたり、煽動(呼びかけ)をしだけでも懲役刑を科す』と規定されているのだ」(朝日)  ツワネ原則では「すべての秘密に接することができる独立した監視機関を置く」と定めているが、同法案にはどこにも明記されていない。  さらに同原則は「秘密の開示を求める手続きを定めなければならないとする。だが、政府案では秘密の有効期限は最大30年で解除され、国立公文書館に移されるが、内閣の承認さえあれば、永遠に封印できるという内容になっている。  しかも、この法案の担当大臣である森雅子担当相は「(ツワネ原則を)読んだことはないので、確認したい」というお粗末さである。 「内閣府の岡田広副大臣は、国会で特定秘密の提供を受けた国会議員がぶら下がり、飲食しながらの取材を受け、記者らに秘密を漏えいした場合、『最長で懲役5年、500万円以下の罰金が課せられる』という見解を示した。法案が成立すると、メディア、公務員だけでなく、国会議員すらも萎縮する危険性がある」(同)  なんとしてでもこの法案成立を阻止しなくてはならないのだが、残された時間は僅かである。日本よ、すべてのメディアよ、総決起せよ! そう叫ばずにはいられない。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

「次期会長はエビジョンイルの側近」NHKが安倍内閣の御用放送局へ?

coverpage1111.jpg「週刊ポスト」11月22日号
今週の注目記事 第1位「怪文書飛び交う『安倍NHK支配』意中の人物」 (「週刊ポスト」11月22日号) 第2位「ノーム・チョムスキー『メガバンクが破綻して世界金融危機がやってきます』」 (「週刊現代」11月23日号) 第3位「山本太郎 天皇『手紙テロ』の罪と罰」 (「週刊文春」11月14日号) 第4位「フジテレビはどうしてこうもダメになってしまったのか」 (「週刊ポスト」11月22日号) 第5位「高島屋でも成型肉!『ニセ和牛肉』はこうやって見分ける」 (「週刊新潮」11月14日号) 第6位「朝日新聞『エロい報告書』」 (「週刊文春」11月14日号) 第7位「本誌は特定秘密保護法案に反対します 原発関連の内部告発も厳罰化で隠蔽される」 (「週刊朝日」11月22日号)  特定秘密保護法案の審議が国会で始まったが、与野党ともに書いた原稿を読み上げるだけの危機感のなさには、あきれ果てるを通り越して恐怖感さえ覚える。  憲法第21条違反が明確で、言論表現の自由を抑圧して国民の知る権利にフタをしてしまうような重大な法律を決めようというのに、反対する国会議員にもメディアにも、本気で成立を阻止しようという気概が見えてこないのはどうしたことだろう。  週刊朝日の発売は火曜日であるが、都内のキオスクでは“堂々”と月曜日に売っているので、朝日が掲載している特定秘密保護法についての特集から紹介しよう。  特定秘密保護法ができれば、防衛や外交はもちろん、TPPの交渉内容や原発事故情報も“特定秘密”に指定されるのは明らかである。そうなれば、内部告発をしようと思っても厳罰の前に躊躇したり、取材者も「著しく不当な方法による取材行為」は処罰対象になり、著しいかどうかを判断するのは行政の長や官僚であるから、自主規制してしまうことが必ず起きてくる。  朝日はこの法案にはっきり反対を表明し、今号では「西山事件」で有名な元毎日新聞記者の西山太吉氏にインタビューして、この法案の危険性を語らせている。  西山事件とは、1971年の沖縄返還協定に関する外務省の“密約電文”が漏洩し、毎日新聞政治部の西山太吉記者と外務省女性事務官が国家公務員法違反で有罪となった事件である。  西山氏は、自民党政権には秘密保護法を提出する資格はないと、厳しく言及している。 「秘密保護法の細目の議論に入る前に、まず自民党の過去の情報犯罪を問題にすることが重要です。イラク戦争についてアメリカ政府は、『大量破壊兵器をつくっている』とデッチ上げて軍事介入したことを認めた。それに比べて日本は、アメリカからあれだけの資料が出てきても沖縄の密約を認めていない。いまだに都合が悪いものを全部隠している。嘘をついたら、つきっぱなしの状態です。だから民主党は新しい情報公開法をつくることを公約に掲げて政権交代し、2011年4月には法案を提出した。それなのに民主党は、その後、国会で努力を全くしなかった。官僚の猛反発で鳩山政権が潰れた後、自民党と大して変わらない民主党右派政権が秘密でも何でもない尖閣ビデオ流出問題を機に秘密保全法制の準備を始め、安倍政権の先鞭をつけてしまったのです。  空文に等しい情報公開法しかない中で、今回の秘密保護法が成立すると、沖縄密約の時と同じように非合法な国家の行為までもが次々と特定秘密に指定され、広がっていく。都合が悪い情報を隠し通す日本の現状をさらに悪化させ、民主主義が機能しなくなることは明らかです」  日本版NSCと特定秘密保護法が成立すれば、日本にはどうでもいい情報だけが溢れ、国民には何も知らされないままアメリカの言いなりに「集団的自衛権」行使ができる国に変容し、いつか来た道をたどることになりはしないか。心底心配である。  文春得意の朝日新聞バッシング。先日更迭された週刊朝日編集長のセクハラよりもエグい、社内の男女の醜聞である。これが今週の第6位。  舞台は大阪・中之島の朝日新聞大阪本社である。2009年春、広島総局勤務から次長待遇として写真部に戻ってきた40代の古田新太似のAデスクは、編集局に派遣されていた20代後半の契約社員、美脚自慢のメガネ美人B子さんと出会って入れあげ、デートをするたびに高価なものをプレゼントしたり、マンションの家賃まで負担してあげたのだそうだ。  結婚へ本気モードだったが、このB子さん、なかなかしたたかで、Aデスクだけではなく、同じ編集局のスポーツ部デスクCさんとも付き合い、こちらが本命だったという。  そしてB子さんから別れを切り出すと、Aデスクはこれまで貢いだ分を返せと要求した。  だが、逆にB子さんはAデスクのことを「ストーカー」として警察に届け出た。Aデスクのほうは、債務不存在確認の民事訴訟を起こすなど泥沼化したのである。  B子さんからはカネを返してもらうものの、Aデスクは、このことを会社に知られ、昨年春に富山総局の一記者として左遷されてしまうのだ。  そのA記者を富山総局前で直撃すると、意外にも事実関係を淡々と認めたという。 「裁判で決着したんで、もういいかなと思っています。B子さんは家賃も水増しした金額を私に払わせていたような性格なので。Cと不倫して私と二股かけていようが、事実を告げてくれたらよかったので『本当のことを言ってくれ』と何度もメールしたのに、彼女は逃げるばかりでしたね。まぁ、返ってきたパソコンの中に全て真実が詰まっていたので、調べるまでもなかったんですけど。彼女はスマートな方なんですけど、IT関係は弱いんでしょうね。(中略)  当初はCにも頭にきたけど、彼も娘が生まれたばかりで家庭を壊すつもりもなかったので、私は何も騒いでいません。富山はいいところ。食べ物もおいしいし、上司にも恵まれていい仕事をさせてもらってる。今は結果オーライかなと思っています。でも文春に書かれちゃったら次はどこに飛ばされるのかな……」  どこか哀れを誘うコメントである。朝日新聞記者がこう言う。 「朝日には社内不倫など乱れた男女関係の話が多い。週刊朝日のセクハラも起こるべくして起きた。今回の件も特に驚きませんね」  昔は「朝日文化人」なる言葉まであった朝日新聞記者だったが、昔日の面影すでになしのようだ。  さて、今週の第5位は新潮の記事。有名ホテルから料亭、デパートまで「偽装表示」が次々に明らかになっている問題である。  芝海老ではなくバナメイエビでした。九条ネギではなくそこらの普通のネギでした。車海老ではなくブラックタイガーでしたとなると、明らかに「偽装」ではなく「詐欺」だと思う。  奈良にある近鉄系の「奈良 万葉若草の宿 三笠」では和牛と称していた肉が、オーストラリア産の成型肉だったというのだ。店を怒るより、そんなものを食べさせられて満足していた客の舌の鈍感さが気になるが、成型肉とは、はて、どんなものなのか?  食の安全を考える会・野本健司代表によれば、成型肉とはこうだ。 「外国産牛のモモ肉などブロック状に細切れになった赤身の肉に、酵素添加物をまぶしてやわらかくし、型に入れ、結着剤で人工的に固めたもの」  米沢牛の10分の1程度の値段だから、店にとってはボロ儲けである。しかし、成型肉には安全性に問題ありだという。野本氏が指摘する。 「成型肉を焼いても、肉の内側に菌が残る可能性は排除できず、O-157が肉の中に残った状態で提供される恐れもある。だから成型肉の調理法はウエルダンしかありえないのに、店側がその危険性を理解せず、焼き加減の好みを客に尋ねてレアで出すことがある」  安いものには、それなりの理由があるのだ。では値段は張るが国産牛を食べたいと思ったら、どうすればいいのか? 店自体を識別する方法を、精肉店が教えてくれる。 「10年ほど前から、農水省は国産牛に個体識別制度を導入しました。畜産農家で牛が生まれると、生後すぐに1頭ずつナンバーが割り振られ、DNAが検体ごとに採取される。そして肉屋もレストランも、和牛を使うメニューを提供する以上、この識別番号を店頭に掲げないと商売ができなくなった」  個体識別番号を店に明示しているかどうか、店側に尋ねればいいというのだ。焼き肉屋でも壁に貼ってあるところも多くなってきたから、そういう店は安心できそうだが、それすら「偽装」だったら、どうしよう?  第4位は、テレビメディアについての特集。少し前までは「民放の絶対王者」といわれたフジテレビの凋落が激しいが、ポストはどうして「ダメになってしまったのか?」と、ストレートに疑問をぶつけている。 「82~93年に12年連続、04~10年に7年連続で、『視聴率三冠』(ゴールデンタイム、プライムタイム、全日)を獲得したが、昨年はテレ朝の躍進で3位に転落。さらに今年8月の平均視聴率では、『半沢直樹』を大ヒットさせたTBSに抜かれ、ついに4位に転落した」(ポスト)  振り向けばテレビ東京が迫ってきているのだ。今年の大みそかは早々と敗北宣言したような「報道番組」に内定したという。NHK『紅白』や日テレの『笑ってはいけない~』とは勝負しないようだ。  だが、より深刻なのは、フジがこれまで得意にしてきたバラエティやドラマに往年の輝きが見られないことだろう。その理由の一端は、亀山千広社長はまだ57歳と若く、フジ系列の番組制作会社の天下り社長たちが、亀山には文句を言わせないと先輩風を吹かせ、企画をゴリ押ししてくることだというのだ。 「そうした“上層部”から押し付けられるのは、大抵がバブル時代のトレンディードラマの焼き直しや、かつて視聴率を取った女優の再起用など『昔取った杵柄』ばかりで、新鮮味は皆無。これでは、視聴者に見捨てられても当然だろう。現場の混乱を招いているのは、ほかならぬ80年代以降の視聴率1位という栄光を築き上げた。“幹部”たちということだ」(同)  今年4月にフジを辞めてフリーに転身した長谷川豊アナウンサーはこう言っている。 「(中略)話題を次々に作ってきたフジテレビのはずですが、いろいろと叩かれ始めたためか、4~5年前からすっかりチャレンジ精神を失ってしまい、“ミスのない”番組作りを目指すようになってしまった。制作会社の持ち込み企画は保身のためか全部ボツになって、新しいものを受け入れなくなってしまったんです。そのボツ企画を、深夜枠で拾って成功してるのが今のテレ朝です」  かつて親しくしていた日テレの氏家齊一郎CEOは、私に、日テレがフジを抜いて成功した理由をこう話してくれた。 「オレは企画には口を出さないが、これだけはいつも言っている。オレがおもしろいと思う番組は作るな。オレがわからないものを作れ」  上の顔色をうかがって保身ばかり考えている現場にいいものができるはずはないこと、テレビでも雑誌でも同じである。  長きにわたってフジテレビを率いてきた日枝久会長が退くだけでも、フジの雰囲気は変わるのではないかと思うのだが。  さて、山本太郎参議院議員が10月30日に赤坂御苑で開かれた園遊会で天皇に手紙を渡したことについて、週刊誌の書き方は、みのもんた攻撃と同じように厳しいものがほとんどである。  文春は「手紙テロ」という表現を使い、新潮は「軽挙妄動のパフォーマンス、浅知恵に基づいた詭弁、有権者を欺くペテン、思考停止の風評妄信、そして大いなる無知」この五拍子揃ったのが山本氏だと酷評している。  この“事件”についてはどれも同工異曲だが、文春にやや分がありと見て、これを3位にした。  文春によれば秋晴れの下、約1,800人の出席者は穏やかに談笑しながら、天皇皇后や皇族のご到着を待っていたという。  その中に、明らかに周囲から浮いている山本太郎参議院議員がいた。皇族の到着直前、蝶ネクタイ姿の山本議員は宮内庁担当記者が集まる取材エリアのすぐ近くまでやってきた。そこは、巨人軍の長嶋茂雄氏や、プロスキーヤーの三浦雄一郎氏ら著名な招待客が並ぶ、いわばVIP席だった。  山本議員は長嶋さんから3~4人挟んだあたりに割り込もうとしたが、入り込めるようなスペースがなく、少しはみ出す状態になっていたのを宮内庁の職員が認め「他の場所へお願いします」といって移動させた。  それから数分後、天皇皇后が到着され、式部館長に先導されながら、両陛下が会場を歩き始められた。  そして、山本議員の前を天皇が横切ろうとした時、 「実は、お持ちしたものがありまして」 と山本議員が手紙を差し出したのだ。戸惑われたような表情の天皇は、その言葉に何度か頷かれ、そして侍従長に手紙を託し、軽く会釈をされてから再び歩み始められた。  手紙の内容は「巻紙に筆で書かれた手紙は<不躾にもお手紙を陛下にお渡しする無礼、お許しください>と始まり、福島の子供たちの健康被害や原発作業員の健康管理がなされていない実情を訴える内容だった」(文春)という。  内容はともかくとして、こうした行為は、山本議員の憲法違反行為で、辞職に値すると言わざるを得ない。即位の際、憲法を遵守すると宣言した天皇が一番当惑しているであろう。  議員は天皇に直訴するのではなく、国会で堂々と意見を述べ、安倍首相を追い詰めるべきである。これでは憲法軽視、議会制民主主義軽視といわれても致し方ないと、私は考える。  東日本大震災以来、福島県三春町で避難民の受け入れを行っている作家で僧侶の玄侑宗久氏は、山本参議院議員のことをこう批判している。 「そもそも山本さんは福島県に住んでいる人の立場で考えていないだろうと感じていました。福島県民で彼の政治活動に期待する人はあまりないと思います。彼の発言の多くは起こりうる最悪の想定をもとに繰り返されるわけですが、最悪の可能性を基準にしては、福島県には住んでいられないということが理解できていない。私は、皇室がこれまで放射能について言及してこなかったことに非常にありがたさを感じています。  天皇陛下は、震災後の夏、いつも通りに那須の御用邸に避暑に行かれ、いつも通りに御料牧場で取れた野菜、鶏、豚、羊を召し上がりました。一方、御用邸や皇居の放射能数値が公表されることはない。山本氏は、国民に心配をかけさせまいという陛下の気持ちを察することができない人物なのでしょう」  山本議員は辞職せずと言っているようだが、それならばパフォーマンスばかりを先行させるやり方ではなく、福島に住み着いて、そこから国会へ通うぐらいのパフォーマンスをするべきである。  現代の「世界の知性に聞く」シリーズが好きである。日本の週刊誌のよさというのは、死ぬまでSEX特集がある中に、こうした硬派記事もしっかり載っているところである。こういう週刊誌は、ほかの国にはないであろう。  今回は第5回。“世界最高の論客”といわれるノーム・チョムスキーMIT名誉教授の登場である。氏はメガバンクが破綻して、再び世界金融危機がやってくると語っている。 「もちろん、再び起きると思います。’08年秋の金融危機に対しては、その場凌ぎの解決策は講じられていますが、根本的な問題は、依然として解決されていないからです。  世界的金融危機の火蓋を切ったアメリカでは、銀行を規制する法案が議会を通過しましたが、ロビイストたちから徐々に骨抜きにされています。『ニューヨーク・タイムズ』によると、ロビイストたちが、金融規制を弱めるために、法案の一部を書き換えさせたそうです。このようなことは、ワシントンでは日常的に起きています。選挙という問題もあります。アメリカの選挙は莫大な企業献金に頼っており、議員は退職後の就職先も考えなくてはならないため、企業の要求をのむ行動をしてしまいます」  中国の軍事的脅威に対してはこう答えている。 「軍事的視点から見た場合、中国は何の脅威もありません。まだ『アメリカの足元にも及ばない』段階です。中国の目的は、交易路である自国周辺の海域をコントロールすることです。この海域は、日本や韓国、台湾、さらにはその背後にいるアメリカという“敵国”に囲まれているため、中国は防衛目的から、海域をコントロールしたいと考えているのです。一方、アメリカは、中国の海域に自由にアクセスしてコントロールしたいと考えています。  しかし、それは不均衡なことではないでしょうか。カリフォルニア沖では、中国沖で起きているようなもめ事は起きていないのですから。  数年前、米中間で対立が起きた時のこと。アメリカは空母ジョージ・ワシントンを中国近海に送りましたが、中国側の主張によれば、空母には北京を攻撃できる核ミサイルが搭載されていました。アメリカは当然そうする権利があると考えていたのです。しかし、もし逆に、中国がワシントンを攻撃するような核ミサイルを搭載した空母をカリフォルニア沖に配備したとしたら、アメリカはどう対応するでしょうか? おそらく戦争を起こすでしょう。このように、アメリカには非常に根強い帝国主義的傲慢さがあるのです」  アベノミクスについては、壮大な実験をやっていると見てはいるが、成功するか失敗するかはまだよく見えてこないと語っている。  今週の第1位は、メディア支配を目指す安倍首相が、NHKを手中に収めようとしているというポストの記事を推す。  NHK会長人事は経営委員が会長を任命し、国会で同意を得た上で首相が任命するのだが、安倍首相はその経営委員たちを自分の息のかかった人間にして、NHK会長に自分の意のままに動く人物を据えようとしているというのである。 「安倍政権が10月25日、国会に提示したNHKの経営委員人事案は、安倍氏と会談したばかりの作家・百田尚樹氏、安倍応援団の代表格である保守派の評論家・長谷川三千子氏、そして安倍氏の元家庭教師だった日本たばこ産業(JT)顧問といった、首相に近い面々。安倍支配が始まったと、NHK局内では早くも悲鳴が上がっている」(ポスト)  すでに安倍政権との接近を示すことが起きていたという。 「10月5日に放送されたNHKスペシャル『ドキュメント消費増税 安倍政権2か月の攻防』の冒頭は、『NHKのカメラが、今回初めて総理大臣執務室に入りました』で始まる。安倍首相がどのような覚悟と男気を持って決断したかが描かれた番組だ」(同)  社内から「NHKは政権の広報機関でしかない」という声が上がっているという。  ポストによれば、安倍首相は第一次安倍政権はメディアの偏向報道に潰されたという思いが強く、特にNHKと朝日新聞が最大の天敵だそうだ。  今の松本正之会長の「公平・公正」方針が気に入らないようだ。では誰を据えたいのか?  NHK問題を取材するジャーナリストの町田徹氏がこう言っている。 「NHKインターナショナル経営特別主幹の諸星衛氏を推す声が強まっています。諸星氏は、NHK政治部記者出身で、海老沢勝二元会長の側近としても知られた人物です。実は彼は、当時官房副長官だった安倍氏らが従軍慰安婦問題などを扱ったNHKの番組内容に対する政治圧力を疑われた『番組改変問題』で、当時理事として『政治圧力ではなかった』と火消しに回った中心人物。安倍氏にとっては、“自分のために汗をかいてくれた”功労者で適任と考えておかしくない」  よく知られているようにNHKの予算は国会での承認が必要だから、そのためにNHKが政治に弱いというのは定説である。だが、この安倍首相のゴリ押しが通れば、NHKは安倍内閣の御用放送局となり、さらに政権ベッタリの大本営発表を垂れ流すことになる。  「国民には、政権にとって都合の悪いことは何も知らせるな」が安倍首相の“国家観”であること間違いない。やれやれである! (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

「11歳衝撃のヌード」だって? 大宅壮一文庫で「児童ポルノ」を漁ってみるの巻

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 ヤツガレ、別の記事で執筆したように、国会図書館に対して閲覧禁止になっている「児童ポルノ」のリストを見せて、ついでに閲覧禁止になっている本を閲覧させてヨ! と要求したら蹴られてしまった次第(記事参照)。これじゃあ、何が「児童ポルノ」なのかまったくワカラナイじゃあないですか。ヤツガレ、しごくまっとうに閲覧禁止にしている本のタイトルすら教えてくれないことの不当性を訴えているのですが、世間様から見れば「そんなにロリコンをこじらせているのか……」と思われているに違いない。  いやいや、なんの因果か「児童ポルノ」をめぐる問題に足を突っ込んで随分と時間が流れてしまったが、この泥沼からはまだ抜け出せそうにもありませぬ。サテサテ、国会図書館が「児童ポルノ」を閲覧禁止にしているのは、何も国会図書館ばかりが悪いのではありませぬ。なにせ国会図書館も、そんなケシカラヌ人権侵害の疑いのある本を閲覧させておったら、お縄にするぞ! と、お上(いや、法務省だから同列くらい?)から脅されたのだから仕方ない。  でも、図書館の問題に詳しい人に聞けば「児童ポルノ」に対する図書館の対応は分かれていて、閲覧ができる図書館もあるのではないかという。そもそもサァ、閲覧もできなければ、ワレメがどのような理由でワイセツになり、「児童ポルノ」が法律で禁止すべき問題のあるシロモノになったか過程もわからぬではないか。そのあたりも踏まえて、閲覧禁止にしていない図書館があったら、エライ!  というわけで、現在さまざまな図書館の蔵書を調査中。その中で忘れてはならないのが、大宅壮一文庫である。ここは「一億総白痴化」とか「岡山は日本のユダヤ」という言葉を残したジャーナリスト・大宅壮一の蔵書をもとに始まった、雑誌専門図書館(なお、「岡山は日本のユダヤ」というのは正確には大宅壮一が言ったんじゃなくて、各県の県民性を調べていた大宅が、岡山県人を自宅に招いたら彼が自分で言いだしたのでビックリしたという)。  ここの利点は、さまざまな雑誌記事がキーワードで検索できるということ。近年は、かなり古い年代まですべてパソコンで検索できるようになったので便利なこと、この上ない。  京王線八幡山駅を降りて、左手に名所・都立松沢病院を眺めながらの徒歩5分。入館料を払って検索席についた筆者は、早速「少女ヌード」でキーワード検索を! ■これは……提供罪か?  もうネ、検索しただけで出るわ出るわ。「少女ヌード」が一種のブームになっていた70年代後半~80年代にかけての雑誌は、今では「児童ポルノ」として扱われるであろうシロモノが、アートなんだか興味本位なんだか、よくわからん視点で掲載されている。  中でも、ガンガングラビアを掲載しまくっているのは「週刊新潮」(新潮社)である。「少女ヌードも成人する」(83年11月3日号)、「犬と少女ヌード」(80年3月27日号)「ある少女の成熟を追って」(78年3月9日号)など、写真家・清岡純子の作品を中心に掲載し、ベタ褒めしておるのだ。しかもこれらのグラビアは、写真の横に「14歳」「16歳」とか、堂々と年齢も掲載。  この時期は、さまざまな週刊誌が少女ヌードをグラビアで取り上げている事例が多く「週刊現代」(80年6月19日号/講談社)には「ふたごの少女 11歳のメモリアル」として、やっぱり今では掲載したら「児童ポルノだ!」と逮捕されそうなグラビアも組まれている。  さらに、こうしたグラビアが掲載されているのは男性誌ばかりではない。「週刊女性」(79年11月13日号/主婦と生活社)には「11歳衝撃のヌード」というタイトルで当時話題になっていた山木隆夫の『リトル・プリテンダーズ』(ミリオン出版)からの借りポジを掲載しておるのである。この『リトル・プリンテンダー』であるが、発売当時はモデルの年齢もさることながら「完全無修正のヌード写真集」なんだそうである。  「週刊プレイボーイ」(79年10月16日号/集英社)の記事によれば、初版分は発売4日で完売。4版を重ねて在庫ゼロになっていることが記されている。さらに、この記事によれば「完全無修正」が話題になったためか、警視庁からもご招待を受けたことが記されている。ひっかけようと思えばひっかけられるんだぞ、ということだったらしい。何事もなくてすんだのは、山木さんや出版社側の周到さもあるが、最終的には「お毛がなくて何より」ということだったのだろう。  当時の客層については「週刊読売」(81年12月20日号/読売新聞東京本社)で書店に取材し、次のように記している。 「私どもでは、わりと学生から中年まで各年齢層の方がお買いになってます。若い人は本を隠しながらレジに来ますね」(紀伊國屋書店) 「三十歳代から五十過ぎのサラリーマンの人たちです。昼間より夜のほうが売れますね。それもレジが込んでいるときにサッと本を取り、サッと持っていかれます。素早いですよ」(銀座・旭屋書店)  また、この記事には、こうした少女ヌードのブームで業績を挙げている出版社への取材も豊富だ。当時のダイナミックセラーズの社長であった高浜宏次氏は、 「最初に企画を思いついたのは、ビニ本のかげりが見えてきた今年の初めでした。ビニ本はますますエログロ化し長続きしないだろう。この次は少女たちの、清純で自然なヌードが求められるのではないか、と……」 と、出版動機を語っている。同じく、少女ヌードで業績を挙げていた竹書房では、現社長の(当時は営業部長)高橋一平氏が客層について驚くべきセリフを。 「若い人が買うのは、一種の処女願望じゃないですか」  なるほど、当時から「処女厨」は存在していたのか!  とまあ、当時の雑誌のグラビア・記事ともに、少女ヌードはさまざまな形でまったく無修正で掲載されている。警視庁はワレメがワイセツであるとして摘発したのは、筆者が調べた限りでは85年の「ロリコンランド」(コアマガジン)が最初だと思われる。その後、87年に「プチトマト」(ダイナミックセラーズ)が摘発を受けて、ワレメはケシカランとなったわけである。ただ、この事件を報じている「週刊文春」(87年2月12号/文藝春秋)は、ワレメを黒塗りにした上で写真を引用しているのだが、「噂の眞相」(87年4月号/噂の眞相)は修正無しでバッチリと……。  さて、筆者の目指すところは別にワレメを拝むことが目的ではない。大宅壮一文庫は、閲覧を請求するときは用紙に雑誌のタイトルと号数を書くと出納してくれる形だ。で、これらのページの複写を申し込んだら、どうなるのか試してみた……。  複写を申し込んで待っていたら、係の人が筆者を呼ぶ声が。大宅壮一文庫でも、これは拒否するのか──と思ったら、 「このページ、コピーすると文字が潰れちゃうけど、どうします?」 であった。そのほかは、まったくなにも止められることなく複写完了後は精算してお持ち帰りに至った次第。  さて、この行為によって大宅壮一文庫は、児童ポルノ法で定めるところの「提供罪」を犯したことになるのだろうか? この記事に記した雑誌は国立国会図書館でも、問題なく閲覧することができる。さらに、東京大学図書館でも「週刊新潮」などは蔵書しておる。果たして、筆者がこれらの雑誌を閲覧し、さらに複写まで行ったら大宅壮一文庫も摘発。国会図書館も摘発。東京大学図書館も摘発ということになるのだろうか?  やはり、問題は「児童ポルノ」という定義のできない言葉が濫用されていることあると感じた。もちろん、この記事がもとで大宅壮一文庫にガサでも入ったら、全力で助けるヨ! (取材・文=昼間たかし)

“ご意見番”テリー伊藤に愛人報道「関係は20年以上」「みんな知ってる」

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「週刊文春」11月7日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位「みのもんた『バカヤロー!』会見の大嘘」 (「週刊文春」11月7日号) 第2位「テリー伊藤『カネと愛人』」 (「週刊文春」11月7日号) 第3位「私を塀の中に落としたバカラ台の悪魔」 (「週刊新潮」11月7日号) 第4位「日本版NSC(国家安全保障会議)の大愚作 機密情報を制するのは外務省か」 (「サンデー毎日」11月17日号) 第5位「天安門爆発!習近平体制はもうボロボロです」 (「週刊現代」11月16日号) 第6位「巨人エース内海が『女性問題』で脅されていた」 (「週刊文春」11月7日号)  私は由緒正しい親子2代の巨人ファンだから言わせもらうが、日本シリーズで楽天が勝てたのは、原巨人軍監督の最低・最悪の采配があったからである。  それがはっきり出たのは第7戦であった。第3戦に先発して2回途中で4失点・降板した杉内を、最も大事な試合で再び先発に起用したことである。  短期決戦では、調子の悪い選手が復調することはない。阿部慎之助、坂本勇人を見ればわかるはずだ。楽天の田中を打ち崩して勢いに乗る巨人だし、投手陣は充実しているのだから、一人1回ずつ投げさせてもいいはずなのに、一番出来の悪い投手を先発させ、早々と先取点を取られたにもかかわらず、交代させなかった原監督の大ボーンヘッドは、巨人ファンにとって“万死に値する”。  巨人9連覇の大監督・川上哲治は草葉の陰で嘆いていることであろう。巨人のフロントは選手の首切りをする前に、原監督を真っ先に切るべきである。  だらしない選手が多かった中で、エースの内海哲也はそれなりに頑張った。だが、文春では、その内海にシリーズ初戦の前日、こんな動きがあったと報じている。これが今週の6位。  読売新聞関係者が絶対匿名を条件に、こう語っている。 「読売グループの法務部長らが内海の女性関係のあるトラブルを相談するため、読売新聞の警視庁担当者のフォローを得て、密かに警視庁を訪れたのです。発端は広島のキャバクラ嬢との過去の交際トラブルだったそうです。まず、昨年の開幕前にこの女性のオトコを名乗る人物が内海に接触をして脅してきた。そこで内海はある知人にこの件の解決を依頼。知人は内海から百万円を受け取って広島に行き、話を付けてきた。この件で、内海は知人に対して直筆の礼状を渡しています。一枚の紙に走り書きのような文字で事の経緯などを記し、最後に自分のサインを書いたものです。しかし、ここから話が拗れ、謝礼を期待していた知人との関係が悪化、今年になって、礼状をネタにした次なるトラブルへと発展してしまったのです」  ここで問題になったのは、内海がトラブルの解決を依頼した知人というのが、山川一郎(仮名)という元暴力団員だったことだ。また、トラブルになった女性は、元山口組幹部の関係者の紹介だったという。  読売巨人軍側は、内海が山川らと会食していた事実があったことを認めた上で、内海が山川から恐喝を受けた事実は一切なく、第三者から恐喝を受けているという事実も一切ないと答えている。  これを読んで、昨年話題になった原辰徳監督の女性問題を思い出した。巨人は球界の紳士たれ、という言葉を覚えている選手などいないのだろうな。  10月28日に北京の中心にある天安門広場で起こった自動車爆破テロは、大きな衝撃を習近平体制に与えたと現代が報じている。  乗っていたウイグル族の実行犯3人を含む5人が死亡し、付近を歩いていた観光客ら40人が負傷するという惨事となった。  ウイグル族は、中国西端の新彊ウイグル自治区に住む、人口約1,100万人の少数民族。敬虔なイスラム教徒だが、中国からの独立志向が強いため、長年にわたって中国政府と対立を繰り返してきた。  現代によれば、新彊ウイグル自治区では、習近平総書記が国家主席に就任した今年3月以降、報道されているだけでも、10人以上の死者を出す事件が3度も起こっているという。  獅子身中の虫であるウイグル民族を弾圧するために、習近平はこんな作戦を考えているというのである。  ウイグル民族の中国からの分離独立を組織する「世界ウイグル会議」副総裁のイリハム・マハムティ氏はこう語る。 「第一に、ウイグルの農民の土地を奪い、その土地を、たっぷり国から手当をもらって移住してきた漢民族に引き渡す。第二に、土地を奪われて生活苦に喘ぐようになったウイグルの子供たちを、学習と就業の機会を与えるという口実で、中国の農村部に移住させる。そうやって、現在の1100万人を500万人にまで半減させようとしています。そうした上で、残った住民に徹底的な弾圧を加え、ウイグル人を羊のように黙らせるという狙いなのです」  習近平総書記にとって、新彊ウイグルは、少数民族問題であると同時に、資源問題、そして地域の覇権を取ることでもあるのだというが、ロシアがチェチェンに対して行った暴挙がウイグルに対して再び繰り返される恐れがあるようだ。  現代の中国情報は貴重なものである。週刊誌の中では数少ない読むべき内容のあるものだと、私は思っている。  特定秘密保護法案とセットになっている日本版NSC(国家安全保障会議)だが、この問題を報じる週刊誌のなんと少ないことか。こうした国の命運を決めかねない重要事項に対して、あまりにも週刊誌は鈍感である。  数少ないNSC問題を、毎日が報じているので取り上げた。 「増長と暴走の止まらない日本と、有効な制御策」  こうしたタイトルのリポートが9月上旬、米国防総省の中枢に届いたという。  安倍首相が靖国参拝をするために周囲とどんな協議しているのか、首相官邸でどのような会話が交わされているのかが書かれているものだという。  文責は米国国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)の連名。オバマ米大統領のブレーン機関関係者が、概要をこう語っている。 「堂々とスパイが潜り込んでいるとは思えません。何らかの手段で、通信を傍受していたとみるのが自然でしょう」  これは、日本の官邸で繰り広げられていた打ち合わせが、米国諜報機関に盗聴された可能性がある“衝撃証言”だというのである。  英紙「ガーディアン」などによると、米NSAは2006年頃、同盟国を含む世界の指導者35人の電話を盗聴し、10年には80都市以上で通信を傍受していたと報じている。ドイツのメルケル首相がオバマ大統領に事の真偽を問い、オバマが「知らされてなかった」と謝罪する始末である。  日本を盗聴することなど、アメリカにとっては容易いことであろう。  アメリカの真意は、安倍首相が靖国神社へ参拝することによって、中国との関係がこれ以上悪化するのを避けたい思いがあるからであろう。  毎日はこう書いている。 「米国は『中・韓と同じように靖国神社を“軍国主義の象徴”と捉えている』(外務省関係者)  10月3日、日米安全保障協議委員会のため来日したケリー氏とヘーゲル国防長官は靖国神社に見向きもせず、安倍首相と面会する前に、千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ足を運んだ。別の外務省幹部が頭を抱える。『参拝は事前に米国側が伝えてきた。しかし、一方的だったのでウチが止められる余地はありませんでした。安倍首相の側近からは「米国がはっきりと反対のメッセージを出してきた以上、靖国カードは当面切れなくなった。外務省の責任だ」と散々ドヤされましたよ』」  そんな米国の意向を無視するかのように、安倍首相は日本版NSCを11月下旬に関連法案を可決成立させ、年内にも発足する見通しだという。  NSC事務局トップである国家安全保障局長のポスト争奪戦も激しいようだ。現段階でリードしているのは外務省とされる。安倍首相の外交ブレーンである谷内正太郎内閣官房参与がそれである。防衛省幹部は、その意義をこう話す。 「そもそもNSCは、外務省が他省庁のネットワークや権益を組み込んで、活動を拡大するような組織です。それはもはや“新・外務省”“外務省の特殊部隊”と言っていいレベル。そこに、谷内氏が下馬評どおり事務方トップに君臨すれば、機能低下が指摘されて久しい外務省の完全復権を意味するのも同然です」  しかし、軍事ジャーナリスト神浦元彰氏は、NSCができても軍事情報はダダ漏れになると指摘している。  確かに今年5月、元米中央情報局(CIA)職員で、元米国家安全保障局(NSA)勤務経験もあったエドワード・スノーデン氏が、NSAの情報収集をメディアに告発したし、 2010年11月には、内部告発サイト「ウィキリークス」に米国の機密文書が公開された。  漏えいしたのは、陸軍上等兵のブラッドリー・マニング被告であった。今年8月の米軍事法廷で、被告には35年の禁固刑が言い渡されたが、軍や警察官の機密漏洩罪を厳しくしても、高い知識やモラルを持って、国民の不利益になる情報を公にする人間は後を絶たないはずである。  だが、翻って日本を見た場合、公務員はもちろんメディアにいる人間たちに、それほどの良識と実行力を持った者がいるのか。特定秘密保護法ができ、日本版NSCができれば、日本だけが情報鎖国になってしまう恐れは十分あるはずである。  スリルは賭けた金額に比例する。ギャンブル好きには有名な言葉だが、国内シェア3位の製紙メーカー、大王製紙の井川意高前会長(49)は、さぞかし最高のスリルを味わったことだろう。新潮のこの記事が今週の第3位。  彼が東京地検特捜部に逮捕されたのは、2011年11月22日のことだった。  その後の裁判で、カジノの借金を返済するために関連会社7社から計55億3,000万円を不正に借り入れて損害を与えたという会社法違反(特別背任)の罪に問われ、最高裁は今年6月、井川前会長の上告を棄却し、懲役4年の実刑判決が確定した。  彼は今、栃木県の「喜連川社会復帰促進センター」にいるという。  彼の独占手記を新潮が掲載している。よくもまあ書く気になったと思うが、書き方は淡々としている。  彼が国内の違法カジノに顔を出すようになったのは、六本木のクラブで働くママの紹介だという。  それから裏カジノに誘われ、気が付けば数カ月で8億円も負けていたことになっていた。それからしばらくはカジノから遠ざかっていたが、バカラ漬けになるマカオを訪れたのは06年からだった。  彼は集中力が削がれるので、バカラの最中には酒を一滴も飲まない。アドレナリンが出ているから、食欲もあまりなく、サンドウィッチやスパゲッティなどを口にするぐらいだったという。ギャンブルとは臨死体験だ、とも言っている。 「勝てば返し、負ければ借りるを繰り返した揚げ句、11年の3月には、資産管理会社と関連会社を併せて借金総額は50億円に膨れ上がっていた」というからすごい。  遅くとも関連会社が中間決算を迎える9月までには、20億円の借金をなんとか返さねばならなかったそうだ。 「私は主戦場をマカオからシンガポールに移す必要に迫られました。(中略)ここは1回に賭けられる上限が、マカオの1.5倍、3000万円だったからです」  早く取り戻さねばならないと、毎週末、シンガポールに向かったという。  一気に挽回しようとし、3億円からバカラをスタートした。しかし彼のチップはみるみるうちに減り続け、最後には2万5,000シンガポールドル(約150万円)のチップ1枚だけになってしまった。しかしそこから4時間余りの間連勝につぐ連勝で、150万円から一気に22億円まで盛り返したという。  しかし「最後の最後までバクチを打ってしまう私の性格に加え、勝ち続けた高揚感も手伝って、次に倍の40億円に増やすことができれば、即座に借金を返済できると考えてしまったのです。結局のところ、すべてのチップを失うことになってしまいました」  ギャンブルで、カネはもちろん社会的な地位も名声もすべて失った彼のこれからは苦難の道であろう。  だが、こんなケースがあるにもかかわらず、日本にカジノを作ろうという連中が、東京五輪を当て込んで動いているというのだ。  同じ新潮によれば、10月23日に超党派の国会議員で組織する国際観光産業振興議員連盟(通称カジノ議連)が幹事会を開催し、11月にも総会を開いて「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(カジノ基本法案)を、今国会に提出することを確認したというのである。  議連の中心メンバー柿沢未途代議士が、こう語る。 「シンガポールはカジノを中心とした統合型リゾートを2つ作ったら、海外からの観光客が増え、経済成長につながりました。もし東京の臨海部に統合型リゾートを建設すれば、売上げにして5000億円以上のポテンシャルがあると言われています。わが国も成長戦略の一環として早期実現を図るべきです」  カジノや覚せい剤特区を作って、廃人をどんどん増やせばいい。井川のような人間をこれ以上作ってどうする、阿呆! ほかにやることないのか。  みのもんたの息子スキャンダルに続いて、今度はやはりテレビで“ご意見番”として正論を吐いているテリー伊藤の女性問題が、文春によって発覚した。これが今週の第2位。  テリーが代表を務めるテレビ番組制作会社・ロコモーション関係者が語る。 「テリーさんは奥さんとは長らく別居状態にあると聞いています。この女性は、“第二夫人”と呼ばれるAさんですよ。Aさんは会社員で五十代。テリーさんとAさんとの関係は長い。その付き合いは、もう二十年近くなるはずです」  お次はAさんの知人である。 「いわゆる不倫関係ですよね。二人が出会ったのはAさんが三十代の頃。テリーは一目で彼女のことが気に入って『好きだよ、マジだよ、本気だよ』と口説いたのです。Aさんも『面白い人』とテリーを気に入り、ゾッコンになった。出会った当初、テリーはAさんの家に入り浸っていた。テリーは“Aちゃんへfromテリーwith love”という、傍から見ると歯の浮くようなメッセージを送ってくることもあった」  テリーはもともと演出家として『天才たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)や『浅草橋ヤング洋品店』(テレビ東京系)などの人気番組を手がけてきた。90年代後半からは演出家では飽き足らなくなってきたのか、タレント活動やコメンテーターをやり始める。  みの同様、“正義面”して政治や芸能人のスキャンダルを断罪していたが、自分がその立場になったらどうするのかが見物である。  この不倫関係、テリーの周囲では有名な話で、私も、テリーとかつて一緒に仕事をしたことがある人間からも、Aさんの姉である某作家からも聞いていた。  Aさんの知人がため息をつきながら、こう語る。 「二十年近く不倫関係のまま、Aさんは今も独身。以前は頻繁に会っていたのに、最近は不定期に会うだけだそう。周りからすれば、奥さんとの別居も長いわけですし、テリーにはケジメをつけて欲しい。何しろAさんは三十から四十代の女盛りを全てテリーに捧げたんですから……」  さて、テリーはどう答えるのか? 返答次第ではみのの二の舞になり、コメンテーターの座も危うくなる。  ところがAさんとの関係はと聞かれて、普通の友達ですよと答えたが、最近会っている写真を見せられると、その後はしどろもどろ。 「テリー『あーっ! あれ、それ……。デートじゃないよ。どここれ? ああ、そうだ彼女の飼っている犬が死んでさ……』 ──彼女の犬が死んだ? テリー『いや、全然関係ないと思う(笑)。これ、どこかもわかんないんだよッ。女友達ですよ』」  妻とは別居もしていない、Hも何年もしてないと逃げているが、これではこれから、芸能人の不倫問題にはコメントしづらくなるのは必定だろう。  潔く認めないのは、まだテレビにしがみつきたいからなのだろう。こんな男と袖すりあった女性が哀れではある。  今週の第1位は、まだまだ続く「みのもんた騒動」。みのが記者会見して『みのもんたの朝ズバッ!』(TBS系)などを降板すると言ったが、週刊誌は「まだ許さへんで!」と詰め寄っている。  ポストを除いては、各誌相当なページを割いている。中でも文春は「独占対決120分」、毎日は牧太郎元サンデー毎日編集長を担ぎ出し、みののインタビューを掲載している。  毎日のインタビューにも読みどころは多々あるが、文春の切り口に「まいった!」とばかりにインタビューに応じているほうが内容的に一枚上だと思い、こちらを取り上げた。  可哀想なのは現代で、取材をOKしたのに、「それは僕が最初に聞いていた趣旨と違うよ」と、会ったとたんみのから断られてしまったのである。 「資産のこと、お子さんのことなど、みのさんにとって不利な質問もすることになると思います」と切り出した瞬間、みのは無表情にこう言ったそうだ。 「そういうつもりならば、ここから先はマネージャーと話したほうがいいと思いますよ。そういう(批判を含む)趣旨でということなら、お断りするのが筋ですから」  しかし、毎日のインタビューでもこう答えているのだ。 「牧『会社名義のマンションにして住まわせている、都心の一等地に2億円の宅地を買い与えた、という報道もあったけど』 みの『これはきちんとお金を取ってます。マンションは空き部屋に入れて適正な家賃をもらい、土地は次男名義の貯金から支払いを受けました。しかも競売物件でそんな値段じゃありません。税務署はそんな甘いところじゃないです。きちんとした商取引じゃなければ通りません』 牧『倅さんをテレビ局にコネで入社させたんじゃないかという思いがあった。実際どうなの?』 みの『長男は元々アナウンサー志望でTBSを受けましたがダメで、一般職に切り替えて採用されました。でも、次男の場合は『どうしてもテレビ局へ行きたい、スポーツ関係の仕事がしたい』と言うので、日本テレビのさる方にお願いをした……これは事実です』」  要は、みのは現代には話したくなかったか、虫の居所が悪かったのであろう。文春には思いの丈をぶちまけている。 「いったいどこまで僕の人格否定をすれば気が済むんですか。次男の事件だけならまだしも、私の人品骨柄、収入まで全否定していますよ。もはや“人格否定”ではなく“存在否定”です。私はこの世から消えていなくなればいいんですか。文春さん、なんでここまで書かれなきゃいけないのか教えて下さいよ。普通、何かを論じる場合には“寸止め”をするじゃないですか」  よほど文春に書かれたことが堪えたと見え、こう続ける。 「会見でも語りましたが、活字の批判が厳しくなって、辞めざるをえないような風潮になってきた。(中略)特にひどかったのが文春さん。最初の事件、これは仕方がない。(中略)で、最新号の『みのもんたの品格』、あれが決定的でした。記事に書かれてあるように、そんなに僕は品がないのか、と思い、正直ショックを受けました。あのタイトル、やられたなと思いましたね」  次男には厳しくしてきたと記者会見でも話したが、ここでもこう答えている。 「次男には厳しすぎたくらいだ、と思ってます。ただ、しっかり者の長女やお兄ちゃんがいて、末っ子の次男はヤンチャだったけど、どうしても可愛いんだよね。(中略)僕は命がけでやってきた、一番大事な報道キャスターを辞めたんですから。今でも報道キャスターをやりたいと思っています。いつかまた絶対に、その場所に戻ってくるつもりです」  当人はここへきても「報道バラエティ番組のご意見番」程度ではなく「報道キャスター」だと思っているようである。みのはバラエティ番組は降板しないと強気だが、週刊新潮によれば、その席も危ういというのだ。  日本テレビの幹部社員によれば、 「会見でみのが慰留されたと語った、読売テレビ制作の『秘密のケンミンSHOW』も、スポンサーからの苦情で、これ以上続けるのは難しい。すでに局内では、来年3月までで打ち切るか、大幅にリニューアルすることが内定しています」  新潮はこう結んでいる。 「総理と食事をしたと自慢し、我が世の春を謳歌できなければ、報道になど価値を見出さないのが、みののみのたる所以だろう。もはや八方塞がりでも、方々積み残した思いにとらわれ、成仏は遠そうである」  このあたりで、みのもんた騒動は打ち切りにしたらどうだろう。食傷気味でゲップが出る。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

ミニコミが熱かった時代「平凡パンチ」1975年2月5日号 「ミニコミ第三世代に注目」

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 もはや「ミニコミ」なんて言葉は、通用しない世代のほうが多数派になっているんじゃなかろうか。まず、Googleで検索してみたのだが、最上位に表示されたのは「日本語俗語辞書」なるサイトの用語解説(http://zokugo-dict.com/32mi/minikomisi.htm)。ここでは「ミニコミ誌とは、自主制作雑誌の総称」として解説している。対して、多くのサブカルチャー用語が掲載されているWikipediaには、「ミニコミ」「ミニコミ誌」の項目はない。  ミニコミ誌は、いわば同人誌の一形態である。いや、同人誌がミニコミ誌の一形態なのかもしれない。その境界線は極めて曖昧だが、同人誌は掲載される記事が特定のジャンルや目的に絞られたもの。対して、ミニコミ誌は雑誌的といえるだろう。いずれにしても、制作する人々が、どう認識しているか次第だ。百花繚乱のコミックマーケットの中でも、同人誌というよりもミニコミと表現したほうがよいサークルは、数少ない。長らく刊行されている「漫画の手帖」あたりが、古きよきミニコミのスタイルを守っている数少ないものだろう(と、再びGoogleで検索してみたら「漫画の手帖」はWikipediaに「漫画に関するミニコミ誌」としてページがあった)。  かつて、インターネットも携帯電話もなかった時代。若者が、情報発信を行うツールとして使ったのが、ミニコミ誌であった。どこの大学にも、ミニコミ誌の1つや2つは必ずあった。オフセット印刷の高級なものは少数派で、多くはガリ版や、ちょっと時代が進んでリソグラフで印刷したものを、ホチキスで製本したものであった。  ちょっと回想。筆者が大学生だった90年代半ばは、振り返ればちょうど時代の端境期だったろう。まだ、ワープロを所有している同級生は少なく、パソコンとなると指で数えられる程度のマニアックなものだった。それでも、多くの人がミニコミ的なものは制作していた。筆者の通っていた大学の場合、ミニコミ誌制作を掲げるサークルは、どういう事情か勢いを失っていたが、文芸系サークルとか、研究系のサークルは、会報とか会誌という形で、ミニコミ的なものを制作していた。その制作風景も、今となっては化石的だと、この文章を書き始めて気づいた。  当時の制作スタイル。まず、ワープロで原稿を制作するのは、ごく少数派。PCを所有していてもテキストデータなんて言葉は、ほぼ誰も知らない世界。原稿は、緑の方眼が入ったレイアウト用紙に直接書き込むか、ワープロで入力したのをプリントアウトして、切り貼りするものであった。直接、レイアウト用紙に原稿を書くときも、いちいち鉛筆で書いて下書きするのは面倒くさくて、直接ペンで書いていき、間違ったら修正液を塗りたくるのが常套手段だった。そう、あの頃は、文房具の中で修正液が欠かせない時代だったのだ。原稿が揃ったら、ページに間違いないか確認をして、リソグラフで印刷。だいたい、〆切を設定していても、誰もが守るはずもない。ゆえに、リソグラフで印刷したあたりで、サークルボックス or 学生会館を追い出されて、誰かの家で「紙をトントンする作業」「紙を折る作業」「閉じていく作業」を繰り返し、気がついたら、朝という感じ。だいたい、印刷の前の段階。原稿を揃えているあたりから、合宿である。なにしろ、1人か2人かは、原稿を揃えている段になって、ようやく原稿を書き始める……。研究系のサークルだと、真面目に研究論文を書くヤツがいる一方で、1人か2人かは「……次回に続く」と2ページ目で終わるヤツ、趣味か食い物の話か、合宿の思い出を書いてお茶を濁すヤツが出る。  そして、今は21世紀。ワイワイガヤガヤした制作風景は、もう聞かない。大学生レベルでも「PDFで入稿してネ!」とか、器用なヤツがInDesignでカッコイイデザインをつくっちゃう時代なのだ。こうしてモノをつくる作業は個人の中へと埋没している。スタイリッシュなデザインは、手に取る者を満足させても、長く記憶に止めるものは少ない。  さて、ミニコミはいかにして生まれてきたものなのか? 「平凡パンチ」1979年2月5日号に掲載された「ミニコミ第三世代百花繚乱」は、こう綴る。 R0037532.jpg 「ミニコミが、そもそも若者文化の旗手として世の中に登場してきたのは、あの68~69年の学園闘争以降のことだ。自分たちのパワーで既成社会に変革を迫ったあの闘争もけっきょく、機動隊の圧倒的な力の前に、敗退せざるをえなかった。  そうしたなかで、闘争挫折派のヤングが、政治的な戦いを文化的なレベルでの闘いにスイッチバックさせる形で、新たに生み出したのが、ガリ版刷りやタイプ印刷のミニコミ雑誌群だったのだ。  いわゆる大人社会への対抗文化設立を目指す、“怒れる若者たち”からの紙つぶてとして、これらのメディアは、世の中へ放たれた。  あれからちょうどまる10周年を迎えた今、ミニコミ自体もかなりの変化をとげている。つまり、おフザケとパロディとに満ちたナンパのメディアが激増している」  ここに示されるように、そもそもミニコミは漠然としたカウンターカルチャーの意識の中で、生まれ出たものだった。しかし、それは、あくまで漠然としたものにすぎなかった。ここに示されるように、わずか10年の間に、ミニコミという媒体を使って体制に、あるいは世の中に牙を剥く意識は、飛び去った。でも、若者の情熱が冷め切ったというわけじゃない。それは、本気の消費文化として蘇ったのである。  この記事では、前述の闘争に挫折した世代を第一世代として、1979年当時には既に第三世代に移行していると述べている。  すなわち第二世代とは 「手書き文字をそのまま軽オフセット印刷にかけたという新聞スタイルのフリープレス群である」  とする。そして、第三世代とは77年ごろから勃興してきた 「いわゆる街の情報誌のスタイルをとったタウン誌と各大学のキャンパス・マガジンの2つの傾向」  からなるものだとする。  この記事が掲載された1979年という時代、それは第一世代は消え去ったものの、第二世代はまだ残存。第三世代が、急激に勃興を始めた頃だったのだ。  この記事では真面目な第二世代も取り上げつつも、メインになるのは第三世代。記事中では、1979年当時には全国でミニコミ誌は5,000種も出ていると述べているが、その中で最も勢いがあるのは、マジメさも堅さもない。それまでの学生のメディアとは打って変わった第三世代のミニコミであったのだ。  そして、記事は次々と第三世代を象徴すべき妙なミニコミを紹介している。中でもイチオシで紹介されるのは同志社女子大の女学生による「奇女連」なるサークルが発行する「ナ・リマ・セヌ」なるミニコミだ(タイトルは、尼さんが濡れ場で「なりませぬ、なりませぬ」と声に出すところからと、ある)。記事によれば、この奇女連は、次のような女性の集合だという。 「平均年齢二十歳ほど/男の所持数 星の数ほど/信条 犬が西むきゃ尾は東/宝物 子宮/氏神 中山千夏+桐島洋子<泉ピン子/合言葉 普通の女の子はもうやめた」 ……サブカル女子は、別に21世紀になって始まった存在ではないことを示す資料ではなかろうか。  ともあれ、若気の至りともいえる突っ走り方がすがすがしいミニコミには目を見張るものがある。上智大学の仲良し4人組の女のコたちがロンドンでパンクに目覚めて創刊したと紹介される「狂乱娼館」はまさに、それ。なんでも、パンクを本当に正しく伝えるミニコミだそうなのだが、 「だれでも人間なら言いたいことがあるのだから、かまわず発言しようってことが私たちのネライ。そして、パンクを通して日本のジャーナリズムがいかにくさっているか、身をもって挑戦したいンです」  と、発行メンバーはコメントしている。政治の季節が過ぎ去ってから10年を経ても、まだ何かの雰囲気が残っていたことを感じさせずにはいられない。今でも、ミニコミ誌が継続的に発行されている早稲田大学に触れた部分では、新しい号が出るたびにキャンパスに露店を出して販売していることが記されている。学生が露店を出して勝手に商売をやり始める──もはや、ガードマンがウロウロと巡回している管理された空間となった大学では考えられない光景であろう。 (文=昼間たかし)

「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”

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「週刊朝日」11月8日号
今週の注目記事「専門家が本気で心配する福島第一原発4号機の燃料棒溶融」 (「週刊朝日」11月8日号) ・「目からウロコの大胆提言! サラリーマンの給料に消費税を」 (「週刊ポスト」11月8・15日号) ・「金正日は1兆円で日本に謝罪した」 (「週刊文春」10月31日号) ・「TBS大株主『みのもんた』反撃の倍返し」 (「週刊新潮」10月31日号) ・「本誌が勝訴! ユニクロはやっぱり『ブラック企業』」 (「週刊文春」10月31日号) ・「特定秘密保護法の“ずさんさ”」 (「週刊朝日」11月8日号) 今週の唸らせるタイトル「『松本人志』監督『R100』 上映館を埋め尽くす閑古鳥の大群」 (「週刊新潮」10月31日号)  今週はポストが合併号で420円。現代は通常号で400円。朝日もついに400円になってしまった。増大号とうたってあるが、それほど厚くはない。新潮370円、文春は秋の特大号とうたって390円。買ってお得なのはどれか? 読者のシビアな選択眼に耐えられるのはどれか? 来年の消費税アップの時が、週刊誌存亡の正念場になるだろう。  さて、新潮は名編集者の斎藤十一氏が作り上げたものだが、当時からタイトルのうまさは群を抜いていた。その伝統はまだ残っていて、時々だが、うまい! と感心させられるタイトルがある。  今週のワイドの中の1本、お笑い芸人の松本人志が作った映画『R100』の記事に付いたタイトルが「『松本人志』監督『R100』 上映館を埋め尽くす閑古鳥の大群」。中身を読まなくても、タイトルがすべてを表している。天晴れ! である。  今週はどの記事もドングリの背比べだから、順位を付けるに至らなかった。  まずは朝日の特定秘密保護法の記事だが、他誌がこの問題を扱っていないのは、どうしたのだろう。死ぬまでセックスなどと囃し立てているうちに、淫乱ボケにでもなってしまったのだろうか?  それとも、自分たちの雑誌は国の機密などに接触することも関心もないから「他人事」だと考えているからだろうか? 厳しい言い方になるが、そんな雑誌は存在価値がない。  朝日もタイトルからして腰が引けていて、読んでいて腹が立つ。特定秘密保護法は“ずさん”なのではなく、危険すぎる法律なのだ。文中で、情報公開に詳しい識者がこう指摘している。 「行政機関の長による指定にチェックが利かない点や、5年ごとに特定秘密の指定期間が更新可能で、30年を超える場合は内閣の承認があれば延長でき、半永久的に情報公開されない可能性がある」  ここで、上智大学の田島泰彦教授や立教大学の服部孝章教授らと私たちが訴えている声明文の1部を引用しておく。 「(中略)広範な国家秘密をお上(官僚)の一存で秘密に指定し、その漏えいや取得をはじめさまざまな行為を犯罪として厳罰に処し、適性評価制度で秘密の管理も厳格にするというまさに『まず秘密ありき』の露骨な法案で、市民の知る権利や情報公開の理念に真っ向から反し、情報公開を広げる世界の潮流にも逆行する挑戦に他ならない。  言論、表現活動に携わり、関わる私たちにとって、取材・報道の自由や創作の自由も含む表現の自由は譲り渡すことのできない貴重な権利であり、市民の知る権利を充足する重要な手段でもある。法案は重要な国家秘密を取り扱う情報源たる公務員等の漏えいに重罰を科し、適性評価制度による選別で内部告発を狭めることによって情報源の萎縮を促進し、取材者が入手できるはずの有用な情報を細らせ、枯渇させることになる(中略)」  まさに、安倍首相がもくろむ「平成の治安維持法」である。ここでメディアが一斉に声を上げないと安倍や官僚たちの思うままになり、特定の名が付けば外交、軍事だけではなく、原発情報なども国民は手にすることができなくなるのだ。声を大にして言いたい。危機感をかき立てろ!  お次は文春。ユニクロから訴えられていた文春だが、裁判所が「ブラック企業」と認定してくれたと報じている。 「『原告らのその余の請求をいずれも棄却する』10月18日、東京地裁の法廷に、土田昭彦裁判長の声が響き渡った。ユニクロ側が文藝春秋を訴えた裁判の判決で、本誌が指摘した『過剰労働』について、裁判所は全面的に事実と認定したのだ」(文春)  ユニクロ側が問題視したのは、文春(2010年5月6日/13日号)で、国内店舗や中国の工場における過酷な労働環境をレポートした、次のような記述についてである。 <現役店長はこう説明する。(中略)『けれど、仕事量が減ったわけでありませんから、11月や12月の繁忙期となると、今でも月300時間を超えています。そんな時は、タイムカードを先に押して、いったん退社したことにしてから働いています。本部ですか? 薄々は知っているんじゃないですか」>(『ユニクロ帝国の光と影』(文藝春秋・横田増生著より)  これを読んだユニクロ柳井正社長の怒りは、すさまじかったようだ。  11年6月6日に行われた部長会議では、文春を訴える旨の報告の後、柳井社長から次のような話があったと文春は書いている。 「高収益を上げ、高成長を遂げているユニクロは、低価格と高品質を両立した商品を実現するために、店舗の社員やお取引先の労働者から搾取している、という内容が書籍に書かれている。しかし、我々は、そのような恥ずべき行為は決してしておらず、万が一、不適切な労働実態などあれば、真摯にそれを正していく企業である」(同社「部長会議ニュース」より)  裁判所は柳井社長やユニクロ側の請求をすべて棄却した。判決のポイントになったのはこうだ。 「判決文では、ユニクロ国内店舗の労働環境について<出退勤管理のシステム上、サービス残業を行うことは物理的には可能であり(中略)、現にサービス残業が行われた事例が発覚していることが認められる><(記事の)重要な部分については真実である>として、著者の横田氏が店長の証言にもとづいて報じた長時間労働の実態を事実と認定している。中国の現地工場における長時間残業などについては<(記事の)重要な部分が真実であると判断したことには相当の理由がある>と内容の正当性が認められている」  10月10日にアパレル業界としては初めて年間売上高が1兆円を突破したユニクロだが、ブラック企業という“汚名”は、まだまだ消えないようである。  新潮のみのもんたの記事はなかなか面白かったのだが、26日にみのが記者会見をして、報道番組から降板することを発表してしまったため、ここに書いてあるような「徹底抗戦」はしないようだ。だが、他誌より内容的に優れているので紹介してみよう。 「みのさんが9月30日までにTBSホールディングスの株を3万株買い増しし、個人筆頭株主に躍り出たというのです。(中略)そもそも、みのさんは、うちの株を5~6万株持つ大株主でした。TBSでは、2005年に始まった楽天による株式の買収騒動の際に、局と縁の深い多数の資産家に安定株主として株を持ってもらう防衛策をとりました。この時、みのさんにも頭を下げて、買っていただいたんです」  このコメントはTBSのある中堅社員である。個人ではかなりの株数になるのだが、それでも全体でいえば少数派である。みのはどんな戦略を考えているのだろうか。同社員がこう続ける。 「これが編成局や報道局の一部の幹部にも知らされ、衝撃が走ったといいます。実際には7~8万株持ったとしても、発行済み株式の0.1%にも満たないし、議決権などを行使できるような影響力はありません。しかし、大株主の一人であることには違いなく、本人にすれば、それを背景に“自分から降板するつもりはない”と徹底抗戦の意思表明を行ったのではないでしょうか。少なくとも、この話を聞いた幹部らはそう受けとめたようです。(中略)あるいは、株購入によって、“楽天騒動の際に協力したことを、よもやお忘れではないでしょうね”と井上弘会長、石原俊爾社長ら経営幹部に訴え、恩義を思い出してもらおうという戦略かもしれません」  彼の知人は「本人は、やはりTBSの『朝ズバッ!』に復帰したい一念ですよ」と語っている。  だが、そのTBSでは、彼の知らないところで重要な決定が下されていたというのである。 「実は、各部署の法令遵守事案を統括するコンプライアンス室で、みのさんの処遇をめぐる問題が議題にかけられていたのです。  こう内情を明かすのはTBSの幹部である。 『それがつい最近、<みのもんた氏の復帰は不都合で、困難である>との結論に達したのです。もちろんこれが即、社全体の決定にはなりませんが、間もなく役員会に上げられる。これを基に、井上会長や石原社長がみのさんと話し合うことになるでしょう』」  最高年棒は一時27億円を超えたと豪語するみのだが、親から引き継いだ水道業「ニッコク」の業績が下がりっぱなしで、7億円ともいわれるギャラがなくなるとそちらへの影響が出るようだし、鎌倉の大豪邸の維持費も毎年数千万円になるというから、そう簡単に「全部辞めます」とは言えないようである。バラエティ番組には出るそうだが、彼が望んでいるように、報道番組から「戻ってきて」という声はかからないと思う。  カネを持てば持っただけ生活が大きくなり、それを縮小するのはなかなか難しい。大変ですな、みのさんは。  文春は小泉純一郎総理(当時)が訪朝した2002年の日朝首脳会談で、北朝鮮の要求に従って1兆円の支援をしていたという張真晟(チャン・ジンソン)氏の証言を取り上げている。  これは同社が出した本のパブ記事ではあるが、これが本当だったら小泉訪朝とはなんだったのかが問われることになる。 「『拉致被害者の横田めぐみさんは2003年に生きていた可能性がある』『故金正日総書記は2002年の日朝首脳会談で、日本が提案した114億ドル(当時のレートで約1兆4000億円)の支援がほしくて、独断で拉致を認めて謝罪した』。こんな衝撃的な内容が書かれた本が出版された。タイトルは『金王朝『御用詩人』の告白──わが謀略の日々』(文藝春秋)。著者は北朝鮮の対南工作機関である『統一戦線事業部(統戦部)』に体制宣伝の詩人として勤務し、その後脱北した張真晟氏だ」(文春)  張氏は、首脳会談後に北朝鮮外務省が作成した参考資料に目を通したという。 「張氏は、記憶をたどって、この参考資料の内容を、著書の中で再現している。それによれば、北朝鮮側は日本による植民地支配の賠償金として400億ドルを提示したが、日本側から『日本が建設した発電所や製鉄所、鉄道などの使用料を払え』と逆襲される。北朝鮮側は、外貨による現金支援を求めるが、日本側は、『独裁国家の支援には、北朝鮮の核開発への支援とみなされ、米国は検証を求めて介入してくる』と、北朝鮮側が最も嫌がるポイントを突いてきた。最終的には日本政府から114億ドルの物的支援を受けることで何とか合意した。政府開発援助(ODA)式支援と推定される」(同)  首脳会談の午前の会議が終了し、休憩時間中に、北朝鮮側が拉致に対する公開謝罪を拒否したため、小泉代表団の中から「帰ろう」という声が上がり、金正日総書記があわてて、独断で謝罪することを決めたのだという。  114億ドルという数字については、当然ながら、そんな数字を提示してはいないと、当時の関係者たちは揃って否定している。 「しかし張氏は、『北朝鮮の政権中枢にいた私以外の脱北者も、この数字を聞いていた』と自信をみせた。また、日本政府の拉致問題担当者の中にも、『その数字を聞いたことがある』という複数の証言があり、信憑性は高い」(同)  金正日総書記の謝罪と拉致被害者の帰国がカネで買われていたとすれば、小泉元総理は国民に経緯を説明する義務がある。だが、ODA式支援だとすれば、どうやってそのカネを捻出したのだろうか。1兆円以上のカネの出を完全に秘密にしておくことなどできるはずないと思うのだが。  ポストはどえらいページを割いて銀行についての大特集を組んでいるが、少し前に確か現代がやっていたが、それと五十歩百歩の記事。大手銀行は3行しかないのだし、庶民の言うことなどハナから聞く気などないのだから、読む気が失せる。  それよりも、サラリーマンの給料に消費税をという記事のほうがへぇーッと思わせるものがあった。そうすれば、サラリーマンも会社も損をしないというのである。  そうなると、月収約47万円のサラリーマンの収入や支出がどう変わるかをポストが試算した。 「会社から支払われる給料に消費税5%=2万3500円が上乗せされるため、月収は約49万3500円に増える。所得税や社会保険料は同じ。また、消費支出も変わらないから、『家計黒字』は約10万3500円に増える。『でも、その貯蓄から自分で消費税を税務署に納めなくちゃならないでしょ?』という疑問は、その通り。しかし、会社から給料に加算される消費税額より、サラリーマンが納付する税額の方が少なくて済む」  税法学者で現役の税理士でもある浦野広明立正大学客員教授は、こう指摘している。 「サラリーマンは労働力を商品として売っているので、消費税が課税される場合、スーツや靴など直接仕事に使うものだけでなく、妻や子供など扶養者の養育費や生活費、住宅購入費も仕入れとして考えるべきです」  ポストによれば、消費支出すべてを仕入れとすれば、そこで支払った消費税負担分1万3,300円が控除され、追加で納めなければならない消費税額は、2万3,500円-1万3,300円=1万200円となる。それを納税しても家計の黒字は、現在より1万3,300円アップするというのだ。  安倍首相、考えてみたらいかがか。  すでに国民の記憶から薄れていっている福島第一原発事故だが、これを風化させてはならじと、朝日が一番心配される4号機について巻頭で特集を組んでいる。  現代も「東電破綻」という巻頭特集を組んでいるが、こちらは東電が破綻したときの経済的な観点からの記事なので、朝日のほうを紹介したい。  これを読んで震えがくるのは、寒くなってきた季節のせいばかりではない。じっくり読んで欲しい記事である。  早ければ11月8日にも始まる、福島第一原発4号機の使用済み燃料プールの燃料棒の取り出し作業だが、ひとつ間違えば大変なことになるのだ。 「東日本大震災当時、停止していた4号機では、1~3号機と違いメルトダウンは起きていない。その代わり、水素爆発でグチャグチャに吹き飛んだ建屋の上部にある燃料プールに、1533体もの燃料棒が残されたままになっている」(朝日)のである。  事故前に燃料棒の移動に携わっていた元大手原発メーカー社員が語っている。 「作業には熟練の技術が必要。まず水中で機器を操作し燃料棒を数十体ずつキャスクという金属容器に詰める。燃料棒をちょっとでも水から露出させたら、作業員は深刻な被曝を強いられる。水中で落下させて燃料を覆う金属の管が破れても汚染は深刻。フロアの全員退避は避けられない」  廃炉工程を検証している「プラント技術者の会」の川井康郎氏もこう指摘する。 「キャスクが落下して破損し、中の燃料が露出したら、大量の放射性物質が放出される。作業員はもう近づけません。燃料棒はまだ崩壊熱を帯びており、本来は常に冷やし続けなければならない。長時間放置すると燃料が溶融する可能性があります。こうなると燃料の回収は困難になり、作業全体が頓挫してしまう」  むき出しになった燃料は、「人間が近づけば即死」(原子力工学の専門家)という凄まじい放射線量である。こうなると、1~3号機のメルトダウンに匹敵する深刻な危機に直面するという。  まだまだ危機など去っていないし、汚染水すらコントロールされていないのだ。それなのに安倍首相と東電は柏崎刈羽原発を再稼働しようと企んでいるのである。  再稼働のキーマンであるv新潟県知事もインタビューで「東電まかせではまた事故は起こる」と言いきっている。  泉田知事が9月25日に東電の広瀬社長と会談した翌日、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委に申請することを認めたため、「知事は心変わりしたのではないか」と受け取った人もいるという問いに、「心変わりではなく、むしろ安全性をいかに高めるかを考えた上での決断です」と答えている。  さらに今の東電は、知事の要求に応えることができるでしょうか、という問いに対しては、 「最大の問題は、東電がお金の問題で首が回らなくなって、きちんとした判断ができなくなっていることです。事故処理のために9600億円の引当金を積んでおきながら、1000億円がもったいないと言って遮水壁を造らなかった。事故処理の費用を電気料金に上乗せして返すという今の形は、もう限界にきています」  東電の破綻処理もあり得るかという質問には、 「日本航空だって破綻処理をして、経営陣が責任をとった上でOBの年金もカットして、V字回復したわけです。東電は負担をすべて電気料金にかぶせていますが、株主や金融機関の責任はゼロでいいんでしょうか。破綻処理をしても電気料金という日銭が入ってくるんですから電気供給は止まりませんし、債権の見直しをすればすぐに料金を値上げする必要はありません」  しかし、原子力規制委の田中俊一委員長に面会を申込んでいるのに、会ってくれないそうですねという問いには、 「規制委に国民の命と安全と財産を本気で守るつもりがあるのか疑問です。守っているのは、電力会社の財産ではないか。規制委には地方自治に明るい人が一人もおらず、断層のチームと原発設備のチームしかいない。新潟県は中越沖地震の時に原発事故との複合災害を身をもって体験しています」  そして最後にこう言っている。 「国民の皆さんは正しい情報さえ与えられれば、的確な判断ができるんです。情報を与えないで誘導するのでは、また同じ過ちを繰り返してしまう。まさに今、日本の民主主義の熟度が試されていると思います」  そうなのだ! 今の安倍自民党政権が目指しているのは、国民に知らせたくない情報をすべて隠すことができる国にしようということなのだ。  国民の多くが原発事故を忘れたわけではない。メディアが報じないから記憶が薄れてしまっているのだ。これだけの大事故が3年も経たずに風化していくとしたら、メディアも日本という国も最低だと、私は考える。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”

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「週刊朝日」11月8日号
今週の注目記事「専門家が本気で心配する福島第一原発4号機の燃料棒溶融」 (「週刊朝日」11月8日号) ・「目からウロコの大胆提言! サラリーマンの給料に消費税を」 (「週刊ポスト」11月8・15日号) ・「金正日は1兆円で日本に謝罪した」 (「週刊文春」10月31日号) ・「TBS大株主『みのもんた』反撃の倍返し」 (「週刊新潮」10月31日号) ・「本誌が勝訴! ユニクロはやっぱり『ブラック企業』」 (「週刊文春」10月31日号) ・「特定秘密保護法の“ずさんさ”」 (「週刊朝日」11月8日号) 今週の唸らせるタイトル「『松本人志』監督『R100』 上映館を埋め尽くす閑古鳥の大群」 (「週刊新潮」10月31日号)  今週はポストが合併号で420円。現代は通常号で400円。朝日もついに400円になってしまった。増大号とうたってあるが、それほど厚くはない。新潮370円、文春は秋の特大号とうたって390円。買ってお得なのはどれか? 読者のシビアな選択眼に耐えられるのはどれか? 来年の消費税アップの時が、週刊誌存亡の正念場になるだろう。  さて、新潮は名編集者の斎藤十一氏が作り上げたものだが、当時からタイトルのうまさは群を抜いていた。その伝統はまだ残っていて、時々だが、うまい! と感心させられるタイトルがある。  今週のワイドの中の1本、お笑い芸人の松本人志が作った映画『R100』の記事に付いたタイトルが「『松本人志』監督『R100』 上映館を埋め尽くす閑古鳥の大群」。中身を読まなくても、タイトルがすべてを表している。天晴れ! である。  今週はどの記事もドングリの背比べだから、順位を付けるに至らなかった。  まずは朝日の特定秘密保護法の記事だが、他誌がこの問題を扱っていないのは、どうしたのだろう。死ぬまでセックスなどと囃し立てているうちに、淫乱ボケにでもなってしまったのだろうか?  それとも、自分たちの雑誌は国の機密などに接触することも関心もないから「他人事」だと考えているからだろうか? 厳しい言い方になるが、そんな雑誌は存在価値がない。  朝日もタイトルからして腰が引けていて、読んでいて腹が立つ。特定秘密保護法は“ずさん”なのではなく、危険すぎる法律なのだ。文中で、情報公開に詳しい識者がこう指摘している。 「行政機関の長による指定にチェックが利かない点や、5年ごとに特定秘密の指定期間が更新可能で、30年を超える場合は内閣の承認があれば延長でき、半永久的に情報公開されない可能性がある」  ここで、上智大学の田島泰彦教授や立教大学の服部孝章教授らと私たちが訴えている声明文の1部を引用しておく。 「(中略)広範な国家秘密をお上(官僚)の一存で秘密に指定し、その漏えいや取得をはじめさまざまな行為を犯罪として厳罰に処し、適性評価制度で秘密の管理も厳格にするというまさに『まず秘密ありき』の露骨な法案で、市民の知る権利や情報公開の理念に真っ向から反し、情報公開を広げる世界の潮流にも逆行する挑戦に他ならない。  言論、表現活動に携わり、関わる私たちにとって、取材・報道の自由や創作の自由も含む表現の自由は譲り渡すことのできない貴重な権利であり、市民の知る権利を充足する重要な手段でもある。法案は重要な国家秘密を取り扱う情報源たる公務員等の漏えいに重罰を科し、適性評価制度による選別で内部告発を狭めることによって情報源の萎縮を促進し、取材者が入手できるはずの有用な情報を細らせ、枯渇させることになる(中略)」  まさに、安倍首相がもくろむ「平成の治安維持法」である。ここでメディアが一斉に声を上げないと安倍や官僚たちの思うままになり、特定の名が付けば外交、軍事だけではなく、原発情報なども国民は手にすることができなくなるのだ。声を大にして言いたい。危機感をかき立てろ!  お次は文春。ユニクロから訴えられていた文春だが、裁判所が「ブラック企業」と認定してくれたと報じている。 「『原告らのその余の請求をいずれも棄却する』10月18日、東京地裁の法廷に、土田昭彦裁判長の声が響き渡った。ユニクロ側が文藝春秋を訴えた裁判の判決で、本誌が指摘した『過剰労働』について、裁判所は全面的に事実と認定したのだ」(文春)  ユニクロ側が問題視したのは、文春(2010年5月6日/13日号)で、国内店舗や中国の工場における過酷な労働環境をレポートした、次のような記述についてである。 <現役店長はこう説明する。(中略)『けれど、仕事量が減ったわけでありませんから、11月や12月の繁忙期となると、今でも月300時間を超えています。そんな時は、タイムカードを先に押して、いったん退社したことにしてから働いています。本部ですか? 薄々は知っているんじゃないですか」>(『ユニクロ帝国の光と影』(文藝春秋・横田増生著より)  これを読んだユニクロ柳井正社長の怒りは、すさまじかったようだ。  11年6月6日に行われた部長会議では、文春を訴える旨の報告の後、柳井社長から次のような話があったと文春は書いている。 「高収益を上げ、高成長を遂げているユニクロは、低価格と高品質を両立した商品を実現するために、店舗の社員やお取引先の労働者から搾取している、という内容が書籍に書かれている。しかし、我々は、そのような恥ずべき行為は決してしておらず、万が一、不適切な労働実態などあれば、真摯にそれを正していく企業である」(同社「部長会議ニュース」より)  裁判所は柳井社長やユニクロ側の請求をすべて棄却した。判決のポイントになったのはこうだ。 「判決文では、ユニクロ国内店舗の労働環境について<出退勤管理のシステム上、サービス残業を行うことは物理的には可能であり(中略)、現にサービス残業が行われた事例が発覚していることが認められる><(記事の)重要な部分については真実である>として、著者の横田氏が店長の証言にもとづいて報じた長時間労働の実態を事実と認定している。中国の現地工場における長時間残業などについては<(記事の)重要な部分が真実であると判断したことには相当の理由がある>と内容の正当性が認められている」  10月10日にアパレル業界としては初めて年間売上高が1兆円を突破したユニクロだが、ブラック企業という“汚名”は、まだまだ消えないようである。  新潮のみのもんたの記事はなかなか面白かったのだが、26日にみのが記者会見をして、報道番組から降板することを発表してしまったため、ここに書いてあるような「徹底抗戦」はしないようだ。だが、他誌より内容的に優れているので紹介してみよう。 「みのさんが9月30日までにTBSホールディングスの株を3万株買い増しし、個人筆頭株主に躍り出たというのです。(中略)そもそも、みのさんは、うちの株を5~6万株持つ大株主でした。TBSでは、2005年に始まった楽天による株式の買収騒動の際に、局と縁の深い多数の資産家に安定株主として株を持ってもらう防衛策をとりました。この時、みのさんにも頭を下げて、買っていただいたんです」  このコメントはTBSのある中堅社員である。個人ではかなりの株数になるのだが、それでも全体でいえば少数派である。みのはどんな戦略を考えているのだろうか。同社員がこう続ける。 「これが編成局や報道局の一部の幹部にも知らされ、衝撃が走ったといいます。実際には7~8万株持ったとしても、発行済み株式の0.1%にも満たないし、議決権などを行使できるような影響力はありません。しかし、大株主の一人であることには違いなく、本人にすれば、それを背景に“自分から降板するつもりはない”と徹底抗戦の意思表明を行ったのではないでしょうか。少なくとも、この話を聞いた幹部らはそう受けとめたようです。(中略)あるいは、株購入によって、“楽天騒動の際に協力したことを、よもやお忘れではないでしょうね”と井上弘会長、石原俊爾社長ら経営幹部に訴え、恩義を思い出してもらおうという戦略かもしれません」  彼の知人は「本人は、やはりTBSの『朝ズバッ!』に復帰したい一念ですよ」と語っている。  だが、そのTBSでは、彼の知らないところで重要な決定が下されていたというのである。 「実は、各部署の法令遵守事案を統括するコンプライアンス室で、みのさんの処遇をめぐる問題が議題にかけられていたのです。  こう内情を明かすのはTBSの幹部である。 『それがつい最近、<みのもんた氏の復帰は不都合で、困難である>との結論に達したのです。もちろんこれが即、社全体の決定にはなりませんが、間もなく役員会に上げられる。これを基に、井上会長や石原社長がみのさんと話し合うことになるでしょう』」  最高年棒は一時27億円を超えたと豪語するみのだが、親から引き継いだ水道業「ニッコク」の業績が下がりっぱなしで、7億円ともいわれるギャラがなくなるとそちらへの影響が出るようだし、鎌倉の大豪邸の維持費も毎年数千万円になるというから、そう簡単に「全部辞めます」とは言えないようである。バラエティ番組には出るそうだが、彼が望んでいるように、報道番組から「戻ってきて」という声はかからないと思う。  カネを持てば持っただけ生活が大きくなり、それを縮小するのはなかなか難しい。大変ですな、みのさんは。  文春は小泉純一郎総理(当時)が訪朝した2002年の日朝首脳会談で、北朝鮮の要求に従って1兆円の支援をしていたという張真晟(チャン・ジンソン)氏の証言を取り上げている。  これは同社が出した本のパブ記事ではあるが、これが本当だったら小泉訪朝とはなんだったのかが問われることになる。 「『拉致被害者の横田めぐみさんは2003年に生きていた可能性がある』『故金正日総書記は2002年の日朝首脳会談で、日本が提案した114億ドル(当時のレートで約1兆4000億円)の支援がほしくて、独断で拉致を認めて謝罪した』。こんな衝撃的な内容が書かれた本が出版された。タイトルは『金王朝『御用詩人』の告白──わが謀略の日々』(文藝春秋)。著者は北朝鮮の対南工作機関である『統一戦線事業部(統戦部)』に体制宣伝の詩人として勤務し、その後脱北した張真晟氏だ」(文春)  張氏は、首脳会談後に北朝鮮外務省が作成した参考資料に目を通したという。 「張氏は、記憶をたどって、この参考資料の内容を、著書の中で再現している。それによれば、北朝鮮側は日本による植民地支配の賠償金として400億ドルを提示したが、日本側から『日本が建設した発電所や製鉄所、鉄道などの使用料を払え』と逆襲される。北朝鮮側は、外貨による現金支援を求めるが、日本側は、『独裁国家の支援には、北朝鮮の核開発への支援とみなされ、米国は検証を求めて介入してくる』と、北朝鮮側が最も嫌がるポイントを突いてきた。最終的には日本政府から114億ドルの物的支援を受けることで何とか合意した。政府開発援助(ODA)式支援と推定される」(同)  首脳会談の午前の会議が終了し、休憩時間中に、北朝鮮側が拉致に対する公開謝罪を拒否したため、小泉代表団の中から「帰ろう」という声が上がり、金正日総書記があわてて、独断で謝罪することを決めたのだという。  114億ドルという数字については、当然ながら、そんな数字を提示してはいないと、当時の関係者たちは揃って否定している。 「しかし張氏は、『北朝鮮の政権中枢にいた私以外の脱北者も、この数字を聞いていた』と自信をみせた。また、日本政府の拉致問題担当者の中にも、『その数字を聞いたことがある』という複数の証言があり、信憑性は高い」(同)  金正日総書記の謝罪と拉致被害者の帰国がカネで買われていたとすれば、小泉元総理は国民に経緯を説明する義務がある。だが、ODA式支援だとすれば、どうやってそのカネを捻出したのだろうか。1兆円以上のカネの出を完全に秘密にしておくことなどできるはずないと思うのだが。  ポストはどえらいページを割いて銀行についての大特集を組んでいるが、少し前に確か現代がやっていたが、それと五十歩百歩の記事。大手銀行は3行しかないのだし、庶民の言うことなどハナから聞く気などないのだから、読む気が失せる。  それよりも、サラリーマンの給料に消費税をという記事のほうがへぇーッと思わせるものがあった。そうすれば、サラリーマンも会社も損をしないというのである。  そうなると、月収約47万円のサラリーマンの収入や支出がどう変わるかをポストが試算した。 「会社から支払われる給料に消費税5%=2万3500円が上乗せされるため、月収は約49万3500円に増える。所得税や社会保険料は同じ。また、消費支出も変わらないから、『家計黒字』は約10万3500円に増える。『でも、その貯蓄から自分で消費税を税務署に納めなくちゃならないでしょ?』という疑問は、その通り。しかし、会社から給料に加算される消費税額より、サラリーマンが納付する税額の方が少なくて済む」  税法学者で現役の税理士でもある浦野広明立正大学客員教授は、こう指摘している。 「サラリーマンは労働力を商品として売っているので、消費税が課税される場合、スーツや靴など直接仕事に使うものだけでなく、妻や子供など扶養者の養育費や生活費、住宅購入費も仕入れとして考えるべきです」  ポストによれば、消費支出すべてを仕入れとすれば、そこで支払った消費税負担分1万3,300円が控除され、追加で納めなければならない消費税額は、2万3,500円-1万3,300円=1万200円となる。それを納税しても家計の黒字は、現在より1万3,300円アップするというのだ。  安倍首相、考えてみたらいかがか。  すでに国民の記憶から薄れていっている福島第一原発事故だが、これを風化させてはならじと、朝日が一番心配される4号機について巻頭で特集を組んでいる。  現代も「東電破綻」という巻頭特集を組んでいるが、こちらは東電が破綻したときの経済的な観点からの記事なので、朝日のほうを紹介したい。  これを読んで震えがくるのは、寒くなってきた季節のせいばかりではない。じっくり読んで欲しい記事である。  早ければ11月8日にも始まる、福島第一原発4号機の使用済み燃料プールの燃料棒の取り出し作業だが、ひとつ間違えば大変なことになるのだ。 「東日本大震災当時、停止していた4号機では、1~3号機と違いメルトダウンは起きていない。その代わり、水素爆発でグチャグチャに吹き飛んだ建屋の上部にある燃料プールに、1533体もの燃料棒が残されたままになっている」(朝日)のである。  事故前に燃料棒の移動に携わっていた元大手原発メーカー社員が語っている。 「作業には熟練の技術が必要。まず水中で機器を操作し燃料棒を数十体ずつキャスクという金属容器に詰める。燃料棒をちょっとでも水から露出させたら、作業員は深刻な被曝を強いられる。水中で落下させて燃料を覆う金属の管が破れても汚染は深刻。フロアの全員退避は避けられない」  廃炉工程を検証している「プラント技術者の会」の川井康郎氏もこう指摘する。 「キャスクが落下して破損し、中の燃料が露出したら、大量の放射性物質が放出される。作業員はもう近づけません。燃料棒はまだ崩壊熱を帯びており、本来は常に冷やし続けなければならない。長時間放置すると燃料が溶融する可能性があります。こうなると燃料の回収は困難になり、作業全体が頓挫してしまう」  むき出しになった燃料は、「人間が近づけば即死」(原子力工学の専門家)という凄まじい放射線量である。こうなると、1~3号機のメルトダウンに匹敵する深刻な危機に直面するという。  まだまだ危機など去っていないし、汚染水すらコントロールされていないのだ。それなのに安倍首相と東電は柏崎刈羽原発を再稼働しようと企んでいるのである。  再稼働のキーマンであるv新潟県知事もインタビューで「東電まかせではまた事故は起こる」と言いきっている。  泉田知事が9月25日に東電の広瀬社長と会談した翌日、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委に申請することを認めたため、「知事は心変わりしたのではないか」と受け取った人もいるという問いに、「心変わりではなく、むしろ安全性をいかに高めるかを考えた上での決断です」と答えている。  さらに今の東電は、知事の要求に応えることができるでしょうか、という問いに対しては、 「最大の問題は、東電がお金の問題で首が回らなくなって、きちんとした判断ができなくなっていることです。事故処理のために9600億円の引当金を積んでおきながら、1000億円がもったいないと言って遮水壁を造らなかった。事故処理の費用を電気料金に上乗せして返すという今の形は、もう限界にきています」  東電の破綻処理もあり得るかという質問には、 「日本航空だって破綻処理をして、経営陣が責任をとった上でOBの年金もカットして、V字回復したわけです。東電は負担をすべて電気料金にかぶせていますが、株主や金融機関の責任はゼロでいいんでしょうか。破綻処理をしても電気料金という日銭が入ってくるんですから電気供給は止まりませんし、債権の見直しをすればすぐに料金を値上げする必要はありません」  しかし、原子力規制委の田中俊一委員長に面会を申込んでいるのに、会ってくれないそうですねという問いには、 「規制委に国民の命と安全と財産を本気で守るつもりがあるのか疑問です。守っているのは、電力会社の財産ではないか。規制委には地方自治に明るい人が一人もおらず、断層のチームと原発設備のチームしかいない。新潟県は中越沖地震の時に原発事故との複合災害を身をもって体験しています」  そして最後にこう言っている。 「国民の皆さんは正しい情報さえ与えられれば、的確な判断ができるんです。情報を与えないで誘導するのでは、また同じ過ちを繰り返してしまう。まさに今、日本の民主主義の熟度が試されていると思います」  そうなのだ! 今の安倍自民党政権が目指しているのは、国民に知らせたくない情報をすべて隠すことができる国にしようということなのだ。  国民の多くが原発事故を忘れたわけではない。メディアが報じないから記憶が薄れてしまっているのだ。これだけの大事故が3年も経たずに風化していくとしたら、メディアも日本という国も最低だと、私は考える。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

三鷹ストーカー殺人を詳細に伝えた「週刊文春」に事件取材の真髄を見た

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「週刊文春」10月24日号 中吊広告より
今週の注目記事 第1位「三鷹ストーカー殺人事件」 (「週刊文春」10月24日号) 第2位「秋田県秘湯で息を引き取った『福原愛』訳ありの父親」 (「週刊新潮」10月24日号) 第3位「独自調査 災害に強い街15」 (「AERA」10月28日号) 第4位「痴漢・セクハラ冤罪裁判『私はこうして勝ちました』」 (「週刊ポスト」11月1日号) 第5位「長生きする会社 すぐ消える会社」 (「週刊現代」11月2日号)  よほど「みのもんた」という人間は週刊誌に嫌われているのだろう。今週号を見ても「自分も家族も『みのもんた』危急存亡の危機」(新潮)「みのもんたを切れず“腫れ物に触る”収録現場」(文春)「みのもんたはなぜこんなに嫌われるのか」(現代)という特集を組んでいる。  内容はどれも同じようなもので、みのがこれまでテレビで“えらそうな”発言をしてきたことを取り上げ、早くテレビから消えてしまえという論調のものが多い。  私はみのの弁護をする気はさらさらないが、みのをそこまで増長させた視聴者側の責任を問うものがないことが不思議でならない。  みのの口から出任せのいいたい放題を喜んでいた視聴者が数多くいたから、みのはあそこまで登り詰め、ワイドショーの“天皇”になり、芸能人の高額所得者ナンバー1を続けられたのだ。  小泉純一郎首相(当時)をもて囃したのもテレビを観ていた茶の間の“お馬鹿な”主婦たちである。  その結果、格差が拡大し、弱者に冷たい政治が罷り通るようになってしまったのだ。しかし、その責任を有権者は問われない。その小泉が「脱原発」といい出したと、反原発の闘士であるかのように持ち上げるメディアにはうんざりする。だが、小泉政治がやったことを見てみろという批判はあるが、有権者の猛省を促す記事はあまり見ない。  みののようなタレントのいい草を、世相をズバリと斬るジャーナリストのごとくありがたがった視聴者と、小泉をチヤホヤした有権者とは同じ類の人種であり、問題の本質はここにあるはずである。有権者がアホだからアホな政治家が出てくるということでいえば、アホな視聴者がいるからみののような人間を増長させてしまったのだ。視聴者がもう少し賢くならなければ、テレビの質はまだまだ落ちること間違いない。  さて、今週の注目記事の最初は、現代お得意の会社の寿命である。経済のプロに、日本を代表する30社の将来性を診断してもらったとある。  こういう記事を読むとき、ランクの上の会社を見るより、低い会社から見てしまうのは致し方ないだろう。  長寿力100点満点で採点してある。一番低いのは東京電力の27点。これは説明の必要はないだろう。お次は30点のソーシャルゲーム大手の「グリー」である。10月2日に、業績悪化で200人の希望退職を募ると発表したから致し方なかろう。  次は「ヤマダ電機」の32点。一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、栄枯盛衰は世の習いか。外食産業の「ワタミ」は38点で「マツモトキヨシHD」が40点。  では上位はどこか? 「三菱商事」が85点、「トヨタ自動車」が83点で双璧。同じ三菱グループの「三菱地所」が80点で第3位である。  三菱商事の評価欄に「総合商社は日本にしかない業態で海外にライバルはいない」というのがあるが、どうしてそれが高評価につながるのか頷けない。日本特有の総合商社は、企業が内部にそうした機能を持ち始めているから生き残れない、商社冬の時代といわれたのは、そう遠い昔ではない。  50年後まで生き残ることができる可能性を評価したそうだが、自動車産業も商社も、50年後には消えないまでも衰退している確率が高いと、私などは考えるのだが、いかがだろう。  第4位もよくあるパターンの記事だが、セクハラには対価型と環境型の2種類あるというところが眼について、取り上げてみた。  対価型というのは男性の側の性的な言動に対する女性側の対応によって、解雇、降格などの不利益を受けるもの。環境型は男性側の言動によって女性側の就業環境が害されるものをいうと刈谷龍太郎弁護士が説明している。  対価型はわかるが、環境型では本人に自覚がないことが多いという。たとえば、ワイシャツを直接素肌に着ていて、女性社員に「ワイシャツから乳首が透けて見えるのがとても嫌」と会社にセクハラで訴えられた大手代理店社員がいるというのである。 「会社の壁に水着のポスターを貼っていただけでセクハラと認定されることがある」そうである。  私が現代編集長時代に「ヘア・ヌード」という言葉をひねり出し、毎号ヘアの出ているグラビアページを女の子に持たせて、校閲などに持っていってもらったことがある。  当時、アメリカ支社に行って驚いたことがあった。そこの半数以上が女性だったが、週刊現代やフライデーが回覧されるとき、ビニールでくるまれているのである。女性たちの眼に触れるとセクハラで訴えられるからだと聞いた。  今だったら、間違いなく私は環境型セクハラで訴えられていると、ゾッとしながら読んだ。今の編集部では、ヘア・ヌードのグラビアページをどうしているのだろうか。アルバイトの女の子に運んでもらうときは、袋に入れてしっかりテープを貼ってから渡すのだろうか。  この記事の中に、電車の中で痴漢! と腕を捕まれたらどうするかというくだりがある。ベストは「振り払ってでも徹底的に逃げる」だそうだが、そう簡単ではあるまい。冤罪だった場合、逃げて捕まれば確実に有罪判決を受ける。痴漢冤罪については、なかなかいい知恵が浮かばないようである。  第3位にAERAの記事を持ってきたのは、多分に私情が入っているのでお許しいただきたい。  ここでも以前に書いたと思うが、私は東京の中野区という所に住んでいる。わが家は築50年を過ぎ老朽化甚だしい。おまけに家の前の通りは狭く、救急車は入れるが消防車は無理である。  だいぶ前、知り合いの建築家に見せたところ、震度3か4の地震が来れば崩壊の危険性大だといわれた。幸い東日本大震災のときの震度5強の揺れにはなんとか耐えたが、震度6~7になれば家もろとも崩れ去る運命かと、半分諦めの境地である。  だが人間、何かにすがりたい気持ちはいつでもある。今朝のAERAの新聞広告を見て、災害に強い街15カ所の中に中野という文字が見えたので、あわてて駅で買って読んでみた。  AERAによると、本来的な意味で「住むのに適した」街とは、災害に耐えうる安全性を備え、利便性が高く、快適な暮らしができる街のことで、AERAはこれを「強い街」と名付けたという。  評価項目は、洪水、津波の浸水域、地震による災害被害の想定域にあるか。救急車の出動から現場への到着時間。高度な救急医療を担う3次救急医療機関までの距離。コンビニ、警察が近隣にあるかなどである。  対象はリクルート住まいカンパニー調べの「住みたい街」の関東・関西ランキング上位29カ所のターミナル駅から選んだという。  常に住みたい街の上位に上がる東京・吉祥寺は関東地区で第8位。ベスト5は意外な結果である。  神奈川県・藤沢が1位。続いて新宿、恵比寿、渋谷、横浜と続く。  藤沢は「医療機関へのアクセス良好に加え、地盤も軟らかくない」という理由である。新宿は交番やコンビニが多く、恵比寿はさまざまな指標が平均していいのだそうだ。  わが街中野は堂々11位にランクインしているではないか。しかし本文を読んでみると、中野駅周辺は災害時に大きな被害が出るとされ、危険度も高い。日本でも有数の人口密度の高い自治体で、木造密集地域が少なくなく、災害が起これば被害は拡大すると見られているとある。  な~んだ、ちっとも安心できる地域ではなさそうだ。コンビニと医療機関の数は多そうだが、これを読んで安心する気にはなれない。  卓球の福原愛(24)の父親が亡くなっていたことをテレビのワイドショーで知った。いきなり福原がブログだかFAXで知らせてきたようだったが、亡くなったのはだいぶ前で、どうしてそんなに時間が経ってからと訝ったが、新潮を読んで納得がいった。小粒な記事だが、これが今週の第2位。  秋田県湯沢市には、父親武彦氏が役員を務めている旅館がある。地元旅館組合の関係者がこう語る。 「元々、武彦さんの実姉があの旅館の女将だったのです。それが縁で7年ほど前、旅館に“愛ちゃん卓球場”が併設されました。彼はその前後から管理人として働き始めて、3年前に役員に就任しています」  だが、すい臓がんにかかり10月6日に亡くなってしまったが、葬儀や通夜は行われなかったと別の組合関係者が話している。  新潮が、愛ちゃんの母親が社長を務める「千秀企画」に確認をとっても、「初耳です。聞いていません」というばかり。  だが、通夜・葬儀は行われていた。亡くなった直後、愛ちゃんと兄と母親が駆けつけ、卓球場で寝泊まりしていたという。  だがなぜか母親から「絶対伏せてほしい」といわれたのだという。  ステージパパとして有名だった彼の死をなぜ隠すのか。スポーツ紙デスクがこう解説する。 「15年前、彼は愛ちゃんのCM出演料などを投じて作った会社を倒産させ、1億4000万円の借金を抱えました。奥さんとは離婚しましたが、未だに金銭問題はカタが付いていないと聞いています。それでトラブルを怖れた奥さんが、口止めしたのでしょう」  新潮が出ることで、あわてて公表したというのが“真相”のようだ。  あの愛らしい笑顔の裏に、両親の離婚や金銭問題、父親の死が隠されていたなんて知らなかった。ワイドショーではこうした裏事情は伝えてくれない。  東京・三鷹市でタレントの卵、鈴木沙彩さん(18)が池永チャールストーマス容疑者(21)に殺された事件は、週刊誌の格好のネタだと思うのだが、新潮にしては珍しくワイドの一本でしかやっていない。  現代、ポストも続報はなし。文春だけが5ページ割いて追っているが、捜査担当者から聞き出したに違いないと思わせるほど、かなり詳しい内容である。事件取材はこうでなくちゃいけないと思わせてくれた文春が今週の第1位だ!  事件が起きたのは10月8日16時50分頃、三鷹市の閑静な住宅街に住む私立高校3年の鈴木さんは、自宅内にいるところを、かつての交際相手だった池永容疑者に襲われた。  池永容疑者は昼ごろ、鍵のかかっていなかった2階の窓から鈴木さん宅に侵入、潜んでいた。  文春は犯行までの経過をこう書いている。 「十月八日──。犯行直前、池永は沙彩さんの自宅内にいた。隣家の室外機を伝って無施錠だった二階窓から侵入し、一階にある沙彩さんの部屋のクローゼットの中で身を潜めていたのだ。  その暗闇の中からスマートフォンを操作し、A君(池永の友人=筆者注)らに無料通話アプリ『LINE』を通じて、次々と唐突な文言を送り始める。 〈ふんぎりつかんからかなりストーカーじみたことをしてる〉(中略)  その後も、立て続けに池永からのメッセージがA君のスマホに表示される。 〈元カノの家の押し入れにて〉 〈誰がいるかわからないんだ〉 〈普通にでようども鉢合わせしたら終わってしまう〉(中略)  十四時三十分。池永からのメッセージは次の一言で途切れた。 〈詰みだわ〉  約二時間後、沙彩さんが学校から帰宅。前述の通り、沙彩さんはこの日の朝、両親と三鷹警察署を訪れ、池永によるストーカー被害を相談したばかりで、彼女が三鷹署員から帰宅確認の連絡を受け取ったのが十六時五十一分。約二分後に通話が終わると、クローゼットを飛び出した池永は、刃体約十三センチのペティナイフを手に、制服姿の沙彩さんを強襲したのだった。  池永は凶行後に再び親友たちと連絡を取った。今度は直接、A君の携帯電話が鳴る。電話口の向こうでは息切れが聞こえ、走りながら通話している気配があったという」  池永容疑者は京都出身で、フィリピン人の母親と日本人の父親をもつハーフ。日本国籍を持っている。  身長は約180センチと大柄で、高校時代は柔道部に所属していた。沙彩さんは刃物で首や腹など4、5か所を刺され、首の動脈が斬られたことが致命傷になった。使用された凶器は、9月末に現場からほど近い吉祥寺の雑貨チェーン店「ロフト」で購入したペティナイフだった。  逮捕された池永容疑者は取り調べに対し「交際をめぐり恨んでいた。殺すつもりで刺した」と供述しているという。  文春によれば、出会いは2011年の秋だったという。京都在住の池永は立命館大学の学生だと偽り、フェイスブックで沙彩さんと知り合った。遠距離恋愛の始まりだった。  だが、池永容疑者は沙彩さん以外の女性にも「卑劣な腹いせ行為」をしていたというのである。  被害者は兵庫県在住のB子さん(24)。B子さん本人とその家族から事情を聞いた人物がこう打ち明けている。 「一昨年の秋頃、出会い系のチャットで知り合ったのが池永でした。ハーフで英語が得意だといい、モデルのようなイケてる写真を送ってきたそうです。会うようになって何度か体を重ねたが、行為中に携帯で動画を撮られた自覚があったとのことでした。  その後、池永が持ち歩いていたノートパソコンを覗く機会があり、B子さんはその中に大量の女性の裸の画像を保存したファイルを見つけてしまった。池永本人らしき男が映りこんでいるものもある。B子さんは池永に不信感を抱き、もう会わないと切り出した。それが昨年の二月のことだったそうです」  しばらくして、B子さんのもとに池永から“恨みのメール”が送られてきた。 「そこにはURLが貼られていて、リンク先に以前撮られた動画がアップされていた。女性は友人男性に相談し、池永に削除するようかなり強い口調で電話をしてもらった。池永はその際はあっさり謝罪して引き下がっている。今回の事件後、B子さんの家族に警視庁から電話があり、事情を聞かれたそうです」  リベンジポルノといわれる嫌がらせを沙彩さんのときだけではなく、常習だった可能性があるようだ。  沙彩さんと池永の交際は1年弱。彼女から別れを切り出したが、池永のほうは未練たっぷりで、よりを戻したいと訴えていた。  今年6月、沙彩さんの父親が池永に、娘に連絡をしないでくれと通告している。  そして両親と一緒に三鷹署に相談に行った日に、彼女は刺殺されてしまったのである。  京都市右京区のマンションで、池永とは年の離れた妹と暮らす母親にもインタビューしている。 「妹もいるのになんでこんなことを……。この妹が十年してどう思うか。ショック。アホ。息子でも許せない。息子はサアヤがオンリーワンで、初めての彼女だったのに」  と絶句したという。この母と娘のこれからが心配である。  桶川女子大生殺人事件でストーカー法がつくられたが、その後もストーカー殺人は後を絶たない。法を生かす警察側の積極的な運用が必要な時期である。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

「men’s egg」休刊でエロバカ企画も見納め! 気になるおバカ読モの今後は……

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■エロバカ企画の殿堂「men's egg」が休刊!?  当サイト「日刊サイゾー」や雑誌「月刊サイゾー」を読んでいるような、引きこもり文化系男子たちとは縁遠い、イケイケなギャル男やチャラ男たちをターゲットにしたメンズファッション誌を毎月レビューしているこの連載ですが、「メンズファッション誌レビュー」と言いつつ、ファッションについて言及することは皆無。暑いか寒いか以外の評価基準で服を選んだことなんてないですからね、わたしゃ。  ……というわけで、この手のメンズファッション誌でなぜか毎号特集されている、ギャル男たちの短絡的なオチンチンの欲求を満たすためのエロバカ企画ばっかりを紹介してきました。  中でも(ファッション誌としてはどーかと思いますが)エロバカ企画のクオリティが群を抜いて高かったのが「men's egg」。イケメンの読者モデルが「マンカスを食べながらのオナニーが至高」と言い放ったり、ウンコをボディクリーム代わりに全身に塗りたくってプレイしているというカップル、5年で3000人とヤッて、ハメ撮り相手の写真はフォルダ分けして整理しているという最強ヤリマン……等々、トンデモない人たちが登場したりと、質・量ともに他のメンズファッション誌の追従を許さない、どーかしている企画を次々と送り出しています。  しかしそんな「men's egg」が、なんと今月発売の「men's egg」11月号をもって休刊することに……ガーン!  一応、「廃刊ではなく休刊」とのことですけど、休刊から復活を遂げた雑誌ってあんまり聞いたことないですからねぇ~……。ま、とにかくメンエグ&エロバカ企画の復活を願いつつ、休刊ラスト号をかみしめながらレビューしていこうと思います。 ■イケメンが脱糞を……驚愕のエロバカ企画ヒストリー  メンエグ最終号を本屋で手に取って、まず思ったのが「薄ッ!」ということ。触って分かるくらい、今までの号と比べて明らかにページ数が少ないんですよ。  考えてみれば、雑誌不況の昨今じゃあ「今回で休刊します!」と有終の美を飾れる雑誌なんてごく一部で、前の号で「来月号に続く!」とか書いていながら、忽然と姿を消してしまう雑誌なんていくらでもありますからね。  メンエグの場合、「最終号」をキッチリ発行することはできたものの、今まで通りのページ数で出す余裕はなかったということなんでしょうか? そんな満身創痍の状態で我々メンエグ・ファンの元に届けられた一冊……涙なくして読めませんよ!  さて、ギリギリの魂を振り絞って作られたメンエグ最終号、果たしてどんなメッセージが刻まれているのかというと……まあメモリアル号のお約束として「FOREVER men's egg」みたいな感じで、過去にメンエグモデルとして活躍していたJOYや田中大地、植竹拓(ピロム)らのインタビューや、ギャル男、センターGUY、デリッカー、アメカジ、ブラックスタイルといった渋谷系ファッション遍歴と、まあ一応ファッション誌らしいヒストリーも紹介してはいるんですが、そこはエロバカ企画の殿堂「men's egg」。これまでやらかしてきたエロバカ企画の振り返りにも、かなりのページ数を割いています。さすが!  当時のエロバカ企画ページはかなり縮小されてバーッと紹介されているため、残念ながら細かい内容までは読むことはできないものの、それでも見出しを見ているだけで、国会図書館にダッシュしてバックナンバーをチェックしたくなってしまうほど破壊力満点のバカ企画ばかり。  たとえば、イケメンの読者モデルたちがゴムボートで多摩川を下って海を目指したり、動物園や自衛隊で働かされたり、ホームレス体験させられたり、母乳を飲まされたり、爆竹で犬のウンコを爆破したり……。  さらに、読モたちのセックステクニックを競う「S-1グランプリ」では、なぜか女役を務めているのがみんな男性編集者! セックステクを披露……というよりは、単にホモ丸出しのページが繰り広げられております。  また、読モたちは1万円でどこまでムチャをするのか!? という「実録1万円チャレンジ」では、1万円をゲットするために全裸になったり、犬のクソを素手でわしづかみにしたり、さらにはカメラの前で脱糞をかましてしまう剛の者まで。いやぁ、メンエグって昔っから……いや、昔のほうが、よりイカレた企画バンバンだったんですね。  メンエグの発行元だったミリオン出版では、かつてこんな感じのバカ企画ばっかり掲載していた「GON!」というサブカル雑誌を出していたものの、後にただのエロ本と化してしまい、その後継誌として「実話GON!ナックルズ」→「実話ナックルズ」と歴史が続いているわけですが、バカ方面での「GON!」正統継承者は、むしろ「men's egg」と言えるんじゃないでしょうか? ■いつか復活するのを待ってます! ……エロバカ企画込みで meneg10201.jpg  もちろん過去を振り返ってばかりではなく、休刊最終号でも手を抜かずに新たなエロバカ企画を生み出しています。  新旧・読モ対抗の体を張ったガチンコ対決「ファイナル格付けSHOW」では、これから職を失う(?)という読モたちに容赦なくチューブのワサビを一気飲みさせたり、ザリガニに鼻を挟ませたり、重りを入れたペットボトルから伸びる洗濯ばさみに乳首を挟んで、そのペットボトルを思いっきり放り投げさせたりと、相変わらずやりたい放題。最後の最後までメンエグ編集部は「読者モデル」という言葉の意味を理解できなかったようです。  この最終号でも「マンカス大好き」で(ボクの中で)おなじみの変態読モ・たあはむが大活躍しています。二人羽織で(もちろん、たあはむが前)激辛&激熱の鍋を食わされ、手が滑ってアツアツ鍋がチンポにクリティカルヒット。股間に取り付けたパチンコのような装置(キャンタマシーン)でキャンタマを強打。顔だけ見るとホントにイケメンなのに、こんなアホな企画に体を張りまくって……ステキです、たあはむ!  ちなみに、みんなが気になっているであろう、たあはむの動向ですが「今後はどんなことするのー?」との問いに「(新宿)二丁目!!」と高らかに答えていました。どこまで芸人魂にあふれてるんや、あんたってヤツぁ……。まあ、最近では姉妹誌「egg」のエロバカ企画にも顔を出しているようで、これからは「egg」のほうで元気なたあはむを見られるのかもしれませんけど。  いやぁー、しかしコレだけ笑えて、読みどころ&ツッコミどころ満載のエロバカ企画を次々と生み出してくれていたメンエグが休刊になっちゃって、この「メンズファッション誌レビュー」自体の存在も、かなり危ういものとなっています。来月からネタあるのかな……?  そういえば、冒頭で「休刊から復活を遂げた雑誌ってあんまり聞いたことない」と書いてしまいましたが、考えてみればメンエグの姉妹誌「egg」は2000年に一時休刊に追い込まれたものの、しばらくして奇跡的に復活、現在でもギャル誌のトップランナーとして突っ走ってるんですよね。  ……というわけで「men's egg」もこれで終わりじゃなく、いつの日かミラクル復活を果たしてほしいものです。もちろんその際には、これまで以上の超・エロバカ企画をひっさげて。待ってます! (文・イラスト=北村ヂン)